JPH06189584A - 位置センサレス・ブラシレスdcモータの制御装置 - Google Patents

位置センサレス・ブラシレスdcモータの制御装置

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JPH06189584A
JPH06189584A JP43A JP33769492A JPH06189584A JP H06189584 A JPH06189584 A JP H06189584A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 33769492 A JP33769492 A JP 33769492A JP H06189584 A JPH06189584 A JP H06189584A
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JP
Japan
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motor
signal
circuit
rotation speed
phase shift
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Application number
JP43A
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English (en)
Inventor
Osamu Shinkawa
修 新川
Takeshi Fujihisa
健 藤久
Akihito Uetake
昭仁 植竹
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 転流基準の検出ポイントの検出精度を向上さ
せ、より正確な転流制御をし、または、負荷トルクと回
転数に応じた位相シフト量を設定し、モータを高効率化
する。 【構成】 チョッパ制御のモータを回転駆動するインバ
ータ回路と、該回路からの検出信号を該制御のデューテ
イ比に応じた一定マスク期間、未検出状態にするマスク
回路と、該マスク済の検出信号により回転子の回転位置
を判別し、該判別により転流信号を得る位置センサレス
・ブラシレスDCモータの制御装置であって、該マスク
期間を回転速度に応じて可変に設定するマスク期間設定
手段を備えた。又、チョッパ制御のデューティ比を可変
して一定回転数に制御すると共に、該制御のデューティ
比と回転数に基づき負荷トルクを判定する負荷トルク判
定手段と、該負荷トルクと回転数に基づき予め用意され
た位相シフト量補正テーブルを参照し該シフト量を選択
する位相シフト量選択手段とを備え、該シフト量を用い
てモータ駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転子の回転に伴い固
定子コイルに発生する逆起電力を用いて、回転子の回転
位置を判別し固定子コイル部の転流制御する位置センサ
レス・ブラシレスDCモータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブラシレスDCモータは、高効率、制御
性の良さの点から近年各種の機器に利用されている。ま
た、このブラシレスDCモータは、回転子が永久磁石か
らなる同期モータと同様な構造であることから、駆動の
際には回転子の回転位置を検出するためにホール素子等
の位置検出器が必要であった。しかし、モータの小形化
に伴って、この位置検出器の占有空間が無視できなくな
り、モータの小形化を妨げる要因ともなっている。
【0003】このため、回転子の回転に伴って固定子巻
線に発生する逆起電力を用いて回転子の回転位置を検出
し、位置検出器を不要とした位置センサレス・ブラシレ
スDCモータの駆動方式が提案されている(鈴木、小笠
原、赤木「位置センサレス・ブラシレスDCモータの一
構成法」昭和63年電気学会産業応用部門全国大会N
o.34)。また、この駆動方式において、チョッパ制
御を行なうと、還流ダイオードが導通状態となる条件電
圧が低下するので、逆起電力が少ない低回転数領域にお
いても、回転位置を検出して位置センサレス・モータ駆
動できるようになっている。そして、この種の駆動方式
では、図10に示すように、120度通電形の電圧形イ
ンバータ回路4を主回路に用い、チョッパ制御によりD
Cモータへの駆動電圧を増減して回転速度の制御を行な
っている。尚、図中、1はモータ、2は回転子、3は固
定子、U,V,Wは、各相の固定子コイル部、Ta+
Tb+,Tc+,Ta-,Tb-,Tc-は、このコイル部
U,V,Wへの供給電流を切換えるスイッチング用のト
ランジスタ、Da+,Db+,Dc+,Da-,Db-,D
-は、トランジスタ保護用の還流ダイオードを示す。
この駆動方式では、各相の逆起電力ea,eb,ecと一
対のトランジスタに印加する駆動信号とは、図11に示
す関係として試験的に得られる。この場合、各相は電気
角360゜期間内に、60゜×2回の開放期間(トラン
ジスタに駆動信号が印加されない期間)を有する。尚、
この開放状態の相を、開放相と称する。
【0004】そして、このような駆動方式においてモー
タを回転駆動するには、例えば、回転子が、所定の回転
位置に回転した時に、この回転位置を検出し、次に、1
20゜進んだ励磁パターンに切換えることにより、回転
方向の先に位置する励磁コイルが切換え通電される(こ
のように駆動電流を次のコイルに切換えることを、転流
と称する。)ことになり、モータを回転し続けることが
できる。そして、この時には、モータの回転に伴って、
固定子コイル部に逆起電力が発生するので、開放相の還
流ダイオードの導通状態を検知することにより、回転子
の磁極部の回転位置が間接的に検出され、これに基づき
転流信号が形成される。すなわち、この間接法では、回
転子の回転により固定子コイル部に逆起電力が発生する
と、この逆起電力によって開放相の端子電圧が変化し、
P側の還流ダイオードのアノード電位がEd+よりも高
くなったり、または、N側の還流ダイオードのカソード
電位がEd-よりも低くなったりして、還流ダイオード
が導通状態となる。したがって、このダイオードの導通
状態を検出すると、現在の励磁パターンのモードが検出
でき、結果的には、回転子の回転位置が検知されたこと
になる。そして、このように、回転子に対して、常に回
転方向に先の固定子コイルが励磁されるので、回転子が
回転し続けることになる。
【0005】また、開放相のダイオードの導通状態、す
なわち、基準電圧より変化する検出ポイントは、60゜
の開放期間のうち、略中央付近の30゜で検出される。
すなわち、導通状態は略30゜の進み位相で検出され
る。このため、制御回路において、次の転流を行なうた
めに各相とも一様に略30゜位相を遅らせて駆動信号を
形成し、この駆動信号によりチョッパ制御を行なう構成
とされている(この位相を遅らせることを位相シフトと
称し、この分量を位相シフト量と称し、この位相シフト
量により決定される切換え駆動信号を発するタイミング
を転流タイミングと称する。)。
【0006】さらに、この開放相の逆起電力が基準電圧
から変化する検出ポイントは、余分な信号成分が混在し
ているので、正確に検出することが困難であった。これ
は、この検出信号が、基準電圧を挟んで逆極性で絶対値
が等しい2つの相と、検出対象の逆起電力が重畳したも
のであり、これらの他の2相が、互いに相殺することに
よって、対象の逆起電力のみを検出するようにしている
ことによる。そして、実際には、これらの他の2相の逆
起電力の波形が、互いに平行波形とならずに、それぞれ
異なる乱れ方をしているので、相殺されきれずに残って
しまい、この余分な部分が、検出対象の波形を乱してし
まうことになる。また、各スイッチング毎に基準電位と
なるラインにスイッチングによるノイズが発生し、検出
対象の波形を乱してしまう。このため、従来、図12に
示すように、各チョップ単位のデューティの開始時点か
ら、このデューティ期間全体の約90%を、検出信号を
無効にするマスクをかけていた。すなわち、この期間の
残りの10%の時間帯にのみ、検出を判定するようにし
て、この不要な信号を捉えにくくし、正確な検出ポイン
トを得るようにしていた。そして、このようなマスク時
間を設定して検出信号を処理するために、図13に示す
ように、単安定マルチバイブレータ(以降、モノマルチ
と称する)40と、このモノマルチ40の出力信号と、
検出信号が入力されたオア論理回路41とからなるマス
ク回路42が用いられていた。すなわち、このモノマル
チ40のB端子には、可変デューティが設定されたパル
ス幅変調波信号(以下、PWM信号と称する)が入力さ
れ、デューティの開始時点のハイ入力に応じて、設定さ
れたマスク期間の間中、Q端子からオア回路へ、ハイ信
号を出力するようになっている。そして、このマスク期
間は、このモノマルチ40に外部接続されたコンデンサ
の容量Cと抵抗の抵抗値Rの設定によって、デューティ
期間の90%になるように、予め定められている。ま
た、このモノマルチ40のQ信号出力線と検出信号線
は、それぞれ、順方向に接続されたダイオードDa1,
Da0を介して、単一に結線され、オア論理回路41を
構成している。尚、この検出信号は、検出状態で信号電
圧が低下するロウ能動信号となっている。したがって、
あるデューティ期間が開始されると、これに基づきモノ
マルチ40のQ端子から、ハイ出力信号が、マスク期間
中、後段のオア回路41に出力される。そして、この場
合には、検出信号が検出状態を示すロウ信号となって
も、オア論理条件のオア回路41に入力されているQ出
力端子のハイ信号により、このロウ検出信号がマスクさ
れ、マスク回路42としての出力は、未検出状態を示す
ハイ信号出力を維持する。次に、設定されたマスク期間
が過ぎると、モノマルチ40のQ端子からロウ出力信号
が出力され、オア回路41にロウ入力されるので、検出
信号がロウ状態となった場合に、マスク回路42の出力
には、検出状態を示すロウ出力信号が、そのまま現れる
ことになる。
【0007】またさらに、回転数による変化によって
も、転流タイミングを通常の転流ポイントよりシフト補
正してやる必要があり、例えば、回転数が高い場合に
は、駆動電流の立上がりの遅れが無視できなくなり、通
常の転流タイミングより早目に転流する、すなわち、位
相シフト量を減少させる制御を行なって、モータ駆動し
ていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
位置センサレス・ブラシレスDCモータにおいては、チ
ョッパ制御のチョッパ周波数は固定されている一方、モ
ータ回転数が高低に可変するので、次のような問題が生
じていた。すなわち、モータが低回転の場合には、開放
相の期間がチョッパ周波数に比べて比較的長いので、こ
の開放相の期間中に含まれる、検出に用いるチョップ単
位数が多く、確実に検出ポイントを検出できる。ところ
が、このモータが高回転数になると、モータの1回転に
要する時間が短縮されこの開放相の時間幅が狭まる一
方、チョッパ周波数は固定されてチョッパ単位の時間幅
は一定しているので、この開放相の範囲に入るチョップ
単位の数が減少することになる。このため、検出に利用
できるチョップ単位が少なくなり、検出ポイントの検出
が不良となるので、正常な転流タイミングで転流でき
ず、モータ回転が不安定になるという問題が生じてい
た。
【0009】また、モータ高回転時には、上述した逆起
電力が、この回転数に応じて高くなることにより、この
検出ポイントの検出信号が高出力となり、この検出信号
に占めるノイズ成分の割合が低下し、マスクしなくても
充分確実な検出が可能なので、高回転時には、このよう
な検出信号のマスク処理が不要となり、また、このマス
ク処理によってかえって正確な検出を妨げるおそれもあ
る。
【0010】さらに、この検出ポイントは、図14に示
すように、60゜期間の中央を基準零点とすると、回転
数と負荷トルクとの2つの要素により、この零点から時
間的に進んだり遅れたりする、実験データが得られてい
る。この検出ポイント時点の変化は、同図に示すように
不規則であり、例えば、一度、中回転域(3500rp
m)において遅れ量が減少し、高回転域(7000rp
m)においては、再び上昇する等の傾向がある。さらに
また、この遅れ量は、高負荷になるに伴って増加する傾
向にあるが、これの増加率も各回転数によって、微妙に
異なっている。したがって、従来のように、回転数のみ
を考慮した位相シフト量の補正を行なっていると、基準
検出ポイントが、このようにズレているので、このズレ
た検出ポイントを基準にして転流ポイントを決定してい
ることになる。この結果、回転数に応じた適切な位相シ
フト量の補正を行なっていても、基準点が不正確なため
転流ポイントが不適切になり、したがって、転流ポイン
トでの無効な電流が増えてモータとしての力率が低下
し、モータ効率が悪化するという不具合が生じていた。
【0011】さらにまた、同一回転数で運転していて
も、大きな負荷トルクの変動が生じると、上記の理由に
より、適切な転流ポイントで転流できないので、この転
流ポイントにおいての無効電流が増大するとともに、回
転不調となりやすく、高効率運転ができないという問題
があった。
【0012】そこで、本発明は、転流タイミングの基準
点となる検出ポイントの検出精度を向上させて、これに
応じた正確な転流タイミングで転流を行なうことによ
り、または、実際の負荷トルクと回転数に応じた、位相
シフト量を決定することにより、モータの高効率な運転
が図れる位置センサレス・ブラシレスDCモータの制御
装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願第1請求項に係る位
置センサレス・ブラシレスDCモータの制御装置は、チ
ョッパ制御によりブラシレスDCモータを回転駆動する
インバータ回路と、このインバータ回路からの検出信号
を、上記チョッパ制御のデューテイ比に応じた一定のマ
スク期間、未検出状態にするマスク処理を行なうマスク
回路とを備え、このマスクされた検出信号を用いて回転
子の回転位置を判別し、この判別に基づき、転流させる
信号を得る位置センサレス・ブラシレスDCモータの制
御装置にあって、上記マスク期間を、モータ回転速度に
応じて可変に設定するマスク期間設定手段を備えた構成
とされている。尚、可変に設定するとは、マスク期間を
全く設けないノンマスクにすることも含む。
【0014】本願第2請求項に係る発明は、チョッパ制
御によりブラシレスDCモータを回転駆動するインバー
タ回路を備え、このインバータ回路からのモータ回転に
より生じる逆起電力に基づいた検出信号を用いて回転子
の回転位置を判別し、この判別に基づいて転流させる信
号を得るとともに、上記チョッパ制御のデューティ比を
可変し、モータ回転数を一定に維持する位置センサレス
・ブラシレスDCモータの制御装置にあって、上記チョ
ッパ制御のデューティ比と回転数に基づき、負荷トルク
を判定する負荷トルク判定手段と、この負荷トルクと回
転数に基づき、予め用意された位相シフト量補正テーブ
ルを参照して、位相シフト量を選択する位相シフト量選
択手段とを備え、この選択された位相シフト量を用いて
モータ駆動する構成とされている。
【0015】
【作用】したがって、本願第1請求項に係る発明によれ
ば、チョッパ制御を行なっている位置センサレス・ブラ
シレスDCモータにおいて、回転数に対応したマスク期
間を可変に設定するマスク期間設定手段を設けることよ
り、検出信号を未検出状態にするマスク時間を、下記の
通り回転数に応じて可変する。すなわち、対象となる検
出信号にノイズが多く含まれる低回転時には、このマス
ク期間が長期に設定されて、誤検出を防止する一方、ノ
イズが検出信号に比べて低減される。検出に用いるチョ
ップ単位数が減少する高回転時には、このマスク期間が
短期に、または、設定されないので、転流タイミングの
基準点となる検出ポイントが、回転数による悪影響を受
けることなく正確に把握できることになる。このよう
に、低回転から高回転までの全モータ運転領域におい
て、安定した駆動が確保することができる。
【0016】本願第2請求項に係る発明によれば、予め
モータ回転数と、負荷トルクに応じた適切な位相シフト
量が設定されたデータ・テーブルを用意しておき、運転
時にこのテーブルを参照して適切な位相シフト量を決定
しているので、モータの全運転領域において、それぞれ
の領域の負荷トルクと回転数に応じた最適な位相シフト
量を設定することができ、最適なタイミングで転流でき
るとともに、転流点での無効な電流が抑制されることに
なり、モータとしての力率が高まり、高効率な運転が可
能となる。
【0017】また、外部要因により回転数および負荷ト
ルクが変動した場合にも、この変動に追尾した最適な位
相シフト量が選定できるので、この場合の転流点での無
効な電流が抑制される。
【0018】
【実施例】以下に、第1請求項に係る発明を、図1ない
し図3に示す第1実施例に基づいて説明する。図1は、
本実施例に係る位置センサレス・ブラシレスDCモータ
の概略回路構成図を示す。このブラシレスDCモータ1
は、回転子2と固定子3とからなり、固定子3にはU、
V、Wの3相のコイルが各々4巻線づつ装着され、回転
子2には永久磁石により4極の磁極が形成されている。
インバータ回路4は、各々還流ダイオードDa+,D
+,Dc+が逆方向に接続されたP(プラス)側のトラ
ンジスタTa+,Tb+,Tc+と、各々還流ダイオード
Da-,Db-,Dc-が逆方向に接続されたΝ(マイナ
ス)側のトランジスタTa-,Tb-,Tc-とから構成
されている。そして、P側のトランジスタとΝ側のトラ
ンジスタとを一対組合せてチョッパ制御を行なうことに
より、モータ・コイルへの平均供給電圧を増減してモー
タ回転速度の制御を行なっている。これとともに、3相
の直流電流を、各相のコイルのうち選択した2つのコイ
ル部に順次、切換え通電することにより、回転用の磁界
を形成して、回転子を回転駆動させている。
【0019】すなわち、モータ1の各コイル部に発生す
る逆起電力に基づいて、インバータ回路4の各還流ダイ
オードの導通状態を判別するモード検出回路5が、イン
バータ回路4に接続されている。また、このモード検出
回路5からのモード検出信号に基づき、インバータ回路
4の各トランジスタをスイッチ動作させる制御回路6
が、インバータ回路4に接続されている。そして、この
制御回路6により、位相シフト量の補正等を行なって転
流ポイントを決定し、この転流ポイントとモードに基づ
き、実際にインバータ回路4の各トランジスタTa,T
b,Tcをスイッチ動作させるようになっている。
【0020】上記制御回路6には、図2に示すように、
外部から入力され電圧信号からなる速度指令値に基づ
き、デューティ比を設定しPWM信号を生成し出力する
PWM発生回路7と、このPWM信号と速度指令値に基
づき、入力された検出信号を可変期間のマスク処理する
マスク回路8とから構成され。すなわち、回転数に対応
した電圧値を持つ速度指令信号がPWM発生回路7に入
力される一方、そのまま、マスク回路8に入力されてい
る。また、このマスク回路8には、図示を省略した、こ
の回路により可変マスク処理された検出信号出力に基づ
き、位相シフト量を設定する位相シフト設定回路と、こ
の位相シフト信号に基づき、インバータ回路4のP側と
N側のトランジスタをチョッパ駆動する駆動信号を形成
する駆動信号形成回路と、この駆動信号を増幅して各ト
ランジスタへ出力する電力増幅器とが、順次、直列に接
続されている。
【0021】上記マスク回路8は、図3に示すように、
電圧値の速度指令を持つ入力線に並列接続された複数の
オペアンプOp1,Op2,Op3…からなる比較選択部
9と、これらの各オペアンプOpの後段に個別に対応し
て接続されたモノマルチMo1,Mo2,Mo3…からな
るマスク設定部10と、さらに、これらのモノマルチM
oの各出力B端子と検出信号線とが、順方向に接続され
たダイオードDa1,Da2,Da3…を介して統合結線
されたオア論理回路部11とから構成され、このマスク
回路8の最終出力線から可変マスク処理された検出信号
を出力するようになっている。
【0022】すなわち、この比較選択部9に設けられた
オペアンプOpは、それらの反転入力端子に、速度電圧
値の入力線が接続され、各オペアンプOp毎に設けられ
た単一電源の供給電圧V1,V2,V3により、予め設定
された電圧比較値Vc1,Vc2,Vc3を、それぞれ持
っている。本回路例では、このれらの各オペアンプOp
の電圧比較値Vcが、図の上方から下方に向うに従っ
て、低電圧値から、高電圧値となるように設定されてい
る。また、これらのオペアンプOpの出力端子は、それ
ぞれに対応して設けられた1つのモノマルチMoのC
(クリア)端子に接続され、このC端子はロウ能動端子
となっている。したがって、オペアンプOpの比較が成
立すると、このC端子へロウ信号が出力され、そのモノ
マルチMoのQ端子出力が、クリアされロウとなる。つ
まり、速度指令値の電圧値と上段のオペアンプOpに設
定されている電圧値Vcとの比較が成立した場合には、
それぞれ個別に設けられた下段のモノマルチMoがクリ
ア・キャンセルされ、そのモノマルチMoのQ出力端子
のハイ信号出力が抑止されるようになっている。
【0023】さらに、これらのモノマルチMoのB端子
は、PWM発生回路7の出力端子に並列接続され、マス
ク開始基点となるPWM信号(デューティ信号)が入力
されている。そして、この可変デューティが設定された
PMW信号が、それぞれB端子に入力されているので、
このデューティの開始時点のハイ入力に応じて、モノマ
ルチMoのQ端子から、ハイ信号出力が各モノマルチM
o毎に設定された期間中、出力されるようになってい
る。また、このマスク期間となるハイ出力時間は、それ
ぞれのモノマルチMoに接続されたコンデンサの容量C
と抵抗Rとの設定によって、予め各モータ回転数に応じ
たオペアンプOpの電圧比較値Vcに対応した適切な時
間となるように設定されている。すなわち、接続されて
いるオペアンプOpが低い比較電圧値に設定されている
場合には、モノマルチMoが長期間のマスク期間に設定
される、他方、オペアンプOpが高い比較値の場合に
は、これに対するモノマルチMoは短マスク期間となる
ように設定されている。したがって、予め設定された回
転速度以上となるような速度指令値信号が入力される
と、これに対応した1つ以上のオペアンプOpが作動
し、このオペアンプOpに接続されたモノマルチMoの
ハイ出力動作が停止するようになっている。すなわち、
回転数が高くなり電圧値が上昇すると、オペアンプOp
が図の上方から下方へ、次々とオンされてロウ信号を出
力し、このロウ出力により、長いマスク時間を設定され
ているモノマルチMoから、短時間に設定されているモ
ノマルチMoへと順次、動作を停止するようになってい
る。つまり、高電圧値の速度指令値により、高回転にな
る程、モノマルチMoのハイ出力によるマスク期間の設
定が短縮されるようになっている。
【0024】上記オア論理回路部11は、上記各モノマ
ルチMoのQ端子出力線と検出信号線とが、順方向に接
続されたダイオードDa1,Da2,Da3…、および、
Da0を介して、統合結線された構成とされている。し
たがって、このオア論理回路部11のオア論理条件によ
って、このオア回路部11の前段に接続されたモノマル
チMoから出力されるハイ出力信号により、検出信号線
の検出状態を示すロウ信号がマスクされるようになって
いる。また、上記複数のモノマルチMoがハイ出力動作
している場合には、これらのモノマルチMoのハイ出力
のうち、最も長期間のハイ出力信号によって、検出信号
線のロウ信号がマスクされるようになっている。
【0025】したがって、速度電圧値が低い低回転時に
は、全てのオペアンプOpの比較が成立せずに、各オペ
アンプOpの出力がハイ状態となり、これらに接続され
ている全てのモノマルチMoが動作状態となる。そし
て、各Q端子から同時に複数の期間ハイ出力されれる
と、オア論理回路のオア条件によって、最長期間のQ端
子ハイ出力により、検出信号線のロウ検出信号がマスク
され、この結果、最終出力線から未検出状態を示すハイ
信号が出力されることになる。他方、速度電圧値が高く
なる高回転時になると、上方のオペアンプOpから、順
次、比較が成立し、各オペアンプOpからロウ出力され
ることになる。これに伴い、それぞれのオペアンプOp
に接続されているモノマルチMoの動作が抑止され、そ
のモノマルチMoの設定期間のハイ出力信号が出力され
なくなる。この結果、順次、回転数が高くなり電圧値が
上昇すると、オペアンプOpが図の上方から下方へと向
って、次々とそれらの比較が成立してロウ信号を出力
し、これらのロウ出力により、長マスク時間設定のモノ
マルチMoから、短マスク時間設定のモノマルチMoへ
と順次、動作が停止され、マスク時間が短縮されるよう
になっている。尚、これらの高低回転時の双方におい
て、モノマルチMoの最長マスク設定期間が完了する
と、オア論理回路部11にモノマルチMoからハイ信号
入力されないことになるので、検出信号線からの検出状
態を示すロウ入力信号が、そのままマスク回路8から出
力される。つまり、検出された生の検出信号のうち、評
価して利用する前に、回転数によって予め設定されてい
る時間以前の不要な部分を削除するという信号処理を行
なっていることになる。
【0026】尚、このようなマスク回路8において、比
較選択部9の設定を変更し、高回転時に、モノマルチM
oの動作を全てキャンセルして、マスク期間を全く設け
ないノンマスクにすることにより、さらに高速回転等の
特殊な条件に対応させることも可能であり、運転状況に
応じた設定により柔軟な制御が可能となる。
【0027】以上説明したように、本実施例によれば、
チョッパ制御を行なっている位置センサレス・ブラシレ
スDCモータにおいて、モータ回転数に対応してマスク
期間を可変に設定するマスク期間設定回路を設けること
より、回転数に応じて検出信号を未検出状態とするマス
ク期間を可変にしている。すなわち、対象となる検出信
号に含まれるノイズ成分の比率が高い低回転時には、こ
のマスク期間を長期に設定し、このノイズによる誤検出
に基づく誤制御を防止している。他方、検出信号が高出
力となってこの信号のノイズ比率が低下すると同時に、
検出に利用できるチョップ単位数が減少する高回転時に
は、マスク期間を短期に設定している。この結果、転流
タイミングの基準点となる検出ポイントが、回転数によ
る悪影響を受けることなく、正確に把握できることにな
り、低回転から高回転までの全モータ運転領域におい
て、この向上した検出精度に基づいた、正確な制御駆動
が可能になり、モータの高効率化が図れる。
【0028】次に、本発明を図4に示す第2実施例に基
づき説明する。本実施例の位置センサレス・ブラシレス
DCモータの制御装置は、速度指令信号が電圧値とは異
なり、例えば、シリアル通信等の周波数によって速度値
を示している場合に対応したものである。つまり、上述
した第1実施例に、F/V変換器13を追加したものと
なっている。
【0029】すなわち、図4に示すように、外部から入
力され速度指令値を示す周波数信号に基づき、デューテ
ィ比を設定しPWM信号を生成出力するPWM発生回路
7と、このPWM信号を変換して、速度指令値に応じ
た、電圧値を出力するF/V変換器13と、この変換さ
れた速度電圧値とPWM信号とに基づき、入力された検
出信号をマスク処理するマスク回路8とから構成されて
いる。すなわち、外部などから要求されるモータ回転数
に対応した周波数値を持つ速度指令信号がPWM発生回
路7に入力され、このPWM発生回路7からのPWM信
号が、そのまま、マスク回路8に入力される一方、この
PWM信号がF/V変換器13により速度を示す電圧値
に変換されて同マスク回路8に入力されている。また、
このマスク回路8には、上記実施例と同様に、図示を省
略した駆動系の回路群が接続され、さらに、マスク設定
部10の内部構成も、上記実施例と同一のものを用いて
いる。
【0030】したがって、本実施例においても、上記実
施例と同様な効果を奏するのみならず、速度指令値が電
圧値とは異なる周波数の場合にも対応でき、回路構成の
柔軟性が向上し、利用範囲を拡大することができる。
【0031】次に、図5に示す第3実施例を説明する。
本実施例においては、上記2つの実施例と異なり、マス
ク期間選択の基準を、速度指令信号の速度電圧値の代わ
りに、回転速度検出器15を用いることにより、実際の
モータ回転数を検出し、この実回転数に基づいた速度電
圧値としたものである。
【0032】すなわち、図5に示すように、入力された
速度指令値に基づき、デューティ比が設定されたPWM
信号を出力するPWM発生回路7と、還流トランジスタ
からの逆起電力に基づき、励磁パターンモードを検出
し、転流タイミングの基準点となる検出信号を出力する
モード検出回路5と、モータ1に設けられモータ実回転
を検出し速度電圧値として出力するモータ回転速度検出
器15と、この回転速度検出器15からの速度電圧値と
PWM信号とに基づき、モード検出回路5からの検出信
号を可変期間マスク処理するマスク回路8とから構成さ
れている。すなわち、制御されたモータの実際の回転数
に対応した、電圧値を持つ速度指令信号がマスク回路8
に入力される一方、このPWM発生回路7からのPWM
信号が、そのまま、回路に入力されている。また、この
マスク回路8と、実回転数検出器との間には、上記実施
例と同様に、図示を省略した、位相シフト設定回路と、
駆動信号形成回路と、電力増幅器とが、順次直列に接続
され、さらに、モータ本体が接続されている。さらにま
た、上記マスク時間選択回路の内部構成は、上記実施例
と、同一にされている。
【0033】したがって、本実施例においても、上記実
施例と同様な効果を奏するのみならず、実際のモータ回
転数に基づき、マスク期間を可変しているので、外部条
件によるモータ回転数の変動に即応でき、常に安定した
検出精度が確保されるとともに、制御の応答特性を向上
することができる。
【0034】さらに、第2請求項に係る発明を図6ない
し図9に示す実施例に基づいて説明する。本実施例の位
置センサレス・ブラシレスDCモータの制御装置は、モ
ータ回転数とデューティ比から判別される負荷トルクと
により、適切な位相シフト量を設定することによって、
モータのより高効率化を図ったものである。
【0035】すなわち、図6は、本実施例に係る位置セ
ンサレス・ブラシレスDCモータの概略機能ブロックを
示し、ブラシレスDCモータ本体1と、このモータ1に
駆動電流を供給する駆動回路部21と、このモータの実
際の駆動状況を検出し制御に用いるデータを収集する検
出回路部22と、この検出データに基づき、要求回転数
を維持したり高効率なモータ運転が可能となるように、
上記駆動回路部21を制御する制御回路部23とから構
成されている。
【0036】上記駆動部21は、後述する制御回路部2
3からのデューテイ比の設定信号に基づき、チョッパ切
換えおよびデューテイ比を切換えるチョッパ信号発生回
路24と、同制御回路部23からの転流信号に基づき、
転流モードを選択し出力する出力パターンモード選択回
路25と、このモードに基づき、インバータ回路4の各
トランジスタを切換え動作させる信号を出力する駆動信
号形成回路26と、DC電源部に接続されるとともに、
この動作信号により、トランジスタをスイッチ動作させ
て、各モータ・コイルへ励磁電流を切換え供給するイン
バータ回路4とから構成されている。すなわち、上記制
御回路部23からの最終的に補正処理され位相シフト量
により決まるタイミングで出力される転流信号に基づ
き、出力パターンモード選択回路25から、次の励磁パ
ターンモードが出力されるようになっている。次に、こ
のモードに基づき、駆動信号形成回路26から、インバ
ータ回路4の各トランジスタを切換え動作させる信号が
出力される。そして、インバータ回路4により、各コイ
ル部にモードに従い励磁電流が切換え供給されて、モー
タ1が回転駆動されるようになっている。また、チョッ
パ信号発生回路24は、制御回路部23からのチョッパ
切換指令およびモータの回転速度を指示するデューテイ
比設定信号に基づき、チョッパ信号を発生し、駆動信号
形成回路26に出力している。
【0037】上記検出回路部22は、インバータ回路4
からの各コイル部への供給線に並列接続され、モータ1
の各モータ・コイルの逆起電力を還流ダイオードの導通
状態により判別し、これによりモータ・コイルへの電流
供給状態を判定するモード判定回路28と、この判定回
路28からのモード信号に基づき、転流信号の基準ポイ
ントとなる検出ポイントを判別する、基準ポイント判別
回路29とから構成されている。
【0038】上記制御回路部23は、モータ装置の外部
などに設けられて使用者などにより操作が指示入力さ
れ、これに応じた要求値が出力されるコントローラ30
と、このコントローラ30と上記検出部に接続されたマ
イクロコンピュータ31とから構成されている。そし
て、このマイクロコンピュータ31は、各入力信号をデ
ジタル変換するA/D変換器、I/Oポート、CPU、
メモリなどを備え、コントローラ30からの要求値や、
検出部からの回転数と負荷トルクに基づき、適切な位相
シフト量を設定するようになっている。
【0039】すなわち、このマイクロコンピュータ31
において、コントローラ30からの要求速度指令に基づ
く回転速度は、一定に維持されるように、マイクロコン
ピュータ31内の別内蔵プログラムにより、自動制御さ
れている。具体的には、実際のモータ回転数を検出し、
この回転数と要求回転数との差を判別し、この差を減少
させるようにデューティ比を修正変更することによっ
て、モータ1への供給電圧を増減させ、モータ1を要求
回転数になるように制御している。これは、一般に、D
Cモータは、図7の(a)に示すように、励磁コイルに
供給される電圧値が高低に変化すると、モータ回転数が
正比例して、増減する。これを利用して、チョッパ制御
により、モータへの平均供給電圧を加減して、モータの
回転速度を制御している。したがって、外部要因による
モータ負荷の変動や、要請される回転数の変更により、
実際の回転数が要求回転数に合わなくなった場合には、
このデューテイ比が、回転数の差に応じて、新たに再設
定される。つまり、このデューテイ比は、回転数を維持
するために、負荷トルクの影響が反映されたものとなっ
ている。
【0040】そして、このようにマイクロコンピュータ
31内部で設定されたデューテイ比と、検出された回転
数により、本実施例の負荷トルクと回転数に応じた適切
な位相シフト量となるような処理が、同マイクロコンピ
ュータ31内部で行なわれている。
【0041】すなわち、図7の(b)を参照すると、こ
の種のDCモータにおいては、供給電圧が一定の場合に
は、回転速度と負荷トルクとは、互いに逆比例の関係に
ある。つまり、これらのどちらか一方が確定できれば、
他方が判定できることになる。したがって、供給電圧と
回転数とを判別できれば、負荷トルクを判定できること
になる。そして、本実施例においては、この回転数を規
定する電圧値をチョッパ制御により、増減している。す
なわち、この電圧値の設定は、デューティ比により行な
われている。したがって、このデューティ比と、回転数
に応じた負荷トルクは容易に判定できる。つまり、この
デューテイ比を電圧値に換算することなく、直接、デュ
ーテイ比と回転数から、負荷トルクを判定することが可
能である。
【0042】そして、各モータの大きさ重量等により異
なることが予想される、この実際の負荷トルクと回転数
に対応した適切な位相シフト量のデータは、予め実験な
どにより、収集され設定されている。すなわち、図8
(a),(b),(c)に示すように、各回転数におい
て、負荷トルクの変化に応じて、位相シフト量を同図中
に示される実線カーブのように補正するようになってい
る。具体的には、各回転数において、負荷トルクが、2
Nm以上の場合、1000rpm時には、通常時の回転
数による位相シフト補正量から電気角で−10゜の位相
シフト量となり、3500rpm時には、−5゜とな
り、7000rpm時には、−8゜となるように、各回
転数と負荷トルクによって、位相シフト量が設定されて
いる。そして、このようなデータ・テーブルが、上述し
たマイクロコンピュータ31のROM等のメモリに予め
登録されている。つまり、回転数と負荷トルクとの2要
素により表される2次元座標系の交点に最適な位相シフ
ト量が記録され、この位相シフト量を、これらの2要素
により較差照合して参照するようになっている。
【0043】次に、このような位置センサレス・ブラシ
レスDCモータの制御装置によりモータを駆動制御する
動作を、図9に示すフローチャートにより説明する。
【0044】まず、ステップP101において、モータ
回転数が、検出回路部22から読込まれる。次に、ステ
ップP102では、このマイクロコンピュータ31内部
で処理設定されているデューテイ比と、回転数から直
接、負荷トルクを判定する。そして、ステップP103
では、この負荷トルクと回転数に基づき、予め用意され
たメモリに格納された補正データ・テーブルを参照し
て、最適な位相シフト量を設定する。さらに、ステップ
P104に進み、この設定された位相シフト量に基づい
た、実際に転流信号と出力する時間を決定するためのマ
イクロコンピュータ31のタイマ時間が設定され、タイ
ムカウントが開始される。そして、ステップP105
で、タイムカウントが進み、次に、ステップP106で
は、このタイマ時間の経過が判定され、タイムアップ以
前の場合には、ステップP105に戻りタイムカウント
し続け、タイムアップの場合には、ステップP107に
処理が移行する。そして、このステップP107では、
転流信号を出力して、この1転流サイクルの制御を終了
する。
【0045】以上説明したように、本実施例によれば、
モータ供給電圧と回転数から負荷トルクを判別し、次
に、この負荷トルクとモータ回転数とに応じた適切な補
正位相シフト量が設定されたデータ・テーブルを予め用
意しておき、運転時に、このテーブルを参照して適切な
位相シフト量を決定しているので、モータの全運転領域
において、それぞれの領域の負荷トルクと回転数に応じ
た最適な位相シフト量を設定でき、最適なタイミングで
転流できるので、モータとしての力率が高まり、高効率
化を達成することができる。
【0046】また、回転数および負荷トルクが大幅に変
動した場合にも、この変動に追尾した最適な位相シフト
量が選定できるので、転流点での無効な電流が抑制され
ることになり、モータの省電力化を図ることができる。
【0047】さらに、モード信号によりモータの実回転
数を判別しているので、別途に設けていた回転数検出器
が不要となり、回路構成が簡素化されコストダウンが図
れるとともに、この検出器に起因する故障の発生を防止
することができる。また、デューティ比と回転数から負
荷トルクを判別しているので、別途に設けられていた負
荷検出器が不要となる。
【0048】そして、一般的な、電子回路構成によりテ
ーブルを作成することに比べて、記憶手段にテーブルを
保持しているので、テーブルの更新・変更が容易に行な
え、保守や設計変更の柔軟性に富む。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本願第1請求項に
係る発明によれば、チョッパ制御を行なっている位置セ
ンサレス・ブラシレスDCモータにおいて、検出信号を
未検出状態にするマスク期間を、回転数に応じて可変に
設定するマスク期間設定手段を設けることより、高低の
回転数に応じてマスク期間を増減し補正しているので、
転流タイミングの基準点となる検出ポイントがより正確
に把握できることになり、低回転から高回転までの全モ
ータ運転領域において、この向上した検出精度に基づい
た駆動制御が行なえ、モータの高効率化を達成すること
ができる。
【0050】さらに、本願第2請求項に係る発明によれ
ば、モータ供給電圧と回転数から負荷トルクを判別し、
この負荷トルクとモータ回転数とに応じた補正位相シフ
ト量が設定されたデータ・テーブルを予め用意してお
き、運転時に、このテーブルを参照して位相シフト量を
決定しているので、モータの全運転領域において、それ
ぞれの領域の負荷トルクと回転数に応じた最適な位相シ
フト量を設定でき、最適なタイミングで転流できるの
で、モータとしての力率が高まり、高効率化を達成する
ことができる。
【0051】また、回転数および負荷トルクが大幅に変
動した場合にも、この変動に追尾した位相シフト量が選
定できるので、転流点での無効な電流が抑制され、モー
タが低電流消費となり省電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1請求項に係り、本請求項の第1実
施例の位置センサレス・ブラシレスDCモータの概略構
成図。
【図2】第1実施例の制御回路を示す機能ブロック図。
【図3】第1実施例のマスク回路を示す回路構成図。
【図4】本発明の第1請求項に係る、第2実施例の制御
回路を示す機能ブロック図。
【図5】本発明の第1請求項に係る、第3実施例の制御
回路を示す機能ブロック図。
【図6】本発明の第2請求項に係り、本請求項の実施例
の位置センサレス・ブラシレスDCモータの概略構成
図。
【図7】一般のDCモータの特性を示し、(a)は、D
Cモータの回転数と電圧、(b)は、電圧と負荷トルク
との関係を示すグラフである。
【図8】本実施例の位相シフト量補正テーブルに用いら
れている、各モータ回転数における、負荷トルクと位相
シフト量の関係を示すグラフ。
【図9】本実施例の制御を示すフローチャート。
【図10】位置センサレス・ブラシレスDCモータの概
略構成図。
【図11】DCモータの励磁パターンおよびそのモード
を示す図である。
【図12】従来例のマスク期間を説明するタイムチャー
ト。
【図13】従来例のマスク回路を示す回路図。
【図14】一般のDCモータの負荷トルクと回転数によ
る、検出ポイントの時間的変動の特性図。
【符号の説明】
1 位置センサレス・ブラシレスDCモータ 2 回転子 3 固定子 4 インバータ回路 5 モード検出回路 6 制御回路 7 PMW発生回路 8 マスク回路 23 制御回路部 Da+、Db+、Dc+、Da-、Db-、Dc- 還流ダ
イオード U、V、W 各相のモータ・コイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョッパ制御によりブラシレスDCモ
    ータを回転駆動するインバータ回路と、このインバータ
    回路からの検出信号を、前記チョッパ制御のデューテイ
    比に応じた一定のマスク期間、未検出状態にするマスク
    処理を行なうマスク回路とを備え、このマスクされた検
    出信号を用いて回転子の回転位置を判別し、この判別に
    基づき、転流させる信号を得る位置センサレス・ブラシ
    レスDCモータの制御装置において、 前記マスク期間を、モータ回転速度に応じて可変に設定
    するマスク期間設定手段を備えたことを特徴とする位置
    センサレス・ブラシレスDCモータの制御装置。
  2. 【請求項2】 チョッパ制御によりブラシレスDCモ
    ータを回転駆動するインバータ回路とを備え、モータ回
    転により生じる逆起電力に基づいた前記インバータ回路
    からの検出信号を用いて回転子の回転位置を判別し、こ
    の判別に基づいて転流させる信号を得るとともに、前記
    チョッパ制御のデューティ比を可変し、モータ回転数を
    一定に維持する位置センサレス・ブラシレスDCモータ
    の制御装置において、 前記チョッパ制御のデューティ比と回転数に基づき、負
    荷トルクを判定する負荷トルク判定手段と、 この負荷トルクと回転数に基づき、予め用意された位相
    シフト量補正テーブルを参照して、位相シフト量を選択
    する位相シフト量選択手段とを備え、 この選択された位相シフト量を用いてモータ駆動するこ
    とを特徴とする位置センサレス・ブラシレスDCモータ
    の制御装置。
JP43A 1992-12-18 1992-12-18 位置センサレス・ブラシレスdcモータの制御装置 Pending JPH06189584A (ja)

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JP43A JPH06189584A (ja) 1992-12-18 1992-12-18 位置センサレス・ブラシレスdcモータの制御装置

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ID=18311084

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JP (1) JPH06189584A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009171738A (ja) * 2008-01-16 2009-07-30 Ricoh Co Ltd モータ駆動装置
JP2010088186A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Sanyo Electric Co Ltd モータ制御回路
JP2013520155A (ja) * 2010-02-16 2013-05-30 サーキュライト・インコーポレーテッド ロータリーポンプのためのテスト制御器
JP2020202616A (ja) * 2019-06-06 2020-12-17 アイシン精機株式会社 電動ポンプ制御装置および電動ポンプ制御システム

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JP2010088186A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Sanyo Electric Co Ltd モータ制御回路
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