JPH0618939B2 - 高透明性ポリオレフイン組成物 - Google Patents

高透明性ポリオレフイン組成物

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JPH0618939B2
JPH0618939B2 JP60098462A JP9846285A JPH0618939B2 JP H0618939 B2 JPH0618939 B2 JP H0618939B2 JP 60098462 A JP60098462 A JP 60098462A JP 9846285 A JP9846285 A JP 9846285A JP H0618939 B2 JPH0618939 B2 JP H0618939B2
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洋一 河合
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、柔軟性、透明性、耐熱性、強度および成形性
などの諸特性が優れ、かつ毒性のないポリオレフィン樹
脂組成物に関するものである。
[従来の技術] 従来、食品包装材料、医療器具などの分野において、透
明で柔軟な成形品を得るための成形用樹脂組成物として
種々のものが提案されている。しかし、従来の成形用樹
脂組成物はいずれも以下に示すような問題点を有してい
る。
すなわち、エチレン−酢酸ビニル共重合物、エチレン−
アクリレート共重合物、エチレン−アクリル酸またはメ
タクリル酸共重合物の金属塩などから成形された成形品
は、柔軟性および透明性に優れているが、引張強度や耐
熱性に劣るという問題点がある。
また、熱可塑性ポリウレタンや熱可塑性ポリエステル
は、柔軟性、引張強度、耐熱性に優れているが、透明性
が必ずしも充分ではなく、モノマーが残留するという衛
生上の問題があり、かつ高価であるなどの欠点を有して
いる。シリコン系のエラストマーは、柔軟性、引張強
度、耐熱性などに優れ、かつ透明性も良好であるが、著
しく高価である。
一方、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、エチレン−プ
ロピレン共重合ゴムなどの合成ゴムからなる成形品は、
柔軟性や透明性に優れているが、耐油性、引張強度およ
び耐熱性に劣る。
また、軟質ポリ塩化ビニルを用いた成形品は、柔軟性、
透明性、引張強度、耐熱性などが優れているが、通常、
多量の可塑剤を含有しており、また、未反応の塩化ビニ
ルモノマーが成形品に残留し、衛生上の問題を生ずる懸
念があり、かつ耐油性も劣る。
さらに、昨今のエチレン−α−オレフィン共重合物から
なる線状低密度ポリエチレンは、耐熱性、引張強度など
に優れているが、成形性や柔軟性に難点を有し、特に透
明性が劣るという欠点があり、樹脂の利用範囲を制限す
る結果になっている。
[発明が解決しようとする問題点] 上記のように、食品容器、食品包装材料あるいは医療用
チューブ、医療用容器などの医療器具はもとより、昨今
においては、柔軟性、強度、耐油性、耐熱性および透明
性などの諸物性に優れ、かつ軟質ポリ塩化ビニルのよう
に毒性の高い可塑剤やモノマーを含有しない成形性の良
好な成形用樹脂組成物が多方面にわたり要望されてい
る。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、上記の問題点を解消するために鋭意検討した
結果、柔軟性、強度、耐熱性、成形性、伸び、衛生性な
どに優れ、かつ高度の透明性を有する樹脂組成物が得ら
れる事実を見出し、本発明を完成したものである。
すなわち本発明は(A)密度が0.860〜0.908
g/cm3、示差走査熱量測定(DSC)で示される最大ピーク
温度(Tm)が100℃以上で、かつ沸騰n−ヘキサン不溶
分が10重量%以上であるエチレン−α−オレフィン共
重合体が60重量%から90重量%、および(B)プロ
ピレン系重合体が10重量%以上40重量%未満からな
る高透明性ポリオレフィン組成物を提供するものであ
る。
本発明の組成物に使用する(A)成分のエチレン−α−
オレフィン共重合体とは、エチレンと炭素数3〜12の
α−オレフィン共重合体である。具体的なα−オレフィ
ンとしては、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペン
テン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、
ドデセン−1などの例を挙げることができる。エチレン
−α−オレフィン共重合体中のα−オレフィンの含有量
は2〜40モル%、好ましくは5〜20モル%である。
以下に、本発明において用いるエチレンとα−オレフィ
ンとの共重合体の製造方法について説明する。
まず、使用する触媒系は、マグネシウムおよびチタンを
含有する固体触媒成分に有機アルミニウム化合物を組合
わせたものである。固体触媒成分としては、例えば、金
属マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウムなど、または
ケイ素、アルミニウム、カルシウムから選ばれる金属と
マグネシウム原子とを含有する複塩、複酸化物、炭酸
塩、塩化物あるいは水酸化物など、さらにこれらの無機
質固体化合物を含酸素化合物、含硫黄化合物、芳香族炭
化水素、ハロゲン含有物質などで処理し、または反応さ
せたものなどのマグネシウムを含む無機質固体化合物に
化合物を公知の方法によって担持させたものなどがあ
る。
上記の含酸素化合物としては、例えば、水、アルコー
ル、フェノール、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、エ
ステル、ポリシロキサン、酸アミドなどの有機含酸素化
合物、および金属アルコキシド、金属のオキシ塩化物な
どの無機含酸素化合物などがある。含硫黄化合物として
は、チオール、チオエーテルなどの有機含硫黄化合物、
および二酸化硫黄、三酸化硫黄、硫酸などの無機硫黄化
合物などがある。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、
トルエン、キシレン、アントラセン、フェナンスレンな
どの各種の単環および多環の芳香族炭化水素化合物があ
る。ハロゲン含有物質としては、塩素、塩化水素、金属
塩化物、有機ハロゲン化合物などの化合物を例示するこ
とできる。
チタン化合物としては、チタンのハロゲン化物、アルコ
キシハロゲン化物、アルコキシド、ハロゲン化酸化物な
どがある。チタン化合物としては、4価のチタン化合物
と3価のチタン化合物が好適であり、4価のチタン化合
物としては、具体的には一般式Ti(OR)nX4-nで示される
ものが好ましい。ここでRは炭素数1〜20のアルキル
基、アリール基またはアラルキル基を示し、Xはハロゲ
ン原子を示し、nは0≦n≦4である。例えば、四塩化
チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、モノメトキシ
トリクロロチタン、ジメトキシジクロロチタン、トリメ
トキシモノクロロチタン、テトラメトキシチタン、モノ
エトキシトリクロロチタン、ジエトキシジクロロチタ
ン、トリエトキシモノクロロチタン、テトラエトキシチ
タン、モノイソプロポキシトリクロロチタン、ジイソプ
ロポキシジクロロチタン、トリイソプロポキシモノクロ
ロチタン、テトライソプロポキシチタン、モノブトキシ
トリクロロチタン、ジブトキシジクロロチタン、モノペ
ントキシトリクロロチタン、モノフェノキシトリクロロ
チタン、ジフェノキシジクロロチタン、トリフェノキシ
モノクロロチタン、テトラフェノキシチタンなどの例を
挙げることができる。
3価のチタン化合物としては、四塩化チタン、四臭化チ
タンなどの四ハロゲン化チタンを水素、アルミニウム、
チタンあるいは周期率表第I族から第III族の金属の有
機金属化合物により還元して得られる三ハロゲン化チタ
ンなどがある。また、一般式Ti(OR)mX4-m(Rは炭素数
1〜20のアルキル基、アリール基またはアラルキル
基、Xはハロゲン原子、およびmは0<m<4)で示さ
れる4価のハロゲン化アルコキシチタンを、周期率表第
I族から第III族の金属の有機金属化合物により還元し
て得られる3価のチタン化合物が挙げられる。
これらのチタン化合物のうち、4価のチタン化合物が特
に好ましい。
他の触媒系の例としては、固体触媒成分として、いわゆ
るグリニヤール試薬などの有機マグネシウム化合物とチ
タン化合物との反応生成物を用い、これに有機アルミニ
ウム化合物を組合わせた触媒系を例示することができ
る。有機マグネシウム化合物としては、たとえば、一般
式RMgX、R2Mg、RMg(OR)などの有機マグネシウム化合物
(Rは炭素数1〜20の有機残基、Xはハロゲン原子)
およびこれらのエーテル錯合体、またこれらの有機マグ
ネシウム化合物をさらに他の有機金属化合物、例えば、
有機ナトリウム、有機リチウム、有機カリウム、有機ホ
ウ素、有機カルシウム、有機亜鉛などの各種の化合物を
加えて変性したものを用いることができる。
また他の触媒系の例としては、固体触媒成分として、Si
O2、Al2O3などの無機酸化物と前記の少なくともマグネシ
ウムおよびチタンを含有する固体触媒成分を接触させて
得られる固体物質を用い、これに有機アルミニウム化合
物を組合わせたものを例示することができる。無機酸化
物としては、SiO2、Al2O3の他にCaO、B2O3、SnO2などを挙
げることができ、またこれらの酸化物の複酸化物もなん
ら支障なく使用できる。
これら各種の無機酸化物とマグネシウムおよびチタンを
含有する固体触媒成分を接触させる方法としては公知の
方法を採用することができる。すなわち、不活性溶媒の
存在下あるいは不存在下に、温度20〜400℃、好ま
しくは50〜300℃で、通常5分〜20時間反応させ
る方法や、共粉砕処理による方法などがあり、またこれ
らの方法を適宜組合わせることにより反応させてもよ
い。
これらの触媒系において、チタン化合物を有機カルボン
酸エステルとの付加物として使用することもでき、また
前記のマグネシウムを含む無機固体化合物を有機カルボ
ン酸エステルと接触処理させた後に使用することもでき
る。また、有機アルミニウム化合物を有機カルボン酸エ
ステルとの付加物として使用しても差支えない。更に、
あらゆる場合において、有機カルボン酸エステルの存在
下に調製された触媒系を使用することも何ら支障なく実
施できる。
ここで有機カルボン酸エステルとしては各種の脂肪族、
脂環族、芳香族カルボン酸エステルが用いられ、その内
炭素数7〜12の芳香族カルボン酸エステルが好まし
い。具体的には、安息香酸、アニス酸、トルイル酸のメ
チル、エチルなどのアルキルエステルなどの例を挙げる
ことができる。
上記の固体触媒成分と組合わせるべき有機アルミニウム
化合物の具体的な例としては、一般式R3Al、R2AlX、RAl
X2、R2AlOR、RAl(OR)XおよびR3Al2X3の有機アルミニウム
化合物(Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
またはアラルキル基、Xはハロゲン原子を示し、Rは同
一でもまた異なったものでもよい)で示される化合物が
好ましく、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチル
アルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチ
ルアルミニウムエトキシド、エチルアルミニウムセスキ
クロリド、およびこれらの混合物などが挙げられる。
有機アルミニウム化合物の使用量は特に制限されない
が、通常、チタン化合物に対して0.1から1000モ
ル倍使用することができる。
また、前記の触媒系をα−オレフィンと接触させた後、
重合反応に用いることによって、その重合活性を大幅に
向上させ、未処理の場合よりも一層安定した状態で反応
を行なうことができる。このとき使用するα−オレフィ
ンとしては、種々のものがあるが、好ましくは炭素数3
〜12のα−オレフィンであり、さらに好ましくは炭素
数3〜8のα−オレフィンである。これらのα−オレフ
ィンの例としては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン
−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテ
ン−1、デセン−1、ドデセン−1およびこれらの混合
物がある。触媒系とα−オレフィンとの接触時の温度お
よび時間は広い範囲で選択することができ、例えば0〜
200℃、好ましくは0〜110℃で1分〜24時間で
接触処理をすることができる。接触させるα−オレフィ
ンの量も広い範囲で選択できるが、通常、前記固体触媒
成分1g当り一g〜50kg、好ましくは5g〜30kg程
度のα−オレフィンで処理し、前記固体触媒成分1g当
り1g〜500gのα−オレフィンを反応させることが
望ましい。接触時の圧力は任意に選ぶことができるが、
通常−1〜100kg/cm2・Gの圧力下に接触させること
が望ましい。
α−オレフィンを処理する際は、使用する有機アルミニ
ウム化合物の全量を前記固体触媒成分と組あわせた後、
α−オレフィンと接触させてもよい。また、使用する有
機アルミニウム化合物の内一部を前記固体触媒成分と組
合わせた後、α−オレフィンと接触させ、残りの有機ア
ルミニウム化合物を重合の際に別途に添加して重合反応
を行なってもよい。また、触媒系とα−オレフィンとの
接触時に水素ガスが共存しても差支えなく、また窒素、
アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスが共存しても何ら
支障はない。
共重合反応は通常のチーグラー型触媒によるオレフィン
の重合反応と同様にして行なわれる。すなわち反応はす
べて実質的に酸素、水などを絶った状態で、気相または
不活性溶媒の存在下、またはモノマー自体を溶媒として
行なう。エチレンとα−オレフィンとの共重合の条件
は、温度は20〜300℃、好ましくは40〜200℃
であり、圧力は常圧ないし70kg/cm2・G、好ましくは
2kg/cm2・Gないし60kg/cm2・Gである。分子量は共
重合温度、触媒のモル比などの条件を変えることによっ
てもある程度調節できるが、重合系中に水素を添加する
ことにより効果的に行なうことができる。もちろん、水
素濃度や重合温度などの重合条件が異なった2段階ない
しそれ以上の多段階の重合反応も支障なく実施できる。
本発明において、エチレン−αオレフィン共重合体の密
度は、0.860〜0.908g/cm3の範囲、好まし
くは0.880〜0.908g/cm3の範囲である。密
度が0.908g/cm3を超える場合には透明性の向上
が認められず、かつ柔軟性も失われる。一方、密度が
0.860g/cm3未満の場合には、エチレン−α−オ
レフィン共重合体の融点が低くなり、高温の使用に耐え
ず、透明性もやはり低下する。
また、エチレン−α−オレフィン共重合体の沸騰n−ヘ
キサン不溶分が10重量%未満の場合には、非晶質部分
や低分子量成分が多くなり、耐油性の劣ったものとな
る。
一方、示差走査熱量測定における最大ピーク温度(Tm)が
100℃未満のものは成形品の耐熱性が劣る。
なお、本発明における沸騰n−ヘキサン不溶分および示
差走査熱量の測定方法はつぎの通りである。
〔沸騰n−ヘキサン不溶分の測定法〕
熱プレスを用いて、厚さ200μmのシートを成形し、
20mm×30mmのシートを3枚切取り、そのシートにつ
いて、2重管式ソックスレー抽出器を用いて、沸騰n−
ヘキサンで5時間抽出を行なう。n−ヘキサン不溶分を
取り出し、真空乾燥(7時間、真空下、50℃)の後、
次式により沸騰n−ヘキサン不溶分を算出する。
〔示差走査熱量測定装置による(Tm)の測定法〕 熱プレス成形した厚さ100μmのフィルムから約5mg
の試料を秤量し、それを示差走査熱量測定装置にセット
し、170℃に昇温して、その温度で15分間保持した
後、降温速度2.5℃/分で0℃まで冷却する。次に、こ
の状態から昇温速度10℃/分で170℃まで昇温して
測定を行なう。0℃から170℃に昇温する間に現われ
たピークの内、最大ピークの頂点の位置の温度をもって
Tmとする。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体は、
従来固体触媒成分としてバナジウムを含有するものを使
用して得られるエチレン−α−オレフィン共重合体とは
明確に区別し得る。
すなわち、従来のエチレン−プロピレン共重合体などは
殆ど結晶性がなく、結晶部分が存在しても極めて微量で
あり、示差走査熱量測定による最大ピーク温度(Tm)も1
00℃未満である。
このことは、耐熱性や耐油性などが要求される用途に使
用される成形品としては用いることができないことを示
すものである。また、触媒残渣として共重合体中に存在
するバナジウムは、チタンとは異なり毒性が問題となる
ので、触媒除去工程が不可欠であるのに対し、チタンを
使用する場合には触媒残渣の毒性の問題は生ぜず、マグ
ネシウム担体と組合わせた高活性触媒を使用する本発明
の共重合体では、触媒除去工程が不要となるので極めて
経済的で好ましい。
本発明の組成物の(B)成分であるプロピレン系重合体
は、プロピレンの単独重合体、プロピレンを主成分とす
る炭素数2〜12の他のα−オレフィンとのブロック共
重合体、もしくはランダム共重合体(例えばプロピレン
−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体
など、およびこれらの混合物)、あるいはこれらを不飽
和カルボン等で変性したものも包含する。
上記プロピレン系重合体のメルトフローインデックス
(以下単に「MFI」という)は、0.1〜1000g/10分、好
ましくは0.5〜100g/10分の範囲で任意に使用すること
ができる。
本発明の組成物は、前記(A)成分と(B)成分の混合
物であり、その混合割合は(A)成分が60重量%から
90重量%、(B)成分が10重量%以上40重量%未
満の範囲であることが必要であり、(A)成分が65〜
80重量%、(B)成分が20〜35重量%の範囲がよ
り好ましい。
上記(B)成分が10重量%未満もしくは40重量%以
上の場合には透明性の向上が認められなくなる。
[作用] 本発明の組成物は、射出成形機や押出機などの成形機に
より、目的の製品を製造する際に両者を直接成形機に供
給して製造することも可能であるが、両者の均一分散が
不充分になる危険性を防止するために、あらかじめ混練
した組成物を成形機に供給することが好ましい。
予備混練の手段としては、ニーダー、バンバリーミキサ
ー、オープンロール、一軸または二軸の押出機などの通
例の混練機を用いて、バッチ式あるいは連続方式で行な
うことができるが、いずれの場合にも、前記(A)成分
と(B)成分とが均一に混合されることが必要である。
なお本発明の組成物は、その利点、すなわち、柔軟性、
透明性、耐熱性、耐油性、成形性、機械的強度および安
全性などを阻害しない範囲において、他のオレフィン系
重合体やポリアミド系樹脂などの合成樹脂類あるいは通
常用いられている各種の添加材を配合することができ
る。これらの添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、老化防止剤、金属不活性剤、滑剤、可塑剤、ブロッ
キング防止剤、造核剤、着色剤、発泡剤および架橋剤な
どが挙げられる。
[実施例] 以下に、本発明を実施例および比較例によって更に詳細
に説明する。
〔エチレン−α−オレフィン共重合体の製造〕
実質的に無水の塩化マグネシウム、1,2−ジクロルエタ
ンおよび四塩化チタンから得られた固体触媒成分と、ト
リエチルアルミニウムから成る触媒を用いて、エチレン
とプロピレンまたはヘキセン−1の共重合を行ない、以
下の3種類のエチレン−プロピレン共重合体またはエチ
レン−ヘキセン−1共重合体を得た。
(A)密度0.900g/cm3、MI=0.9g/10分、
示差走査熱量測定の最大ピーク温度(Tm)119.0℃、
および沸騰n−ヘキサン不溶分80重量%のエチレン−
プロピレン共重合体。
(B)密度0.908g/cm3、MI=9.5g/10分、
示差走査熱量測定の最大ピーク温度(Tm)=121℃、お
よび沸騰n−ヘキサン不溶分89重量%のエチレン−プ
ロピレン共重合体。
(C)密度0.918g/cm3、MI=2.1g/10分、
示差走査熱量測定の最大ピーク温度(Tm)=123℃、お
よび沸騰n−ヘキサン不溶分98重量%のエチレン−ヘ
キセン−1共重合体。
〔使用ポリプロピレン〕
(ア)プロピレン−エチレン共重合体(MFI=14、商品
名:日石ポリプロJ761M、日本石油化学(株)製) (イ)プロピレン−エチレン共重合体(MFI=8、商品
名:日石ポリプロJ650G、日本石油化学(株)製) (ウ)ポリプロピレン(MFI=14、商品名:日石ポリプ
ロJ160G、日本石油化学(株)製) 〔試験片の作成〕 上記のエチレン−α−オレフィン共重合体とポリプロピ
レンのペレットを予備混合し、同方向回転2軸押出機
(プラスチック工学研究所製BTC-30)を使用して混練造
粒した。
この造粒した組成物を射出成形機(東芝機械製IS-90)
を使用して100mm角、厚さ1mmの板を作成した。
〔透明度の測定〕
ムラカミカラーラボラトリー社製のクラリティーメータ
ー(TM-10)を使用し、光の透過率を測定した。
〔引張強度および伸度〕
ASTM D638に準拠した。
実施例1〜3 前記樹脂(A)と樹脂(ア)使用し第1表に示す割合で
混合した組成物を調製し、各々の透明度および物性を測
定した。その結果を第1表に示す。
実施例4 樹脂(B)と樹脂(ア)を用いて第1表に示すような混
合割合で組成物を調製した以外は実施例1と同様に行な
った。その結果を第1表に示す。
実施例5および6 樹脂(A)と樹脂(イ)または(ウ)を使用して、実施
例4と同様に行なった。その結果を第1表に示す。
比較例1〜4 実施例で使用した樹脂(A)、(B)、(C)および
(ア)を各々単独で射出成形し、実施例1と同様に評価
した。その結果を第1表に示す。
比較例5〜7 実施例1と同様の樹脂(A)および(ア)を使用して、
第1表に示すように、本発明の範囲外の混合割合で組成
物を調製し、それらを評価した。その結果を第1表に示
す。
比較例8 樹脂(C)と樹脂(ア)を用いた以外は実施例1と同様
に行なった。その結果を第1表に示す。
比較例9 密度=0.860g/cm3、MI=1.9g/10分、Tm=
32℃(小さいピーク)、n−ヘキサン不溶分=0%の
エチレン−プロピレンゴム(商品名:EP02P、日本合成
ゴム(株)製)75重量部および実施例1で用いた樹脂
(ア)25重量部を使用して調製した組成物を用いて、
実施例1と同様に評価を行なった。その結果を第1表に
示す。
[発明の効果] 本発明の組成物は以下のような特長を有している。
(I)結晶性の樹脂同士の混合物であるにも拘らず透明
性が優れている。
(II)軟質ポリエチレン特有の柔軟性を保持している。
(III)ポリプロピレンを使用しているので耐熱性が優
れている。
(IV)ポリオレフィン同士の混合物であるので耐薬品性
が優れている。
(V)結晶性の樹脂であるため耐油性が優れている。
(VI)ポリオレフィンとしての優れた成形加工性を保持
している。
(VII)安価な原料で容易に混練出来るので経済性に優
れている。
上記のように、本発明の組成物は、幾多の利点を有して
おり、多方面に利用することが出来る。例えば、射出成
形あるいはブロー成形により、各種の容器や工業部品な
どとして、また、押出成形によりパイプ、チューブ、ホ
ース類あるいはフィルムなどの包装材料として用いるこ
とが出来る。とりわけ透明性および耐熱性が良好である
から、高温殺菌の必要な食品包装材に適している。また
透明性や柔軟性に優れており、放射線殺菌も可能である
から、血液バッグ、輸液バッグ、人工透析バッグなど医
療器具用材料としての適性も有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08L 23/08 23:26) (72)発明者 田中 研二 神奈川県相模原市相模原2−4―12―301 (72)発明者 高草木 敏正 神奈川県川崎市川崎区藤崎3−6―21 (72)発明者 河合 洋一 神奈川県横浜市戸塚区矢部町1541 (72)発明者 阿部 勝 神奈川県横浜市戸塚区矢部町1541 (72)発明者 関口 克己 神奈川県横浜市戸塚区飯島町2070 (56)参考文献 特開 昭60−161442(JP,A) 特開 昭59−115349(JP,A) 特開 昭58−217534(JP,A) 特開 昭59−202244(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密度が0.860〜0.908g/cm3
    示差走査熱量測定で示される最大ピーク温度(Tm)が
    100℃以上で、かつ沸騰n−ヘキサン不溶分が10重
    量%以上であるエチレン−α−オレフィン共重合体が6
    0重量%から90重量%、およびプロピレン系重合体が
    10重量%以上40重量%未満からなる高透明性ポリオ
    レフィン組成物。
  2. 【請求項2】前記エチレン−α−オレフィン共重合体は
    エチレンと2〜40モル%の炭素数3〜12のα−オレ
    フィンとを共重合させて得たものである特許請求の範囲
    第1項に記載の高透明性ポリオレフィン組成物。
  3. 【請求項3】前記α−オレフィンが、プロピレン、ブテ
    ン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オク
    テン−1、デセン−1およびドデセン−1のいずれかで
    ある特許請求の範囲第2項に記載の高透明性ポリオレフ
    ィン組成物。
  4. 【請求項4】前記プロピレン系重合体が、プロピレンの
    単独重合体、プロピレンを主成分とする炭素数2〜12
    の他のα−オレフィンとのブロック共重合体、もしくは
    ランダム共重合体、あるいはこれらを不飽和カルボン等
    で変性したものである特許請求の範囲第1項に記載の高
    透明性ポリオレフィン組成物。
  5. 【請求項5】前記プロピレン系重合体のメルトフローイ
    ンデックスが、0.1〜1000g/10分である特許
    請求の範囲第1項または第4項に記載の高透明性ポリオ
    レフィン組成物。
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