JPH0618908U - 車両の転舵角変位量検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、車軸の転舵角変位量検出装置に関
し、車軸を転舵するリンク系のガタによる影響、および
車軸の上下変位の影響を受けることなく、地面に対する
実際の転舵角を正確に測定することを目的とする。 【構成】 車両の車軸に対して車体側に、車両中心線と
平行の測定レーザ光軸を有する４つのレーザ変位計を配
置し、車軸側に前記４つのレーザ変位計に対応させて、
任意の角度に傾斜する反射板を配置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、後輪を操舵する４輪操舵の車両等において、走行中のフロントホイ ールの操舵角、車速、横加速度、および車両重量状態に基づいてリヤアクスルの 電子制御油圧リヤアクチュエータがダブルタイヤを装着するリヤアクスルを操舵 するためのフロントホイールの操舵角等を検出する車両の転舵角変位量検出装置 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

このようなフロントホイール等の操舵角の変位量を検出する検出装置としては 、従来は車軸を転舵させるパワーステアリングの油圧により動作する油圧アクチ ュエータの変位量で操舵角の変位量を検出していた。

【０００３】 このような車両の転舵角変位量検出装置の一例としては、実開平４−２２３７ ３号公報に記載されたものが知られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この種の車両の転舵角変位量検出装置は、車両の転舵を行うリ ンク系のガタのために油圧アクチュエータの動作量と、実際のフロントホイール の転舵角とでは、前記のガタ分誤差を生じてしまう。

【０００５】 又、この車両の転舵角変位量検出装置においては、操舵角を知ることはできる ものの、フロントホイールの上下変位をも含めた転舵量を知ることはできない問 題点があった。

【０００６】 本考案は、従来の車両の転舵角変位量検出装置に置ける前述の問題点を解決し 、車軸を転舵するリンク系のガタによる影響、および車軸の上下変位の影響を受 けることなく、車軸の転舵角、即ち車両中心線に対する実際の転舵角を正確に測 定することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、車両の車軸に対して車体側に車両中心線と平行のレーザ光軸等の測 定軸を有するレーザ変位計等の４つの変位計を配置すると共に、車軸側に前記４ つの変位計に対応させて、任意の角度に傾斜する反射板を配置することを特徴と する。

【０００８】

【作用】

本考案の車両の転舵角変位量検出装置は、４つの変位計で検出された変位位置 から所定の算出式に従って、ばね上ロール角、車軸中心上下変位、車軸中心前後 変位、および車軸転舵角を算出し、正確な車軸の対地面の実際の転舵角を算出で きる。

【０００９】 又、正確なばね上ロール角、車軸中心上下変位、車軸中心前後変位も得られる ものである。

【００１０】

【実施例】

次に、本考案の実施の一例を、図面に基づいて以下に説明する。 この実施例においては、図１に示すように、車両の中心線Ｙ−Ｙと光軸が平行 になるように、距離Ｗ₁ 、Ｗ₄ の位置にレーザ変位計ａ₁ 、ａ₄ を、距離Ｗ₂ 、 Ｗ₃ の位置にレーザ変位計ａ₂ 、ａ₃ を、車両のシャーシに設置する。

【００１１】 そして、転舵角を測定される車軸ｃには、前記の各レーザ変位計ａ₁ 、ａ₂ 、 ａ₃ 、ａ₄ の光軸上にはレーザ光を反射する反射板ｂ₁ 、ｂ₂ 、ｂ₃ 、ｂ₄ が、 図２に示すように、傾斜して固定されるもので、この反射板ｂ₁ 、ｂ₂ 、ｂ₃ 、 ｂ₄ の傾斜角は、予めこれを知っていれば一定化する必要はない。

【００１２】 これにより、レーザ変位計ａ₁ 、ａ₂ 、ａ₃ 、ａ₄ は、各反射板ｂ₁ 、ｂ₂ 、 ｂ₃ 、ｂ₄ の検出変位ΔＬ₁ 、ΔＬ₂ 、ΔＬ₃ 、ΔＬ₄ を知ることができ、この ΔＬ₁ 、ΔＬ₂ 、ΔＬ₃ 、ΔＬ₄ は次式で表される。

【００１３】

【数１】

【００１４】 これを、まとめて行列形式で表すと

【００１５】

【数２】

【００１６】 となる。ここで、係数行列ＩＫは

【００１７】

【数３】

【００１８】 である。

【００１９】

【数４】

【００２０】 これから図３に示すα：転舵角，β：ばね上ロール角、ξ：ばね下ロール角、 η：ばね下上下変位が、検出変位ΔＬ₁ 、ΔＬ₂ 、ΔＬ₃ 、ΔＬ₄ 、および反射 板ｂ₁ 、ｂ₂ 、ｂ₃ 、ｂ₄ の反射角θ₁ 、θ₂ 、θ₃ 、θ₄ 、並びに距離 Ｗ ₁ 、Ｗ₂ 、Ｗ₃ 、Ｗ₄ から算出される。

【００２１】 この実施例においては、レーザ光の反射を行う反射板ｂ₁ 、ｂ₂ 、ｂ₃ 、ｂ₄ の反射角度を変更して、車軸の転舵角、ロール角、上下変位、前後変位のうち、 どの変位の検出制度を高くするかによって調整するものである。 以上はレーザ変位計を用いた実施例について説明したが、レーザ変位計に代えて ロッド型の変位計を使用することもできるが、ロッド型の変位計の先端は、ボー ル状、その他のころがり、滑り機能を持っていることが必要である。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、同一形式の変位量検出器により、車軸の転舵角 、ロール角、上下変位、前後変位の４つの異なった変位量を、同時に検出できる もので、その検出は車軸について行われるので、車軸を転舵するリンク系のガタ を受けることはない。

【００２３】 従って、地面に対する実際の転舵角を正確に算出でき、更にキングピンを有し ない車軸の転舵角を検出できる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す平面図である。

【図２】反射板の設置状態を示す側面図である。

【図３】本考案により検出される変位量の方向を示す斜
面図である。

【符号の説明】

ａ₁ 、ａ₂ 、ａ₃ 、ａ₄ レーザ変位系 ｂ₁ 、ｂ₂ 、ｂ₃ 、ｂ₄ 反射板 ｃ 車軸 α 車軸の転舵角 β ばね上ロール角 ξ ばね下前後変位 η バネ下上下変位

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の車軸に対して車体側に車両中心線
   と平行の測定レーザ光軸等の測定軸を有するレーザ変位
   計等の４つの変位計を配置すると共に、車軸側に前記４
   つの変位計に対応させて、任意の角度に傾斜する反射板
   を配置することを特徴とする車両の転舵角変位量検出装
   置。