JPH06188205A - 薄膜形成方法及びその装置 - Google Patents

薄膜形成方法及びその装置

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JPH06188205A
JPH06188205A JP35568692A JP35568692A JPH06188205A JP H06188205 A JPH06188205 A JP H06188205A JP 35568692 A JP35568692 A JP 35568692A JP 35568692 A JP35568692 A JP 35568692A JP H06188205 A JPH06188205 A JP H06188205A
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茂 川村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CVD法により形成される例えばTiN膜中
のClを除去してCl濃度を低下させること。 【構成】 金属配線とシリコン膜との間のバリヤ層とし
てのTiN膜をTiCl4 ガスとNH3 ガスとを原料ガ
スとして反応室2内でCVD法により形成し、次いで後
処理室5内で前記TiN膜を真空雰囲気下にて赤外線ヒ
ータ6により加熱処理する。これによりTiN膜中のC
l濃度が低くなり、金属配線の腐食が抑えられる。こう
してTiN膜の形成方法としてCVD法の採用が可能に
なりコンタクトホールの微細化に対応できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜形成方法及びその
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの高集積化に伴いプロセ
ス及び装置技術の両面に亘って多くの開発、高性能化が
図られてきており、その一つの配線技術についても種々
の改良が加えられている。例えばMOSトランジスタの
コンタクトホールを例にとって述べると、図10に示す
ようにコンタクトホ−ルサイズが微小化したり、n形
(あるいはP形)のSi(シリコン)膜1中に形成され
るp形(あるいはn形)の拡散層11が微細化に伴って
浅くなる傾向にあることから、コンタクトホールに埋め
込まれる金属配線例えばW(タングステン)やAl(ア
ルミニウム)の金属膜12と拡散層11との間にTiN
(チタンナイトライド)膜13を介在させ、微細なホ−
ル内に於ける金属と半導体との電気的な接合を容易にし
ようとしている。なおブランケットCVD(chemi
cal vaper deposition)法により
W膜を成長させる場合には、層間絶縁膜であるSiO2
膜14の表面に形成されたTiN膜13は、W膜をSi
2 膜に密着させる密着層の役割も果たしている。
【0003】ここで金属膜12と拡散層11との間にT
iN膜13を介在させる理由について述べると、Alや
WはSi(シリコン)と合金を作るので拡散層11との
間で相互拡散が起こり、コンタクトホ−ルサイズが微細
化したり、拡散層11が浅くなると相互拡散の影響が大
きくなって、MOSが動作しなくなる場合があり、そこ
で相互拡散の起こらないTiNをバリヤ層として介在さ
せているのである。
【0004】従来TiN膜を生成する方法は、Tiより
なるターゲットと処理すべき半導体ウエハとをN2 (窒
素)ガス雰囲気中に対向して配置し、Ar(アルゴン)
イオンをターゲットに衝突させてスパッタリングするこ
とによりTi粒子を叩き出し、このTi粒子をN2 ガス
に衝突させて例えば約1000オングストロームのTi
N膜をウエハ表面に生成するようにしている。ただし実
際には拡散層11との間には、良好なオーミックコンタ
クトをとるために、図示しないが例えば約数百オングス
トロームの膜厚のTiSi(チタンのシリサイド化
物)膜が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところでDRAMにお
けるコンタクトホールの場合、コンタクトホールの線幅
はDRAMの容量が4Mでは0.8μm程度であるが、
16Mでは0.5μm程度と非常に微細になり、64M
では0.35μm、256Mでは0.25μmと更に微
細化される。コンタクトホールを埋め込むためには、線
幅が0.8μm程度であればスパッタ法で十分対応でき
るが、線幅が0.5μm程度もの微細な幅になると、等
方的に膜付けされなくなるため、16MのDRAMでは
例えばブランケットCVD法によりWを埋め込むように
している。
【0006】しかしながらTiN膜を形成する方法とし
ては以下に述べる理由によりCVD法を採用することが
困難である。即ちCVD法によりTiN膜を形成する場
合、TiとCl(塩素)との化合物を原料ガスとして用
いなければならず、例えば熱CVD法ではTiCl
4 (四塩化チタン)ガスとNH3 (アンモニア)ガスと
を真空室内に導入し、400〜750℃の温度で気相反
応によりTiN膜が形成されるが、このTiN膜中にC
lが取り込まれてしまう。
【0007】X線分析装置により分析すると、TiN膜
中のCl濃度は相当高く、例えば0.1〜数atomi
c%(1×1020atoms/cc〜1×1021ato
ms/cc)であり、このようにCl濃度が高いと、T
iN膜中のClがWやAlなどの金属膜中に浸透して金
属膜が腐食され、断線に至ってしまう。このことは加速
実験によっても確認されている。
【0008】そして前記Cl濃度はプロセス温度が低い
程高くなるが、例えばAlを用いた多層配線構造のデバ
イスにおいて2層目以降のコンタクトホールの埋め込み
に際しては、一層目のAlが溶解しないようにするため
にプロセス温度を450℃以下としなければならず、こ
の場合前記Cl濃度が高くなって金属膜の腐食の進行が
早くなる。
【0009】更にまた、気相反応により副生成物として
生成される塩化アンモニウム(NH4 Cl)が反応室内
壁面などに付着堆積してしまい、パーティクルの発生源
になり、このNH4 Clは除去しにくいので面倒なクリ
ーニング作業が必要である。
【0010】一方スパッタ法によりTiN膜を形成する
場合には膜中へのClの混入はないため、現状ではスパ
ッタ法が採用されている。しかしながら上述のようにコ
ンタクトホールの線幅が微細になると等方的な膜付けが
困難になるのでコリメータをウエハの上方に配置してタ
ーゲットからの飛散粒子の垂直成分を取り出すなどの努
力がなされているが、DRAMの容量が16Mでは膜厚
の面内均一性、膜ハガレ、スル−プットの低下等の問題
が顕在化し、スパッタ法の限界にきている。そして64
M以上のDRAMに対してはもはやスパッタ法を用いる
ことはできず、CVD法に頼らざる得ないが、TiN膜
中へのClの混入が障壁となっており、次世代のデバイ
スへの移行が困難になっている。
【0011】なおTiCl4 ガスとNH3 ガスとを用い
てCVD法によりTiN膜を生成するにあたって、特開
平3−64473号公報には、CVD反応器の内部諸表
面を250〜300℃の温度に加熱することにより、当
該表面を付着物や粒子のない状態に維持することができ
るという記載があるが、この方法では同公報の図6に示
す特性図からも明らかなようにTiN膜中へのClの混
入を避けることができない。
【0012】本発明は、このような事情のもとになされ
たものであり、その目的は、CVDによって形成された
薄膜中のClを除去し、これによりClの混入量が少な
いCVD薄膜を得ることができる薄膜形成方法を提供す
ることにある。
【0013】更に本発明の他の目的は、CVDによって
形成される薄膜中のClを除去すると共に、反応室内壁
面などに付着した反応副生成物を除去することのできる
薄膜形成装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、薄膜
成分及びClを含む化合物よりなる原料ガスを用いて気
相反応により被処理基板上に薄膜を形成する工程と、こ
の工程で薄膜が形成された被処理基板を真空雰囲気中で
加熱処理して当該薄膜中のClを除去する工程と、を含
むことを特徴とする。
【0015】請求項2の発明は、Ti及びClを含む化
合物よりなる原料ガスと、N2 ガスまたはNを含む化合
物よりなる原料ガスとを用いて気相反応により被処理基
板上にTiN膜を形成する工程と、この工程でTiN膜
が形成された被処理基板を真空雰囲気中で加熱処理して
当該TiN膜中のClを除去する工程と、を含むことを
特徴とする。
【0016】請求項3の発明は、W及びFを含む化合物
よりなる原料ガスと、Si及びClを含む原料ガスとを
用いて気相反応により被処理基板上にWSi膜を形成す
る工程と、この工程でWSi膜が形成された被処理基板
を真空雰囲気中で加熱処理して当該WSi膜中のClを
除去する工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】請求項4の発明は、薄膜成分及びClを含
む化合物よりなる原料ガスを用いて気相反応により被処
理基板上に薄膜を形成し、Cl化合物が副生成される薄
膜形成装置において、前記反応室内に付着した副生成物
と前記薄膜中のClとを真空雰囲気中で除去するための
加熱手段を設けたことを特徴とする。
【0018】
【作用】薄膜成分及びClを含む化合物よりなる原料ガ
スを用いてCVD薄膜を形成すると薄膜中にClが混入
する。例えばTiCl4 ガスとNH3 ガスとを反応させ
てTiN膜を形成する場合や、WF6 (六フッ化タング
ステン)ガスとSiH2Cl2 (ジクロルシラン)ガス
とを反応させてWSi2 (タングステンシリサイド)膜
を形成する場合、薄膜中にClが不純物として混入す
る。このClはある種の化合物の形態例えばNH4 Cl
として薄膜中に混入していると推測されるが、薄膜を真
空雰囲気中にさらすことによりClの化合物の昇華温度
が下がり、従って加熱処理することによりClの化合物
が薄膜中から放出され、薄膜中のCl濃度が低くなる。
【0019】また例えばTiCl4 ガスとNH3 ガスと
を反応させて被処理基板にTiN膜を形成する場合、こ
の反応によって副生成されるNH4 Clが反応室内壁面
などに付着堆積すると共に、膜の表面及び結晶界面など
に吸着する。この場合のNH4 Clの存在はTDS、フ
−リエ変換赤外分光光度計などの分析によって確認され
ている。この場合反応室内の加熱手段で反応室内を加熱
することにより、NH4 Clが反応室内壁面などから離
脱されて反応室内が洗浄される。
【0020】
【実施例】図1は本発明の実施例に用いる装置の一例を
示す図である。図1中2はCVDを行うための気密シー
ル構造を有する反応室であり、この反応室2内の底部に
は、被処理基板である半導体ウエハ3を保持すると共に
所定温度に加熱するためのヒータ20を備えたウエハ保
持台21が設けられている。前記反応室2の上部には、
原料ガスを反応室2内に供給するための原料ガス供給部
4がウエハ保持台21に対向して配設されており、前記
原料ガス供給部4は、例えば原料ガスであるTiCl4
ガスを供給するための第1のガス供給管41の先端部を
複数に分岐すると共に、例えば原料ガスであるNH3
スを供給するための第2のガス供給管42の先端部を複
数に分岐し、これら分岐管をガス噴射板43の多数のガ
ス噴射孔44に夫々接続してTiCl4 ガスとNH3
スとが別々にガス噴射孔44を介して反応室2内に供給
されるように構成されている。前記第1のガス供給管4
1の基端部にはヒータ40で覆われたTiCl4 の液体
ソース41aが接続されると共に、第2のガス供給管4
2の基端部にはNH3 の気体ソース42aが接続されて
おり、これらガス供給管41の外周面は、ヒータ(図示
せず)で覆われている。
【0021】また前記反応室2の底部には、排気管22
が接続されており、図示しない真空ポンプにより反応室
2を所定の真空度に維持できるようになっている。
【0022】前記反応室2の隣りには、当該反応室2内
でCVDによる薄膜が形成されたウエハ3に対して後処
理を行うための、気密シール構造を有する後処理室5が
ウエハ3の搬出口23を介して設けられており、この後
処理室5の底部にはウエハ保持台51が設けられると共
に、図示しない真空ポンプに接続された排気管52が接
続されている。
【0023】前記後処理室5の上部には、ウエハ保持台
51上のウエハ3を加熱するための例えばWやTa(タ
ンタル)、Mo(モリブデン)などの高融点金属フィラ
メントを備えた赤外線ヒータ6が設けられている。なお
G1、G2は夫々反応室2、後処理室5を例えば図示し
ないロードロック室に対して気密にシールするためのゲ
ートバルブであり、G3は反応室2及び後処理室5の間
を気密にシールするためのゲートバルブである。
【0024】次に上述実施例の作用について述べる。先
ず反応室2に搬入される被処理基板であるウエハ3につ
いて図2(a)を参照しながら述べると、このウエハ3
においては、n形(あるいはp形)のSi基板7の表層
部にp形(あるいはn形)の拡散層71が形成されてお
り、更にSi基板7の表面には拡散層71上部が開口さ
れた絶縁膜72が形成されている。
【0025】そしてこのウエハ3をゲートバルブG1を
介して図示しない搬送手段により反応室2内に導入して
ウエハ保持台21上に載置させると共にヒータ20によ
り当該ウエハ3を例えば400〜450℃に加熱する。
一方原料ガス供給部4を介して反応室2内にTiCl4
ガスとNH3 ガスとを夫々10SCCM、100SCC
Mの流量で導入し、図示しない真空ポンプにより排気管
22を介して排気することにより反応室2内を例えば1
×10-3Torr〜数十Torrの真空度に維持する。
このようなCVDプロセスでは、(1)式に示すTiC
4 ガスとNH3 ガスとの気相反応によりTiNが生成
されてウエハ3表面に付着堆積され、例えば図2(a)
に鎖線で示すように厚さ約1000オングストロームの
TiN膜73が形成される。
【0026】 6TiCl4 +8NH3 →6TiN+24HCl+N2 … (1) その後反応室2と後処理室5とを同圧にして図示しない
搬送手段により反応室2内のウエハ3を搬出口23を介
して後処理室5内のウエハ保持台51上に搬送し、しか
る後図示しない真空ポンプにより排気管52を介して排
気することにより後処理室5内を例えば1×10-9To
rrの真空度に維持し、続いて赤外線ヒータ6によりウ
エハ3(鎖線で図示してある)を例えば50〜450℃
に数秒〜数分程度加熱処理する。
【0027】ここで反応室2にてCVDにより形成され
たTiN膜73中には、既に「発明が解決しようとする
課題」の項で述べたようにClが高濃度で混入してい
る。このClは、TiCl4 とNH3 との反応生成物で
あるHClと、原料ガスであるNH3 とが反応してNH
4 Cl(塩化アンモニウム)が生成され、このNH4
lの形態でTiN膜73中に取り込まれていると推測さ
れる。
【0028】このNH4 Clの常圧下での昇華点は33
7.8℃であるが、例えば1×10-9Torrの真空雰
囲気下では可成り低い温度となり、このためウエハ3を
この状態におけるNH4 Clの昇華温度以上に加熱する
ことにより図2(b)に示すようにNH4 ClがNH3
とHClに分解してTiN膜72から放出されると考え
られる。従って後処理室5内にてウエハ3に対して上述
の後処理を行うことによってTiN膜73中のCl濃度
が例えば1桁低くなる。
【0029】次いで本発明の効果を確認するために行っ
た実験について述べると、実験に用いた装置は、図3に
示すように試料室8内に石英ガラスよりなる試料台81
を設けると共に、赤外線発生部82よりの赤外線を試料
台81に導く石英ロッド83を設け、更に排気管84が
接続されかつ質量分析計85aを備えた質量分析部85
を試料室8に接続して構成される。
【0030】先ず既述したCVD法により予めシリコン
基板上に膜厚約600オングストロームのTiN膜を形
成した試料80を用意した。ただしこのTiN膜の成膜
条件については、TiCl4 ガス、NH3 ガスの流量が
夫々10sccm、100sccmであり、成膜圧力が
100mTorr、成膜温度が610℃である。またT
iN膜中のCl濃度はX線マイクロアナライザ−により
予め調べたところ3.61atomic%であった。
【0031】そしてこの試料80を試料室8内に導入
し、試料室8内を3×10-9Torrの真空度に維持す
ると共に、赤外線発生部82よりの赤外線を石英ロッド
83及び試料台を通して試料80に照射することによ
り、当該試料80を1℃/secの昇温速度で50℃か
ら900℃まで昇温し、質量分析部85により質量分析
を行ったところ図4及び図5に示す結果が得られた。そ
の後試料80のTiN膜中のCl濃度をX線マイクロア
ナライザ−で調べたところ、検出限界(0.1atom
ic%)以下であった。
【0032】図4、図5は各々横軸に試料台81の温
度、縦軸に分子の個数(相対量)及び質量数をとったグ
ラフであり、図4の(1)、(2)は夫々NH2 、NH
3 の放出量の変化、図5(1)、(2)は夫々H35
l、H37Clの放出量の変化を示す。このグラフからわ
かるようにNH2 、NH3 、H35Cl、及びH37Clの
放出量はいずれも50℃から昇温するにつれて増加し、
90℃付近で高いピーク値を示し、その後減少して小さ
な値で変動している。
【0033】このように90℃付近の温度でNH2 、N
3 、H35Cl及びH37Clが多く検出されているが、
これらはTiCl4 とNH3 の反応生成物であるNH4
Clの昇華による分解物と考えられる。従ってTiN膜
表面及び結晶界面に大量に混入するClはNH4 Clの
結晶の形態で存在すると推測され、この結果真空雰囲気
中での加熱処理によりNH4 Clが分解されてTiN膜
から放出され、これによってTiN膜中のCl濃度が
3.61%から0.1atomic%以下と例えば1桁
あるいはそれ以上低くなると考えられる。
【0034】そしてCl濃度が数atomic%以下で
あれば金属配線の腐食のおそれはないといわれており、
本発明者も加速試験結果からそのことを把握している。
従って真空雰囲気中にてTiN膜を赤外線ヒータで加熱
処理することにより含有Clの一部を除去してCl濃度
を減少させ、これによってデバイス中の金属配線の腐食
を抑えることができ、デバイスについて長い使用寿命が
得られる。この結果デバイスのコンタクトホールのTi
N膜の成膜をスパッタ法に代ってCVD法により実現す
ることができるので、コンタクトホールの微細化に対応
することができ、次世代のデバイスに対して有効であ
り、例えばDRAMの場合16M以上の大容量化の実現
に寄与することができる。
【0035】またNH4 Clは、図6に示す吸収スペク
トル図からわかるように3.20μmと7.15μmの
波長をもつ赤外線を吸収する性質があり、実験に用いた
赤外線ヒータはこの波長帯の赤外線強度が強く、一方石
英の光の透過率については、図7に示すように3.4μ
m付近を越えたあたりから急激に低下するので、結局
3.2μm前後の波長の赤外線によりNH4 Clが効率
よく分解されたものと推察される。
【0036】ここで本発明では、図8に示すように反応
室2内に例えば反応室2内の左右両側壁付近に加熱手段
をなす赤外線ヒ−タ6を3本ずつ上下に並行状に配設
し、ウエハ3の表面にTiN膜73を形成した後、反応
室2内へのTiCl4 ガスとNH3 ガスの導入を停止し
真空ポンプ22aにより排気管22を介して更に排気す
ることにより反応室2内を例えば1×10−6Torr
の真空度に維持し、続いて赤外線ヒータ6を点灯して赤
外線ヒータ6からの赤外線により反応室2内を例えば5
0〜450℃に数秒から数分程度加熱処理するようにし
てもよい。
【0037】ここで「本発明が解決しようとする課題」
の項で既述したように反応室2内の内壁面などにはTi
Cl4 とNH3 との気相反応の副生成物であるNH4
lが付着堆積しており、またCVDにより形成されたT
iN膜63中にはClが高濃度で混入している。
【0038】そしてこのNH4 Clの常温下での昇華点
は先述したように、例えば1×10-6Torrの真空雰
囲気下では可成り低い温度となり、このため反応室2内
をこの昇華温度以上に赤外線ヒータ6よりの赤外線によ
って加熱することにより図2(b)及び図9に示すよう
に反応室2の内壁面などに付着堆積しているNH4 Cl
の付着物24がHClとNH3 とに分解して離脱すると
共に、ウエハ3のTiN膜73中のNH4 Clが同様に
HClとNH4 とに分解してTiN膜73から放出され
ると考えられる。実際にTiCl4 ガスとNH3 ガスと
を反応させて反応室2の内壁にNH4 Clを付着させ、
その後既述の後処理を行ったところ反応室2の内壁面か
らNH4 Cl膜がほぼ完全に除去されていた。
【0039】このような実施例によれば、反応室2の内
壁面などに付着堆積しているNH4Clが分解して当該
内壁面から離脱するので反応室2内が洗浄され、例えば
反応室2内をメンテナンスフリーとすることができると
共に、TiN膜73中のNH4 Clが分解してTiN膜
73から放出されるので塩素の混入量が少ないCVD薄
膜を得ることができる。
【0040】以上において本発明は、既述の実施例に示
す構成の他、例えば後処理室や反応室の上面を石英ガラ
ス窓で構成し、後処理室や反応室の外側から石英ガラス
窓を介して赤外線を取り込んで被処理基板表面に照射す
る構成であってもよい。
【0041】なおTiN膜を加熱処理するための加熱手
段としては赤外線ヒータに限定されるものではない。ま
た加熱処理するときの真空度は10-3Torr〜10-9
Torrが望ましく、更に望ましくは10-6Torr〜
10-9Torrである。
【0042】そしてまた上述の実施例では熱CVD法に
より形成されたTiN膜を加熱処理する場合について述
べたが、TiN膜は、熱+プラズマCVD法によりTi
ClとN2 とを反応させて形成したものであってもよ
い。
【0043】更にまた本発明により加熱処理される薄膜
は、TiN膜に限られず薄膜成分及びClを含む化合物
よりなる原料ガスを用いて気相反応により形成されるも
のであればよく、WとF(フッ素)とを含む化合物より
なる原料ガス例えばWF6 (六フッ化タングステン)ガ
スとSi及びClを含む原料ガス例えばSiH2 Cl2
(ジクロルシラン)ガスとを用いて気相反応により形成
されるWSi2 (タングステンシリサイド)膜であって
もよい。WSi2 薄膜はTiN膜と同様に金属配線とシ
リコン膜との間の低抵抗層の役割を果たし、成膜時にC
lが混入するものであり、このような薄膜に対しても真
空雰囲気中で加熱処理することにより、成膜時にWSi
2 膜中に取り込まれたClを除去して含有Cl濃度を低
下させることができ、WSi2 膜の上に積層されたAl
膜などの金属配線の腐食を抑えることができる。
【0044】
【発明の効果】請求項1〜3の発明によれば、CVD法
により形成され、Clが不純物として混入する薄膜中の
Cl濃度を低下させることができ、従ってデバイス中の
金属配線の腐食を抑えることができるなど、Clによる
悪影響を少なくすることができる。また請求項4の発明
によれば、塩素の混入量が少ない薄膜を得ることができ
ると共に、反応室の洗浄を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る方法を実施するための装
置の一例を示す縦断側面図である。
【図2】半導体ウエハ表面の状態を示す説明図である。
【図3】本発明の効果を確認するための実験装置を示す
概略構成図である。
【図4】図3の装置を用いた実験における質量分析の結
果を示す特性図である。
【図5】図3の装置を用いた実験における質量分析の結
果を示す特性図である。
【図6】NH4 Clの光の吸収特性を示す特性図であ
る。
【図7】石英の光の透過特性を示す特性図である。
【図8】本発明の実施例に用いる装置の一例を示す概観
透明斜視図である。
【図9】半導体ウエハ表面及び反応室内壁の状態を示す
説明図である。
【図10】コンタクトホールの構造の一例を示す説明図
である。
【符号の説明】
2 反応室 3 半導体ウエハ 4 原料ガス供給部 41a TiCl4 の液体ソース 42a NH3 の気体ソース 5 後処理室 6 赤外線ヒータ 73 TiN膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大場 隆之 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜成分及びClを含む化合物よりなる
    原料ガスを用いて気相反応により被処理基板上に薄膜を
    形成する工程と、 この工程で薄膜が形成された被処理基板を真空雰囲気中
    で加熱処理して当該薄膜中のClを除去する工程と、 を含むことを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】 Ti及びClを含む化合物よりなる原料
    ガスと、NガスまたはNを含む化合物よりなる原料ガ
    スとを用いて気相反応により被処理基板上にTiN膜を
    形成する工程と、 この工程でTiN膜が形成された被処理基板を真空雰囲
    気中で加熱処理して当該TiN膜中のClを除去する工
    程と、 を含むことを特徴とする薄膜形成方法。
  3. 【請求項3】 W及びFを含む化合物よりなる原料ガス
    と、Si及びClを含む原料ガスとを用いて気相反応に
    より被処理基板上にWSi膜を形成する工程と、 この工程でWSi膜が形成された被処理基板を真空雰囲
    気中で加熱処理して当該WSi膜中のClを除去する工
    程と、 を含むことを特徴とする薄膜形成方法。
  4. 【請求項4】 薄膜成分及びClを含む化合物よりなる
    原料ガスを用いて気相反応により被処理基板上に薄膜を
    形成し、Cl化合物が副生成される薄膜形成装置におい
    て、 前記反応室内に付着した副生成物と前記薄膜中のClと
    を真空雰囲気中で除去するための加熱手段を設けたこと
    を特徴とする薄膜形成装置。
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