JPH06188071A - 電磁調理器用容器およびその製造方法 - Google Patents

電磁調理器用容器およびその製造方法

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JPH06188071A
JPH06188071A JP35707792A JP35707792A JPH06188071A JP H06188071 A JPH06188071 A JP H06188071A JP 35707792 A JP35707792 A JP 35707792A JP 35707792 A JP35707792 A JP 35707792A JP H06188071 A JPH06188071 A JP H06188071A
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Yasuhiro Watanabe
靖弘 渡辺
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Teikoku Piston Ring Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量でしかも食品を均一に加熱可能な電磁調
理器用容器およびその製造方法を提供する。 【構成】 チタン製鍋本体1の底面に、硬質クロムめっ
き層6,7を被着した軟鋼板2がアルミニウム合金層3
を介して接合されている。アルミニウム合金層3と軟鋼
板2の硬質クロムめっき層6との接合部にはアルミニウ
ム−クロム合金層8,9が形成され、チタン製鍋本体1
の底面とアルミニウム合金層3との接合部にチタン−ア
ルミニウム合金層10が形成されている。以上の鍋は鍋
本体1の底面と硬質クロムめっきを被着した軟鋼板とに
アルミナイジングを施した後、アルミニウム合金を使用
して鋳造することにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電磁調理器に使用する鍋
等の電磁調理器用容器およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近誘導加熱による電磁調理器が普及し
始めている。電磁調理器に使用する鍋は少なくとも鍋底
に強磁性金属が使用されている必要がある。鍋全体をフ
ェライト系やマルテンサイト系のステンレス鋼で作製す
ると、重くなって取り扱いにくいものとなってしまう。
【0003】したがって、爆着や圧延等で複合化した、
SUS−Al−SUSの三層クラッド板材を深絞りして
鍋を作製したり、溶射あるいはライニング等で複合化し
たSUS−Alの二層クラッド板材を深絞りして鍋を作
製したりして、鍋の軽量化が図られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の鍋は軽量化のためクラッド板材を薄くするので、必然
的に鍋底が薄くなり、その結果、発熱部である鍋底に局
部過熱が起こり易く、これに伴って鍋底に歪みや湾曲を
生じ易い。鍋底に一旦歪みが生じると、電磁調理器と鍋
底との距離が不均一になり、局部過熱は益々大きくな
る。このためこれらの鍋は、焦げが発生しやすかった
り、食品を一様に加熱出来ない欠点を有していた。そし
て歪みを抑制するため、クラッド板材を厚くして鍋全体
を厚くすれば、鍋の重量増加を招くので、軽量化と均一
な加熱を両立させることが困難であった。
【0005】本発明の目的は、軽量でしかも食品を均一
に加熱可能な電磁調理器用容器およびその製造方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁調理器用容
器の構成は、容器本体の底面に、硬質クロムめっき層を
被着した鋼板がアルミニウム合金層を介して接合されて
おり、このアルミニウム合金層と前記鋼板の硬質クロム
めっき層との接合部にアルミニウム−クロム合金層が形
成されていることを特徴とする。
【0007】上記において、容器本体はチタンまたはチ
タン合金からなり、容器本体の底面とアルミニウム合金
層との間にチタン−アルミニウム合金層が形成されてい
るのが好ましい。
【0008】また、アルミニウム合金はSiを7%以上
含有するのが好ましい。
【0009】上記の電磁調理器用容器の製造方法は、容
器本体の底面と、硬質クロムめっきを被着した鋼板とに
アルミナイジングを施した後、容器本体の底面と鋼板と
の間に介装されるアルミニウム合金層を鋳造により形成
することを特徴とする。
【0010】あるいは、容器本体の底面と、硬質クロム
めっきを被着した鋼板とにアルミナイジングを施した
後、容器本体の底面と鋼板との間に介装されるアルミニ
ウム合金層を鋳造により鋼板を鋳包むようにして形成
し、鋳造後、容器底面を加工して鋼板を露出させること
を特徴とする。
【0011】
【作用】電磁調理器によって容器底面部の鋼板に発熱し
た熱は、良好な熱伝導率を有しているアルミニウム合金
層を通じて良好に拡散するため、容器底面部の温度が均
一化しやすい。そして、容器本体はチタンあるいはチタ
ン合金等の軽い材料で形成できるため、電磁調理器用容
器を軽量にできる。
【0012】鋼板とアルミニウム合金層との接合強度
は、鋼板に被着されている硬質クロムめっき層とアルミ
ニウム合金層との間で、アルミニウム−クロム合金層が
形成されているため、すぐれた接合強度を得ることがで
きる。
【0013】また、容器本体がチタンあるいはチタン合
金の場合、容器本体の底面とアルミニウム合金層との間
で、チタン−アルミニウム合金層が形成されると、容器
本体とアルミニウム合金層との間ですぐれた接合強度を
得ることができる。
【0014】以上の場合に、アルミニウム合金層にSi
が7%以上含有されているのが接合強度の面で好まし
い。
【0015】そして、上記電磁調理器用容器は上記本発
明の製造方法によって容易に製造することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明における電磁調理器用鍋の製造
方法の一実施例を説明する。板厚3.2mm、外径19
5mm、内径40mmのリング状の軟鋼板(JISSS
41)の中心孔の周りに、幅木取り付け用の環状凹部を
加工した後、軟鋼板の両面に厚さ10μmの硬質クロム
めっきを施す。これとは別に、板厚1mmのチタン板を
深絞りして、内径230mm、深さ50mmのチタン製
鍋本体を用意する。次に軟鋼板の両面およびチタン製鍋
本体の底面にアルミナイジングを施す。次に、チタン製
鍋本体と軟鋼板が鋳型にセットされる。この場合、軟鋼
板はチタン製鍋本体の底面に対して同心状にかつ平行な
状態で底面から所定距離だけ離間して配置される。そし
て、鋳造用アルミニウム合金(JISAC4B:Si7
〜10%、Cu2〜4%)を使用して、いわゆるアルフ
ィン法により鋳造することにより、アルミニウム合金層
が軟鋼板の全表面を鋳包んだ状態で、チタン製鍋本体の
底面に接合される。
【0017】得られた鍋素材の一部分を図2に示す。図
2において、チタン製鍋本体1の底面には、軟鋼板2の
全表面を鋳包んだアルミニウム合金層3が接合されてい
る。アルミニウム合金層3は軟鋼板2の全表面を鋳包ん
で外形が円盤形状をなしており、その外径はチタン製鍋
本体1の外径よりも少し小さく、上面がチタン製鍋本体
1の底面に接合されて、下面は平坦面をなしている。な
お、4は軟鋼板の中心孔、5はその中心孔4の周りに形
成された幅木取り付け用凹部である。
【0018】次に、図1(a)に示すように、上記で得
られた鍋素材の底面の一部を切削除去して軟鋼板を露出
させる。軟鋼板2の露出部2Aは下方から見て、軟鋼板
2の外周と同心のリング状をなしており、その外径は軟
鋼板2の外径よりも少し小さく、内径は幅木取り付け用
凹部5の内径よりも少し大きい大きさを備えている。そ
してこの軟鋼板2の露出部2Aの部分は、アルミニウム
合金層3において軟鋼板2の下側に配置されている部分
のみならず軟鋼板2の下部部分も切削除去されており、
軟鋼板2の露出部2Aの板厚は1mmで、素材時の厚さ
(3.2mm)よりも薄くなっている。
【0019】なお、図1(b)の拡大詳細断面図に示さ
れているように、軟鋼板2の両面には硬質クロムめっき
層6,7が被着形成されており、これらの硬質クロムめ
っき層6、7とアルミニウム合金層3との接合部にはア
ルミニウム−クロム合金層8、9が形成されている。ま
た、チタン製鍋本体1の底面とアルミニウム合金層3と
の接合部にはチタン−アルミニウム合金層10が形成さ
れている。
【0020】下記に、上記で得られた電磁調理器用の鍋
の各部の寸法を示す。 チタン製鍋本体1: 重量:1kg 内径:230mm 深さ:50mm 板厚:1mm 鍋本体1の底面に接合されている鍋底部: 軟鋼板2の外径:195mm 軟鋼板2の露出部2Aの板厚:1mm 軟鋼板2の露出部2Aの外径:185mm 軟鋼板2の露出部2Aの内径:50mm アルミニウム合金層3における軟鋼板2よりも上側部分
の厚さ:3mm アルミニウム合金層3における軟鋼板2の下端面よりも
下側部分の厚さ:1mm
【0021】以下、各種の電磁調理器による本発明の鍋
の加熱試験を説明する。図3(a)は、2kWの電磁調
理器(誘導コイル外径180mm)を使用して、上記で
説明した本発明の鍋および比較例としてのフェライト系
ステンレス鋼製の鍋(厚さ2mm)の底面における内面
の中央部を300℃まで加熱した時の鍋底の温度分布を
示すグラフで、縦軸の表面温度は温度が一番低い部分を
0℃とした時の温度差を示している。これらの試験結果
から、本発明の鍋の温度は比較例のフェライト系ステン
レス鋼製の鍋に比べて均一化されているのがわかる。こ
のときの鍋底の歪み量は図3(b)に示されている。図
3(b)は歪みが一番少ない部分を0mmとした時の鍋
断面歪み量を示すグラフであり、比較例の鍋の歪み量が
2.5mmに対して、本発明の鍋の歪み量は0.5mm
と小さい。
【0022】次に、アルミニウム合金層3における軟鋼
板2の下端面よりも下側部分の厚さ(mm)を種々変更
した時、電磁調理器用容器に流れる電流(A)を測定し
た結果を表1に示す。
【0023】
【0024】表1に示されているように、アルミニウム
合金層3における軟鋼板2の下端面よりも下側部分の厚
さが薄い、すなわち電磁調理器用鍋の底面から軟鋼板2
の露出部2Aの下面までの長さが短いほど、鍋と電磁調
理器とのマッチングがよく、アルミニウム合金層3にお
ける軟鋼板2の下端面よりも下側部分の厚さは5mm以
下、すなわち鍋の底面から軟鋼板2の露出部2Aの下面
までの長さが7mm以下がよい。
【0025】次に、アルミニウム合金の種類を変えて作
製した上記本発明構造の鍋を400℃の温度に加熱し
て、軟鋼板2とアルミニウム合金層3との接合部の強度
(kg/mm2 )を測定した結果を表2に示す。なお、
比較例としてアルミニウム合金の代わりに純Alを使用
した場合も示す。
【0026】
【0027】表2に示されているように、アルミニウム
合金にSiが7%以上含まれていると、加熱による接合
強度の低下が少ないことがわかる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、容
器底面部の温度が均一化しやすく、かつ電磁調理器用容
器を軽量化できる。また、鋼板とアルミニウム合金層と
の間ですぐれた接合強度を得ることができる。また、チ
タンあるいはチタン合金の容器本体とアルミニウム合金
層との間ですぐれた接合強度を得ることができる。
【0029】そして、上記電磁調理器用容器を容易に製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、(a)は電磁調理器
用の鍋の一部を示す縦断面図、(b)はそのA−A線に
沿う拡大詳細断面図である。
【図2】図1の鍋を製造する過程における鍋素材の一部
分を示す縦断面図である。
【図3】加熱試験結果を示すグラフであり、(a)は本
発明と比較例における鍋の底部の温度分布を示し、
(b)は本発明と比較例における鍋の底部の歪みを示
す。
【符号の説明】
1 チタン製鍋本体 2 軟鋼板 2A 軟鋼板の露出部 3 アルミニウム合金層 4 中心孔 5 幅木取り付け用凹部 6、7 硬質クロムめっき層 8、9 アルミニウム−クロム合金層 10 チタン−アルミニウム合金層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体の底面に、硬質クロムめっき層
    を被着した鋼板がアルミニウム合金層を介して接合され
    ており、このアルミニウム合金層と前記鋼板の硬質クロ
    ムめっき層との接合部にアルミニウム−クロム合金層が
    形成されていることを特徴とする電磁調理器用容器。
  2. 【請求項2】 容器本体がチタンまたはチタン合金から
    なり、容器本体の底面とアルミニウム合金層との接合部
    にチタン−アルミニウム合金層が形成されていることを
    特徴とする請求項1記載の電磁調理器用容器。
  3. 【請求項3】 アルミニウム合金がSiを7%以上含有
    することを特徴とする請求項1または2記載の電磁調理
    器用容器。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の電磁調理器用容
    器の製造方法において、容器本体の底面と、硬質クロム
    めっきを被着した鋼板とにアルミナイジングを施した
    後、容器本体の底面と鋼板との間に介装されるアルミニ
    ウム合金層を鋳造により形成することを特徴とする電磁
    調理器用容器の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の電磁調理器用容
    器の製造方法において、容器本体の底面と、硬質クロム
    めっきを被着した鋼板とにアルミナイジングを施した
    後、容器本体の底面と鋼板との間に介装されるアルミニ
    ウム合金層を鋳造により鋼板を鋳包むようにして形成
    し、鋳造後、容器底面を加工して鋼板を露出させること
    を特徴とする電磁調理器用容器の製造方法。
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