JPH06188068A - 高周波誘導加熱装置 - Google Patents

高周波誘導加熱装置

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JPH06188068A
JPH06188068A JP33865392A JP33865392A JPH06188068A JP H06188068 A JPH06188068 A JP H06188068A JP 33865392 A JP33865392 A JP 33865392A JP 33865392 A JP33865392 A JP 33865392A JP H06188068 A JPH06188068 A JP H06188068A
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JP
Japan
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coil
heating
heating coil
coil portion
steel sheet
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Application number
JP33865392A
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English (en)
Inventor
Takanobu Sanada
高伸 真田
Hirohito Aoyama
裕仁 青山
Nobuyoshi Masuyuki
信良 桝幸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokkaican Co Ltd
Original Assignee
Hokkaican Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送される鋼板材を均一の温度に加熱するこ
とができる高周波誘導加熱装置を提供する。 【構成】 複数の鋼板材1を搬送する搬送路3に対して
軸心が直交するように第1コイル部20と第2コイル部
21とからなる加熱コイル17を設け、加熱コイル17
の第1コイル部20と第2コイル部21とに、搬送路3
に沿って搬送される鋼板材1の上面及び下面に夫々対向
して張り出す張出部20a,20b,21a,21bを
設け、加熱コイル17に高周波電流を供給して鋼板材1
を加熱する高周波誘導加熱装置9である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、搬送中の薄鋼板類を加
熱する高周波誘導加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、短冊状の薄肉鋼板材である缶胴ブ
ランクの表面をポリエチレンテレフタレートフィルム等
の合成樹脂製フィルムによって被覆することが行われて
いる。この際には、缶胴ブランクを搬送しつつ加熱し、
その後該缶胴ブランクの表面に合成樹脂製フィルムを接
着する作業が行われる。
【0003】一般に、前記缶胴ブランク等の材料となる
鋼板材の加熱は、エネルギー効率が高く短時間で充分な
加熱が行えてその加熱温度等の制御も容易なことから高
周波誘導加熱装置による加熱が行われている。
【0004】従来、この種の高周波誘導加熱装置は、図
7に示すように、螺旋状に屈曲して形成された加熱コイ
ル30を備え、該加熱コイル30に高周波電源(図示せ
ず)より高周波電流を供給するものが知られている。
【0005】この種の高周波誘導加熱装置によって鋼板
材1を加熱する場合には、該鋼板材1を搬送する搬送路
31に沿って該高周波誘導加熱装置の加熱コイル30を
設ける。このとき加熱コイル30は、前記搬送路を搬送
される鋼板材1が加熱コイル30の内部をその軸心に沿
って通過するように設けられる。これにより、加熱コイ
ル30に高周波電流を供給したとき、該加熱コイル30
による磁界は、前記鋼板材1の搬送方向に沿った方向に
発生する。そして、搬送路を搬送される鋼板材1が加熱
コイル30の内部を通過するときに、該加熱コイル30
が高周波電流によって発生する磁界により、鋼板材1内
部に渦電流が発生して、これが該鋼板材1に加熱をもた
らす。
【0006】しかし、前記加熱コイル30は、前述した
ようにその水平磁界が鋼板材1の搬送方向に沿って発生
する。これにより、搬送路に沿って搬送される鋼板材1
は磁界の発生する方向の先端部及び後端部の比較的磁界
が乱れた部分を通過し、このような磁界によって加熱さ
れた鋼板材1は、その搬送方向の前後の端縁から内方へ
約20mmの部分zの加熱温度が非常に低くなる。そし
て、このように加熱された鋼板材1に前記合成樹脂製フ
ィルムを被覆するとき、鋼板材1の前後端の加熱温度の
低い部分zにおいては合成樹脂製フィルムが接着不良と
なるので、前記合成樹脂製フィルムを鋼板材1の表面に
均一に接着するためには、予め鋼板材1を比較的大きく
形成しておき、該鋼板材1を加熱して前記合成樹脂製フ
ィルムを接着し、その後、鋼板材1の加熱温度の低い部
分zによって合成樹脂製フィルムが接着不良となった部
分を切除しなければならない。これによって、該鋼板材
1の切除作業による作業効率の低下や、切除されて不要
となった鋼板材1の材料コストが増大する不都合があ
る。
【0007】そこで、前記加熱コイル30に供給する高
周波電流を大とし、或いは、前記加熱コイル30にフェ
ライトを装着し、前記加熱コイル30の磁界を高めて前
記加熱コイル30による加熱温度を大とすることによっ
て前記鋼板材1の前後端の部分zを充分に加熱すること
が考えられる。
【0008】しかし、前記加熱コイル30による加熱温
度を大とすると、前記鋼板材1の内方側の図中斜線示し
た部分が過剰に加熱されて、鋼板材1の表面のメッキ等
が変質したり、該鋼板材1に前記合成樹脂製フィルムを
被覆するときその均一な被覆が望めない不都合がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かかる不都合を解消し
て、本発明は、搬送される鋼板材を均一の温度に加熱す
ることができる高周波誘導加熱装置を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の第1の態様は、複数の短冊状の薄肉鋼板
材が連続して搬送される搬送路に沿って設けられた加熱
コイルを備え、該加熱コイルに高周波電流を供給するこ
とによって該加熱コイルに沿って搬送される前記鋼板材
を加熱する高周波誘導加熱装置において、前記加熱コイ
ルは、その軸心に該搬送路に対して直交する水平磁界を
形成するように前記搬送路の一方側に設けられ、該搬送
路に沿って搬送される前記鋼板材の一側半部の上面及び
下面に夫々対向して張り出す一対の張出部を備える第1
コイル部と、該第1コイル部の軸心に一致して前記搬送
路に対して直交する水平磁界を形成するように該第1コ
イル部に対向して前記搬送路の他方側に前記第1コイル
部との間隔が調整自在に設けられ、該搬送路に沿って搬
送される前記鋼板材の他側半部の上面及び下面に夫々対
向して張り出す一対の張出部を備える第2コイル部とか
ら成ることを特徴とする。
【0011】前記第1の態様においては、前記第1コイ
ル部と前記第2コイル部との互いに対向する距離が異な
る複数の加熱コイルを、前記搬送路に沿って並設しても
よい。
【0012】また、本発明の第2の態様は、複数の短冊
状の薄肉鋼板材が連続して搬送される搬送路に沿って設
けられた加熱コイルを備え、該加熱コイルに高周波電流
を供給することによって該加熱コイルに沿って搬送され
る前記鋼板材を加熱する高周波誘導加熱装置において、
前記加熱コイルは、その軸心に該搬送路に対して直交す
る水平磁界を形成するように前記搬送路の側方に設けら
れ、該搬送路に沿って搬送される前記鋼板材の上面及び
下面に夫々対向して張り出す一対の張出部を備えること
を特徴とする。
【0013】また、前記第1又は第2の態様において
は、前記加熱コイルの上流側又は下流側に他の加熱コイ
ルを設けてもよく、該他の加熱コイルは、軸心が該搬送
路に対して直交する垂直磁界を形成するように前記搬送
路の一方側に設けられて該搬送路に沿って搬送される前
記鋼板材の一側端部の上面及び下面に夫々対向して張り
出す一対の張出部を備える第1コイル部と、該第1コイ
ル部の軸心に平行して前記搬送路に対して直交する垂直
磁界を形成するように該第1コイル部に対向して前記搬
送路の他方側に設けられ、該搬送路に沿って搬送される
前記鋼板材の他側端部の上面及び下面に夫々対向して張
り出す一対の張出部を備える第2コイル部とによって構
成する。
【0014】
【作用】本発明の第1の態様によれば、前記加熱コイル
の前記第1コイル部によって前記鋼板材の一側半部を、
前記加熱コイルの前記第2コイル部によって前記鋼板材
の他側半部を加熱する。そして、第1コイル部及び第2
コイル部の間隔を調整することによって前記鋼板材の一
側半部及び他側半部の加熱状態を最適な条件に設定する
ことが可能となる。
【0015】更に、前記第1の態様においては、前記第
1コイル部と前記第2コイル部との互いに対向する距離
が異なる複数の加熱コイルを、前記搬送路に沿って並設
してもよい。即ち、例えば、搬送路の上流側に第1コイ
ル部と前記第2コイル部との互いに対向する距離が小の
加熱コイルを設け、該加熱コイルに隣接して搬送路の上
流側に第1コイル部と前記第2コイル部との互いに対向
する距離が大の加熱コイルを設ける。これによって、搬
送路に沿って搬送される鋼板材は、先ず、上流側の加熱
コイルの水平磁界によって、その搬送方向に沿った中央
部が加熱され、次いで、下流側の加熱コイルの水平磁界
によって、その搬送方向に沿った左右側部が加熱される
ので、前記鋼板材の加熱状態は、より一層均一とされ
る。
【0016】また、本発明の第2の態様によれば、前記
加熱コイルは、その水平磁界を、前記鋼板材の搬送方向
に対して直交するように発生させる。そして、該加熱コ
イルの一対の張出部によって、搬送路に沿って搬送され
る前記鋼板材の上面及び下面に対して均一な水平磁界を
発生させる。これにより、搬送路を搬送される鋼板材
は、比較的磁界が乱れる磁界の先端部及び後端部を通過
することがなく、比較的安定した磁界によって該鋼板材
を均一に加熱することが可能となる。
【0017】また、前記第1又は第2の態様において
は、前記加熱コイルの上流側又は下流側に他の加熱コイ
ルを設けてもよい。該他の加熱コイルは、その第1コイ
ル部によって前記鋼板材の一側端部を、第2コイル部に
よって前記鋼板材の他側端部を夫々加熱する。このと
き、第1コイル部と第2コイル部とは夫々前記鋼板材に
対して垂直方向に磁界を発生する。これにより、前記鋼
板材を水平磁界と垂直磁界とによって連続して加熱す
る。これは、前記第1又は第2の態様の加熱コイルは鋼
板材の搬送方向に直交して水平方向に磁界を発生する
が、例えば、前記第1又は第2の態様の加熱コイルを比
較的コンパクトに形成した場合には鋼板材の左右側端部
が磁界の先端部及び後端部に接近して搬送されて鋼板材
の左右側端部の加熱温度が比較的低くなるおそれがある
ためである。従って、前記鋼板材を水平磁界と垂直磁界
とによって連続して加熱することにより、鋼板材の左右
側端部が垂直磁界によって確実に加熱され、前記鋼板材
の加熱状態は、より一層均一とされる。
【0018】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0019】本実施例の高周波誘導加熱装置は、短冊上
の薄肉鋼板材である缶胴ブランクの表面へのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと言
う)の被覆処理を行う表面処理装置に設けられており、
缶胴ブランクの表面にPETフィルムを接着して被覆す
る際に、缶胴ブランクを加熱するためのものである。
【0020】図1は本発明の第1又は第2の実施装置を
含む缶胴ブランクの表面処理装置の一部を示す概略説明
図、図2は第1の実施例の高周波誘導加熱装置の要部を
模式的に示す説明図、図3(a)は第1の実施例におけ
る第1の加熱コイルの構造と缶胴ブランクの加熱状態を
示す断面説明図、図3(b)は第1の実施例における第
2の加熱コイルの構造と缶胴ブランクの加熱状態を示す
断面説明図、図4は第2の実施例の高周波誘導加熱装置
の要部を模式的に示す説明図、図5は第2の実施例にお
ける第2の加熱コイルの構造と缶胴ブランクの加熱状態
を示す断面説明図、図6は他の加熱コイルを模式的に示
す説明図である。
【0021】先ず、本発明の第1の実施例について説明
する。
【0022】缶胴ブランク1の表面処理装置2は、図1
にその一部を示すように、缶胴ブランク1の搬送方向に
向かって延設された搬送路3と、該搬送路3の上流側に
設けられて缶胴ブランク1を積層状態で保持するホッパ
ー4と、該ホッパー4の下部から缶胴ブランク1を一枚
づつ吸引して前記搬送路3上に該缶胴ブランク1を移載
する昇降自在に設けられたサクションカップ5と、該サ
クションカップ5によって搬送路3上に移載された缶胴
ブランク1をその搬送方向に向かって送り出すタイミン
グキッカー6と、該タイミングキッカー6によって送り
出された缶胴ブランク1の上下側から対向して当接して
該缶胴ブランク1を更に搬送方向に向かって送り出す一
対の送出ローラ7と、前記搬送路3に沿って複数設けら
れて缶胴ブランク1を搬送路3上に移動自在に保持する
補助ローラ8と、前記送出ローラ7の下流側には、詳し
くは後述するが、搬送路3に沿って搬送される缶胴ブラ
ンク1を加熱する本発明による高周波誘導加熱装置9と
が備えられている。
【0023】また、前記表面処理装置2は、長尺のPE
Tフィルム10を巻回した一対のフィルムコイル11,
12を夫々搬送路3の上下側に備え、両フィルムコイル
11,12から引き出された夫々のPETフィルム10
を前記搬送路3に沿って搬送される缶胴ブランク1の上
下面に向かって案内する複数の案内ローラ13,14を
備えている。更に、前記高周波誘導加熱装置9の下流側
には、両フィルムコイル11,12から引き出された夫
々のPETフィルム10を前記搬送路3に沿って搬送さ
れる缶胴ブランク1の上下面に圧着する一対の圧着ロー
ラ15,16が設けられている。
【0024】次に、本発明による高周波誘導加熱装置9
について説明する。
【0025】前記高周波誘導加熱装置9は、図1及び図
2に示すように、前記搬送路3に沿って設けられた第1
の加熱コイル17と、前記搬送路3に沿って該第1の加
熱コイル17の下流側に設けられた第2の加熱コイル1
8と、第1の加熱コイル17及び第2の加熱コイル18
に高周波電流を供給する図示しない高周波電源とを備え
ている。また、第1の加熱コイル17と第2の加熱コイ
ル18との間には、第1の加熱コイル17を通過した缶
胴ブランク1を第2の加熱コイル18の方向に送る一対
の送りローラ19が設けられている。前記第1の加熱コ
イル17及び第2の加熱コイル18は、中空の銅管によ
って形成されており、該銅管の内部に冷却水を通水する
ことによって冷却が可能となっている。
【0026】前記第1の加熱コイル17は、図3(a)
に示すように、四角筒状の支持体17aの周囲に前記銅
管を複数回巻回して形成されており、前記搬送路3の一
方側に位置する第1コイル部20と、該第1コイル部2
0に対向して前記搬送路3の他方側に位置する第2コイ
ル部21とによって構成され、第1コイル部20と第2
コイル部21とは、それらの各銅管の間隔を広げ或いは
狭めることによって第1コイル部20と第2コイル部2
1との間隔を調整自在に設けられている。
【0027】図2及び図3に示すように、前記第1コイ
ル部20は、搬送路3に沿って搬送される缶胴ブランク
1の一側半部の上面に対向して張り出す上部張出部20
aと、該上部張出部20a及び缶胴ブランク1の一側半
部の下面に対向して張り出す下部張出部20bとを備え
ている。上部張出部20aと下部張出部20bとによっ
て形成される第1コイル部20の巻線方向は缶胴ブラン
ク1の搬送方向に平行であり、それによって第1コイル
部20の軸心は、缶胴ブランク1の搬送方向に対して直
交する方向に延びている。
【0028】前記第2コイル部21は、前記第1コイル
部20と左右対称の形状であり、搬送路3に沿って搬送
される缶胴ブランク1の他側半部の上面に対向して張り
出す上部張出部21aと、該上部張出部21a及び缶胴
ブランク1の他側半部の下面に対向して張り出す下部張
出部21bとを備えている。上部張出部21aと下部張
出部21bとによって形成される第2コイル部21の巻
線方向は缶胴ブランク1の搬送方向に平行であり、それ
によって第2コイル部21の軸心は、前記第1コイル部
20の軸心に一致して缶胴ブランク1の搬送方向に対し
て直交する方向に延びている。
【0029】また、前記第2の加熱コイル18は、図3
(b)に示すように、四角筒状の支持体18aの周囲に
前記銅管を複数回巻回して、前記第1の加熱コイル17
と同様に構成されており、搬送路3に沿って搬送される
缶胴ブランク1の一側半部の上面及び下面に対向して夫
々張り出す上部張出部23aと下部張出部23bとを備
える第1コイル部23と、該第1コイル部23と左右対
称の形状であり、缶胴ブランク1の他側半部の上面及び
下面に対向して夫々張り出す上部張出部24aと下部張
出部24bとを備える第2コイル部24とによって構成
されており、第1コイル部23と第2コイル部24と
は、それらの各銅管の間隔を広げ或いは狭めることによ
って第1コイル部23と第2コイル部24とが互いに対
向する間隔が調整自在に設けられている。該第2の加熱
コイル18の第1コイル部23と第2コイル部24との
軸心は、缶胴ブランク1の搬送方向に対して直交する方
向に延びている。
【0030】そして、図3(a)及び(b)に示すよう
に、前記第2の加熱コイル18の第1コイル部23と第
2コイル部24との対向間隔wは、前記第1の加熱コイ
ル17の第1コイル部20と第2コイル部21との対向
間隔vよりも大きく設定されている。
【0031】更に、前記第1の加熱コイル17と第2の
加熱コイル18とには、それらの第1コイル部20,2
3、第2コイル部21,24の夫々の左右端部に磁束強
化のためのフェライト20c,23c,21c,24c
が設けられている。
【0032】次に、表面処理装置2における高周波誘導
加熱装置9の作動を説明する。
【0033】先ず、図1に示すように、ホッパー4に積
層状態で保持されている缶胴ブランク1をその下方から
サクションカップ5により吸引して一枚づつ搬送路3の
補助ローラ8上に載置する。次いで、タイミングキッカ
ー6によって搬送路3上の缶胴ブランク1を搬送方向に
送り出し、更に、送出ローラ7によって前記高周波誘導
加熱装置9に向かって送り出す。
【0034】続いて、図1及び図2に示すように、前記
高周波誘導加熱装置9の第1の加熱コイル17によって
缶胴ブランク1を加熱する。該第1の加熱コイル17に
は、高周波電源によって高周波電流が供給されており、
これによって、第1の加熱コイル17の各コイル部2
0,21の各張出部20a,20b,21a,21b間
には缶胴ブランク1の搬送方向に直交する水平磁界が発
生している。ここで、該第1の加熱コイル17の第1コ
イル部20と第2コイル部21とを、比較的接近する距
離vに調整しておくことにより、図3(a)に示すよう
に、缶胴ブランク1の中央部xが確実に加熱される。
【0035】次いで、前記第2の加熱コイル18によっ
て缶胴ブランク1を加熱する。該第2の加熱コイル18
には、前記第1の加熱コイル17と同様に高周波電源に
よって高周波電流が供給されており、これによって、第
2の加熱コイル18の各コイル部23,24の各張出部
23a,23b,24a,24b間には缶胴ブランク1
の搬送方向に直交する水平磁界が発生している。ここ
で、該第2の加熱コイル18の第1コイル部23と第2
コイル部24とを、前記第1の加熱コイル17の第1コ
イル部20と第2コイル部21との間隔距離wよりも大
として、図3(b)に示すように、缶胴ブランク1の両
側部yが夫々各コイル部23,24の各張出部23a,
23b,24a,24b間の略中央に対向して位置する
ように調整しておくことにより、缶胴ブランク1の両側
部yが確実に加熱される。
【0036】このようにして、缶胴ブランク1は、第1
の加熱コイル17と第2の加熱コイル18とによって中
央部xが加熱された後に両側部yが加熱され、しかも、
第1の加熱コイル17と第2の加熱コイル18との水平
磁界が缶胴ブランク1に直交していることから、缶胴ブ
ランク1は磁界の先端部や後端部の不安定な部分を通過
することなく搬送されるので、缶胴ブランク1の表面は
確実且つ均一に加熱される。
【0037】その後、加熱された缶胴ブランク1は、前
記圧接ローラ15,16によってPETフィルム10を
接着しつつ更に搬送方向に向かって送り出される。
【0038】以上のように、缶胴ブランク1は前記高周
波誘導加熱装置9によって均一に加熱されるので、その
表面にはPETフィルム10が均一に被覆される。
【0039】なお、前記高周波誘導加熱装置9は、第1
の加熱コイル17と第2の加熱コイル18とを設けて夫
々の加熱コイル17,18によって缶胴ブランク1の中
央部xと両側部yとを各別に加熱しているが、第1の加
熱コイル17と第2の加熱コイル18との何れか一方の
みを備えていればよい。即ち、前記第1の加熱コイル1
7或いは第2の加熱コイル18は、第1コイル部20,
23と第2コイル部21,24との夫々の対向間隔が適
宜設定することができるので、例えば、缶胴ブランク1
の大きさが比較的小さなものであるような場合には、第
1コイル部20,23と第2コイル部21,24との対
向間隔及び各銅管の間隔を調整するだけで、第1の加熱
コイル17と第2の加熱コイル18との何れか一方のみ
で均一に加熱することができる。
【0040】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。
【0041】なお、図4において、図1乃至図3と同様
の符号を付したものは、前記第1の実施例と同様に構成
されたものであるのでその説明を省略する。また、第2
の実施例は、前記第1の実施例の第2の加熱コイル18
に替えて他の加熱コイル26を図1に示す装置に設けた
ものであり、その設置位置等は前記第2の加熱コイル1
8と同じとされている。従って、他の加熱コイル26を
第2の加熱コイル26として説明する。
【0042】該第2の加熱コイル26は、図5に示すよ
うに、四角筒状の支持体26aの周囲に前記銅管を巻回
して形成されており、前記搬送路3の一方側に位置する
第1コイル部27と、該第1コイル部27に対向して前
記搬送路3の他方側に位置する第2コイル部28とによ
って構成されている。
【0043】図4及び図5に示すように、前記第1コイ
ル部27は、搬送路3に沿って搬送される缶胴ブランク
1の一側端部の上面に対向して張り出す上部張出部27
aと、該上部張出部27a及び缶胴ブランク1の一側端
部の下面に対向して張り出す下部張出部27bとを備え
ている。上部張出部27aと下部張出部27bとによっ
て形成される第1コイル部27の巻線方向は缶胴ブラン
ク1の搬送方向に平行であり、しかも第1コイル部27
の軸心は、缶胴ブランク1の上下面に対して垂直方向に
延びている。
【0044】前記第2コイル部28は、前記第1コイル
部27と左右対称の形状であり、搬送路3に沿って搬送
される缶胴ブランク1の他側端部の上面に対向して張り
出す上部張出部28aと、該上部張出部28a及び缶胴
ブランク1の他側端部の下面に対向して張り出す下部張
出部28bとを備えている。上部張出部28aと下部張
出部28bとによって形成される第2コイル部28の巻
線方向は缶胴ブランク1の搬送方向に平行であり、第2
コイル部28の軸心は、前記第1コイル部27の軸心と
平行に缶胴ブランク1の上下面に対して垂直方向に延び
ている。
【0045】更に、前記第2の加熱コイル26の第1コ
イル部27と第2コイル部28とには、磁束強化のため
のフェライト27c,28cが設けられている。
【0046】次に、上記に構成によりなる第2の加熱コ
イル26の表面処理装置2における作動を説明する。
【0047】前記の第1の実施例において説明したよう
に前記第1の加熱コイル17によって加熱された缶胴ブ
ランク1は、図4に示すように、第1の加熱コイル17
の各コイル部20,21の各張出部20a,20b,2
1a,21b間の水平磁界によってその中央部xが確実
に加熱されている。
【0048】次いで、図4及び図5に示すように、前記
第2の加熱コイル26によって缶胴ブランク1を加熱す
る。該第2の加熱コイル26には、前記第1の加熱コイ
ル17と同様に高周波電源によって高周波電流が供給さ
れており、これによって、第2の加熱コイル26の各コ
イル部27,28の各張出部27a,27b,28a,
28b間には缶胴ブランク1の搬送方向に直交する垂直
磁界が発生している。ここで、該第2の加熱コイル26
の第1コイル部27と第2コイル部28とが夫々缶胴ブ
ランク1の両側部yに対応して設けられているので、缶
胴ブランク1の両側部yが確実に加熱される。
【0049】このようにして、缶胴ブランク1は、第1
の加熱コイル17と第2の加熱コイル26とによって中
央部xが加熱された後に両側部yが加熱され、しかも、
第1の加熱コイル17の水平磁界と第2の加熱コイル2
6の垂直磁界とが缶胴ブランク1に直交していることか
ら、缶胴ブランク1は磁界の先端部や後端部の不安定な
部分を通過することなく搬送されるので、缶胴ブランク
1の表面は確実且つ均一に加熱される。
【0050】また、本発明の高周波誘導加熱装置の加熱
コイルは、前述した第1及び第2の実施例における各加
熱コイル17,18の形状に限定されるものではなく、
搬送方向に直交する方向に水平磁界が発生するように加
熱コイルが形成されていればよい。即ち、本実施例にお
ける高周波誘導加熱装置9の前記第1の加熱コイル17
について説明すれば、第1コイル部20と第2コイル部
21との夫々に張出部20a,20b,21a,21b
が備えられているが、例えば、図6に示すように、第2
コイル部21を設けることなく、第1コイル部20の張
出部20a,20bを更に搬送路3側に延出させ、該張
出部20a,20bを缶胴ブランク1の上面及び下面の
全面に対向するように形成してもよい。これによって
も、水平磁界が缶胴ブランク1に直交しているので、搬
送される缶胴ブランク1は、磁界の先端部や後端部の不
安定な部分を通過することなく搬送され、缶胴ブランク
1の表面を確実且つ均一に加熱することができる。
【0051】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
によれば、前記加熱コイルの磁界を、前記鋼板材の搬送
方向に対して直交するように発生させることができ、該
加熱コイルの前記第1コイル部によって前記鋼板材の一
側半部を、前記加熱コイルの前記第2コイル部によって
前記鋼板材の他側半部を加熱し、更に、第1コイル部及
び第2コイル部の距離を調整して前記鋼板材の一側半部
及び他側半部の加熱状態を最適な条件に設定することが
できる。
【0052】更に、前記第1コイル部と前記第2コイル
部との互いに対向する距離が異なる複数の加熱コイル
を、前記搬送路に沿って並設することにより、例えば、
搬送路の上流側に第1コイル部と前記第2コイル部との
互いに対向する距離が小の加熱コイルを設け、該加熱コ
イルに隣接して搬送路の上流側に第1コイル部と前記第
2コイル部との互いに対向する距離が大の加熱コイルを
設けて、上流側の加熱コイルによって、その搬送方向に
沿った中央部を加熱し、次いで、下流側の加熱コイルに
よって、その搬送方向に沿った左右側部を加熱して、前
記鋼板材の加熱状態をより一層均一とすることができ
る。
【0053】また、本発明によれば、前記加熱コイル
を、その軸心が前記搬送路に対して直交するように該搬
送路の側方に設けたので、該加熱コイルの磁界を、前記
鋼板材の搬送方向に対して直交するように発生させるこ
とができ、更に、該加熱コイルの一対の張出部によっ
て、搬送路に沿って搬送される前記鋼板材の上面及び下
面に対して均一な磁界を発生させることができる。従っ
て、搬送路を搬送される鋼板材は、比較的磁界が乱れる
磁界の先端部及び後端部を通過することがなく、比較的
安定した磁界によって該鋼板材を均一に加熱することが
できる。
【0054】また、前記加熱コイルの上流側又は下流側
に他の加熱コイルを設け、該他の加熱コイルの第1コイ
ル部によって前記鋼板材の一側端部を、第2コイル部に
よって前記鋼板材の他側端部を夫々加熱してもよい。こ
のとき、第1コイル部と第2コイル部とは夫々前記鋼板
材に対して垂直方向に磁界を発生するので、前記鋼板材
を水平磁界と垂直磁界とによって加熱すことにより、鋼
板材の左右側端部が垂直磁界によって確実に加熱され、
前記鋼板材の加熱状態を、より一層均一とすることがで
きる。
【0055】従って、本発明によれば、搬送される鋼板
材を均一の温度に加熱する高周波誘導加熱装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1又は第2の実施装置を含む缶胴ブ
ランクの表面処理装置の一部を示す概略説明図。
【図2】第1の実施例の高周波誘導加熱装置の要部を示
す説明図。
【図3】加熱コイルによる缶胴ブランクの加熱状態を模
式的に示す断面説明図。
【図4】第2の実施例の高周波誘導加熱装置の要部を示
す説明図。
【図5】加熱コイルによる缶胴ブランクの加熱状態を模
式的に示す断面説明図。
【図6】他の加熱コイルを模式的に示す説明図。
【図7】従来の高周波誘導加熱装置の要部を示す説明
図。
【符号の説明】
1…缶胴ブランク(鋼板材)、3…搬送路、9…高周波
誘導加熱装置、17…第1の加熱コイル(加熱コイ
ル)、18,26…第2の加熱コイル(加熱コイル)、
20,23,27…第1コイル部、21,24,28…
第2コイル部、20a,21a,23a,24a,27
a,28a…上部張出部(張出部)、20b,21b,
23b,24b,27b,28b…下部張出部(張出
部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の短冊状の薄肉鋼板材が連続して搬送
    される搬送路に沿って設けられた加熱コイルを備え、該
    加熱コイルに高周波電流を供給することによって該加熱
    コイルに沿って搬送される前記鋼板材を加熱する高周波
    誘導加熱装置において、前記加熱コイルは、その軸心に
    該搬送路に対して直交する水平磁界を形成するように前
    記搬送路の一方側に設けられ、該搬送路に沿って搬送さ
    れる前記鋼板材の一側半部の上面及び下面に夫々対向し
    て張り出す一対の張出部を備える第1コイル部と、該第
    1コイル部の軸心に一致して前記搬送路に対して直交す
    る水平磁界を形成するように該第1コイル部に対向して
    前記搬送路の他方側に前記第1コイル部との間隔が調整
    自在に設けられ、該搬送路に沿って搬送される前記鋼板
    材の他側半部の上面及び下面に夫々対向して張り出す一
    対の張出部を備える第2コイル部とから成ることを特徴
    とする高周波誘導加熱装置。
  2. 【請求項2】前記第1コイル部と前記第2コイル部との
    互いに対向する距離が異なる複数の加熱コイルを、前記
    搬送路に沿って並設したことを特徴とする請求項1記載
    の高周波誘導加熱装置。
  3. 【請求項3】複数の短冊状の薄肉鋼板材が連続して搬送
    される搬送路に沿って設けられた加熱コイルを備え、該
    加熱コイルに高周波電流を供給することによって該加熱
    コイルに沿って搬送される前記鋼板材を加熱する高周波
    誘導加熱装置において、前記加熱コイルは、その軸心に
    該搬送路に対して直交する水平磁界を形成するように前
    記搬送路の側方に設けられ、該搬送路に沿って搬送され
    る前記鋼板材の上面及び下面に夫々対向して張り出す一
    対の張出部を備えることを特徴とする高周波誘導加熱装
    置。
  4. 【請求項4】前記加熱コイルの上流側又は下流側に他の
    加熱コイルを設け、該他の加熱コイルは、軸心が該搬送
    路に対して直交する垂直磁界を形成するように前記搬送
    路の一方側に設けられて該搬送路に沿って搬送される前
    記鋼板材の一側端部の上面及び下面に夫々対向して張り
    出す一対の張出部を備える第1コイル部と、該第1コイ
    ル部の軸心に平行して前記搬送路に対して直交する垂直
    磁界を形成するように該第1コイル部に対向して前記搬
    送路の他方側に設けられ、該搬送路に沿って搬送される
    前記鋼板材の他側端部の上面及び下面に夫々対向して張
    り出す一対の張出部を備える第2コイル部とから成るこ
    とを特徴とする請求項1又は3記載の高周波誘導加熱装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6365883B1 (en) 1998-09-11 2002-04-02 Robotron Corporation U-shaped adhesive bonding apparatus
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WO2019015928A1 (de) * 2017-07-21 2019-01-24 Adval Tech Holding Ag Verfahren und vorrichtung zum umformen von magnesiumblech sowie damit hergestellte bauteile

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