JPH0618796U - 管内へのケーブル挿入装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 管内へのケーブル挿入装置において、簡単な
構成で、手間をかけることなく容易に、ケーブル先端の
向きを管の軸芯方向に変えることができるようにする。 【構成】 挿入ガイド筒１３における管内に挿入される
部分に、この挿入ガイド筒１３の一側部を切除して開口
した先端ガイド部１４を形成する。この先端ガイド部１
４を長手方向に複数に分割するとともに、その分割端縁
どうしを連結ピン１８にて揺動可能に連結し、先端側の
分割体１７が開口１５の側に屈曲し得るように構成す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は管内へのケーブル挿入装置に関し、特にＴＶカメラを用いた管内内視 工法におけるケーブルなど、比較的剛性の高いケーブルを管に設けられた分岐管 から管内に挿入する場合に好適に利用される管内へのケーブル挿入装置に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、管内に水などの流体を流したままその状態を検査する方法として、 先端部にＴＶカメラを取付けたケーブルを消化栓取付用の分岐管部分から管内に 挿入し、このＴＶカメラにて管内を内視して検査する管内内視工法が知られてい る。

【０００３】 この管内内視工法におけるケーブル挿入装置は、例えば送りローラにより、ケ ーブルを挟持してこの送りローラの回転駆動によりケーブルを送り出し、分岐管 から管内にその管軸芯と直角方向に挿入した挿入ガイド筒内にこのケーブルを通 し、この挿入ガイド筒の先端から管内に挿入するように構成されている。

【０００４】 この場合に、比較的剛性の高いケーブルを管内に挿入する際には、管と直角方 向の挿入ガイド筒の先端からケーブルの先端を管内に繰り出したときに、このケ ーブルの先端の向きを管の軸芯方向に変えることが困難であるため、ケーブルの 先端が管壁に当たって円滑に挿入できなかった。

【０００５】 これに対処するものとして、挿入ガイド筒の先端部でケーブル先端の向きを管 の軸芯方向に円滑に変えることができる管内へのケーブル挿入装置が既に提案さ れている。

【０００６】 このケーブル挿入装置は、図５に示すように、開口３１を有する挿入ガイド筒 ３２の先端に、この挿入ガイド筒３２の軸芯方向にほぼ沿った姿勢と斜め前方に 突出した傾斜姿勢との間で揺動可能なガイド板３３を設け、挿入ガイド筒３２を 貫通して配設された操作軸３４を手動で回転させることによりガイド板３３を仮 想線で示す位置まで揺動させてケーブル３５の先端を案内するものである。操作 軸３４の回転は、回転自在に支持されたねじ軸３６と、ねじ軸３６に螺合されて 昇降するナット体３７と、ナット体３７に取付けられた連結軸３８および移動ブ ラケット３９と、この移動ブラケット３９とガイド板３３の背面を連結するリン ク４０とによりガイド板３３に伝達され、これによりガイド板３３が揺動される ようになっている。なお、４１は下端がガイド板３３に当接されてガイド板３３ に伴って実線位置から仮想線位置まで揺動する第２ガイド板である。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら上記従来の構成では、操作軸３４の操作位置がケーブル挿入装置 の最上部であるため操作性が悪いとともに、操作軸３４を回転させることによっ てガイド板３３を揺動させるため、ガイド板３３の揺動操作に時間がかかり、ま た構成も複雑であるという問題があった。

【０００８】 本考案は上記従来の問題を解決するもので、簡単な構成で手間をかけることな く容易にケーブル先端の向きを管の軸芯方向に円滑に変えることができる管内へ のケーブル挿入装置を提供することを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記問題を解決するため本発明は、管に設けられた分岐管から管内に挿入ガイ ド筒を挿入し、この挿入ガイド筒にケーブルを通して管内にケーブルを挿入する ケーブル挿入装置において、挿入ガイド筒における前記管内へ挿入される部分に 、一側部が切除開口された先端ガイド部を形成し、この先端ガイド部を長手方向 に複数に分割し、その分割端縁どうしを、先端側の分割体が前記開口の側に屈曲 しうるように揺動可能に連結したものである。

【００１０】

【作用】

このような構成によると、外力の作用しない自然状態では挿入ガイド筒の先端 ガイド部は自重や適当な付勢手段にてその軸芯に沿った真っ直ぐな姿勢であり、 この状態で挿入ガイド筒を管内に挿入する。挿入ガイド筒の先端が管底に当接し て押し込み反力が作用すると、先端ガイド部の先端分割部が開口側に屈曲し、か つ続く分割体も開口側に屈曲する。そこで、挿入ガイド筒内にケーブルを送り出 すと、このケーブルの先端は屈曲した各分割体に案内されて、その向きが管の軸 芯方向に変えられ。これにより、ケーブルは管内に円滑に挿入される。

【００１１】 また、ケーブルを抜き出した後、挿入ガイド筒を引き抜くと、その先端部が管 底より離反して反力を受けなくなるので、先端ガイド部の分割体は元のように挿 入ガイド筒の軸芯に沿った姿勢に戻り、支障なく管より取り出される。

【００１２】

【実施例】

まず、図３により管内内視工法について説明する。ここで１は地中に埋設され た上水などの管路であり、その上方には、適当距離ごとに地下式消化栓用のピッ ト２が形成されている。このピット２の内部には管路１から分岐管３が導かれ、 この分岐管３の上端に副弁４を介して図示しない消化栓を取付けるように構成さ れている。管内内視工法を実施するときには、副弁４を閉じて消化栓を取り外し 、この副弁４に図示のようにケーブル挿入装置５を接続する。

【００１３】 ケーブル挿入装置５は、管路１の中に挿入するケーブル６を巻き付けたケーブ ルドラム７と、管路１の内部の密封を維持した状態でケーブル６を通過させる二 つ割りのシール装置８と、ケーブル６を通すための耐圧ホース９と、ケーブル６ を対のローラで挟持した状態でそのローラを回転駆動することにより、このケー ブル６を管内に向けて送り込むように構成されたケーブル送り出し装置１０と、 ケーブル送り出し装置１０の下端と副弁４との間に介装された緊急遮断弁１１と 、挿入外筒１２と、この挿入外筒１２の内部に挿通された挿入ガイド筒１３とを 有した構成とされている。ケーブル６には、その先端部から適当間隔おきにＴＶ カメラ、その照明、制御装置などの複数の大径のブロック状体６ａが取付けられ ている。

【００１４】 次に、挿入ガイド筒１３の下端部の構成を図１、図２により説明する。挿入ガ イド筒１３の先端ガイド部１４は、その周壁のほぼ半分が切除されて、一側に大 きく開いた開口１５が形成されている。この先端ガイド部１４は上下に２分割さ れている。上部の分割体１６は挿入ガイド筒１３と一体的に形成されている。下 部の分割体１７は、開口１５側に向けて屈曲し得るように、連結ピン１８にて上 部の分割体１６の下端に揺動自在に連結されている。下部の分割体１７の下端部 には、開口１５側に向けて斜め下向きに傾斜した傾斜面１９が設けられている。 この傾斜面１９の先端すなわち分割体１７の下端には、転動用のローラ２０が回 転自在に取付けられている。

【００１５】 上部と下部の分割体１６、１７の連結部は、下部の分割体１７を開口１５の側 へ屈曲可能なように、Ｖ字状に切欠２１が形成されている。また、上部と下部と の分割体１６、１７の連結部の背部には、下部の分割体１７を挿入ガイド筒１３ の軸芯に沿った姿勢に向けて弾性的に付勢する板ばね２２が設けられ、この板ば ね２２の上下端がそれぞれ分割体１６、１７の背面に固着されている。

【００１６】 このような構成において、管路１の内部を内視検査する場合は、消化栓（図示 せず）を取り外した副弁４に挿入外筒１２を接続して、図３に示すようにケーブ ル挿入装置５を設置する。次に、副弁４を開き、挿入外筒１２の中の挿入ガイド 筒１３を下降させ、その先端部を、副弁４、分岐管３を通して管路１の内部に挿 入する。このとき、先端ガイド部１４の下部の分割体１７は挿入ガイド筒１３の 軸芯に沿った姿勢となっているので、何ら支障なく挿入が行われる。

【００１７】 先端ガイド部１４における下部の分割体１７の下端が管路１の底部に当たると 、その反力によって、この分割体１７には、連結ピン１８回りに開口１５側に向 かうモーメントが作用する。このため、図１に仮想線で示すように板ばね２２の 付勢力に抗して分割体１７が開口１５側に揺動して屈曲した姿勢となり、この分 割体１７にて、上方から下方に向かうにつれ水平方向に向けて屈曲するガイド面 が形成される。

【００１８】 この状態で、ケーブル送り出し装置１０にて、ケーブル６を挿入外筒１２を経 て挿入ガイド筒１３の中に送り込む。ケーブル６の先端が先端ガイド部１４の位 置まで来ると、上記のように屈曲したガイド面が形成されているので、このケー ブル６の先端は円滑に管路１の軸芯方向に向きを変える。そしてケーブル６が管 路１内に確実に送り出され、ブロック状体６ａに設けられたＴＶカメラなどにて 管路１の内面の検査が行われる。

【００１９】 検査が終了すると、ケーブル送り出し装置１０を逆方向に作動させてケーブル ６が引き上げられる。その後、挿入ガイド筒１３を分岐管３および副弁４から抜 き出す。この際、下部の分割体１７は、挿入ガイド筒１３が引き抜かれて管路１ の底部より離反するのに伴って板ばね２２により元の姿勢に復帰揺動し、支障な く抜き出される。

【００２０】 最後に、副弁４を閉じ、挿入外筒１２を取り出して消化栓を取付けることによ り検査作業が終了する。 なお、上記実施例においては、板ばね２２により下部の分割体１７を挿入ガイ ド筒１３の軸芯に沿った姿勢に保持させる構成としたが、他の付勢手段や、分割 体１７の自重のみでこの姿勢となるように構成してもよい。

【００２１】 さらに、上記実施例では、先端ガイド部１４を上部と下部の分割体１６、１７ に２分割した例を示したが、図４（ａ）に示すように分割体２６、２７、２８に ３分割しても、また図４（ｂ）に示すように分割体３６、３７、３８、３９の４ 分割にしても、あるいはそれ以上の分割数としても、同様の作用が得られる。か つ分割数を増やすと、垂直姿勢から水平方向に向かって傾斜角が徐々に緩やかに なるように屈曲したガイド面が形成され、より円滑なガイド機能を得ることがで きる。

【００２２】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、挿入ガイド筒における管内へ挿入される部分に 、一側部が切除開口された先端ガイド部を形成し、この先端ガイド部を長手方向 に複数に分割し、その分割端縁どうしを、先端側の分割体が前記開口の側に屈曲 しうるように揺動可能に連結したため、挿入ガイド筒を管内に挿入して、その先 端が管底に接触すると、押し込み力の反力で分割体が開口側に屈曲することにな るため、従来行っていたガイド板の揺動のための作業が不要となり、挿入ガイド 筒の挿脱作業を簡単に行うことができる。また、構造が簡単であるため、製造コ ストも安価になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の管内へのケーブル挿入装置
における挿入ガイド筒の先端ガイド部の断面図である。

【図２】図１に示した部分の左側面図である。

【図３】本考案にもとづくケーブル挿入装置の全体図で
ある。

【図４】本考案の他の実施例における先端ガイド部を示
す図である。

【図５】従来のケーブル挿入装置の断面図である。

【符号の説明】

１ 管路 ５ ケーブル挿入装置 ６ ケーブル １３ 挿入ガイド筒 １４ 先端ガイド部 １５ 開口 １６ 上部の分割体 １７ 下部の分割体 １８ 連結ピン １９ 傾斜面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 井上 静夫 兵庫県尼崎市大浜町２丁目26番地 株式会 社クボタ武庫川製造所内 (72)考案者 桜井 祥己 兵庫県尼崎市大浜町２丁目26番地 株式会 社クボタ武庫川製造所内 (72)考案者 大濱 博保 兵庫県尼崎市大浜町２丁目26番地 株式会 社クボタ武庫川製造所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 管に設けられた分岐管から管内に挿入ガ
   イド筒を挿入し、この挿入ガイド筒にケーブルを通して
   管内にケーブルを挿入するケーブル挿入装置であって、
   挿入ガイド筒における前記管内へ挿入される部分に、一
   側部が切除開口された先端ガイド部を形成し、この先端
   ガイド部を長手方向に複数に分割し、その分割端縁どう
   しを、先端側の分割体が前記開口の側に屈曲しうるよう
   に揺動可能に連結したことを特徴とする管内へのケーブ
   ル挿入装置。