JPH0618771B2 - 浴用剤 - Google Patents

浴用剤

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JPH0618771B2
JPH0618771B2 JP61084352A JP8435286A JPH0618771B2 JP H0618771 B2 JPH0618771 B2 JP H0618771B2 JP 61084352 A JP61084352 A JP 61084352A JP 8435286 A JP8435286 A JP 8435286A JP H0618771 B2 JPH0618771 B2 JP H0618771B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、浴用剤、さらに詳しくはアセモ、湿疹、ニキ
ビ、その他の皮膚病に対して治療効果を有する浴用剤に
関するものである。
〔従来技術及びその問題点〕
従来、入浴に際して、湯浴中に投入使用される浴用剤は
知られている。このような浴用剤は、通常、硫酸ナトリ
ウムや食塩等の無機塩に種々の薬効成分や香料を配合し
たものから構成されている。この場合、薬効成分を選ぶ
ことにより、その薬効成分に応じた効能を備えた浴用剤
を得ることができる。これまで、抗菌ないし殺菌効果を
有する浴用剤成分としては、硫化ナトリウムや、硫酸
鉄、亜硫化鉄等の無機硫化物が用いられている。しか
し、これらのものは、その抗菌効果において未だ不十分
である上、皮膚に対して害を与える等の問題もある。ま
た、他の抗菌効果を有する浴用成分として、薬用植物が
知られているが、このものは、その抗菌効果において不
満足であるとともに、一般的に高価である。
一方、本発明者は、先に、下記に示す一般式で表わされ
る非対称型チアミンジスルフィド誘導体が、すぐれた抗
菌作用を有し、皮膚病治療薬(特開昭62−19012
4号)及び白癬菌症治療剤(特開昭62−175423
号)として有用であることを見出し、それぞれ特許出願
している。
(式中、R1はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基等を表わし、R2は、メチル基、エチル基、プロピル
基、アリル基、フリフリル基等を表わす) 〔発明の目的〕 本発明は、皮膚に対する安全性が高く、かつ抗菌作用に
すぐれ、皮膚病治療効果を有する浴用剤を提供すること
をその目的とする。
〔発明の構成〕 本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結
果、本発明者が先に皮膚病治療薬等として提案した前記
非対称型チアミンジスルフィド誘導体を浴用剤成分とし
て用いることにより、あせもや、ニキビ等の皮膚病の治
療効果にすぐれた浴用剤が得られることを見出し、本発
明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、一般式 (式中、R1は低級アルキル基を示し、R2は飽和又は不飽
和のアルキル基を示す) で表わされる非対称型チアミンジスルフィド誘導体を有
効成分として含有することを特徴とする浴用剤が提供さ
れる。
本発明で浴用剤成分として用いる前記一般式(I)で示さ
れる非対称型チアミンジスルフィド誘導体は、従来公知
の化合物であり、ビタミンB1又はその類似体からなる
下記一般式(II)で表わされるチアミン化合物を原料とし
て、次の反応により合成される。
前記一般式(II)のチアミン化合物に反応させる一般式
(III)の反応剤は、飽和又は不飽和のアルキルハライド
とチオ硫酸ソーダとを反応させることによって得ること
ができる。
なお、この反応は従来よく知られている反応である。
従来公知のアリチアミン(R2=アリル基)は、前記した
ハライドとして、アリルハライドを用いることによって
合成される他、ビタミンB1に対して、アリシン(R-SO-
S-R、R=アリル基)を反応させることによっても得る
ことができる(例えば、「ハンドブック−化粧品、製剤
原料」、初版、P285を参照)。
また、前記のようにして得られる非対称型チアミンジス
ルフィド誘導体の具体的化合物例(例えば、R2=プロピ
ル、アリル、エチル等)については、例えば、「ハンド
ブック−化粧品、製剤原料」、改訂版(昭和52年)、P4
46(日光 ケミカルズ株式会社発行)に示されている。
本発明で用いるチアミンジスルフィド誘導体を示す前
記一般式(I)において、R1は低級アルキル基であり、R2
は飽和又は不飽和のアルキル基である。
本発明で用いる非対称型チアミンジスルフィド誘導体
は、前記したように既に本発明者の研究により、すぐれ
た抗菌作用を有することの見出されたものであり、湿
疹、ニキビ、あせも等の皮膚病治療効果を示すととも
に、皮膚に対して安全性が高く、実質上無害であること
が確認されているものである。このチアミンジスルフィ
ド誘導体は、すぐれた皮膚吸収性を示し、入浴中におい
て皮膚組織内に容易に浸透する。そしてこのチアミンジ
スルフィド誘導体は、組織内において分解し、再びビタ
ミンB1に戻るが、その分解に際し、スルホキシド(R2SO)
を生成するものと考えられる。チアミンジスルフィド誘
導体の使用より得られるすぐれた抗菌効果は、組織内で
のチアミンジスルフィドのビタミンB1への分解に際し
て副生するこのスルホキシドに起因するものと考えられ
る。
また、このスルホキシド(R2SO)における抗菌作用は、そ
の硫黄原子に起因するものである。従って、本発明で
は、R2の種類には格剤の制約はなく、非対称型チアミン
ジスルフィド誘導体を与えるものであればどのようなも
のでも良い。
本発明の浴用剤は、前記したチアミンジスルフィド誘導
体を必須成分として含有するもので、その他、慣用の無
機塩類や、香料、生薬等を含有することができる。チア
ミンジスルフィド誘導体の湯浴に対する溶解度が低すぎ
る場合、そのチアミンジスルフィド誘導体は、これを無
機酸塩や、有機酸塩とし、水溶性のものとして使用する
ことができる。このものを湯浴中に投入する場合、湯浴
中におけるチアミンジスルフィド誘導体の濃度が、浴湯
1中、0.001g以上、通常、0.01〜0.05gになるよう
な量を投入すればよい。
〔発明の効果〕
本発明の浴用剤は、その成分として、前記した非対称型
チアミンジスルフィド誘導体を含むことから、あせも
や、ニキビ等の細菌性皮膚病に対してすぐれた治療効果
を示すものである。また、このチアミンジスルフィド誘
導体は、皮膚に対する安全性が高く、実質上無害である
ことから、安心して使用し得るものである。さらに、そ
のチアミンジスルフィド自体で保温効果等の浴用剤効果
を示すものである。
〔実施例〕
次に本発明を実施例及び参考例によりさらに詳細に説明
する。
参考例1 プロピルブロマイド12.3gをエタノール12mlに溶か
し、チオ硫酸ソーダ24.8gを水30mlに溶かす。両者を
混合し、撹拌しながら、50〜60℃に加熱する。反応は30
分〜1時間で終り、ジスルフィド化合物(NaO3-S-SC3H7)
が生成する。
一方、チアミン(ビタミンB1)塩酸塩33.7gを水50ml
に溶かし、これに苛性ソーダ12gを水30gに溶かした液を
加えて中和した後、この液に第2級ブタノール60mlを
添加する。
次に、このようにして得たチアミン溶液に、撹拌下、前
記で得たジスルフィド化合物を含む溶液を徐々に加え、
加え終ったら速やかに分液ロートに移して静置する。上
層のブタノール層を分取し、無水硫酸ナトリウムを10g
加えて脱水する。次に減圧下にブタノールを除去し、プ
ロピルチアミンジスルフィド27gを得た。
参考例2 参考例1において、プロピルブロマイド12.3gの代わり
に、アリルブロマイド12.1gを用いる以外は同様にし
て、アリルチアミンジスルフィド(アリチアミン)26g
を得た。
実施例1 200のお湯を入れた浴槽に、プロピルチアミンジスル
フィド(一般式(I)におけるR1=CH3、R2=C3H7)の塩酸
塩2gを入れて入浴したところ、身体がよく温まり、肩の
コリがほぐれ、本発明で用いるチアミンジスルフィド
は、保温効果等の一般の浴用剤効果を示すことが確認さ
れた。
また、前記と同様にして作った浴湯に、あせものできた
乳幼児を一日に二回入浴させたところ、二日目には、そ
のあせもはすっかりよくなり、本発明の浴用剤は、皮膚
病治療効果を有することが確認された。
実施例2 アリルチアミンジスルフィド(アリチアミン)塩酸塩1g
をお湯200に溶解させて湯浴Aを作った。
次に、これらの湯浴Aを用いて、あせもの出た幼児3人
を、一日二回の入浴を5日間行ったところ、3日目には症
状が軽減し、5日目には完治した。
また、比較のために、塩酸チアミンを用いて同様のテス
ト行ったところ、この場合には、殆んど効果がなかっ
た。
実施例3 ラウリルブロマイド24.9gをエタノール100ccに溶かし、
この溶液にチオ硫酸ソーダ24.8gを水50gに溶かした液を
加え、還流下に8時間加熱する。別に塩酸チアミン33.4g
を水50gに溶かし、カセイソーダ12gを水50gに溶かした
液で中和した液を用意する。
この液に先のラウリルブロマイドの反応液をかく拌下に
加え、得られた白色沈でん物をろ別し風乾する。このよ
うにして得られた粉末をアルコールから再結晶する。得
られた結晶2gを塩酸酸性の水50gに溶かして実施例1と同
様に試験した結果、実施例1と同様に、保温効果と皮膚
治療効果が得られた。
以上の入浴テストの結果から、チアミン(ビタミン
1)自体には格別の抗菌作用はないものの、チアミン
ジスルフィドとすることによって、すぐれた抗菌作用が
発現することが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−181014(JP,A) 特開 昭57−11905(JP,A) 特開 昭59−137407(JP,A) 特開 昭59−112912(JP,A) 英国特許1234805(GB,A) フレグランス ジャーナル No.69 (1984)P.38〜42 蟇目浩吉 外6編「ハンドブック−化粧 品・製剤原料」改訂版(昭和52年)日光ケ ミカルズ株式会社 外1発行 P.463〜 468

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R1は低級アルキル基を示し、R2は飽和又は不飽
    和のアルキル基を示す) で表される非対称型チアミンジスルフィド誘導体を有効
    成分として含有することを特徴とする浴用剤。
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GB1234805A (en) 1968-03-29 1971-06-09 Takehiko Kobayashi A process for the encapsulating of hydrophobic materials

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蟇目浩吉外6編「ハンドブック−化粧品・製剤原料」改訂版(昭和52年)日光ケミカルズ株式会社外1発行P.463〜468

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