JPH06187549A - 自動販売機の電源安定化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】数分毎に０．３秒程度の無電圧区間を通過する
（つまり電源１が比較的長い瞬時停電を繰返す）新幹線
電車上に自販機を搭載可能とする。 【構成】車輛への供給電源としての外部電源１によって
浮動充電される電池３３を内蔵し、この電池から交流電
源を発生し出力する無停電電源装置（ＵＰＳ）３から自
販機５のマイコンやコインメック，ソレノイド等の金銭
の授受や商品の選択・搬出に関わる負荷５１へ電源供給
を行う。但しＵＰＳ３の電池を上記の瞬時停電をバック
アップできる程度の小型のものとしてあるため、オフ遅
延の限時リレー２を外部電源１で付勢し、本格停電時に
はＵＰＳ３の電池切れを防ぐためリレー２のａ接点２ａ
を開放しＵＰＳ３の出力を断つ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は新幹線電車に搭載される
自動販売機（自販機とも略記する）のように、高頻度で
瞬断（瞬時停電）を繰返す交流電源を源の電源として利
用する自販機の電源を安定化する装置に関する。なお以
下各図において同一の符号は同一もしくは相当部分を示
す。

【０００２】

【従来の技術】自販機は通常の商用電源を利用すること
を前提として製作されており、２０〜３０ｍｓ程度の電
源の瞬断まではほぼ正常に機能するが、これ以上の停電
が発生すると制御の主体となるマイコンが機能を停止し
たり、商品を搬出するソレノイドが正常に動作できない
場合がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところでこのような自
販機を、２０〜３０ｍｓを越える長い瞬断を頻発する交
流電源で、例えば新幹線電車に搭載して使用しようとす
る場合、新幹線は相の異なる単相交流の饋電区間が所定
の無電圧区間を距てて順次連なる構成となっており、こ
のため新幹線電車が受電する単相交流電源は車輛速度を
２００ｋｍ／ｈとした場合、結果的には数分ごとに約
０．３秒と比較的長時間の瞬断を繰返すことになる。

【０００４】このためこの瞬断が商品販売の途中に発生
したとすれば、貨幣を投入したにも関わらず商品の搬出
も、あるいはこれに代わる貨幣の返却も行われないとい
う事態を招く可能性がある。そこで本発明は自販機を新
幹線電車に搭載可能とする自動販売機の電源安定化装置
を提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、請求項１の電源安定化装置は、所定の上限時間以
内の瞬断を頻発する第１の交流電源（外部電源１など）
を入力し、この交流電源によって充電される電池（３３
など）を持ち、第２の交流電源を出力する電源装置であ
って、前記第１の交流電源の消失時にも前記電池の電力
を（インバータ３６などを介し）変換して前記第２の交
流電源を維持する無停電電源装置（３など）と、前記第
２の交流電源を少なくとも所定の負荷への入力とする自
動販売機（５など）と、前記第１の交流電源の消失後、
所定時限を経て前記自動販売機への第２の交流電源の入
力をしゃ断する手段（限時リレー２など）とを備えたも
のとする。

【０００６】また請求項２の電源安定化装置では、請求
項１に記載の電源安定化装置において、前記しゃ断手段
の所定時限は少なくとも前記第１の交流電源の瞬断の上
限時間以上で、かつこの電源の消失時における前記電池
からの第２の交流電源の供給可能時間以内に設定されて
なるものであるようにする。

【０００７】

【作用】自販機は人の視聴覚で停電があったことを判断
できないような（２０〜３０ｍｓ程度の）短い瞬時停電
では正常に動作できるが、人の視聴覚で判断できるよう
な（０．３秒程度の）長い瞬時停電ではマイコンが正常
に動作できない。そこでこのような長い瞬時停電時に
は、無停電電源装置（以下ＵＰＳとも略記する）から自
販機のマイコン等の所定の負荷へ電源を切換え供給す
る。

【０００８】なおここでＵＰＳは、入力側の交流電源が
ある場合はその交流電源を電力源として交流電源を外部
に出力し、入力側に交流電源がない場合は、内蔵電池で
交流電源を作り外部に出力する。

【０００９】

【実施例】以下図１，図２に基づいて本発明の実施例を
説明する。図１は本発明の一実施例としてのシステム構
成図である。同図において１は外部からの交流電源、３
は無停電電源装置（ＵＰＳ）、２は外部電源１によって
付勢されるオフ遅延型の限時リレー、２ａはＵＰＳ３の
出力を開閉するリレー２のａ接点、５は自販機である。
なお５１は自販機５のうち金銭の授受や、商品の選択・
払出等に直接関わる負荷であって瞬断に弱い負荷、例え
ばマイコン，コインメック，商品搬出ソレノイド等であ
り、５２はそれ以外の負荷、例えば蛍光灯，冷凍機等で
ある。そして負荷５１はＵＰＳ３の出力を電源とし、負
荷５２は外部電源１を直接、電源とするように構成され
ている。

【００１０】また３１はＵＰＳ３を構成する全波整流
器、３２は同じく電源コンデンサ、３３は同じく電池、
３４は同じく充電抵抗、３５，３６は同じくダイオー
ド、３７は同じく直流電力を定電圧，定周波数（この例
では１００Ｖ、５０又は６０Ｈｚ）の交流電力に変換出
力するインバータである。ここでＵＰＳ３の動作を述べ
ると外部電源１が存在しているときは全波整流器３１を
介して電源コンデンサ３２に直流電源が形成され、イン
バータ３７はこの直流電源から交流電力を変換出力す
る。またこの状態では電池３３は充電抵抗３４，ダイオ
ード３５を介して浮動充電されている。

【００１１】次に外部電源１が消失したときは電池３３
からダイオード３６を介して電源コンデンサ３２に電力
が供給され、インバータ３７はこ交流電力の変換出力を
維持する。図２は図１の基本動作説明用のタイムチャー
トである。次に図２を参照しつつ図１の基本動作を説明
する。限時リレー２は外部電源１が入力されたら接点２
ａを閉じる。これによりＵＰＳ３の電源出力側より自販
機５の負荷５１に電源が供給される。（図２、部） なお自販機５の負荷５２には直接外部電源１が入力され
る。また、電源１が停電した場合、リレー２はその時点
より所定の時限のカウントを始め、この例では０．３秒
を越える本格的な停電の場合はカウントアップ後、接点
２ａを開く。これによりＵＰＳ３の出力側からの自販機
負荷５１の電源供給はＵＰＳ３の電池切れを防止するた
めに断たれる（図２、部）。但しリレー２のカウント
アップ以前に電源１が復帰した場合（つまり外部電源１
の０．３秒以下の瞬断の場合）、リレー２のカウンタは
リセットされ、接点２ａは開かない（図２、部）。こ
れにより外部電源１に頻発する０．３秒以下の瞬断時に
は自販機５の直接、販売に関わる機能は正常に保たれ
る。

【００１２】なおＵＰＳ３の内蔵電池の容量は０．３秒
程度の比較的長い瞬断の間にも自販機５に電源を供給で
きる容量とする。但しＵＰＳ３を小型，低価格とするた
め電池容量を必要以上に大きくせず、瞬断でない本格的
な（つまり前述のリレー２のカウントアップ時間以上
の）停電時には前述のようにＵＰＳ３からの電源供給を
断つようにする。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば人の視聴覚で判別できる
程度の比較的長い瞬断までバックアップできる無停電電
源装置（ＵＰＳ）３より自販機５のマイコン等、直接販
売に関わる機能部に電源を供給するようにしたので、新
幹線電車上のような電源事情の悪いところろでも自販機
を設置することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例としてのシステム構成図

【図２】図１の基本動作説明用のタイムチャート

【符号の説明】

１ 外部電源 ２ 限時リレー ２ａ リレー２のａ接点 ３ 無停電電源装置（ＵＰＳ） ５ 自販機 ３１ 全波整流器 ３２ 電源コンデンサ ３３ 電池 ３４ 充電抵抗 ３５ ダイオード ３６ ダイオード ３７ インバータ ５１ 負荷 ５２ 負荷

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定の上限時間以内の瞬断を頻発する第１
   の交流電源を入力し、この交流電源によって充電される
   電池を持ち、第２の交流電源を出力する電源装置であっ
   て、前記第１の交流電源の消失時にも前記電池の電力を
   変換して前記第２の交流電源を維持する無停電電源装置
   と、 前記第２の交流電源を少なくとも所定の負荷への入力と
   する自動販売機と、 前記第１の交流電源の消失後、所定時限を経て前記自動
   販売機への第２の交流電源の入力をしゃ断する手段とを
   備えたことを特徴とする自動販売機の電源安定化装置。
2. 【請求項２】請求項１に記載の電源安定化装置におい
   て、 前記しゃ断手段の所定時限は少なくとも前記第１の交流
   電源の瞬断の上限時間以上で、かつこの電源の消失時に
   おける前記電池からの第２の交流電源の供給可能時間以
   内に設定されてなるものであることを特徴とする自動販
   売機の電源安定化装置。