JPH06186927A - 表示パネルの駆動方法および装置 - Google Patents

表示パネルの駆動方法および装置

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JPH06186927A
JPH06186927A JP34049892A JP34049892A JPH06186927A JP H06186927 A JPH06186927 A JP H06186927A JP 34049892 A JP34049892 A JP 34049892A JP 34049892 A JP34049892 A JP 34049892A JP H06186927 A JPH06186927 A JP H06186927A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、メモリ機能を有するセルの集合か
らなる表示パネル、特に、交流型プラズマ・ディスプレ
イ・パネルにおいて多階調表示等を行う場合の駆動方法
および装置に関し、自己消去放電の不足による書込みミ
スを回避して良好な画像表示を行うと共に、低消費電力
化が図れるようにすることを目的とする。 【構成】 第1の基板に第1および第2の電極を表示ラ
インごとに平行に配置すると共に、第1の基板と対向す
る第2の基板に第3の電極を第1および第2の電極と直
交するように配置し、第1および第2の電極の一方と第
3の電極により選択された少なくとも1つの表示ライン
のセルに対しメモリ機能を利用した書込み放電による発
光表示を行う場合、セル選択による選択書込み放電を行
う前に、上記の選択された表示ラインの全セルで全セル
書込み放電を行うと共に、この表示ラインの全セルで全
セル消去放電を行い、選択書込み放電前に、この選択書
込み放電に有効に作用する壁電荷を第3の電極側に蓄積
するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メモリ機能を有する表
示素子であるセルの集合によって構成された表示パネル
を駆動する技術に係り、特に、AC(交流)型のプラズ
マ・ディスプレイ・パネル(Plasma Display Pane
l:PDP)において多階調表示(いわゆるフルカラー
表示)を行う場合の駆動方法および装置に関する。
【0002】上記のAC型PDPは、2本の維持放電電
極に、交互に電圧波形を印加することで放電を持続し、
発光表示を行うものである。1度の放電は、パルス印加
後、数μsで終了する。放電によって発生した正電荷で
あるイオンは、負の電圧が印加されている電極上の絶縁
層に蓄積され、同様に負電荷である電子は、正の電圧が
印加されている電極上の絶縁層に蓄積される。
【0003】従って、初めに高い電圧(書き込み電圧)
のパルス(書き込みパルス)で放電させて壁電荷を生成
した後、極性の異なる前回よりも低い電圧(維持放電電
圧)のパルス(維持放電パルス)を印加すると、前に蓄
積された壁電荷が重複され、放電空間に対する電圧は大
きなものとなり、放電電圧のしきい値を越えて放電を開
始する。つまり、一度書き込み放電を行い壁電荷を生成
したセルは、その後、維持放電パルスを交互に逆極性で
印加することで、放電を持続するという特徴がある。こ
れをメモリ効果、またはメモリ駆動と呼んでいる。AC
型PDPは、このメモリ効果を利用して表示を実現する
ものである。
【0004】
【従来の技術】AC型PDPには、2本の電極で選択放
電(アドレス放電)および維持放電を行う2電極型と、
第3の電極を利用してアドレス放電を行う3電極型があ
る。多階調表示を行うカラーPDPでは、放電により発
生する紫外線によってセル内の蛍光体を励起している
が、この蛍光体は、放電により同時に発生する正電荷で
あるイオンの衝撃に非常に弱いという欠点がある。上記
の2電極型では、蛍光体がイオンに直接当たるような構
成になっているため、蛍光体の寿命低下を招くおそれが
ある。これを回避するために、カラーPDPでは、面放
電を利用した3電極型が一般に使用されている。
【0005】上記の3電極・面放電型のPDPとして、
従来は、図39にその概略的平面図を示すようなものが
知られている。図39において、1はパネル本体、2は
X電極、31 ,32 ,…,3K ,…,31000はY電極、
1 ,42 ,…,4K ,…,4M はアドレス電極であ
り、一対のX電極、Y電極と1本のアドレス電極との交
差部分にM×1000個のセル5が構成されている。な
お、6はセル5を仕切る壁、71 ,72 ,…,7K
…,71000は表示ラインである。
【0006】また、図40は、図39のセル5の基本構
造を示す概略的断端面図であり、図中、8は前面ガラス
基板、9は背面ガラス基板、10はX電極2およびY電
極3 K (Kは、1……1000の中の任意の数)を被覆
する誘電体層、11はMgO膜等からなる保護膜、12
は蛍光体、13は放電空間である。また、図41は、図
39に示す従来のPDPおよびその周辺回路を示す図で
あり、図中、14はX電極2に書込みパルスおよび維持
放電パルスを供給するX側ドライバ回路、151 〜15
4 はY電極31 〜31000にアドレスパルスを供給するY
側ドライバIC、16はY電極31 〜31000にアドレス
パルス以外のパルスを供給するY側ドライバ回路、17
1 〜175 はアドレス電極41 〜4M (図40の4K
含む)にアドレスパルスを供給するアドレスドライバI
C、18はX側ドライバ回路14、Y側ドライバIC1
1 〜154 、Y側ドライバ回路16およびアドレスド
ライバIC171 〜175 を制御する制御回路である。
【0007】また、図42は、図39に示す従来のPD
Pを駆動する従来の方法の第1の例を示す波形図であ
り、いわゆる従来の「線順次駆動・自己消去アドレス方
式」における1駆動サイクルを示している。この例で
は、まず、この1駆動サイクルにおいて表示データを書
き込むべき表示ラインとして選択された表示ライン(以
下、選択ラインという)のY電極がGNDレベルとさ
れ、選択ライン以外の表示ライン(以下、非選択ライン
という)のY電極の電位はVsレベルに保持され、X電
極2に電圧Vwからなる書込みパルス19が印加され、
選択ラインの全セルで放電が行われる。この場合、選択
ラインのX電極・Y電極間の電圧差はVwとなり、非選
択ラインのX電極・Y電極間の電圧差はVw−Vsとな
る。したがって、Vw>Vf(放電開始電圧)>Vw−
Vsと設定することで選択ラインの全セルで放電を起こ
させることができる。
【0008】ここに、放電が進むにつれて、選択ライン
のX電極2上の保護膜11、例えばMgO膜には負の壁
電荷が蓄積され、選択ラインのY電極上のMgO膜には
正の壁電荷が蓄積されるが、これら壁電荷は、放電空間
内の電界を低減させる極性であることから、この放電
は、直ちに収束に向かい、1μS程度で終結する。次
に、X電極2と、選択ラインのY電極とに交互に維持放
電パルス20,21が印加され、蓄積された壁電荷が電
極に印加された電圧に上乗せされ、後述するように、点
灯(発光)させないセルを除き、維持放電が繰り返され
る。
【0009】ここに、点灯させないセルに対しては、最
初に維持放電パルス20aがX電極2に印加され、選択
ラインのX電極2上のMgO膜に正の壁電荷が蓄積さ
れ、選択ラインのY電極上のMgO膜に負の壁電荷が蓄
積された後、選択ラインのY電極に最初に印加される維
持放電パルス21aに同期させて、点灯させないセルに
対応するアドレス電極に正電圧Vaのアドレスパルス
(消去パルス)22が選択的に印加される。
【0010】この場合、選択ラインの全セルに維持放電
が起こるが、特に、アドレス電極に正のアドレスパルス
22を印加されたセルにおいては、アドレス電極とY電
極との間の放電を併発し、Y電極上のMgO膜に正の壁
電荷が過剰に蓄積される。ここに、生成された壁電荷自
身で放電開始電圧を越えるような値に電圧Vaを設定し
ておくと、外部電圧を取り除いた時、すなわち、X電極
およびY電極をVsレベル、アドレス電極をGNDレベ
ルとした時、壁電荷自身の電圧による放電が起こり、こ
れが自己消去放電となり、壁電荷を消滅させる。したが
って、以後、維持放電パルス20,21では維持放電が
起こらない。
【0011】なお、点灯させるセルに対しては、対応す
るアドレス電極に消去パルス(アドレスパルス)22を
印加しないため、自己消去放電が起こらない。このた
め、その後に印加される維持放電パルス20,21によ
り維持放電を繰り返す。なお、23は非選択ラインのY
電極に印加される維持放電パルスである。このようにし
て、選択ラインにおける表示データの書込みが1駆動サ
イクルにおいて行われるが、この例では、かかる書込み
が一表示ラインごとに行われる。図43は、この様子を
示すタイムチャートである。図中、「W」は書込みの駆
動サイクル、「S」は維持放電のみの駆動サイクル、
「s」は前フレーム(フィールド)の維持放電のみの駆
動サイクルである。
【0012】また、図44は、図26に示す従来のPD
Pを駆動する従来の方法の第2の例を示す波形図であ
り、いわゆる従来の「アドレス/維持放電分離型・自己
消去アドレス方式」における1フレーム期間を示してい
る。この例では、1フレームは、全面書込み期間、アド
レス期間および維持放電期間に区分されているが、全面
書込み期間においては、まず、Y電極31 〜31000がG
NDレベルとされ、X電極2に電圧Vwからなる書込み
パルス24が印加され、全表示ラインの全セルで放電が
行われる。続いて、Y電極31 〜31000の電位が電圧V
sに戻されると共に、X電極2に維持放電パルス25が
印加され、全セルで維持放電が行われる。
【0013】次に、アドレス期間になると、表示ライン
1 から順に書込みが行われるが、これは次のようにし
て行われる。まず、Y電極31 にGNDレベルのアドレ
スパルス261 が印加されると共に、アドレス電極41
〜4M 中、維持放電を行わせないセル、すなわち、点灯
させないセルに対応するアドレス電極に電圧Vaのアド
レスパルス27が選択的に印加され、点灯させないセル
の自己消去放電が行われる。これにより、表示ライン7
1 の書込みが終了する。
【0014】以下、表示ライン72 〜71000について
も、順に同様の動作が行われ、全表示ライン71 〜7
1000において新データの書込みが行われる。なお、26
2 ,26 3 ,……,261000は、Y電極32 ,33 ,…
…,31000に順に印加されるアドレスパルスである。そ
の後、維持放電期間になると、Y電極31 〜31000と、
X電極2とに交互に維持放電パルス28,29が印加さ
れて維持放電が行われ、1フレームの画像表示が行われ
る。なお、かかる「アドレス/維持放電分離型・自己消
去アドレス方式」においては、この維持放電期間の長短
により輝度が決定される。
【0015】そこで、この「アドレス/維持放電分離型
・自己消去アドレス方式」は、スキャンラインが多い場
合やフルカラー表示のために多階調表示を行う場合に利
用されており、例えば、特開平4−195188号公報
に開示されている。さらに具体的には、多階調表示の一
例として16階調表示を行う場合の駆動方法を図45に
示すこととする。この例では、1フレームは、4個のサ
ブフレーム(サブフィールド)SF1,SF2,SF
3,SF4に区分される。
【0016】そして、これらサブフレームSF1,SF
2,SF3,SF4においては、全面書込み期間Tw
1 , Tw2 , Tw3 , Tw4 およびアドレス期間Ta
1 , Ta 2 , Ta3 , Ta4 は、それぞれ、同一の長さ
とされ、維持放電(発光)期間Td1 , Td2 , Td
3 , Td4 は、1:2:4:8の長さとされる。したが
って、セルを点灯させるべきサブフレームを選択、組み
合わせることによって16階調表示を行うことができ
る。
【0017】また、図46は、図39に示す従来のPD
Pを駆動する従来の方法の第3の例を示す波形図であ
り、いわゆる従来の「線順次駆動・選択書込みアドレス
方式」における1駆動サイクルを示している。この方法
では、まず、選択ラインのY電極に細幅消去パルス30
が印加され、点灯していたセルの点灯が消去され、その
後、選択ラインのY電極にGNDレベルのアドレスパル
ス(書込みパルス)31が印加され、非選択ラインのY
電極の電位はVsレベルに保持され、点灯を行うべきセ
ルに対応するアドレス電極に電位Vaのアドレスパルス
(書込みパルス)32が印加され、選択されたセルの放
電が行われる。なお、選択書き込みアドレス方式では、
X電極およびY電極に負電源(−Vs)を使用すること
が一般的である。よって、図46中のXおよびY電極の
電位をGNDまたは−Vsに設定することとする。
【0018】次に、X電極と、選択されたY電極とに交
互に維持放電パルス33,34が印加され、これにより
維持放電を繰り返して、表示の書込みが行われる。な
お、35は非選択ラインのY電極に印加される維持放電
パルスである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】第1の問題点 図42の駆動方法(線順次駆動・自己消去アドレス方
式)および図44の駆動方法(アドレス/維持放電分離
型・自己消去アドレス方式)においては、表示データの
書込みを自己消去放電により行うようにしているが、自
己消去放電は、まず、対象となるセルのX電極とY電極
の近傍部で発生し、徐々に外側に移行、拡大していく。
このとき、放電開始電圧の高いセルでは、壁電荷蓄積が
相対的に不十分となり、十分な自己消去放電が行われ
ず、消去ミスによる表示の書込みミスが発生してしまう
場合があるという問題点があった。
【0020】第2の問題点 図46の駆動方法(線順次駆動・選択書込みアドレス方
式)においては、細幅消去パルス30による消去放電で
壁電荷を中和させた直後のセルと、前の画面では点灯し
ていなかったセルとでは、セル内の壁電荷の残留量が異
なる場合がある。
【0021】すなわち、細幅消去パルス30を使用した
消去放電による壁電荷の中和は、セル内の壁電荷を全て
消してしまうのではなく、残った壁電荷と維持放電パル
スの和が放電開始電圧を越えなければ、消去として成り
立つ。このため、壁電荷をある程度、セル内に残して消
去とする場合もあることから、細幅消去パルス30によ
る消去放電で壁電荷を中和させた直後のセルと、前の画
面では点灯していなかったセルとでは、セル内の壁電荷
の残留量が異なる場合がある。
【0022】また、隣接するセルが放電を持続させてい
た場合、放電によって生じる空間電荷が飛来し、消去し
ているセルの残留壁電荷と再結合し、壁電荷がゼロに近
い状態を生み出すことも考えられる。この場合には、細
幅消去パルス30の印加直後の残留壁電荷とは異なり、
放電を開始する場合には、十分な書込み電圧(Vw>V
f、Vw=Va+Vs)を印加しなければならない。こ
れに対して、細幅消去パルス30の印加直後の残留壁電
荷がある状態で書込みを行う場合、その壁電荷が重複さ
れる極性でパルスを印加したときは、前者より低い電圧
(Vw=Vf、Vw>Vf)で放電が起こることもあ
る。
【0023】このように、従来のPDP駆動方式では、
セルによる書込み電圧のばらつきが発生し、同一電圧で
正しく書けるセルと書けないセルとが存在し、書込みミ
スが発生してしまうおそれが生ずる。第3の問題点 PDPのような平行型表示パネルは大部分がディジタル
制御であるため、ディジタル方式での輝度の制御が可能
であることが望ましい。ところが、前述のアドレス期間
と維持放電期間を分離した多階調表示制御方式により輝
度調整を行う場合、30kHz前後が最大の維持放電周
波数であるとしたときに、例えば256階調での各サブ
フレームの維持放電のサイクル数は、1サイクルで2回
の放電が必ず行われるので、それぞれ2回、4回、8
回、16回、32回、64回、128回、256回とな
る。つまり、維持放電のサイクル数の合計は510回で
あり、1フレームを60Hzとした場合、維持放電の最
大周波数は30.6kHzとなる。このようなサブフレ
ームの維持放電回数では、最小(LSB)サブフレーム
の維持放電のサイクル数は2回であるため、輝度調整は
最大とその1/2の2段階でしか行うことができず、細
かい輝度調整を実現するには極めて不都合である。すな
わち、PDP駆動方式で、CRTにより近いディスプレ
イを実現するためには、輝度調整をリニアに、あるいは
多段的に行える機能を備えることが不可欠であり、ここ
に機能面での大きな問題点がある。
【0024】また、フルカラーの表示データはアナログ
信号であることが多いため、PDPのようなディジタル
制御に基づくディスプレイでは、アナログ信号をディジ
タル信号に変換して処理する。この場合、そのアナログ
信号を0〜100%の範囲で増幅することで、輝度調整
が可能である。しかしアナログ信号の処理は、元の信号
の質を損なうおそれがあるので、極力避けたい。
【0025】さらに、このような手法による輝度調整で
は、維持放電サイクルの数は、輝度調整を行った場合で
も常に一定であるため、実際には放電を行わない不要な
維持放電パルスが多く印加されることになり、無効電力
の削減が不可能となる。また、実際に維持放電を行うパ
ルスの回数が減るが、一方、全面書込みの回数は一定で
ある。その結果、全面点灯の輝度比が上がり、低輝度表
示を行った場合、コントラストの低下を招くといった不
都合がある。
【0026】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、自己消去放電の不足による書込みミスを回避
し、良好な画像表示を行うことができるようにしたPD
P等の表示パネルの駆動方法および装置を提供すること
を第1の目的とするものである。また、本発明は、上記
の書込みミスを回避し、良好な画像表示を行うことが可
能な新規の3電極・面放電型のAC型PDPを利用した
表示パネルの駆動方法および装置を提供することを第2
の目的とするものである。
【0027】さらにまた、本発明は、多階調表示に好都
合な3電極・面放電型のAC型PDP駆動により多段階
の輝度調整を行う場合、無効電力を低減すると共に、コ
ントラストの低下防止を実現することが可能な表示パネ
ルの駆動方法および装置を提供することを第3の目的と
するものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の基板に
第1の電極(例えば、X電極)および第2の電極(例え
ば、Y電極)を表示ラインごとに平行に配置すると共
に、第1の基板と対向する第2の基板に第3の電極(例
えば、アドレス電極)を第1および第2の電極と直交す
るように配置し、かつ、上記第1および第2の電極の一
方と前記第3の電極により選択された少なくとも1つの
表示ラインのセルに対しメモリ機能を利用した書込み放
電ならびに該書込み放電を維持するための維持放電によ
る発光表示を行い表示データの書込みを実行する表示パ
ネルの駆動方法および装置に関するものである。
【0029】好ましくは、本発明の表示パネルは、各セ
ルのメモリ機能が書込み放電により蓄積される壁電荷に
よって実現される交流型のPDPから構成される。本発
明の表示パネルの駆動方法は、前記のセル選択による書
込み放電を行う前に、第1および第2の電極の一方と上
記第3の電極により選択された少なくとも1つの表示ラ
インの全セルで上記第1および第2の電極を利用した全
セル書込み放電を行うステップと、前記の選択された少
なくとも1つの表示ラインの全セルで前記第1および第
2の電極を利用した全セル消去放電を行うステップとを
備えている。
【0030】さらに好ましくは、本発明の表示パネルの
駆動方法は、上記の選択された1つの表示ラインごとに
順に表示データの書込みを行う場合、上記の選択された
表示ラインの全セルで上記第1および第2の電極を利用
した全セル書込み放電を行わせた後、維持放電を行わせ
又は行わさせず、上記の選択された表示ラインの第2の
電極又は上記第1の電極に消去パルスを印加することに
よって上記の選択された表示ラインの全セルで全セル消
去放電を行わせ、次に、発光させるべきセルにつき第2
および第3の電極を利用した書込み放電を行わせて表示
データの書込みを行うようにしている。
【0031】さらに好ましくは、本発明の表示パネルの
駆動方法は、上記の選択された複数の表示ラインごとに
順に表示データの書込みを行う場合、上記の選択された
複数の表示ラインの全セルで上記第1および第2の電極
を利用した全セル書込み放電を行わせた後、維持放電を
行わさせ又は行わさせず、上記の選択された複数の表示
ラインの第2の電極又は上記第1の電極に消去パルスを
印加することによって上記の選択された表示ラインの全
セルで全セル消去放電を行わせ、次に、発光させるべき
セルにつき第2および第3の電極を利用した書込み放電
を行わせて表示データの書込みを行うようにしている。
【0032】さらに好ましくは、本発明の表示パネルの
駆動方法は、全表示ラインの全セルで第1および第2の
電極を利用した全セル書込み放電を行わせた後、維持放
電を行わせ又は行わさせず、全表示ラインの第2の電極
又は上記第1の電極に消去パルスを印加することによっ
て全表示ラインの全セルで全セル消去放電を行わせ、次
に、選択された1つの表示ラインごとに、順次、発光さ
せるべきセルで第2および第3の電極を利用した書込み
放電を行わせて表示データの書込みを行い、全表示ライ
ンにつき表示データの書込みが終了した後、全表示ライ
ンの発光させるべきセルで第1および第2の電極を利用
した維持放電を行うようにしている。
【0033】さらに好ましくは、本発明の表示パネルの
駆動方法は、全表示ラインの全セルで第1および第2の
電極を利用した全セル書込み放電を行わせた後、維持放
電を行わせ又は行わさせず、全表示ラインの第2の電極
又は第1の電極に消去パルスを印加することによって全
表示ラインの全セルで全セル消去放電を行わせ、次に、
選択された1つの表示ラインごとに、順次、発光させる
べきセルで第2および第3の電極を利用した書込み放電
を行わせて表示データの書込みを行うと共に、その後、
直ちに、第1の電極に維持放電パルスを印加することに
より壁電荷安定のための維持放電を行わせ、全表示ライ
ンにつき表示データの書込みが終了した後、全表示ライ
ンの発光させるべきセルで第1および第2の電極を利用
した維持放電を行うようにしている。
【0034】さらに好ましくは、本発明の表示パネルの
駆動方法は、第1の電極が、表示ラインを複数のブロッ
クにブロック化してなる各ブロックごとに共通接続さ
れ、かつ、第2の電極が、上記表示ラインごとに独立し
てなるプラズマ・ディスプレイ・パネル等から構成され
る表示パネルにおいて、全表示ラインの全セルで第1お
よび第2の電極を利用した全セル書込み放電を行わせた
後、維持放電を行わせ又は行わさせず、全表示ラインの
第2の電極又は第1の電極に消去パルスを印加すること
によって全表示ラインの全セルで全セル消去放電を行わ
せ、次に、選択された1つの表示ラインごとに、順次、
発光させるべきセルで第2および第3の電極を利用した
書込み放電を行わせて表示データの書込みを行うと共
に、その後、直ちに、発光させるべきセルが含まれるブ
ロックの第1の電極に維持放電パルスを印加することに
より壁電荷安定のための維持放電を行わせ、全表示ライ
ンにつき表示データの書込みが終了した後、全表示ライ
ンの発光させるべきセルで第1および第2の電極を利用
した維持放電を行うようにしている。
【0035】さらに好ましくは、本発明の表示パネルの
駆動方法では、ライン周期で順次に選択駆動される複数
の第2の電極のうちの相隣る2本の電極間に、単一のド
ライバ回路で駆動される第1の電極を配置して構成する
プラズマ・ディスプレイ・パネル等からなる表示パネル
において、非選択表示ラインの第2の電極に印加する電
圧を、維持放電パルスの電位よりも低くするか、もしく
はアドレス電圧と同等にしている。
【0036】さらに好ましくは、本発明の表示パネルの
駆動方法は、上記の全セル書込み放電を行なわせる直前
に、第1および第2の電極を利用した消去放電を行うよ
うにしている。さらに好ましくは、本発明の表示パネル
の駆動方法は、上記の全セル書込み放電を行った直後
に、消去放電とならない程度の細幅パルスを印加して維
持放電を行うようにしている。
【0037】また一方で、本発明の表示パネルの駆動装
置は、第1の電極、第2の電極および第3の電極に対し
表示データの書込みを実行するための複数種の駆動電圧
パルスを供給する駆動手段と、これらの複数種の駆動電
圧パルスを供給する順序を制御する制御手段とを備え、
この制御手段は、上記駆動手段により、上記のセル選択
による書込み放電を行う前に、上記の選択された少なく
とも1つの表示ラインの全セルで上記第1および第2の
電極を利用した全セル書込み放電を行うための書込みパ
ルスを印加し、かつ、上記の選択された少なくとも1つ
の表示ラインの全セルで上記第1および第2の電極を利
用した全セル消去放電を行うための消去パルスを印加す
るように構成される。
【0038】さらに好ましくは、本発明の表示パネルの
駆動装置は、上記の選択された1つの表示ラインごとに
順に表示データの書込みを行う場合、上記制御手段が、
上記駆動手段により、上記の選択された表示ラインの全
セルで第1および第2の電極を利用した全セル書込み放
電を行うための書込みパルスを印加すると共に、維持放
電を行うための維持パルスを選択的に印加し、かつ、上
記の選択された表示ラインの第2の電極又は上記第1の
電極に全セル消去放電を行うための消去パルスを印加す
ると共に、発光させるべきセルにつき第2および第3の
電極を利用した書込み放電を行わせて表示データの書込
みを実行するための書込みパルスを印加するように構成
される。
【0039】さらに好ましくは、本発明の表示パネルの
駆動装置は、上記の選択された複数の表示ラインごとに
順に表示データの書込みを行う場合、上記制御手段が、
上記駆動手段により、上記の選択された複数の表示ライ
ンの全セルで第1および第2の電極を利用した全セル書
込み放電を行うための書込みパルスを印加すると共に、
上記維持放電を行うための維持パルスを選択的に印加
し、かつ、上記の選択された表示ラインの第2の電極又
は上記第1の電極に全セル消去放電を行うための消去パ
ルスを印加すると共に、発光させるべきセルにつき第2
および第3の電極を利用した書込み放電を行わせるよう
に構成される。
【0040】さらに好ましくは、本発明の表示パネルに
おいては、第3の電極と、第1および第2の電極との間
に形成される放電空間から上記第3の電極を隔離するた
めの絶縁層を設け、該絶縁層上に上記壁電荷が蓄積され
るようにしている。さらに好ましくは、本発明のPDP
等の表示パネルの駆動方法は、上記表示パネルで1画面
を形成する1フレームがそれぞれ輝度の異なる複数のサ
ブフレームを有し、各サブフレームが、上記表示データ
の書換えを行うアドレス期間とこの書き換えられた表示
データに基づく発光表示を繰り返し行う維持放電期間と
を有し、これらのアドレス期間および維持放電期間をセ
ル群の全てに亘り時間的に分離して表示パネルを駆動
し、それによって階調表示を行う場合の全画面に対する
輝度調整を行うケースに適用される。この場合、上記各
サブフレームにおける維持放電の回数をそれぞれ同じ比
率で増減し、それによって全画面に亘る輝度を制御する
ようにしている。
【0041】さらに好ましくは、本発明の駆動方法によ
り階調表示のための駆動を行う際に、輝度の重みが最大
のサブフレームにおける維持放電の回数を決定し、該決
定した回数に基づいて次に輝度の重みが大きいサブフレ
ームにおける維持放電の回数を決定し、以降同様にし
て、輝度の重みの大きさが1ランク上のサブフレームに
おける維持放電の回数に基づいて当該サブフレームにお
ける維持放電の回数を決定するようにしている。
【0042】さらに好ましくは、本発明の駆動方法によ
り階調表示のための駆動を行う際に、当該サブフレーム
における維持放電の回数を、輝度の重みの大きさが1ラ
ンク上のサブフレームにおける維持放電の回数の1/2
に設定している。さらに好ましくは、本発明の駆動方法
により維持放電の回数を決定する際に上記1/2に設定
することで端数が出た場合にはこの端数の切り捨てまた
は切り上げのいずれかを行うようにしている。
【0043】さらに、本発明のPDP等の表示パネルの
駆動装置において、この表示パネルで1画面を形成する
1フレームがそれぞれ輝度の異なる複数のサブフレーム
を有し、各サブフレームが表示データの書換えを行うア
ドレス期間とその書き換えられた表示データに基づく発
光表示を繰り返し行う維持放電期間を有し、該アドレス
期間および維持放電期間をセル群の全てに亘り時間的に
分離して上記表示パネルを駆動し、それによって階調表
示を行う場合の全画面に対する輝度調整を行うようにし
た場合、輝度の重みが最大のサブフレームにおける維持
放電の回数を決定する第1の手段と、この決定された回
数に基づいて次に輝度の重みが大きいサブフレームにお
ける維持放電の回数を決定する第2の手段とが設けられ
ている。
【0044】さらに好ましくは、上記第1および第2の
手段を用いて輝度調整を行う場合に、サブフレームの維
持放電の回数が0となったときは、当該サブフレームに
おいて行われるべき動作を中止する手段を更に具備して
いる。さらに好ましくは、本発明の駆動装置において輝
度調整を行う場合、当該サブフレームの次のサブフレー
ムにおける維持放電の回数を決定するデータを保持する
手段と、当該サブフレームにおける維持放電の回数をカ
ウントする手段と、このカウントされた値を上記の保持
されたデータと比較する手段と、この比較に基づいて両
者が一致した時に次のサブフレームへの移行を指令する
手段とを更に具備している。
【0045】さらに好ましくは、本発明の駆動装置にお
いて輝度調整を行う場合、上記第1の手段は、輝度の重
みが最大のサブフレームにおける維持放電の回数を任意
に設定可能な手段を有している。
【0046】
【作用】本発明の表示パネル駆動の特徴をよりわかりや
すくするために、図1の駆動モデルにより本発明の動作
原理を説明する。なお、ここでは、AC型PDPを代表
例として説明することとする。また、本発明との比較を
行うために、従来の2電極型PDPの駆動モデルと駆動
波形を図2に示し、従来の3電極・自己消去アドレス型
PDPの駆動モデルと駆動波形を図3に示し、従来の3
電極・選択書込みアドレス型PDPの駆動モデルと駆動
波形を図4に示す。
【0047】図1においては、第1の基板(図1では省
略)に第1の電極(図1ではX電極2)および第2の電
極(図1ではY電極3k )を表示ラインごとに平行に配
置すると共に、第1の基板と対向する第2の基板(図1
では省略)に第3の電極(図1ではアドレス電極4k
を第1および第2の電極と直交するように配置してい
る。さらに、上記第1および第2の電極と前記第3の電
極との間に形成される各セルの放電空間で、メモリ機能
を利用した書込み放電による発光表示が行われる。さら
に、この書込み放電により放電空間に発生する電荷を壁
電荷として電極側に蓄積するために、この放電空間から
アドレス電極4k を隔離するための絶縁層(図1では、
蛍光体12または誘電体層)が設けられ、かつ、上記放
電空間からX電極2およびY電極3k を隔離するための
絶縁層(図1では、保護膜11または誘電体層)が設け
られている。
【0048】ここで、Y電極3k およびアドレス電極4
k によりセルを選択して書込み放電を行う場合、まず第
1段階として、電圧Vwからなる書込みパルスをX電極
2に印加してアース電位(GND電位に相当する:0
V)のY電極3k との間で書込み放電を行わせる。すな
わち、選択された表示ラインの全セルに対し全セル書込
み放電が実行され、アドレス電極4K 側に正電荷(イオ
ン)が蓄積される。第2段階として、電圧Vs(Vs<
Vw)からなる維持放電パルスをY電極3k に印加し、
選択された表示ラインの全セルに対し全セル維持放電を
行わせる。第3段階として、電圧Vs(またはVs以
下)からなる消去パルスをX電極2に印加し、選択され
た表示ラインの全セルに対し全セル消去放電を行わせ
る。すなわち、維持放電パルスを印加しても放電が起こ
らない程度の電位差になるまで維持放電電極側(Y電極
側およびX電極側の放電面)の壁電荷を減少させる。こ
の段階で、Y電極側に負の壁電荷(電子)を残すことが
できれば、次段階の選択書込み放電に有効に作用する。
第4段階として、アドレス電極側の壁電荷を利用して電
圧Vaからなるアドレスパルスをアドレス電極4k に印
加し、セルの選択書込み放電(アドレス放電)を行う。
【0049】すなわち、本発明の駆動方法の特徴は、選
択書込み放電が行われる前までに、選択書込み放電に有
効に作用する壁電荷を、アドレス電極側(蛍光体12ま
たは誘電体層)に蓄積することにある。また、選択書込
み放電に関与する維持放電電極側にも、アドレス電極側
と逆極性の電荷を蓄積させれば、選択書込み放電に対し
さらに有効となる。この壁電荷蓄積動作を実現するため
の手段として、上記の全セル書込み放電および全セル消
去放電の2つのステップが少なくとも必要となる。
【0050】これに対し、図2に示す従来の2電極型P
DP(例えば、ネオンオレンジのモノクロPDP)の駆
動方法においては、まず第1段階として、全セル書込み
放電を行わせ、次に第2段階として、全セル維持放電を
行わせる。さらに、第3段階として、選択セルに対し細
幅消去パルスを印加して選択消去放電を行う。非選択セ
ル(点灯セル)は、X電極に電圧Vsのキャンセルパル
スを挿入して消去放電を防止する。ここでは、第1段階
の点灯状態で発生する電子やイオンが、放電終了後も残
留空間電荷として比較的長時間残ることを利用してい
る。しかしながら、この場合は、本発明と異なり、選択
消去放電(選択書込み放電)を行う前に、壁電荷を蓄積
する動作は一切なされていない。
【0051】さらに、図3に示す従来の3電極・自己消
去アドレス型PDPの駆動方法においては、まず第1段
階として、全セル書込み放電を行わせ、次に第2段階と
して、全セル維持放電を行わせる。さらに、第3段階と
して、X電極およびY電極間で維持放電を行わせると同
時に、アドレス電極およびY電極間で選択書込み放電を
行わせる。この選択書込み放電により大量の壁電荷が生
成される。さらに、第4段階として、X電極およびY電
極間の電位差を0にすると、壁電荷のみの電圧で放電を
開始する。この場合は、、X電極およびY電極間の電位
差がないので、放電により発生した空間電荷は、壁電荷
とならずに中和して消滅する。ここに選択消去放電(自
己消去放電)が完了する。ここでも、選択消去放電を行
う前に、壁電荷をアドレス電極側に蓄積する動作は一切
なされていない。
【0052】さらに、図4に示す従来の3電極・選択書
込みアドレス型PDPの駆動方法においては、まず第1
段階として、選択された表示ラインの全セルに対し全セ
ル消去放電を行わせ、壁電荷を確実に消去させる。次
に、第2段階として、アドレス電極側にアドレスパルス
を印加し、セルの選択書込み放電(アドレス放電)を行
う。ここでも、選択書込み放電を行う前に、壁電荷をア
ドレス電極側に蓄積する動作は一切なされていない。
【0053】このように、いずれの従来技術において
も、全セル書込み放電および全セル消去放電を行わせる
ことによって選択書込み放電に有効な電荷を前もって蓄
積するという本発明の特徴は利用されていない。さらに
詳しくいえば、本発明では、表示データの書込みを行う
前に、選択された1つの表示ラインの全セルに対する書
込みを行った後、選択された1つの表示ラインの全セル
で消去放電を行わせるようにしているので、選択された
1つの表示ラインの全セルの状態の均一化を図ることが
でき、線順次駆動方法において、書込みミスを回避する
ことができる。
【0054】さらに詳しくいえば、本発明では、表示デ
ータの書込みを行う前に、選択された複数の表示ライン
の全セルに対する書込みを行った後、選択された複数の
表示ラインの全セルで消去放電を行うようにしているの
で、選択された複数の表示ラインの全セルの状態の均一
化を図ることができ、多重線順次駆動方法において、書
込みミスを回避することができる。
【0055】さらに詳しくいえば、本発明では、表示デ
ータの書込みを行う前に、全表示ラインの全セルに対す
る書込みを行った後、全表示ラインの全セルで消去放電
を行うようにしているので、全表示ラインの全セルの状
態の均一化を図ることができ、特にアドレス/維持放電
分離駆動方式において、書込みミスを回避することがで
きる。
【0056】さらに詳しくいえば、本発明では、表示デ
ータの書込みを行う前に、全表示ラインの全セルに対す
る書込みを行った後、全表示ラインの全セルで消去放電
を行うようにしているので、全表示ラインの全セルの状
態の均一化を図ることができ、アドレス/維持放電分離
駆動方式において、書込みミスを回避することができる
と共に、選択された1つの表示ラインごとに、順次、点
灯させるべきセルでY電極およびアドレス電極を利用し
た書込み放電を行わせて表示データの書込みを行った
後、直ちにX電極に維持放電パルスを印加することによ
り壁電荷安定のための維持放電を行わせるようにしてい
るので、維持放電期間に至るまで、壁電荷の安定化を図
ることができる。
【0057】さらに具体的にいえば、本発明では、X電
極は、表示ラインを複数のブロックにブロック化してな
る各ブロックごとに共通接続されているので、例えば、
書込みミスを回避することができると共に、維持放電期
間に至るまで、壁電荷の安定化を図ることができ、しか
も、アドレス期間における壁電荷安定のための維持放電
パルスによる消費電力の低減化を図ることができる。
【0058】すなわち、この場合は、表示データの書込
みを行うアドレス期間時、表示データの書込みを行う表
示ラインを含むブロックのX電極にのみ、壁電荷の安定
化を図るための維持放電パルスを印加し、書込みを行う
表示ラインを含まないブロックのX電極には、壁電荷の
安定化を図るための維持放電パルスを印加しないで済
む。
【0059】さらに具体的にいえば、本発明では、非選
択ラインのY電極に印加する電圧が低電位に設定され、
X−Y−Y−X配列における隣接Y電極間異常放電が回
避される。ここで、異常放電について詳説する。本出願
人は先に、Y電極とX電極の配列を工夫して、両電極間
の寄生容量に起因する無効電力を抑制するようにした
「表示装置」(特願平4−3234号平成4年1月10
日出願)を提案している。
【0060】これは、図47に示すように、アドレス電
極A1 ,A2 ,……,AM と直交するX電極の間に、2
本のY電極(例えば、Y1 とY2 、Y3 とY4 ,……,
N- 1 とYN )を挟み込むようにしたもので、X−Y−
Y−X配列としたものである。これによれば、一般的な
X,Y電極配列(X−Y−X−Y配列)に比べてX電極
とY電極の対向距離を半減でき、寄生容量を抑制して無
効電力を少なくすることができるが、駆動方法によって
は、以下に述べるような不都合を生じることがある。図
48において、破線で囲んだ範囲は、X−Y−Y−X配
列の1単位に含まれる2つの放電セルの断面を模式的に
表したものである。今、同図の(a)に示すように、ア
ドレス電極にGND(0V)を、また、X−Y−Y−X
電極にVsを与えた後で、同図の(b)に示すように、
アドレス電極にVaを、また、選択ラインのY電極(Y
1 )にGND(選択パルス)を与えると、Y1 のセル内
で放電が発生して正の壁電荷が形成される。この状態
で、図49の(a)に示すように、隣のY電極(Y2
にGND(選択パルス)を与えると、同図の(b)に示
すように、既に書込み放電を行って壁電荷を形成したY
電極(Y1 )のセルとY電極(Y2 )のセル間で異常放
電が発生し、その結果、Y電極(Y1 )のセルに負の壁
電荷が過剰に蓄積されて、以降の維持放電が行えなくな
るといった不都合を生じる。なお、以上の説明は書込み
アドレス型PDPの場合であるが、消去アドレス型PD
Pの場合でも同様である。
【0061】すなわち、図50の(a)に示すように、
アドレス電極とX電極にGNDを与え、また、Y電極に
Vsを与えた後で、同図の(b)に示すように、アドレ
ス電極にVaを、また、選択ラインのY電極(Y1 )に
GND(選択パルス)を与えると、Y電極(Y1 )のセ
ル内で放電が発生して正の壁電荷が形成される。この状
態で、図51の(a)に示すように、隣のY電極
(Y2 )にGND(選択パルス)を与えると、同図の
(b)に示すように、既に書込み放電を行って壁電荷を
形成したY電極(Y1 )のセルとY電極(Y2 )のセル
間で異常放電が発生する。この結果、Y電極(Y1 )の
セルは維持放電が可能な状態となるが、Y電極(Y2
のセルは維持放電が不可能な状態(消去状態)となって
しまう。
【0062】かかるX−Y−Y−X配列における異常放
電は、非選択ラインのY電極に印加する電圧を低電位、
例えば、維持放電パルスの電位よりも低くするか若しく
はアドレス電圧と同等とすることにより回避できる。隣
接Y電極間の放電空間に加えられる実効電圧を放電開始
電圧以下に抑えることができるからである。また一方
で、本発明の駆動方法により階調表示のための駆動を行
う際に、輝度の重みが最大のサブフレームにおける維持
放電の回数を決定し、この決定した回数に基づいて次に
輝度の重みが大きいサブフレームにおける維持放電の回
数を決定し、以降同様にして、輝度の重みの大きさが1
ランク上のサブフレームにおける維持放電の回数に基づ
いて当該サブフレームにおける維持放電の回数を決定す
るようにしている。
【0063】前述の構成によれば、各サブフレームにお
ける維持放電の回数を決定する際にそれぞれ同じ比率で
増減するようにしているので、例えば64〜256階調
表示の装置において、ディジタル制御により、書込みミ
スのない高精度の多段階の輝度調整が可能となり、CR
Tにより近い表示形態を実現することができる。また、
維持放電を行わないサブフレームについて、本来行われ
るべき動作を中止する手段(例えば高圧パルスの印加を
中断する手段)をさらに具備する場合には、無駄な電力
消費を無くすことができ、壁電荷蓄積の効果と相伴って
従来よりもはるかに小さな消費電力での駆動が可能とな
る。さらに、維持放電を行わないサブフレームにおいて
は、全面書込みおよび全面消去も行われないため、背景
の点数回数が削減されるので、コントラストの低下を防
止することができ、低輝度時でも高コントラストの良好
な表示が可能となる。
【0064】
【実施例】以下、図5〜図38を参照して本発明の第1
実施例〜第13実施例について説明する。第1実施例・・図5 図5は本発明の第1実施例を示す波形図であり、1駆動
サイクルを示している。この第1実施例は、図39に示
すPDPを駆動する方法であり、線順次駆動を行う場合
である。
【0065】本実施例では、まず、選択ラインのY電極
がGNDレベルとされ、非選択ラインのY電極の電位は
Vsレベルに保持され、X電極2に電位Vwからなる書
込みパルス36が印加され、選択ラインの全セルの放電
が行われる。続いて、選択ラインのY電極の電位が電圧
Vsに戻されると共に、X電極2に維持放電パルス37
が印加され、維持放電が行われた後、選択ラインのY電
極に細幅消去パルス38が印加され、選択ラインの全セ
ルで消去放電が行われる。
【0066】次に、選択ラインのY電極にGNDレベル
のアドレスパルス(書込みパルス)39が印加され、非
選択ラインのY電極の電位はVsレベルに保持され、点
灯を行うべきセルに対応するアドレス電極に電圧Vaの
アドレスパルス(書込みパルス)40が印加され、点灯
させるべきセルとして選択されたセルの放電が行われ
る。
【0067】次に、X電極2と、選択ラインのY電極と
に交互に維持放電パルス41,42が印加され、これに
より維持放電が繰り返される。このようにして、選択ラ
インに対する表示データの書込みが行われる。なお、4
3は非選択ラインのY電極に印加される維持放電パルス
である。この第1実施例においては、選択ラインに対し
て表示データの書込みを行う前に、選択ラインの全セル
において書込み放電を行った後、選択ラインの全セルに
おいて消去放電を行うようにしているので、選択ライン
の全セルの状態の均一化を図ることができ、線順次駆動
方法において、書込みミスを回避し、良好な画像表示を
行うことができる。
【0068】第2実施例・・図6 図6は本発明の第2実施例を示す波形図であり、1駆動
サイクルを示している。この第2実施例も、第1実施例
と同様に、図26に示すPDPを駆動する方法であり、
線順次駆動を行う場合である。この第2実施例は、選択
ラインのY電極に印加すべき消去パルスとして、太幅消
去パルス(電圧値が小さいパルス)44を印加し、その
他については、第1実施例と同様に駆動するというもの
である。
【0069】この第2実施例においても、選択ラインに
対して表示データの書込みを行う前に、選択ラインの全
セルの状態の均一化を図ることができるので、第1実施
例と同様に、線順次駆動方法において、書込みミスを回
避し、良好な画像表示を行うことができる。第3実施例・・図7 図7は本発明の第3実施例を示す波形図であり、1駆動
サイクルを示している。この第3実施例も、第1実施例
と同様に、図39に示すPDPを駆動する方法であり、
線順次駆動を行う場合である。
【0070】この第3実施例は、図5に示す細幅消去パ
ルス38の代わりに、X電極2に細幅消去パルス45を
印加するというものである。このため、細幅消去パルス
45をX電極2に印加する前に、選択ラインのY電極に
維持放電パルス46を印加し、選択ラインのX電極上の
MgO膜に負の壁電荷を蓄積すると共に、選択ラインの
Y電極上のMgO膜に正の壁電荷を蓄積するようにし、
細幅消去パルス45により消去放電が起こるようにして
いる。その他については、第1実施例と同様に駆動する
ものである。
【0071】この第3実施例においても、選択ラインに
対して表示データの書込みを行う前に、選択ラインの全
セルの状態の均一化を図ることができるので、第1実施
例と同様に、線順次駆動方法において、書込みミスを回
避し、良好な画像表示を行うことができる。第4実施例・・図8,図9 図8は本発明の第4実施例を示す波形図であり、1駆動
サイクルを示している。この第4実施例も、第1実施例
と同様に、図39に示すPDPを駆動する方法である
が、第1実施例と異なり、多重線順次駆動を行う場合で
ある。
【0072】この第4実施例では、2本の表示ライン7
m,7nが選択され、選択ライン7m,7nのY電極が
GNDレベルとされ、非選択ラインのY電極の電位はV
sレベルに保持され、X電極2に電圧Vwからなる書込
みパルス47が印加され、選択ライン7m,7nの全セ
ルで放電が行われる。続いて、選択ライン7m,7nの
Y電極の電位が電圧Vsに戻されると共に、X電極2に
維持放電パルス48が印加され、維持放電が行われた
後、選択ライン7m,7nのY電極に細幅消去パルス4
9,50が印加され、選択ライン7m,7nの全セルで
消去放電が行われる。
【0073】次に、一方の選択ライン7mのY電極にG
NDレベルのアドレスパルス(書込みパルス)51が印
加され、他方の選択ライン7nのY電極および非選択ラ
インのY電極に電位はVsレベルに保持され、点灯を行
うべきセルに配されているアドレス電極に電圧Vaのア
ドレスパルス(書込みパルス)52が印加され、一方の
選択ライン7mの選択されたセルの放電が行われる。
【0074】続いて、他方の選択ライン7nのY電極に
GNDレベルのアドレスパルス(書込みパルス)53が
印加され、一方の選択ライン7mのY電極および非選択
ラインのY電極の電位はVsレベルに保持され、点灯を
行うべきセルに配されているアドレス電極に電圧Vaの
アドレスパルス(書込みパルス)54が印加され、他方
の選択ライン7nの選択されたセルの放電が行われる。
【0075】次に、X電極2と、選択ライン7m,7n
のY電極とに交互に維持放電パルス55,56が印加さ
れ、これによって維持放電が繰り返される。このように
して、選択されたライン7m,7nに対する表示データ
の書込みが行われる。なお、57は非選択ラインのY電
極に印加される維持放電パルスである。なお、図9は、
選択ラインの選択の様子を示すタイムチャートであり、
図中、「W」は現フレームの書込みの駆動サイクル、
「S」は現フレームの維持放電のみの駆動サイクル、
「w」は前フレームの書込みの駆動サイクル、「s」は
前フレームの維持放電のみの駆動サイクルである。
【0076】この第4実施例においても、多重線順次駆
動方法において、選択ラインに対して表示データの書込
みを行う前に、選択ラインの全セルの状態の均一化を図
ることができるので、多重線順次駆動方法において、書
込みミスを回避し、良好な画像表示を行うことができ
る。なお、この第4実施例においては、消去パルスとし
て、選択ライン7m,7nのY電極に細幅消去パルス4
9,50を印加するようにしているが、この代わりに、
選択ラインのY電極に太幅消去パルスを印加し、また、
X電極に細幅消去パルスを印加するようにしても良い。
【0077】第5実施例・・図10 図10は本発明の第5実施例を示す波形図であり、1駆
動サイクルを示している。この第5実施例も、第1実施
例と同様に、図39に示すPDPを駆動する方法である
が、第1実施例と異なり、アドレス/維持放電分離駆動
の場合である。この第5実施例では、1フレームは、全
面書込み消去期間と、アドレス期間と、維持放電期間と
に区分されている。全面書込み消去期間は、前フレーム
において、点灯している放電セルと、点灯していない放
電セルとがある場合を考慮し、全放電セルの状態の均一
化、すなわち、全放電セルに壁荷電が残存していない状
態を作り出すための期間である。
【0078】ここに、全面書込み消去期間においては、
まず、Y電極31 〜31000がGNDレベルとされ、X電
極2に電圧Vwからなる書込みパルス58が印加され、
全セルの放電が行われる。続いて、Y電極31 〜31000
の電位が電圧Vsに戻されると共に、X電極2に維持放
電パルス59が印加され、維持放電が行われた後、Y電
極31 〜31000に細幅消去パルス60が印加され、消去
放電が行われる。このようにして、全面書込み消去が終
了する。
【0079】次に、アドレス期間になると、表示ライン
1 から順に表示データの書込みが行われるが、これは
次のようにして行われる。まず、Y電極31 にGNDレ
ベルのアドレスパルス611 が印加されると共に、アド
レス電極41 〜4M 中、点灯させるべきセルに配されて
いるアドレス電極に電圧Vaのアドレスパルス62が選
択的に印加され、点灯させるべきセルの放電が行われ
る。これによって、表示ライン71 に対する表示データ
の書込みが終了する。
【0080】以下、表示ライン72 〜71000についても
順に同様の動作が行われ、全表示ライン71 〜71000
おいて表示データの書込みが行われる。なお、612 ,
61 3 ,……,611000は、Y電極32 , 3 ,……,
1000に順に印加されるアドレスパルスである。次に、
維持放電期間になると、Y電極31 〜31000と、X電極
2とに交互に維持放電パルス63,64が印加されて維
持放電が行われ、1フレームの画像表示が行われる。
【0081】この第5実施例によれば、表示データの書
込みを行う前に、全表示ラインの全セルに対する書込み
を行った後、全表示ラインの全セルで消去放電を行うよ
うにしているので、全表示ラインの全セルの状態の均一
化を図ることができ、アドレス/維持放電分離駆動方式
において、書込みミスを回避し、良好な画像表示を行う
ことができる。
【0082】第6実施例・・図11 図11は本発明の第6実施例を示す波形図であり、1駆
動サイクルを示している。この第6実施例も、第1実施
例と同様に、図39に示すPDPを駆動する方法である
が、第1実施例と異なり、アドレス/維持放電分離駆動
の場合である。ここに、前述の第5実施例(図10)に
おいては、Y電極31 〜31000に印加するアドレスパル
ス611 〜611000と、アドレス電極に印加するアドレ
スパルス62により表示データ書込みのための放電を起
こすようにしている。
【0083】このように放電を起こすと、過剰な壁荷電
が蓄積されてしまい、アドレスパルス611 の印加直
後、壁電荷が不安定となり、アドレスパルス611 の印
加が終了した直後に壁電荷による電圧のみで放電を起こ
してしまい、壁電荷を中和してしまう場合がある。第6
実施例は、この問題点を解消する駆動方法であり、アド
レスパルス611 , 612 ,……,611000の印加直
後、X電極2に維持放電パルス651 , 65 2 ,……,
651000を印加し、壁電荷を維持放電期間まで安定な状
態で維持するようにしている。
【0084】この第6実施例によれば、第5実施例と同
様に、アドレス/維持放電分離駆動方式において、書込
みミスを回避し、良好な画像表示を行うことができると
共に、表示データの書込み後、壁電荷を維持放電期間ま
で安定な状態で維持することができる。しかし、この第
6実施例によれば、アドレス期間時、X電極2に印加さ
れるアドレス書込み後の維持放電パルス651 〜65
1000は、表示データの書込みの対象でない表示ラインの
セルにまで印加される。
【0085】例えば、表示ライン71 に対する表示デー
タの書込みを行う場合、維持放電パルス651 は表示デ
ータの書込みの対象でない表示ライン72 〜71000にも
印加される。また、表示ライン72 に対する表示データ
の書込みを行う場合、維持放電パルス652 は表示デー
タの書込みの対象でない表示ライン71 , 3 ,……,
1000にも印加される。
【0086】ここに、図12に示すように、X電極2と
Y電極3K との間には、X電極2と放電空間との間の誘
電体層の容量66、X電極2上の誘電体層表面とY電極
K上の誘電体層表面との間の放電空間の容量67、Y
電極3K と放電空間との間の誘電体層の容量68が存在
する。また、X電極2とY電極3K が同一基板上に形成
されているため、両電極間には、放電空間を介しない容
量Cxが存在する。
【0087】この結果、アドレス期間時、表示データの
書込みの対象でない表示ラインの放電セルに維持放電パ
ルスを印加することは、これら表示データの書込みの対
象でない表示ラインのセルの容量(放電空間を介しない
容量Cx)にも充放電電流が流れることになり、これが
消費電力の増大を招いていた。以下に述べる第7実施例
は、かかる消費電力を減少させようとするものである。
【0088】第7実施例・・図13〜図16 図13は本発明の第7実施例を示す概略的平面図であ
り、図中、69はパネル本体、701 , 702 ,703
および704 はX電極、711 ,712 ,……,71
1000はY電極である。また、721 ,722 ,……,7
M はアドレス電極であり、一対のX電極、Y電極と1
本のアドレス電極との交差部分にM×1000個のセル
73が構成されている。なお、74はセル73を仕切る
壁、751 ,752 ,……,751000は表示ラインであ
る。
【0089】すなわち、この第7実施例においては、表
示ライン751 〜751000は、連続する250本の表示
ライン751 〜75250 , 75251 〜75500 ,75
501 〜75750 , 75751 〜751000ずつ4個のブロッ
ク761 〜764 にブロック化され、これらブロック7
1 〜764 ごとに共通接続されたX電極701 〜70
4 が設けられている。
【0090】図14は、この第7実施例のPDPおよび
その周辺回路を示す図である。図中、771 ,772
773 および774 は、それぞれ、X電極701 ,70
2 ,703 および704 に書込みパルスおよび維持放電
パルスを供給するX側ドライバ回路、781 はY電極7
1 〜71250 にアドレスパルスを供給するY側ドライ
バIC、782 はY電極71251 〜71500 にアドレス
パルスを供給するY側ドライバIC、783 はY電極7
501 〜71750 にアドレスパルスを供給するY側ドラ
イバIC、784 はY電極71751 〜711000にアドレ
スパルスを供給するY側ドライバIC、79はY電極7
1 〜711000にアドレスパルス以外のパルスを供給す
るY側ドライバ回路、801 〜805 はアドレス電極7
1 〜72M にアドレスパルスを供給するアドレスドラ
イバIC、81はX側ドライバ回路771 〜774 、Y
側ドライバIC781 〜784 、Y側ドライバ回路79
およびアドレスドライバIC801 〜805 を制御する
制御回路である。
【0091】ここに、図15及び図16は、この第7実
施例のPDPを駆動する方法を示す波形図である。この
例では、1フレームは、全面書込み消去期間、アドレス
期間、維持放電期間に区分され、アドレス期間は、更
に、第1〜第4アドレス期間に区分されている。全面書
込み消去期間においては、まず、Y電極711 〜71
1000がGNDレベルとされ、X電極701 〜704 に電
圧Vwからなる書込みパルス82が印加され、全表示ラ
イン751 〜751000の全セルで放電が行われる。
【0092】続いて、Y電極711 〜711000の電位が
電圧Vsに戻されると共に、X電極701 〜704 に維
持放電パルス83が印加され、維持放電が行われた後、
Y電極711 〜711000に細幅消去パルス84が印加さ
れ、消去放電が行われる。このようにして、全面書込み
消去動作が終了する。次に、アドレス期間になると、表
示ライン751 から順次、書込みが行われるが、これは
次のようにして行われる。まず、第1アドレス期間にお
いては、Y電極711 にGNDレベルのアドレスパルス
851 が印加されると共に、アドレス電極721 〜72
M 中、点灯させるべきセルに対応するアドレス電極に電
圧Vaのアドレスパルス86が選択的に印加され、点灯
させるべきセルの放電が行われる。
【0093】その後、直ちに、X電極701 に維持放電
パルス871 が印加され、壁電荷を維持放電期間まで安
定な状態で維持するための維持放電が行われ、これによ
って、表示ライン751 に対する表示データの書込みが
終了する。以下、表示ライン752 〜75250 について
も、順次、同様の動作が行われ、ブロック761 の全表
示ライン751 〜75250 について表示データの書込み
が行われる。
【0094】なお、852 〜85250 はY電極712
71250 に順に印加されるアドレスパルス、872 〜8
250 はアドレスパルス852 〜85250 に続いてX電
極701 に印加される維持放電パルスである。次に、第
2アドレス期間になると、Y電極71251 にGNDレベ
ルのアドレスパルス85251 が印加されると共に、アド
レス電極721 〜72M 中、点灯させるべき放電セルに
対応するアドレス電極に電圧Vaのアドレスパルス86
が選択的に印加され、点灯させるべきセルの放電が行わ
れる。
【0095】その後、直ちに、X電極702 に維持放電
パルス87251 が印加され、壁電荷を維持放電期間まで
安定な状態で維持するための維持放電が行われ、これに
よって表示ライン75251 に対する表示データの書込み
が終了する。以下、表示ライン75252 〜75500 につ
いても、順次、同様の動作が行われ、ブロック762
全表示ライン75252 〜75500 について表示ラインの
書込みが行われる。
【0096】なお、85252 〜85500 はY電極71
252 〜71500 に順に印加されるアドレスパルス、87
252 〜87500 はアドレスパルス85252 〜85500
続いてX電極702 に印加される維持放電パルスであ
る。次に、第3アドレス期間になると、Y電極71501
にGNDレベルのアドレスパルス85501 が印加される
と共に、アドレス電極721 〜72M 中、点灯させるべ
きセルに対応するアドレス電極に電圧Vaのアドレスパ
ルス86が選択的に印加され、点灯させるべきセルの放
電が行われる。
【0097】その後、直ちに、X電極703 に維持放電
パルス87501 が印加され、壁電荷を維持放電期間まで
安定な状態で維持するための維持放電が行われ、これに
よって表示ライン75501 に対する表示データの書込み
が終了する。以下、表示ライン75502 〜75750 につ
いても、順次、同様の動作が行われ、ブロック763
全表示ライン75502 〜75750 において表示データの
書込みが行われる。
【0098】なお、85502 〜85750 はY電極71
502 〜71750 に順に印加されるアドレスパルス、87
502 〜87750 はアドレスパルス85502 〜85750
続いてX電極703 に印加される維持放電パルスであ
る。次に、第4アドレス期間になると、Y電極71751
にGNDレベルのアドレスパルス85751 が印加される
と共に、アドレス電極721 〜72M 中、点灯させるべ
きセルに対応するアドレス電極に電圧Vaのアドレスパ
ルス86が選択的に印加され、点灯させるべきセルの放
電が行われる。
【0099】その後、直ちに、X電極704 に維持放電
パルス87751 が印加され、壁電荷を維持放電期間まで
安定な状態で維持するための維持放電が行われ、これに
よって表示ライン75751 に対する表示データの書込み
が終了する。以下、表示ライン75752 〜751000につ
いても、順次、同様の動作が行われ、ブロック764
全表示ライン75752 〜751000について表示データの
書込みが行われる。
【0100】なお、85752 〜851000はY電極71
752 〜711000に順に印加されるアドレスパルス、87
752 〜871000はアドレスパルス85752 〜851000
続いてX電極704 に印加される維持放電パルスであ
る。次に、維持放電期間になると、Y電極711 〜71
1000とX電極701 〜70 4 とに交互にGNDレベルの
維持放電パルス88,89が印加されて維持放電が行わ
れ、1フレームの画像表示が行われる。
【0101】この第7実施例によれば、表示データの書
込みを行う前に、全表示ラインの全セルに対する書込み
を行った後、全表示ラインの全セルで消去放電を行うよ
うにしているので、全表示ラインの全セルの状態の均一
化を図ることができ、アドレス/維持放電分離駆動方式
において、書込みミスを回避し、良好な画像表示を行う
ことができると共に、表示データの書込み後、壁電荷を
維持放電期間まで安定な状態で維持することができる。
【0102】ここに、この第7実施例においては、表示
ライン751 〜751000を、連続する250本の表示ラ
イン751 〜75250 , 75251 〜75500 , 75501
〜75750 ,75751 〜751000ずつ、4個のブロック
761 〜764 にブロック化し、これらブロック761
〜764 ごとに共通接続されたX電極701 〜704
設け、アドレス期間時、表示データの書込みを行う表示
ラインを含むブロックのX電極にのみ壁電荷の安定化を
図るための維持放電パルスを印加するようにしている。
【0103】したがって、第1アドレス期間時、X電極
701 に印加される維持放電パルス871 〜87
250 は、ブロック761 の表示ライン751 〜75250
のセルにのみ印加され、他のブロック762 ,763
び764 の表示ライン75251 〜751000のセルには印
加されない。また、第2アドレス期間時、X電極702
に印加される維持放電パルス8725 1 〜87500 は、ブ
ロック762 の表示ライン75251 〜75500 のセルに
のみ印加され、他のブロック761 ,763 及び764
の表示ライン751 〜7525 0 ,75501 〜751000
セルには印加されない。
【0104】また、第3アドレス期間時、X電極703
に印加される維持放電パルス8750 1 〜87750 は、ブ
ロック763 の表示ライン75501 〜75750 のセルに
のみ印加され、他のブロック761 ,762 及び764
の表示ライン751 〜7550 0 ,75751 〜751000
セルには印加されない。また、第4アドレス期間時、X
電極704 に印加される維持放電パルス8775 1 〜87
1000は、ブロック764 の表示ライン75751 〜75
1000のセルにのみ印加され、他のブロック761 ,76
2 及び763 の表示ライン751 〜7575 0 の放電セル
には印加されない。
【0105】すなわち、この第7実施例においては、ア
ドレス期間時、X電極701 〜70 4 に印加される維持
放電パルス871 〜871000は、250本の表示ライン
のセルにのみ印加されるので、1000本の全表示ライ
ンのセルに印加される第6実施例の場合に比較し、X電
極に印加すべき維持放電パルスによる消費電力を1/4
にすることができる。
【0106】なお、この第7実施例においては、表示ラ
インを4個のブロックにブロック化し、各ブロックごと
に共通接続されたX電極を設けた場合について説明した
が、本発明は、表示ラインを任意のn個のブロックにブ
ロック化し、各ブロックごとに共通接続されたX電極を
設ける場合に一般的に適用することができ、この場合に
は、アドレス期間時にX電極に印加すべき維持放電パル
スによる消費電力を第6実施例の場合の1/nにするこ
とができる。
【0107】また、多階調表示、例えば、16階調表示
を行う場合には、図45に示すように、1フレームを4
個のサブフレームSF1,SF2,SF3,SF4に区
分し、各サブフレームSF1,SF2,SF3,SF4
において、上述の動作を行わせるようにすれば良い。こ
の場合、アドレス期間時、X電極に供給する維持放電パ
ルスの数は、単階調の場合よりも多くなるので、消費電
力の低減化の効果は単階調の場合よりも大きくなる。
【0108】第8実施例・・図17〜図31 図17〜図30は、本発明の第8実施例を示す図であ
る。この実施例は、維持放電電極をX−Y−Y−X配列
とする3電極・面放電AC型PDP(すなわち図47の
構成)への適用例であり、かつ、その駆動方法は、全面
点灯、全面消去、さらに書込みアドレスを適用し、アド
レス期間と維持放電期間を分離する駆動シーケンスへの
適用例である。
【0109】図17は本実施例の波形図であり、「書込
みアドレス方式」における1駆動サイクルを示してい
る。1フレームは、全面書込み消去期間と、アドレス期
間と、維持放電期間とに区分されている。全面書込み消
去期間は、前フレームにおいて、点灯している放電セル
と、点灯していない放電セルとがある場合を考慮し、全
放電セルの状態の均一化、すなわち、全放電セルに壁電
荷が残存していない状態を作り出すための期間、又は、
全放電セルに壁電荷が残存していてもその残存状態を全
放電セルにわたって均一化するための期間である。
【0110】ここに、全面書込み消去期間においては、
まず、Y電極Y1 〜YN がGNDレベルとされ、X電極
に電圧Vwからなる書込みパルス90が印加され、全セ
ルの放電が行われる。続いて、Y電極Y1 〜YN の電位
が電圧Vsに戻されると共に、X電極に維持放電パルス
91が印加され、維持放電が行われた後、Y電極Y1
N に細幅消去パルス92が印加され、消去放電が行わ
れる。このようにして、全面書込み消去が終了する。
【0111】次に、アドレス期間になると、表示ライン
ごとに順に表示データの書込みが行われるが、これは次
のようにして行われる。まず、Y電極Y1 ,Y2 ,…
…,Y N にGNDレベルのアドレスパルス931 ,93
2 ,……,93N が順次に印加されると共に、アドレス
電極A1 〜AM 中、点灯させるべきセルに配されている
アドレス電極に電圧Vaのアドレスパルス94が選択的
に印加され、点灯させるべきセルの放電が行われる。こ
れによって、各表示ラインに対する表示データの書込み
が終了する。そして、維持放電期間では、Y電極Y1
N と、X電極とに交互に維持放電パルス95,96が
印加されて維持放電が行われ、1フレームの画像表示が
行われる。
【0112】ここで、本実施例では、アドレス期間にお
けるY電極Y1 〜YN の印加電圧を、アドレスパルス9
1 〜93N の電位(GND)と、このGNDと電圧V
sのほぼ中間電位Vy(好ましくはVy=Va)とに切
り換える。すなわち、選択ラインのY電極にはGND電
位のアドレスパルスを与える一方、それ以外の非選択ラ
インのY電極には電圧Vyを与える。
【0113】図18は図17の駆動方法(書込みアドレ
ス方式)の駆動モデルを示す図である。この図におい
て、(a)は全面書込み全面消去後の状態であり、全て
のセルの状態が均一化されている。この状態では、アド
レス電極はGND電位であり、また、X電極と隣り合う
2つのY電極(Y1 ,Y2 )はVs電位である。(b)
はY1 電極にアドレスパルス931 (GND)を印加し
てアドレス放電をさせた状態である。アドレス電極は電
圧Vaであり、また、Y1 電極がGND電位になってい
る。この状態では、Y1 電極の上にアドレス放電による
正の壁電荷(電荷量を便宜的にVWY1 とする)が形成さ
れている。(3)は隣り合うY電極(Y2)にアドレス
パルス932 (GND)を印加した状態であるが、この
状態では、Y1 電極の印加電圧がVy(=Va)であ
り、Y1 電極側には正の壁電荷VWY1が蓄積されている
ため、Y2 電極とアドレス電極の間で書込み放電が起き
ない状態では、Y1 電極とY2 電極間の放電空間に加わ
る実効電圧は、Va+VWY1 で与えられる(この場合、
2 電極上の壁電荷は少量なので無視することにす
る)。一般に、Va+VWY1 <Vf(Vf:放電開始電
圧)であるから、隣り合う2つのY電極(Y1 ,Y2
間の放電空間における異常放電を回避することができ、
1 電極側の壁電荷VWY1 をそのまま保持できるのであ
る。
【0114】また、図19は本実施例の他の波形図であ
り、「消去アドレス方式」における1駆動サイクルを示
している。図17と同様に、1フレームが全面書込み消
去期間、アドレス期間および維持放電期間に区分されて
いる。全面書込み期間(図17の全面書込み消去期間に
対応する)では、まず、Y電極Y1 〜YN がGNDレベ
ルとされ、X電極に電圧Vwからなる書込みパルス97
が印加され、全表示ラインの全セルで放電が行われる。
続いて、Y電極Y1 〜YN の電位が電圧Vsに戻される
と共に、X電極に維持放電パルス98と同レベル(GN
Dレベル)が印加され、全セルで維持放電が行われる。
【0115】次に、アドレス期間になると、表示ライン
ごとに順に書込みが行われるが、これは次のようにして
行われる。まず、Y電極Y1 ,Y2 ,……,YN に順次
にGNDレベルのアドレスパルス991 ,992 ,…
…,99N が印加されると共に、アドレス電極A1 〜A
M 中、維持放電を行わせないセル、すなわち、点灯させ
ないセルに対応するアドレス電極に電圧Vaのアドレス
パルス100が選択的に印加され、点灯させないセルの
消去放電が行われる。これによって、各表示ラインの書
込みが終了する。そして、維持放電期間では、Y電極Y
1 〜YN と、X電極とに交互に維持放電パルス98,1
01が印加されて維持放電が行われ、1フレームの画像
表示が行われる。
【0116】図20は図19の駆動方法(消去アドレス
方式)の駆動モデルを示す図である。この図において、
(a)は全面書込みによって全てのセルに壁電荷が形成
され、その後維持放電が行われた後の状態である。アド
レス電極はGND電位であり、また、X電極と隣り合う
2つのY電極(Y1 ,Y2 )はVs電位である。(b)
はY1 電極にアドレスパルス991 (GND)を印加し
て消去放電(アドレス放電)をさせた状態である。アド
レス電極は電圧Vaであり、また、Y2 電極もVa電位
になっている。Y1 電極に近い絶縁層の上には放電によ
って正の壁電荷が蓄積される。X電極側には既に正の壁
電荷が蓄積されているため、このアドレス放電によって
X電極とY1 電極の双方の壁電荷が正となり、以後、維
持放電パルスが印加されても維持放電は起こらない。
(c)は隣り合うY2 電極にアドレスパルス992 (G
ND)を印加した状態である。この状態では、Y1 電極
に電圧Vy(=Va)が印加され、Y2 電極にGNDが
印加される。Y1 電極側には正の壁電荷(便宜的にV
WY1 )が蓄積されているが、Y2 電極とアドレス電極の
間で書込み放電が起きない状態では、隣り合う2つのY
電極(Y1 ,Y2 )間の放電空間に加えられる実効電圧
(Va+VWY1 )が放電開始電圧Vfを越えないため、
書込みアドレス方式と同様に、異常放電を回避してY1
電極側の壁電荷をそのまま保持できる。
【0117】図21は第8実施例のPDPのブロック図
である。この図において、102は制御部であり、制御
部102はフレームメモリFを含む表示データ制御部1
02aや、スキャンドライバ制御部102b及び共通ド
ライバ制御部102cを含むパネル駆動制御部102d
を備える。103はアドレスドライバ、104はYスキ
ャンドライバ、105はYドライバ、106はXドライ
バ、107は表示パネルであり、アドレスドライバ10
3は、制御回路102からの表示データA−DATAや
転送クロックA−CLOCK、さらに、ラッチクロック
A−LATCHに従ってアドレス電極A1 〜AM を順次
に選択し電圧Vaを与えるものである。
【0118】また、Yスキャンドライバ104やYドラ
イバ105及びXドライバ106は、制御回路102か
らのスキャンデータY−DATA、YクロックY−CL
OCK、第1YストローブY−STB1、第2Yストロ
ーブY−STB2、Yアップドライブ信号Y−UD、Y
ダウンドライブ信号Y−DD、Xアップドライブ信号X
−UD及びXダウンドライブ信号X−DDに従ってY電
極Y1 〜YN やX電極を所定の電圧(Vs,Va,V
w)で駆動するものである。
【0119】図22は、Yスキャンドライバ104とY
ドライバ105の構成図である。Yスキャンドライバ1
04は、Y電極ごとの電極選択回路M1 〜Mn 及び各電
極選択回路M1 〜Mn を順次に指定するための信号Q1
〜Qn を生成するシフトレジスタRを備え、電極選択回
路(代表してM1 )は、アドレス期間中、3個のアンド
ゲートG1 〜G3 と1個のインバータゲートG4 とから
なる理論回路の出力で、2個のMOSトランジスタ
1 ,T2 を相補的(一方がオンのときは他方がオフと
なる関係)にオン/オフ制御する。
【0120】T1 がオンのときには所定の電圧Vy(阻
止ダイオードD3 を介して与えられるVa)を出力O1
に現し、また、T2 がオンのときにはアース電位(GN
D電位)を出力O1 に現す。すなわち、Yスキャンドラ
イバ104は、アドレス期間において、それぞれのY電
極を選択するためのパルス(アドレスパルス)をオン/
オフ(オン=GND、オフ=Vf)するものである。但
し、出力O1 は、ダイオードD1 およびD2 を介してY
ドライバ105の2個のMOSトランジスタT 3 ,T4
に接続されており、これらのトランジスタT3 ,T
4 は、信号Y−UD、T−DDに従って全てのY電極に
共通に印加されるパルス(維持放電パルス)をオン/オ
フ(オン=GND、オフ=Vs)するものである。
【0121】図23は図22の動作波形図である。この
図において、信号Y−UDがHレベルのときは、Yドラ
イバ105のトランジスタT3 がオンするために全ての
Y電極に電圧Vsが与えられ、また、信号Y−DDがH
レベルのときは、同じくYドライバ105のトランジス
タT4 がオンするために全てのY電極にGNDが与えら
れる。
【0122】一方、アドレス期間では、Yドライバ10
5の2個のトランジスタT3 ,T4が共にオフとなり、
代わりに、Yスキャンドライバ104の電極選択回路M
1 〜Mn に設けられた2個のトランジスタT1 ,T2
所定のタイミングでオン/オフする。今、Y1 電極に対
応する電極選択回路M1 に着目すると、この選択回路M
1 に設けられたトランジスタT2 は、Y−CLOCKに
同期してシフトレジスタRで作られる信号Q1 とY−S
TB1およびY−STB2の論理積が“1”となる期間
だけオンとなり、出力O1 がGNDレベルとなってその
レベルがY1 電極に与えられる。
【0123】また、同選択回路M1 のトランジスタT1
は、信号Q1 とY−STB1の論理積が“0”となる期
間で、かつ、Y−STB2がHレベルにある期間だけオ
ンとなり、電圧VyがY1 電極に与えられる。すなわ
ち、図24に図22の簡略図を示すように、Yドライバ
105の2個のトランジスタT3 ,T4 をオフにしたま
ま、選択回路Mi (iは1,2,……,n)の2個のト
ランジスタT1 ,T2 をオン/オフすることにより、ア
ドレス放電パルスの形成に必要な電流経路(白抜き矢印
参照)を確保でき、また、この逆に、選択回路Mi の2
個のトランジスタT1 ,T2 をオフにしたまま、Yドラ
イバ105の2個のトランジスタT3 ,T4 をオン/オ
フすることにより、維持放電パルスの形成に必要な電流
経路(黒矢印参照)を確保できる。
【0124】以上のように、本実施例のアドレス期間に
おいては、Y1 〜YN までのY電極にGNDレベルのア
ドレスパルス1061 〜106N を順次に与えることが
できると共に、アドレスパルス以外の期間、すなわち非
選択ラインの期間では、GNDレベルと電圧Vsのほぼ
中間レベルに相当する電圧Vy(=Va)を与えること
ができるので、書込み放電によって蓄積された正の壁電
荷を含む実効電圧を(電圧Vsを印加する場合に比べ
て)低減させることができ、隣り合うY電極を選択(G
NDレベル)した際の隣接Y電極間の異常放電を回避で
きる。その結果、壁電荷を維持放電期間まで安定に保持
することができる。
【0125】また、この第8実施例では、Yスキャンド
ライバ104で取り扱う電圧範囲はGND〜Vyであ
り、これは、Yドライバ105の電圧範囲(GND〜V
s)のほぼ1/2であるから、Y電極の数に比例して大
規模化するYスキャンドライバ104の耐圧を下げるこ
とができ、集積化(LSI化)しやすくなるので好まし
い。
【0126】さらに、図21におけるXドライバ106
の詳細な回路図を図25に示す。このXドライバ106
は、比較的高電圧(Vw)の書込みパルスや維持放電パ
ルス(Vs)を供給することができるように、大電力の
スイッチングが可能なトランジスタT5 ,T6 を使用し
ている。基本的には、X電極の電圧をVwまたはVsに
するためのアップドライブ信号X−UDが入力されるト
ランジスタT5 と、X電極の電圧をアース電位(0V)
にするためのダウンドライブ信号X−DDが入力される
トランジスタT6 とが対になる。図25では、トランジ
スタT5 ,T6は、一対の相補形のMOSトランジスタ
から構成される。例えば、アップドライブ信号X−UD
が供給される側はPチャネルMOSからなり、ダウンド
ライブ信号X−DDが供給される側はNチャネルMOS
からなるが、その逆であってもよい。ここで、例えば、
X電極に電圧Vwの書込みパルスを印加する場合は、ア
ップドライブ信号側のトランジスタT5 の電源電圧を、
アップドライブ信号X−UDのタイミングでもってVw
に切り換える。
【0127】さらにまた、図21におけるアドレスドラ
イバ103の詳細な回路ブロック図を図26に示す。こ
こでは、アドレスドライバ103は、制御回路402か
らの表示データA−DATAや転送クロックA−CLO
CKに従ってNビット分の表示データを転送するNビッ
ト・シフトレジスタ407と、ラッチクロックA−LA
TCHに従ってアドレス電極A1 〜AM を順次に選択す
るNビット・ラッチ部408と、このNビット・ラッチ
部408からの出力信号に従って選択されたアドレス電
極に高電圧Vaを供給する高圧部409とを備えてい
る。さらに、高圧部409はNビット分あり、これらN
個の高圧部409の各々は、アンドゲート等からなる論
理回路409aと、一対のトランジスタT7 ,T8 とを
有している。この場合、Nビット・ラッチ部408によ
るラッチ後のデータが“1”であり、かつ、アドレスス
トローブA−STBがオンになった場合のみ当該アドレ
ス電極に電圧Va のアドレスパルス(出力1〜出力N)
が出力される。
【0128】図27は、YスキャンドライバとYドライ
バの他の構成図であり、図22との違いは、Yスキャン
ドライバをフローティングにした点にある。すなわち、
Yスキャンドライバ104′の2個のトランジスタ
1 ′,T2 ′は、阻止ダイオードD3 を介して与えら
れる電圧Vy(=Va)と、Yドライバ105′の2個
のトランジスタT3 ′,T4 ′から取り出される電圧
(VsまたはGND)との間に接続されており、選択回
路Mi の出力Oi は、トランジスタT1 ′,T2 ′,T
3 ′及びT4 ′の選択的なオン/オフによって、GN
D、VsまたはVyの1つの電位に設定される。なお、
108はアイソレーション用のフォトカップラ、G11 ,
12はアンドゲート、G13 ,14はインバータゲート、
15はオアゲートである。
【0129】図28は図27の動作波形図である。この
図において、信号Y−UDがHレベルのときは、Yドラ
イバ105′のトランジスタT3 ′がオンするために全
てのY電極に電圧Vsが与えられ、また、信号Y−DD
がHレベルのときは、同じくYドライバ105′のトラ
ンジスタT4 ′がオンするために全てのY電極にGND
が与えられる。
【0130】一方、アドレス期間では、Yドライバ10
5′のトランジスタT4 ′がオン状態を継続し、Yスキ
ャンドライバ104′のフローティング電位をグランド
レベルに固定する。この状態で、選択回路M1 ′に設け
られたトランジスタT2 ′をオンさせると、出力O1
GNDレベルとなってそのレベルがY1 電極に与えら
れ、また、トランジスタT1 ′をオンさせると、このト
ランジスタT1 ′を通して電圧VyがY1 電極に与えら
れる。
【0131】すなわち、図29に図27の簡略図を示す
ように、Yドライバ105′のトランジスタT4 ′をオ
ンにしたまま、選択回路Mi ′の2個のトランジスタT
1 ′,T2 ′をオン/オフすることにより、アドレス放
電パルスの形成に必要な電流経路(白抜き矢印参照)を
確保でき、また、選択回路Mi ′のトランジスタT2
をオンにしたまま、Yドライバ105′の2個のトラン
ジスタT3 ′,T4 ′をオン/オフすることにより、維
持放電パルスの形成に必要な電流経路(黒矢印参照)を
確保できる。
【0132】なお、図30は、図23の変形例であり、
2つの電圧Va,Vsをスイッチ109で切り換えるよ
うにしたものである。アドレス期間はVaを選択する
が、アドレス期間以外ではVsを選択する。図31は、
以上の各実施例に適用して好ましいPDPのセル断面図
である。このPDPセルは、アドレス電極付近の構造を
工夫することにより、アドレス電極側の絶縁層上にも積
極的に壁電荷を蓄積できるようにし、もって書込み放電
の際のアドレス電極とY電極間の印加電圧のマージン拡
大と、選択放電の際のアドレス電極とY電極間の印加電
圧の低減を図ることを意図したものである。
【0133】すなわち、この例では、図31に示すよう
に、アドレス電極310と放電空間311の間を隔離す
るために、壁312a,312bの間を誘電体層313
と蛍光体314a,314bで完全に埋めている。蛍光
体314a,314bの材料として、例えば、 (緑)Zn2 SiO4 :Mn (赤)Y2 3 :Eu (青)BaMgAl144O23:Eu2+ 等のセラミックを使用し、かつ、その膜厚を、放電空間
に対してアドレス電極を遮断するのに充分な厚さとする
ことで電荷を蓄積させることができる。また、そのよう
な状態であれば、誘電体層313の位置に蛍光体を配置
しても電荷の蓄積が可能である。
【0134】かかる構造のPDPに対して例えば線順次
駆動を行う場合は、まず、X電極と選択Y電極間で書込
み放電を起こすことにより、アドレス電極とX電極間の
放電を促して空間電荷を形成させる。この空間電荷の極
性はX電極側で負、アドレス電極とY電極側で正であ
り、X電極側に電子(負電荷)が、またアドレス電極と
Y電極側にイオン(正電荷)がそれぞれ蓄積される。次
いで、維持放電パルスによって全セルに維持放電が起こ
ると、極性が反転した壁電荷が蓄積され、その後のY電
極に加えられる消去パルスによって全セルに消去放電が
起こる。消去放電後は、壁電荷が減少するため、維持放
電パルスが印加されても充分な実効電圧が加わらないの
で維持放電は起きない。ここで、選択Y電極とアドレス
電極間で書込み放電を起こす際の放電の実効の電圧は、
アドレス電極側に蓄積されていた壁電荷とアドレス電極
の印加電圧(アドレス電圧)との和で与えられるため、
低いアドレス電圧でも確実に書込み放電を発生させるこ
とができる。
【0135】第9実施例・・図32 図32は本発明の第9実施例の駆動波形を示す図であ
る。前述の第1〜第8実施例における駆動方法では、第
1段階の全セル書込み放電により、アドレス電極側の絶
縁層上に壁電荷を蓄積させる。この壁電荷は、セルを選
択する際の選択書込み放電において、アドレス電極の印
加電圧に加算される形で有効に働くため、低いアドレス
電圧での駆動が可能であった。
【0136】しかしながら、この全セル書込み放電にお
いて、アドレス電極側の絶縁層上に過剰な壁電荷を形成
した場合、選択書込み放電において大規模な放電が発生
し、非選択のセルまで書込みを行ってしまうことや、選
択書込み放電によって生成された大量の壁電荷で、その
アドレスパルスの印加直後に、壁電荷そのものの電圧で
再び放電を開始しそれが自己消滅(自己消去)放電とな
る可能性がある。
【0137】この全セル書込み放電において、アドレス
電極側の絶縁層上に過剰な壁電荷を形成することは、次
のような場合に考えられる。前フレームが点灯状態であ
った場合、印加される全セル書込みパルス(X電極)
に、前フレームで残った壁電荷が加算されて放電に関与
する。つまり、放電空間にかかる実行電圧は、印加電圧
と壁電荷の和となり、大きな値となる。よって、起こる
放電は当然大規模である。この場合には、全セル書込み
放電の後に全セル消去放電を行っても、上記の大規模の
影響が無視できなくなるおそれがある。さらに、アドレ
ス電極側の絶縁層を蛍光体で形成した場合、蛍光体に正
の電荷つまりイオンが当たることになる。既述したよう
に、蛍光体はイオンの衝突に対して弱く、組成が変化
し、満足な発光特性を得ることができない可能性があ
る。
【0138】この対策として、図32に示すように、前
フレームにおいて点灯状態にあったセルに対して、その
壁電荷を消滅または、少なくするような消去放電を行っ
た後、全セル書込み放電を行うことが有効である。この
ようにすれば、前フレームにおいての点灯状態に関わら
ず、一定規模の全セル書込み放電が可能となり、大規模
放電によって生じた、ミスアドレス(隣のセルへの書込
み、自己消去)や蛍光体の劣化を防止できる。
【0139】さらに詳しく説明すると、図32において
は、X電極から印加する全セル書込みパルスの直前に、
選択された表示ラインの全セルに対し消去放電を行うた
めの消去パルス(細幅消去パルス)を印加している。こ
の消去パルスによって、前のフレームで点灯していたセ
ルの壁電荷は、消滅または減少させられるため、大規模
な全セル書込み放電が起こることはない。
【0140】第10実施例・・図33 図33は本発明の第10実施例の駆動波形を示す図であ
る。図33においては、X電極から印加する全セル書込
みパルスの直前に、全表示ラインの全セルに対し消去放
電を行うための消去パルス(細幅消去パルス)を印加し
ている。この場合も、全セル書込み放電の直前に消去パ
ルスを挿入するため、前述の第9実施例と同様、大規模
な全セル書き込み放電が起こることはない。
【0141】上記の第9および第10実施例によれば、
全セル書込み直前に消去パルスを挿入することで、大規
模な全セル書込み放電を防止され、ミスアドレスの回避
および蛍光体の長寿命化に絶大な効力が生ずる。第11実施例・・図34および図35 図34は本発明の第11実施例の駆動波形を示す図であ
る。ここでは、初めに行われる全セル書込み放電の際、
アドレス電極を覆う絶縁層(例えば蛍光体)に次の選択
書込み放電時に有利に働く電荷を蓄積することによっ
て、アドレスパルスの電圧Vaをさらに低減することが
可能となる。
【0142】ここで用いる新たな手段は、全セル書込み
放電の次に行われる維持放電時にも、アドレス書き込み
放電時に有利に働く電荷を蓄積することであり、それに
よって、更なる低電圧駆動が可能となる。このようなア
ドレスパルスの低電圧化により、アドレス側ドライバー
の集積化やフルカラー化に伴う多階調表示や低消費電力
化が実現される。
【0143】さらに詳しく説明すると、図34によれ
ば、X電極から印加する全セル書込みパルスの直後に、
選択された表示ラインの全セルに印加する維持放電パル
スを細幅とすることにある。ここが細幅維持放電パルス
となった場合の駆動のモデルを図35に示す。第1段階
の全セル書込み放電において、アドレス電極側の絶縁層
上に正の電荷が蓄積される。ここで、蓄積される位置
は、X電極に近いアドレス絶縁層上に蓄積する。アドレ
ス電極による選択書込み放電はY電極との間で起こるた
め、Y電極に近いアドレス絶縁層上に蓄積する方が好ま
しい。そこで、次の第2段階として、細幅パルスを印加
して維持放電を行う場合、X電極がアース電位(0V)
となり放電が起きる。その直後に、つまり、放電によっ
て発生した空間電荷が壁電荷としてX電極およびY電極
側に全て蓄積して、空間電荷が消滅してしまう前に、パ
ルスを終了してしまうため、X電極およびY電極がVs
電位となり、アドレス電極のみアース電位となる。その
場合、まだ空間に残る電荷のなかで正の電荷は、最も低
い電位となっているアドレス電極側、特に、Y電極に近
いアドレス電極側の絶縁層上に蓄積する。その次は、第
3段階として、X電極とY電極間の消去放電を行う。最
後に、選択書込み放電を行うが、この際、Y電極側のア
ドレス電極上の正の壁電荷が有効に働くため、外部から
印加するアドレスパルスの電圧Vaは、比較的低い値で
もって放電を可能とする。
【0144】第12実施例・・図36 図36は本発明の第12実施例の駆動波形を示す図であ
る。ここでは、X電極から印加する全セル書込みパルス
の直後に、全表示ラインの全セルに細幅の維持放電パル
スを印加している。この場合も、全セル書込み後の維持
放電パルスを細幅パルスとして、前述の第11実施例と
同様の駆動状態が得られる。
【0145】上記の第11および第12実施例によれ
ば、維持放電パルスを細幅パルスとすることで、選択書
込み放電時にさらに有効に働くように壁電荷を蓄積する
ことができる。第13実施例・・図37および図38 図37および図38は、本発明の第13実施例の駆動モ
デルおよび駆動波形をそれぞれ示す図である。これまで
は、X電極に書込みパルスを印加する構成になってい
る。しかしながら、図37および図38に示すように、
Y電極に書込みパルスを印加する構成にした場合でも、
壁電荷をアドレス電極側に蓄積することが同様に期待で
きる。
【0146】ここで、本発明の壁電荷蓄積動作をAC型
PDPの輝度調整に適用した例を、添付図面を参照しな
がら説明することとする。図52は、本発明の壁電荷蓄
積動作をAC型PDPの輝度調整に適用した例を説明す
るためのタイミング図である。本実施例では、256階
調表示で、最大維持放電周波数が30.6kHz(フレ
ーム周波数は60Hz)の場合の駆動形態を示してい
る。
【0147】図中、SF1〜SF8は1画面を形成する
1フレームを構成するサブフレームを示し、このうち、
サブフレームSF1は輝度の重みが最大のサブフレーム
であるものとし、その維持放電サイクル数(NSF1)は2
56回に設定されているものとする。最大輝度で表示す
る場合、サブフレームSF1のサイクル数を256回と
し、次のサブフレーム(つまり2番目に輝度の重みが大
きいサブフレーム)SF2のサイクル数(NSF2)は、そ
の1/2の128回とする。この手順で以降同様にし
て、各サブフレームSF1〜SF8の維持放電サイクル
数NSF1 〜NSF8 を決定すると、以下のようになる。
【0148】 NSF1 :NSF2 :NSF3 :NSF4 :NSF5 :NSF6 :NSF7 :NSF8 =256:128: 64: 32: 16: 8 : 4 : 2 このように決定された状態で、例えば輝度を10%低下
させたい場合には、サブフレームSF1の維持放電サイ
クル数NSF1 を230回(≒256×0.9)とする。
以降のサブフレームの回数を1/2とする手順に従っ
て、各サブフレームSF1〜SF8の維持放電サイクル
数NSF1 〜NSF8 を決定すると、以下のようになる。
【0149】 NSF1 :NSF2 :NSF3 :NSF4 :NSF5 :NSF6 :NSF7 :NSF8 =230:115: 57: 28: 14: 7 : 3 : 1 このように、各サブフレームSF1〜SF8において維
持放電サイクル数(維持発光回数)をそれぞれ同じ比率
で増減(この場合には0.9倍に減少)することで輝度
調整を行うようにしている。従って、PDPの駆動にお
いて階調表示を行う際に、ディジタル制御により多段階
の輝度調整を行うことができ、CRTにより近い表示装
置を実現することができる。
【0150】図53には、各サブフレームにおける維持
放電サイクル数を決定するための回路構成が示される。
図中、111は外部から自由に輝度値を設定可能とする
ための調整手段(ボリューム)、112はボリューム1
11によって設定されたアナログ電圧信号を8ビットの
ディジタル信号に変換するA/D変換器、113は選択
信号SEL(後述のデコーダ119の出力Y)に応答し
て入力A(A/D変換器112の出力)または入力B
(後述の除算器115の出力Y)のいずれかを選択する
セレクタ、114はクロック入力CK(後述の比較器1
17の出力Y)に応答してセレクタ113の出力Yを保
持するラッチを示し、該ラッチは、D型フリップフロッ
プにより構成され、次のサブフレームの維持放電サイク
ル数を決定する値を保持する。115は入力A(ラッチ
114の出力Q)を1/2に除算する除算器を示し、該
除算器は例えばシフトレジスタを用いて構成され、その
出力Y(=A/2)はセレクタ113の入力Bとして供
給される。なお、除算器115において入力Aが1/2
に割り切れない場合には「切り捨て」となる。
【0151】また、116は256進8ビットのカウン
タを示し、該カウンタは、クリア入力CLR(比較器1
17の出力Y)に応答してリセットされ、クロック入力
CK(駆動波形発生回路からのクロック信号CKS)に
応答して維持放電サイクル数をカウントする。117は
入力A(ラッチ114の出力Q)と入力B(カウンタ1
16の出力Q)を比較し、両者が一致した時にその出力
Yをアクティブにする比較器、118は8進3ビットの
カウンタを示し、該カウンタは、クリア入力CLR(垂
直同期信号VSYN)に応答してリセットされ、イネー
ブル信号ENA(デコーダ119の出力Y)によりアク
ティブ状態とされ、クロック入力CK(比較器117の
出力Y)をカウントすることによりサブフレームを指定
する。また、119はカウンタ118の3ビットの出力
QA,QBおよびQCに応答するNAND(ナンド)論
理のデコーダ、120はセレクタ113の8ビットの出
力に応答するOR(オア)論理のデコーダ、そして、1
21はクロック入力CK(比較器117の出力Y)に応
答してデコーダ120の出力Yを保持するラッチを示
し、該ラッチの出力Qは、高圧駆動波形のイネーブル信
号D−ENAとして高圧回路に供給される。
【0152】次に、図53の回路の動作について説明す
る。まず、ボリューム111によって、A/D変換器1
12に入力されるアナログ信号の電位が決定される。こ
のA/D変換器112からの出力は8ビットであるの
で、A/D変換器112への入力信号レベルが最大の場
合にはディジタル値として「255」が出力される。こ
の「255」は最大輝度のサブフレームSF1の維持放
電サイクル数を決定する値であり、カウンタ116にお
いて0〜255までカウントされる256個の各カウン
ト値がそれぞれ維持放電サイクル数となる。
【0153】サブフレームSF1の段階では、サブフレ
ームを指定するカウンタ8は垂直同期信号VSYNによ
りクリアされた直後であるので、そのカウント値(QA
〜QC)は“0”となる。よって、MSF0〜2が全て
“0”であり、デコーダ119の出力Yは、NAND論
理で“1”となる。これによってセレクタ113は、デ
コーダ119の出力Y(選択信号SEL)の“1”レベ
ルに応答して入力Bを選択する。これ以前に、デコーダ
119からは前のフレームのサブフレームSF8(最終
サブフレーム)の時に“0”が出力されており、セレク
タ113により入力A(A/D変換器2の出力)が選択
されてラッチ114に一時記憶されている。
【0154】このラッチ114の出力Q(現時点では
「255」)は、カウンタ116の出力Q(維持放電サ
イクル数のカウント値)と共に、比較器117の各入力
A,Bに入力され、比較される。維持放電サイクルが2
56回繰り返されると、カウンタ116のカウント値は
「255」になり、比較器117において入力A=Bと
なり、その出力Yがアクティブになる。
【0155】このアクティブ状態となった比較器117
の出力Yにより、カウンタ118の値が歩進される。こ
れによってサブフレームSF1が終了し、次のサブフレ
ームSF2に移行する。また、ラッチ114は新たな値
を保持するが、サブフレームSF1の時点でデコーダ1
19の出力Yは“1”に変わっており、セレクタ8は入
力Bを選択している。そして、その入力Bには、除算器
115によりラッチ114の出力Qを1/2に除算した
値が入力されている。従って、この時点でラッチ114
に保持する値は、255の1/2で「127」となる。
【0156】同様にして、サブフレームSF2の維持放
電が128回終了すると、次のサブフレームSF3に移
行する。サブフレームSF1〜8まで終了すると、垂直
同期信号VSYNの入力によって、次のフレームが始ま
るまで、動作は中断する。なお、輝度調整を行う場合に
は、ボリューム111を調節して、A/D変換器112
に入力されるアナログ電圧値を変えればよい。
【0157】本発明の輝度調整方法では、輝度を低下さ
せた場合、維持放電サイクル数が0となるサブフレーム
が存在してくる。この際、維持放電サイクル数が少ない
サブフレームから順に0となる。維持放電サイクル数が
0の場合、そのサブフレームのアドレス期間は全くの無
駄となる。なぜならば、アドレス放電によってセルを選
択しても、維持放電を伴わないため、発光表示が無いか
らである。また、前述した従来のアドレス方法による駆
動方式では、全セルを点灯した後、発光表示に不必要な
セルに消去放電を起こし、放電を中止させるようにして
いる。従って、アドレス期間で発光表示を行わないセル
でも僅かな発光(いわゆる“バックグランド発光”)が
あるため、それがコントラストを低下させる原因とな
る。設定輝度が大きい場合、最大輝度とバックグランド
輝度の差が大きいためにコントラストはそれほど問題に
ならないが、低輝度に輝度設定をした場合には、バック
グランド輝度は変わらないために相対的にコントラスト
が低下し、表示品質を劣化させる結果となる。
【0158】そこで図52および図53の適用例では、
維持放電サイクル数が0のサブフレームにおいては、当
該サブフレームのアドレス期間で行われるべき動作(表
示データの書換え)も行わないようにしている。次のサ
ブフレームの維持放電サイクル数は、その直前のサブフ
レームの期間中に判る。つまり、N番目のサブフレーム
においてセレクタ3の出力値Yが0となった場合、次の
(N+1)番目のサブフレームの維持放電サイクル数は
1回ということになる。さらに、その次の(N+2)番
目以降のサブフレームの維持放電サイクル数は当然0回
であるため、(N+2)番目以降のサブフレームは、ア
ドレスも必要ないということになる。
【0159】この制御を行うためにデコーダ120が機
能する。すなわち、デコーダ120の論理は8ビット入
力(A0〜A7)のORであるので、次のサブフレーム
の維持放電サイクル数を決定する値(セレクタ113の
出力Y)が0となった場合、次のサブフレームに移行す
る時点で、その値はラッチ121に保持される。ラッチ
121の出力Qは高圧駆動波形のイネーブル信号D−E
NAとなり、それによって高圧駆動波形の印加が中断さ
れる。その以降のサブフレームでは、ラッチ114の出
力Q、除算器5の出力Y、セレクタ113の出力Yおよ
びデコーダ120の出力Yは全て0となるため、高圧駆
動波形にイネーブルがかかる。そして、次のフレームに
入り、サブフレームSF1の期間でイネーブルは解除さ
れる。
【0160】このように、維持放電を行わないサブフレ
ームにおいて高圧パルスの印加を中断することにより、
無駄な電力消費を無くすことができ、低消費電力での駆
動が可能となる。また、無駄な電力消費によるコントラ
ストの低下を防止することができ、低輝度時でも高コン
トラストの良好な表示が可能となる。さらに、本発明に
よるAC型PDPの輝度調整方法の特徴を明確にするた
めに、下記の図54〜図61を参照しながら、一般(従
来)のAC型PDPの輝度調整方法を簡単に説明するこ
ととする。
【0161】図54には一般の輝度調整を行わない場合
(モノクロ表示)の2電極型PDPの駆動方法を例示す
るタイミング図が示される。同図において、Wは書換え
の駆動サイクルを示し、このサイクルでは書込み放電が
行われる場合もある。また、Sは維持放電のみの駆動サ
イクルを示し、このサイクルではWサイクルで書込みが
行われたセルのみ点灯する。sは前フレームの維持放電
のみの駆動サイクルを示し、このサイクルでは前フレー
ムのWサイクルで書込みが行われたセルのみ点灯する。
【0162】1サイクルの駆動は、書込み放電、維持放
電および消去放電に分かれ、それらが1フレーム内で行
われる。ここで、最大の輝度を得たい場合は、消去放電
を行わず、次フレームの書込みサイクルで新たな情報の
書換えのみを行う。輝度を最大値に対して低減したい場
合、次の2通りの方法がある。1つは、一定サイクルの
維持放電を行った後、消去パルスの挿入により消去放電
を行うことで維持放電を中止する方法であり、もう1つ
は、維持放電を周期的に間引く方法である。
【0163】図55には前者の方法(消去パルスを挿入
する方法)を例示するタイミング図が示され、図56に
はそれに対応した駆動波形が示される。図55におい
て、書換えの駆動サイクルWと維持放電のみの駆動サイ
クルSは図54の場合と同様である。また、Eは消去パ
ルスにより消去放電が行われる駆動サイクル、eは維持
放電のみの駆動サイクルを示し、このサイクルeでは、
その前に消去が行われたために点灯しない(消灯状
態)。図56において、はY電極に印加される書込み
パルスを示し、これによって1ライン分の全セルに書込
みが行われる。およびはそれぞれY電極およびA電
極に印加される選択消去パルスを示し、これによって、
のパルスにより選択されたセルのみ消去される。ま
た、〜のパルスはWサイクルに印加される。はE
サイクルに印加される消去パルスを示す。
【0164】この方法では、書込みが行われた後、消去
パルスを挿入する時点までの維持放電期間が発光期間と
なるため、書込み後にどのサイクルで消去パルスを挿入
するかで輝度の制御が可能となる。図57には後者の方
法(維持放電を間引く方法)を例示するタイミング図が
示され、図58にはそれに対応した駆動波形が示され
る。
【0165】図57において、WサイクルとSサイクル
については図54,図55の場合と同様である。また、
維持放電パルスが間引かれた駆動サイクルでは、Wサイ
クルと重なった場合には書換えのみが行われる。図58
において、〜のパルスについては図56の場合と同
様である。また、は維持放電パルスを示し、これは、
図57における維持放電パルスが間引かれた駆動サイク
ルでは、印加されない。
【0166】この方法では、間引きの周期を8サイクル
とした場合、8段階の輝度調整が可能である。上述した
2つの方法は、両者ともAC型PDPの輝度調整方法と
して、よく利用される公知のものである。次に、階調表
示を行う場合の輝度調整について説明する。
【0167】図59には一般の輝度調整用の階調(4〜
16階調)の表示を行う場合のPDPの駆動方法を例示
するタイミング図が示される。図中、WサイクルとSサ
イクルについては図57の場合と同様である。この方法
では、1駆動サイクルで2ライン分の選択(アドレス)
を行わなければならないため、選択消去パルスを2度印
加する必要がある。そのため、消去パルスを挿入する時
間的な余裕がなく、結局、維持放電パルスを間引く方法
で輝度調整を行うことが多い。
【0168】ここで、維持放電パルスを間引く周期は、
階調の比率を保つために、輝度の重みが最小(LSB)
のサブフレームのサイクル数の約数でなければならな
い。例えば、16階調表示で、1フレーム内の駆動サイ
クル(水平同期信号の周期に相当)が480サイクルで
あった場合、各サブフレームの比率は1:2:4:8と
なり、それぞれ32サイクル、64サイクル、128サ
イクル、256サイクルとなる。この場合、LSBサブ
フレームのサイクル数は32サイクルであるので、32
段階の輝度調整が可能である。
【0169】フルカラー表示を行う場合、各色毎に64
〜256階調が必要であるため、図59に示すような従
来の多重アドレス法では対応できない。これに鑑み、本
件出願人は以前、アドレス期間と維持放電(発光)期間
を分離して階調表示を制御するようにしたパネル駆動方
式を提案した(特開平4−195188号公報参照)。
【0170】図60にはその方法を例示するタイミング
図が示され、図61にはそれに対応した駆動波形が示さ
れる。図60を参照すると、各サブフレームSF1〜S
F4は全画面で完全に時間的に分離しており、さらに各
サブフレーム内で、表示データの書換えを行うアドレス
期間とその書換えられた表示データに基づく発光表示を
行う維持発光(放電)期間が分離している。なお、N
SF1 〜NSF4 は各サブフレームSF1〜SF4の維持放
電のサイクル数を示し、図示の例では、NSF1
SF2 :NSF3 :NSF4=1:2:4:8となってい
る。
【0171】次に図61を参照すると、図示の駆動波形
では、まず全セル書込みを行い、次いで1ライン毎に線
順次走査により、表示データに応じて発光させないセル
に対して、選択的に消去放電を行う。そして、この選択
消去放電が全ラインに亘って終了した後、維持放電を行
う。この維持放電のサイクル数は、各サブフレームによ
って異なり、256階調表示の場合、その比は1:2:
4:8:16:32:64:128となる。
【0172】また、通常の場合、維持放電の回数は1フ
レームで500回前後であり、この場合、1フレームが
60Hzであれば維持放電の周波数は30kHzとな
る。サブフレームの維持放電サイクル数を変える方式以
外に、入力信号(表示データ)のレベルを変えて輝度を
調整する方法がある。PDP等の平行型表示パネルでは
大部分がディジタル制御であるため、入力信号(表示デ
ータ)がアナログ信号であった場合、その入力信号をA
D変換によりディジタル化して制御回路へ入力するのが
一般的である。この場合、輝度の調整に際して、AD変
換の直前のアナログデータの振幅で制御することも可能
であり、またAD変換後のディジタルデータに対して0
〜100%の乗算を行い、信号レベルを制御することも
可能である。
【0173】上記のような一般の輝度調整の方法のいず
れも、本発明のように壁電荷の安定化を図りながら各サ
ブフレームにおける輝度調整をリニアに制御する機能を
有していないので、細かい輝度調整を行うことは難し
い。上記のように多段階の輝度制御を行う場合、一般的
に言って、各色毎に256階調表示ということは、16
76万色の表示が可能である。通常、最良の環境下で人
間の眼が識別できる色は、1000万色と言われてい
る。高品位TVで256階調が必要と言われる由縁であ
る。128階調では、200万色であるため、不足であ
る。
【0174】しかしながら、輝度を低下させた場合にも
1676万色(=256階調)を実現する必要はない。
なぜなら、暗いレベルでの識別能力は、1000万色を
遙かに下回るからである。この点に着目すれば、最高輝
度で256階調であった場合、50%の輝度では128
階調表示でも十分である。さらに輝度が10%まで低下
した場合には、16階調(=4096色)程度で十分で
ある。
【0175】以上の考えによれば、最高256階調を正
確に制御することができれば、多段階の輝度制御が充分
可能である。
【0176】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
AC型PDP等の表示パネルにおける選択書込み放電が
行われる前までに、選択書込み放電に有効に作用する壁
電荷を、アドレス電極側(蛍光体または誘電体層)に蓄
積するようにしているので、アドレスパルスの低電圧化
ならびに書込みミスの防止に非常に有効となる。この壁
電荷蓄積動作を実現するための手段として、上記の全セ
ル書込み放電および全セル消去放電の2つのステップが
実行される。
【0177】さらに、本発明によれば、表示データの書
込みを行う前に、選択された一表示ラインの全セルに対
する書込みを行った後、選択された一表示ラインの全セ
ルで消去放電を行うようにしているので、選択された一
表示ラインの全セルの状態の均一化を図ることができ、
線順次駆動方法において、書込みミスを回避し、良好な
画像表示を行うことができる。
【0178】さらにまた、本発明によれば、表示データ
の書込みを行う前に、選択された複数の表示ラインの全
セルに対する書込みを行った後、選択された複数の表示
ラインの全セルで消去放電を行うようにしているので、
選択された複数の表示ラインの全セルの状態の均一化を
図ることができ、多重線順次駆動方法において、書込み
ミスを回避し、良好な画像表示を行うことができる。
【0179】さらにまた、本発明によれば、表示データ
の書込みを行う前に、全表示ラインの全セルに対する書
込みを行った後、全表示ラインの全セルで消去放電を行
うようにしているので、全表示ラインの全セルの状態の
均一化を図ることができ、アドレス/維持放電分離駆動
方式において、書込みミスを回避し、良好な画像表示を
行うことができる。
【0180】さらにまた、本発明によれば、表示データ
の書込みを行う前に、全表示ラインの全セルに対する書
込みを行った後、全表示ラインの全セルで消去放電を行
うようにしているので、全表示ラインの全セルの状態の
均一化を図ることができ、アドレス/維持放電分離駆動
方式において、書込みミスを回避し、良好な画像表示を
行うことができると共に、選択された一表示ラインごと
に、順次、点灯させるべきセルでY電極及びアドレス電
極を利用した書込み放電を行わせて表示データの書込み
を行った後、直ちに、X電極に維持放電パルスを印加す
ることにより壁電荷安定のための維持放電を行わせるよ
うにしているので、維持放電期間に至るまで、壁電荷の
安定化を図ることができる。
【0181】さらにまた、本発明においては、X電極
は、表示ラインを複数のブロックにブロック化してなる
各ブロックごとに共通接続されているので、書込みミス
を回避し、良好な画像表示を行うことができると共に、
維持放電期間に至るまで、壁電荷の安定化を図ることが
でき、しかも、アドレス期間における壁電荷安定のため
の維持放電パルスによる消費電力の低減化を図ることが
できる。すなわち、表示データの書込みを行うアドレス
期間時、表示データの書込みを行う表示ラインを含むブ
ロックのX電極にのみ、壁電荷の安定化を図るための維
持放電パルスを印加し、書込みを行う表示ラインを含ま
ないブロックのX電極には壁電荷の安定化を図るための
維持放電パルスを印加しないで済む。
【0182】また一方で、本発明によれば、非選択ライ
ンの第2の電極に印加する電圧を、維持放電パルスの電
位よりも低くするか若しくはアドレス電圧と同等とする
ので、隣接Y電極間の放電空間に加えられる実効電圧を
放電開始電圧以下に抑えることができ、隣接Y電極間に
おける異常放電を回避できる。さらに、本発明の適用例
によれば、アドレス期間と維持発光(放電)期間を分離
して表示パネルを駆動する方法において、フルカラー表
示のための多階調駆動を行う場合、多段階の輝度調整を
精度良く行うことができる。
【0183】また、輝度を小さくした場合の無効電力を
低減し、輝度に応じた低消費電力駆動を実現することが
できる。さらに、全面書込みを伴うAC型PDPの場
合、低輝度時のコントラストを改善することができる。
さらに、本発明の適用例によれば、アドレス期間と維持
発光(放電)期間を分離して表示パネルを駆動する方法
においてフルカラー表示のための多階調駆動を行う場
合、多段階の輝度調整を行うことができる。
【0184】また、輝度を小さくした場合の無効電力を
低減し、輝度に応じた低消費電力駆動を実現することが
できる。さらに、全セル書込みを伴うAC型PDPの場
合、低輝度時のコントラストを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動のモデルを示す図である。
【図2】2電極型の駆動のモデルおよび駆動波形を示す
図である。
【図3】一般の3電極・自己消去アドレス型の駆動のモ
デルおよび駆動波形を示す図である。
【図4】一般の3電極・選択書込みアドレス型の駆動の
モデルおよび駆動波形を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例を示す波形図である。
【図6】本発明の第2実施例を示す波形図である。
【図7】本発明の第3実施例を示す波形図である。
【図8】本発明の第4実施例を示す波形図である。
【図9】本発明の第4実施例における選択ラインの選択
方法の一例を示すタイムチャートである。
【図10】本発明の第5実施例を示す波形図である。
【図11】本発明の第6実施例を示す波形図である。
【図12】X電極とY電極との間に存在する容量を示す
図である。
【図13】本発明の第7実施例を示す概略的平面図であ
る。
【図14】本発明の第7実施例(PDP)及びその周辺
回路を示す図である。
【図15】本発明の第7実施例を駆動する方法を示す波
形図である。
【図16】本発明の第7実施例を駆動する方法を示す波
形図である。
【図17】本発明の第8実施例を示す波形図である。
【図18】本発明の第8実施例の動作モデル図である。
【図19】本発明の第8実施例を示す別の波形図であ
る。
【図20】本発明の第8実施例の動作モデル図である。
【図21】本発明の第8実施例を適用するPDPのブロ
ック図である。
【図22】YスキャンドライバとYドライバを含む構成
図である。
【図23】図22の動作波形図である。
【図24】図22の簡略図である。
【図25】Xドライバの詳細図である。
【図26】アドレスドライバの詳細図である。
【図27】YスキャンドライバとYドライバを含む他の
構成図である。
【図28】図27の動作波形図である。
【図29】図27の簡略図である。
【図30】YスキャンドライバとYドライバを含むさら
に他の構成図である。
【図31】好ましいPDPのセル断面図である。
【図32】本発明の第9実施例の駆動波形を示す図であ
る。
【図33】本発明の第10実施例の駆動波形を示す図で
ある。
【図34】本発明の第11実施例の駆動波形を示す図で
ある。
【図35】本発明の第11実施例の駆動のモデルを示す
図である。
【図36】本発明の第12実施例の駆動波形を示す図で
ある。
【図37】本発明の第13実施例の駆動のモデルを示す
図である。
【図38】図37の駆動波形を示す図である。
【図39】従来のPDPの一例を示す概略的平面図であ
る。
【図40】セルの基本構造を示す概略的断端面図であ
る。
【図41】図39に示す従来のPDP及びその周辺回路
を示す図である。
【図42】図39に示すPDPを駆動する従来の方法の
第1の例を示す波形図である。
【図43】選択ラインの選択方法を示すタイムチャート
である。
【図44】図39に示すPDPを駆動する従来の方法の
第2の例を示す波形図である。
【図45】16階調表示を行う場合の方法を説明するた
めの図である。
【図46】図39に示すPDPを駆動する従来の方法の
第3の例を示す波形図である。
【図47】X−Y−Y−X配列のレイアウト図である。
【図48】異常放電を説明するための第1の動作モデル
図である。
【図49】異常放電を説明するための第2の動作モデル
図である。
【図50】異常放電を説明するための第3の動作モデル
図である。
【図51】異常放電を説明するための第4の動作モデル
図である。
【図52】本発明をPDPの輝度調整に適用した例を説
明するためのタイミング図である。
【図53】図52の駆動方法を実現するための回路構成
を示すブロック図である。
【図54】一般の輝度調整を行わない場合のPDPの駆
動方法を説明するためのタイミング図である。
【図55】一般の消去放電により輝度調整を行った場合
のPDPの駆動方法を説明するためのタイミング図であ
る。
【図56】図55の駆動方法に対応した駆動波形図であ
る。
【図57】一般の維持放電の間引きにより輝度調整を行
った場合のPDPの駆動方法を説明するためのタイミン
グ図である。
【図58】図56の駆動方法に対応した駆動波形図であ
る。
【図59】一般の輝度調整のための階調表示を行う場合
のPDPの駆動方法を説明するためのタイミング図であ
る。
【図60】アドレス期間と維持放電期間を分離して階調
表示を行う場合のPDPの駆動方法を説明するためのタ
イミング図である。
【図61】図60の駆動方法に対応した駆動波形図であ
る。
【符号の説明】
36…書込みパルス 37…維持放電パルス 38…細幅消去パルス 39,40…アドレスパルス 41,42…維持放電パルス SF1〜SF8…1画面を形成する1フレームを構成す
るサブフレーム NSF1 〜NSF8 …各サブフレームの維持放電のサイクル
数 111…外部調整手段(ボリューム) 112…A/D変換器 113…セレクタ 114,121…ラッチ 115…除算器 116,118…カウンタ 117…比較器 119,120…デコーダ

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基板に第1および第2の電極を表
    示ラインごとに平行に配置すると共に、前記第1の基板
    と対向する第2の基板に第3の電極を前記第1および第
    2の電極と直交するように配置し、かつ、前記第1およ
    び第2の電極の一方と前記第3の電極により選択された
    少なくとも1つの表示ラインのセルに対しメモリ機能を
    利用した書込み放電ならびに該書込み放電を維持するた
    めの維持放電による発光表示を行い表示データの書込み
    を実行する表示パネルにおいて、 前記書込み放電を行う前に、前記選択された少なくとも
    1つの表示ラインの全セルで前記第1および第2の電極
    を利用した全セル書込み放電を行うステップと、 前記選択された少なくとも1つの表示ラインの全セルで
    前記第1および第2の電極を利用した全セル消去放電を
    行うステップとを備えることを特徴とする表示パネルの
    駆動方法。
  2. 【請求項2】 第1の基板に第1および第2の電極を表
    示ラインごとに平行に配置すると共に、前記第1の基板
    と対向する第2の基板に第3の電極を前記第1および第
    2の電極と直交するように配置し、かつ、前記第1およ
    び第2の電極の一方と前記第3の電極により選択された
    少なくとも1つの表示ラインのセルに対しメモリ機能を
    利用した書込み放電ならびに該書込み放電を維持するた
    めの維持放電による発光表示を行い表示データの書込み
    を実行する交流型のプラズマ・ディスプレイ・パネルか
    らなる表示パネルにおいて、 該表示パネルにおける各セルのメモリ機能は、前記書込
    み放電により蓄積される壁電荷によって実現され、 前記書込み放電を行う前に、前記選択された少なくとも
    1つの表示ラインの全セルで前記第1および第2の電極
    を利用した全セル書込み放電を行うステップと、 前記選択された少なくとも1つの表示ラインの全セルで
    前記第1および第2の電極を利用した全セル消去放電を
    行うステップとを備え、 前記2つのステップにより、前記書込み放電に有効に作
    用する壁電荷を、少なくとも前記第3の電極側に前もっ
    て蓄積しておくことを特徴とする表示パネルの駆動方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第1の電極が共通接続され、かつ、
    前記第2の電極が前記表示ラインごとに独立してなるプ
    ラズマ・ディスプレイ・パネルから構成される表示パネ
    ルにおいて、 前記選択された1つの表示ラインごとに順に前記表示デ
    ータの書込みを行う場合、前記選択された表示ラインの
    全セルで前記第1および第2の電極を利用した前記全セ
    ル書込み放電を行わせた後、前記維持放電を行わせ又は
    行わさせず、前記選択された表示ラインの第2の電極又
    は前記第1の電極に消去パルスを印加することによって
    前記選択された表示ラインの全セルで前記全セル消去放
    電を行わせ、次に、発光させるべきセルにつき前記第2
    および第3の電極を利用した前記書込み放電を行わせて
    前記表示データの書込みを実行する請求項2記載の駆動
    方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の電極が共通接続され、かつ、
    前記第2の電極が前記表示ラインごとに独立してなるプ
    ラズマ・ディスプレイ・パネルから構成される表示パネ
    ルにおいて、 前記選択された複数の表示ラインごとに順に前記表示デ
    ータの書込みを行う場合、前記選択された複数の表示ラ
    インの全セルで前記第1および第2の電極を利用した前
    記全セル書込み放電を行わせた後、前記維持放電を行わ
    させ又は行わさせず、前記選択された複数の表示ライン
    の第2の電極又は前記第1の電極に消去パルスを印加す
    ることによって前記選択された表示ラインの全セルで前
    記全セル消去放電を行わせ、次に、発光させるべきセル
    につき前記第2および第3の電極を利用した前記書込み
    放電を行わせて前記表示データの書込みを実行する請求
    項2記載の駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の電極が共通接続され、かつ、
    前記第2の電極が前記表示ラインごとに独立してなるプ
    ラズマ・ディスプレイ・パネルから構成される表示パネ
    ルにおいて、 全表示ラインの全セルで前記第1および第2の電極を利
    用した前記全セル書込み放電を行わせた後、前記維持放
    電を行わせ又は行わさせず、全表示ラインの第2の電極
    又は前記第1の電極に消去パルスを印加することによっ
    て全表示ラインの全セルで前記全セル消去放電を行わ
    せ、次に、前記選択された1つの表示ラインごとに、順
    次、発光させるべきセルで前記第2および第3の電極を
    利用した前記書込み放電を行わせて前記表示データの書
    込みを実行し、全表示ラインにつき前記表示データの書
    込みが終了した後、全表示ラインの発光させるべきセル
    で前記第1および第2の電極を利用した前記維持放電を
    行わせる請求項2記載の駆動方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の電極が共通接続され、かつ、
    前記第2の電極が前記表示ラインごとに独立してなるプ
    ラズマ・ディスプレイ・パネルから構成される表示パネ
    ルにおいて、 全表示ラインの全セルで前記第1および第2の電極を利
    用した前記全セル書込み放電を行わせた後、前記維持放
    電を行わせ又は行わさせず、全表示ラインの第2の電極
    又は前記第1の電極に消去パルスを印加することによっ
    て全表示ラインの全セルで前記全セル消去放電を行わ
    せ、次に、前記選択された1つの表示ラインごとに、順
    次、発光させるべきセルで前記第2および第3の電極を
    利用した前記書込み放電を行わせて前記表示データの書
    込みを実行すると共に、その後、直ちに、前記第1の電
    極に維持放電パルスを印加することにより壁電荷安定の
    ための維持放電を行わせ、全表示ラインにつき前記表示
    データの書込みが終了した後、全表示ラインの発光させ
    るべきセルで前記第1および第2の電極を利用した前記
    維持放電を行わせる請求項2記載の駆動方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の電極が、前記表示ラインを複
    数のブロックにブロック化してなる各ブロックごとに共
    通接続され、かつ、前記第2の電極が、前記表示ライン
    ごとに独立してなる請求項2記載の駆動方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の電極が、前記表示ラインを複
    数のブロックにブロック化してなる各ブロックごとに共
    通接続され、かつ、前記第2の電極が、前記表示ライン
    ごとに独立してなるプラズマ・ディスプレイ・パネルか
    ら構成される表示パネルにおいて、 全表示ラインの全セルで前記第1および第2の電極を利
    用した前記全セル書込み放電を行わせた後、維持放電を
    行わせ又は行わさせず、全表示ラインの第2の電極又は
    前記第1の電極に消去パルスを印加することによって全
    表示ラインの全セルで前記全セル消去放電を行わせ、次
    に、前記選択された1つの表示ラインごとに、順次、発
    光させるべきセルで前記第2および第3の電極を利用し
    た前記書込み放電を行わせて前記表示データの書込みを
    実行すると共に、その後、直ちに、発光させるべきセル
    が含まれるブロックの第1の電極に維持放電パルスを印
    加することにより壁電荷安定のための維持放電を行わ
    せ、全表示ラインにつき前記表示データの書込みが終了
    した後、全表示ラインの発光させるべきセルで前記第1
    および第2の電極を利用した前記維持放電を行わせる請
    求項2記載の駆動方法。
  9. 【請求項9】 ライン周期で順次に選択駆動される複数
    の前記第2の電極のうちの相隣る2本の電極間に、単一
    のドライバ回路で駆動される第1の電極を配置して構成
    するプラズマ・ディスプレイ・パネルからなる表示パネ
    ルにおいて、 非選択表示ラインの第2の電極に印加する電圧を、前記
    維持放電を行わせる維持放電パルスの電位よりも低くす
    るか、もしくは前記書込み放電に必要なアドレス電圧と
    同等とすることを特徴とする請求項2記載の駆動方法。
  10. 【請求項10】 前記選択された表示ラインの全セルで
    前記第1および第2の電極を利用した前記全セル書込み
    放電を行なわせる直前に、該第1および第2の電極を利
    用した消去放電を行わせる請求項3記載の駆動方法。
  11. 【請求項11】 前記選択された複数の表示ラインの全
    セルで前記第1および第2の電極を利用した前記全セル
    書込み放電を行わせる直前に、該第1および第2の電極
    を利用した消去放電を行わせる請求項4記載の駆動方
    法。
  12. 【請求項12】 前記の全表示ラインの全セルで前記第
    1および第2の電極を利用した前記全セル書込み放電を
    行わせる直前に、該第1および第2の電極を利用した消
    去放電を行わせる請求項5記載の駆動方法。
  13. 【請求項13】 前記の全表示ラインの全セルで前記第
    1および第2の電極を利用した前記全セル書込み放電を
    行わせる直前に、該第1および第2の電極を利用した消
    去放電を行わせる請求項6記載の駆動方法。
  14. 【請求項14】 前記の全表示ラインの全セルで前記第
    1および第2の電極を利用した前記全セル書込み放電を
    行わせる直前に、該第1および第2の電極を利用した消
    去放電を行わせる請求項8記載の駆動方法。
  15. 【請求項15】 前記選択された表示ラインの全セルで
    前記第1および第2の電極を利用した前記全セル書込み
    放電を行わせた直後に、消去放電とならない程度の細幅
    パルスを印加して維持放電を行わせる請求項3記載の駆
    動方法。
  16. 【請求項16】 前記選択された複数の表示ラインの全
    セルで前記第1および第2の電極を利用した前記全セル
    書込み放電を行わせた直後に、消去放電とならない程度
    の細幅パルスを印加して維持放電を行わせる請求項3記
    載の駆動方法。
  17. 【請求項17】 前記の全表示ラインの全セルで前記第
    1および第2の電極を利用した前記全セル書込み放電を
    行わせた直後に、消去放電とならない程度の細幅パルス
    を印加して維持放電を行わせる請求項5記載の駆動方
    法。
  18. 【請求項18】 前記の全表示ラインの全セルで前記第
    1および第2の電極を利用した前記全セル書込み放電を
    行わせた直後に、消去放電とならない程度の細幅パルス
    を印加して維持放電を行わせる請求項6記載の駆動方
    法。
  19. 【請求項19】 前記の全表示ラインの全セルで前記第
    1および第2の電極を利用した前記全セル書込み放電を
    行わせた直後に、消去放電とならない程度の細幅パルス
    を印加して維持放電を行わせる請求項8記載の駆動方
    法。
  20. 【請求項20】 前記表示パネルで1画面を形成する1
    フレームがそれぞれ輝度の異なる複数のサブフレーム
    (SF1〜SF8)を有し、各サブフレームが、前記表
    示データの書換えを行うアドレス期間と該書き換えられ
    た表示データに基づく発光表示を繰り返し行う維持放電
    期間を有し、該アドレス期間および維持放電期間をセル
    群の全てに亘り時間的に分離して表示パネルを駆動し、
    それによって階調表示を行う場合の全画面に対する輝度
    調整を行うようにした表示パネルの駆動方法において、 前記各サブフレームにおける維持放電の回数(NSF1
    SF8 )をそれぞれ同じ比率で増減し、それによって全
    画面に亘る輝度を制御するようにした請求項1記載の駆
    動方法。
  21. 【請求項21】 前記階調表示のための駆動を行う際
    に、輝度の重みが最大のサブフレームにおける維持放電
    の回数を決定し、該決定した回数に基づいて次に輝度の
    重みが大きいサブフレームにおける維持放電の回数を決
    定し、以降同様にして、輝度の重みの大きさが1ランク
    上のサブフレームにおける維持放電の回数に基づいて当
    該サブフレームにおける維持放電の回数を決定するよう
    にした請求項20記載の駆動方法。
  22. 【請求項22】 当該サブフレームにおける維持放電の
    回数を輝度の重みの大きさが1ランク上のサブフレーム
    における維持放電の回数の1/2に設定した請求項21
    記載の駆動方法。
  23. 【請求項23】 前記維持放電の回数を決定する際に前
    記1/2に設定することで端数が出た場合には該端数の
    切り捨てまたは切り上げのいずれかを行う請求項22記
    載の駆動方法。
  24. 【請求項24】 前記表示パネルが交流型のプラズマ・
    ディスプレイ・パネルであり、該表示パネルにおける各
    セルのメモリ機能は書込み放電により蓄積される壁電荷
    によって実現される請求項1記載の駆動方法。
  25. 【請求項25】 前記表示パネルが交流型のプラズマ・
    ディスプレイ・パネルであり、該表示パネルにおける各
    セルのメモリ機能は書込み放電により蓄積される壁電荷
    によって実現される請求項20記載の駆動方法。
  26. 【請求項26】 第1の基板に第1および第2の電極を
    表示ラインごとに平行に配置すると共に、前記第1の基
    板と対向する第2の基板に第3の電極を前記第1および
    第2の電極と直交するように配置し、かつ、前記第1お
    よび第2の電極の一方と前記第3の電極により選択され
    た少なくとも1つの表示ラインのセルに対しメモリ機能
    を利用した書込み放電ならびに該書込み放電を維持する
    ための維持放電による発光表示を行い表示データの書込
    みを実行する表示パネルにおいて、 前記第1の電極、第2の電極および第3の電極に対し前
    記表示データの書込みを実行するための複数種の駆動電
    圧パルスを供給する駆動手段と、 該複数種の駆動電圧パルスを供給する順序を制御する制
    御手段とを備え、 該制御手段は、該駆動手段により、前記書込み放電を行
    う前に、前記選択された少なくとも1つの表示ラインの
    全セルで前記第1および第2の電極を利用した全セル書
    込み放電を行うための書込みパルスを印加し、かつ、前
    記選択された少なくとも1つの表示ラインの全セルで前
    記第1および第2の電極を利用した全セル消去放電を行
    うための消去パルスを印加するように構成されることを
    特徴とする表示パネルの駆動装置。
  27. 【請求項27】 第1の基板に第1および第2の電極を
    表示ラインごとに平行に配置すると共に、前記第1の基
    板と対向する第2の基板に第3の電極を前記第1および
    第2の電極と直交するように配置し、かつ、前記第1お
    よび第2の電極の一方と前記第3の電極により選択され
    た少なくとも1つの表示ラインのセルに対しメモリ機能
    を利用した書込み放電ならびに該書込み放電を維持する
    ための維持放電による発光表示を行い表示データの書込
    みを実行する交流型のプラズマ・ディスプレイ・パネル
    からなる表示パネルにおいて、 該表示パネルにおける各セルのメモリ機能は、前記書込
    み放電により蓄積される壁電荷によって実現され、 前記第1の電極、第2の電極および第3の電極に対し前
    記表示データの書込みを実行するための複数種の駆動電
    圧パルスを供給する駆動手段と、 該複数種の駆動電圧パルスを供給する順序を制御する制
    御手段とを備え、 該制御手段は、該駆動手段により、前記書込み放電を行
    う前に、前記選択された少なくとも1つの表示ラインの
    全セルで前記第1および第2の電極を利用した全セル書
    込み放電を行うための書込みパルスを印加すると共に、
    前記選択された少なくとも1つの表示ラインの全セルで
    前記第1および第2の電極を利用した全セル消去放電を
    行うための消去パルスを印加し、前記書込み放電に有効
    に作用する壁電荷を、少なくとも前記第3の電極側に前
    もって蓄積しておくように構成されることを特徴とする
    表示パネルの駆動装置。
  28. 【請求項28】 前記選択された1つの表示ラインごと
    に順に前記表示データの書込みを行う場合、前記制御手
    段が、前記駆動手段により、前記選択された表示ライン
    の全セルで前記第1および第2の電極を利用した前記全
    セル書込み放電を行うための書込みパルスを印加すると
    共に、前記維持放電を行うための維持パルスを選択的に
    印加し、かつ、前記選択された表示ラインの第2の電極
    又は前記第1の電極に前記全セル消去放電を行うための
    消去パルスを印加すると共に、発光させるべきセルにつ
    き前記第2および第3の電極を利用した前記書込み放電
    を行わせて前記表示データの書込みを行うための書込み
    パルスを印加するように構成される請求項27記載の駆
    動装置。
  29. 【請求項29】 前記選択された複数の表示ラインごと
    に順に前記表示データの書込みを行う場合、前記制御手
    段が、前記駆動手段により、前記選択された複数の表示
    ラインの全セルで前記第1および第2の電極を利用した
    前記全セル書込み放電を行うための書込みパルスを印加
    すると共に、前記維持放電を行うための維持パルスを選
    択的に印加し、かつ、前記選択された表示ラインの第2
    の電極又は前記第1の電極に前記全セル消去放電を行う
    ための消去パルスを印加すると共に、発光させるべきセ
    ルにつき前記第2および第3の電極を利用した前記書込
    み放電を行わせて前記表示データの書込みを行うための
    書込みパルスを印加するように構成される請求項27記
    載の駆動装置。
  30. 【請求項30】 前記第3の電極と、前記第1および第
    2の電極との間に形成される放電空間から該第3の電極
    を隔離するための絶縁層を設け、該絶縁層上に前記壁電
    荷が蓄積されるように構成される請求項27記載の駆動
    装置。
  31. 【請求項31】 前記表示パネルで1画面を形成する1
    フレームがそれぞれ輝度の異なる複数のサブフレーム
    (SF1〜SF8)を有し、各サブフレームが表示デー
    タの書換えを行うアドレス期間とその書き換えられた表
    示データに基づく発光表示を繰り返し行う維持放電期間
    を有し、該アドレス期間および維持放電期間をセル群の
    全てに亘り時間的に分離して前記表示パネルを駆動し、
    それによって階調表示を行う場合の全画面に対する輝度
    調整を行うようにした前記駆動装置が、さらに、 輝度の重みが最大のサブフレームにおける維持放電の回
    数を決定する第1の手段(111〜113)と、 該決定された回数に基づいて次に輝度の重みが大きいサ
    ブフレームにおける維持放電の回数を決定する第2の手
    段(115)とを具備する請求項26記載の駆動装置。
  32. 【請求項32】 前記第1および第2の手段を用いて輝
    度調整を行う際にサブフレームの維持放電の回数が0と
    なった場合、当該サブフレームにおいて行われるべき動
    作を中止する手段(120,121)を更に具備する請
    求項31記載の駆動装置。
  33. 【請求項33】 当該サブフレームの次のサブフレーム
    における維持放電の回数を決定するデータを保持する手
    段(114)と、 当該サブフレームにおける維持放電の回数をカウントす
    る手段(116)と、 該カウントされた値を前記保持されたデータと比較する
    手段(117)と、 該比較に基づいて両者が一致した時に次のサブフレーム
    への移行を指令する手段(118,119)とを更に具
    備する請求項32記載の駆動装置。
  34. 【請求項34】 前記第1の手段が、輝度の重みが最大
    のサブフレームにおける維持放電の回数を任意に設定可
    能な手段(111)を有することを特徴とする請求項3
    1記載の駆動装置。
  35. 【請求項35】 前記表示パネルが交流型のプラズマ・
    ディスプレイ・パネルであり、前記表示パネルにおける
    各セルのメモリ機能は書込み放電によって蓄積される壁
    電荷によって実現される請求項26記載の駆動装置。
  36. 【請求項36】 前記表示パネルが交流型のプラズマ・
    ディスプレイ・パネルであり、該表示パネルにおける各
    セルのメモリ機能は書込み放電により蓄積される壁電荷
    によって実現される請求項31記載の駆動装置。
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