JPH06186117A - ノッキング制御方法および装置 - Google Patents

ノッキング制御方法および装置

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Publication number
JPH06186117A
JPH06186117A JP33923392A JP33923392A JPH06186117A JP H06186117 A JPH06186117 A JP H06186117A JP 33923392 A JP33923392 A JP 33923392A JP 33923392 A JP33923392 A JP 33923392A JP H06186117 A JPH06186117 A JP H06186117A
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JP
Japan
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knocking
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frequency
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Withdrawn
Application number
JP33923392A
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English (en)
Inventor
Ryuichi Nakamura
隆一 中村
Masatsugu Kamimura
正継 上村
Akihiro Ota
明宏 太田
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Denso Ten Ltd
Original Assignee
Denso Ten Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内燃機関の種類や仕様の違いに容易に対応可
能とするとともに、ノッキングを高精度に検出する。 【構成】 クランク角センサ5の出力に応答して、点火
行程に入る気筒のピストンが上死点に到達してから、次
の気筒のピストンが上死点に到達するまでの期間におい
て、所定のクランク角の期間を観測期間W1に設定し、
この観測期間W1内を複数の解析区間W3に区分してノ
ックセンサ2の出力の周波数解析を行う。その解析結果
のスペクトラム分布において、各観測期間W1に亘っ
て、ノッキングの発生する可能性のある複数の周波数帯
域F1,F2,…を設定し、各帯域毎に、該帯域内のス
ペクトラムパワーの加算値が指標値S1,S2,…に設
定され、その移動平均に基づいてノッキング判定基準V
が作成され、該基準Vを用いた判定結果に対応して点火
時期制御が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の点火時期制
御装置などで好適に実施されるノッキング制御方法およ
び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の点火時期制御を行うにあたっ
て、従来から用いられているノッキング制御方法では、
内燃機関のノッキングによる振動を検出するノックセン
サからの出力のうち、ノッキングによる周波数成分のみ
をバンドパスフィルタによって濾波し、その濾波出力を
レベル弁別することによってノッキングの有無を判定
し、その判定結果に対応して点火進角量を制御するよう
に構成されている。前記ノックセンサは、シリンダブロ
ックに取付けられる、いわゆるピエゾ式の加速度センサ
や、シリンダ内圧を検出する圧力センサなどで実現され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術では、
前記バンドパスフィルタの中心周波数は、ノッキングに
よるシリンダブロックの共振周波数の代表値である、た
とえば7.1kHzに選ばれている。しかしながら実際
には、図7(1)で示す複数の各共振モードに対応し
て、共振周波数は図7(2)で示されるように変化す
る。この図7(1)はシリンダ内の圧力分布を示す図で
あり、参照符+は相対的に圧力が高い領域を示し、参照
符−は相対的に圧力が低い領域を示す。
【0004】図7(2)から明らかなように、共振モー
ドが異なると共振周波数も大きく異なってしまい、また
この共振周波数は、内燃機関の気筒数や、検出すべき気
筒とセンサとの距離差によっても変化する。したがっ
て、内燃機関の種類や仕様毎に前記共振周波数がばらつ
いてしまい、前記バンドパスフィルタの共振周波数の合
わせ込みが煩雑になるという問題がある。
【0005】また、排ガス浄化の観点や低燃費化の観点
から、自動車メーカでは圧縮比を上げることによってこ
れらの改善を図ろうとしている。しかしながら、高回転
側になるにつれて増加する前記7.1kHz以外の共振
周波数成分の影響を軽減するために、高回転時の点火時
期は低回転時の最適値よりも大きく遅角されている。
【0006】本発明の目的は、内燃機関の種類や仕様の
違いに容易に対応することができるとともに、ノッキン
グを高精度に検出することができるノッキング制御方法
および装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、クランク角セ
ンサの出力に応答してピストンの上死点間に設定される
所定のノッキング観測期間を複数の解析区間に区分し、
前記各解析区間においてノックセンサの出力の周波数解
析を行い、その解析結果のスペクトラム分布において複
数の各周波数帯域を予め設定し、前記観測期間に亘る前
記各周波数帯域内におけるスペクトラムパワーの加算値
を指標値に設定し、前記各指標値に基づいてノッキング
判定を行い、その判定結果に対応して点火進角を制御す
ることを特徴とするノッキング制御方法である。
【0008】また本発明の、前記ノッキング判定は、前
記各指標値に基づいてノッキング判定基準を作成し、前
記各周波数帯域の指標値のいずれか1つが前記ノッキン
グ判定基準以上であるか否かによって行われることを特
徴とする。
【0009】さらにまた本発明の前記ノッキング判定
は、前記各指標値に基づいてノッキング判定基準を作成
し、複数の周波数帯域の指標値が前記ノッキング判定基
準以上であるか否かによって行われることを特徴とす
る。
【0010】また本発明の前記ノッキング判定基準は、
各周波数帯域の指標値毎に、該指標値をフィルタリング
して作成されることを特徴とする。
【0011】さらにまた本発明の前記ノッキング判定基
準は、各周波数帯域の指標値の和をフィルタリングして
作成されることを特徴とする。
【0012】また本発明の前記ノッキング判定基準は、
各周波数帯域の指標値にそれぞれ重み付けを行って加算
した値をフィルタリングして作成されることを特徴とす
る。
【0013】さらにまた本発明は、クランク角センサの
出力に応答してピストンの上死点間に設定される所定の
ノッキング観測期間を複数の解析区間に区分し、前記各
解析区間においてノックセンサの出力の周波数解析を行
い、その解析結果のスペクトラム分布において複数の各
周波数帯域を予め設定し、前記観測期間に亘る前記各周
波数帯域内におけるスペクトラムパワーの加算値を前記
複数の各周波数帯域の全帯域に亘って加算した値、また
は前記加算値のそれぞれに重み付けを行って全帯域に亘
って加算した値を指標値に設定し、前記指標値に基づい
てノッキング判定を行い、その判定結果に対応して点火
進角を制御することを特徴とするノッキング制御方法で
ある。
【0014】また本発明は、クランク角センサの出力に
応答してピストンの上死点間に設定される所定のノッキ
ング観測期間を複数の解析区間に区分し、前記各解析区
間においてノックセンサの出力の周波数解析を行い、そ
の解析結果のスペクトラム分布において複数の各周波数
帯域を予め設定し、前記観測期間に亘る前記各周波数帯
域内におけるスペクトラムパワーのそれぞれに重み付け
を行って加算し、その加算値を前記複数の各周波数帯域
の全帯域に亘って加算した値、または前記加算値のそれ
ぞれに重み付けを行って全帯域に亘って加算した値を指
標値に設定し、前記指標値に基づいてノッキング判定を
行い、その判定結果に対応して点火進角を制御すること
を特徴とするノッキング制御方法である。
【0015】さらにまた本発明の前記ノッキング判定
は、前記指標値をフィルタリングしてノッキング判定基
準を作成し、前記指標値がこのノッキング判定基準以上
であるか否かによって行われることを特徴とする。
【0016】また本発明は、内燃機関のノッキングを検
出するノックセンサと、内燃機関の回転角度位置を検出
するクランク角センサと、前記クランク角センサの出力
に応答して内燃機関のピストンの上死点間に設定される
所定のノッキング観測期間を複数の解析区間に区分し、
各解析区間毎に前記ノックセンサからの出力の周波数解
析を行う解析手段と、前記観測期間に亘る解析手段の解
析結果から、複数の各周波数帯域毎に指標値を求める指
標値設定手段と、前記指標値に基づいてノッキング判定
を行い、その判定結果に対応して点火進角を制御する制
御手段とを含むことを特徴とするノッキング制御装置で
ある。
【0017】
【作用】本発明に従えば、クランク角センサの出力に応
答して、内燃機関がたとえば4気筒4サイクルの内燃機
関である場合には180°クランク角(以下、°CAと
いう)毎の、また6気筒であるときには120°CA毎
の、或る気筒のピストンが上死点に到達してから次の気
筒のピストンが上死点に到達するまでの期間において、
たとえば上死点から10°〜110°CA間がノッキン
グ観測期間に設定される。またこの観測期間は、周波数
解析のためのサンプリング周期などに対応して、複数の
解析区間に区分されている。前記各解析区間において、
圧電素子などで実現されるノックセンサの出力の周波数
解析が行われ、すなわち各周波数におけるスペクトラム
パワーが解析される。
【0018】前記観測期間に亘るその解析結果のスペク
トラムパワーにおいて、ノッキングの発生を表す信号成
分を含んでいる可能性のある、たとえば7kHz,11
kHz,13kHz,15kHzおよび19kHzなど
の周波数をほぼ中心周波数として、複数の各周波数帯域
を予め設定しておく。次に前記観測期間に亘る前記各周
波数帯域内におけるスペクトラムパワーの加算値を指標
値に設定する。すなわち、複数の解析区間から成る観測
期間全体に亘って、相互に対応している同一の周波数帯
域内でのスペクトラムパワーの加算値をその周波数帯域
での指標値に設定する。あるいは、前記スペクトラムパ
ワーのそれぞれに重み付けを行って加算した値を指標値
に設定する。
【0019】こうして求められた指標値に基づいて、た
とえば該指標値の予め定める演算タイミングだけ以前の
値までに、たとえば移動平均などのフィルタ処理が施さ
れてノッキング判定基準が設定される。このノッキング
判定基準に対して、前記観測期間内で該各ノッキング判
定基準に対応する指標値(加算値)のいずれか1つでも
該ノッキング判定基準以上となっていると、ノッキング
が発生しているものと判定する。あるいは複数の指標値
が前記ノッキング判定基準以上であるとき、すなわち共
振モード毎に異なるノッキング周波数に対応している指
標値の複数が前記ノッキング判定基準以上となると、ノ
ッキングが発生しているものと判定してもよい。その判
定結果に対応して、ノッキングが発生しているときには
点火進角量が小さく制御される。
【0020】したがって、内燃機関の気筒数などの種類
や仕様の違いに対しても、またノッキングの振動モード
の違いに対しても、ノックセンサの出力からノッキング
成分を正確に抽出してノッキング判定を行うことがで
き、汎用性を向上することができるとともに、判定精度
を向上することができる。
【0021】また本発明に従えば、前記周波数解析結果
のスペクトラム分布から、上述のようにして求められる
前記観測期間に亘る複数の各周波数帯域毎の指標値を加
算した値、または各指標値に重み付けを行って加算した
値を指標値とすることによって、ノッキング判定を簡略
化して行うことができる。
【0022】さらにまた本発明に従えば、上述のような
ノッキング判定を行うにあたって、圧電素子などで実現
され、シリンダブロックなどに取付けられるノックセン
サと、クランク軸の回転角度位置を検出するクランク角
センサと、前記周波数解析を行う解析手段と、その解析
結果から観測期間に亘る複数の各周波数帯域毎の指標値
を求める指標値設定手段とを設け、求められた指標値に
基づいて制御手段が前述のようにノッキング判定を行
い、その判定結果に対応して点火進角を制御する。
【0023】
【実施例】図1は、本発明の一実施例のノッキング制御
方法が用いられる内燃機関の点火時期制御装置1の電気
的構成を示すブロック図である。いわゆるピエゾ式の加
速度センサ等の圧電素子などで実現されるノックセンサ
2は、内燃機関のシリンダブロックなどに固定されてい
る。このノックセンサ2からの出力は、折返しノイズを
防止するために、たとえば遮断周波数が20kHzのロ
ーパスフィルタ(略称LPF)3を介してアナログ/デ
ジタル変換器4に入力される。
【0024】一方、内燃機関の回転角度位置を検出する
ために設けられているクランク角センサ5からは、点火
行程に入ろうとする気筒のピストンが上死点に到達する
毎に、すなわちたとえば内燃機関が4気筒4サイクルの
内燃機関であるときには180°CA毎にクランクパル
スが導出され、また6気筒であるときには120°CA
毎にクランクパルスが導出される。前記クランクパルス
は、入力インタフェイス回路6を介してサンプリング信
号発生回路7に入力される。このサンプリング信号発生
回路7からは、前記クランクパルスに応答してサンプリ
ング信号が導出され、前記アナログ/デジタル変換器4
は、このサンプリング信号に同期して前記ノックセンサ
2からの出力を、たとえば40kHzのサンプリング周
波数でデジタル値に変換した後、周波数解析器8へ出力
する。
【0025】周波数解析器8は、いわゆるデジタルシグ
ナルプロセッサなどで実現され、前記サンプリング信号
に同期して、デジタル値に変換されたノックセンサ出力
を高速フーリエ変換(Fast Fourier Transformation)法
によって周波数解析を行い、その解析結果をノッキング
判定回路9に出力する。ノッキング判定回路9は後述す
るようにして、前記周波数解析器8の出力に基づいて作
成するノッキング周波数、ノッキング信号のみを通過さ
せるためにフィルタリングすべきノッキング周波数帯幅
および信号レベルからノッキング信号と判定するノッキ
ング判定基準Vに基づいて、ノッキングが発生している
か否かの判定を行い、その判定結果をマイクロコンピュ
ータなどで実現される制御回路11へ導出する。
【0026】前記制御回路11に関連して、吸気圧セン
サ12、冷却水温度センサ13、および吸気温度センサ
やスロットル弁開度センサなどの他のセンサ14が設け
られており、これらのセンサ12〜14の検出結果は入
力インタフェイス回路15を介してアナログ/デジタル
変換器16に入力され、デジタル値に変換された後、前
記制御回路11に入力されている。制御回路11にはま
た前記クランク角センサ5からのクランクパルスが入力
されており、制御回路11はこのクランクパルスに応答
して、ノッキング判定回路9の判定結果およびセンサ1
2〜14の検出結果に基づいて点火進角量を演算する。
こうして演算された点火進角量となるように、制御回路
11は出力インタフェイス回路17を介してイグナイタ
18へ点火信号を出力し、点火プラグ19の点火タイミ
ングを駆動制御する。このようにして、ノッキングの発
生を抑えて、大きな点火進角量で点火時期制御を行うこ
とができる。
【0027】図2は、本発明のノッキング判定方法の考
え方を説明するための図である。ノックセンサ2からの
図2(1)で示される出力に対して、観測期間W1は、
ピストンの上死点(TDC)間において、前記上死点か
ら期間W2、たとえば10°CAだけ経過した時点か
ら、たとえば110°CAに到達するまでの期間に設定
される。
【0028】今、内燃機関を4気筒4サイクルとし、ク
ランク角センサ5によって検出される内燃機関の回転速
度を3000rpmとするとき、前記上死点間は180
°CAとなり、その時間は10msecとなる。また、
前記期間W2が経過した観測期間W1の開始時点は前記
上死点から0.56msecだけ経過した時点であり、
該観測期間W1の終了時点は前記上死点から6.11m
secが経過した時点となる。
【0029】一方、アナログ/デジタル変換器4のサン
プリング周波数を前述のように40kHzとし、また周
波数解析を行うにあたって、周波数解析器8内でデータ
を蓄積することができるRAM容量を64データ分とす
ると、図2(2)において参照符W3で示される一解析
区間は1.6msecとなる。したがって、前述のよう
に内燃機関の回転速度が3000rpmであるときに
は、前記観測期間W1内において、この解析区間W3は
図2(2)で示されるように約3.5回だけ設定するこ
とができ、また1500rpmのときには約7回設定す
ることができる。
【0030】周波数解析器8は、前記解析区間W3内で
の全てのサンプリングデータに基づいて、図2(3)で
示されるように周波数f0〜fnまでの帯域において、
複数の各周波数でのスペクトラムパワーを解析する。ノ
ッキング判定回路9は、その解析結果に対して、たとえ
ば7kHz,11kHz,13kHz,15kHzおよ
び19kHzなどのノッキングの発生を表す信号成分を
含んでいる可能性のある周波数を中心として、図2
(3)において参照符F1,F2,…,Fm(総称する
ときは参照符Fで示す)で示されるように複数の各周波
数帯域Fを予め設定しておく。
【0031】その各周波数帯域Fにおいて、図2(4)
で示されるように観測期間W1に亘ってスペクトラムパ
ワーが加算されて指標値S1,S2,…,Sm(総称す
るときは参照符Sで示す)に設定される。
【0032】前記各周波数帯域F毎に求められるこの指
標値Sは平均値SLに演算され、さらにこの平均値SL
に式1で示すようにフィルタ処理が施されてノッキング
判定値vが求められる。
【0033】 v={v(i−1)×7+SLi}/8 …(1) ただし、v(i−1)は前回のノッキング判定値であ
り、SLiは今回の平均値である。
【0034】ノッキング判定回路9は、こうして求めら
れたノッキング判定値vをたとえば3倍した値に設定さ
れるノッキング判定基準Vを今回の指標値Siが超える
と、ノッキングが発生しているものと判断し、制御回路
11に点火進角量を小さくさせる。
【0035】すなわちたとえば、前回の判定値v(i−
1)を50とし、今回の平均値SLiを100とすると
き、今回の判定値vは前記式1から、(50×7+10
0)/8=56.25となる。したがってノッキング判
定基準Vは、56.25×3=168.75となる。し
たがって、今回の指標値たとえばS1が120であると
きにはノッキング判定基準V以下となり、ノッキングが
発生していないものと判定される。
【0036】これに対して次の平均値SL(i+1)
が、たとえば250であるときには前記式1から判定値
vは、(56.25×7+250)/8=80.47と
なり、ノッキング判定基準Vは80.47×3=24
1.41となり、指標値たとえばS1が250であると
きにはノッキングが発生していると判定される。このよ
うにして、ノックセンサ2の出力に対応した点火時期制
御が行われる。
【0037】なお上述の実施例では、ノッキング判定
は、各観測期間W1内においてスペクトラムパワーを加
算して求められる各周波数帯域F1〜Fmの指標値S1
〜Smのうち、いずれか1つの指標値が前記ノッキング
判定基準Vを超えているか否かで行われたけれども、本
発明の他の実施例として、予め定める複数個、たとえば
3個以上の指標値が前記ノッキング判定基準Vを超えて
いるか否かによって行われてもよい。これによって、判
定精度を向上することができる。
【0038】図3は、図2における各周波数帯域F毎の
指標値設定動作を説明するためのフローチャートであ
る。ステップm1では、各指標値S1〜Smが0にリセ
ットされる。ステップm2では、カウンタのカウント値
iが0にリセットされる。なお、このカウント値iの最
小値は0であり、最大値は、解析対象周波数をf0〜f
nHzとし、周波数解析器8の分解能をfdHzとする
とき、(fn−f0)/fdの整数値となる。
【0039】ステップm3では、全ての周波数f0〜f
nについてのスペクトラムパワーの加算動作が終了した
か否かが判断され、そうでないときにはステップm4に
移る。ステップm4ではi番目の周波数fiのスペクト
ラムパワーPiが読込まれ、ステップm5では前記周波
数fiは周波数帯域F1内の周波数であるか否かが判断
され、そうであるときにはステップm6に移る。ステッ
プm6では、指標値S1に前記スペクトラムパワーPi
が加算されて更新される。ステップm7では、前記カウ
ント値iに1が加算されて更新された後、前記ステップ
m3に戻り、こうして或る解析区間W3における周波数
帯域F1の指標値S1が求められると、前記ステップm
5からステップm8に移る。
【0040】ステップm8では周波数fiが周波数帯域
F2内であるか否かが判断され、そうであるときにはス
テップm9で、指標値S2に前記スペクトラムパワーP
iが加算されて更新された後、前記ステップm7からス
テップm3に戻る。こうして前記解析区間W3における
周波数帯域F2の指標値S2が求められると、同様の動
作によって残余の周波数帯域F3〜Fmの指標値S3〜
Smが求められる。ステップm10で、指標値Smが求
められた後にはステップm7からステップm3に戻り、
周波数fnまでの全てのスペクトラムパワーの加算動作
が終了すると、ステップm3からステップm11に移
る。
【0041】ステップm11では、全ての解析区間W3
に関して上述のような指標値S1〜Smの演算動作が終
了したか否かが判断され、そうでないときには前記ステ
ップm2に戻って次の解析区間W3に関して、前記ステ
ップm3〜m10で示される動作を繰返し、指標値S1
〜Smが更新されてゆく。このようにして、複数の解析
区間W3から成る観測期間W1に亘って、各周波数帯域
F1〜Fm内のスペクトラムパワーの加算値が求められ
て指標値S1〜Smの設定動作を終了すると、前記ステ
ップm11から動作を終了する。
【0042】図4は、本発明の他の実施例のノッキング
判定方法の考え方を説明するための図である。この実施
例は前述の図2で示される実施例に類似し、図4(1)
で示されるノックセンサ2からの出力が、図4(2)で
示されるように複数の解析区間W3毎に区分されて、図
4(3)で示されるように周波数解析が行われる。その
解析結果から図4(4)で示されるように、観測期間W
1に亘って、各周波数帯域F毎の指標値Sが求められ
る。この各周波数帯域F毎の指標値Sのそれぞれに前述
の式1で示されるフィルタ演算などが行われて、各周波
数帯域F毎にノッキング判定基準V1,V2,…,Vm
が作成される。
【0043】こうして作成されたノッキング判定基準V
1,V2,…,Vmと、対応する各指標値S1,S2,
…,Smとが比較されてノッキング判定が行われる。な
おこの比較にあたっては、1つの指標値たとえばS1が
ノッキング判定基準V1以上となることによってノッキ
ング有りと判定されてもよく、あるいは複数の周波数帯
域Fの指標値S1,S2,…,Smがそれぞれのノッキ
ング判定基準V1,V2,…,Vm以上となることによ
ってノッキング有りと判定が行われてもよい。
【0044】図5は、本発明のさらに他の実施例のノッ
キング判定方法の考え方を説明するための図である。こ
の実施例において図5(1)〜図5(3)は、それぞれ
前述の図2(1)〜図2(3)に対応している。この実
施例では、図5(3)で示される周波数解析結果から、
図5(4)で示されるように、観測期間W1に亘って、
各周波数帯域F毎に指標値Sが設定される。注目すべき
は、前記一観測期間W1に亘って各周波数帯域F毎に求
められたこれらの指標値Sを、加算して求めた値を実際
の制御に用いる指標値S0に設定する。この指標値S0
から前述の式1に従って前記ノッキング判定基準Vが作
成され、該指標値S0と比較されてノッキング判定が行
われる。これによって、ノッキング判定を簡略化して行
うことができる。
【0045】図6は、本発明の他の実施例のノッキング
判定方法の考え方を説明するための図である。この実施
例は前述の図5で示される実施例に類似し、図6(1)
〜図6(4)はそれぞれ図5(1)〜図5(4)に対応
している。この実施例では、各指標値Sを加算して求め
た指標値S0に前記式1で示されるフィルタ処理などを
行って求められたノッキング判定基準Vは、各周波数帯
域F毎の前記指標値Sとそれぞれ比較されてノッキング
判定が行われる。
【0046】このようにして本発明に従うノッキング制
御方法では、内燃機関の気筒数などの種類や仕様の違い
に対しても、またノッキングの振動モードの違いに対し
ても、ノックセンサ2の出力からノッキング成分を正確
に抽出してノッキング判定を行うことができ、汎用性を
向上することができるとともに、判定精度を向上するこ
とができる。また、サンプリング周期である解析区間W
3およびサンプリングデータ数を一定にして周波数解析
を行うので、内燃機関の回転速度が変化しても容易に解
析を行うことができる。
【0047】さらにまた、ノッキングの発生する可能性
のある各周波数帯域Fのみを対象として指標値Sを求め
るので、バルブの開閉などによるノイズ成分を抽出しな
いようにして、判定精度を向上することができる。
【0048】なお、前記ノッキング判定値vは、前回の
指標値をS(i−1)とし、前々回の指標値をS(i−
2),…とするとき、式2で示すようにして求められて
もよい。
【0049】 v={S(i−1)*α1+S(i−2)*α2+ …S(i−n+1)*α(n+1)+Si}/n …(2) すなわちたとえば、α1=2、α2=1.6、α3=
1.2、…とすると、今回の指標値Siからn−1演算
周期以前の指標値S(i−n+1)までのうち、新しい
指標値ほど影響度が大きくなるように重み付けを行った
移動平均を求めることができる。
【0050】また上述の各実施例では、ノッキング判定
値vは連続する指標値Si,S(i−1),S(i−
2),…から求められたけれども、本発明のさらに他の
実施例として、たとえば4気筒の場合にはSi,S(i
−4),S(i−8),…、また6気筒の場合にはS
i,S(i−6),S(i−12),…、というよう
に、各気筒毎にデータをまとめるようにしてもよい。こ
れによって、ノックセンサ2からの距離差などによる該
ノックセンサ2の各気筒毎の検出感度のばらつきにも対
応することができ、高精度なノッキング判定を行うこと
ができる。さらにまた、各スペクトラムパワーに上述の
ような重み付けが行われた後、加算するようにしてもよ
い。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、内燃機関
の気筒数などの種類や仕様の違いに対しても、またノッ
キングの振動モードの違いに対しても、ノックセンサの
出力からノッキング成分を正確に抽出してノッキング判
定を行うことができ、汎用性を向上することができると
ともに、判定精度を向上することができる。また、サン
プリング周期である解析区間およびサンプリングデータ
数を一定にして周波数解析を行うので、内燃機関の回転
速度が変化しても容易に解析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のノッキング制御方法が用い
られる内燃機関の点火時期制御装置1の電気的構成を示
すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例のノッキング判定方法の考え
方を説明するための図である。
【図3】図2における各周波数帯域F毎の指標値設定動
作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施例のノッキング判定方法の考
え方を説明するための図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例のノッキング判定方
法の考え方を説明するための図である。
【図6】本発明の他の実施例のノッキング判定方法の考
え方を説明するための図である。
【図7】ノッキングによるシリンダブロックの共振モー
ドと、共振周波数との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 点火時期制御装置 2 ノックセンサ 5 クランク角センサ 7 サンプリング信号発生回路 8 周波数解析器 9 ノッキング判定回路 11 制御回路 12〜14 センサ S0,S1,S2,… 指標値 W1 観測期間 W3 解析区間

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク角センサの出力に応答してピス
    トンの上死点間に設定される所定のノッキング観測期間
    を複数の解析区間に区分し、 前記各解析区間においてノックセンサの出力の周波数解
    析を行い、 その解析結果のスペクトラム分布において複数の各周波
    数帯域を予め設定し、前記観測期間に亘る前記各周波数
    帯域内におけるスペクトラムパワーの加算値を指標値に
    設定し、 前記各指標値に基づいてノッキング判定を行い、 その判定結果に対応して点火進角を制御することを特徴
    とするノッキング制御方法。
  2. 【請求項2】 前記ノッキング判定は、前記各指標値に
    基づいてノッキング判定基準を作成し、前記各周波数帯
    域の指標値のいずれか1つが前記ノッキング判定基準以
    上であるか否かによって行われることを特徴とする請求
    項1記載のノッキング制御方法。
  3. 【請求項3】 前記ノッキング判定は、前記各指標値に
    基づいてノッキング判定基準を作成し、複数の周波数帯
    域の指標値が前記ノッキング判定基準以上であるか否か
    によって行われることを特徴とする請求項1記載のノッ
    キング制御方法。
  4. 【請求項4】 前記ノッキング判定基準は、各周波数帯
    域の指標値毎に、該指標値をフィルタリングして作成さ
    れることを特徴とする請求項2または3に記載のノッキ
    ング制御方法。
  5. 【請求項5】 前記ノッキング判定基準は、各周波数帯
    域の指標値の和をフィルタリングして作成されることを
    特徴とする請求項2または3に記載のノッキング制御方
    法。
  6. 【請求項6】 前記ノッキング判定基準は、各周波数帯
    域の指標値にそれぞれ重み付けを行って加算した値をフ
    ィルタリングして作成されることを特徴とする請求項2
    または3に記載のノッキング制御方法。
  7. 【請求項7】 クランク角センサの出力に応答してピス
    トンの上死点間に設定される所定のノッキング観測期間
    を複数の解析区間に区分し、 前記各解析区間においてノックセンサの出力の周波数解
    析を行い、 その解析結果のスペクトラム分布において複数の各周波
    数帯域を予め設定し、前記観測期間に亘る前記各周波数
    帯域内におけるスペクトラムパワーの加算値を前記複数
    の各周波数帯域の全帯域に亘って加算した値、または前
    記加算値のそれぞれに重み付けを行って全帯域に亘って
    加算した値を指標値に設定し、 前記指標値に基づいてノッキング判定を行い、 その判定結果に対応して点火進角を制御することを特徴
    とするノッキング制御方法。
  8. 【請求項8】クランク角センサの出力に応答してピスト
    ンの上死点間に設定される所定のノッキング観測期間を
    複数の解析区間に区分し、 前記各解析区間においてノックセンサの出力の周波数解
    析を行い、 その解析結果のスペクトラム分布において複数の各周波
    数帯域を予め設定し、前記観測期間に亘る前記各周波数
    帯域内におけるスペクトラムパワーのそれぞれに重み付
    けを行って加算し、その加算値を前記複数の各周波数帯
    域の全帯域に亘って加算した値、または前記加算値のそ
    れぞれに重み付けを行って全帯域に亘って加算した値を
    指標値に設定し、 前記指標値に基づいてノッキング判定を行い、 その判定結果に対応して点火進角を制御することを特徴
    とするノッキング制御方法。
  9. 【請求項9】 前記ノッキング判定は、前記指標値をフ
    ィルタリングしてノッキング判定基準を作成し、前記指
    標値がこのノッキング判定基準以上であるか否かによっ
    て行われることを特徴とする請求項7または8に記載の
    ノッキング制御方法。
  10. 【請求項10】 内燃機関のノッキングを検出するノッ
    クセンサと、 内燃機関の回転角度位置を検出するクランク角センサ
    と、 前記クランク角センサの出力に応答して内燃機関のピス
    トンの上死点間に設定される所定のノッキング観測期間
    を複数の解析区間に区分し、各解析区間毎に前記ノック
    センサからの出力の周波数解析を行う解析手段と、 前記観測期間に亘る解析手段の解析結果から、複数の各
    周波数帯域毎に指標値を求める指標値設定手段と、 前記指標値に基づいてノッキング判定を行い、その判定
    結果に対応して点火進角を制御する制御手段とを含むこ
    とを特徴とするノッキング制御装置。
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