JPH06184944A - 導電性ビニロン繊維及びその製造方法 - Google Patents

導電性ビニロン繊維及びその製造方法

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JPH06184944A
JPH06184944A JP4356031A JP35603192A JPH06184944A JP H06184944 A JPH06184944 A JP H06184944A JP 4356031 A JP4356031 A JP 4356031A JP 35603192 A JP35603192 A JP 35603192A JP H06184944 A JPH06184944 A JP H06184944A
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JP
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fiber
pyrrole
vinylon fiber
sulfonic acid
vinylon
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JP4356031A
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Ikuo Mizoguchi
郁夫 溝口
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Achilles Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 極めて導電性に優れたビニロン繊維と、ピロ
ール系モノマーの少量使用で有効且つ効率的に導電性ビ
ニロン繊維が得られる製造方法を提供する。 【構成】 スルホン酸基を有する有機化合物で処理され
たビニロン繊維の少なくとも表面に、ピロール系重合体
が複合一体化されている導電性ビニロン繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性ビニロン繊維及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】IC製造工場や引火性物質を取り扱う場
所において、衣類に静電気が帯電していると静電気の放
電によってICを破壊したり、放電による火花が引火性
物質に引火して爆発事故や火災を起こす等の危険があ
る。このためIC製造工場や引火性物質を取り扱う場所
では、作業者は静電気が帯電しないように帯電防止性を
付与した衣服、靴下、手袋、帽子等を着用するのが普通
である。
【0003】従来、衣服等の繊維製品に帯電防止性を付
与するために、帯電防止剤を塗布したり、直径10〜1
5μm程度の極細ステンレス繊維を一部に織り込んだ
り、繊維表面を硫化銅で被覆した15〜30μm程度の
アクリル繊維を用いる等の方法が知られている。
【0004】しかしながら、極細のステンレス繊維を合
成繊維等に織り込んだ繊維製品は、ステンレス繊維自体
が非屈曲状態での耐久性に優れるものの耐屈曲性には劣
り、折れて抜け落ちたり、繊維製品の風合を損なう問題
があり、また繊維製品の製織が煩雑である等の金属繊維
であるが故の欠点があった。また、硫化銅被覆アクリル
繊維よりなるものは色相が限定されると共に、アクリル
繊維自体の耐溶剤性が不充分であり、硫化銅粉の脱落が
著しくてクリーンルーム内では使用できないという欠点
があった。
【0005】そこで本発明者は、ピロール系重合体を複
合一体化した導電性繊維を使用してこれらの欠点を解決
することに着目したが、ピロール系モノマーを重合して
導電性を付与する方法として多くの提案がなされている
ものの重合法そのものが非実用的であったり、単にピロ
ール系モノマーを化学酸化重合して複合一体化しても繊
維表面に対するピロール系重合体の均一重合性が悪かっ
たり、繊維の種類によって得られる導電性が異なる等の
問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】静電気対策を必要とす
る衣服等に汎用されるビニロン繊維は、ポリエステル繊
維やアクリル繊維と同様にしてピロール系重合体を複合
化してもピロール系モノマーが繊維内部にて重合して一
体化した黒色物となるものの、他の繊維と同程度の導電
性は得られないという問題があった。これは、ビニロン
繊維が親水性繊維のため化学酸化重合する際に水により
膨潤した状態となり、ピロール系モノマーの繊維内部へ
の拡散が進み、モノマーを大量に消費して有効に導電性
を付与できないと考えられる。また、ビニロン繊維の染
色性改良のために導入されているアミノ基の塩基性にも
大きく起因しているものと推定される。
【0007】そこで本発明者は、上記の問題を解決せん
と鋭意研究した結果、ビニロン繊維をスルホン酸基を有
する有機化合物により前処理してピロール系重合体を複
合一体化すれば、繊維自体の水に対する収縮性を徹底的
に小さくしておいてピロール系モノマーの繊維内部への
拡散を著しく抑制することと、ビニロン繊維中の塩基性
基を中和することによる相乗効果として、少量のモノマ
ーで極めて導電性に優れたビニロン繊維が、少量のモノ
マーで有効に得られることを見出し本発明に到った。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の導電性ビニ
ロン繊維は、スルホン酸基を有する有機化合物で処理さ
れたビニロン繊維の少なくとも表面に、ピロール系重合
体が複合一体化されているものであり、また本発明の導
電性ビニロン繊維の製造方法は、ビニロン繊維をスルホ
ン酸基を有する有機化合物で処理した後、ピロール系モ
ノマーを酸化重合剤の存在下に重合せしめてビニロン繊
維の少なくとも表面にピロール系重合体を複合一体化す
る導電性ビニロン繊維の製造方法である。
【0009】本発明においてビニロン繊維は、後述する
スルホン酸基を有する有機化合物が付着(或いは吸着、
含浸、化学結合等)し得るものであればいかなる形態で
あっても良く、例えばステープルハァイバー、マルチフ
ィラメント、紡績糸、織布、ニードルパンチング法、ス
テッチボンド法、抄紙法による不織布、編布等、或いは
衣服、靴下、手袋、帽子等の形態であっても良い。勿
論、混紡、混織したものでも良い。
【0010】スルホン酸基を有する有機化合物として
は、ビニロン繊維への吸着、繊維内部への分散性等の点
で低分子量のものが好ましく、一般に染料として使用さ
れているものを用いることが好ましいが、低分子量で繊
維への吸着性、内部への分散性等を有するものであれば
染料として使用されているものに限られない。例えば染
料として用いられているスルホン酸基を有する有機化合
物としては、C.I.Acid Blue 120(日本化薬社製)、 C.
I.Acid Blue 116(日本化薬社製)、C.I.Acid Orange 7
(日本化薬社製)、 Kayanol Milling Red(日本化薬社
製)、 Kayanol Milling Green 5GW(日本化薬社製)等
の酸性染料や、C.I.Acid Violet 56(日本化薬社製)、
Acid Complex Violet 3R(日本化薬社製)、 Aizen Opa
l Violet 3RL(保土谷化学工業社製)、Acid Complex V
iolet 4R(日本化薬社製)、C.I.Acid Violet 58(日本
化薬社製)、Lanyl Blue G(保土谷化学工業社製)、
C.I.Acid Green 35(日本化薬社製)、Acidol Green M-
FGL (BASF社製)等の金属錯塩染料等が挙げられ
る。染料の構造としてはアミノアントラキノン系、アゾ
系、その他いずれのものでも使用できる。
【0011】更に、染料以外のスルホン酸基を有する有
機化合物としては、p−トルエンスルホン酸、モノクロ
ロベンゼンスルホン酸、ジクロロベンゼンスルホン酸、
トリクロロベンゼンスルホン酸、テトラクロロベンゼン
スルホン酸、ペンタクロロベンゼンスルホン酸、ナフタ
レンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ナフ
タレンジスルホン酸、アントラキノンスルホン酸等及び
これらのナトリウム塩や、紫外線吸収剤として知られて
いる2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5
−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベ
ンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−
n−ドデシロキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2
−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン−5−
スルホン酸等を用いることができる。
【0012】上記スルホン酸基を有する有機化合物によ
る処理方法としては、通常上記の有機化合物を含有する
水溶液にビニロン繊維を浸漬する方法が採用される。酸
性染料を用いる場合には処理液のpHを弱酸性側に調整
して行われ、pHの調整に使用する酸として酢酸、蟻
酸、安息香酸、サリチル酸等の脂肪酸やp−トルエンス
ルホン酸等を用いることができる。これらは後述するド
ーパントとしての作用を有するため好ましい。また、p
−トルエンスルホン酸は上記したスルホン酸基を有する
化合物としての作用をも有する。酸性染料の場合には、
処理液における染料濃度は0.01〜2%程度が好まし
く、処理液のpHは4.5〜6が好ましい。浸漬条件は
特に限定されず、通常の染色条件と同様で良いが、処理
温度85〜95℃で20〜60分程度が好ましく、繊維
に対して所定量が均一に吸尽されていることが好まし
い。更に染料以外のスルホン酸基含有化合物により処理
する場合も、染料を用いる場合と同様に、該有機化合物
が繊維に吸尽される条件であれば特に限定はされない。
尚、上記処理液中に、促染剤として硫酸ナトリウムを添
加すれば、処理効率が高まり好ましい。
【0013】スルホン酸基を有する有機化合物による前
処理及び後述する導電化処理には、程度の差はあるもの
のビニロン繊維に多少の収縮を生じるので、綛状態やコ
ーン状態で行うよりも無張力下、即ち手袋、靴下、マフ
ラー等の繊維製品の状態で行うのがよい。綛状態やコー
ン状態で処理する場合には充分にヒートセットした後に
行う必要があり、ヒートセットが不十分であると繊維収
縮による処理ムラが発生し易くなり好ましくない。
【0014】本発明の導電性ビニロン繊維は、上記のス
ルホン酸基を有する化合物による処理が施されたビニロ
ン繊維の表面がピロール系重合体で被覆され、また繊維
内部にピロール系重合体が含浸されて複合一体化された
構成を有する。このピロール系重合体はピロール系モノ
マーを酸化重合剤の存在下に重合せしめたものであり、
ピロール系モノマーとしてはピロール、3−メチルピロ
ール、N−メチルピロール等が挙げられ、酸化重合剤と
しては過マンガン酸、過マンガン酸カリウム等の過マン
ガン酸或いは過マンガン酸塩、三酸化クロム酸等のクロ
ム酸類、硝酸銀等の硝酸塩類、塩素、臭素等のハロゲン
類、過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、ペル
オクソ二硫酸等のペルオクソ酸或いはその塩、次亜塩素
酸ナトリウム等の酸素酸或いはその塩、塩化第二鉄等の
遷移金属塩化物、或いは硫酸第二鉄、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム、過塩素酸第二鉄等が挙げられる。
【0015】また、ピロール系モノマーを重合する際
に、ドーパントを併用すれば更に導電性を向上すること
ができて好ましい。ドーパントとしては五弗化リン等の
ルイス酸、塩化水素、硫酸等のプロトン酸、p−トルエ
ンスルホン酸、モノクロロベンゼンスルホン酸、ジクロ
ロベンゼンスルホン酸、トリクロロベンゼンスルホン
酸、テトラクロロベンゼンスルホン酸、ペンタクロロベ
ンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキルナ
フタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、アント
ラキノンスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−
n−オクトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−
ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン−5
−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベン
ゾフェノン−5−スルホン酸等が挙げられる。
【0016】上記ビニロン繊維の少なくとも表面にピロ
ール系重合体を複合一体化する方法としては、(1)ピ
ロール系モノマーと酸化重合剤と必要によりドーパント
を添加した処理液中にビニロン繊維を浸漬する方法、
(2)酸化重合剤と必要によりドーパントを添加した処
理液と、ピロール系モノマーを含有する処理液とに、ビ
ニロン繊維を順次浸漬する方法、(3)酸化重合剤と必
要によりドーパントを添加した処理液中にビニロン繊維
を浸漬した後に、この処理液中にピロール系モノマーを
添加する方法、(4)ピロール系モノマーを含有する処
理液中にビニロン繊維を浸漬して後に、酸化重合剤と必
要によりドーパントを添加する方法等が挙げられるが、
(1)の方法が好ましく、ピロール系モノマーと必要に
より添加したドーパントを含有する処理液中にビニロン
繊維を浸漬し、この処理液に酸化重合剤を連続的に添加
する方法が最も好ましい。
【0017】これら処理液中のピロール系モノマーの濃
度は、得ようとする導電性の程度によって異なるが繊維
当たり0.1〜5重量%程度が好ましく、酸化重合剤の
濃度はピロール系モノマーの当量数の1〜2.5倍程
度、ドーパントを用いる場合のドーパント濃度はピロー
ル系モノマーのモル数に対して当量〜0.01倍程度が
好ましい。
【0018】上記のピロール系モノマー、酸化重合剤、
ドーパント等を含有する処理液の溶媒としては、水が好
ましく用いられるが、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、i−プロパノール、i−ブチルアルコー
ル、t−ブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトン、メチルエチルケトンなどの脂肪族ケトン
類等の有機溶媒を用いることもでき、これらはモノマ
ー、酸化重合剤、ドーパント及びビニロン繊維に応じて
適宜選択して単独または混合併用することもできる。
【0019】導電化処理は前記の前処理に連続して行う
のが好ましく、前処理と導電化処理の間に乾燥工程を入
れるのはあまり好ましくない。導電化処理後の乾燥はな
るべく低温で行うのが好ましく、60〜100℃、より
好ましくは60〜80℃で行うのがよい。
【0020】
【作用】ビニロン繊維を、まずスルホン酸基を有する有
機化合物の水溶液に繊維を浸漬して処理する。その後、
この処理されたビニロン繊維をピロール系モノマー、酸
化重合剤を含有する処理液に浸漬し、ピロール系重合体
を繊維に複合一体化させる。ビニロン繊維は、β−アミ
ノプロピオンアルデヒド、β−アミノブチルアルデヒ
ド、アミノアセトアルデヒド等により変成されたアミノ
基を有する構造となっており、強塩基性を示すが、一
方、ピロール系モノマーは強酸性下で重合するため、そ
の重合過程で酸化重合剤がビニロン繊維にイオン吸着さ
れて消費されてしまう。ビニロン繊維のアミノアセター
ル化度は1.5〜2モル%であり、ビニロン繊維をポリ
エステル繊維、アクリル繊維等と同程度に導電化するた
めには、他の繊維に必要なピロール系重合体の数倍量を
必要とする。そこで導電化に先立って、ビニロン繊維の
アミノ基をスルホン酸基で中和することで、少量のモノ
マーで有効且つ効率的に導電性ビニロン繊維が得られ
る。
【0021】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0022】実施例1 3デニール、繊維長51mmのビニロン繊維をニードル
パンチングして得た250g/m2 の不織布を、3g/
l濃度のディアダビン(バイエル社製)で、60℃にて
30分間充分に洗浄して帯電防止剤、油剤等を完全に除
去した後、スルホン酸基を有する有機化合物として含金
錯塩染料のLanyl Blue G(住友化学工業社製)を1.0
重量%と硫酸ナトリウム5重量%を含む90℃の処理液
に40分間浸漬して処理し、充分に洗浄した後、50℃
で乾燥した。この不織布を、ピロールモノマー2.5%
(重量比)とピロール1モル当たり2.3モルの塩化第
二鉄を含む液温5℃の水溶液に180分間浸漬した後、
充分に水洗して50℃で乾燥した。得られた不織布は黒
色であり、表面抵抗値(JIS−L0217−103号
に準拠)は1.3×103 Ωであった。また、このビニ
ロン繊維の抗張力(JIS−L1013に準拠)及び破
断伸度(JIS−L1013に準拠)を測定した。原料
となるビニロン繊維は抗張力0.88Kg、破断伸度13
%であり、また含金錯塩染料で前処理した導電化処理さ
れていないビニロン繊維は抗張力0.88Kg、破断伸度
18%であったのに対し、この実施例の導電性ビニロン
繊維は抗張力が0.70Kg、破断伸度が21%であっ
た。
【0023】実施例2 ビニロン繊維90%、スパンデックス10%からなる靴
下を、スルホン酸基を有する有機化合物として含クロム
錯体型酸性染料のAcidol Green M-FGL (BASF社製)
を1.0重量%と硫酸ナトリウム5重量%を含む90℃
の処理液に40分間浸漬して処理し、充分に洗浄した
後、50℃で乾燥した。この靴下を、ピロールモノマー
2.5%(重量比)とピロール1モル当たり2.3モル
の塩化第二鉄を含む液温5℃の水溶液に180分間浸漬
した後、充分に水洗して50℃で乾燥した。得られた靴
下は黒色であり、表面抵抗値は2.0×103 Ωであっ
た。また、このビニロン繊維の物性変化を実施例1と同
様に測定したところ、抗張力が0.87Kg、破断伸度が
18%であった。
【0024】実施例3 ビニロン繊維100%の腕カバー(2/1綾織生地)を
予めKayanol MillingRed (日本化薬社製)1.1%o
wfで、90℃の処理液に40分間浸漬して処理し、充
分に洗浄した後、50℃で乾燥した。この腕カバーを、
ピロールモノマー2.5%(重量比)とピロール1モル
当たり2.3モルの塩化第二鉄とピロールモノマーに対
して1/10当量のP−トルエンスルホン酸を含む液温
5℃の水溶液に180分間浸漬した後、充分に水洗して
50℃で乾燥した。得られた腕カバーの表面抵抗値は
5.0×102 Ωであった。また、このビニロン繊維の
物性変化を実施例1と同様に試験した。前処理した導電
化処理されていないビニロン繊維は抗張力0.90Kg、
破断伸度18%であったが、この実施例に基づく導電性
ビニロン繊維は抗張力が0.87Kg、破断伸度が17%
であり、実質的に物性低下は認められなかった。
【0025】実施例4 ピロールモノマーを1.5%(重量比)に、塩化第二鉄
を2.3モルに代えた以外は、実施例3と同様にした。
得られた腕カバーの表面抵抗値は2.5×105 Ωであ
った。また、このビニロン繊維の物性変化を実施例1と
同様に測定したところ、抗張力が0.89Kg、破断伸度
が18%であった。
【0026】比較例1 実施例1で使用した不織布を実施例1と同様にディアダ
ビンで洗浄した後、スルホン酸基を有する有機化合物で
処理することなく、実施例1と同様に導電化処理した。
得られた不織布の表面抵抗は1.0×105 Ωと悪いも
のであった。また、このビニロン繊維の物性変化を実施
例1と同様に測定したところ、抗張力が0.65Kg、破
断伸度が13%であった。
【0027】比較例2 実施例2で使用した靴下を、スルホン酸基を有する有機
化合物で処理することなく、ピロール3%(重量比)と
ピロール1モル当たり2.3モルの塩化第二鉄を含む液
温5℃の水溶液に180分間浸漬した後、充分に水洗し
て50℃で乾燥した。この靴下は黒色であったが、その
表面抵抗値は3.7×106 Ωと極めて悪いものであっ
た。
【0028】比較例3 ピロール2%(重量比)とした以外は、比較例2と同様
にして導電化処理したが、この靴下も黒色であったが、
その表面抵抗値は1.1×109 Ωと極めて悪いもので
あった。
【0029】比較例4 ピロール1%(重量比)とした以外は、比較例2と同様
にして導電化処理したが、この靴下も黒色であったが、
その表面抵抗値は1.0×1014Ωと極めて悪いもので
あった。
【0030】
【発明の効果】本発明の導電性ビニロン繊維は、ピロー
ル系重合体と複合一体化するに先立って、まずビニロン
繊維をスルホン酸基を有する有機化合物で処理したこと
により、処理を行わずにピロール系重合体と複合一体化
したものに比べて、導電性が向上される。また本発明の
製造方法によれば、ビニロン繊維が如何なる形態であっ
ても簡単な設備で効率良く優れた導電性ビニロン繊維が
得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン酸基を有する有機化合物で処理
    されたビニロン繊維の少なくとも表面に、ピロール系重
    合体が複合一体化されている導電性ビニロン繊維。
  2. 【請求項2】 ビニロン繊維をスルホン酸基を有する有
    機化合物で処理した後、ピロール系モノマーを酸化重合
    剤の存在下に重合せしめてビニロン繊維の少なくとも表
    面にピロール系重合体を複合一体化する導電性ビニロン
    繊維の製造方法。
JP4356031A 1992-12-18 1992-12-18 導電性ビニロン繊維及びその製造方法 Pending JPH06184944A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008208497A (ja) * 2007-02-28 2008-09-11 Japan Exlan Co Ltd 導電性繊維およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008208497A (ja) * 2007-02-28 2008-09-11 Japan Exlan Co Ltd 導電性繊維およびその製造方法

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