JPH06184918A - 布帛の染色方法及びそれに用いる染色機 - Google Patents

布帛の染色方法及びそれに用いる染色機

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JPH06184918A
JPH06184918A JP35396192A JP35396192A JPH06184918A JP H06184918 A JPH06184918 A JP H06184918A JP 35396192 A JP35396192 A JP 35396192A JP 35396192 A JP35396192 A JP 35396192A JP H06184918 A JPH06184918 A JP H06184918A
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JP
Japan
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dyeing
cloth
state
container
fabric
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Withdrawn
Application number
JP35396192A
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English (en)
Inventor
Hiromichi Yoshikawa
博通 吉川
Masayuki Takeuchi
雅幸 竹内
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ITO BATSUKU SEISAKUSHO YUGEN
MANIATSUKU KK
Original Assignee
ITO BATSUKU SEISAKUSHO YUGEN
MANIATSUKU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 染色試験用色見本を作成するに際し、染色時
におけるしわの発生を防止し、又布帛の全体を均一な染
め上がりとする。 【構成】 加熱槽に貯留した加熱媒体中に、所要量の染
液が収容されかつ布帛3が拡布状態で収容されてなる染
色容器5を浸漬する。染色容器5を、拡布状態の布帛
が、水平を呈する基準状態から垂直面内において時計回
り及び反時計回りに交互に傾斜状態を取るようにシーソ
ー運動させる。このシーソー運動に伴い、布帛の左右片
面が交互に染液に浸かるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、染色試験用色見本を作
成するための布帛の染色方法及びそれに用いる染色機に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維染色加工業の業界においては、顧客
より提示された要望に基づいて幾種類もの染色試験用色
見本を作成し、採択された色見本に基づいて本番の染色
加工を行っている。
【0003】このような色見本を作成するための従来の
染色機を図13に基づいて説明すれば以下のようであ
る。該染色機は、加熱媒体に沈む平行する支持ローラ
a,aが円筒状の染色容器bを下方より支持し、各支持
ローラが同方向に正逆回転することによって染色容器b
が正逆回転するように構成されていた。
【0004】該染色機によって高圧条件下で染色する要
領は、図13〜14に示すような、円環部c,c相互を
180度位置ずれした状態で支持棒d,dにより連結し
てなるホルダeを用い、該ホルダeの対向する支持棒
d,dに被染布fを折り畳み状態に巻き付け、この被染
布を保持するホルダを前記染色容器bに収容するととも
に該染色容器には所要量の染液を収容し、その後染色容
器を蓋部材gで密封する。そして該染色容器bを水平状
態で前記支持ローラa,aに支持せしめ、該支持ローラ
の正逆回転に伴って染色容器bを正逆回転させ、これを
一定時間繰り返すことにより染色するものであった。
【0005】一方常圧条件下で染色する要領は、図15
に示すように、被染布fが前記と同様にして収容された
染色容器bを、それが傾斜状態をとるように支持ローラ
a,aに支持せしめ、該支持ローラの正逆回転に伴って
染色容器bを正逆回転させ、これを一定時間繰り返すこ
とにより染色するものであった。なおこのように傾斜状
態で染色容器を支持させるのは、常圧条件下では染色容
器を密閉状態で閉蓋できないために、傾斜状態で支持さ
せないと染液が漏洩し又加熱媒体が染色容器内に侵入す
るからであった。ところで、このように傾斜状態で染色
する場合には、被染布の全体が染液に浸かるようにする
ために例えば1:30程度の高浴比にせざるをえず、特
に温度の上昇度合いに応じて助剤を添加する必要のある
場合は、蓋部材gに設けた供給孔hよりスポイドi等で
助剤を投入せざるをえなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記した
従来の染色機による場合には、次のような各種の問題が
あった。 前記染色機による染色は、ホルダの支持棒に折り畳
み状態に巻かれた被染布を染色容器に収容し該染色容器
を回転させるものであったため、被染布が容器内で複雑
に屈曲しながら動くこととなり、染色された布帛はしわ
しわの状態になった。それ故、乾燥工程を経た後にアイ
ロン仕上げをしてしわ延ばしをしなければならない面倒
さがあった。
【0007】 又、染色容器に収容できる被染布の大
きさが容器の直径に制約されたことに加え、染色容器の
回転中に生じた被染布のしわ部分に染料が入りにくい等
によって染色むらが生じやすかったために、それほど大
きな色見本(染め上がりの良好な色見本)を作成できな
い問題があった。
【0008】 特に常圧条件下で染色を行う場合は、
前記のように染色容器を傾斜状態にして高浴比で染色し
なければならなかったために、被染布が沈降する傾向と
なった。加えて、染色容器が傾斜状態で回転することか
らその回転に伴う染液の攪拌が円滑に行われず、これら
の原因によって染色に非常な困難が伴った。しかも、こ
のような高浴比の条件下での染色は、低浴比の条件下で
の本番の染色とはその条件が基本的に異なるために、染
料の濃度や染料の配合割合等の染色条件を低浴比のそれ
に換算する必要があったのであるが、その再現性は微妙
であり、色見本の活用に慎重さを要した。又染色時に助
剤を添加する必要のある場合は、染色容器が回転する状
態で、しかも蓋に設けた小さな供給孔からスポイド等で
助剤を投入しなければならなかったために、助剤を添加
しにくくい問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は以下の手段を採用する。即ち本発明に係る染色
方法は、加熱槽2に貯留した加熱媒体中に、所要量の染
液が収容され且つ布帛3が拡布状態で収容されてなる染
色容器5を浸漬し;該染色容器5を、拡布状態の布帛
が、水平を呈する基準状態から垂直面内において時計回
り及び反時計回りに交互に傾斜状態をとるようにシーソ
ー運動させ;それに伴い、布帛の左右片面が交互に染液
に漬かるようになすことを特徴とするものである。
【0010】上記染色方法を実現するための理想的な染
色機としては、次のものを挙げることができる。即ち本
発明に係る染色機の一は、加熱媒体を貯留する加熱槽2
と;所要量の染液を収容させ且つ布帛3を拡布状態で収
容させる染色容器5と;前記加熱槽2に納設され且つ染
色容器5を下方より支持する支持台7と;該支持台7
を、拡布状態の布帛が、水平を呈する基準状態から垂直
面内において時計回り及び反時計回りに交互に傾斜状態
をとるようにシーソー運動させ、それに伴い、布帛の左
右片面が交互に染液に漬かるようになすシーソー運動装
置9と;を具えるものである。
【0011】又本発明に係る染色機の他は、加熱媒体を
貯留する加熱槽2と;所要量の染液を収容させ且つ布帛
3を拡布状態で収容させる染色容器5と;該染色容器5
に出し入れ可能に納設され且つ布帛を拡布状態で保持す
る保持具6と;前記加熱槽2に納設され且つ染色容器5
を下方より支持する支持台7と;該支持台7を、拡布状
態の布帛が、水平を呈する基準状態から垂直面内におい
て時計回り及び反時計回りに交互に傾斜状態をとるよう
にシーソー運動させ、それに伴い、布帛の左右片面が交
互に染液に漬かるようになすシーソー運動装置9と;を
具えるものである。
【0012】前記染色機において、支持台7は、矩形箱
状の染色容器5を下方より支持する支持板45の下面部
の左右方向中央部に軸固定部46を設け、且つ該支持板
45の左右端に、染色容器5の左右側面部と当接しうる
受片52,52を設けたものとし、かかる構成を有する
支持台7の複数を、支持板上面を面一にして前後方向に
並列し、各支持台の軸固定部46を、シーソー運動装置
の一部をなし且つ各支持板を前後方向に横切る回動軸5
6に固定し、該回動軸56が所要角度範囲において正逆
回転動作を繰り返すように構成するのがよい。
【0013】又保持具6を具える前記染色機において、
該保持具6を、拡布状態の布帛の対向縁部分を突き刺す
保持針36が植設されたものとして構成するのがよい。
なお本発明において拡布状態とは、布帛が拡げられた状
態を意味し、張力を加えて布帛を張った状態だけでなく
若干緩んだ拡布状態をも意味する。
【0014】本発明に係る染色機において、シーソー運
動装置9は次のように構成するのがよい。即ち、平行す
る全ての回動軸の一端側において、作動片57を、上方
に平行して突出せしめ、各作動片相互を同高さ位置にお
いて連結杆58により連結し、且つ作動片57と連結杆
58は回動自在に枢着し、該連結杆58の往復動作によ
り前記作動片が同時に揺動動作するように構成するのが
よい。
【0015】
【作用】然して、本発明に係る染色機を用いて色見本を
作成するには、染色容器5内に所要量の染液を収容し
(例えば1:5〜1:10程度の低浴比)、且つ布帛3
を拡布状態で該染色容器5に収容する。布帛を拡布状態
で収容させる要領の一例は、布帛を拡げ、その対向縁部
分42,42に保持具6の保持針36を突き刺し状態と
して該布帛を保持具6に保持せしめ、これを染色容器に
収容する。高圧条件下で染色する場合は染色容器5を密
閉状態とする。一方常圧条件下で染色する場合は、染液
の蒸発を極力防止しうる程度に染色容器を閉蓋する。
【0016】このように染液と布帛が収容された染色容
器5を支持台7上に設置し、シーソー運動装置9を作動
させる。これにより拡布状態の布帛3は、水平を呈する
基準状態から、垂直面内において時計回り及び反時計回
りに交互に傾斜状態をとるようにシーソー運動せしめら
れる。
【0017】これに伴い、染色容器内に収容された拡布
状態の布帛の左右片面3a,3bが交互に染液に浸かる
こととなり、液面から上がった部分は染液が抜けた状態
になる。従って、その後この染液が抜けた部分が液に浸
かると、染液の吸い込みが良好となって染色が効率的に
行われることになる。このようなシーソー運動が所要時
間繰り返されることにより、布帛3は所望に染色される
こととなる。染色終了後、布帛を乾燥して色見本を得
る。
【0018】特に前記のように支持台7を前後方向に複
数並列した場合は、大型の染色容器を複数の支持台に架
け渡し状態に載設できるため、大きな色見本の作成が可
能となる。
【0019】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図1〜3おいて本発明に係る染色機1は、加熱媒体
を貯留する加熱槽2と,所要量の染液を収容させ且つ布
帛3を拡布状態で収容させる染色容器5と,該染色容器
5に出し入れ可能に納設され且つ布帛を拡布状態で保持
する保持具6と,前記加熱槽2に納設され且つ染色容器
5を下方より支持する支持台7と,該支持台7を、拡布
状態の布帛が、水平を呈する基準状態から垂直面内にお
いて時計回り及び反時計回りに交互に傾斜状態をとるよ
うにシーソー運動させ、それに伴い、布帛の左右片面が
交互に染液に漬かるようになすシーソー運動装置9と;
を具えるものである。
【0020】以下これを具体的に説明する。前記加熱槽
2は、図1に示すように、加熱媒体(例えばポリエチレ
ングリコール)Aを貯留するための上方開口の直方体状
の容器として形成され、機台10の中央部に設けられて
いる。本実施例においては、該加熱槽2の一側に、水を
貯留する冷却槽11が隣合わせて設けられている。
【0021】前記染色容器5は、高圧条件下での染色用
として構成されており、図3〜4に示すように、上方開
口の容器本体12とその開口部を閉蓋する蓋部材13と
からなり、固定具15を用いて蓋部材13を容器本体1
2に固定可能としてなる。該容器本体12は、本実施例
においては、上方開口の矩形箱16の上端外周縁に、上
面中央線に沿って連続した嵌込み溝17が設けられた鍔
部19が周設されてなり、該嵌込み溝17には、ゴム質
のOリング20が、その上端部分を溝部上方に稍突出さ
せて密接に嵌装される。又蓋部材13は矩形板状をな
し、その周縁部分22が前記嵌込み溝17と対向する。
前記固定具15は、閉蓋状態の染色容器の上面部を横切
る水平板23の両端に染色容器の側面と平行して垂下す
る垂下片25,25を折曲形成するとともに前記鍔部1
9の下面と当接する押圧片26を該垂下片25の下端に
折曲形成してなる固定部材27を有し、該固定部材27
の水平片23の中央部にネジ軸29を螺合させ、該ネジ
軸の下端には、前記蓋部材13の上面中央部において対
向して設けられた保持片30,30の形成する係止溝3
1,31に周縁部分32が保持される押圧板33を固定
し、又ネジ軸29の上端にはハンドル35を固定してな
る。
【0022】然して固定部材27を、その押圧板33を
蓋部材13の上面と対向させ且つ押圧片26を鍔部19
の下面と対向させて、閉蓋状態の染色容器5に対してそ
の一端側からスライドさせ、押圧板33を保持片30,
30に保持せしめて後ハンドル35を正回転すると、図
4に示すように、鍔部19と蓋部材の周縁部分32とに
よって前記Oリング20が挾圧された状態となり、蓋部
材13は、容器本体12を密閉した閉蓋状態で固定され
る。なおハンドル35を逆回転して前記と逆動作を経る
ことにより、容器本体を開蓋しうる。
【0023】又前記保持具6は、図4〜5に示すよう
に、容器本体の加熱媒体中に沈む角柱状をなし且つその
上面部の長手中央線に沿って保持針36が並列状態に植
設されてなる保持台37,39の両端部分相互を連結棒
材40,40で連結し、一方の保持台37を他方の保持
台39に対して進退可能とし、染色すべき布帛の長さに
応じて保持台間の間隔が所要に設定される。然して図3
に示すように、染色すべき布帛3を拡布状態にしてその
対向縁部分42,42に前記保持針36を突き刺し状態
にすると、該布帛は拡布状態で保持具6に保持されるこ
ととなる。布帛を保持した保持具6は、図3に示すよう
に、両保持台37,39を底部43の長手方向両端部分
に載置して染色容器5内に納設される。
【0024】又前記支持台7は、図2,図6〜7に示す
ように、前記染色容器5を支持する矩形状支持板45の
下面部の左右方向中央部に軸固定部46が設けられてい
る。該軸固定部46には、前後方向に貫通する軸挿通孔
47が設けられるとともに、その左右対向部には該軸挿
通孔47に開口する雌ネジ部49が貫設され、該雌ネジ
部49に固定ボルト50,50が螺合されている。又支
持板45の左右端の両側には、載置された染色容器5の
左右側面部51,51と当接しうる受片52,52が設
けられている。
【0025】本実施例においては図1〜2に示すよう
に、前記加熱槽2の左側部分及び右側部分において、か
かる構成を有する支持台7の3台が、支持板上面53,
53,53を面一にして前後方向に間隔をおいて並列さ
れている。そして、各支持台の軸固定部46に設けた孔
心を共通にする軸挿通孔47,47,47に、各支持板
を前後方向に横切り且つ両端が加熱槽の前後壁部54,
55に軸支された回動軸56が挿通せしめられ、各軸固
定部の固定ボルト50を締め付けて軸受固定部が回動軸
に固定されている(図6〜7)。なお、加熱槽2の左側
部分及び右側部分における並列支持台の回動軸56、5
6は平行する。
【0026】前記シーソー運動装置9は、図2に示すよ
うに、前記回動軸56,56の一端側において、基端部
が該回動軸に固定されて上方に平行して突出する同長さ
の作動片57,57を具える。そして、両作動片57,
57の上端相互は連結杆58によって連結され、作動片
57と連結杆58は回動自在に枢着60されている。又
該連結杆58の端部は、下端が機台固定の支持片59に
枢着61されて垂直面内で揺動動作する揺動杆62の上
端に枢着63されるとともに、該揺動杆62の中間部分
に設けられた揺動杆長さ方向に長い長孔65には、モー
タ66によって低速回転せしめられるアーム67の先端
突部69が摺動可能とされている。然して、揺動杆62
の揺動動作による連結杆58の往復動作により前記作動
片57,57が揺動動作し、これにより回動軸56,5
6が所要角度範囲において正逆回転動作し、従って、支
持板45に支持された前記染色容器内の拡布状態の布帛
3が、水平を呈する基準状態(図2に実線で示す状態)
から、垂直面内において時計回り及び反時計回りに交互
に傾斜状態をとるようにシーソー運動し、図7〜8に示
すように、所要量の染液が収容された染色容器5内にお
いて、拡布状態の布帛の左右片面3a,3bが交互に染
液に浸かることとなる。
【0027】然して本実施例に係る染色機1によって色
見本を作成するには、染色容器5内に、所要量の染液B
を収容するとともに(例えば1:5〜1:10程度の低
浴比)布帛3を拡布状態で収容して後、該染色容器を密
閉状態に閉蓋する(図7)。なお布帛3を拡布状態で収
容するには、布帛を拡げ、図3に示すようにその対向縁
部分42,42に保持針36を突き刺し状態として該布
帛を保持具6に保持せしめ、これを染色容器5に収容す
る。その後、密閉状態の該染色容器5を支持台7上に設
置してシーソー運動装置9を作動させる。これにより拡
布状態の布帛3は、水平を呈する基準状態から、垂直面
内において時計回り及び反時計回りに交互に傾斜状態を
取るようにシーソー運動せしめられる。これに伴い図7
〜8に示すように、染色容器内に収容された拡布状態の
布帛の左右片面3a,3bが交互に染液に浸かることと
なり、液面から上がった部分は染液が抜けた状態にな
る。従って、その後この染液が抜けた部分が液に浸かる
と、染液の吸い込みが良好となって染色が効率的に行わ
れることとなる。このようなシーソー運動が一定時間繰
り返されることにより、布帛3は所要に染色されること
となる。染色終了後、染色容器5を冷却槽11の水中に
漬けて冷却して後開蓋し、布帛を乾燥して色見本を得
る。
【0028】本実施例においては、支持台7の複数を前
後方向に並列しているため、図9に示すように、前後方
向に長い大型の染色容器5aを支持台7の複数に架け渡
し状態に設置することが可能となり、従って大きな色見
本を作成できることとなる。
【0029】図10は、常圧条件下で染色する場合に用
いる染色容器5を例示するものであり、シーソー運動に
よって染色容器が傾いた場合にも該染色容器内に加熱媒
体が流入しないように、容器本体12は、前記高圧用の
染色容器に比べて深底に形成されている。又染液の蒸発
を極力防止するために容器本体12を閉蓋する蓋体70
は、容器内部を常圧に保つ必要から単純に載置されてい
る。かかる染色容器を用いる常圧条件下での染色の場合
において、温度の上昇度合いに応じて助剤を添加する必
要のある場合は、蓋体70を開き、染色容器を大きく開
放して行う。
【0030】図11〜12は、二種類の温度条件で同時
に染色可能とするために、加熱槽2を左右の槽2a,2
bに分割した場合を示すものであり、槽2a,2bに納
設された各支持台7を、前記と同様の構成を有するシー
ソー運動装置9によって傾動動作させる。即ち該シーソ
ー運動装置9は、各槽における支持台連結の回動軸5
6,56、56,56の一端側で平行して突設された作
動片57,57,57,57の上端相互を、連結杆58
によって連結し、作動片57と連結杆58は回動自在に
枢着60し、揺動杆62の揺動動作による連結杆58の
往復動作により前記作動片が同時に揺動動作するように
なされている。
【0031】
【発明の効果】本発明は以下のような優れた効果を奏す
る。 本発明によるときは布帛が拡布状態で染色されるた
め、染色中に布帛にしわが生ずることがない。それ故、
従来のように染色された布帛をアイロン掛けしてしわ伸
ばしをしなければならないといった面倒さがない。
【0032】 拡布状態の布帛をシーソー運動させ
て、その片面が交互に染液に浸かった状態とするため、
拡布状態の布帛の左右片面が、染液に浸かった状態と染
液が抜けた状態を交互に繰り返す。それ故、繊維と染液
との会合が良好に行われて効率よく均一に染色されるこ
ととなる。又染色中に布帛にしわが生ずることがないた
め、従来のようにしわ部分に染色不良が生ずるといった
不都合がない。このようなことから、本発明によるとき
には布帛全体を均一な染め上がりとなしうる。
【0033】 常圧条件下における染色の場合も、布
帛を拡布状態にして染色できるため、染色容器を傾斜状
態にして回転させる従来の染色機における場合のような
高浴比での染色とならず、本番の染色に則した低浴比で
染色できる。それ故、染料の濃度や染料の配合割合等の
染色条件を低浴比のそれに換算する必要がなく、染色試
験の結果通りに本番の染色を行いうることとなる。又容
器を傾斜状態にして染色を行う従来装置におけるよう
な、被染布の沈降の問題や染液の攪拌不良の問題が解消
され、所望の染色を容易に行うことができる。しかも常
圧条件下での染色の場合において、温度の上昇度合いに
応じて助剤を添加する必要のある場合は、蓋体を開いて
染色容器を大きく開放して行うことができるため、従来
のように、回転する筒状容器の蓋部に設けた小径の供給
孔より助剤を供給する場合に比し、助剤の投入作業を容
易且つ確実に行うことができる。
【0034】 複数の支持台を前後方向に並列する場
合は、前後方向に長い染色容器を、並列された複数の支
持台に架け渡し状態に支持させることが可能となる。従
って、円筒状の染色容器を用いる従来装置による場合に
比し、大きな色見本を作成しうることとなる。
【0035】 保持具が、拡布状態の布帛の対向縁部
分を突き刺す保持針を有する場合には、布帛を拡げてこ
れを保持具に押し付けることにより、布帛が、保持針が
布帛を突き刺した状態で保持枠に保持されることとな
る。それ故、布帛をワンタッチ操作によって拡布状態で
保持枠に保持させることができる。
【0036】 本発明に係る染色機において、支持台
を連結した平行する回動軸の夫々の一端側で作動片を平
行して突設し、各作動片相互を連結杆で連結し、作動片
と連結杆は回動自在に枢着し、該連結杆の往復動作によ
り作動片を同時に揺動動作させるように構成した場合に
は、加熱槽を複数の槽に分割したときにも、一台のシー
ソー運動装置によって、各槽の支持台にシーソー運動を
与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を説明する斜視図である。
【図2】シーソー運動装置を説明する斜視図である。
【図3】染色容器を、布帛の拡布状態での収容状態とと
もに示す一部欠切斜視図である。
【図4】染色容器の使用状態を説明する断面図である。
【図5】保持具を説明する斜視図である。
【図6】支持台を説明する斜視図である。
【図7】染色容器のシーソー運動に伴う布帛の染色を説
明する断面図である。
【図8】染色容器のシーソー運動に伴う布帛の染色を説
明する断面図である。
【図9】複数の支持台に大型の染色容器を載設した状態
を説明する斜視図である。
【図10】常圧条件下における染色を説明する断面図で
ある。
【図11】加熱槽が複数に分割された染色機を説明する
平面図である。
【図12】図11に示す染色機におけるシーソー運動装
置を説明する説明図である。
【図13】従来における染色試験用色見本を作成する染
色機を説明する説明図である。
【図14】従来の染色機に用いる染色容器を説明する分
解斜視図である。
【図15】従来における常圧条件下での染色を説明する
説明図である。
【符号の説明】
1 染色機 2 加熱槽 3 布帛 5 染色容器 6 保持具 7 支持台 9 シーソー運動装置 36 保持針 45 支持板 46 軸固定部 52 受片 56 回動軸 57 作動片 58 連結杆

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱槽2に貯留した加熱媒体中に、所要
    量の染液が収容され且つ布帛3が拡布状態で収容されて
    なる染色容器5を浸漬し;該染色容器5を、拡布状態の
    布帛が、水平を呈する基準状態から垂直面内において時
    計回り及び反時計回りに交互に傾斜状態をとるようにシ
    ーソー運動させ;それに伴い、布帛の左右片面が交互に
    染液に漬かるようになすことを特徴とする布帛の染色方
    法。
  2. 【請求項2】 加熱媒体を貯留する加熱槽2と;所要量
    の染液を収容させ且つ布帛3を拡布状態で収容させる染
    色容器5と;前記加熱槽2に納設され且つ染色容器5を
    下方より支持する支持台7と;該支持台7を、拡布状態
    の布帛が、水平を呈する基準状態から垂直面内において
    時計回り及び反時計回りに交互に傾斜状態をとるように
    シーソー運動させ、それに伴い、布帛の左右片面が交互
    に染液に漬かるようになすシーソー運動装置9と;を具
    えることを特徴とする布帛の染色機。
  3. 【請求項3】 加熱媒体を貯留する加熱槽2と;所要量
    の染液を収容させ且つ布帛3を拡布状態で収容させる染
    色容器5と;該染色容器5に出し入れ可能に納設され且
    つ布帛を拡布状態で保持する保持具6と;前記加熱槽2
    に納設され且つ染色容器5を下方より支持する支持台7
    と;該支持台7を、拡布状態の布帛が、水平を呈する基
    準状態から垂直面内において時計回り及び反時計回りに
    交互に傾斜状態をとるようにシーソー運動させ、それに
    伴い、布帛の左右片面が交互に染液に漬かるようになす
    シーソー運動装置9と;を具えることを特徴とする布帛
    の染色機。
  4. 【請求項4】 支持台7は、矩形箱状の染色容器5を下
    方より支持する矩形板状をなす支持板45の下面部の左
    右方向中央部に軸固定部46を有するとともに、該支持
    板45の左右端には、染色容器5の左右側面部51,5
    1と当接しうる受片52を具えており、かかる構成を有
    する支持台7の複数が、支持板上面を面一にして前後方
    向に並列され、各支持台の軸固定部は、シーソー運動装
    置の一部をなし且つ各支持板を前後方向に横切る回動軸
    56に固定され、該回動軸56が所要角度範囲において
    正逆回転動作を繰り返すようになされている請求項2又
    は3記載の布帛の染色機。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の布帛の染色機において、
    保持具6は、拡布状態の布帛の対向縁部分を突き刺す保
    持針36が植設されてなる布帛の染色機。
  6. 【請求項6】 前後方向に並列された支持台の列が左右
    に複数設けられ、各支持台は回動軸56によって連結さ
    れ、該回動軸56が所要角度範囲において正逆回転動作
    するようになされ、 全ての回動軸の一端側において、作動片57が、その基
    端部が該回動軸に固定されて上方に平行して突出せしめ
    られ、各作動片相互は同高さ位置において連結杆58に
    より連結され且つ作動片57と連結杆58は回動自在に
    枢着され、該連結杆58の往復動作により前記作動片が
    同時に揺動動作するようになされている請求項2、3又
    は4記載の布帛の染色機。
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