JPH06184168A - 有機ケイ素化合物 - Google Patents

有機ケイ素化合物

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JPH06184168A
JPH06184168A JP29225692A JP29225692A JPH06184168A JP H06184168 A JPH06184168 A JP H06184168A JP 29225692 A JP29225692 A JP 29225692A JP 29225692 A JP29225692 A JP 29225692A JP H06184168 A JPH06184168 A JP H06184168A
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JP
Japan
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group
resin
compound
formula
carbon atoms
Prior art date
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Pending
Application number
JP29225692A
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English (en)
Inventor
Toshio Yamazaki
敏夫 山崎
Seiji Ichinohe
省二 一戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP29225692A priority Critical patent/JPH06184168A/ja
Publication of JPH06184168A publication Critical patent/JPH06184168A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】樹脂をシロキサン変性するための改質剤となる
新規な有機ケイ素化合物を提供すること。 【構成】下記化1で表されることを特徴とする有機ケイ
素化合物; 【化1】 化1式中、R0 は炭素原子数1〜10の2価の有機基、
1 は炭素原子数1〜8の1価の有機基、R2 、R3
びR4 は炭素原子数1〜8の1価の有機基又は−OSi
5 6 7 で表されるシロキシ基であり、aは0、1
又は2である。前記シロキシ基中、R5 、R6 及びR7
は炭素原子数1〜8の1価の有機基である。

Description

【発明の詳細な説明】
【請求項2】 R0 が−(CH2 3 −である請求項1
に記載の有機ケイ素化合物。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機ケイ素化合物に関
し、特に分子中に1個のメルカプト基(−SH)を有す
ると共にポリシロキサンを有する新規な有機ケイ素化合
物に関する。
【0002】
【従来技術】一般に、高分子にポリシロキサンを導入す
ることにより、高分子の耐熱性、耐侯性、表面特性又は
気体透過性等を改善できることが知られている。そこ
で、従来から、樹脂をシロキサン変性する改質剤とし
て、下記化2又は化3で表されるような、1分子中にメ
ルカプト基(−SH)とポリシロキサンを有する化合物
が使用されている。
【化2】
【化3】 但し、式中の1、m及びnは整数である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記の
改質剤について鋭意研究するうち、新規な有機ケイ素化
合物を見出し本発明に到達した。従って、本発明の目的
は、樹脂をシロキサン変性するための改質剤となる新規
な有機ケイ素化合物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
下記化4で表される有機ケイ素化合物によって達成され
た。
【化4】 上式中、R0 は炭素原子数1〜10の2価の有機基、R
1 は炭素原子数1〜8の1価の有機基、R2 、R3 及び
4 は炭素原子数1〜8の1価の有機基又は−OSiR
5 6 7 で表されるシロキシ基であり、aは0、1又
は2である。上記シロキシ基中、R5 、R6 及びR7
炭素原子数1〜8の1価の有機基である。
【0005】R0 で表される炭素原子数1〜10の2価
の有機基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、
プロピレン基、オクチレン基、デシレン基等の直鎖状、
分岐状、又は環状のアルキレン基;−C6 4 −、−C
2 −C6 4 −、−(CH2 2 −C6 4 −、−C
2 −C6 4 −(CH2 2 −、−CH2 −C6 4
−(CH2 3 −等のフェニレン基を含有する基等が挙
げられるが、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基、ブチレン基であり、特に好ましくは直鎖状プ
ロピレン基である。
【0006】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 及び
7 で表される炭素原子数1〜8の1価の有機基の具体
例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基等のア
リール基;ベンジル基等のアラルキル基;ビニル基、ア
リル基等のアルケニル基;クロロメチル基、3,3,3
−トリフロロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基等
が挙げられる。
【0007】R1 〜R7 の各々は同一であっても異なっ
ていても良いが、特にメチル基であることが好ましい。
−OSiR5 6 7 で表されるシロキシ基の具体例と
しては、トリメチルシロキシ基、エチルジメチルシロキ
シ基、フェニルジメチルシロキシ基、ビニルジメチルシ
ロキシ基、クロロメチルジメチルシロキシ基、3,3,
3−トリフロロプロピルジメチルシロキシ基等が挙げら
れ、これらは同一であっても異なっていても良い。
【0008】本発明の有機ケイ素化合物は、例えば、下
記化5で表される公知の反応式に従って容易に得ること
ができる。
【化5】 上式中、Xは炭素原子数1〜4のアルコキシ基であり、
aは0、1又は2である。
【0009】具体的には、水とエタノール、水とトルエ
ン又はメタノールとトルエン等の混合溶媒中に、上記の
化合物〔A〕とクロロシラン類〔B〕との混合液を滴下
し、熟成させ、次いで水相を分離して得られた有機相を
洗浄し、濃縮した後更に精製することによって得ること
ができる。尚、反応温度、反応時間、溶媒、触媒及び精
製方法等は適宜決めることができる。
【0010】化合物〔A〕の好ましい例としては、例え
ば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジ
メチルエトキシシラン等が挙げられる。
【0011】クロロシラン類〔B〕としては、例えば、
トリメチルクロロシラン、エチルジメチルクロロシラ
ン、フェニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルク
ロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、3,
3,3−トリフロロプロピルジメチルクロロシラン等の
クロロシラン;クロロペンタメチルジシロキサン、1−
クロロヘプタメチルトリシロキサン、3−クロロヘプタ
メチルトリシロキサン、3−クロロ─3−トリメチルシ
ロキシヘキサメチルトリシロキサン等のクロロシロキサ
ン等が挙げられるが、これらの中でも特にトリメチルク
ロロシランを使用することが好ましい。
【0012】本発明の有機ケイ素化合物は、樹脂をシロ
キサン変性するために使用する樹脂改質剤として特に有
用である。本発明の有機ケイ素化合物を用いてシロキサ
ン変性をすることができる樹脂は特に限定されるもので
はなく、公知の樹脂を適宜用いることができる。
【0013】代表的な樹脂の具体例としては、例えば、
アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合(AB
S)樹脂、アクリロニトリル/スチレン共重合(AS)
樹脂、アセタール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、セルロ
ース樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、フッ素樹
脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポ
リイミド、ポリフェニレン(チオ)エーテル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱
可塑性樹脂;アルキッド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱硬化
性樹脂;アクリルゴム、ポリブタジエン、クロロプレン
ゴム、クロロヒドリンゴム、ブチルゴム、ポリイソプレ
ン、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴ
ム等のゴム類が挙げられる。
【0014】
【発明の効果】本発明の有機ケイ素化合物は、シロキサ
ン変性用の樹脂改質剤として極めて有用である。また、
本発明の有機ケイ素化合物を用いて樹脂を改質した場合
には、樹脂の耐熱性、耐侯性、表面特性又は気体透過性
等の特性が著しく改善される。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0016】実施例1.容器に、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン19.6g(0.1モル)とトリ
メチルクロロシラン13.2g(1.2モル)を添加
し、混合してシラン混合液A1 を調製した。次に、滴下
ロート、冷却管、温度計及び攪拌装置を備えた1リット
ルのフラスコに、水200ml、トルエン100ml及
び濃塩酸(触媒)17gを仕込み、攪拌しながら冷却
し、次いで、予め調製していたシラン混合液A1 を20
℃以下の条件で滴下した後、室温で約2時間熟成させて
反応混合液を得た。
【0017】得られた反応混合液から水相を分離し、有
機相を飽和食塩水を用いて中性になるまで洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで水分を除去した後、更に減圧下で溶媒
を留去し、精留して、64.3%の収率で、反応生成物
23.8gを得た。得られた生成物は、赤外線吸収スペ
クトル(IR)、1 H−NMRスペクトル(1 H−NM
R)、質量分析(MS)及び元素分析の結果から、下記
化6で表される化合物であることが確認された。
【化6】
【0018】尚、上記のIR(図1)、1 H−NMRス
ペクトル(図2)、MS及び元素分析の結果は下記に示
した通りである。IR(cm-1 2960cm-1:(C−H) 2560cm-1:(S−H) 1250cm-1:(Si−CH3 ) 1060cm-1:(Si−O) 770cm-1:(C−S)
【0019】 1 H−NMR δ(ppm)、溶媒:CCl4 0.13 ppm:(s、27H、Si−C
3 ) 0.4〜0.8 ppm:(m、2H、C−CH2 −S
i) 1.1 ppm:(t、1H、S−H) 1.3〜1.9 ppm:(m、2H、C−CH2
C) 2.5 ppm:(q、2H、C−CH2
S)MS+ (m/e):370
【0020】元素分析 (%)、括弧内の値は計算値を示す。 C :39.04 (38.92)% H : 9.08 ( 9.19)% Si:30.33 (30.27)%
【0021】実施例2.実施例1で調製したシラン混合
液A1 に代えて、γ−メルカプトプロピルメチルジメト
キシシラン18.0g(0.1モル)とクロロペンタメ
チルジシロキサン146.0g(0.8モル)とを混合
したシラン混合液A2 を調製して用いた他は、実施例1
と全く同様にして合成を行って、収率58.4%で反応
生成物24.3gを得た得られた反応生成物は、赤外線
吸収スペクトル(IR)、1 H−NMRスペクトル(1
H−NMR)、質量分析(MS)及び元素分析の結果か
ら、下記化7で表される化合物であることが確認され
た。
【化7】
【0022】尚、上記のIR、1 H−NMRスペクト
ル、MS及び元素分析の結果は下記に示した通りであ
る。IR(cm-1 2960cm-1:(C−H) 2560cm-1:(S−H:非常に弱い) 1250cm-1:(Si−CH3 ) 1060cm-1:(Si−O) 770cm-1:(C−S)
【0023】 1 H−NMR δ(ppm)、溶媒:CCl4 0.13 ppm:(s、33H、Si−C
3 ) 0.4〜0.8 ppm:(m、2H、C−CH2 −S
i) 1.1 ppm:(t、1H、S−H) 1.3〜1.9 ppm:(m、2H、C−CH2
C) 2.5 ppm:(q、2H、C−CH2
S)MS+ (m/e):444
【0024】元素分析 (%)、括弧内の値は計算値を示す。 C :37.92 (37.84)% H : 8.79 ( 8.86)% Si:31.51 (31.53)% 応用例
【0025】塗料の配合 A:アルキッド樹脂(ベツコゾールER−3400:日
本ライヒホールド株式会社製の商品名)
:38重量部 B:ブチルメラミン樹脂(スーパーベツカミンG−82
1:日本ライヒホールド株式会社製の商品名)
:20重量部 C:酸化チタン :30重量部 D:キシレン :12重量部
【0026】別々に用意した上記の配合の白色エナメル
塗料100重量部に対して、無添加のもの、及び実施例
1で得られた化合物、オレイン酸、ジメチルシリコーン
油(100cs)又は下記化8で表される従来の改質剤
0.2重量部を、各々別々に添加したものを、アルミニ
ウム製のパネルに塗装して各テストパネルを得た。
【化8】 得られた各テストパネルを常温で7日間放置した後、塗
膜の外観の目視による観察、及び下記に示した動摩擦係
数、すべり角、塗膜損傷度の試験を行った。結果は表1
に示した通りである。
【0027】動摩擦係数 協和界面科学株式会社製の動摩擦係数測定装置を使用
し、荷重100g、速度50mm/分の条件下で、摩擦
子としてSUSボールを用いて測定した。すべり角テス
トパネル(5cm×5cm)の塗膜面側を互いに重ね合
わせ、上側に250gの荷重を載せてパネルの一方の端
を上げ、上部のパネルが滑り始める角度を測定してすべ
り角とした。
【0028】塗膜損傷度 テストパネル(5cm×5cm)の塗膜面側を互いに重
ね合わせ、上側のパネルに250gの荷重を載せてパネ
ルの一方を強制的に滑らせたときの塗膜面の損傷度を目
視によって評価した。 A:傷及びくもりなし B:僅かに傷及びくもりがある C:傷及びくもりがある
【0029】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた化合物のIRスペクトルで
ある。
【図2】実施例1で得られた化合物の1 H−NMRスペ
クトルである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 化1式中、Rは炭素原子数1〜10の2価の有機基、
は炭素原子数1〜8の1価の有機基、R、R
びRは炭素原子数1〜8の1価の有機基又は−OSi
で表されるシロキシ基、aは0、1又は2
であり、前記シロキシ基中、R、R及びRは炭素
原子数1〜8の1価の有機基である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機ケイ素化合物に関
し、特に分子中に1個のメルカプト基(−SH)を有す
ると共にポリシロキサンを有する新規な有機ケイ素化合
物に関する。
【0002】
【従来技術】一般に、高分子にポリシロキサンを導入す
ることにより、高分子の耐熱性、耐侯性、表面特性又は
気体透過性等を改善できることが知られている。そこ
で、従来から、樹脂をシロキサン変性する改質剤とし
て、下記化2又は化3で表されるような、1分子中にメ
ルカプト基(−SH)とポリシロキサンを有する化合物
が使用されている。
【化2】
【化3】 但し、式中の1、m及びnは整数である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記の
改質剤について鋭意研究するうち、新規な有機ケイ素化
合物を見出し本発明に到達した。従って、本発明の目的
は、樹脂をシロキサン変性するための改質剤となる新規
な有機ケイ素化合物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
下記化4で表される有機ケイ素化合物によって達成され
た。
【化4】 上式中、Rは炭素原子数1〜10の2価の有機基、R
は炭素原子数1〜8の1価の有機基、R、R及び
は炭素原子数1〜8の1価の有機基又は−OSiR
で表されるシロキシ基であり、aは0、1又
は2である。上記シロキシ基中、R、R及びR
炭素原子数1〜8の1価の有機基である。
【0005】Rで表される炭素原子数1〜10の2価
の有機基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、
プロピレン基、オクチレン基、デシレン基等の直鎖状、
分岐状、又は環状のアルキレン基;−C−、−C
−C−、−(CH−C−、−C
−C−(CH−、−CH−C
−(CH−等のフェニレン基を含有する基等が挙
げられるが、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基、ブチレン基であり、特に好ましくは直鎖状プ
ロピレン基である。
【0006】R、R、R、R、R、R及び
で表される炭素原子数1〜8の1価の有機基の具体
例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基等のア
リール基;ベンジル基等のアラルキル基;ビニル基、ア
リル基等のアルケニル基;クロロメチル基、3,3,3
−トリフロロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基等
が挙げられる。
【0007】R〜Rの各々は同一であっても異なっ
ていても良いが、特にメチル基であることが好ましい。
−OSiRで表されるシロキシ基の具体例と
しては、トリメチルシロキシ基、エチルジメチルシロキ
シ基、フェニルジメチルシロキシ基、ビニルジメチルシ
ロキシ基、クロロメチルジメチルシロキシ基、3,3,
3−トリフロロプロピルジメチルシロキシ基等が挙げら
れ、これらは同一であっても異なっていても良い。
【0008】本発明の有機ケイ素化合物は、例えば、下
記化5で表される公知の反応式に従って容易に得ること
ができる。
【化5】 上式中、Xは炭秦原子数1〜4のアルコキシ基であり、
aは0、1又は2である。
【0009】具体的には、水とエタノール、水とトルエ
ン又はメタノールとトルエン等の混合溶媒中に、上記の
化合物〔A〕とクロロシラン類〔B〕との混合液を滴下
し、熟成させ、次いで水相を分離して得られた有機相を
洗浄し、濃縮した後更に精製することによって得ること
ができる。尚、反応温度、反応時間、溶媒、触媒及び精
製方法等は適宜決めることができる。
【0010】化合物〔A〕の好ましい例としては、例え
ば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジ
メチルエトキシシラン等が挙げられる。
【0011】クロロシラン類〔B〕としては、例えば、
トリメチルクロロシラン、エチルジメチルクロロシラ
ン、フェニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルク
ロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、3,
3,3−トリフロロプロピルジメチルクロロシラン等の
クロロシラン;クロロペンタメチルジシロキサン、1−
クロロヘプタメチルトリシロキサン、3−クロロヘプタ
メチルトリシロキサン、3−クロロ−3−トリメチルシ
ロキシヘキサメチルトリシロキサン等のクロロシロキサ
ン等が挙げられるが、これらの中でも特にトリメチルク
ロロシランを使用することが好ましい。
【0012】本発明の有機ケイ素化合物は、樹脂をシロ
キサン変性するために使用する樹脂改質剤として特に有
用である。本発明の有機ケイ素化合物を用いてシロキサ
ン変性をすることができる樹脂は特に限定されるもので
はなく、公知の樹脂を適宜用いることができる。
【0013】代表的な樹脂の具体例としては、例えば、
アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合(AB
S)樹脂、アクリロニトリル/スチレン共重合(AS)
樹脂、アセタール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、セルロ
ース樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、フッ素樹
脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポ
リイミド、ポリフェニレン(チオ)エーテル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱
可塑性樹脂;アルキッド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱硬化
性樹脂;アクリルゴム、ポリブタジエン、クロロプレン
ゴム、クロロヒドリンゴム、ブチルゴム、ポリイソプレ
ン、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴ
ム等のゴム類が挙げられる。
【0014】
【発明の効果】本発明の有機ケイ素化合物は、シロキサ
ン変性用の樹脂改質剤として極めて有用である。また、
本発明の有機ケイ素化合物を用いて樹脂を改質した場合
には、樹脂の耐熱性、耐侯性、表面特性又は気体透過性
等の特性が著しく改善される。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0016】実施例1.容器に、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン19.6g(0.1モル)とトリ
メチルクロロシラン13.2g(1.2モル)を添加
し、混合してシラン混合液Aを調製した。次に、滴下
ロート、冷却管、温度計及び攪拌装置を備えた1リット
ルのフラスコに、水200ml、トルエン100ml及
び濃塩酸(触媒)17gを仕込み、攪拌しながら冷却
し、次いで、予め調製していたシラン混合液Aを20
℃以下の条件で滴下した後、室温で約2時間熟成させて
反応混合液を得た。
【0017】得られた反応混合液から水相を分離し、有
機相を飽和食塩水を用いて中性になるまで洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで水分を除去した後、更に減圧下で溶媒
を留去し、精留して、64.3%の収率で、反応生成物
23.8gを得た。得られた生成物は、赤外線吸収スペ
クトル(IR)、H−NMRスペクトル(H−NM
R)、質量分析(MS)及び元素分析の結果から、下記
化6で表される化合物であることが確認された。
【化6】
【0018】尚、上記のIR(図1)、H−NMRス
ペクトル(図2)、MS及び元素分析の結果は下記に示
した通りである。IR(cm−1 2960cm−1:(C−H) 2560cm−1:(S−H) 1250cm−1:(Si−CH) 1060cm−1:(Si−O) 770cm−1:(C−S)
【0019】 H−NMR δ(ppm)、溶媒:CCl 0.13 ppm:(s、27H、Si−C
) 0.4〜0.8 ppm:(m、2H、C−CH−S
i) 1.1 ppm:(t、1H、S−H) 1.3〜1.9 ppm:(m、2H、C−CH
C) 2.5 ppm:(q、2H、C−CH
S)MS(m/e):370
【0020】元素分析 (%)、括弧内の値は計算値を示す。 C :39.04 (38.92)% H : 9.08 ( 9.19)% Si:30.33 (30.27)%
【0021】実施例2.実施例1で調製したシラン混合
液Aに代えて、γ−メルカプトプロピルメチルジメト
キシシラン18.0g(0.1モル)とクロロペンタメ
チルジシロキサン146.0g(0.8モル)とを混合
したシラン混合液Aを調製して用いた他は、実施例1
と全く同様にして合成を行って、収率58.4%で反応
生成物24.3gを得た得られた反応生成物は、赤外線
吸収スペクトル(IR)、H−NMRスペクトル(
H−NMR)、質量分析(MS)及び元素分折の結果か
ら、下記化7で表される化合物であることが確認され
た。
【化7】
【0022】尚、上記のIR、H−NMRスペクト
ル、MS及び元素分析の結果は下記に示した通りであ
る。IR(cm−1 2960cm−1:(C−H) 2560cm−1:(S−H:非常に弱い) 1250cm−1:(Si−CH) 1060cm−1:(Si−O) 770cm−1:(C−S)
【0023】 H−NMR δ(ppm)、溶媒:CCl 0.13 ppm:(s、33H、Si−C
) 0.4〜0.8 ppm:(m、2H、C−CH−S
i) 1.1 ppm:(t、1H、S−H) 1.3〜1.9 ppm:(m、2H、C−CH
C) 2.5 ppm:(q、2H、C−CH
S)MS(m/e):444
【0024】元素分析 (%)、括弧内の値は計算値を示す。 C :37.92 (37.84)% H : 8.79 ( 8.86)% Si:31.51 (31.53)% 応用例
【0025】塗料の配合 A:アルキッド樹脂(ベツコゾールER−3400:日
本ライヒホールド株式会社製の商品名)
:38重量部 B:ブチルメラミン樹脂(スーパーベツカミンG−82
1:日本ライヒホールド株式会社製の商品名)
:20重量部 C:酸化チタン :30重量部 D:キシレン :12重量部
【0026】別々に用意した上記の配合の白色エナメル
塗料100重量部に対して、無添加のもの、及び実施例
1で得られた化合物、オレイン酸、ジメチルシリコーン
油(100cs)又は下記化8で表される従来の改質剤
0.2重量部を、各々別々に添加したものを、アルミニ
ウム製のパネルに塗装して各テストパネルを得た。
【化8】 得られた各テストパネルを常温で7日間放置した後、塗
膜の外観の目視による観察、及び下記に示した動摩擦係
数、すべり角、塗膜損傷度の試験を行った。結果は表1
に示した通りである。
【0027】動摩擦係数 協和界面科学株式会社製の動摩擦係数測定装置を使用
し、荷重100g、速度50mm/分の条件下で、摩擦
子としてSUSボールを用いて測定した。すべり角 テストパネル(5cm×5cm)の塗膜面側を互いに重
ね合わせ、上側に250gの荷重を載せてパネルの一方
の端を上げ、上部のパネルが滑り始める角度を測定して
すべり角とした。
【0028】塗膜損傷度 テストパネル(5cm×5cm)の塗膜面側を互いに重
ね合わせ、上側のパネルに250gの荷重を載せてパネ
ルの一方を強制的に滑らせたときの塗膜面の損傷度を目
視によって評価した。 A:傷及びくもりなし B:僅かに傷及びくもりがある C:傷及びくもりがある
【0029】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1で表されることを特徴とする有
    機ケイ素化合物; 【化1】 化1式中、R0 は炭素原子数1〜10の2価の有機基、
    1 は炭素原子数1〜8の1価の有機基、R2 、R3
    びR4 は炭素原子数1〜8の1価の有機基又は−OSi
    5 6 7 で表されるシロキシ基、aは0、1又は2
    であり、前記シロキシ基中、R5 、R6 及びR7 は炭素
    原子数1〜8の1価の有機基である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000128990A (ja) * 1998-10-27 2000-05-09 Degussa Huels Ag 硫黄官能性ポリオルガノシロキサン、その製造法、該化合物を含有するゴム混合物、その製造法および該混合物からなる成形体

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3692812A (en) * 1971-04-21 1972-09-19 Gen Electric Method of producing alkoxy-substituted mercaptoalkyl silanes

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