JPH06184107A - トリプトファン誘導体及びこれを含有するnmda受容体拮抗剤 - Google Patents
トリプトファン誘導体及びこれを含有するnmda受容体拮抗剤Info
- Publication number
- JPH06184107A JPH06184107A JP9835491A JP9835491A JPH06184107A JP H06184107 A JPH06184107 A JP H06184107A JP 9835491 A JP9835491 A JP 9835491A JP 9835491 A JP9835491 A JP 9835491A JP H06184107 A JPH06184107 A JP H06184107A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tryptophan
- tryptophan derivative
- methyl ester
- methoxycarbonyl
- nmda receptor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Indole Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】脳・脊髄での神経伝達物質であるグルタミン
酸、アスパラギン酸等の興奮性アミノ酸の受容体である
NMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)受容体の
拮抗作用を有し、該受容体の拮抗に応答する老人痴呆等
の疾患の治療に有効な化合物を提供する。 【構成】下記の化1で示される新規トリプトファン誘導
体が、NMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)受
容体の拮抗作用を有し、該受容体の拮抗に応答する老人
痴呆等の疾患の治療に有効である。 【化1】
酸、アスパラギン酸等の興奮性アミノ酸の受容体である
NMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)受容体の
拮抗作用を有し、該受容体の拮抗に応答する老人痴呆等
の疾患の治療に有効な化合物を提供する。 【構成】下記の化1で示される新規トリプトファン誘導
体が、NMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)受
容体の拮抗作用を有し、該受容体の拮抗に応答する老人
痴呆等の疾患の治療に有効である。 【化1】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脳・脊髄での神経伝達
物質であるグルタミン酸、アスパラギン酸等の興奮性ア
ミノ酸の受容体であるNMDA(N−メチル−D−アス
パラギン酸)受容体の拮抗作用を有し、老年痴呆等の該
受容体の拮抗に応答する疾患の治療に有効な新規なトリ
プトファン誘導体及びそのエステル体に関する。
物質であるグルタミン酸、アスパラギン酸等の興奮性ア
ミノ酸の受容体であるNMDA(N−メチル−D−アス
パラギン酸)受容体の拮抗作用を有し、老年痴呆等の該
受容体の拮抗に応答する疾患の治療に有効な新規なトリ
プトファン誘導体及びそのエステル体に関する。
【0002】
【従来の技術及び問題点】脊髄動物の脳・脊髄では、グ
ルタミン酸、アスパラギン酸等の興奮性アミノ酸が神経
伝達物質として重要な役割を果たしている。その受容体
としては、少なくともNMDA(N−メチル−D−アス
パラギン酸)タイプ、キスカル酸タイプ、カイニン酸タ
イプの3種があり、そのうちNMDA受容体の拮抗剤が
ハンチントン(Huntington)舞踏病、てんか
ん、老年痴呆、または酸素欠乏症の後に見られる精神及
び運動機能の不全症に効果があることが知られている
(ジョーンズ(A.Jones)ら,ニューロサイエン
ス レター(Neurosci.Lett.),45,
157−61(1984)、マックゲール(E.G.M
cGeer)ら,ネイチャー(Nature),26
3,517−19(1976)、サイモン(R.Sim
on)ら,サイエンス(Science),226,8
50−2(1984))。
ルタミン酸、アスパラギン酸等の興奮性アミノ酸が神経
伝達物質として重要な役割を果たしている。その受容体
としては、少なくともNMDA(N−メチル−D−アス
パラギン酸)タイプ、キスカル酸タイプ、カイニン酸タ
イプの3種があり、そのうちNMDA受容体の拮抗剤が
ハンチントン(Huntington)舞踏病、てんか
ん、老年痴呆、または酸素欠乏症の後に見られる精神及
び運動機能の不全症に効果があることが知られている
(ジョーンズ(A.Jones)ら,ニューロサイエン
ス レター(Neurosci.Lett.),45,
157−61(1984)、マックゲール(E.G.M
cGeer)ら,ネイチャー(Nature),26
3,517−19(1976)、サイモン(R.Sim
on)ら,サイエンス(Science),226,8
50−2(1984))。
【0003】既知のNMDA受容体拮抗剤としては、N
MDA受容体複合体中のイオンチャンネルに作用する非
競合型と、直接NMDA受容体に作用する競合型とに分
けられる。しかし、非競合型の拮抗剤は末梢投与時には
有効であるものの、記憶障害、幻覚、幻聴、精神異常発
現といったフェンサイクリジン様作用を有しているとい
う問題点があり、一方、競合型の拮抗剤はアミノ酸誘導
体であるために極性が高く、末梢投与時には血液−脳関
門を通過しないという問題点があった。従って、末梢投
与時に有効で、しかもフェンサイクリジン様作用等の副
作用がなく、NMDA受容体を拮抗し、老年痴呆等の該
受容体の拮抗に応答する疾患の治療に有効である薬剤の
開発が切望されていた。
MDA受容体複合体中のイオンチャンネルに作用する非
競合型と、直接NMDA受容体に作用する競合型とに分
けられる。しかし、非競合型の拮抗剤は末梢投与時には
有効であるものの、記憶障害、幻覚、幻聴、精神異常発
現といったフェンサイクリジン様作用を有しているとい
う問題点があり、一方、競合型の拮抗剤はアミノ酸誘導
体であるために極性が高く、末梢投与時には血液−脳関
門を通過しないという問題点があった。従って、末梢投
与時に有効で、しかもフェンサイクリジン様作用等の副
作用がなく、NMDA受容体を拮抗し、老年痴呆等の該
受容体の拮抗に応答する疾患の治療に有効である薬剤の
開発が切望されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のアミノ酸誘導体である競合型のNMDA受容体拮
抗剤の問題点に鑑みてなされたものであり、末梢投与時
に有効で、しかもフェンサイクリジン様作用等の副作用
がなく、NMDA受容体を拮抗し、老年痴呆等の該受容
体の拮抗に応答する疾患の治療に有効である薬剤を提供
すること目的とする。
従来のアミノ酸誘導体である競合型のNMDA受容体拮
抗剤の問題点に鑑みてなされたものであり、末梢投与時
に有効で、しかもフェンサイクリジン様作用等の副作用
がなく、NMDA受容体を拮抗し、老年痴呆等の該受容
体の拮抗に応答する疾患の治療に有効である薬剤を提供
すること目的とする。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、アミノ
酸誘導体である競合型のNMDA受容体拮抗剤について
鋭意研究した結果、トリプトファンが脳に必ず取り込ま
れる必須アミノ酸であることに着目し、本発明に係わる
下記の化1に示される新規なトリプトファン誘導体が末
梢投与時に有効な競合型のNMDA受容体拮抗剤である
ことを見いだし、本発明を完成させたものである。すな
わち、上記の問題点を解決するものは下記の化1に示さ
れる新規なトリプトファン誘導体である。
酸誘導体である競合型のNMDA受容体拮抗剤について
鋭意研究した結果、トリプトファンが脳に必ず取り込ま
れる必須アミノ酸であることに着目し、本発明に係わる
下記の化1に示される新規なトリプトファン誘導体が末
梢投与時に有効な競合型のNMDA受容体拮抗剤である
ことを見いだし、本発明を完成させたものである。すな
わち、上記の問題点を解決するものは下記の化1に示さ
れる新規なトリプトファン誘導体である。
【化1】
【0006】また、トリプトファンは必須アミノ酸の一
種で、主に栄養剤として用いられる化合物であるが、従
来、トリプトファン誘導体がNMDA受容体を拮抗する
作用を有することは知られていない。
種で、主に栄養剤として用いられる化合物であるが、従
来、トリプトファン誘導体がNMDA受容体を拮抗する
作用を有することは知られていない。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する本発明のト
リプトファン誘導体は新規化合物であり、製造方法の具
体例は本明細書中に合成例として記載するが、その例と
しては下記の化合物を挙げることができる。
リプトファン誘導体は新規化合物であり、製造方法の具
体例は本明細書中に合成例として記載するが、その例と
しては下記の化合物を挙げることができる。
【0008】1) (S)−Nb−メトキシカルボニル
−Na−メトキシカルボニルメチルトリプトファン メ
チルエステル 2) (S)−Na−(カルボキシメチル)トリプトフ
ァン 3) (R)−Nb−メトキシカルボニル−Na−メト
キシカルボニルメチルトリプトファン メチルエステル 4) (R)−Na−(カルボキシメチル)トリプトフ
ァン 5) (R)−Nb−メトキシカルボニル−Na−
[(1(2)H−テトラゾール−5−イル)メチル]ト
リプトファン メチルエステル 6) (R)−Na−[(1(2)H−テトラゾール−
5−イル)メチル]トリプトファン 7) Nb−メトキシカルボニル−5−(メトキシカル
ボニルメトキシ)トリプトファン メチルエステル 8) 5−(カルボキシメトキシ)トリプトファン 及び、上記各化合物の塩酸、フマル酸、マレイン酸、シ
ュウ酸等との塩。
−Na−メトキシカルボニルメチルトリプトファン メ
チルエステル 2) (S)−Na−(カルボキシメチル)トリプトフ
ァン 3) (R)−Nb−メトキシカルボニル−Na−メト
キシカルボニルメチルトリプトファン メチルエステル 4) (R)−Na−(カルボキシメチル)トリプトフ
ァン 5) (R)−Nb−メトキシカルボニル−Na−
[(1(2)H−テトラゾール−5−イル)メチル]ト
リプトファン メチルエステル 6) (R)−Na−[(1(2)H−テトラゾール−
5−イル)メチル]トリプトファン 7) Nb−メトキシカルボニル−5−(メトキシカル
ボニルメトキシ)トリプトファン メチルエステル 8) 5−(カルボキシメトキシ)トリプトファン 及び、上記各化合物の塩酸、フマル酸、マレイン酸、シ
ュウ酸等との塩。
【0009】本発明のトリプトファン誘導体は、NMD
A受容体の拮抗剤として、または該受容体の拮抗に応答
するハンチントン(Huntington)舞踏病、て
んかん、老年痴呆、または酸素欠乏症の後に見られる精
神及び運動機能の不全症等の疾患を治療するための医薬
製剤として使用され、投与量は症状により異なるが、一
般に成人一日量0.1〜200mg、好ましくは1〜1
00mgであり、症状に応じて必要により1〜3回に分
けて投与するのが好ましい。
A受容体の拮抗剤として、または該受容体の拮抗に応答
するハンチントン(Huntington)舞踏病、て
んかん、老年痴呆、または酸素欠乏症の後に見られる精
神及び運動機能の不全症等の疾患を治療するための医薬
製剤として使用され、投与量は症状により異なるが、一
般に成人一日量0.1〜200mg、好ましくは1〜1
00mgであり、症状に応じて必要により1〜3回に分
けて投与するのが好ましい。
【0010】投与方法は投与に適した任意の形態をとる
ことができ、特に経口投与が好ましいが静注も可能であ
る。本発明に用いられる化合物は有効成分の一つとして
単独または通常の方法で製剤担体あるいは賦形剤等と混
合され、錠剤、糖衣錠、散剤、カプセル剤、顆粒剤、懸
濁剤、乳剤、注射液等に製剤化された種々の形態で適用
できる。担体あるいは賦形剤の例としては炭酸カルシウ
ム、リン酸カルシウム、でんぷん、ブドウ糖、乳糖、デ
キストリン、アルギン酸、マンニトール、タルク、ステ
アリン酸マグネシウム等があげられる。
ことができ、特に経口投与が好ましいが静注も可能であ
る。本発明に用いられる化合物は有効成分の一つとして
単独または通常の方法で製剤担体あるいは賦形剤等と混
合され、錠剤、糖衣錠、散剤、カプセル剤、顆粒剤、懸
濁剤、乳剤、注射液等に製剤化された種々の形態で適用
できる。担体あるいは賦形剤の例としては炭酸カルシウ
ム、リン酸カルシウム、でんぷん、ブドウ糖、乳糖、デ
キストリン、アルギン酸、マンニトール、タルク、ステ
アリン酸マグネシウム等があげられる。
【0011】次に合成例および実施例を示して本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定される
ものではない。
具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定される
ものではない。
【0012】
【実施例1】 1) (S)−トリプトファン メチルエステル1塩酸
塩 10.0gを塩化メチレン 50mlに加え、0℃
に冷却した後、2規定水酸化ナトリウム水溶液39.5
mlを加え、激しく撹拌しながらクロルぎ酸メチル
7.42gを滴下し、1時間撹拌した。水100mlを
加え、塩化メチレンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した後、溶媒を減圧留去し、(S)−Nb−メトキシ
カルボニルトリプトファン メチルエステル 10.4
gを得た。
塩 10.0gを塩化メチレン 50mlに加え、0℃
に冷却した後、2規定水酸化ナトリウム水溶液39.5
mlを加え、激しく撹拌しながらクロルぎ酸メチル
7.42gを滴下し、1時間撹拌した。水100mlを
加え、塩化メチレンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した後、溶媒を減圧留去し、(S)−Nb−メトキシ
カルボニルトリプトファン メチルエステル 10.4
gを得た。
【0013】2) (S)−Nb−メトキシカルボニル
トリプトファン メチルエステル10.4gを85%リ
ン酸 50mlに溶かし、室温で12時間撹拌した後、
10%炭酸ナトリウム水溶液 300ml中に加え、ベ
ンゼンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、ベンゼン:アセトン(25:2)溶出画分より、
(2S,3aR,8aR)−1,2−ビス(メトキシカ
ルボニル)−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒド
ロピロロ(2,3−b)インドール 5.20gを得
た。
トリプトファン メチルエステル10.4gを85%リ
ン酸 50mlに溶かし、室温で12時間撹拌した後、
10%炭酸ナトリウム水溶液 300ml中に加え、ベ
ンゼンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、ベンゼン:アセトン(25:2)溶出画分より、
(2S,3aR,8aR)−1,2−ビス(メトキシカ
ルボニル)−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒド
ロピロロ(2,3−b)インドール 5.20gを得
た。
【0014】3) アルゴン雰囲気下、(2S,3a
R,8aR)−1,2−ビス(メトキシカルボニル)−
1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ
(2,3−b)インドール 5.20gをN,N−ジメ
チルホルムアミド 30mlに溶かし、水素化ナトリウ
ム(60%)0.83gを加え、室温で1時間撹拌し、
ブロモ酢酸メチル3.45gのN,N−ジメチルホルム
アミド溶液(3ml)を滴下し、室温で3時間撹拌した
後、水を加え、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフイーに付し、ベンゼン:アセトン
(25:2)溶出画分より、(S)−Nb−メトキシカ
ルボニル−Na−メトキシカルボニルメチルトリプトフ
ァン メチルエステル2.23gを得た。
R,8aR)−1,2−ビス(メトキシカルボニル)−
1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ
(2,3−b)インドール 5.20gをN,N−ジメ
チルホルムアミド 30mlに溶かし、水素化ナトリウ
ム(60%)0.83gを加え、室温で1時間撹拌し、
ブロモ酢酸メチル3.45gのN,N−ジメチルホルム
アミド溶液(3ml)を滴下し、室温で3時間撹拌した
後、水を加え、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフイーに付し、ベンゼン:アセトン
(25:2)溶出画分より、(S)−Nb−メトキシカ
ルボニル−Na−メトキシカルボニルメチルトリプトフ
ァン メチルエステル2.23gを得た。
【0015】4) (S)−Nb−メトキシカルボニル
メチルトリプトファン メチルエステル1.73gを2
規定水酸化ナトリウム水溶液15mlに加え、100℃
で2時間撹拌した後、0℃に冷却し、1規定塩酸を加え
pH5とした後、減圧下溶媒を留去し、残渣からエタノ
ールを用いて抽出し、減圧下溶媒を留去し、(S)−N
a−(カルボキシルエチル)トリプトファン1塩酸塩
0.35gを得た。該化合物の分光学的データは、下記
の化2の構造を支持する。
メチルトリプトファン メチルエステル1.73gを2
規定水酸化ナトリウム水溶液15mlに加え、100℃
で2時間撹拌した後、0℃に冷却し、1規定塩酸を加え
pH5とした後、減圧下溶媒を留去し、残渣からエタノ
ールを用いて抽出し、減圧下溶媒を留去し、(S)−N
a−(カルボキシルエチル)トリプトファン1塩酸塩
0.35gを得た。該化合物の分光学的データは、下記
の化2の構造を支持する。
【0016】
【化2】
【0017】1H NMR(D2O) δ(ppm) 3.02〜3.90(2H,m)、3.95〜4.26
(1H,m)、4.70(2H,S)、7.00〜7.
85(5H,m)
(1H,m)、4.70(2H,S)、7.00〜7.
85(5H,m)
【0018】
【実施例2】
【0019】1) アルゴン雰囲気下、−10℃に冷却
した乾燥メタノール 30mlに塩化チオニル 7.8
0mlを滴下し、10分間撹拌した後、(R)−トリプ
トファン 6.14gを加え、室温で5.5時間撹拌し
た。反応液をエーテル 200ml中に加え、生成した
結晶を濾取し、減圧下乾燥させ(R)−トリプトファン
メチルエステル1塩酸塩 6.78gを得た。
した乾燥メタノール 30mlに塩化チオニル 7.8
0mlを滴下し、10分間撹拌した後、(R)−トリプ
トファン 6.14gを加え、室温で5.5時間撹拌し
た。反応液をエーテル 200ml中に加え、生成した
結晶を濾取し、減圧下乾燥させ(R)−トリプトファン
メチルエステル1塩酸塩 6.78gを得た。
【0020】2) (R)−トリプトファン メチルエ
ステル1塩酸塩 6.78g、2規定水酸化ナトリウム
水溶液 27.0ml、クロルぎ酸メチル5.03gを
用い、<実施例1> 1)と同様の方法によって、
(R)−Nb−メトキシカルボニルトリプトファン メ
チルエステル 7.34gを得た。
ステル1塩酸塩 6.78g、2規定水酸化ナトリウム
水溶液 27.0ml、クロルぎ酸メチル5.03gを
用い、<実施例1> 1)と同様の方法によって、
(R)−Nb−メトキシカルボニルトリプトファン メ
チルエステル 7.34gを得た。
【0021】3) (R)−Nb−メトキシカルボニル
トリプトファン メチルエステル7.34g、85%リ
ン酸 35mlを用い、<実施例1> 2)と同様の方
法によって、(2R,3aS,8aS)−1,2−ビス
(メトキシカルボニル)−1,2,3,3a,8,8a
−ヘキサヒドロピロロ(2,3−b)インドール4.2
0gを得た。
トリプトファン メチルエステル7.34g、85%リ
ン酸 35mlを用い、<実施例1> 2)と同様の方
法によって、(2R,3aS,8aS)−1,2−ビス
(メトキシカルボニル)−1,2,3,3a,8,8a
−ヘキサヒドロピロロ(2,3−b)インドール4.2
0gを得た。
【0022】4) アルゴン雰囲気下、(2R,3a
S,8aS)−1,2−ビス(メトキシカルボニル)−
1,2,3,3a,8,8a−へキサヒドロピロロ
(2,3−b)インドール 4.20g、N,N−ジメ
チルホルムアミド 30ml、水素化ナトリウム(60
%)0.63g、ブロモ酢酸メチル2.85gを用い、
<実施例1> 3)と同様の方法によって、(R)−N
b−メトキシカルボニル−Na−メトキシカルボニルメ
チルトリプトファン メチルエステル1.62gを得
た。
S,8aS)−1,2−ビス(メトキシカルボニル)−
1,2,3,3a,8,8a−へキサヒドロピロロ
(2,3−b)インドール 4.20g、N,N−ジメ
チルホルムアミド 30ml、水素化ナトリウム(60
%)0.63g、ブロモ酢酸メチル2.85gを用い、
<実施例1> 3)と同様の方法によって、(R)−N
b−メトキシカルボニル−Na−メトキシカルボニルメ
チルトリプトファン メチルエステル1.62gを得
た。
【0023】5) (R)−Nb−メトキシカルボニル
−Na−メトキシカルボニルメチルトリプトファン メ
チルエステル 0.87gを2規定水酸化ナトリウム水
溶液15mlを用い、<実施例1> 4)と同様の方法
により、(R)−Na−(カルボキシメチル)トリプト
ファン1塩酸塩0.70gを得た。該化合物の分光学的
データは下記の化3の構造を支持する。
−Na−メトキシカルボニルメチルトリプトファン メ
チルエステル 0.87gを2規定水酸化ナトリウム水
溶液15mlを用い、<実施例1> 4)と同様の方法
により、(R)−Na−(カルボキシメチル)トリプト
ファン1塩酸塩0.70gを得た。該化合物の分光学的
データは下記の化3の構造を支持する。
【0024】
【化3】
【0025】1H NMR(D2O) δ(ppm) 3.02〜3.90(2H,m)、3.95〜4.26
(1H,m)、4.70(2H,S)、7.00〜7.
85(5H,m)
(1H,m)、4.70(2H,S)、7.00〜7.
85(5H,m)
【0026】
【実施例3】 1) <実施例2> 1)〜3)と同様の方法で得られ
た (2R,3aS,8aS)−1,2−ビス(メトキ
シカルボニル)−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサ
ヒドロピロロ(2,3−b)インドール 1.93gを
N,N−ジメチルホルムアミド 20mlに溶かし、水
素化ナトリウム(60%)0.31gを加え、−78℃
にて20分間撹拌した。ブロモアセトニトリル1.01
gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(20ml)を
約30分間かけて滴下し、2.5時間撹拌した後、水を
加え、酢酸エチルで抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、溶媒を減圧留去して得た残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付し、クロロホルム溶出画分よ
り、(R)−Na−シアノメチル−Nb−メトキシカル
ボニルトリプトファン メチルエステルの粗生成物を得
た。
た (2R,3aS,8aS)−1,2−ビス(メトキ
シカルボニル)−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサ
ヒドロピロロ(2,3−b)インドール 1.93gを
N,N−ジメチルホルムアミド 20mlに溶かし、水
素化ナトリウム(60%)0.31gを加え、−78℃
にて20分間撹拌した。ブロモアセトニトリル1.01
gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(20ml)を
約30分間かけて滴下し、2.5時間撹拌した後、水を
加え、酢酸エチルで抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、溶媒を減圧留去して得た残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付し、クロロホルム溶出画分よ
り、(R)−Na−シアノメチル−Nb−メトキシカル
ボニルトリプトファン メチルエステルの粗生成物を得
た。
【0027】2) 該粗生成物にトリブチル錫アジド
3.05gを加え、80℃にて2時間過熱撹拌した。
0.1規定塩酸を加え、クロロホルムにて抽出した後、
有機層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した後濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、クロロホルム:メタノール(50:1)
溶出画分より、(R)−Nb−メトキシカルボニル−N
a−[(1(2)H−テトラゾール−5−イル)メチ
ル]トリプトファン メチルエステル 242mgを得
た。
3.05gを加え、80℃にて2時間過熱撹拌した。
0.1規定塩酸を加え、クロロホルムにて抽出した後、
有機層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した後濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、クロロホルム:メタノール(50:1)
溶出画分より、(R)−Nb−メトキシカルボニル−N
a−[(1(2)H−テトラゾール−5−イル)メチ
ル]トリプトファン メチルエステル 242mgを得
た。
【0028】3) (R)−Nb−メトキシカルボニル
−Na−[(1(2)H−テトラゾール−5−イル)メ
チル]トリプトファン メチルエステル 242mgに
2規定水酸化ナトリウム水溶液10mlを加え、100
℃で1.5時間撹拌した。0℃に冷却し、2規定塩酸を
加えpH6とした後減圧下、溶媒を留去した。残渣から
エタノールを用いて抽出し、減圧下溶媒を留去し、
(R)−Na−[1(2)H−テトラゾール−5−イ
ル)メチル]トリプトファン・1塩酸塩 217mgを
得た。該化合物の分光学的データは、下記の化3の構造
を支持する。
−Na−[(1(2)H−テトラゾール−5−イル)メ
チル]トリプトファン メチルエステル 242mgに
2規定水酸化ナトリウム水溶液10mlを加え、100
℃で1.5時間撹拌した。0℃に冷却し、2規定塩酸を
加えpH6とした後減圧下、溶媒を留去した。残渣から
エタノールを用いて抽出し、減圧下溶媒を留去し、
(R)−Na−[1(2)H−テトラゾール−5−イ
ル)メチル]トリプトファン・1塩酸塩 217mgを
得た。該化合物の分光学的データは、下記の化3の構造
を支持する。
【0029】
【化4】
【0030】1H NMR(D2O) δ(ppm) 3.04〜3.58(2H,m)、3.95〜4.10
(1H,m)、5.41(2H,S)、7.04〜7.
74(5H、m)
(1H,m)、5.41(2H,S)、7.04〜7.
74(5H、m)
【0031】本発明に係わるトリプトファン誘導体の薬
理効果を下記の<実施例4>に示す。
理効果を下記の<実施例4>に示す。
【0032】
【実施例4】 <NMDA誘発痙攣抑制作用>NMDAを単独で生理食
塩水に溶かした溶液と上記実施例1〜3によって得られ
た化2、化3、化4で示される化合物を生理食塩水に溶
かした溶液を1:1の割合で混合し、その10μlをマ
イクロシリンジでマウスの脳室内に直接投与し、痙攣が
誘発するまでの時間を測定し、各化合物のNMDA拮抗
作用の強度を調べた。(この時、混合液中のNMDA量
は0.32μg、被検化合物量は10または32μgと
なるように調整した。)この結果を、下記の表1に示
す。
塩水に溶かした溶液と上記実施例1〜3によって得られ
た化2、化3、化4で示される化合物を生理食塩水に溶
かした溶液を1:1の割合で混合し、その10μlをマ
イクロシリンジでマウスの脳室内に直接投与し、痙攣が
誘発するまでの時間を測定し、各化合物のNMDA拮抗
作用の強度を調べた。(この時、混合液中のNMDA量
は0.32μg、被検化合物量は10または32μgと
なるように調整した。)この結果を、下記の表1に示
す。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示されるようにNMDA 0.32
μgを単独でマウスの脳室内に投与した場合には、15
秒以内に著明な間代性痙攣が生じたが、本発明に係わる
化2、化3、化4で示される各化合物は、優れたNMD
A拮抗作用を示した。
μgを単独でマウスの脳室内に投与した場合には、15
秒以内に著明な間代性痙攣が生じたが、本発明に係わる
化2、化3、化4で示される各化合物は、優れたNMD
A拮抗作用を示した。
【0035】なお、記載されていない化2、化3、化4
に示される化合物以外の本発明に係わるトリプトファン
誘導体も同様な優れたNMDA拮抗作用を示した。
に示される化合物以外の本発明に係わるトリプトファン
誘導体も同様な優れたNMDA拮抗作用を示した。
【0036】
【実施例5】 <急性毒性>ICR系雄性マウス(5週齢)を用いて、
経口投与による急性毒性試験を行ったが、本発明のトリ
プトファン誘導体のLD50値は、いずれも1000m
g/kg以上であり、高い安全性が確認された。
経口投与による急性毒性試験を行ったが、本発明のトリ
プトファン誘導体のLD50値は、いずれも1000m
g/kg以上であり、高い安全性が確認された。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により化1で
示される新規なトリプトファン誘導体が得られ、該トリ
プトファン誘導体は、アミノ酸誘導体であっても末梢投
与時には血液−脳関門を通過し、優れたNMDA拮抗作
用を有するため、これを主成分とする医薬製剤はNMD
A受容体拮抗剤として有効である。
示される新規なトリプトファン誘導体が得られ、該トリ
プトファン誘導体は、アミノ酸誘導体であっても末梢投
与時には血液−脳関門を通過し、優れたNMDA拮抗作
用を有するため、これを主成分とする医薬製剤はNMD
A受容体拮抗剤として有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 403/06 209 8829−4C 403/12 209 8829−4C 403/14 209 8829−4C (72)発明者 井上 みどり 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)発明者 武永 敬明 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 下記に示す化1で示されるD体又はL体
のトリプトファン誘導体またはそのエステル体。 【化1】 - 【請求項2】 請求項1記載のトリプトファン誘導体及
びそのエステル体を含有するNMDA(N−メチル−D
−アスパラギン酸)受容体拮抗剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9835491A JPH06184107A (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | トリプトファン誘導体及びこれを含有するnmda受容体拮抗剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9835491A JPH06184107A (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | トリプトファン誘導体及びこれを含有するnmda受容体拮抗剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06184107A true JPH06184107A (ja) | 1994-07-05 |
Family
ID=14217556
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9835491A Pending JPH06184107A (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | トリプトファン誘導体及びこれを含有するnmda受容体拮抗剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06184107A (ja) |
-
1991
- 1991-01-30 JP JP9835491A patent/JPH06184107A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3301024B2 (ja) | グリシンレセプター拮抗物質及びその用途 | |
US5420155A (en) | Tetramic acid derivatives | |
HU219778B (hu) | Eljárás N-acil-2,3-benzodiazepin-származékok, savaddíciós sóik és az ezeket tartalmazó gyógyászati készítmények előállítására, valamint a vegyületek egy csoportja, és az ezeket tartalmazó gyógyászati készítmények | |
JPS6049192B2 (ja) | 新規置換ベンズアミド、その製造方法及びこれを有効成分とする向精神薬 | |
JPH054983A (ja) | イソキノリノン誘導体、その製造方法およびその誘導体を有効成分として含有する5−ht3 レセプター拮抗剤 | |
JPH08169884A (ja) | シクロプロパクロメンカルボン酸誘導体 | |
CS221809B2 (en) | Method of making the dextrorotary trans-5-aryl-2,3,4,4a,5,9b-hexahydro-1h-pyrido/4,3-b/indole | |
WO2003097623A1 (fr) | Derives de piperazine aralkyle cetone et leurs utilisations en tant qu'agents antalgiques ou ataraxiques | |
JPH0776174B2 (ja) | 医薬組成物および処置法 | |
JP2009057281A (ja) | P2x4受容体拮抗剤 | |
DE102005061171A1 (de) | Neue, cyclisch substituierte Furopyrimidin-Derivate und ihre Verwendung | |
HU213214B (en) | Process for producing nmda antagonistic tryptophan derivatives and pharmaceutical compositions containing the same | |
JPH08283219A (ja) | アラルキルアミノアルキルアミド誘導体 | |
JPH06184107A (ja) | トリプトファン誘導体及びこれを含有するnmda受容体拮抗剤 | |
JPS63295561A (ja) | 2−キノロン誘導体 | |
JPH02501926A (ja) | 置換されたアザシクロヘキシル誘導体 | |
US5990104A (en) | Polycyclic alcaloid-derivatives as NMDA-receptor antagonists | |
EP0402232A1 (fr) | Dérivés de pyridobenzoindole, leur préparation et les compositions qui les contiennent | |
JPH04202185A (ja) | ピペラジン誘導体及びこれを含有する医薬製剤 | |
US20050043396A1 (en) | 5-Benzoylamino-1,3-dioxacyclanes, the method for preparing the same and their use as PKC inhibitor | |
JPH01110680A (ja) | 1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン抗不整脈薬 | |
JPS6130588A (ja) | ベンゾ〔c〕〔1,8〕ナフチリジン、その製造方法及びその使用、並びにこれらの化合物を含有する調製剤 | |
US3689657A (en) | Indole derivatives in the treatment of skeletal muscle fatigability | |
DK164867B (da) | Pyrimidooe4,5-gaaquinolin-derivater eller salte deraf og farmaceutiske formuleringer indeholdende disse | |
EP0293146A1 (en) | Benzofuro [3,2-c] quinoline compounds |