JPH06182953A - デジタル・コンパクト・カセット用ベースフィルム - Google Patents

デジタル・コンパクト・カセット用ベースフィルム

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JPH06182953A
JPH06182953A JP34268992A JP34268992A JPH06182953A JP H06182953 A JPH06182953 A JP H06182953A JP 34268992 A JP34268992 A JP 34268992A JP 34268992 A JP34268992 A JP 34268992A JP H06182953 A JPH06182953 A JP H06182953A
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JP
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layer
film
thickness
stretching
resin
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JP34268992A
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English (en)
Inventor
Shigehiro Masuda
成裕 増田
Masashi Inagaki
昌司 稲垣
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Diafoil Co Ltd
Original Assignee
Diafoil Co Ltd
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Publication date
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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた走行安定性および電磁変換特性を有す
るデジタル・コンパクト・カセット用ベースフィルムを
提供する。 【構成】 各層がすべて共押出により積層された構造を
有し、最外層の中心線平均粗さ、厚み、融点、層中の粒
子の平均粒子径およびフィルム厚みが特定の関係式を満
足し、かつ、フィルム長手方向のヤング率が600kg
/mm2 以上であるデジタル・コンパクト・カセット用
ベースフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた走行安定性・電
磁変換特性を有し、かつ耐摩耗性に優れたデジタル・コ
ンパクト・カセット用ベースフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】デジ
タル・コンパクト・カセット(以下DCCと略す)は、
走行系は従来のアナログ・コンパクト・カセット(以下
ACCと略す)と同一でありながら、記録・再生はデジ
タル方式で行う特徴を有している。このDCCは、固定
ヘッドを採用しており、さらに、デジタル記録・再生を
行うためいわゆるマルチトラック薄膜ヘッドを使用して
いる。このヘッドは、8チャンネル+1チャンネルの計
9チャンネルに分かれていて、トラック1本幅は185
μm、ガ−ド・バンド幅は10μmとなっている。従っ
て、DCC用テープは、従来のACC用テープ以上にヘ
ッドに対して正確なトラッキングが必要となり、さらに
テープ自体のヘッドタッチの良さが求められる。従来の
ACC用テープの場合、走行性能が厳しく求められてい
たが、DCC用テープはこの走行性能に加えて、精密な
マルチヘッドに対してのヘッドタッチの良さが必要であ
り、DCCのベースフィルムとしてACC用として用い
られているベースフィルムを用いるとヘッドタッチの点
で不十分であり、一方、VTR用ベースフィルムでは走
行性能の点で、共に不十分であった。さらにDCC用テ
ープは、耐摩耗性・耐擦傷性に優れることが必要である
が、この点においても従来のベースフィルムでは不十分
であった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記実情
に鑑み、鋭意検討を行った結果、特定の層構成を有する
フィルムによれば、上記課題を解決することができるこ
とを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0004】すなわち本発明の要旨は、各層がすべて共
押出により積層された構造を有し、一方の最外層(A)
が下記式(1)および(2)を同時に満足し、もう一方
の最外層(B)が下記式(3)〜(5)を同時に満足す
る二軸配向ポリエステルフィルムであり、かつ、フィル
ム長手方向のヤング率が600kg/mm2 以上である
ことを特徴とするデジタル・コンパクト・カセット用ベ
ースフィルムに存する。
【表2】 5≦RaA ≦20 ・・・・・・・(1) 0.80≦tA /T・・・・・・・(2) 180≦TmB ≦240・・・・・(3) 0.1≦dB /tB ≦3.0・・・(4) 15≦RaB ≦45・・・・・・・(5) (上記式中、RaA は、A層表面の中心線平均粗さ(n
m)、RaB は、B層表面の中心線平均粗さ(nm)、
A は、A層厚み(nm)、tB は、B層厚み(n
m)、Tは、フィルム総厚み(nm)、TmB は、B層
の融点(℃)、dB は、B層中の粒子の平均粒子径(n
m)を表す)
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ポリエステルフィルムの表面のうち、平坦面をA面と
し、これを形成する層をA層、その反対面である易滑面
をB面とし、これを形成する層をB層と以下略称して説
明する。本発明のポリエステルフィルムは、少なくとも
2層が共押出により積層されていることが必要である。
この場合、厚み方向の積層構成はA/BあるいはA/C
/Bとなるが、C層はそれ自体が積層体であってもよい
し、C層がフィルムの製膜時に発生する端部を全部ある
いは一部をリサイクルしたものであってもよい。本発明
のポリエステルフィルムのA層を構成するポリエステル
は、ポリエチレンテレフタレート、あるいはポリエチレ
ンナフタレートであることが好ましいが、第三成分とし
て後述するB層で使用する成分を合計5モル%以下の量
で用いることもできる。
【0006】B層を構成するポリエステルは、ポリエチ
レンテレフタレート、あるいはポリエチレンナフタレー
トを主成分として、第三成分として次に挙げるジカルボ
ン酸あるいはグリコールを1種または2種類以上を共重
合し、ポリエステルの融点(TmB )が180〜240
℃となるように調整する必要がある。この目的で用いる
ことのできる第3成分は、ジカルボン酸成分としては例
えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸など
の芳香族ジカルボン酸、p−オキシエトキシ安息香酸な
どの芳香族オキシカルボン酸などであり、グリコール成
分としては、例えばジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどある。B
層のポリエステルの融点が240℃を越える場合には、
製膜工程中にB層を溶融させて耐摩粍性を向上させるこ
とが困難となるため好ましくない。逆に、融点が180
℃未満の場合には、製膜工程中や磁気テープ化工程中で
B層の加熱ロールへの粘着が著しくなったり、B層が剥
離しやすくなるなどの不都合が生じ好ましくない。
【0007】A層とB層の、あるいはC層存在する場合
はC層も含めて、各層を構成するポリエステルは、各々
の溶融粘度が290℃においてずり速度100sec-1
の条件で500〜20000ポイズであることが好まし
い。さらに、同条件で、隣り合う層のポリエステルの溶
融粘度の差が、|log10η1 −log10η2 |≦0.
5(η1 ,η2 は溶融粘度、単位poise)の関係を
満たすことが各々の厚み構成比および全体の厚みの均一
性を得る上で好ましい。本発明のポリエステルフィルム
の厚み方向の積層構成比は、A層の厚み(tA)とフィ
ルム全体の厚み(T)の比(tA /T)が0.8以上で
あり、0.9以上であることがさらに好ましい。この比
が0.8より小さいときには、フィルム全体の強度が低
下してしまう。
【0008】本発明のポリエステルフィルムのA層表面
(A面、平坦面)の中心線平均粗さ(RaA )は、5〜
20nm、好ましくは7〜15nmである。この値が5
nmよりも小さい場合には、このフィルムの表面に磁性
層を塗布する工程において、必要最低限の滑り性が確保
できなくなり好ましくない。また、20nmよりも大き
い場合には、A面の粗さが磁性層表面にも影響してしま
い、この結果テープのヘッドタッチを悪化させることに
なり好ましくない。また、A面の十点平均粗さ(RZ A
は通常200nm以下、好ましくは150nm以下であ
る。この値が200nmを超える場合には、中心線平均
粗さが前述した範囲にあっても、稀に存在する高さの大
きな突起によりテープのヘッドタッチが悪化することが
ある。
【0009】さらに、A面において、1.62μm以上
の粗大突起数が、25cm2 当たり20個以下であるこ
とが好ましく、20個を超える場合にはデジタル信号の
ドロップアウトが多くなる傾向がある。このようなA面
の表面粗度を達成するためには、通常、A層にポリエス
テルに実質的に不活性な微粒子を存在させる。この微粒
子は平均粒径が通常0.05〜1.0μm、好ましくは
0.1〜0.5μmのものであって、添加量は通常0.
05〜1.0重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%
とする。また、用いる粒子の種類は、触媒残渣をポリエ
ステルの重合過程の任意の段階で析出させたものであっ
てもよいが、あらかじめ任意の平均粒子径に調整された
微粒子を添加することが、粗大な粒子を減少できる点で
好ましい。このような微粒子の具体例としては、炭酸カ
ルシウム、非晶質シリカ、酸化チタン、カオリン、実質
的に球形のコロイダルシリカに起因するシリカ粒子、架
橋ポリスチレン粒子などを挙げることができる。これら
の粒子のうち、2種以上を混合して用いても良いし、同
じ種類で粒子径を変えたものを混合して用いてもよい
が、この場合にもA面の表面粗度が前述した範囲にある
ことが必要である。
【0010】本発明のポリエステルフィルムのB層は、
前述した範囲の融点を持つポリエステルで構成される。
このB層が溶融されるかあるいはそれに近い状態となる
ように熱固定その他の熱処理を施して、B面の面配向度
ΔPを0.140以下、さらには0.130以下(70
モル%以上がポリエチレンテレフタレート(PET)の
場合)、0.210以下、さらには0.200以下(7
0モル%以上がポリエチレンナフタレート(PEN)の
場合)とすることが好ましい。B面の面配向度ΔPが
0.140(PET)あるいは0.210(PEN)を
超える場合には、耐摩耗性の改良効果が劣る傾向があ
る。このような面配向度を達成するためには、B層ポリ
エステルの融点(TmB )と、熱処理温度との関係が次
式を満たすことが望ましい。 TmB −30℃≦熱処理温度≦TmB +20℃ またB層には、滑り性を与える不活性微粒子を存在させ
る。この微粒子は平均粒径(dB )を通常0.1〜2.
0μm、好ましくは0.3 〜1.5μmの範囲から、
かつ添加量を0.1〜10.0重量%、好ましくは0
.3〜5.0重量%範囲から選択することが好まし
く、dB とB層の厚み(tB )との比(dB/tB )を
0.1〜3.0、好ましくは0.5〜2.0とする。d
B /tB が0.1未満では滑り性が改良されず、3.0
を超えるとフィルム表面の粗大突起が多くなり好ましく
ない。B層に用いる粒子の種類は前述したA層用の粒子
と同じでもよいが、特に球形あるいはだ円球形であって
かつ単分散の微粒子、例えばコロイダルシリカ、架橋有
機粒子、合成炭酸カルシウム等である場合に、磁気テー
プとしたときの滑り性が良好となり好ましい。
【0011】上記の滑り性を与える不活性微粒子のほか
に、耐擦傷性・耐摩耗性を改善する目的で平均一次粒径
0.1μm未満のアルミナ粒子を0.1〜0.8重量%
添加することは極めて有効な手段である。本発明のポリ
エステルフィルムのB層表面(B面,易滑面)の中心線
平均粗さ(RaB )は、15〜45nm、好ましくは2
0〜40nmである。この値が15nmよりも小さい場
合には、DCCデッキ内でフィルムを走行させた際に、
テープをヘッドに密着させるパッドやガイドピンとの摩
擦係数が大きくなってしまい、ヘッドとの接点で微振動
が発生して出力低下を招くため好ましくない。また45
nmよりも大きい場合には、もはや摩擦係数低減による
走行性改良効果は飽和しており、逆に粗大突起が発生し
やすくなり好ましくない。またB面の十点平均粗さ(R
Z B)は通常800nm以下、好ましくは500nm以下
である。この値が800nmを超える場合には、この反
対面に磁性層を塗布して、巻き取り、熱硬化させる間
に、このB面の粗度が接する磁性層面に転写されて窪み
を形成してしまい、この部分がドロップアウトの原因と
なることがある。
【0012】本発明のポリエステルフィルムは、長手方
向のヤング率が600kg/mm2以上、好ましくは7
00kg/mm2 以上ある。ヤング率が600kg/m
2未満であるときには、早送り、巻き戻しの際のエン
ド部分でフィルムにかかる衝撃的なテンションに耐える
ことができず、しかも長時間記録に必要なフィルムの薄
膜化に対しても十分対応することができない。フィルム
の長手方向のヤング率が600kg/mm2 以上となる
ようにするためには、縦延伸・横延伸を終えた後に、い
わゆる再縦延伸を行う方法が有効である。この再縦延伸
は、用いるポリエステルの組成により適切な延伸温度・
延伸倍率が違なるが、一般には横延伸温度〜横延伸温度
+70℃の温度範囲で、延伸倍率を1.05〜2.0倍
の範囲の中から選択するのが良い。
【0013】次に本発明のポリエステルフィルムの製膜
方法について説明する。A層用レジンとB層用レジン
(およびC層用レジン)を必要に応じて各々に別々に乾
燥した後、別個の押出機により押出し、フィ−ドブロッ
クタイプの共押出装置により、口金前で積層するか、あ
るいは、マルチマニホールドタイプの共押出装置によ
り、ダイス内で積層するなどして一体複合化させた後、
シート状に溶融押出を行い、キャスティングドラム上で
冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。この際に静電
密着法を用いて冷却固化を行うことがフィルムの平面性
を得る上で好ましい。また、A層用の押出機には#12
00メッシュ相当以上のB層用の押出機には#600メ
ッシュ相当以上のフィルタ−を各々取り付け濾過を行い
つつ押出しすることが粗大突起を低減させ、ドロップア
ウトを減少できる点で好ましい。さらに、各々のメルト
ラインにはスタティックミキサ−、定量ポンプを設置す
ることがフィルムおよびフィルム厚みの均一性を得る上
で好ましい。
【0014】かくして得られた未延伸フィルムを二軸延
伸を行って二軸配向せしめる。延伸には縦延伸、次いで
横延伸を行ういわゆる逐次二軸延伸方法が好ましい。縦
延伸は、延伸温度を50〜180℃、延伸倍率を2.0
〜9.0倍の範囲の中から、ポリエステルの組成に適切
な条件を選択して行う。またこの延伸を1段で行うこと
もできるが、この延伸温度・倍率の範囲であれば延伸を
2段以上に分けて行うことが、A面の平坦性とB面の易
滑性を同時に満足させることができるため、好ましい。
この際、延伸温度は各段で同じであっても異なっていて
もよい。また、縦延伸の延伸速度は5000〜7000
0%/分の範囲であることが、フィルム厚みの均一性を
得る上で好ましい。幅方向の延伸方法としてはテンタ−
を用いる方法が一般的である。幅方向の延伸には、延伸
温度80〜170℃の範囲で、3.0〜6.0倍の延伸
倍率、100〜20000%/分の延伸速度とするのが
好適である。
【0015】さらに、縦方向のヤング率を600Kg/
mm2 とするため、必要に応じて前述した方法で再縦延
伸を行う。次にこの延伸フィルムに熱固定を行うが、こ
の場合熱固定温度はB層ポリエステルの融点によるが、
170〜250℃、好ましくは180〜240℃の範囲
で選択するのが良い。また熱固定時間は1〜60秒の範
囲が好適である。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。本発明におけるフィル
ム物性の測定方法は以下に示すとおりである。 表面粗度(中心線平均粗さRa、十点平均粗さRz) JIS B0601−1976記載の方法に従って行っ
た。測定には小坂研究所(株)製表面粗さ計SE−3F
を用いた。触針径2μm、触針荷重30mg、カットオ
フ値0.08mm、測定長0.8mmの条件で、中心線
平均粗さ、十点平均粗さを求めた。これを12ケ所の測
定点で行い、このうち最大値と最小値をそれぞれカット
し、10点の平均値を求めてRa,Rzとした。 各層のフィルムの融点 パ−キンエルマー社製DSC−1型で、16℃/min
の昇温速度で得られた結晶融解による吸熱ピ−ク温度を
フィルムの結晶融点とした。A層およびB層の融点は、
各積層部を物理的に削り取るか、または各層を別々に押
出機で押出して未延伸シートを作成することで区別し
た。
【0017】各積層部の厚み構成 フィルムの厚み方向の断面を観察できるように樹脂に包
埋して固定し、厚さ100nmの切片をミクロト−ムを
用いて切り出し、日立製作所(株)製透過型電子顕微鏡
H−9000で観察して各積層部の厚み構成を測定した
(倍率10000倍、加速電圧100kV)。 フィルムの長手方向のヤング率 インテスコ(株)製引張試験機モデル2001型を用い
て、温度23℃、湿度50%RHに調整された室内に2
4時間以上調温・調湿し、長さ300mm、幅20mm
の試料フィルムを、10%/minのひずみ速度で引張
り、引張応力−歪み曲線の初めの直線部分を用いて次の
式によって算出した。 E=Δσ/Δε (上記式中、Eは引張弾性率(Kg/mm2 )、Δσは
直線上の2点間の元の平均断面積による応力差、Δεは
同じ2点間のひずみ差を表す)
【0018】金属ピンとの動摩擦係数(μd) 固定した硬質クロムメッキ金属ロール(直径6mm、表
面粗さ0.2S)に巻き付け角135度で、フィルムの
B面を接触させ、53gの荷重を一端にかけて、1m/
minの速度でこれを走行させ、他端の抵抗力(T1 ,
(g ))を測定し、次式により走行中の摩擦係数(μ
d)を求めた。 μd=0.424ln(T1 ×53) ヘッドタッチ(電磁変換特性) 試料フィルムのA面に、下記の組成の磁性塗料をボール
ミルで24時間混合分散した後、グラビアロールにより
塗布した。
【0019】
【表3】 ──────────────────────────── 磁 性 塗 料 組 成 ──────────────────────────── Co含有酸化鉄(BET50m2 /g):100(重量部) ポリウレタン樹脂 : 10 ニトロセルロース : 5 塩酢ビ共重合体 : 10 レシチン : 2 ポリイソシアネート : 5 カ−ボンブラック : 2 メチルエチルケトン : 75 メチルブチルケトン : 75 トルエン : 75 ────────────────────────────
【0020】塗料が十分乾燥固化する前に、磁気配向さ
せ、その後乾燥して磁性層を形成した。さらにこの塗布
フィルムを温度70℃、線圧200Kg/cmでスパ−
カレンダ−処理をした後、巻き取って70℃、48時間
キュアリングを行った。これを3.78mm幅にスリッ
トしてカセットに組み込んだ。このテープを松下電器産
業(株)製DCCデッキ(RS−DC10)を用いて、
テープ速度4.78cm/sで記録波長1μmとなるよ
うにテストシグナルを記録し、これを再生した時のヘッ
ド出力をシンクロスコープにより測定し、比較例1の出
力レベルを0.0dBとし、その相対値をdB表示し
た。
【0021】ドロップアウト数 上記で作成した磁気テープを用いてドロップアウト数
をカウントした。測定には同じDCCデッキを用いて同
じ条件で記録・再生を行った。同じテープを10回記録
・再生を繰り返し、10回目の再生出力で1回目の平均
出力を6dB以上下回るものをドロップアウトとし、5
分間測定した時のドロップアウト数(コ/5分)をカウ
ントした。 耐摩耗性 B面がピンに接触するようにセットし、フィルムを20
0mにわたって走行させ、6mmφの硬質クロム製固定
ピンに付着した摩耗白粉量を目視評価し、下に示すラン
ク別に評価を行った。なお、フィルム速度は10m/m
inとし、張力は約200g、ピンへの巻き付け角度は
135°とした。 ランクA:全く付着しない ランクB:微量付着する ランクC:はっきり付着しているのがわかる ランクD:極めて多く付着する
【0022】実施例1〜3 〈ポリエステルレジンの製造〉 A層用レジン ジメチルテレフタル酸とエチレングリコールを常法に従
ってエステル交換を行った後、平均粒径0.12μmの
非晶質シリカをポリマー中0.3%となるようにエチレ
ングリコールスラリーとして添加し、縮重合してPET
レジン1を得た。このレジンの溶融粘度は、2500p
oise(290℃ 剪断速度=100sec-1)であ
った。 B層用レジン ジメチルテレフタル酸79モル%とジメチルイソフタル
酸21モル%およびエチレングリコールを常法に従って
エステル交換を行った後、平均一次粒径0.03μmの
アルミナをポリマー中0.3重量%となるようにエチレ
ングリコールスラリーとして添加し、縮重合して共重合
PETレジンを得た。このレジンに対して、表1に示し
た粒子を二軸混練機を用いて溶融混練りして配合し、各
々のB層用レジンを作成した。これらのレジンの溶融粘
度は、2500poise(290℃ 剪断速度=10
0sec-1)であった。
【0023】〈ポリエステルフィルムの製造〉これらの
レジンを2層の共押出装置に供し、280℃の押出温度
で溶融押出を行った。この際、A層用には#2000メ
ッシュ相当の、B層用には#1200メッシュ相当の各
々フィルタ−で濾過しつつ、その後途中でフィ−ドブロ
ックにより合流積層させた後、口金よりシート状に押出
し、静電密着法を用いつつキャスティングロール上で冷
却固化して、2層構造の未延伸シートを得た。またA層
とB層の厚み構成比は、各押出機の吐出量を調節して下
記表2に示した比とした。 次に、この未延伸シートを
83℃で長さ方向に2.9倍延伸し、さらに75℃で
1.25倍延伸した。この延伸にはロール延伸法を用
い、延伸ロールにはテフロンで非粘着加工したロールを
用いた。次いでこのフィルムをテンタ−に導き、110
℃で3.8倍幅方向に延伸した。さらに、このフィルム
を周速差のあるロールに通し、A層が延伸ロールに接触
するようにして静電密着法を用いつつ、延伸温度120
℃で長さ方向に延伸倍率1.20倍で再縦延伸を行っ
た。これを再びテンタ−に導き、220℃で15秒間熱
固定を行って、総厚み10μmの二軸配向フィルムを得
た。
【0024】実施例4〜5 〈ポリエステルレジンの製造〉 A層用レジン 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとエチレング
リコールを常法に従ってエステル交換を行った後、平均
粒径0.12μmの非晶質シリカをポリマー中0.3%
となるようにエチレングリコールスラリーとして添加
し、縮重合してPENレジン1を得た。このレジンの溶
融粘度は、3500poise(290℃剪断速度=1
00sec-1)であった。 B層用レジン 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル83モル%と
ジメチルテレフタル酸17モル%およびエチレングリコ
ールを常法に従ってエステル交換を行った後、平均一次
粒径0.03μmのアルミナをポリマー中0.3重量%
となるようにエチレングリコールスラリーとして添加
し、縮重合してPENレジンを得た。このレジンに対し
て、表2に示した粒子を二軸混練機を用いて溶融混練り
して配合し、各々のB層用レジンを作成した。これらの
レジンの溶融粘度は、3500poise(290℃
剪断速度=100sec-1)であった。
【0025】〈ポリエステルフィルムの製造〉これらの
レジンを2層の共押出装置に供し、295℃の押出温度
で溶融押出を行うほかは実施例1〜3と同様に2層構造
の未延伸シートを得た。またA層とB層の厚み構成比
は、各押出機の吐出量を調節して表2に示した比とし
た。次に、この未延伸シートをロール延伸法により13
0℃で長さ方向に4.0倍延伸した。この際、延伸ロー
ルにはテフロンによる非粘着加工を施したものを用い
た。次いでこのフィルムをテンタ−に導き、137℃で
4.0倍幅方向に延伸した。さらに、このフィルムを周
速差のあるロールに通し、A層が延伸ロールに接触する
ようにして静電密着法を用いつつ、延伸温度140℃で
長さ方向に延伸倍率1.20倍で再縦延伸を行った。こ
れを再びテンタ−に導き、220℃で15秒間熱固定を
行って、総厚み10μmの二軸配向フィルムを得た。
【0026】比較例1 〈ポリエステルレジンの製造〉ジメチルテレフタル酸と
エチレングリコールを常法に従ってエステル交換を行っ
た後、平均粒径0.70μmの球状シリカおよび平均一
次粒径0.03μmのアルミナを各々ポリマー中0.5
%となるようにエチレングリコールスラリーとして添加
し、縮重合してPETレジンを得た。このレジンの溶融
粘度は、2500poise(290℃ 剪断速度=1
00sec-1)であった。 〈ポリエステルフィルムの製造〉実施例1において、A
層用の押出機に上記レジンを供して、B層用の押出機は
用いないほかはすべて実施例1と同様に製膜を行い、厚
さ10μmの単層フィルムを得た。このフィルムは単層
フィルムであるため、実施例1と比較して摩擦係数を小
さく抑えるとヘッド出力は低下する。また、ホモPET
であるため粒子脱落によるドロップアウトの増加が著し
い。
【0027】比較例2 実施例1において、A層用レジンは同じものを用いて、
B層用レジンには同じ粒子が配合されていて、かつ共重
合していないホモPETレジンを用いるほかはすべて実
施例1と同様に製膜を行い、総厚み10μmの二軸配向
フィルムを得た。 このフィルムは積層フィルムである
ため、実施例1と同様に摩擦係数を小さく抑えてもヘッ
ド出力は低下しない。しかし、B層がホモPETである
ため粒子脱落によるドロップアウトの増加が著しい。 比較例3 実施例4において、A層用レジンは同じものを用いて、
B層用レジンには同じ粒子が配合されていて、かつ共重
合していないホモPENレジンを用いるほかはすべて実
施例4と同様に製膜を行い、総厚み10μmの二軸配向
フィルムを得た。このフィルムは積層フィルムであるた
め、実施例4と同様に摩擦係数を小さく抑えてもヘッド
出力は低下しない。しかし、B層がホモPENであるた
め粒子脱落によるドロップアウトの増加が著しい。 以上、得られた結果をまとめて下記表4〜に示す。
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】
【表7】
【0032】
【発明の効果】本発明のポリエステルフィルムは、デジ
タル・コンパクト・カセット用ベースとして必要な特
性、すなわちオーディオ用ベースフィルム並の走行性を
有し、マルチトラック薄層ヘッドに対して良好なヘッド
タッチを示して高いヘッド出力を引き出し、さらに早送
り/巻き戻しの際に生じる衝撃的なテンションに対して
も十分耐え得るものである。さらにこれらの特性に加え
て、走行面は共重合ポリエステルで構成されているた
め、配合した微粒子がデッキ内で走行中に脱落してこれ
が原因でドロップアウトが増加するようなこともなく、
耐久性・信頼性に優れるものであり、その工業的価値は
高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00 4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各層がすべて共押出により積層された構
    造を有し、一方の最外層(A)が下記式(1)および
    (2)を同時に満足し、もう一方の最外層(B)が下記
    式(3)〜(5)を同時に満足する二軸配向ポリエステ
    ルフィルムであり、かつ、フィルム長手方向のヤング率
    が600kg/mm2 以上であることを特徴とするデジ
    タル・コンパクト・カセット用ベースフィルム。 【表1】 5≦RaA ≦20 ・・・・・・・(1) 0.80≦tA /T・・・・・・・(2) 180≦TmB ≦240・・・・・(3) 0.1≦dB /tB ≦3.0・・・(4) 15≦RaB ≦45・・・・・・・(5) (上記式中、RaA は、A層表面の中心線平均粗さ(n
    m)、RaB は、B層表面の中心線平均粗さ(nm)、
    A は、A層厚み(nm)、tB は、B層厚み(n
    m)、Tは、フィルム総厚み(nm)、TmB は、B層
    の融点(℃)、dB は、B層中の粒子の平均粒子径(n
    m)を表す)
JP34268992A 1992-12-22 1992-12-22 デジタル・コンパクト・カセット用ベースフィルム Pending JPH06182953A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0719636A4 (en) * 1994-07-19 1996-08-28 Teijin Ltd POLYESTER COMPOSITE FILM FOR COATING METAL
US6338890B1 (en) * 1998-05-06 2002-01-15 Teijin Limited Biaxially oriented laminated polyester film

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0719636A4 (en) * 1994-07-19 1996-08-28 Teijin Ltd POLYESTER COMPOSITE FILM FOR COATING METAL
US6338890B1 (en) * 1998-05-06 2002-01-15 Teijin Limited Biaxially oriented laminated polyester film

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