JPH06182578A - 配管の溶接方法及び装置 - Google Patents

配管の溶接方法及び装置

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JPH06182578A
JPH06182578A JP4335789A JP33578992A JPH06182578A JP H06182578 A JPH06182578 A JP H06182578A JP 4335789 A JP4335789 A JP 4335789A JP 33578992 A JP33578992 A JP 33578992A JP H06182578 A JPH06182578 A JP H06182578A
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JP
Japan
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pipe
welding
restraint device
residual stress
welded
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JP4335789A
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English (en)
Inventor
Masato Mochizuki
正人 望月
Naoto Saito
直人 斉藤
Kunio Enomoto
邦夫 榎本
Shinji Sakata
信二 坂田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】拘束器具1を配管2に取り付けた状態で、拘束
器具1と配管2を全体同時に予熱する。配管2よりも線
膨張係数の小さい拘束器具1は、配管2に比べて熱膨張
が小さくなり、結果的に配管2の溶接部3の周辺は半径
方向への自由膨張が抑えられるような形で変形する。そ
の後、溶接部3の溶接を溶接トーチ401を用いること
により行うことにより、配管内面での溶接部近傍の溶接
残留応力を、実線5のように圧縮の残留応力に改善する
ことができる。 【効果】常に圧縮の残留応力にし、応力腐食割れを防止
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子力プラント,化学プ
ラント,円筒容器などの配管の溶接部の溶接方法及びそ
の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平4−163880 号や特開昭58
−179565号公報などでは、残留応力を低減させるために
溶接歪防止を溶接部の裏側を加熱することにより行って
いる。しかし、これらの方法では溶接部に過度の熱量が
与えられることになり、熱鋭敏化が進み、応力腐食割れ
が起こりやすい表面組織となってしまう。また、溶接条
件によっては必ずしも圧縮側の残留応力になるとは限ら
なかった。
【0003】また、例えば特開昭55−94441 号や特開昭
55−110728号公報などは、溶接終了後、熱処理を行うこ
とにより残留応力を圧縮側に改善するものである。しか
し、これらの方法は溶接終了後にさらに熱処理を施さな
ければならないものであり、溶接部の形状によってはそ
の適用が困難な場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶接構造物
を構成する配管と配管を突合わせ溶接する際に、従来の
溶接方法では応力腐食割れに対して表面組織が安全にな
らない場合や、熱処理による改善法の適用が困難な場合
があるところを、溶接構造物と線膨張係数の異なる拘束
器具を用い、全体を予熱してから溶接することにより圧
縮の残留応力にし、応力腐食割れを防止しようとしてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、溶接構造物
を構成する配管と配管を溶接する際に、溶接部近傍の配
管に円周方向の拘束器具を取り付けた後に、溶接構造物
と線膨張係数の異なる拘束器具を用い、全体を予熱して
から溶接を行うことにより達成される。また、予熱によ
る拘束力の制御は、非常に簡単にしやすく、かつ、溶接
後の溶接割れを防止するというメリットもある。
【0006】
【作用】本発明は、配管と配管の溶接により発生する配
管内面の残留応力を、溶接構造物と線膨張係数の異なる
拘束器具を用い、全体を予熱してから溶接を行うことに
より、応力腐食割れに対して問題のない圧縮側の残留応
力にしようとしている。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図11に
よって説明する。
【0008】図1に示すように、拘束器具1を配管2と
配管2の溶接部3の両側で配管と拘束器具の接触面が接
触するような状態で取り付ける。溶接部3から拘束器具
1までの距離は溶接条件によって異なる。例えば、溶接
部3のもととなる溶接棒と、配管3の材質がオーステナ
イト系ステンレス鋼SUS304で、配管2の板厚12mm,内
径100mm,軸方向長さ1200mm、また、入熱量1.
2kJ/mm のとき、幅15mmの拘束器具1の中心を、
溶接部2の中心から軸方向にそれぞれ20mm離した箇所
に取り付ければ良い。これは、今回の条件の場合、拘束
器具1を用いずに配管2と配管2を突き合わせ溶接した
場合に発生する配管内面の各々の位置での残留応力に関
して、円周方向あるいは軸方向の引張り側の残留応力の
いずれか大きい方の残留応力が、配管の材料の応力腐食
割れに対して安全な値になる配管内面の溶接部近傍に最
も近い溶接部近傍両側の位置が溶接部の中心から20mm
になるためである。拘束器具1は図2に示すように、二
つのフランジ101を2組のボルト102とナット10
3で取り付ける。また、拘束器具1の材質はインコネル
600である。インコネル600の室温での線膨張係数
は0.00001210(1/℃),SUS304の室温での線膨張係数
は0.00001515(1/℃)である。
【0009】このようにして取り付けた拘束器具1と配
管2を全体同時に予熱する。今回の予熱温度は250℃
に設定した。図3には、拘束器具1と配管2を全体同時
に予熱した場合の変形の状態を示す。予熱前には、配管
2と溶接部3はそれぞれ、201,301のような形状
をしているが、予熱後には202,302のような形に
変形する。SUS304鋼の配管2よりも線膨張係数の小さい
インコネル600の拘束器具1は、配管2に比べて熱膨
張が小さくなり、結果的に配管2の溶接部3の周辺は半
径方向への自由膨張が抑えられるような形で変形する。
【0010】拘束器具1を取り付けた状態で、溶接部3
の溶接を6自由度のマニュピレータを持つ溶接ロボット
4の溶接トーチ401を用いることにより行う。今回用
いた溶接方法はシールドメタルアーク溶接であり、配管
2は開先を半径方向に対して30°の方向に加工したも
のを用いた。
【0011】このようにして拘束器具1を取り付けた状
態で予熱を行った後に、6自由度のマニュピレータを持
つ溶接ロボット4の溶接トーチ401を用いて溶接を行
うことにより、配管内面での溶接部近傍の溶接残留応力
は円周方向,軸方向ともに実線5のようになる。実線5
は明らかに、溶接部近傍で圧縮の残留応力に改善されて
いることがわかる。
【0012】図4には、配管2と配管2の溶接を行った
ときの配管内面での応力状態の時間履歴を示す。ここ
で、時間0は溶接開始時刻、時間t1は溶接部2の温度
が溶接作業中最高温度になる時刻、時間t2は溶接終了
後の残留応力が発生している時刻である。また、応力は
円周方向の応力,軸方向の応力いずれについても同一の
線で表している。
【0013】拘束器具1を取り付けないで予熱を行わず
に行った配管2の溶接は、図5に示すように配管2と配
管2を拘束器具を一切取り付けずに溶接トーチ9により
溶接部3を溶接したものであるが、このときの応力状態
は実線6のようになる。溶接部3が溶接入熱により加熱
され、時間t1までの間膨張するが、この時、周辺の配
管自体の自己拘束のために配管内面は軸方向,円周方向
ともに圧縮の残留応力になる。その後、冷却されるにつ
れて溶接部2の近傍は収縮し、周辺の構造物から拘束さ
れるために、配管2の内面には引張りの残留応力が、軸
方向,円周方向ともに時刻t2のときに存在することに
なる。すなわち、配管2の内面での残留応力は図5の実
線10に示されるような分布になる。
【0014】また、図1のように拘束器具1を取り付け
て、ボルト102とナット103により機械的に拘束力
を与えた上で予熱を行わずに溶接を行ったときの応力状
態は実線7のようになる。溶接を行う前の状態で、配管
2の内面には拘束器具1の拘束力により圧縮の応力が存
在している。また、溶接による熱膨張についても拘束器
具1によって抑制される。その後、拘束器具1がない場
合と同様の履歴を取り、溶接終了後の時刻t2では、圧
縮の残留応力状態になる。しかし、締め付けによる拘束
力が弱い場合、拘束器具1を用いずに溶接した際に配管
2の内面の溶接部に大きな引張り側の残留応力が発生す
るような材料と溶接方法の場合、最終的に引張りの残留
応力が残ってしまうことがある。
【0015】一方、配管2よりも線膨張係数の小さい拘
束器具1を配管2の外周上に取付けた上で、全体を予熱
してから溶接を行った場合の応力状態は実線8のように
なる。配管2は、予熱により膨張しようとするが、線膨
張係数がSUS304鋼の配管2よりも小さいインコネル60
0の拘束器具1がその膨張を抑えようとする。配管2の
円周方向への膨張には拘束器具1が焼ばめのような形に
なり配管2の膨張を拘束する。配管2の軸方向への膨張
には円周方向に接触した拘束器具1が軸方向に関しても
配管2に拘束を与える。結果的に配管2の内面には円周
方向,軸方向ともに圧縮の応力が存在し、この状態から
溶接を行うことになる。その後、拘束器具1がない場合
と同様の履歴を取り、溶接終了後の時刻t2では、配管
内面では図1の実線5に示すように圧縮の残留応力状態
になる。この方法では、予熱をせずに配管2に拘束器具
1を取り付けて溶接を行った場合のように、配管2の内
面に引張りの残留応力が残るようなことはなく、予熱温
度を制御することにより、常に、配管2の内面を圧縮の
残留応力にすることができる。また、予熱による拘束力
の制御は、非常に簡単にしやすく、なおかつ、溶接後の
溶接割れを防止するというメリットもある。
【0016】また、図6に示すように、配管2に円周方
向だけの拘束を目的とした拘束器具104を取付け、同
様の予熱を行った後に溶接を行うことによっても、配管
2の内面の残留応力分布は軸方向,円周方向ともに実線
11のように圧縮の残留応力にすることができる。予熱
を行った際に配管2の膨張が拘束器具104により拘束
されるが、その時の拘束器具1と配管2の変形の状態を
図7に示す。予熱の前には、配管2と溶接部3はそれぞ
れ201,301のような形をしているが、予熱の際、
溶接部3の近傍は拘束器具104が直接接触していない
ため、拘束器具104が取り付けられている位置に比べ
て拘束の度合いが弱くなる。その結果、溶接部3の周辺
は配管2の変形状態203と溶接部3の変形状態303
のように樽のような形に変形するため、配管2の内面の
軸方向には圧縮の応力が存在することになる。すなわ
ち、図1で説明した拘束器具1を取り付けた場合と同様
の効果が得られることになる。
【0017】図8には、配管2の内表面の拘束器具10
5を取り付けた状態で予熱により全体を加熱した後の変
形の状態を示す。配管2の内表面に取り付ける拘束器具
105を使用することによっても、予熱を行った後に溶接
を行うことにより、配管2の内表面を円周方向,軸方向
ともに圧縮の残留応力にすることができる。拘束器具1
05を配管2と配管2の溶接部3の両側で配管2と拘束
器具105の接触面が内表面で接触するような状態で取
り付ける。溶接部3から拘束器具105までの距離は溶
接条件によって異なる。例えば、溶接部2のもととなる
溶接棒と、配管2の材質がインコネル600で、配管2
の板厚12mm,内径100mm,軸方向長さ1200mm、
また、入熱量1.2kJ/mm のとき、幅10mmの拘束器
具105の中心を、溶接部3の中心から軸方向にそれぞ
れ30mm離した箇所に取り付ければ良い。これは、今回
の条件の場合、拘束器具105を用いずに配管2と配管
2を突き合わせ溶接した場合に発生する配管内面の各々
の位置での残留応力に関して、円周方向あるいは軸方向
の引張り側の残留応力のいずれか大きい方の残留応力
が、配管の材料の応力腐食割れに対して安全な値になる
配管内面の溶接部近傍に最も近い溶接部近傍両側の位置
が溶接部の中心から18mmになるため、その1倍以上2
倍以内の距離である30mmに設定したためである。ま
た、拘束器具105の材質はオーステナイト系ステンレス
鋼SUS304である。配管2のインコネル600の室温での線
膨張係数は0.00001210(1/℃)、拘束器具105のオ
ーステナイト系ステンレス鋼SUS304の室温での線膨張係
数は1.515×10-5(1/℃)である。このような拘
束器具105を用い、予熱を全体均一に250℃になる
ように行った後に溶接を行うことにより、配管2の内表
面を円周方向,軸方向ともに圧縮の残留応力にすること
ができる。
【0018】図9には、配管2の外表面に取り付けた拘
束器具1と、内表面に取り付けた拘束器具105を同時
に使用した時の予熱後の変形の状態を示す。配管2の外
表面に取り付ける拘束器具1と配管2の内表面に取り付
ける拘束器具105を同時に使用することによっても、
予熱を行った後に溶接を行うことにより、配管2の内表
面を円周方向,軸方向ともに圧縮の残留応力にすること
ができる。配管2の材質はインコネル600,配管2の
外表面に取り付ける拘束器具1の材質は低合金鋼SA535
B、配管2の内表面に取り付ける拘束器具105の材質
はオーステナイト系ステンレス鋼SUS304である。例え
ば、溶接部3のもととなる溶接棒と、配管2の材質がイ
ンコネル600で、配管2の板厚12mm,内径100m
m,軸方向長さ1200mm、また、入熱量1.2kJ/mm
のとき、幅10mmの拘束器具1の中心を、溶接部3の
中心から軸方向にそれぞれ20mm,幅10mmの拘束器具
105の中心を、溶接部3の中心から軸方向にそれぞれ
30mm離した箇所に取り付ければ良い。これは、今回の
条件の場合、拘束器具1と拘束器具105を用いずに配
管2と配管2を突き合わせ溶接した場合に発生する配管
内面の各々の位置での残留応力に関して、円周方向ある
いは軸方向の引張り側の残留応力のいずれか大きい方の
残留応力が、配管の材料の応力腐食割れに対して安全な
値になる配管内面の溶接部近傍に最も近い溶接部近傍両
側の位置が溶接部の中心から20mmになるためである。
配管2のインコネル600の室温での線膨張係数は1.21
0 ×10-5(1/℃)、拘束器具1の低合金鋼SA535Bの
線膨張係数は1.150×10-5(1/℃)、拘束器具
105のオーステナイト系ステンレス鋼SUS304の室温で
の線膨張係数は1.515×10-5(1/℃)である。こ
のように配管外面の拘束器具1と配管内面の拘束器具1
05を同時に用いることによっても、予熱を全体均一に
250℃になるように予熱を行った後に配管2の突合わ
せ溶接を行うことにより、配管2の内表面を円周方向,
軸方向ともに圧縮の残留応力にすることができる。
【0019】さらに、予熱を行う際に、図10に示すよ
うに配管2の外面の温度が配管2の内面の温度よりも高
くなるような温度分布を配管2に持たせた上で、配管2
と線膨張係数の異なる拘束器具1を用いて溶接すること
により、配管2の内面をさらに大きな圧縮の残留応力に
することもできる。例えば、溶接部2のもととなる溶接
棒と、配管2の材質がインコネル600で、配管2の板
厚12mm,内径100mm,軸方向長さ1200mm,入熱
量1.2kJ/mm で、幅10mmのオーステナイト系ステ
ンレス鋼SUS304の拘束器具1の中心を溶接部3の中心か
ら軸方向にそれぞれ20mm離した箇所に取り付けた時、
全体均一に温度Tを250℃になるように予熱を行った
場合よりも、配管2の外面の温度を300℃、配管2の
内面の温度を250℃になるように予熱を行った場合の
方が、拘束器具1による拘束力が大きくなるため、結果
的に溶接終了後、配管2の内面に大きな圧縮の残留応力
を発生させることができる。また、配管2に配管内面の
拘束器具105を使用した場合、配管2の外面の拘束器
具1と配管2の内面の拘束器具105を同時にしようし
た場合に関しても同様に、配管2の外面の温度を配管2
の内面の温度よりも半径方向に均一に高くなるように予
熱することにより、配管2全体を均一に余熱した場合に
比べて大きな圧縮の残留応力を得ることができる。
【0020】図11には、本発明による配管2の溶接を
行う装置を示す。本装置13は、記憶部14,演算部1
5,入力部16,動作部17,拘束器具取り付け位置の
データベース18で構成される。入力部16において、
溶接する配管2の形状と寸法,溶接条件19を入力し、
記憶部14と演算部15において入力部16より入力し
た情報19に対応する配管2の外面の拘束器具1や配管
2の内面の拘束器具105を用いずに配管2と配管2を
突き合わせ溶接した場合に発生する配管内面の各々の位
置での残留応力に関して、円周方向あるいは軸方向の引
張り側の残留応力のいずれか大きい方の残留応力が、配
管2を構成する材料の応力腐食割れに対して安全な値に
なる配管2の内面の溶接部3の近傍に最も近い溶接部近
傍両側の位置を、記憶部14から取り出した最も溶接す
る配管の形状と寸法,溶接条件が近い条件18から演算
部15により演算し、動作部17により演算した位置に
配管2の外面の拘束器具1や配管2の内面の拘束器具1
05を取り付け、演算部15で演算した予熱条件のもと
で予熱を行い、演算部15で演算した溶接条件のもとで
溶接を行うことにより、配管2の内面での溶接部3の近
傍に、円周方向及び軸方向いずれについても圧縮側の残
留応力を生成させることができる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、溶接構造物を構成する
配管と配管を突合わせ溶接する際に、従来の溶接法では
配管内面の残留応力分布が溶接条件によっては応力腐食
割れの原因となる引張側の残留応力になるところを、溶
接構造物よりも線膨張係数の低い拘束器具を用い、全体
を予熱してから溶接することにより、常に圧縮の残留応
力にし、応力腐食割れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による溶接方法の実施例の説明図。
【図2】本発明による拘束器具の取付け状態図。
【図3】予熱を行ったときの配管と拘束器具の変形の状
態を示す説明図。
【図4】本発明による残留応力の時間履歴変化の説明
図。
【図5】通常の拘束器具を用いない溶接を行ったときの
残留応力の説明図。
【図6】円周方向のみに拘束力を伝える拘束器具を用い
たときの溶接方法の説明図。
【図7】円周方向のみに拘束力を伝える拘束器具を用
い、予熱を行ったときの配管と拘束器具の変形の状態を
示す説明図。
【図8】配管内面の拘束器具を使用して予熱を行ったと
きの配管と拘束器具の変形の状態を示す説明図。
【図9】配管外面と内面の両方の拘束器具を使用して予
熱を行ったときの配管と拘束器具の変形の状態を示す説
明図。
【図10】配管2内表面と外表面に温度分布を持たせた
予熱をした時の配管の変形の状態と半径方向の温度分布
を示す説明図。
【図11】本発明による配管の溶接を行うための装置の
ブロック図。
【符号の説明】
1…拘束器具、2…配管、3…溶接部、4…6自由度の
マニュピレータを持つ溶接ロボット、5…拘束器具1を
用いて予熱をした後に溶接を行ったときの配管2の内面
の残留応力の分布。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂田 信二 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶接構造物を構成する配管と配管の突き合
    わせ溶接方法において、溶接構造物を構成する配管の材
    料と線膨張係数の異なる材料により製作された拘束器具
    を配管に取り付けた後、溶接構造物と拘束器具の全体を
    予熱した状態を保持し、配管と配管の溶接部周辺での温
    度上昇による円周方向及び軸方向の自由膨張を拘束した
    上で、配管と配管の突き合わせ溶接を行うことにより、
    配管内面での溶接部近傍に円周方向及び軸方向いずれに
    ついても圧縮側の残留応力を生成させることを特徴とす
    る配管の溶接方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、拘束器具を用いずに配
    管と配管を突き合わせ溶接した場合に発生する配管内面
    の各々の位置での残留応力に関して、円周方向あるいは
    軸方向の引張り側の残留応力のいずれか大きい方の残留
    応力が、配管の材料の応力腐食割れに対して安全な値に
    なる配管内面の溶接部近傍に最も近い溶接部近傍両側の
    位置と、溶接部中心から軸方向に等しい距離にある配管
    外面の位置に、配管外面と直接接触する拘束器具の接触
    部分の中心線が同一になるように配管外面に溶接構造物
    を構成する配管よりも線膨張係数の小さい材料で製作さ
    れた拘束器具を取り付けることにより、溶接構造物と拘
    束器具の全体を予熱した状態を保持し、配管と配管の溶
    接部周辺での溶接による温度上昇による円周方向及び軸
    方向の自由膨張を拘束した上で、配管と配管の突き合わ
    せ溶接を行うことにより、配管内面での溶接部近傍に円
    周方向及び軸方向いずれについても圧縮側の残留応力を
    生成させる配管の溶接方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、拘束器具を用いずに配
    管と配管を突き合わせ溶接した場合に発生する配管内面
    の各々の位置での残留応力に関して、円周方向あるいは
    軸方向の引張り側の残留応力のいずれか大きい方の残留
    応力が、配管の材料の応力腐食割れに対して安全な値に
    なる配管内面の溶接部近傍に最も近い溶接部近傍両側の
    位置からその倍の距離にある位置までの範囲内の位置
    に、配管内面と直接接触する拘束器具の接触部分の最も
    溶接部に近い方の境界線が前記範囲内の中に入るように
    配管内面に溶接構造物を構成する配管よりも線膨張係数
    の大きい材料で製作された拘束器具を取り付けることに
    より、溶接構造物と拘束器具の全体を予熱した状態を保
    持し、配管と配管の溶接部周辺での溶接による温度上昇
    による円周方向及び軸方向の自由膨張を拘束した上で、
    配管と配管の突き合わせ溶接を行うことにより、配管内
    面での溶接部近傍に円周方向及び軸方向いずれについて
    も圧縮側の残留応力を生成させる配管の溶接方法。
  4. 【請求項4】請求項1において、拘束器具を用いずに配
    管と配管を突き合わせ溶接した場合に発生する配管内面
    の各々の位置での残留応力に関して、円周方向あるいは
    軸方向の引張り側の残留応力のいずれか大きい方の残留
    応力が、配管の材料の応力腐食割れに対して安全な値に
    なる配管内面の溶接部近傍に最も近い溶接部近傍両側の
    位置と、溶接部中心から軸方向に等しい距離にある配管
    外面の位置に、配管外面と直接接触する拘束器具の接触
    部分の中心線が同一になるように配管外面に溶接構造物
    を構成する配管よりも線膨張係数の小さい材料で製作さ
    れた拘束器具を取り付け、かつ、拘束器具を用いずに配
    管と配管を突き合わせ溶接した場合に発生する配管内面
    の各々の位置での残留応力に関して、円周方向あるいは
    軸方向の引張り側の残留応力のいずれか大きい方の残留
    応力が、配管を構成する材料の応力腐食割れに対して安
    全な値になる配管内面の溶接部近傍に最も近い溶接部近
    傍両側の位置からその倍の距離にある位置までの範囲内
    の位置に、配管内面と直接接触する拘束器具の接触部分
    の最も溶接部に近い方の境界線が前記範囲内の中に入る
    ように配管内面に溶接構造物を構成する配管よりも線膨
    張係数の大きい材料で製作された拘束器具を取り付ける
    ことにより、溶接構造物と拘束器具の全体を予熱した状
    態を保持し、配管と配管の溶接部周辺での溶接による温
    度上昇による円周方向及び軸方向の自由膨張を拘束した
    上で、配管と配管の突き合わせ溶接を行うことにより、
    配管内面での溶接部近傍に円周方向及び軸方向いずれに
    ついても圧縮側の残留応力を生成させる配管の溶接方
    法。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3または4において、溶接
    構造物と拘束器具の予熱を行う際に、配管の同一半径上
    の温度分布は均一で、かつ、配管外面の温度が配管内面
    の温度よりも高くなるような温度分布を配管に持たせた
    上で、配管と配管の溶接部の周辺に配管の溶接時の温度
    上昇による円周方向及び軸方向の自由膨張を拘束するた
    めの拘束器具を取り付けることにより、溶接構造物と拘
    束器具を予熱した温度分布の状態を保持したまま配管と
    配管の突き合わせ溶接を行うことにより、配管内面での
    溶接部近傍に円周方向及び軸方向いずれについても圧縮
    側の残留応力を生成させる配管の溶接方法。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3または4において、記憶
    部と演算部と入力部と動作部を有する装置の入力部にお
    いて、溶接する配管の形状と寸法,溶接条件を入力し、
    前記装置の記憶部と演算部において、入力部より入力し
    た情報に対応する拘束器具を用いずに配管と配管を突き
    合わせ溶接した場合に発生する配管内面の各々の位置で
    の残留応力に関して、円周方向あるいは軸方向の引張り
    側の残留応力のいずれか大きい方の残留応力が、配管を
    構成する材料の応力腐食割れに対して安全な値になる配
    管内面の溶接部近傍に最も近い溶接部近傍両側の位置
    を、記憶部から取り出した最も溶接する配管の形状と寸
    法,溶接条件が近い条件から演算し、動作部により演算
    した位置に拘束器具を取り付け、演算部で演算した予熱
    条件のもとで予熱を行い、演算部で演算した溶接条件の
    もとで溶接を行うことにより、配管内面での溶接部近傍
    に円周方向及び軸方向いずれについても圧縮側の残留応
    力を生成させる配管の溶接装置。
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