JPH06182520A - 吸引鋳造装置 - Google Patents

吸引鋳造装置

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JPH06182520A
JPH06182520A JP32247492A JP32247492A JPH06182520A JP H06182520 A JPH06182520 A JP H06182520A JP 32247492 A JP32247492 A JP 32247492A JP 32247492 A JP32247492 A JP 32247492A JP H06182520 A JPH06182520 A JP H06182520A
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JP
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mold
filter
airtight chamber
pipe
decompression
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JP32247492A
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English (en)
Inventor
Minoru Uozumi
稔 魚住
Mitsuyoshi Sato
三由 佐藤
Kunio Shimizu
邦雄 清水
Masao Nakayama
雅夫 中山
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 減圧系を清浄な状態に保持して、吸引鋳造を
継続して安定的に実施できるようにする。 【構成】 本発明に係る吸引鋳造装置は、気密チャンバ
ー14の内部と減圧装置とを連通させる減圧配管50を
有している。この減圧配管50の先端開口部52は気密
チャンバー14内の規定位置に位置決めされている。さ
らにこの吸引鋳造装置は鋳型12上の規定位置に位置決
めされるフィルタ60を有している。このフィルタ60
は、鋳型12に気密チャンバー14が被せられた状態
で、鋳型12の上面と減圧配管50の先端開口部52と
の間に挟持されて、減圧配管50の先端開口部52を覆
う。これによって、鋳造中に鋳型で発生した燃焼ガスに
含まれる脂状生成物はフィルタ60に遮られて減圧配管
50内に侵入することがなくなり、減圧系が清浄な状態
に保持される。また、鋳型の交換と共にフィルタの交換
を行うことが可能になり、量産ラインで安定的に継続し
て吸引鋳造を実施することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、定盤に載置された鋳型
に気密チャンバーを被せ、この気密チャンバー内を減圧
装置によって減圧することにより、間接的に鋳型内のキ
ャビティを減圧して、このキャビティ内に溶湯を吸引し
て鋳造を行う吸引鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳型内のキャビティを減圧して、貯湯槽
の溶湯を前記キャビティに吸い上げる吸引鋳造法は、静
かに溶湯を充填できるために充填時の空気の巻き込み等
が少なく高品質な鋳物の製造に適している。この吸引鋳
造法を利用した鋳造装置が特開昭63−71959号公
報に記載されている。この吸引鋳造装置は、定盤を平た
い箱状に成形して、その上面に貫通孔を形成したもので
あり、前記定盤の内部空間が減圧配管によって減圧装置
に接続される構造である。これによって、前記定盤上に
鋳型および気密チャンバーがセットされた状態で前記減
圧装置が駆動されると、気密チャンバー内の気体は定盤
上面の貫通孔から定盤の内部空間を通って減圧配管に吸
引される。これによって気密チャンバー内が減圧されて
間接的に鋳型内のキャビティが減圧され、このキャビテ
ィ内に貯湯槽の溶湯が吸い上げられる。溶湯が鋳型内の
キャビティに充填されると、鋳型を構成する有機バイン
ダ等が溶湯の熱によって燃焼、分解するために、燃焼ガ
スが発生する。しかしながら、これらの燃焼ガスは気密
チャンバー内の気体と共に減圧配管に吸引されて外部に
排出される。特に、定盤の上面に貫通孔が形成されてい
るために、鋳型下面で発生する燃焼ガスも効率的に外部
に排出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
従来の吸引鋳造装置によると、前記燃焼ガスが気密チャ
ンバー内の気体と共に減圧装置にまで導かれるために、
燃焼ガスに含まれる脂状の生成物がこの減圧装置に装着
されている機器保護用のフィルタに堆積することにな
る。このため多数の鋳造を行う量産ラインでは前記フィ
ルタの通気抵抗が増大して、鋳造の回数を重ねるにつれ
て気密チャンバー内の減圧効率が低下する。したがっ
て、定期的なフィルタの交換が必要となる。さらに、前
記定盤から前記機器保護用のフィルタまでの間に位置す
るバルブや減圧配管等には脂状の生成物を含む燃焼ガス
が直接流れるために、これらの内壁面には脂状生成物が
付着する。前記バルブや減圧配管に付着した脂状生成物
は除去することが非常に困難なため、前記フィルタの交
換を定期的に行ったとしても、経時的に、減圧系の通気
抵抗が増大することになり、鋳込み速さが低下したり、
また湯廻り不良等の鋳造欠陥が発生することになる。本
発明の技術的な課題は、鋳型の交換毎に気密チャンバー
と減圧配管との間にフィルタを装着できるようにするこ
とにより、燃焼ガスに含まれる脂状の生成物が減圧配管
や減圧装置等の減圧系に侵入しないようにして、減圧系
の通気抵抗の増加を防止しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、以下の
各部構造を有する吸引鋳造装置によって解決される。即
ち、請求項1に記載の発明に係る吸引鋳造装置は、定盤
に載置された通気性を有する鋳型に気密チャンバーを被
せ、この気密チャンバー内を減圧装置によって減圧する
ことにより、鋳型内のキャビティを減圧して、このキャ
ビティ内に溶湯を吸引して鋳造を行う吸引鋳造装置にお
いて、先端開口部が前記気密チャンバー内の規定位置に
配置されており、前記気密チャンバーの内部空間と前記
減圧装置とを連通させる減圧配管と、前記鋳型上の規定
位置に位置決めされ、前記鋳型に前記気密チャンバーが
被せられた状態で、前記鋳型の上面と前記減圧配管の先
端開口部との間に挟持されて、その先端開口部を覆うフ
ィルタと、を有している。請求項2に記載の発明に係る
吸引鋳造装置は、定盤に載置された通気性を有する鋳型
に気密チャンバーを被せ、この気密チャンバー内を減圧
装置によって減圧することにより、鋳型内のキャビティ
を減圧して、このキャビティ内に溶湯を吸引して鋳造を
行う吸引鋳造装置において、前記気密チャンバーの内部
空間と前記減圧装置とを連通させる減圧配管と、前記鋳
型の上面と前記減圧配管の先端開口部との間に挟持され
て前記減圧配管の先端開口部を覆うフィルタとを有して
いる。そして、前記鋳型の上面には、前記フィルタがそ
の鋳型の上面と減圧配管の先端開口部との間に挟持され
ている状態で、気密チャンバー内の気体を前記フィルタ
下面まで導くことができる溝が形成されている。
【0005】
【作用】請求項1に記載の発明によると、定盤に載置さ
れた鋳型上の規定位置にフィルタを位置決めすれば、こ
の鋳型に気密チャンバーを被せるだけで、前記フィルタ
は自動的に鋳型の上面と減圧配管の先端開口部との間に
挟持される。そして前記減圧配管の先端開口部はフィル
タによって覆われる。このため吸引鋳造が行われると、
気密チャンバー内の気体は前記フィルタを通って減圧配
管および減圧装置に導かれる。この結果、鋳型で発生し
た燃焼ガスに含まれる脂状生成物はフィルタに遮られて
減圧配管内に侵入することがなくなり、減圧配管および
減圧装置が清浄な状態に保持される。また、前記フィル
タは鋳型の上面と減圧配管の先端開口部との間に挟まれ
ているだけであるために、鋳造後、気密チャンバーを上
昇させて鋳型から離せば、前記フィルタは自動的に減圧
配管の先端開口部から外される。このように鋳型上の規
定位置にフィルタを位置決めしておけば、後は自動的に
前記減圧配管の先端開口部にフィルタを装着することが
でき、また取り外しも自動的に行えることから、鋳型の
交換と共にフィルタの交換を行うことが可能になる。請
求項2に記載の発明によると、鋳型の上面には、フィル
タがその鋳型の上面と減圧配管の先端開口部との間に挟
持されている状態で、気密チャンバー内の気体を前記フ
ィルタ下面まで導くことができる溝が形成されている。
仮に、鋳型の上面に前記溝が形成されていなければ、フ
ィルタはその下面全体が鋳型の上面に当接する。このた
め減圧配管からの吸引力がフィルタおよび通気性の鋳型
を介して直接的にキャビティに作用して、キャビティ内
の減圧が行われる。これによって、前記キャビティ内に
は特定方向の気流が発生する。このキャビティ内の気流
は、溶湯がキャビティ内に吸引される際にガスの巻き込
みの原因となる。しかしながら本発明によると、フィル
タの下面には溝によって気密チャンバー内の気体、即
ち、鋳型の周辺の気体が導かれるために、減圧配管から
の吸引力が鋳型の周囲に作用して、キャビティ内に特定
方向の気流が生じない。
【0006】
【実施例】以下、図1〜図5を参照して本発明の一実施
例に係る吸引鋳造装置の説明を行う。図1は本実施例に
係る吸引鋳造装置の要部縦断面図、図2は鋳型の上面の
詳細図、図3は減圧配管の先端詳細図である。また、図
4は本実施例に係る吸引鋳造装置を使用した鋳造工程を
表すブロック図、図5は本実施例に係る吸引鋳造装置の
全体図である。前記吸引鋳造装置10は、図5に示すよ
うに、コンベア等から構成される鋳型搬入装置2、鋳型
位置決め装置4および鋳型搬出装置6を備えている。こ
れらの装置2,4,6は同レベルで、かつ中心線が一致
した状態に配置されており、鋳型12を載置した定盤1
6が前記鋳型搬入装置2から前記鋳型搬出装置6に至る
までスムーズに移動できるように配慮されている。ここ
で前記鋳型搬入装置2等によって運搬される定盤16
は、平面長方形状に成形された鉄製の平板で、後記する
気密チャンバー14の底板を兼ねるものであり、図1に
示すように、所定の位置に貫通孔16kが形成されてい
る。そしてこの貫通孔16kに筒状の湯口管20が挿通
される。ここで前記湯口管20の上端にはフランジ部が
形成されており、このフランジ部が定盤16によって下
方から支えられることにより前記湯口管20が位置決め
される。なお、前記貫通孔16kと湯口管20との間は
シール材(図示されていない)によってシールされる。
そして前記定盤16の上に、鋳型12が湯口12yを前
記湯口管20の上端部に接続させた状態で載置される。
なお本実施例においては、前記湯口管20はフランジ部
を有する型式のものを使用したが、単なる筒状の湯口管
を使用することも可能である。
【0007】図5に示される前記鋳型位置決め装置4
は、鋳型12を載置した定盤16を中央に位置決めでき
る構造のコンベアであり、その四隅が下方から昇降シリ
ンダ8によって支持されている。前記昇降シリンダ8
は、シリンダ本体8aの下端部が床面1に固定されてお
り、ピストンロッド8pの上端が鋳型位置決め装置4の
下側に固定されている。そして昇降シリンダ8がピスト
ンロッド8pを延出する方向に駆動されると鋳型位置決
め装置4は上昇し、前記鋳型搬入装置2および鋳型搬出
装置6と等しいレベルに保持される。また、昇降シリン
ダ8がピストンロッド8pを収納する方向に駆動される
と鋳型位置決め装置4は所定レベルまで下降する。前記
鋳型位置決め装置4の中央直下には、溶湯を貯留した溶
解炉18が設置されている。このため鋳型位置決め装置
4に前記定盤16等が位置決めされた状態で、この鋳型
位置決め装置4が昇降シリンダ8によって下降される
と、前記定盤16に装着されている湯口管20の先端が
溶解炉18の溶湯に浸漬される。
【0008】前記鋳型位置決め装置4の中央真上には、
チャンバー昇降装置30が配設されており、このチャン
バー昇降装置30に箱状の気密チャンバー14がチャン
バー着脱機構34を介して取り付けられている。前記気
密チャンバー14が下降して定盤16上に載置される
と、鋳型12にこの気密チャンバー14が被せられる。
この状態が、図1に示されている。なお、図1には、チ
ャンバー昇降装置30およびチャンバー着脱機構34の
記載は省略されている。前記気密チャンバー14は箱型
に製作された下部開放形の容器であり、その側壁下端に
は耐熱ゴム製のシール材141が装着されている。そし
てこの気密チャンバー14が定盤16に載置された状態
で前記気密チャンバー14の内部は気密状態に保持され
る。さらに前記気密チャンバー14の上板14uには、
中央に減圧孔142が形成されており、この減圧孔14
2に真空ポンプ(図示されていない)と連通する減圧配
管50の先端が挿通されている。
【0009】前記減圧配管50は、図3に示すように、
その先端の開口部に円板状のフィルタ押え板52が取り
付けられている。このフィルタ押え板52は、後記する
フィルタ60を上方から押さえるための板であり、フィ
ルタ60を通過した気体を吸引するための貫通孔52k
が複数個形成されている。また減圧配管50には、図1
に示すように、先端面から所定寸法だけ上部にフランジ
部54が形成されており、このフランジ部54と前記気
密チャンバー14の減圧孔142との間にベローズ70
が装着されている。これによって前記減圧孔142と減
圧配管50との間はシールされ、さらに減圧配管50は
気密チャンバー14に対して上下方向に変位することが
できるようになっている。また前記減圧配管50の周囲
にはコイルスプリング72が位置しており、このコイル
スプリング72の下端がフランジ部54によって支持さ
れている。そして、前記コイルスプリング72と前記ベ
ローズ70との周囲に筒状のバネ押さえ74が配置され
ている。このバネ押さえ74は下端が外側にリング状に
折り曲げられており、この部分が気密チャンバー14の
上板14uに固定されている。また、前記バネ押さえ7
4の上端は内側にリング状に折り曲げられており、この
部分が前記コイルスプリング72の上端を下方に押圧し
ている。この構造により、前記減圧配管50の先端部は
コイルスプリング72のバネ力によって気密チャンバー
14の天井から内部に所定寸法だけ突出している。即
ち、減圧配管50の先端のフィルタ押さえ板52は気密
チャンバー14内の規定位置に位置決めされている。
【0010】前記鋳型12は、鋳物砂を有機バインダー
で結合した通気性の型であり、上型12aと下型12b
とから構成される。そして両者12a,12bが組み合
わされた状態で内部にキャビティ12kが形成される。
また、キャビティ12kの内部には製品の空洞部を成形
するための砂中子12nが規定位置に位置決めされてい
る。また、前記鋳型12の上面(上型12aの上面)に
は、図2に示すように、十字状に溝12mが形成されて
いる。そして前記鋳型12の上面の中央、即ち、前記溝
12mの交差した部分にガラス繊維製の円板形をしたフ
ィルタ60が位置決めされる。これによって、前記鋳型
12に気密チャンバー14が規定どおりに被せられる
と、気密チャンバー14に装着された減圧配管50のフ
ィルタ押え板52が前記フィルタ60の上面に当接し
て、このフィルタ60をコイルスプリング72のバネ力
によって下方に押圧する。この結果、前記フィルタ60
は鋳型12の上面とフィルタ押え板52とによって挟持
され、減圧配管50の先端開口部(フィルタ押え板52
の貫通孔52k)はフィルタ60によって覆われる。こ
れによって、気密チャンバー14内が減圧される際に、
この気密チャンバー14内の気体は鋳型12の溝12m
からフィルタ60を通って減圧配管50に吸引される。
【0011】次に、図4の鋳造工程に基づいて、本実施
例に係る吸引鋳造装置の作用を説明する。先ず、定盤1
6の貫通孔16kに湯口管20がセットされ、この湯口
管20の上端部に鋳型12の湯口12yが接続されるよ
うに、鋳型12が定盤16上に載置される。さらに、鋳
型12の上面の中央には円板形のフィルタ60が位置決
めされる。この状態で、前記定盤16、鋳型12等は鋳
型搬入装置2によって鋳型位置決め装置4に搬入され、
この鋳型位置決め装置4の中央に配置される。この状態
が図5に示されている。次に、チャンバー昇降装置30
が駆動されて気密チャンバー14が下降し、この気密チ
ャンバー14が鋳型12に被せられる。そして前記気密
チャンバー14の側壁下端が定盤16に当接した状態で
気密チャンバー14の内部は気密状態に保持される。さ
らに気密チャンバー14に装着された減圧配管50のフ
ィルタ押さえ板52が鋳型12上のフィルタ60に圧接
して、前記フィルタ60は鋳型12の上面とフィルタ押
え板52とによって挟持される。そして、減圧配管50
の先端のフィルタ押え板52に形成された貫通孔52k
が前記フィルタ60によって覆われる。
【0012】次に、鋳型位置決め装置4を支持する昇降
シリンダ8がピストンロッド8pを収納する方向に駆動
されて、鋳型位置決め装置4が所定レベルまで下降す
る。これによって、定盤16、鋳型12および気密チャ
ンバー14等が一体で下降して、定盤16にセットされ
ている湯口管20の先端が溶解炉18の溶湯に浸漬され
る。前記湯口管20の先端が溶解炉18の溶湯に浸漬さ
れると、気密チャンバー14の内部が減圧配管50を介
して真空ポンプによって減圧される。これによって気密
チャンバー14内に配置されている鋳型12のキャビテ
ィ12k内が間接的に減圧されて、溶解炉18内の溶湯
が湯口管20を介して前記キャビティ12kに吸引され
る。そしてキャビティ12kに溶湯が充填された後も押
し湯効果を持たせるために、その溶湯が凝固するまで気
密チャンバー14内の減圧が継続して行われる。ここで
気密チャンバー14の内部が減圧されると、気密チャン
バー14内の気体は鋳型12の溝12mからフィルタ6
0を通って減圧配管50および真空ポンプに導かれる。
この結果、鋳型12で発生した燃焼ガスに含まれる脂状
生成物はフィルタ60に遮られて減圧配管50内に侵入
することがなくなり、減圧配管50および真空ポンプが
清浄な状態に保持される。また、鋳型12の溝12mが
十字状に形成されているために、鋳型12の周辺の気体
が均一に減圧配管50に吸引される。これによって減圧
の不均一によるガス欠陥も防止され、前記燃焼ガスに含
まれる脂状生成物も効率良くフィルタ60に集められ
る。
【0013】仮に、鋳型12の上面に前記溝12mが形
成されていなければ、フィルタ60はその下面全体が鋳
型12の上面に当接する。このため減圧配管50からの
吸引力がフィルタ60および通気性の鋳型12を介して
直接的にキャビティ12kに作用して、キャビティ12
k内の減圧が行われる。これによって、キャビティ12
k内には特定方向の気流が発生する。このキャビティ1
2k内の気流は、溶湯がキャビティ12k内に吸引され
る際にガスの巻き込みの原因となる。しかしながら本実
施例によると、フィルタ60の下面には溝12mによっ
て気密チャンバー14内の気体、即ち、鋳型12の周辺
の気体が導かれるために、減圧配管50からの吸引力が
鋳型12の周囲全体に作用して、キャビティ12k内に
特定方向の気流が生じない。このためキャビティ12k
内に吸引される溶湯にガスが巻き込まれることがなくな
り、鋳造品質が向上する。
【0014】前記気密チャンバー14内の減圧が行われ
て、所定の凝固時間が経過して鋳型12内の溶湯が凝固
すると、気密チャンバー14内が大気開放されて、湯口
12yおよび湯口管20の内部に位置する末凝固の溶湯
が溶解炉18に戻され、鋳造が終了する。鋳造が終了す
ると、昇降シリンダ8がピストンロッド8pを延出する
方向に駆動されて、鋳型位置決め装置4が鋳型搬入装置
2、鋳型搬出装置6のレベルまで上昇する。さらにチャ
ンバー昇降装置30が駆動されて気密チャンバー14が
所定高さまで上昇する。ここで、フィルタ60は鋳型1
2の上面と減圧配管50のフィルタ押さえ板52との間
に挟まれているだけであるために気密チャンバー14が
上昇すれば、フィルタ60は、減圧配管50のフィルタ
押さえ板52から自動的に外され、このフィルタ60は
鋳型12の上面に保持される。そして、前記鋳造に使用
された鋳型12、定盤16および使用済みのフィルタ6
0が鋳型搬出装置6によって搬出されて、型取出しが行
われる。そして、所定の位置で型開きが行われて製品が
取り出される。なお、使用済みのフィルタ60は廃棄さ
れる。本実施例では、フィルタ60に対して減圧配管5
0のフィルタ押さえ板52をコイルスプリング72のバ
ネ力によって押し付ける構造を示したが、例えば、エア
ーシリンダ等によって押し付ける構造であっても可能で
ある。また、本実施例では鋳型12の上面の溝12mを
十字状に形成した例を示したが、この形状に限定される
わけではなく気密チャンバー14内の気体の流れを考慮
して*状に前記溝12mを増やすことも可能である。さ
らに、本実施例ではフィルタ60の材料としてガラス繊
維を使用したが、鋳型12の交換毎にフィルタ60も交
換するために、さほど耐久性は必要とされず経済的観点
から別の材質のものを選択することも可能である。
【0015】
【発明の効果】本発明によると、気密チャンバー内の気
体はフィルタを通って減圧系に導かれるために、燃焼ガ
スに含まれる脂状生成物が減圧系に侵入することがなく
なり、減圧系が清浄な状態に保持される。また、鋳型上
の規定位置にフィルタを位置決めしておけば、後は自動
的に前記減圧配管の先端開口部にフィルタを装着するこ
とができる。このため鋳型の交換と共にフィルタの交換
を行うことができ、量産ラインで安定的に継続して吸引
鋳造を実施することができる。また、鋳型上面の溝を通
って気密チャンバー内の気体が減圧系に導かれるため
に、減圧系の吸引力が通気性の鋳型の周囲に均等に作用
してキャビティ内に特定方向の気流が生じない。このた
め、キャビティ内に吸引される溶湯にガスが巻き込まれ
ることがなくなり、鋳造品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る吸引鋳造装置の要部縦
断面図である。
【図2】鋳型の上面の詳細図である。
【図3】減圧配管の先端開口部の詳細図である。
【図4】本発明の一実施例に係る吸引鋳造装置を使用し
た鋳造工程を表すブロック図である。
【図5】本発明の一実施例に係る吸引鋳造装置の全体図
である。
【符号の説明】
12 鋳型 12k キャビティ 14 気密チャンバー 16 定盤 50 減圧配管 52 フィルタ押さえ板 52k 貫通孔(先端開口部) 60 フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 雅夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定盤に載置された通気性を有する鋳型に
    気密チャンバーを被せ、この気密チャンバー内を減圧装
    置によって減圧することにより、鋳型内のキャビティを
    減圧して、このキャビティ内に溶湯を吸引して鋳造を行
    う吸引鋳造装置において、 先端開口部が前記気密チャンバー内の規定位置に配置さ
    れており、前記気密チャンバーの内部空間と前記減圧装
    置とを連通させる減圧配管と、 前記鋳型上の規定位置に位置決めされ、前記鋳型に前記
    気密チャンバーが被せられた状態で、前記鋳型の上面と
    前記減圧配管の先端開口部との間に挟持されて、その先
    端開口部を覆うフィルタと、を有することを特徴とする
    吸引鋳造装置。
  2. 【請求項2】 定盤に載置された通気性を有する鋳型に
    気密チャンバーを被せ、この気密チャンバー内を減圧装
    置によって減圧することにより、鋳型内のキャビティを
    減圧して、このキャビティ内に溶湯を吸引して鋳造を行
    う吸引鋳造装置において、 前記気密チャンバーの内部空間と前記減圧装置とを連通
    させる減圧配管と、 前記鋳型の上面と前記減圧配管の先端開口部との間に挟
    持されて前記減圧配管の先端開口部を覆うフィルタとを
    有し、 前記鋳型の上面には、前記フィルタがその鋳型の上面と
    減圧配管の先端開口部との間に挟持されている状態で、
    前記気密チャンバー内の気体を前記フィルタ下面まで導
    くことができる溝が形成されていることを特徴とする吸
    引鋳造装置。
JP32247492A 1992-07-22 1992-11-05 吸引鋳造装置 Pending JPH06182520A (ja)

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