JPH06182356A - 藻類含有水の処理方法 - Google Patents

藻類含有水の処理方法

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JPH06182356A
JPH06182356A JP35599092A JP35599092A JPH06182356A JP H06182356 A JPH06182356 A JP H06182356A JP 35599092 A JP35599092 A JP 35599092A JP 35599092 A JP35599092 A JP 35599092A JP H06182356 A JPH06182356 A JP H06182356A
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Masaki Hoshina
正樹 保科
Hideo Tsugawa
秀夫 津川
Minoru Okada
岡田  稔
Hatsuichi Miwa
肇一 三輪
Takuya Hosoda
拓也 細田
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Toagosei Co Ltd
Taki Chemical Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
Taki Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薬剤の使用量が少なく、また発生するスラッ
ジ量も少ない処理方法が簡便な凝集処理方法を提供す
る。 【構成】 硫酸イオンをSO4として1〜5重量%の範囲で
含有し、且つ塩基度が35〜65%の範囲のポリ塩化アルミ
ニウムとポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド
との混合物を使用し凝集処理を行う。この方法によって
藻類含有水の処理を行うことにより、一般に無機凝集剤
のみを使用する場合に比べ、その薬剤の使用量は低減
し、発生するスラッジ量も少なくなる。しかも一般の高
分子凝集剤との併用処理に比べ、その操作も非常に簡便
となる優れた効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、藻類を含有する水に対
して有用な水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム等の凝集剤は、上水、下水、工業用水、工場排水等の
水処理剤として古くから使われてきた。しかしながら、
ダムや湖沼のように藻類を多く含む水の凝集沈殿処理に
於いては、ポリ塩化アルミニウムや硫酸アルミニウム
は、一般の無機濁質の処理に比べて遥かに多量を必要と
する。その結果、中和に要するアルカリ剤を多用しなけ
ればならず、処理水中の電解質量が多くなり、凝集フロ
ックのキャリオーバーが生じやすく、処理水の濁度が上
昇したり、あるいは後段での濾過処理に際して濾過機の
目詰まりを生じやすい。
【0003】この解決策として、ポリ塩化アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム等の無機系凝集剤とポリアクリル
アミド、あるいはその部分加水分解物等の高分子凝集剤
を併用し、これらを別々に添加して凝集処理を行うこと
により、強固なフロックを形成させる方法が採用されて
いる。しかしながら、この様に二種の凝集剤を用いる
と、凝集攪拌装置が大きくなるだけでなく、別々の凝集
剤の希釈槽や溶解槽を必要とし、凝集処理設備も大きく
なり、操作も複雑となる。従って、藻類を含有する水に
対してその処理効果が優れた凝集剤及び簡易な処理方法
の開発が要請されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこのよう
な実状に鑑み、藻類を含む湖沼、河川水より工業用水等
の清澄な水を得る方法について鋭意検討を重ねた結果、
ポリ塩化アルミニウムとポリジメチルジアリルアンモニ
ウムクロライドとの混合物が一般の濁質成分と共に藻類
の除去に顕著な効果を有することを見出し、本発明を完
成したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、硫酸イオ
ンをSO4として1〜5重量%の範囲で含有し、且つ塩基度
が35〜65%の範囲のポリ塩化アルミニウムとポリジメチ
ルジアリルアンモニウムクロライドとの混合物を使用す
ることからなる藻類含有水の処理方法に関する。
【0006】
【作用】本発明は、硫酸イオンをSO4として1〜5重量%
の範囲で含有し、且つ塩基度が35〜65%の範囲のポリ塩
化アルミニウム(以下、PACと略記する)とポリジメチ
ルジアリルアンモニウムクロライド(以下、DMDAC
と略記する)とを混合して使用することに特徴を有す
る。
【0007】本発明で使用するPACは、硫酸イオンを
SO4として1〜5重量%の範囲で含有し、且つ塩基度が35
〜65%の範囲のものを使用することが必要である。即
ち、硫酸イオン量に関しては、この範囲を逸脱しSO4が1
重量%を下廻ると、その凝集効果が低下し、また反対に
SO4が5重量%を上廻ると、ポリ塩化アルミニウム自体が
不安定なものとなり、沈澱物を生成することから同様に
凝集効果は低下し、以て本発明の効果が得られないもの
となる。また塩基度に関しても、この範囲を逸脱する
と、混合した凝集剤は凝集効果が低下するだけでなく不
安定となり、同様に本発明の効果が得られない。また、
DMDACは、その25℃に於ける固有粘度が0.6dl/g以
上のものを使用する。
【0008】本発明はPACとこのDMDACとの混合
物を、類含有水に添加して凝集処理を行うが、本発明は
これらを予め混合しておくことが殊に重要であり、処理
を行う際にこれらを別々に添加し使用しても本発明の効
果は得られない。更に、PACとDMDACとの混合割
合に関して云えば、PACのAl2O3量とDMDACの固
形分量が、重量比で100:3〜50の範囲となるように混合
を行う。即ち、両者の混合割合がこの範囲を逸脱する
と、各々単独で使用する場合と効果は変わらず、本発明
の効果は得られない。この混合した薬剤を、攪拌を行い
ながら藻類を含有する対象水に添加すると、フロックは
速やかに生成し、静置により急速に沈降する。これを適
当な固液分離手段を用いることによって、濁質成分と共
に藻類は分離除去される。
【0009】
【実施例】以下に本発明の実施例を掲げ更に説明を行う
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
また、本発明に於いて%は特に断らない限り全て重量%
を示す。
【0010】(実施例1)PAC(Al2O310%,SO43%,塩
基度50%,多木化学(株)製,商品名PAC250A)とDMDAC
(固形分20%,固有粘度1.3dl/g,東亜合成化学工業(株)
製,商品名アロンフロックC-70)を使用し、表1に示した割合で
これらを混合し凝集剤とした。藻類のミクロシスティス
アルギノーザ(Microcystis aeruginosa)が主体に繁殖
した池水(兵庫県明石市野々池)を使用し、表1に示した
凝集剤を用いて凝集試験を行った。尚、この池水の濁度
は19.6ppmであり、M-アルカリ度は51.7mg/l、pHは9.5
6であった。
【0011】供試水の500mlを500ml容のビーカーに採
り、ジャーテスターで急速攪拌(120rpm)を行いながら、
これに表1に示した割合となるように各々の凝集剤を添
加した。凝集剤の添加後、急速攪拌を3分間行い、次い
で緩速攪拌(30rpm)を10分間、静置を10分間行った。
尚、二種の凝集剤を使用した場合には、第一の凝集剤の
添加後、1.5分遅れて第二の凝集剤を添加し、以下上記
と同様に試験を行った。静置後、上澄水の100mlを採取
し、濁度及びpHの測定を行った。尚、上澄水濁度の測
定は、積分球式濁度計により行った。また、凝集剤の添
加量は各凝集剤の有姿量で表記した。これらの結果を表
1に示した。
【0012】
【表1】 注) 凝集剤の混合比はPACのAl2O3量とDMDACの固形分量
の比で示し、凝集剤の添加量は混合物有姿の添加量で示
した。(以下同じ)
【0013】(実施例2)実施例1で使用したPACと
DMDACを用い、これらを表2に示した割合で混合し
凝集剤とした。実施例1で使用した藻類を含有する池水
を用い、表2に示した凝集剤を使用して同様に凝集試験
を行った。試験結果を表2に示した。
【0014】
【表2】
【0015】(実施例3)PAC(Al2O310%,SO43%,塩
基度50%,多木化学(株)製,商品名PAC250A)とDMDAC
(固形分20%,固有粘度1.3dl/g,東亜合成化学工業(株)
製,商品名アロンフロックC-70)を使用し、表3に示した割合で
これらを混合し凝集剤とした。藻類のセネデスムスグア
ドリカウデ(Scenedesmus guadricaude)が主体に繁殖し
た池水(兵庫県加古川市平荘湖)を使用し、表3に示した
凝集剤を用いて凝集試験を行った。尚、この池水の濁度
は33.0ppmであり、M-アルカリ度は38.2mg/l、pHは7.5
6であった。
【0016】供試水の500mlを500ml容のビーカーに採
り、ジャーテスターで急速攪拌(120rpm)を行いながら、
これに表3に示した割合となるように各々の凝集剤を添
加した。凝集剤の添加後、急速攪拌を3分間行い、次い
で緩速攪拌(30rpm)を10分間、静置を10分間行った。
尚、二種の凝集剤を使用した場合には、第一の凝集剤の
添加後、1.5分遅れて第二の凝集剤を添加し、以下上記
と同様に試験を行った。静置後、上澄水の100mlを採取
し、濁度及びpHの測定を行った。これらの結果を表3
に示した。
【0017】
【表3】
【0018】(実施例4)実施例3で使用したPACと
DMDACを用い、これらを表4に示した割合で混合し
凝集剤とした。また別に、比較例としてDMDACに代
えて他の高分子凝集剤を使用し、表4に示した割合で混
合して凝集剤とした。実施例3で使用した藻類を含有す
る池水を用い、表4に示した凝集剤を使用して同様に凝
集試験を行った。試験結果を表5に示した。
【0019】
【表4】 注) タキフロックC-403,C-420,C-804,C-808は共に多木化学
(株)製商品名
【0020】
【表5】
【0021】(比較例1)藻類の繁殖のない河川水(兵
庫県加古川市加古川表流水)を供試水として使用し、実
施例1と同様に凝集試験を行った。尚、この河川水の濁
度は35ppmであり、M-アルカリ度は38mg/l、pHは7.21
であった。表6に示した添加割合で凝集試験を行い、そ
の結果を表6に示した。
【0022】
【表6】
【0023】実施例1〜4のような藻類を含有する水に
対しては、本発明の方法は優れた凝集性能を示すが、藻
類を含有しない水に対しては、表6の結果から明かなよ
うに、本発明の方法はその効果が殆どない。従って、本
発明の方法は、藻類を含有する水に対してのみ、その効
果を有するものである。
【0024】(実施例5)PAC(Al2O310%,SO43%,塩
基度50%,多木化学(株)製,商品名PAC250A)とDMDAC
(固形分20%,固有粘度1.3dl/g,東亜合成化学工業(株)
製,商品名アロンフロックC-70)を使用し、これらを100/5の割合
で混合し凝集剤とした。また比較のために、ポリ塩化ア
ルミニウムについて、硫酸根の無含有品(PAC-1;Al2O310
%,SO40%,塩基度50%)、低塩基度品(PAC-2;Al2O310%,
SO43%,塩基度30%)及び高塩基度品(PAC-3;Al2O310%,S
O43%,塩基度70%)を各々試作し、これらと上記のDM
DACとを100/5の割合で混合し、比較のための凝集剤
とした。実施例1で使用した供試池水を用い、実施例1
と同様に凝集試験を行った。尚、この池水の濁度は19.6
ppm、M-アルカリ度は51.7mg/lであり、pHは9.56であっ
た。試験結果を表7に示した。
【0025】
【表7】
【0026】
【発明の効果】本発明の水処理方法は、特定割合のPA
CとDMDACとを混合し、これを藻類含有水に添加使
用することにより、これらを別々に添加して使用する場
合に比べ、その効果が一段と優れたものとなる。また、
一般に無機凝集剤のみを使用する場合に比べ、その使用
量が少なくなり、発生するスラッジの量も少なくなる。
フロントページの続き (72)発明者 岡田 稔 愛知県名古屋市港区船見町一番地の1東亞 合成化学工業株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 三輪 肇一 兵庫県加古川市別府町新野辺1296−10番地 (72)発明者 細田 拓也 兵庫県加古川市別府町新野辺1406−1番地 神鍬寮内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸イオンをSO4として1〜5重量%の範
    囲で含有し、且つ塩基度が35〜65%の範囲のポリ塩化ア
    ルミニウムとポリジメチルジアリルアンモニウムクロラ
    イドとの混合物を使用することからなる藻類含有水の処
    理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007167721A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Taki Chem Co Ltd 排水処理用凝集剤
US8790425B2 (en) 2010-04-01 2014-07-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method for aggregating and separating algae

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JP2007167721A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Taki Chem Co Ltd 排水処理用凝集剤
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