JPH06181792A - フラビウイルス科に属するウイルスの表面抗原タンパク質を含む非感染性の構造物粒子の製造方法、およびそれに用いる組み換えウイルス - Google Patents

フラビウイルス科に属するウイルスの表面抗原タンパク質を含む非感染性の構造物粒子の製造方法、およびそれに用いる組み換えウイルス

Info

Publication number
JPH06181792A
JPH06181792A JP4145568A JP14556892A JPH06181792A JP H06181792 A JPH06181792 A JP H06181792A JP 4145568 A JP4145568 A JP 4145568A JP 14556892 A JP14556892 A JP 14556892A JP H06181792 A JPH06181792 A JP H06181792A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
virus
protein
recombinant
cdna
recombinant virus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4145568A
Other languages
English (en)
Inventor
Takanori Sato
隆則 佐藤
Chizuko Takamura
千鶴子 高村
Koichi Kamogawa
幸市 鴨川
Kotaro Yasui
孝太郎 保井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOKYO MET GOV SHINKEI KAGAKU SOGO KENKYUSHO
Zeon Corp
Tokyo Metropolitan Government
Original Assignee
TOKYO MET GOV SHINKEI KAGAKU SOGO KENKYUSHO
Tokyo Metropolitan Government
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOKYO MET GOV SHINKEI KAGAKU SOGO KENKYUSHO, Tokyo Metropolitan Government, Nippon Zeon Co Ltd filed Critical TOKYO MET GOV SHINKEI KAGAKU SOGO KENKYUSHO
Priority to JP4145568A priority Critical patent/JPH06181792A/ja
Publication of JPH06181792A publication Critical patent/JPH06181792A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワクチンとしての利用価値の高いSHA粒子
と同様の性質を示すSHA様粒子の多量の産生。 【構成】 ワラビウイルス科のEタンパク質とプロテア
ーゼをコードするcDNAを組み込んだ組み換えウイル
スを作出し、これを培養することによりSHA様粒子を
得ることにより上記目的が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フラビウイルス科に属
するウイルス由来の表面抗原タンパク質(以下Eタンパ
ク質という)を含む構造物粒子の製造方法、およびそれ
に使用される組み換えウイルスに関する。
【0002】
【従来の技術】日本脳炎ウイルスやデングウイルスなど
に代表されるフラビウイルスは、一本鎖RNAをゲノム
(ウイルスの遺伝情報を担う本体)としたウイルスであ
る。このRNAをもとに翻訳された一本のポリペプチド
が感染細胞内において、シグナラーゼやプロテアーゼに
よって切断され10個のタンパク質となることが知られ
ている。10個のタンパク質とは、順にC、prM
(M)、E、NS1、NS2A、NS2B、NS3、N
S4A、NS4B、NS5である(Annu.Rev.
Microbiol.44、649−688(199
0))。これらのタンパク質のうちprM(M)タンパ
ク質は、preMとMに分けて表現されることもある。
またNS3タンパク質のアミノ末端側の領域はプロテア
ーゼ活性を担うドメインである事が知られている(J.
Virol.、65、6042ー6050(199
1))。
【0003】また、フラビウイルス感染培養細胞や乳の
みマウス脳に感染したフラビウイルスは子孫ウイルス以
外に非感染性ヘマグルチニン(以下SHAと略す)粒子
を細胞外に放出することが知られている(”The T
oga Viruses”pp503−529、R.
W.Schlesinger編、Academic P
ress.,Inc.)。
【0004】現在、フラビウイルスの代表例である日本
脳炎ウイルスに対するワクチンは、健康なマウス脳内に
日本脳炎ウイルス北京株を接種し、発症したマウスから
脳を無菌的に採取し、アルコール・プロタミン法により
精製、不活化してワクチン原液を得ている(国立予防衛
生研究所学友会編「日本のワクチン」改訂2版、昭和5
2年1月20日丸善株式会社発行)が、このようなワク
チンの製造法においては、大量の日本脳炎ウイルスその
ものを取り扱うわけで、ワクチン製造担当者にとっては
危険性が極めて高い上、製造コストも高かった。
【0005】また、ワクチンは、ウイルスそのものを用
いる以外に、ウイルスの抗原性を有する抗原タンパク質
を用いて製造することもできる。このような観点から、
組み換えDNA技術によって原核細胞や真核細胞を用い
て抗原タンパク質を製造する方法が検討されている。特
にワクチニアウイルスやバキュロウイルスをベクターと
して作製した組み換えウイルスは、正しくプロセスされ
た抗原性のよいEタンパク質を発現することを我々は見
いだした(特開昭64−74982、特開平1−285
198)。
【0006】Eタンパク質はヘマグルチニン活性を示す
タンパク質であり、前述のSHA粒子はヘマグルチニン
活性を示することから、この粒子がEタンパク質を有す
ることがわかる。このSHA粒子は、フラビウイルスが
培養細胞や乳のみマウス脳に感染すると、感染細胞から
子孫ウイルスと共に放出される非感染性の粒子であり、
その直径は14nmのリング状あるいはドーナツ状、そ
の沈降係数は70Sである(”The Toga Vi
ruses”pp503−529、R.W.Schle
singer編、Academic Press.,I
nc.など)。
【0007】このようなSHA粒子を有効成分としたワ
クチンは、ウイルスと類似の構造を有するために、高い
抗原性を有することが期待される。しかし、前述方法に
従って組み換えワクチニアウイルスや組み換えバキュロ
ウイルスを用いてEタンパク質を製造する場合には、フ
ラビウイルス科に属するウイルスのEタンパク質からな
る構造物粒子が、組み換えウイルス感染細胞の培養上清
に少量放出されるのみで、ほとんどのEタンパク質は組
み換えウイルス感染細胞に内包されてしまい、効率よく
多量の構造物粒子を得る事が出来なかった。
【0008】なお、この構造物粒子は、SHA粒子と同
様にヘマグルチニン活性を有し、非感染性であるが、S
HA粒子そのものであるか否かは、SHA粒子の同定方
法が確定していない現在では、不明である。そこで、本
願では、SHA粒子と同様の性質を示す粒子を総称して
SHA様粒子と表現する。もちろん、SHA様粒子の中
にはSHA粒子も含まれる。
【0009】本発明者らは、かかるSHA様粒子を効率
よく取得する方法について検討を進めた結果、最近組み
換えワクチニアウイルスを細胞に感染させる前に予めフ
ラビウイルスに属するウイルスを感染させておくと感染
細胞の培養上清にEタンパク質からなるSHA様粒子が
多量に放出されることを見いだした(特願平4−436
82号)。しかしこの製造方法にはフラビウイルス科に
属するウイルスを予め感染させねばならない為、操作の
過程でウイルスに感染する危険性があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
かかる従来技術や知見の下で、組み換えウイルス感染細
胞の培養上清にフラビウイルス科に属するウイルスのE
タンパク質を大量に産生させる方法の開発を目指して鋭
意検討を進めた結果、フラビウイルスのEタンパク質と
プロテアーゼをコードするcDNAを組み込んだ組み換
えウイルスを細胞に感染させた場合、あるいはフラビウ
イルスのEタンパク質を発現する組み換えウイルスとフ
ラビウイルスのプロテアーゼを発現する組み換えウイル
スを細胞に重感染させた場合に、その培養上清に多量の
フラビウイルス科に属するウイルスのEタンパク質を含
む非感染性の構造物粒子を産生することを見い出し、本
発明を完成させるに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、第一の発明として、フラビウイルスウイルス科に属
するウイルス由来のEタンパク質を発現する組み換えウ
イルス(1)とプロテアーゼを発現する組み換えウイル
ス(2)とを宿主細胞に感染させ、該細胞を培養し、そ
の培養上清からフラビウイルス科に属するウイルスのE
タンパク質を含む非感染性の構造物粒子を単離すること
を特徴とする該粒子の製造方法(第一の製造方法)が提
供される。
【0012】また、第二の発明として、フラビウイルス
科に属するウイルス由来のEタンパク質とプロテアーゼ
とを発現する組み換えウイルス(3)を宿主に感染さ
せ、該細胞を培養し、その培養上清からフラビウイルス
科に属するウイルスの表面抗原タンパク質を含む感染性
の構造物粒子を単離することを特徴とする該粒子の製造
方法(第二の製造方法)が提供される。
【0013】さらに、第三の発明として、第二の製造方
法で用いられる新規な組み換えウイルス(3)、即ち、
フラビウイルス科に属するウイルス由来のEタンパク質
を実質的に全部コードするcDNA(a)とプロテアー
ゼを実質的に全部コードするcDNA(b)とを親ウイ
ルスの増殖に非必須なゲノム領域に組み込んだ組み換え
ウイルスが提供される。
【0014】本発明の第一の製造方法においては、フラ
ビウイルス科に属するウイルスのEタンパク質を発現す
る組み換えウイルス(1)とプロテアーゼを発現する組
み換えウイルス(2)が用いられる。組み換えウイルス
(1)は、少なくともフラビウイルス科に属するウイル
スのEタンパク質をコードするcDNA(a)を親ウイ
ルスの非必須領域に組み込んだものである。このような
cDNAは、公知の技術(”Molecular Cl
oning” T.Maniatisら編、Cold
Spring Harbor Laboratory
Press(1989))を用いて調製することができ
る。
【0015】また、cDNAの由来となるフラビウイル
スは、フラビウイルスに属するウイルスであれば特に限
定されず、その具体例として、日本脳炎ウイルス、デン
グウイルス、黄熱病ウイルス、ウエストナイルウイルス
などが挙げられる。
【0016】例えば日本脳炎ウイルスSagayama
株(米国コネチカツト州のエール大学アーボウイルスリ
サーチユニツト)から調製されたcDNA5037は特
開昭64−74982号の実施例で開示されているが、
本発明においては上記cDNAと実質的に同一の機能を
有する範囲において、修飾されたcDNA(即ち、塩基
配列が置換、挿入、欠失したもの)であってもよい。も
ちろん、実質的に同一の機能を有するかぎり、アミノ酸
配列が異なる程度に修飾されたものであってもよい。
【0017】Eタンパク質の発現のためには、Eタンパ
ク質の実質的に全部をコードするcDNAに加え、Eタ
ンパク質をコードするcDNAの上流に、Cタンパク質
のカルボキシ末端側約62アミノ酸程度以上のペプチド
をコードするcDNAをprM(M)タンパク質をコー
ドするcDNAと一連に組み込むことが粒子の製造効率
の向上の点からは好ましい。
【0018】組み換えウイルスの作製に供されるウイル
ス(親ウイルス)は特に限定されないが、好ましくはワ
クチニアウイルスまたはバキュロウイルスに分類される
ウイルスである。ワクチニアウイルスとしては、WR株
(Journal of Virology 49,
p.857(1984))、リスター株、リスター株の
温度感受性変異株(米国特許第4,567,147号、
特開昭62−44178号参照)、New York
Board of Health株、LC16m8株な
どの種痘ワクチン株) などが例示される。
【0019】これらのウイルスの中でも孵化鶏卵しょう
尿膜上でのポックスサイズが3mm以下でかつウサギ腎
臓細胞での増殖不能温度が41℃以下のものが好適であ
り、その具体例としては前記特開昭62−44178号
記載の弱毒痘そう株LA株および、LB株(CNTM−
1−423)、前記LC16m8株などが弱毒性であり
安全性の面で有利である。
【0020】バキュロウイルスとしてはオートグラフア
・カルフオルニカ(Autographa calif
ornica)、トリコプルシア・ニ(Trichop
lusia ni)、ラキブルシア・オウ(Rachi
plusia ou)、ガレリア・メロネラ(Gall
eria mellonella)、あるいはボンビッ
クス・モリ(Bombyx mori)などが例示され
る。
【0021】これらのウイルスの中でもオートグラフア
・カリフオルニカ(以下、AcNPVと略す)が好適で
ある。これらのウイルスは従来から広く研究されてきた
ものであり、そのサンプルは米国コネチカット州のエー
ル大学アーボヴィラスリサーチユニットをはじめ多くの
入手源から得ることができる。
【0022】組み換えウイルス(1)の作製方法は特に
限定されないが、例えば、以下の方法によって作製する
ことができる。
【0023】まず親ウイルスの増殖に非必須なDNA領
域が組み込まれ、さらにその領域内に親ウイルスで働く
プロモーター遺伝子が挿入された第一の組み換えベクタ
ーが作製される。第一の組み換えベクターの具体例とし
ては、例えば特開昭64−74982号の実施例で開示
されたプラスミドpAK8または特開平1−28519
8号の実施例で開示されたプラスミドpAcYMS1な
どが例示される。
【0024】次いでEタンパク質の実質的に全部をコー
ドするcDNAが第一の組み換えベクターのプロモータ
ーの後ろに挿入された第二の組み換えベクターが作製さ
れる。
【0025】プロモーターは、挿入されるcDNAの転
写を調節するために有効である。組み込むプロモーター
は、親ウイルス内で機能する限りにおいて特に限定され
ないが、ワクチニアウイルスを使用する場合、好ましく
は7.5Kプロモーターの2倍以上、より好ましくは1
0倍以上、特に好ましくは15倍以上の活性を有するプ
ロモーターである。このようなプロモーターの具体例と
しては、J.Mol.Biol.210、771−78
4(1982)記載の合成プロモーターや、7.5Kプ
ロモーターの約20倍の活性を持つ合成プロモーターS
L (配列番号1)が挙げられる。
【化1】 配列番号1:合成プロモーターSL P-R3R:5'-GGATCCCCACCATGGTGCTGGTCGAGATGGAACCCCCC-3'
【0026】バキュロウイルスを使用する場合、好まし
くはポリヘドリン遺伝子のプロモーター、より好ましく
はポリヘドリン遺伝子プロモーター以上の活性を持つプ
ロモーターである。
【0027】次ぎに、ベクターDNAと親ウイルスゲノ
ムDNA間に相同組み換えを起こさせて組み換えウイル
スを作製する。組み換えウイルスの作製にあたっては常
法に従えば良い。例えば、組み換えワクチニアウイルス
の作製にあたっては、ワクチニアウイルスを感染させた
動物培養細胞に第二の組み換えベクターを移入し、組み
換えワクチニアウイルスを作製する。例えば”DNA
cloning Vol.II a practica
l approach”pp.191−211、(D.
M.Glover編、IRLプレス、オックスフォー
ド、ワシントン)の記述に従って実施できる。
【0028】すなわちワクチニアウイルスを感染させた
宿主細胞にリン酸カルシウム共沈法により第二の組み換
えベクターを移入させ、得られる組み換えウイルスを含
むウイルス集団をチミジンキナーゼ欠損細胞に感染させ
BUdR存在下生育してくるプラークを選択し、組み換
えウイルス候補株とする。これら候補株の中から日本脳
炎ウイルスのcDNAが組み込まれたウイルスを選択す
る方法は、該cDNAをプローブとするハイブリダイゼ
ーション法を利用してプラーク純化をすれば良い。
【0029】組み換えバキュロウイルスの作製にあたっ
ても常法に従えば良く、例えば特開昭60−37988
号の実施例の記述に準じて実施できる。即ち、Spod
optera furugiperda(Sf)細胞に
カルシウム共沈法によりバキュロウイルスのゲノムDN
Aと第二の組み換えベクター移入させ、培養後、得られ
る組み換えウイルスを含むウイルス集団から組み換えウ
イルスを選択する。日本脳炎ウイルスのcDNAが組み
込まれた組み換えウイルスを選択する方法は、該cDN
Aをプローブとするハイブリダイゼーション法などを利
用してプラーク純化をすれば良い。
【0030】このような組み換えウイルス(1)の例と
しては、組み換えワクチニアウイルスLAJ6株、LA
J4株(特開昭64−74982号公報記載、日本脳炎
ウイルスのEタンパク質を発現する)や組み換えバキュ
ロウイルスAcJ3株(特開平1−285198号公報
記載、日本脳炎ウイルスのEタンパク質を発現する)な
どが挙げられる。特に、Cタンパク質の一部をコードす
るcDNAとprM(M)タンパク質の実質的に全部を
コードするcDNAとEタンパク質の実質的に全部をコ
ードするcDNAとNS1タンパク質の一部をコードす
るcDNAとを組み込んだ組み換えウイルスが好まし
く、そのような組み換えウイルスの具体例としては、組
み換えワクチニアウイルスLAJ6株や組み換えバキュ
ロウイルスAcJ3株が挙げられる。
【0031】一方、組み換えウイルス(2)は、少なく
ともフラビウイルス科に属するウイルスのプロテアーゼ
の実質的に全部をコードするcDNAを親ウイルスの非
必須領域に組み込んだものである。cDNAとして、プ
ロテアーゼをコードするcDNA(b)を用いること以
外は、前記の組み換えウイルス(1)と同様にして得ら
れる。
【0032】プロテアーゼタンパク質の発現のために
は、プロテアーゼの実質的に全部をコードするcDNA
に加えて、その上流にNS2Bタンパク質をコードする
cDNAを連結することが好ましい。また、プロテアー
ゼドメインはNS3タンパク質のアミノ末端側にあるた
め、必ずしも、NS3タンパク質全部をコードするcD
NAを用いる必要はない。
【0033】このような組み換えウイルス(2)の例と
して、黄熱病ウイルスのプロテアーゼを発現する組み換
えワクチニアウイルス株(J.Virol.、65、6
042−6050(1991))、デングIV型ウイル
スのプロテアーゼを発現する組み換えワクチニアウイル
ス(J.Virol.、65、2467−6475(1
991))、日本脳炎ウイルスを発現する組み換えワク
チニアウイルスLAJNS2b+3株(本願明細書実施
例1参照)などが挙げられる。特に、NS2Bタンパク
質の実質的に全部をコードする遺伝子とプロテアーゼド
メインの実質的に全部をコードする遺伝子を組み込んだ
組み換えウイルスが好ましく、そのような組み換えウイ
ルスの具体例としては、組み換えワクチニアウイルスL
AJNS2b+3株が挙げられる。
【0034】本発明の第一の製造方法においては、親ウ
イルスの感染しうる細胞を宿主細胞として、2種の組み
換えウイルスを重感染させることが必要である。培養に
用いる動物細胞は、親ウイルスが感染する限りにおいて
特に限定されないが、例えばワクチニアウイルスではサ
ル腎細胞由来樹立培養株Vero細胞、バキュロウイル
スではSf細胞などが挙げられる。
【0035】組み換えウイルスを感染させた後の動物細
胞の適当な培養条件は、予備実験により容易に決定でき
るが、具体的には、Vero細胞場合は5%牛胎児血清
を含むイーグルMEM培地で37℃で培養することが好
ましく、Sf細胞の場合は28℃で培養することが好ま
しい。
【0036】そして、適当な培養時間後、培養上清から
超遠心分離などの方法により構造物粒子を回収する。回
収した構造物粒子中のEタンパク質量はELISA(e
nzyme−linked immunoadsorb
ent assay)法で測定する事が出来る。超遠心
分離により得られた沈澱物をさらに密度勾配遠心分離す
れば、フラビウイルスのEタンパク質を含む沈降係数1
00S以下の非感染性の構造物粒子、好ましくは沈降係
数約70Sの非感染性の構造物粒子(SHA様粒子)を
得ることができる。
【0037】本発明の第二の製造方法では、Eタンパク
質とプロテアーゼとを同時に発現しうる組み換えウイル
ス(3)を宿主細胞に感染させ、感染した細胞を培養
し、粒子を回収する。
【0038】この方法で使用される第三の発明の組み換
えウイルス(3)は、少なくともフラビウイルス科に属
するウイルスのEタンパク質の実質的に全部をコードす
るcDNA(a)とプロテアーゼの実質的に全部をコー
ドするcDNA(b)を親ウイルスの非必須領域に組み
込んだものである。
【0039】この組み換えウイルスの作製は、cDNA
(a)と(b)を同じ親ウイルスにに組み込むこと以外
は組み換えウイルス(1)、(2)の場合に準じて行わ
れる。かかる組み換えウイルス(3)の具体例として
は、Cタンパク質のカルボキシ末端側(62アミノ酸
分)をコードするcDNA(c)、prM(M)タンパ
ク質の実質的に全部をコードするcDNA(d)、Eタ
ンパク質の実質的に全部をコードするcDNA、NS2
Bタンパク質の実質的に全部をコードするcDNA
(e)とNS3タンパク質のプロテアーゼドメインとを
一連に組み込んだ組み換えワクチニアウイルスLAJ1
4−SL (本願明細書実施例1参照)や、同様のcDN
Aを組み込んだ組み換えバキュロウイルスが挙げられ
る。
【0040】このような組み換えウイルス(3)を宿主
細胞に感染させ、培養し、粒子を精製する方法は、前述
の2種の組み換えウイルス(1)と(2)とを用いた場
合と同様の方法で行うことができる。また、組み換えウ
イルス(3)を用いる場合には、Eタンパク質とプロテ
アーゼを同時に発現するので、一種の組み換えウイルス
で効率よくEタンパク質を含む非感染性の粒子を得るこ
とができる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、ウイルスの増殖に非必
須なゲノム領域にフラビウイルス科に属するウイルス由
来の少なくともEタンパク質をコードするcDNAとプ
ロテアーゼタンパク質をコードするcDNAを組み込ん
だ組み換えウイルス、およびフラビウイルスのEタンパ
ク質を含む非感染性の構造物粒子、好ましくは沈降係数
100S以下の非感染性の構造物粒子、更に好ましくは
沈降係数約70Sの非感染性の構造物粒子(SHA様粒
子)を得ることができる。この非感染性の構造物粒子
は、コンポーネントワクチンとして利用できると期待さ
れる。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。 (参考例1) 日本脳炎ウイルス由来のプロテアーゼタ
ンパク質をコードするcDNAのクローニング
【0043】蚊由来株化細胞C6/36(J.Gen.
Virol.、40、531−544(1978))に
日本脳炎ウイルスSagayama株を感染させ、ウイ
ルスを増殖させた後、培養上清とポリエチレングリコー
ルとを混合し遠心分離により日本脳炎ウイルスを精製し
た。ウイルスゲノムRNA(約11kbp)は精製ウイ
ルスからフェノール抽出後、エタノールを加えて沈澱さ
せ分離た。
【0044】Virology、161、497−51
0(1987)(著者:H.Sumiyoshiら)に
報告された日本脳炎ウイルスの塩基配列を基に下記の3
本のオリゴヌクレオチド(配列番号2、3、4)を作製
した。
【0045】配列番号2、3、4はそれぞれ以下の通り
である。
【0046】
【化2】 配列番号2 5'-GGGAGCCCTCTCAAAGCTTCTGCC-3'
【0047】
【化3】 配列番号3 5'-CCCCGCTCTTTGGAGGCACATTGC-3'
【0048】
【化4】 配列番号4 5'-CCCATCTTCCCTATACCCTTTCGC-3'
【0049】上記3本のオリゴヌクレオチドをそれぞれ
プライマーとし、ウイルスRNAを鋳型として、4種
(A.G.C.T)のデオキシリボヌクレオシド三リン
酸と、逆転写酵素を働かせて、ファーストストランドc
DNAをそれぞれ合成した。次に大腸菌RNaseH
と、4種(A.G.C.T)のデオキシリボヌクレオシ
ド三リン酸と大腸菌DNAポリメラーゼを使って二本鎖
cDNAを作製し(Molecular Clonin
g、Cold Spring Harbor La
b.、(1982)p.211〜246)、ターミナル
トランスフェラーゼでdC鎖を付加した。
【0050】一方、プラスミドpUC9(ファルマシア
製)を制限酵素PstIで消化後、ターミナルトランス
フェラーゼでdG鎖を付加し、これと、前記cDNAを
混合し、ライゲーション反応を行ない環状化した。この
組み換えプラスミドを大腸菌HB101コンピテントセ
ルに導入し、それぞれ形質転換菌を得た。得られた形質
転換菌の中から目的のcDNAを含む組み換えプラスミ
ドを含む形質転換菌を以下に述べる方法で選択した。
【0051】それぞれのcDNAを作製するのに用いた
配列番号2、3、4のオリゴヌクレオチドをT4DNA
カイネースで末端をラジオアイソトープで標識し、それ
をプローブとしてコロニーハイブリダイゼーションでプ
ローブと反応するコロニーをそれぞれ複数個選んだ。次
にそれからプラスミドを取り出し、挿入されたcDNA
の長さを比較し、それぞれのグループの中で最も長いc
DNAを選択した(選択したcDNAクローンをそれぞ
れ2142、1085、2041と命名した)。制限酵
素による切断パターンよりクローニングした3つのクロ
ーンは図1に示す位置関係にあることがわかった。
【0052】(参考例2) 日本脳炎ウイルス由来のN
S2Bタンパク質、NS3タンパク質をコードするcD
NAを組み込んだ組み換えベクター(pAKJNS2B
+3)の作製
【0053】特開昭64−74982号の実施例で開示
されたpAK8を制限酵素NcoIと制限酵素Hind
IIIで切断し、そこに合成ヌクレオチドアダプター
(配列番号5)を挿入し、pAK11を作製した。
【0054】
【化5】 配列番号5 5'-CATGGGGTGGCCA-3' 3'-CCCACCGGTTCGA-5'
【0055】また参考例1で得られたcDNAクローン
2041を制限酵素BamHIと制限酵素HindII
Iで二重切断し、約0.96kbpのDNA断片を、ま
たcDNAクローン1085を制限酵素BamHIと制
限酵素PstIで二重切断して約0.65kbpのDN
A断片を回収し、制限酵素PstIと制限酵素Hind
IIIで二重切断したプラスミドpAK8に挿入し、プ
ラスミドpJE4921/6529を作製した。
【0056】pAK11を制限酵素BalIと制限酵素
EcoRIで切断し、参考例1で得られたcDNAクロ
ーン2142を制限酵素BalIと制限酵素PstIで
切断して得られる約0.6kbpのDNA断片と、pJ
E4921/6529を制限酵素PstIと制限酵素E
coRIで切断して得られる約1.6kbpのDNA断
片を挿入してプラスミドpAKJNS2B+3を作製し
た。
【0057】(参考例3) 日本脳炎ウイルス由来のC
タンパク質の一部、prM(M)タンパク質、Eタンパ
ク質をコードするcDNAを組み込んだ組み換えベクタ
ー(pAKJ6−SL )の作製
【0058】特開昭64−74982号公報、第24
頁、実施例1(7)3記載のpAKJ6(プロモーター
が7.5Kプロモーターであり、日本脳炎ウイルスのp
rM(M)、Eタンパク質をコードするcDNAを含ん
でいる。)を制限酵素PstIと制限酵素SalIで処
理し、配列番号1記載の合成プロモーターSL を、7.
5Kプロモーターの代わりに挿入し、約6.2Kbpの
プラスミドを得た。このプラスミドをpAKJ6−SL
と命名した。
【0059】(参考例4) 日本脳炎ウイルス由来のC
タンパク質の一部、prM(M)タンパク質、表面抗原
(E)タンパク質、NS2Bタンパク質、およびNS3
タンパク質のプロテアーゼドメインをコードするcDN
Aを組み込んだ組み換えベクター(pAKJ14−SL
)の作製
【0060】参考例3で作製されたプラスミドpAKJ
6−SL を制限酵素BglIIと制限酵素HindII
Iで切断し、そこに合成ヌクレオチドアダプター(配列
番号6)を挿入し、pSAKJ6を作製した。
【0061】
【化6】 配列番号6 5'-GATCTAACAAGAAGAGAGGGTGGCCAGA-3' 3'-ATTGTTCTTCTCTCCCACCGGTCTTCGA-5'
【0062】pSAKJ6を制限酵素BalIと制限酵
素HindIIIで二重切断し、参考例2で作製したプ
ラスミドpAKJNS2B+3を制限酵素BalIと制
限酵素HIndIIIで切断して得られた約0.93k
bpのDNA断片を挿入して、プラスミドpAKJ14
−SL を作製した。
【0063】(実施例1) 組み換えワクチニアウイル
スの作製
【0064】25cm2 のカルチャーボトルに培養され
たRK−13細胞に弱毒痘そうウイルス株(特開昭62
−44178号公報記載の弱毒痘そう株LA(ウサギ腎
細胞における増殖不能温度41℃、孵化鶏卵しょう尿膜
上でのポックサイズ2〜3mm)を0.1p.f.u.
/細胞の割合で接種し、45分後、参考例2または参考
例3または参考例4で得た組み換えプラスミドpAKJ
NS2b+3またはpAKJ6−SL またはpAKJ1
4−SL の10μgを2.2mlの滅菌水に溶解し、樋
高ら(蛋白・核酸・酵素、27、340(1985))
の方法によってDNA−リン酸カルシウム共沈物をつく
り、その0.5mlを感染RK−13細胞上にそれぞれ
滴下した。30分間、37℃、7%CO2 インキュベー
ターに静置し、5%牛胎児血清を含むイーグルMEM
4.5mlを加えた。その3時間後、培養液を交換し、
48時間、37℃、7%CO2 インキュベーター内で培
養し、培養細胞ごとに3度凍結融解した。
【0065】組み換え体選択のために、直径10cmの
ペトリ皿に培養されたTK−143細胞に上記のウイル
ス液を接種し、30分後、1%アガロース、5%牛胎児
血清、25μg/mlのBUdR加イーグルMEMを積
層し、3日間培養後、感染細胞を0.01%ニュートラ
ルレッドで染色した。出現したプラークからパスツール
ピペットでウイルスを抜取り、これを2%ゼラチンを含
むPBSに懸濁し、一部はドットハイブリダイゼーショ
ンをするため、セルロースメンブレンにスポットし、残
りは−20℃で保存した。スポットしたメンブレンは、
0.5N水酸化ナトリウムで10分間、1Mトリス−塩
酸緩衝液(pH7.0)で5分間の処理を3回繰り返し
たのち、1.5M NaCl、0.5Mトリス−塩酸緩
衝液(pH7.0)で5分間処理した。2倍SSC
(0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナトリ
ウム)で飽和させ、80℃、2時間焼き付けた。
【0066】4倍SET(0.6M NaCl、0.0
8Mトリス−塩酸、4mM EDTA、(pH7.
8))−10倍Denhardt−0.1%SDSで6
8℃、2時間処理した。4倍SET−10倍Denha
rdt−0.1%SDS−0.1%Na4 P2 O4 −5
0μg/ml変性サケ精子DNAとニックトランスレー
ションによって32Pで標識した日本脳炎ウイルスのEタ
ンパク質のcDNAを入れて68℃、14時間ハイブリ
ダイゼーションした。
【0067】洗浄後、メンブレンとX線フィルムを重
ね、オートラジオグラフィーを行い、フィルムが黒化す
るスポットを選択した。黒化したスポットに対応するウ
イルス液を再度TK- 143の細胞に接種し、30分
後、1%アガロース、5%牛胎児血清、25μg/ml
のBUdRを含むイーグルMEMを積層し、3日間培養
後、感染細胞を0.01%ニュートラルレッドで染色し
た。
【0068】出現したプラークについて、上記と同様な
操作を行い、出現するすべてのプラークがドットハオブ
リダイゼーションで黒化するまで純化の操作を繰り返し
た。こうして得られたウイルスは、それぞれ目的の組み
換えワクチニアウイルスである。これらの組み換えワク
チニアウイルスをそれぞれLAJNS2b+3、LAJ
6−SL 、LAJ14−SL と命名した。
【0069】(実施例2) 組み換えワクチニアウイル
スLAJ14−SL を感染させた細胞の培養上清中に放
出された構造物粒子中のEタンパク質量の測定
【0070】直径6cmのペトリ皿に培養されたVer
o細胞に組み換えウイルスLAJ14−SL を2p.
f.u./細胞の割合で感染させ、5%牛胎児血清を含
むイーグルMEM培地3mlを加え、18時間、37
℃、7%CO2 インキュベーター内で培養した。
【0071】この培養上清をポアサイズ0.2μmのフ
ィルターで濾過し、150,000×g、2時間の超遠
心分離を行なった。得られた沈澱物をPBSバッファー
洗浄後、10mM炭酸バッファー(pH9.8)100
μlで懸濁し更に同バッファーで2倍ずつ段階希釈して
いき、マイクロタイタープレートに50μl/well
ずつ乗せ4℃終夜放置してコーティングした。
【0072】1次抗体として1:10,000倍希釈し
たモノクローナル抗体204(J.Gen.Viro
l.67,2663−2672)を、2次抗体としてア
ルカリフォスファターゼ結合抗マウスIgG(TAGO
社製)を用いてELISAを行った。ELISAにおけ
るエンドポイント(吸光度0.1)を示す希釈度からE
タンパク質の発現量を測定した。
【0073】(実施例3) 組み換えワクチニアウイル
スLAJ6−SL とLAJNS2b+3を重感染させた
細胞の培養上清に放出された構造物粒子中のEタンパク
質量の測定
【0074】直径6cmのペトリ皿に培養されたVer
o細胞に組み換えウイルスLAJ6−SL とLAJNS
2b+3をともに2p.f.u./細胞の割合で重感染
させ、5%牛胎児血清を含むイーグルMEM培地3ml
を加え、18時間、37℃、7%CO2 インキュベータ
ー内で培養した。
【0075】この培養上清を実施例2と同様に、ポアサ
イズ0.2μmのフィルターで濾過し、150,000
×g、2時間の超遠心分離を行なった。得られた沈澱物
をPBSバッファー洗浄後、10mM炭酸バッファー
(pH9.8)100μlで懸濁し更に同バッファーで
2倍ずつ段階希釈していきマイクロタイタープレートに
50μl/wellずつ乗せ4℃終夜放置してコーティ
ングした。
【0076】1次抗体として1:10,000倍希釈し
たモノクローナル抗体204(J.Gen.Viro
l.67,2663−2672)を、2次抗体としてア
ルカリフォスファターゼ結合抗マウスIgG(TAGO
社製)を用いてELISAを行った。ELISAにおけ
るエンドポイント(吸光度0.1)を示す希釈度からE
タンパク質の発現量を測定した。
【0077】(比較例1) LAJ6−SL を単独感染
させた細胞の培養上清に放出された構造物粒子中のEタ
ンパク質量との比較
【0078】直径6cmのペトリ皿に培養されたVer
o細胞に組み換えウイルスLAJ6−SL を2p.f.
u./細胞の割合で感染させ、5%牛胎児血清を含むイ
ーグルMEM培地3mlを加え、18時間、37℃、7
%CO2 インキュベーター内で培養した。
【0079】実施例2や実施例3と同様の方法により、
培養上清に放出された構造物粒子中のEタンパク質量を
測定した。
【0080】ELISAにおけるエンドポイント(吸光
度0.1)を示す希釈度について実施例2、実施例3、
比較例1の結果をまとめて表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】表1で示されたエンドポイントの希釈度は
Eタンパク質量の相対比を表しているので、日本脳炎ウ
イルスのEタンパク質とプロテアーゼタンパク質をコー
ドするcDNAを組み込んだ組み換えウイルスを細胞に
感染させた場合、あるいは日本脳炎ウイルスのEタンパ
ク質をコードする組み換えウイルスと日本脳炎ウイルス
のプロテアーゼタンパク質をコードするcDNAを組み
込んだ組み換えウイルスを細胞に重感染させた場合に、
その培養上清にEタンパク質を含む非感染性の構造物粒
子を多量に産生することがわかった。
【0083】
【図面の簡単な説明】
【図1】日本脳炎ウイルスのゲノム構造とクローニング
した3つのcDNAクローンの領域を示した説明図であ
る。
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】プロモーターは、挿入されるcDNAの転
写を調節するために有効である。組み込むプロモーター
は、親ウイルス内で機能する限りにおいて特に限定され
ないが、ワクチニアウイルスを使用する場合、好ましく
は7.5Kプロモーターの2倍以上、より好ましくは1
0倍以上、特に好ましくは15倍以上の活性を有するプ
ロモーターである。このようなプロモーターの具体例と
しては、J.Mol.Biol.210、771−78
4(1982)記載の合成プロモーターや、特願平4−
043682号に配列番号1として開示の7.5Kプロ
モーターの約20倍の活性を持つ合成プロモーターS
が挙げられる。尚、参考までに同配列を以下に示す。
【化1】 配列番号1:合成プロモーターSL
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:92) (C12N 7/01 C12R 1:92) (72)発明者 鴨川 幸市 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社研究開発センター内 (72)発明者 保井 孝太郎 東京都立川市若葉町2−26−32

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フラビウイルスウイルス科に属するウイ
    ルス由来の表面抗原タンパク質を発現する組み換えウイ
    ルス(1)と、フラビウイルスウイルス科に属するウイ
    ルス由来のプロテアーゼを発現する組み換えウイルス
    (2)とを同時に感染させた細胞を培養し、その培養上
    清からフラビウイルス科に属するウイルスの表面抗原タ
    ンパク質を含む非感染性の構造物粒子を単離することを
    特徴とする該粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 フラビウイルス科に属するウイルス由来
    の表面抗原タンパク質とプロテアーゼとを発現する組み
    換えウイルス(3)を宿主細胞に感染させ、その細胞を
    培養し、その培養上清からフラビウイルス科に属するウ
    イルスの表面抗原タンパク質を含む非感染性の構造物粒
    子を単離することを特徴とする該粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 フラビウイルス科に属するウイルス由来
    の表面抗原タンパク質を実質的に全部コードするcDN
    A(a)とプロテアーゼを実質的に全部コードするcD
    NA(b)とを親ウイルスの増殖に非必須なゲノム領域
    に組み込んだ組み換えウイルス。
  4. 【請求項4】 組み換えウイルスが、フラビウイルス科
    に属するウイルス由来のコアタンパク質の少なくともカ
    ルボキシ末端側の一部をコードするcDNA(c)とp
    rM(M)タンパク質を実施的に全部コードするcDN
    A(d)とNS2Bタンパク質を実質的に全部コードす
    るcDNA(e)とをさらに組み込んだものである請求
    項3記載の組み換えウイルス。
JP4145568A 1992-06-05 1992-06-05 フラビウイルス科に属するウイルスの表面抗原タンパク質を含む非感染性の構造物粒子の製造方法、およびそれに用いる組み換えウイルス Pending JPH06181792A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4145568A JPH06181792A (ja) 1992-06-05 1992-06-05 フラビウイルス科に属するウイルスの表面抗原タンパク質を含む非感染性の構造物粒子の製造方法、およびそれに用いる組み換えウイルス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4145568A JPH06181792A (ja) 1992-06-05 1992-06-05 フラビウイルス科に属するウイルスの表面抗原タンパク質を含む非感染性の構造物粒子の製造方法、およびそれに用いる組み換えウイルス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06181792A true JPH06181792A (ja) 1994-07-05

Family

ID=15388130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4145568A Pending JPH06181792A (ja) 1992-06-05 1992-06-05 フラビウイルス科に属するウイルスの表面抗原タンパク質を含む非感染性の構造物粒子の製造方法、およびそれに用いる組み換えウイルス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06181792A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002540168A (ja) * 1999-03-26 2002-11-26 ウォルター リード アーミー インスティテュート オブ リサーチ 多価デングウイルスワクチン

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002540168A (ja) * 1999-03-26 2002-11-26 ウォルター リード アーミー インスティテュート オブ リサーチ 多価デングウイルスワクチン

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Johnson et al. Nucleic acid-independent retrovirus assembly can be driven by dimerization
Xiong et al. Sindbis virus: an efficient, broad host range vector for gene expression in animal cells
St Angelo et al. Two of the three influenza viral polymerase proteins expressed by using baculovirus vectors form a complex in insect cells
US5021347A (en) Recombinant vaccinia virus expressing E-protein of Japanese encephalitis virus
JP2004073212A (ja) C型肝炎ウイルスプロテアーゼ
JP2511494B2 (ja) 日本脳炎ウイルス表面抗原蛋白質の製造法
RU2201451C2 (ru) Нуклеотидная последовательность вируса классической свиной лихорадки (csfv) (варианты), полипептид csfv, пестивирусная вакцина против csfv, диагностический набор и способ
Tellinghuisen et al. Nucleic acid-dependent cross-linking of the nucleocapsid protein of Sindbis virus
Grief et al. Intracellular localisation of dengue-2 RNA in mosquito cell culture using electron microscopic in situ hybridisation
JPH11308998A (ja) 単純ヘルペスウイルスのvp16のワクチン
CA2197569A1 (en) Nucleotide and amino acid sequences of the envelope 1 and core genes of hepatitis c virus
Martin et al. Identification and analysis of three myristylated vaccinia virus late proteins
AU658890B2 (en) Method for detecting bovine diarrhoea virus infection, nucleotide sequence encoding a protein induced by this virus infection and recombinant proteins and antigens relating thereto
Partington et al. Isolation of temperature sensitive mutants of Autographa californica nuclear polyhedrosis virus: phenotype characterization of baculovirus mutants defective in very late gene expression
JPH0365191A (ja) スフェロイジン単離dnaおよび組み換え昆虫ポックスウィルス発現ベクター
Cadd et al. Synthesis of viruslike particles by expression of the putative capsid protein of Leishmania RNA virus in a recombinant baculovirus expression system
EP0518313A2 (en) Gene of hepatitis C virus or fragment thereof, polypeptide encoded by the same
EP0586065B1 (en) Antigenic peptides for grouping hepatitis C virus, kit comprising the same and methods for its grouping using the same
JPH05276941A (ja) フラビウイルス科に属するウイルスの表面抗原タンパク質を含む非感染性の構造物粒子の製造方法
JPH06181792A (ja) フラビウイルス科に属するウイルスの表面抗原タンパク質を含む非感染性の構造物粒子の製造方法、およびそれに用いる組み換えウイルス
JP4664072B2 (ja) C及び/又はe1タンパク質を発現しないペスチウイルスのレプリコン及びワクチンに使用できる前記レプリコンを含む感染性ウイルス粒子
JPH02156896A (ja) 日本脳炎ウイルスの非構成蛋白質の製造法
JPH06100465A (ja) フラビウイルス科に属するウイルスの組み換え生ワクチン
JPH06205672A (ja) 日本脳炎ウイルス及びb型肝炎ウイルスの表面抗原タンパク質の抗原部位を持つキメラタンパク質の製造法、およびそれに用いる組み換えバキュロウイルス
JPS6244178A (ja) 組換えワクチニアウイルス