JPH06180455A - 液晶表示素子用配向膜及びその製造方法、並びにこれを用いた液晶表示素子 - Google Patents
液晶表示素子用配向膜及びその製造方法、並びにこれを用いた液晶表示素子Info
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- JPH06180455A JPH06180455A JP6834893A JP6834893A JPH06180455A JP H06180455 A JPH06180455 A JP H06180455A JP 6834893 A JP6834893 A JP 6834893A JP 6834893 A JP6834893 A JP 6834893A JP H06180455 A JPH06180455 A JP H06180455A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 液晶表示素子用の配向膜として、ポリイミド
系薄膜からなる配向膜の複屈折量を高くし、またその遅
相軸方向の偏差を小さくし、さらに強誘電性液晶デバイ
スにおいて連続階調性を得ることを可能とする。 【構成】 ポリイミド系薄膜からなる液晶表示素子用配
向膜において、該ポリイミド系配向膜が、粒径1000
nm以下の超微粒子を含む。このような配向膜の製造方
法としては、粒径1000nm以下の超微粒子を、ポリ
アミド酸に対して少なくとも0.1重量%含有するポリ
アミド酸溶液を調整し、これを透明電極2を有する基板
1の面上にスピンコートし、次いで熱処理することによ
りスピンコートした膜をイミド化してポリイミド系薄膜
3を形成し、そのポリイミド系薄膜3に対してラビング
処理を施す。また、上記液晶表示素子用配向膜を用いて
液晶表示素子を形成する。
系薄膜からなる配向膜の複屈折量を高くし、またその遅
相軸方向の偏差を小さくし、さらに強誘電性液晶デバイ
スにおいて連続階調性を得ることを可能とする。 【構成】 ポリイミド系薄膜からなる液晶表示素子用配
向膜において、該ポリイミド系配向膜が、粒径1000
nm以下の超微粒子を含む。このような配向膜の製造方
法としては、粒径1000nm以下の超微粒子を、ポリ
アミド酸に対して少なくとも0.1重量%含有するポリ
アミド酸溶液を調整し、これを透明電極2を有する基板
1の面上にスピンコートし、次いで熱処理することによ
りスピンコートした膜をイミド化してポリイミド系薄膜
3を形成し、そのポリイミド系薄膜3に対してラビング
処理を施す。また、上記液晶表示素子用配向膜を用いて
液晶表示素子を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイミド系の液晶表
示素子用配向膜及びその製造方法並びに該液晶表示素子
用配向膜を有する液晶表示素子に関する。
示素子用配向膜及びその製造方法並びに該液晶表示素子
用配向膜を有する液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、一般に、図23に示し
たように、ガラス基板121上に透明導電膜122及び
配向膜123を順次被着させたものを2枚用意し、それ
らを配向膜123を内側にして対向させ、その間に液晶
124を挟持させた構造を有している。この場合、液晶
124が所定の厚さになるようにするため、スペーサ1
25が液晶124を囲うようにしている。透明導電膜1
22は画素電極と信号電極からなる。
たように、ガラス基板121上に透明導電膜122及び
配向膜123を順次被着させたものを2枚用意し、それ
らを配向膜123を内側にして対向させ、その間に液晶
124を挟持させた構造を有している。この場合、液晶
124が所定の厚さになるようにするため、スペーサ1
25が液晶124を囲うようにしている。透明導電膜1
22は画素電極と信号電極からなる。
【0003】なお、配向膜123は、液晶分子を配向さ
せようとするものであり、無機配向膜,有機配向膜が挙
げられるが、該配向膜が有機配向膜である場合には、液
晶124の注入に先だってラビング処理を施したものが
使用される。また、上記液晶表示素子による画素の形成
は、透明導電膜122に電圧を印加して液晶セル部分を
透光性とすることによりなされる。
せようとするものであり、無機配向膜,有機配向膜が挙
げられるが、該配向膜が有機配向膜である場合には、液
晶124の注入に先だってラビング処理を施したものが
使用される。また、上記液晶表示素子による画素の形成
は、透明導電膜122に電圧を印加して液晶セル部分を
透光性とすることによりなされる。
【0004】このような液晶表示素子は、液晶材料とし
てSTNを用いたマルチプッレクッス駆動素子及びTN
を用いたTFTアクチブマトリックス駆動素子が主流と
なっている。しかし、近年では大画面化や高精細度化を
達成するため、より高速なデバイスが必要となってお
り、液晶材料として、カイラルスメクチック相を有する
強誘電性液晶が注目を集めている。
てSTNを用いたマルチプッレクッス駆動素子及びTN
を用いたTFTアクチブマトリックス駆動素子が主流と
なっている。しかし、近年では大画面化や高精細度化を
達成するため、より高速なデバイスが必要となってお
り、液晶材料として、カイラルスメクチック相を有する
強誘電性液晶が注目を集めている。
【0005】上記強誘電性液晶を用い、カイラルスメク
チックC相の光スイッチング効果を利用した強誘電性液
晶デバイスとしては、エヌ エー クラーク及びエス
ティラガウォール等によって提案された表面安定化強誘
電性液晶(SSFLC=Surfaco Stabilized Ferroelec
tric Liquid Crystal )デバイス等が知られている。こ
のSSFLCデバイスは、カイラルスメクチックC相を
有する液晶成分を狭ギャップセル中に充填した液晶デバ
イスであり、基板の配向処理方向に対して所定の角度α
あるいは角度−α傾いた方向に液晶分子の分子長軸が揃
った状態を安定状態とするものである。そして、この双
安定の2状態間でのスイッチングを行うことにより、明
暗の2状態を発現するものである。
チックC相の光スイッチング効果を利用した強誘電性液
晶デバイスとしては、エヌ エー クラーク及びエス
ティラガウォール等によって提案された表面安定化強誘
電性液晶(SSFLC=Surfaco Stabilized Ferroelec
tric Liquid Crystal )デバイス等が知られている。こ
のSSFLCデバイスは、カイラルスメクチックC相を
有する液晶成分を狭ギャップセル中に充填した液晶デバ
イスであり、基板の配向処理方向に対して所定の角度α
あるいは角度−α傾いた方向に液晶分子の分子長軸が揃
った状態を安定状態とするものである。そして、この双
安定の2状態間でのスイッチングを行うことにより、明
暗の2状態を発現するものである。
【0006】しかし、このSSFLCデバイスにおいて
は、表示素子としての動作が、明と暗の2状態でのスイ
ッチングに限られ、メモリー性は有するものの、十分な
階調表示が実現されていないという問題を抱えている。
は、表示素子としての動作が、明と暗の2状態でのスイ
ッチングに限られ、メモリー性は有するものの、十分な
階調表示が実現されていないという問題を抱えている。
【0007】そこで、このような強誘電性液晶デバイス
において階調性を得るための技術として、しきい値電圧
の異なるマルチドメインを制御し、面積階調を行う方法
が提案されている。しかし、この場合には、マルチドメ
インのしきい値が離散的であるため、連続階調がとれな
いという問題が残っている。そのため、強誘電性液晶デ
バイスにおいては階調性を得るための新たな技術の開発
が望まれている。
において階調性を得るための技術として、しきい値電圧
の異なるマルチドメインを制御し、面積階調を行う方法
が提案されている。しかし、この場合には、マルチドメ
インのしきい値が離散的であるため、連続階調がとれな
いという問題が残っている。そのため、強誘電性液晶デ
バイスにおいては階調性を得るための新たな技術の開発
が望まれている。
【0008】ところで、液晶表示素子には前述したよう
に液晶分子を配向させるための配向膜が使用されるが、
該配向膜としては、前述のように無機配向膜,有機配向
膜が挙げられる。これらの配向膜は、無機配向膜材料を
斜方蒸着する、或いはポリイミド等の有機配向膜材料を
塗布して形成される。無機配向膜材料の斜方蒸着による
方法では、配向膜に対してラビング処理が不要であると
いうメリットがあるが、蒸着に長時間を要するという問
題がある。これに対して、有機配向膜材料の塗布による
方法によればラビング処理が必要となるが、配向膜自体
は短時間で形成でき、特にスピンコート法を用いれば作
業時間が短くてすむので有利である。
に液晶分子を配向させるための配向膜が使用されるが、
該配向膜としては、前述のように無機配向膜,有機配向
膜が挙げられる。これらの配向膜は、無機配向膜材料を
斜方蒸着する、或いはポリイミド等の有機配向膜材料を
塗布して形成される。無機配向膜材料の斜方蒸着による
方法では、配向膜に対してラビング処理が不要であると
いうメリットがあるが、蒸着に長時間を要するという問
題がある。これに対して、有機配向膜材料の塗布による
方法によればラビング処理が必要となるが、配向膜自体
は短時間で形成でき、特にスピンコート法を用いれば作
業時間が短くてすむので有利である。
【0009】なお、上記ラビング処理とは、前述のよう
に配向膜上に形成される液晶を配向させるために、その
配向膜の表面を布等でこすって配向方向を規制する処理
である。即ち、ガラス基板上に有機配向膜(例えば、ポ
リイミドあるいはポリビニルアルコール等の高分子鎖)
を形成後ラビング処理を行うと、そのラビング処理で規
制された方向に沿って有機配向膜上に液晶分子の長軸が
配向するようになる。なお、ラビング処理によるこのよ
うな液晶の配向は、ラビング処理のせん断応力により有
機配向膜の表面の高分子鎖が延伸され、その高分子鎖の
長軸方向がラビング方向に配向するためであるとのメカ
ニズムが提唱されている。現在、液晶表示素子用の配向
膜の作製方法としては、有機配向膜を形成してラビング
処理を施す方法が工業的に最も広く用いられている方法
である。
に配向膜上に形成される液晶を配向させるために、その
配向膜の表面を布等でこすって配向方向を規制する処理
である。即ち、ガラス基板上に有機配向膜(例えば、ポ
リイミドあるいはポリビニルアルコール等の高分子鎖)
を形成後ラビング処理を行うと、そのラビング処理で規
制された方向に沿って有機配向膜上に液晶分子の長軸が
配向するようになる。なお、ラビング処理によるこのよ
うな液晶の配向は、ラビング処理のせん断応力により有
機配向膜の表面の高分子鎖が延伸され、その高分子鎖の
長軸方向がラビング方向に配向するためであるとのメカ
ニズムが提唱されている。現在、液晶表示素子用の配向
膜の作製方法としては、有機配向膜を形成してラビング
処理を施す方法が工業的に最も広く用いられている方法
である。
【0010】ところで、このようにラビング処理を施し
た有機配向膜の特性として、光学的異方性がある。一般
に、光学的異方体に光が入射すると2つの屈折光が現れ
るが、どちらも直線偏光で、偏光面は互いに垂直であ
り、上記2つの屈折光は位相速度が異なる。そして、位
相速度が遅い屈折光の光軸が遅相軸と呼ばれ、位相速度
が早い屈折光の光軸が進相軸と呼ばれている。また、こ
の2つの屈折光の光路差は複屈折量とよばれ、 R=Δn*d で表される。式中、Rが複屈折量、Δnが複屈折率、d
が延伸された有機配向膜の膜厚である。
た有機配向膜の特性として、光学的異方性がある。一般
に、光学的異方体に光が入射すると2つの屈折光が現れ
るが、どちらも直線偏光で、偏光面は互いに垂直であ
り、上記2つの屈折光は位相速度が異なる。そして、位
相速度が遅い屈折光の光軸が遅相軸と呼ばれ、位相速度
が早い屈折光の光軸が進相軸と呼ばれている。また、こ
の2つの屈折光の光路差は複屈折量とよばれ、 R=Δn*d で表される。式中、Rが複屈折量、Δnが複屈折率、d
が延伸された有機配向膜の膜厚である。
【0011】上記のラビング処理を施した有機配向膜に
おいては、ラビング処理により表面が延伸されるため、
このような光学的異方性を示し、そのラビング処理方向
が遅相軸とおおよそ一致することとなる。
おいては、ラビング処理により表面が延伸されるため、
このような光学的異方性を示し、そのラビング処理方向
が遅相軸とおおよそ一致することとなる。
【0012】しかしながら、ポリイミド膜から配向性の
高い配向膜を形成する場合には、まずガラス基板上に均
一な厚さのポリイミド膜を形成する必要があるが、スピ
ンコート法では均一な膜厚のポリイミド膜を形成するこ
とは困難であるという問題があった。即ち、一般に、有
機配向膜材料からなる塗料をスピンコート法により塗布
して薄膜を形成する場合、短時間に塗布が完了するよう
にその塗料の粘度を十分に小さくする必要があるが、ポ
リイミドをこのような低粘度の塗料に調整する溶媒の種
類は少ない。そのため、スピンコート法によって形成し
たポリイミド膜は均一な膜厚になり難く、該ポリイミド
膜においては配向性が不充分になってしまう。
高い配向膜を形成する場合には、まずガラス基板上に均
一な厚さのポリイミド膜を形成する必要があるが、スピ
ンコート法では均一な膜厚のポリイミド膜を形成するこ
とは困難であるという問題があった。即ち、一般に、有
機配向膜材料からなる塗料をスピンコート法により塗布
して薄膜を形成する場合、短時間に塗布が完了するよう
にその塗料の粘度を十分に小さくする必要があるが、ポ
リイミドをこのような低粘度の塗料に調整する溶媒の種
類は少ない。そのため、スピンコート法によって形成し
たポリイミド膜は均一な膜厚になり難く、該ポリイミド
膜においては配向性が不充分になってしまう。
【0013】そこで、ポリイミドを直接スピンコートす
るのではなく、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸
をスピンコートし、その後このポリアミド酸の塗膜をイ
ミド化させてポリイミド膜とすることが考えられてい
る。ポリアミド酸は酸の一種であることから多くの種類
の溶媒に対する親和性が良く、溶媒選択の自由度が大き
く、従って塗料の粘度調整が容易である。しかしなが
ら、ポリアミド酸の塗料は透明導電膜に対する濡れ性が
良好ではなく、また吸着され難い。従って、ポリアミド
酸で透明導電膜上を完全に塗布することが困難である。
るのではなく、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸
をスピンコートし、その後このポリアミド酸の塗膜をイ
ミド化させてポリイミド膜とすることが考えられてい
る。ポリアミド酸は酸の一種であることから多くの種類
の溶媒に対する親和性が良く、溶媒選択の自由度が大き
く、従って塗料の粘度調整が容易である。しかしなが
ら、ポリアミド酸の塗料は透明導電膜に対する濡れ性が
良好ではなく、また吸着され難い。従って、ポリアミド
酸で透明導電膜上を完全に塗布することが困難である。
【0014】これに対して、本発明者等は、ポリアミド
酸の塗布に先だって、透明導電膜に特定波長範囲内の光
を照射することにより、透明導電膜に対するポリアミド
酸からなる塗料の濡れ性や吸着性を改善し、良好な塗膜
が得られることを見出し、この問題を解決した。
酸の塗布に先だって、透明導電膜に特定波長範囲内の光
を照射することにより、透明導電膜に対するポリアミド
酸からなる塗料の濡れ性や吸着性を改善し、良好な塗膜
が得られることを見出し、この問題を解決した。
【0015】しかしながら、ポリイミド膜を均一な厚さ
に形成しても、ポリイミド膜にラビング処理を施すこと
により光学的異方性を高くすることには限界がある。図
10(□印のプロット)は特定のラビング条件下でのポ
リイミド膜の複屈折量のラビング回数に対する依存性を
示したものであるが、この図からラビング処理回数を増
やしてもポリイミド膜の複屈折量は飽和する傾向にある
ことがわかる。また、図11(□印のプロット)は、ポ
リイミド膜の膜面内における遅相軸方向の偏差のラビン
グ回数依存性を示したものであるが、この図からラビン
グ処理回数を増やしても遅相軸方向の偏差を十分には小
さくできないことがわかる。そのため、上記のような液
晶表示素子用配向膜においては、ポリイミド膜の複屈折
量をより高く、また遅相軸方向の偏差をより小さくし、
強誘電性液晶デバイスにおいても連続階調性が得られる
ようにすることが課題となっていた。
に形成しても、ポリイミド膜にラビング処理を施すこと
により光学的異方性を高くすることには限界がある。図
10(□印のプロット)は特定のラビング条件下でのポ
リイミド膜の複屈折量のラビング回数に対する依存性を
示したものであるが、この図からラビング処理回数を増
やしてもポリイミド膜の複屈折量は飽和する傾向にある
ことがわかる。また、図11(□印のプロット)は、ポ
リイミド膜の膜面内における遅相軸方向の偏差のラビン
グ回数依存性を示したものであるが、この図からラビン
グ処理回数を増やしても遅相軸方向の偏差を十分には小
さくできないことがわかる。そのため、上記のような液
晶表示素子用配向膜においては、ポリイミド膜の複屈折
量をより高く、また遅相軸方向の偏差をより小さくし、
強誘電性液晶デバイスにおいても連続階調性が得られる
ようにすることが課題となっていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、この
ような従来技術の課題を解決しようとするものであり、
液晶表示素子用の配向膜として形成されるポリイミド膜
の複屈折量を高く、かつ遅相軸法の偏差を小さくし、高
い配向性を有する液晶表示素子用配向膜を提供し、さら
に、強誘電性液晶デバイスにおいても連続階調性が得ら
れるような液晶表示素子用配向膜を提供することを目的
とする。
ような従来技術の課題を解決しようとするものであり、
液晶表示素子用の配向膜として形成されるポリイミド膜
の複屈折量を高く、かつ遅相軸法の偏差を小さくし、高
い配向性を有する液晶表示素子用配向膜を提供し、さら
に、強誘電性液晶デバイスにおいても連続階調性が得ら
れるような液晶表示素子用配向膜を提供することを目的
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明者等が鋭意検討した結果、ポリイミド系薄
膜に粒径1000nm以下の超微粒子を含有させれば、
その薄膜をラビング処理して得られる配向膜の光学的異
方性が大きくなることを見出し、この発明を完成させる
に至った。
めに、本発明者等が鋭意検討した結果、ポリイミド系薄
膜に粒径1000nm以下の超微粒子を含有させれば、
その薄膜をラビング処理して得られる配向膜の光学的異
方性が大きくなることを見出し、この発明を完成させる
に至った。
【0018】すなわち、本発明は、ポリイミド系薄膜か
らなる液晶表示素子用配向膜において、該ポリイミド系
配向膜が、粒径1000nm以下の超微粒子を含むこと
を特徴とするものである。
らなる液晶表示素子用配向膜において、該ポリイミド系
配向膜が、粒径1000nm以下の超微粒子を含むこと
を特徴とするものである。
【0019】また、本発明の液晶表示素子配向膜は、含
まれる超微粒子が、表面にポリイミド分子を吸着させる
ことにより、ポリイミド分子のイミド環のカルボニル基
に帰属される赤外吸収ピークをポリイミド単体のそれに
比べて10-1cm以上低波数側にシフトさせることので
きる超微粒子であることを特徴とするものである。
まれる超微粒子が、表面にポリイミド分子を吸着させる
ことにより、ポリイミド分子のイミド環のカルボニル基
に帰属される赤外吸収ピークをポリイミド単体のそれに
比べて10-1cm以上低波数側にシフトさせることので
きる超微粒子であることを特徴とするものである。
【0020】さらに、本発明の液晶表示素子用配向膜の
製造方法は、粒径1000nm以下の超微粒子を含有す
るポリアミド酸溶液を、透明電極を有する基板面にスピ
ンコートし、次いで熱処理することによりポリイミド膜
を形成し、そのポリイミド膜に対してラビング処理を施
すことを特徴とするものである。
製造方法は、粒径1000nm以下の超微粒子を含有す
るポリアミド酸溶液を、透明電極を有する基板面にスピ
ンコートし、次いで熱処理することによりポリイミド膜
を形成し、そのポリイミド膜に対してラビング処理を施
すことを特徴とするものである。
【0021】また、本発明の液晶表示素子は、上記液晶
表示素子用配向膜を有することを特徴とするものであ
る。
表示素子用配向膜を有することを特徴とするものであ
る。
【0022】本発明の液晶表示素子用配向膜において
は、粒径1000nm以下の超微粒子を含むことを特徴
としているが、粒径1000nmを越える微粒子を配向
膜中に含有させても光学的異方性を十分に高くするこ
と、即ち複屈折量を1nm以上に大きくし、遅相軸方向
の偏差を十分に小さくすることはできなかった。
は、粒径1000nm以下の超微粒子を含むことを特徴
としているが、粒径1000nmを越える微粒子を配向
膜中に含有させても光学的異方性を十分に高くするこ
と、即ち複屈折量を1nm以上に大きくし、遅相軸方向
の偏差を十分に小さくすることはできなかった。
【0023】なお、超微粒子の種類としては、例えば、
炭素超微粒子、二酸化チタン,Ga 2 O3 ,導電性酸化
亜鉛,ZnO,ゼオライト,シリコン,γ−アルミナ,
γ−EXD(磁性粉)超微粒子等を使用することがで
き、特に、炭素超微粒子を使用することが好ましい。炭
素超微粒子を使用することにより、配向膜の複屈折量を
著しく大きく、かつ遅相軸方向の偏差を小さくすること
ができ、さらに、上記配向膜を使用した液晶表示素子に
おいては、各電極画素内でカイラルスメクチックC相を
有する強誘電性液晶の階調表示も可能となる。
炭素超微粒子、二酸化チタン,Ga 2 O3 ,導電性酸化
亜鉛,ZnO,ゼオライト,シリコン,γ−アルミナ,
γ−EXD(磁性粉)超微粒子等を使用することがで
き、特に、炭素超微粒子を使用することが好ましい。炭
素超微粒子を使用することにより、配向膜の複屈折量を
著しく大きく、かつ遅相軸方向の偏差を小さくすること
ができ、さらに、上記配向膜を使用した液晶表示素子に
おいては、各電極画素内でカイラルスメクチックC相を
有する強誘電性液晶の階調表示も可能となる。
【0024】本発明の液晶表示素子用配向膜は、粒径1
000nm以下の超微粒子を含有させる以外は、従来の
ポリイミド系有機配向膜と同様に構成することができ
る。即ち、超微粒子を分散させたポリイミド溶液を、I
TO等の透明導電膜を形成したガラス基板等の基板上
に、常法により塗布してポリイミド系薄膜を形成し、そ
の薄膜をラビング処理することにより形成することがで
きる。また、好ましくは、超微粒子を分散させたポリア
ミド酸溶液を塗布して薄膜を形成し、その薄膜を熱処理
によりイミド化してポリイミド系薄膜とし、これをラビ
ング処理することにより形成することができる。
000nm以下の超微粒子を含有させる以外は、従来の
ポリイミド系有機配向膜と同様に構成することができ
る。即ち、超微粒子を分散させたポリイミド溶液を、I
TO等の透明導電膜を形成したガラス基板等の基板上
に、常法により塗布してポリイミド系薄膜を形成し、そ
の薄膜をラビング処理することにより形成することがで
きる。また、好ましくは、超微粒子を分散させたポリア
ミド酸溶液を塗布して薄膜を形成し、その薄膜を熱処理
によりイミド化してポリイミド系薄膜とし、これをラビ
ング処理することにより形成することができる。
【0025】この場合、ポリアミド酸溶液の基板への塗
布に先立って、透明電極を有する基板を光照射しておく
ことが好ましい。なお、ポリアミド酸溶液に超微粒子を
分散させるに際しては、超微粒子がポリアミド酸に対し
て少なくとも0.1重量%となるように配合することが
好ましい。なお、ポリイミド系薄膜に施すラビング処理
としては、通常、10回以下とすることが好ましい。
布に先立って、透明電極を有する基板を光照射しておく
ことが好ましい。なお、ポリアミド酸溶液に超微粒子を
分散させるに際しては、超微粒子がポリアミド酸に対し
て少なくとも0.1重量%となるように配合することが
好ましい。なお、ポリイミド系薄膜に施すラビング処理
としては、通常、10回以下とすることが好ましい。
【0026】また、本発明の液晶表示素子は、配向膜と
して上述した本発明の液晶表示素子用配向膜を設ける以
外は従来の液晶表示素子と同様に構成することができ
る。
して上述した本発明の液晶表示素子用配向膜を設ける以
外は従来の液晶表示素子と同様に構成することができ
る。
【0027】
【作用】本発明においては、ポリイミド系薄膜からなる
液晶表示素子用配向膜において、粒径1000nm以下
の超微粒子を分散させるため、配向膜の複屈折量が増大
し、遅相軸方向の偏差が小さくなり、高い光学異方性を
得ることができる。
液晶表示素子用配向膜において、粒径1000nm以下
の超微粒子を分散させるため、配向膜の複屈折量が増大
し、遅相軸方向の偏差が小さくなり、高い光学異方性を
得ることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を適用した実施例について、具
体的な実験結果や図面に基づいて詳細に説明する。
体的な実験結果や図面に基づいて詳細に説明する。
【0029】実施例1〜5、比較例1〜2 (配向膜の形成)ガラス基板の表面に、透明導電膜材料
として広く使用されている、ITO(indium t
in oxide)の被膜を被着させ、さらにポリイミ
ド系膜を形成し、ラビング処理を施して配向膜を形成し
た。図1(a)は、このようにして形成した配向膜付き
ガラス基板の断面図であり、同図(b)はその斜視図で
ある。
として広く使用されている、ITO(indium t
in oxide)の被膜を被着させ、さらにポリイミ
ド系膜を形成し、ラビング処理を施して配向膜を形成し
た。図1(a)は、このようにして形成した配向膜付き
ガラス基板の断面図であり、同図(b)はその斜視図で
ある。
【0030】本実施例においては、ガラス基板1として
は、寸法40mm×25mm×2.5mmの基板を使用
した。また、ITO2としては、通例の蒸着法によりガ
ラス基板上に寸法30mm×12mmの大きさに被着さ
せ、パターニングはしなかった。
は、寸法40mm×25mm×2.5mmの基板を使用
した。また、ITO2としては、通例の蒸着法によりガ
ラス基板上に寸法30mm×12mmの大きさに被着さ
せ、パターニングはしなかった。
【0031】ポリイミド系薄膜3としては、ITO2で
被覆したガラス基板1の全面に、実施例1〜5、比較例
1〜2としてそれぞれ異なる種類のものを、次のように
して形成した。即ち、まず、6.0重量%のポリアミド
酸を含有し、残部が溶媒からなる日産化学工業株式会社
製のSun Ever RN-721(0633) に、更に溶剤として同社製
の33型シンナーを、ポリアミド酸が溶液全体に対して
2.5重量%になるように添加した。そして、このポリ
アミド酸溶液を超音波洗浄器内で約5分間振動させ、孔
径0.45μmのアセチルセルロースフィルターで濾過
し、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸溶液を調整し
た(比較例1)。
被覆したガラス基板1の全面に、実施例1〜5、比較例
1〜2としてそれぞれ異なる種類のものを、次のように
して形成した。即ち、まず、6.0重量%のポリアミド
酸を含有し、残部が溶媒からなる日産化学工業株式会社
製のSun Ever RN-721(0633) に、更に溶剤として同社製
の33型シンナーを、ポリアミド酸が溶液全体に対して
2.5重量%になるように添加した。そして、このポリ
アミド酸溶液を超音波洗浄器内で約5分間振動させ、孔
径0.45μmのアセチルセルロースフィルターで濾過
し、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸溶液を調整し
た(比較例1)。
【0032】同様にして、ポリアミド酸溶液に炭素微粒
子を添加したもの(実施例1〜4)、二酸化チタン微粒
子を添加したもの(実施例5)、ガラスのスペーサを添
加したもの(比較例2)を調整した。
子を添加したもの(実施例1〜4)、二酸化チタン微粒
子を添加したもの(実施例5)、ガラスのスペーサを添
加したもの(比較例2)を調整した。
【0033】上記実施例1〜4は、以下に示した物性を
有する炭素超微粒子(米国Cancarb社製、Thermax Mediu
m Thermal)を、ポリアミド酸に対して1重量%(実施
例1)、2重量%(実施例2)、3重量%(実施例
3)、10重量%(実施例4)混合し、超音波洗浄器内
で約30分間振動させ、その後、孔径5μmのニトロセ
ルロースフィルターで濾過することにより調整した。
有する炭素超微粒子(米国Cancarb社製、Thermax Mediu
m Thermal)を、ポリアミド酸に対して1重量%(実施
例1)、2重量%(実施例2)、3重量%(実施例
3)、10重量%(実施例4)混合し、超音波洗浄器内
で約30分間振動させ、その後、孔径5μmのニトロセ
ルロースフィルターで濾過することにより調整した。
【0034】(炭素超微粒子の物性) 表面積 8.5m2 /g 平均粒径 270nm 粒径範囲 80〜580nm 吸油量 0.35ml/g pH 9.5 見かけ密度 641.3kg/m3
【0035】また、実施例5は、炭素超微粒子に代えて
以下に示した物性を有する二酸化チタン超微粒子(出光
興産株式会社製、出光チタニアIT−UD)を、ポリア
ミド酸に対して10重量%混合する以外は上述した炭素
超微粒子を添加したポリアミド酸溶液と同様にして調整
した。なお、二酸化チタン超微粒子としては、超微粒子
同士の凝集を抑制するために、高分散化処理を施し、溶
媒中の平均分散粒子径を70〜90nmに抑えたものを
使用した。
以下に示した物性を有する二酸化チタン超微粒子(出光
興産株式会社製、出光チタニアIT−UD)を、ポリア
ミド酸に対して10重量%混合する以外は上述した炭素
超微粒子を添加したポリアミド酸溶液と同様にして調整
した。なお、二酸化チタン超微粒子としては、超微粒子
同士の凝集を抑制するために、高分散化処理を施し、溶
媒中の平均分散粒子径を70〜90nmに抑えたものを
使用した。
【0036】(二酸化チタン超微粒子の物性) 平均粒径 20nm 比表面積 130m2 /g 表面状態 疎水性
【0037】さらに、比較例2は、炭素超微粒子に代え
てガラススペーサ(平均粒径1.01μm、標準偏差
0.03μm:触媒化学工業株式会社製、真絲球SW
1.0μm)を、ポリアミド酸に対して3重量%混合す
る以外は上述した炭素超微粒子を添加したポリアミド酸
溶液と同様にして調整した。
てガラススペーサ(平均粒径1.01μm、標準偏差
0.03μm:触媒化学工業株式会社製、真絲球SW
1.0μm)を、ポリアミド酸に対して3重量%混合す
る以外は上述した炭素超微粒子を添加したポリアミド酸
溶液と同様にして調整した。
【0038】以上のようにして調整した各ポリアミド酸
溶液を、ITOで被覆したガラス基板面に対して近赤外
線を2分間照射した直後に、それぞれ約0.1ml滴下
し、その後1000回転/分で4秒間、又これに続けて
3500回転/分で30秒間回転させ、スピンコートし
た。なお、ここでガラス基板の回転とはITOで被覆し
たガラス基板面内においての基板の重心の回りの回転を
意味する。
溶液を、ITOで被覆したガラス基板面に対して近赤外
線を2分間照射した直後に、それぞれ約0.1ml滴下
し、その後1000回転/分で4秒間、又これに続けて
3500回転/分で30秒間回転させ、スピンコートし
た。なお、ここでガラス基板の回転とはITOで被覆し
たガラス基板面内においての基板の重心の回りの回転を
意味する。
【0039】次いで、恒温器においてガラス基板に、8
0℃で15分間、又その後240℃で1時間熱処理を施
し、イミド化してポリイミド系膜を形成した。そして、
この熱処理後、ガラス基板を室温まで徐冷した。
0℃で15分間、又その後240℃で1時間熱処理を施
し、イミド化してポリイミド系膜を形成した。そして、
この熱処理後、ガラス基板を室温まで徐冷した。
【0040】次に、ポリイミド系膜に対してラビング処
理を図1(b)の図中矢印4の方向に行い、配向膜を作
成した。ここで使用したラビング装置の概略図を図2に
示した。同図の装置において、ローラー21は図示しな
い支持手段により支持されており、このローラー21に
は布22が巻かれている。ガラス基板1は載置台23上
に、ポリイミド膜3に被覆された主面が上に向くように
設置されている。ラビング処理中、ローラーを図中矢印
A方向に毎分94回転させ、載置台23は図中矢印B方
向に毎分73mm移動させた。ローラーの上下位置は、
布22がガラス基板面に接触するように調整した。ガラ
ス基板全面にラビング処理を施した後、図示しない支持
手段によりローラー21を上に上げ、載置台23を元の
位置に戻し、さらに必要に応じて数回のラビング処理を
行った。
理を図1(b)の図中矢印4の方向に行い、配向膜を作
成した。ここで使用したラビング装置の概略図を図2に
示した。同図の装置において、ローラー21は図示しな
い支持手段により支持されており、このローラー21に
は布22が巻かれている。ガラス基板1は載置台23上
に、ポリイミド膜3に被覆された主面が上に向くように
設置されている。ラビング処理中、ローラーを図中矢印
A方向に毎分94回転させ、載置台23は図中矢印B方
向に毎分73mm移動させた。ローラーの上下位置は、
布22がガラス基板面に接触するように調整した。ガラ
ス基板全面にラビング処理を施した後、図示しない支持
手段によりローラー21を上に上げ、載置台23を元の
位置に戻し、さらに必要に応じて数回のラビング処理を
行った。
【0041】(配向膜の光学的異方性の評価)上述のよ
うにして得られた各配向膜の複屈折量及び遅相軸の偏差
を測定した。得られた結果の最良値を表1に示した。な
お、測定結果の最良値とその他の値との違いは、主に図
2に示すようなラビング装置のローラー21の上下位置
の微調整に起因するため、最良値を比較することにより
配向膜に種類による複屈折性を評価することができる。
うにして得られた各配向膜の複屈折量及び遅相軸の偏差
を測定した。得られた結果の最良値を表1に示した。な
お、測定結果の最良値とその他の値との違いは、主に図
2に示すようなラビング装置のローラー21の上下位置
の微調整に起因するため、最良値を比較することにより
配向膜に種類による複屈折性を評価することができる。
【0042】
【表1】
【0043】表1から、炭素超微粒子をポリアミド酸溶
液に添加する(実施例1〜4)ことにより、超微粒子を
ポリアミド酸溶液に添加しない場合(比較例1)、及び
粒径が1000nm以上の微粒子を添加した場合(比較
例2)に比べて、複屈折量を2.3倍以上、また遅相軸
の偏差を1/3以下にできることがわかる。また、二酸
化チタン超微粒子を10重量%ポリアミド酸溶液に添加
する(実施例5)ことにより、添加しない場合に比べて
複屈折量を2倍以上にできることもわかる。
液に添加する(実施例1〜4)ことにより、超微粒子を
ポリアミド酸溶液に添加しない場合(比較例1)、及び
粒径が1000nm以上の微粒子を添加した場合(比較
例2)に比べて、複屈折量を2.3倍以上、また遅相軸
の偏差を1/3以下にできることがわかる。また、二酸
化チタン超微粒子を10重量%ポリアミド酸溶液に添加
する(実施例5)ことにより、添加しない場合に比べて
複屈折量を2倍以上にできることもわかる。
【0044】また、炭素超微粒子を10重量%添加して
形成した配向膜(実施例4)と超微粒子を添加していな
い配向膜(比較例1)について、複屈折量のラビング処
理回数依存性を図10に示し、遅相軸方向の偏差のラビ
ング処理回数依存性を図11に示した。これにより、炭
素超微粒子を添加したポリイミド系配向膜は、添加して
いないポリイミド系配向膜と同様に、ラビング処理回数
を増加させることにより複屈折量や遅相軸の偏差を向上
させることはできないが、全体的に複屈折量が高くな
り、遅相軸方向の偏差も少なくなることがわかる。
形成した配向膜(実施例4)と超微粒子を添加していな
い配向膜(比較例1)について、複屈折量のラビング処
理回数依存性を図10に示し、遅相軸方向の偏差のラビ
ング処理回数依存性を図11に示した。これにより、炭
素超微粒子を添加したポリイミド系配向膜は、添加して
いないポリイミド系配向膜と同様に、ラビング処理回数
を増加させることにより複屈折量や遅相軸の偏差を向上
させることはできないが、全体的に複屈折量が高くな
り、遅相軸方向の偏差も少なくなることがわかる。
【0045】実施例6、比較例3〜5 (テストセルの作製及び評価)実施例1〜5あるいは比
較例1〜2と同様に、炭素超微粒子を1重量%添加した
ポリイミド系配向膜、超微粒子を添加しないポリイミド
系配向膜及びスペーサを3重量%添加したポリイミド系
配向膜をガラス基板上に形成し、それらを用いて試験用
液晶表示素子(テストセル)を表2中に示すように作製
した。そして、これらのテストセルについて、複屈折量
と遅相軸方向の偏差を測定した。結果も表2に併せて示
す。
較例1〜2と同様に、炭素超微粒子を1重量%添加した
ポリイミド系配向膜、超微粒子を添加しないポリイミド
系配向膜及びスペーサを3重量%添加したポリイミド系
配向膜をガラス基板上に形成し、それらを用いて試験用
液晶表示素子(テストセル)を表2中に示すように作製
した。そして、これらのテストセルについて、複屈折量
と遅相軸方向の偏差を測定した。結果も表2に併せて示
す。
【0046】
【表2】
【0047】表2に示した各テストセルに、強誘電性液
晶(チッソ(株)製、強誘電性液晶組成物CS−101
4)を真空注入した。液晶注入後は、交互にコントラス
ト測定と電界処理を行った。この場合、電界処理は図3
に示した矩形波を60秒間印加することにより行った。
またコントラスト測定は、図4に示した駆動波形を用い
て、以下に説明するように行った。
晶(チッソ(株)製、強誘電性液晶組成物CS−101
4)を真空注入した。液晶注入後は、交互にコントラス
ト測定と電界処理を行った。この場合、電界処理は図3
に示した矩形波を60秒間印加することにより行った。
またコントラスト測定は、図4に示した駆動波形を用い
て、以下に説明するように行った。
【0048】即ち、一般に強誘電性液晶媒体に対してあ
る特定のしきい値以上の電圧を印加すると、その液晶媒
体は、画素が実質的に完全に透過的あるいは非透過的に
なる極値状態になる。そこで、テストセルに印加する駆
動波形を図4に示すように第1の波形aの振幅Vrが強
誘電性液晶媒体が非透過な状態になるしきい値以上の電
圧となるように、即ち、可能な限りテストセルを非透過
な状態とするような電圧とした。次に、駆動波形の第2
の波形bでは電圧を印加せず、これにより液晶媒体を第
1の波形aによってもたらされた非透過状態のメモリー
状態にした。第3の波形cにおいては振幅Vsの電圧を
印加し、テストセルを透過的な状態にした。第4の波形
dにおいては電圧を印加せず、これにより、第3の波形
によってもたらされた透過状態のメモリー状態とした。
そして、このように駆動波形にしたがってテストセルに
電圧を印加していき、第2の波形bと第4の波形dを印
加しているとき光の透過率を比較することにより、メモ
リー状態のコントラストを測定した。
る特定のしきい値以上の電圧を印加すると、その液晶媒
体は、画素が実質的に完全に透過的あるいは非透過的に
なる極値状態になる。そこで、テストセルに印加する駆
動波形を図4に示すように第1の波形aの振幅Vrが強
誘電性液晶媒体が非透過な状態になるしきい値以上の電
圧となるように、即ち、可能な限りテストセルを非透過
な状態とするような電圧とした。次に、駆動波形の第2
の波形bでは電圧を印加せず、これにより液晶媒体を第
1の波形aによってもたらされた非透過状態のメモリー
状態にした。第3の波形cにおいては振幅Vsの電圧を
印加し、テストセルを透過的な状態にした。第4の波形
dにおいては電圧を印加せず、これにより、第3の波形
によってもたらされた透過状態のメモリー状態とした。
そして、このように駆動波形にしたがってテストセルに
電圧を印加していき、第2の波形bと第4の波形dを印
加しているとき光の透過率を比較することにより、メモ
リー状態のコントラストを測定した。
【0049】なお、このようなコントラスト測定によれ
ば、明確なしきい値を持つ液晶表示素子の場合、第3の
波形cを印加した際に、その振幅Vsがしきい値以上だ
と概ね同じ高い透過率を示し、その振幅Vsがしきい値
以下だと概ね同じ低い透過率を示す。従って、明確なし
きい値を持つ液晶表示素子は2つの階調を表示する。し
かし、明確なしきい値を持たない液晶表示素子の場合に
は、第3番目の波形cの振幅Vsに概ね比例して透過率
が変化し、連続階調表示をすることとなる。
ば、明確なしきい値を持つ液晶表示素子の場合、第3の
波形cを印加した際に、その振幅Vsがしきい値以上だ
と概ね同じ高い透過率を示し、その振幅Vsがしきい値
以下だと概ね同じ低い透過率を示す。従って、明確なし
きい値を持つ液晶表示素子は2つの階調を表示する。し
かし、明確なしきい値を持たない液晶表示素子の場合に
は、第3番目の波形cの振幅Vsに概ね比例して透過率
が変化し、連続階調表示をすることとなる。
【0050】テストセルのコントラスト測定に用いた装
置の概要を図5に示した。同図の装置においては、テス
トセル51は偏光顕微鏡52の回転試料台53上に設置
される。このテストセル51の電極には波形発生器(図
示せず)により図4に示した駆動波形が印加される。ま
た、偏光顕微鏡52には矢印の方向に光を発する光源5
4、集光レンズ55、偏光子56、検光子57、対物レ
ンズ58、ホトマル59が装備されている。この偏光子
56と検光子57との光軸は互いに直交している。した
がって、偏光子56と検光子57との間の試料台53に
テストセル51を設置しない場合には光は透過しない
が、テストセル51を試料台53上に設置すると試料台
53の回転に従い光の透過率は変化する。こうして偏光
子56、テストセル51及び検光子57を透過した光は
ホトマル59に検出され、光量に比例する電圧に変換さ
れることとなる。
置の概要を図5に示した。同図の装置においては、テス
トセル51は偏光顕微鏡52の回転試料台53上に設置
される。このテストセル51の電極には波形発生器(図
示せず)により図4に示した駆動波形が印加される。ま
た、偏光顕微鏡52には矢印の方向に光を発する光源5
4、集光レンズ55、偏光子56、検光子57、対物レ
ンズ58、ホトマル59が装備されている。この偏光子
56と検光子57との光軸は互いに直交している。した
がって、偏光子56と検光子57との間の試料台53に
テストセル51を設置しない場合には光は透過しない
が、テストセル51を試料台53上に設置すると試料台
53の回転に従い光の透過率は変化する。こうして偏光
子56、テストセル51及び検光子57を透過した光は
ホトマル59に検出され、光量に比例する電圧に変換さ
れることとなる。
【0051】テストセルのコントラスト測定において
は、図4に示した駆動波形の第2の波形bに相当する、
ホトマル59での検出波形が、最も低い振幅になるよう
に試料台53を回転させた。また、駆動波形の第1の波
形aの印加電圧Vrを35ボルトに設定し、第3の波形
cの印加電圧Vsを変動させ、種々のVsについてそれ
ぞれ非透過状態と透過状態のメモリー状態の透過光量を
測定した。そして、次式に従い、コントラスト値を検出
波形の振幅に基づいて算出した。
は、図4に示した駆動波形の第2の波形bに相当する、
ホトマル59での検出波形が、最も低い振幅になるよう
に試料台53を回転させた。また、駆動波形の第1の波
形aの印加電圧Vrを35ボルトに設定し、第3の波形
cの印加電圧Vsを変動させ、種々のVsについてそれ
ぞれ非透過状態と透過状態のメモリー状態の透過光量を
測定した。そして、次式に従い、コントラスト値を検出
波形の振幅に基づいて算出した。
【0052】 コントラスト値=(Viv−V0)/(Vii−V0) (式中Vivは第4の波形dに対応する検出波形の振幅、
Viiは第2の波形bに対応する検出波形の振幅、V0は
光源を完全に遮断した状態における検出波形の振幅を表
す。)
Viiは第2の波形bに対応する検出波形の振幅、V0は
光源を完全に遮断した状態における検出波形の振幅を表
す。)
【0053】また、このようなコントラスト測定に先立
って行う電界処理としては、実施例6のテストセルにつ
いては、1V、2V、5V、10V、15V、20V、
25V、35V、45Vの順序で電界処理を行った。ま
た、比較例3のテストセルについては、1V、2V、5
V、15V、25V、35Vの順序で電界処理を行い、
比較例4のテストセルについては、1V、2V、5V、
15V、20V、25V、35V、45Vの順序で電界
処理を行い、比較例5のテストセルについては、2V、
5V、10V、15V、20V、30V、40Vの順序
で電界処理を行った。
って行う電界処理としては、実施例6のテストセルにつ
いては、1V、2V、5V、10V、15V、20V、
25V、35V、45Vの順序で電界処理を行った。ま
た、比較例3のテストセルについては、1V、2V、5
V、15V、25V、35Vの順序で電界処理を行い、
比較例4のテストセルについては、1V、2V、5V、
15V、20V、25V、35V、45Vの順序で電界
処理を行い、比較例5のテストセルについては、2V、
5V、10V、15V、20V、30V、40Vの順序
で電界処理を行った。
【0054】各電界処理前後のコントラスト測定の結果
を図6〜9に示した。図7及び図8から、超微粒子を添
加しなかったポリイミド膜のテストセル(比較例3及び
比較例4)のテストセルでは、急峻なしきい値が10V
以下に存在すること、従って、そのしきい値の前後で白
黒の2状態のみを取り得ることがわかる。同様に、図9
から、平均粒径が1000nm以上の微粒子を添加した
ポリイミド膜のテストセル(比較例5)においても急峻
なしきい値が存在し、しきい値の前後で白黒の2状態の
みを取り得ることがわかる。これに対して、図6から、
炭素超微粒子を添加した実施例6のテストセルにおいて
は、35V及び45Vの電界処理を施した場合には10
V以下にやや鈍ったしきい値が出現するが、電界処理以
前及び25V以下の電界処理を施した場合には明確なし
きい値が存在せず、図4に示した駆動波形の第3の波形
cの印加電圧Vsの振幅の増加にともなってコントラス
ト値が単調に増加していること、従って、印加電圧Vs
に概ね比例した透過率を示すアナログ階調性が付与され
ていることがわかる。
を図6〜9に示した。図7及び図8から、超微粒子を添
加しなかったポリイミド膜のテストセル(比較例3及び
比較例4)のテストセルでは、急峻なしきい値が10V
以下に存在すること、従って、そのしきい値の前後で白
黒の2状態のみを取り得ることがわかる。同様に、図9
から、平均粒径が1000nm以上の微粒子を添加した
ポリイミド膜のテストセル(比較例5)においても急峻
なしきい値が存在し、しきい値の前後で白黒の2状態の
みを取り得ることがわかる。これに対して、図6から、
炭素超微粒子を添加した実施例6のテストセルにおいて
は、35V及び45Vの電界処理を施した場合には10
V以下にやや鈍ったしきい値が出現するが、電界処理以
前及び25V以下の電界処理を施した場合には明確なし
きい値が存在せず、図4に示した駆動波形の第3の波形
cの印加電圧Vsの振幅の増加にともなってコントラス
ト値が単調に増加していること、従って、印加電圧Vs
に概ね比例した透過率を示すアナログ階調性が付与され
ていることがわかる。
【0055】実施例7,8、比較例6 (配向膜の形成)実施例1〜5あるいは比較例1〜2の
ようにポリアミド酸をイミド化してポリイミド系薄膜を
得るのではなく、次のようにしてポリイミド系薄膜を形
成し配向膜を作成した。
ようにポリアミド酸をイミド化してポリイミド系薄膜を
得るのではなく、次のようにしてポリイミド系薄膜を形
成し配向膜を作成した。
【0056】即ち、ガラス基板にスピンコートするポリ
イミド溶液を、ポリイミド(日本合成ゴム社製 AL−
1524)及びγ−ブチルラクトンから、ポリイミドが
約10.5重量%となるように調整した。そして、この
ポリイミド溶液に、実施例1〜4と同様にして、炭素超
微粒子を0.2重量%(実施例7)あるいは1.0重量
%(実施例8)分散させ、5μmのフィルタを通し、ガ
ラス基板上に滴下し、1000回転/分で4秒、350
0回転/分で30秒でスピンコートし、熱処理を行っ
た。この熱処理は、50℃20分、180℃2時間行っ
た。こうして、膜厚80nmのポリイミド系薄膜を得
た。(実施例7,8)また、比較のために、炭素超微粒
子を分散させないポリイミド溶液も同様にスピンコート
し、熱処理した(比較例6)。
イミド溶液を、ポリイミド(日本合成ゴム社製 AL−
1524)及びγ−ブチルラクトンから、ポリイミドが
約10.5重量%となるように調整した。そして、この
ポリイミド溶液に、実施例1〜4と同様にして、炭素超
微粒子を0.2重量%(実施例7)あるいは1.0重量
%(実施例8)分散させ、5μmのフィルタを通し、ガ
ラス基板上に滴下し、1000回転/分で4秒、350
0回転/分で30秒でスピンコートし、熱処理を行っ
た。この熱処理は、50℃20分、180℃2時間行っ
た。こうして、膜厚80nmのポリイミド系薄膜を得
た。(実施例7,8)また、比較のために、炭素超微粒
子を分散させないポリイミド溶液も同様にスピンコート
し、熱処理した(比較例6)。
【0057】そして、得られた各ポリイミド系薄膜に対
して実施例1〜5あるいは比較例1〜2と同様にしてラ
ビング処理を行い、配向膜を作製した。 (配向膜の光学異方性の評価)上述のようにして得られ
た各配向膜の複屈折量及び遅相軸の偏差を実施例1〜5
或いは比較例1〜2と同様にして測定した。
して実施例1〜5あるいは比較例1〜2と同様にしてラ
ビング処理を行い、配向膜を作製した。 (配向膜の光学異方性の評価)上述のようにして得られ
た各配向膜の複屈折量及び遅相軸の偏差を実施例1〜5
或いは比較例1〜2と同様にして測定した。
【0058】この結果の最良値を表3に示した。
【0059】
【表3】
【0060】表3に示したように、炭素微粒子を添加し
た実施例7,8の配向膜においては、炭素微粒子を添加
しなかった比較例6の配向膜に比べて大きい複屈折量を
得た。なお、表3に示した結果は、全てラビング処理回
数が2回で、ローラーの位置は布がガラス基板面に接触
する位置から更に0.12mm深い位置であった。
た実施例7,8の配向膜においては、炭素微粒子を添加
しなかった比較例6の配向膜に比べて大きい複屈折量を
得た。なお、表3に示した結果は、全てラビング処理回
数が2回で、ローラーの位置は布がガラス基板面に接触
する位置から更に0.12mm深い位置であった。
【0061】実施例9〜15、比較例7 前述の実施例,比較例においては、配向膜の分子配向性
の評価方法として複屈折量の測定を行ったが、上記複屈
折量は分子レベルの異方性によって変化する他、ラビン
グ処理方向に形成されるミクログルーブによる形態異方
性によって変化することがある。そこで、配向膜の超微
粒子の添加による複屈折量の変化が分子レベルの異方性
によるものであることを確認するために、幾つかのサン
プルについて赤外二色比測定を行った。なお、上記赤外
二色比とは、偏光赤外吸収のラビング処理方向(液晶分
子の配向方向)に直交する方向(90°偏光方向)の吸
収強度に対する平行の方向の吸収強度比を示すものであ
る。
の評価方法として複屈折量の測定を行ったが、上記複屈
折量は分子レベルの異方性によって変化する他、ラビン
グ処理方向に形成されるミクログルーブによる形態異方
性によって変化することがある。そこで、配向膜の超微
粒子の添加による複屈折量の変化が分子レベルの異方性
によるものであることを確認するために、幾つかのサン
プルについて赤外二色比測定を行った。なお、上記赤外
二色比とは、偏光赤外吸収のラビング処理方向(液晶分
子の配向方向)に直交する方向(90°偏光方向)の吸
収強度に対する平行の方向の吸収強度比を示すものであ
る。
【0062】上記配向膜としては次のようなものを用意
した。先ず、実施例1〜5と同様に炭素超微粒子をポリ
アミド酸溶液をイミド化して形成されるポリイミド系配
向膜に3重量%で添加したもの(実施例9)、次いで実
施例5と同様に二酸化チタンをポリアミド酸溶液をイミ
ド化して形成されるポリイミド系配向膜に2重量%(実
施例10),5重量%(実施例11),10重量%(実
施例12)で添加したもの、さらに実施例7,8のよう
にポリイミドを調整してこれに実施例10〜12で用い
た二酸化チタンを0.2重量%(実施例13),0.5
重量%(実施例14),1.0重量%(実施例15)で
添加したもの、また比較のためにポリアミド酸溶液をイ
ミド化して形成されるポリイミド系配向膜に何も添加し
ない(比較例7)ものを用意した。
した。先ず、実施例1〜5と同様に炭素超微粒子をポリ
アミド酸溶液をイミド化して形成されるポリイミド系配
向膜に3重量%で添加したもの(実施例9)、次いで実
施例5と同様に二酸化チタンをポリアミド酸溶液をイミ
ド化して形成されるポリイミド系配向膜に2重量%(実
施例10),5重量%(実施例11),10重量%(実
施例12)で添加したもの、さらに実施例7,8のよう
にポリイミドを調整してこれに実施例10〜12で用い
た二酸化チタンを0.2重量%(実施例13),0.5
重量%(実施例14),1.0重量%(実施例15)で
添加したもの、また比較のためにポリアミド酸溶液をイ
ミド化して形成されるポリイミド系配向膜に何も添加し
ない(比較例7)ものを用意した。
【0063】赤外二色比は次のように測定した。本実施
例においては、基板として弗化カルシウム基板を用い
た。先ず、弗化カルシウム基板の複屈折量を測定し、基
板の遅相軸を確認し、これに対して−45°,0°,4
5°,90°の偏光方向でバックグラウンドを測定し
た。そして、該弗化カルシウム基板上に各サンプルの配
向膜を形成し、図12に示すように弗化カルシウム基板
60の図中矢印A1 で示すラビング処理方向とこれに直
交する図中矢印A2 で示す方向の偏光赤外吸収の比、す
なわち、図中矢印A2 で示す方向の吸収強度に対する図
中矢印A1 で示す方向の吸収強度比を求めた。
例においては、基板として弗化カルシウム基板を用い
た。先ず、弗化カルシウム基板の複屈折量を測定し、基
板の遅相軸を確認し、これに対して−45°,0°,4
5°,90°の偏光方向でバックグラウンドを測定し
た。そして、該弗化カルシウム基板上に各サンプルの配
向膜を形成し、図12に示すように弗化カルシウム基板
60の図中矢印A1 で示すラビング処理方向とこれに直
交する図中矢印A2 で示す方向の偏光赤外吸収の比、す
なわち、図中矢印A2 で示す方向の吸収強度に対する図
中矢印A1 で示す方向の吸収強度比を求めた。
【0064】先ず、比較例7,実施例9の測定を行っ
た。結果を図13に示す。比較例7の結果を図中○で示
し、実施例9の結果を図中◎で示す。図13の結果か
ら、比較例7,実施例9のポリイミド系配向膜の各吸収
バンドにおける赤外二色比の関係は、イミド環のカルボ
ニル基に帰属される1720cm-1付近においてのみ逆
転し、比較例7の赤外二色比が実施例9のそれよりも大
きくなっている。従って、ポリイミド系配向膜に炭素超
微粒子を添加することによって、ポリイミド分子のイミ
ド環のカルボニル基がラビング処理方向に対して直交し
て配列している、すなわちポリイミド分子がラビング処
理方向に有効に配向していることが示唆された。なお、
他のバンド(1172cm-1,1239cm-1,137
7cm-1,1500cm-1付近)では、炭素超微粒子の
添加によって赤外二色比が増加しており、これらのバン
ドの帰属を考慮すると、各バンドにおいてベンゼン環等
がラビング処理方向に配向していることが推察される。
た。結果を図13に示す。比較例7の結果を図中○で示
し、実施例9の結果を図中◎で示す。図13の結果か
ら、比較例7,実施例9のポリイミド系配向膜の各吸収
バンドにおける赤外二色比の関係は、イミド環のカルボ
ニル基に帰属される1720cm-1付近においてのみ逆
転し、比較例7の赤外二色比が実施例9のそれよりも大
きくなっている。従って、ポリイミド系配向膜に炭素超
微粒子を添加することによって、ポリイミド分子のイミ
ド環のカルボニル基がラビング処理方向に対して直交し
て配列している、すなわちポリイミド分子がラビング処
理方向に有効に配向していることが示唆された。なお、
他のバンド(1172cm-1,1239cm-1,137
7cm-1,1500cm-1付近)では、炭素超微粒子の
添加によって赤外二色比が増加しており、これらのバン
ドの帰属を考慮すると、各バンドにおいてベンゼン環等
がラビング処理方向に配向していることが推察される。
【0065】次いで、上記比較例7,実施例9の複屈折
量の測定を行った。結果を表4に示す。
量の測定を行った。結果を表4に示す。
【0066】
【表4】
【0067】実施例1〜5と同様に炭素微粒子の添加に
よって高い複屈折量を得ることができた。赤外二色比の
結果と総合して見ると、超微粒子添加系に見られるラビ
ング処理方向を遅相軸とする複屈折量の増加はポリイミ
ド分子がラビング方向に配向していることに起因するも
のであることが確認された。
よって高い複屈折量を得ることができた。赤外二色比の
結果と総合して見ると、超微粒子添加系に見られるラビ
ング処理方向を遅相軸とする複屈折量の増加はポリイミ
ド分子がラビング方向に配向していることに起因するも
のであることが確認された。
【0068】次に、比較例7,実施例10〜12の測定
を行った。結果を図14〜18に示す。なお、図14に
は波数1241cm-1付近の結果を示し、図15には波
数1376cm-1付近、図16には波数1500cm-1
付近、図17には波数1597cm-1付近、図17には
波数1723cm-1付近の結果を示し、各サンプルは二
酸化チタン含有量によって表される。表5にこれらの結
果をまとめて示す。これらの結果からも実施例9と同様
の結果が得られ、1723cm-1付近の結果よりポリイ
ミド分子のイミド環のカルボニル基がラビング処理方向
に対して直交して配列している、すなわちポリイミド分
子がラビング処理方向に有効に配向していることが示唆
され、他のバンド(1241cm-1,1376cm-1,
1500cm-1,1597cm-1付近)では、二酸化チ
タン超微粒子の添加によって赤外二色比が増加してお
り、これらのバンドの帰属が表5に示すものであること
から、ベンゼン環等がラビング処理方向に配向している
ことが推察される。
を行った。結果を図14〜18に示す。なお、図14に
は波数1241cm-1付近の結果を示し、図15には波
数1376cm-1付近、図16には波数1500cm-1
付近、図17には波数1597cm-1付近、図17には
波数1723cm-1付近の結果を示し、各サンプルは二
酸化チタン含有量によって表される。表5にこれらの結
果をまとめて示す。これらの結果からも実施例9と同様
の結果が得られ、1723cm-1付近の結果よりポリイ
ミド分子のイミド環のカルボニル基がラビング処理方向
に対して直交して配列している、すなわちポリイミド分
子がラビング処理方向に有効に配向していることが示唆
され、他のバンド(1241cm-1,1376cm-1,
1500cm-1,1597cm-1付近)では、二酸化チ
タン超微粒子の添加によって赤外二色比が増加してお
り、これらのバンドの帰属が表5に示すものであること
から、ベンゼン環等がラビング処理方向に配向している
ことが推察される。
【0069】
【表5】
【0070】さらに、実施例13〜15の測定を行っ
た。波数1355cm-1付近の結果を図19、波数15
10cm-1付近の結果を図20、波数1693cm-1付
近の結果を図20に示すが、上記実施例と同様の結果を
得た。結果をまとめて表6に示す。
た。波数1355cm-1付近の結果を図19、波数15
10cm-1付近の結果を図20、波数1693cm-1付
近の結果を図20に示すが、上記実施例と同様の結果を
得た。結果をまとめて表6に示す。
【0071】
【表6】
【0072】これらの結果は、超微粒子含有率及び複屈
折量の変化によって二色比が増加或いは減少することを
示しており、このことは配向膜の分子の各部分がラビン
グ処理方向にそれぞれ平行,垂直に並ぶことを示唆して
いる。例えば、表5,表6を見てわかるように、ポリイ
ミド系配向膜においてはイミド環のカルボニル基に帰属
されるバンドにおいて、超微粒子の添加量が増加するに
つれて二色比が減少するといった傾向がある。これは、
ポリイミド分子のイミド環のカルボニル基がラビング処
理方向に対して直交して配列される、すなわちポリイミ
ド分子がラビング方向に有効に配列されているためと思
われる。従って、配向膜の超微粒子の添加による複屈折
量の変化は分子レベルの異方性によるものであることが
確認された。
折量の変化によって二色比が増加或いは減少することを
示しており、このことは配向膜の分子の各部分がラビン
グ処理方向にそれぞれ平行,垂直に並ぶことを示唆して
いる。例えば、表5,表6を見てわかるように、ポリイ
ミド系配向膜においてはイミド環のカルボニル基に帰属
されるバンドにおいて、超微粒子の添加量が増加するに
つれて二色比が減少するといった傾向がある。これは、
ポリイミド分子のイミド環のカルボニル基がラビング処
理方向に対して直交して配列される、すなわちポリイミ
ド分子がラビング方向に有効に配列されているためと思
われる。従って、配向膜の超微粒子の添加による複屈折
量の変化は分子レベルの異方性によるものであることが
確認された。
【0073】実施例16〜21 これまで超微粒子として炭素超微粒子,二酸化チタン超
微粒子について検討してきたが、他の物質についての検
討を行う。超微粒子として、表7に示すような特性を有
する炭素超微粒子,二酸化チタン超微粒子,シリコン,
γ−アルミナ,γ−EXD(磁性粉),酸化亜鉛を用意
し、これらを実施例1〜5と同様にポリイミド膜に10
重量%添加したポリイミド系配向膜を形成し、それぞれ
を実施例16〜21とした。
微粒子について検討してきたが、他の物質についての検
討を行う。超微粒子として、表7に示すような特性を有
する炭素超微粒子,二酸化チタン超微粒子,シリコン,
γ−アルミナ,γ−EXD(磁性粉),酸化亜鉛を用意
し、これらを実施例1〜5と同様にポリイミド膜に10
重量%添加したポリイミド系配向膜を形成し、それぞれ
を実施例16〜21とした。
【0074】
【表7】
【0075】これら実施例16〜21に同一条件でラビ
ング処理を行い、複屈折量を測定し、これらサンプル中
の超微粒子の分散性を評価した。結果を表8に示す。
ング処理を行い、複屈折量を測定し、これらサンプル中
の超微粒子の分散性を評価した。結果を表8に示す。
【0076】
【表8】
【0077】表8の結果をみてわかるように、各実施例
ともに良好な複屈折量を得ることができたが、炭素超微
粒子を添加した実施例16,二酸化チタンを添加した実
施例17,酸化亜鉛を含む実施例21において特に良好
な複屈折量を得ることができた。また、これらのサンプ
ルにおいては分散性も良好であった。すなわち、これら
のサンプルにおいては、分散性が良好であることから基
板上に形成後においても超微粒子が配向膜内に良好に分
散しており、ラビング処理によって超微粒子がラビング
処理方向に引っ張られた場合に脱落することがなく、超
微粒子近傍の配向膜を延伸することができ、複屈折量を
高めることができるものと思われる。
ともに良好な複屈折量を得ることができたが、炭素超微
粒子を添加した実施例16,二酸化チタンを添加した実
施例17,酸化亜鉛を含む実施例21において特に良好
な複屈折量を得ることができた。また、これらのサンプ
ルにおいては分散性も良好であった。すなわち、これら
のサンプルにおいては、分散性が良好であることから基
板上に形成後においても超微粒子が配向膜内に良好に分
散しており、ラビング処理によって超微粒子がラビング
処理方向に引っ張られた場合に脱落することがなく、超
微粒子近傍の配向膜を延伸することができ、複屈折量を
高めることができるものと思われる。
【0078】そこで、超微粒子の分散性を確認するため
に、超微粒子表面に対するポリイミド分子吸着度を測定
した。すなわち、超微粒子表面に対するポリイミド分子
吸着度が良好であれば、良好に分散することが可能とな
る。このようなポリイミド分子吸着度の測定方法として
は、FTIR拡散反射測定で吸着ポリイミド分子鎖の赤
外吸収を測定する方法が挙げられる。すなわち、各超微
粒子単体とポリイミドを吸着させた超微粒子のバンドの
差スペクトルを測定し、ポリイミドのみのスペクトルと
比較した。結果を表9に示す。ただし、炭素超微粒子に
ついてはS/N比が良好でなく、測定が不可能であっ
た。なお、負数は低波数側へのシフトを示す。
に、超微粒子表面に対するポリイミド分子吸着度を測定
した。すなわち、超微粒子表面に対するポリイミド分子
吸着度が良好であれば、良好に分散することが可能とな
る。このようなポリイミド分子吸着度の測定方法として
は、FTIR拡散反射測定で吸着ポリイミド分子鎖の赤
外吸収を測定する方法が挙げられる。すなわち、各超微
粒子単体とポリイミドを吸着させた超微粒子のバンドの
差スペクトルを測定し、ポリイミドのみのスペクトルと
比較した。結果を表9に示す。ただし、炭素超微粒子に
ついてはS/N比が良好でなく、測定が不可能であっ
た。なお、負数は低波数側へのシフトを示す。
【0079】
【表9】
【0080】表9の結果を見てわかるように、超微粒子
にポリイミド分子を吸着させると、ポリイミド単体と比
較して幾つかのバンドにおいて波数がシフトしているこ
とがわかる。特に低波数側へのシフトは、通常、そのバ
ンドに帰属される分子振動に関して相互作用が強まって
いることを示している。
にポリイミド分子を吸着させると、ポリイミド単体と比
較して幾つかのバンドにおいて波数がシフトしているこ
とがわかる。特に低波数側へのシフトは、通常、そのバ
ンドに帰属される分子振動に関して相互作用が強まって
いることを示している。
【0081】ポリイミドのイミド環のカルボニル基に帰
属される1723cm-1においても低波数側へのシフト
が見られた。そこで、1723cm-1における各超微粒
子の複屈折量と波数シフトの関係を図22に示す。図2
2を見てわかるように、低波数側へのシフトが大きくな
るほど複屈折量も大きくなっており、これは超微粒子と
ポリイミド分子間の相互作用が高まっているためと推察
される。なお、複屈折量が良好な値を示す二酸化チタ
ン,酸化亜鉛においては10cm-1以上の低波数側への
シフトが見られた。
属される1723cm-1においても低波数側へのシフト
が見られた。そこで、1723cm-1における各超微粒
子の複屈折量と波数シフトの関係を図22に示す。図2
2を見てわかるように、低波数側へのシフトが大きくな
るほど複屈折量も大きくなっており、これは超微粒子と
ポリイミド分子間の相互作用が高まっているためと推察
される。なお、複屈折量が良好な値を示す二酸化チタ
ン,酸化亜鉛においては10cm-1以上の低波数側への
シフトが見られた。
【0082】従って、良好な複屈折量を有する、すなわ
ち配向性の良好な超微粒子含有配向膜においては、超微
粒子とポリイミド分子間の相互作用が強く、ポリイミド
のイミド環のカルボニル基に帰属される赤外吸収スペク
トルにおいて、10cm-1以上低波数側へシフトするこ
とが確認された。
ち配向性の良好な超微粒子含有配向膜においては、超微
粒子とポリイミド分子間の相互作用が強く、ポリイミド
のイミド環のカルボニル基に帰属される赤外吸収スペク
トルにおいて、10cm-1以上低波数側へシフトするこ
とが確認された。
【0083】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明においては、ポリイミド系薄膜からなる液晶表示素子
用配向膜において、該ポリイミド系配向膜が、粒径10
00nm以下の超微粒子を含むため、上記ポリイミド系
配向膜の複屈折量を高くし、またその遅相軸方向の偏差
を小さくすることが可能となり、高い光学異方性を得る
ことができ、液晶分子の配向性を高めることができる。
明においては、ポリイミド系薄膜からなる液晶表示素子
用配向膜において、該ポリイミド系配向膜が、粒径10
00nm以下の超微粒子を含むため、上記ポリイミド系
配向膜の複屈折量を高くし、またその遅相軸方向の偏差
を小さくすることが可能となり、高い光学異方性を得る
ことができ、液晶分子の配向性を高めることができる。
【0084】また、本発明の液晶表示素子用配向膜にお
いては、複素屈折量が1nm以上の光学的異方性を示す
ため、液晶分子の配向性を更に高めることができる。
いては、複素屈折量が1nm以上の光学的異方性を示す
ため、液晶分子の配向性を更に高めることができる。
【0085】さらに本発明の液晶表示素子用配向膜にお
いては、含まれる超微粒子が、超微粒子表面にポリイミ
ド分子を吸着させることにより、ポリイミド分子のイミ
ド環のカルボニル基に帰属される赤外吸収スペクトルを
ポリイミド単体に比べて10 -1cm低波数側にシフトさ
せることのできる超微粒子であるため、より効果的に上
記ポリイミド系配向膜の複屈折量を高くし、またその遅
相軸方向の偏差を小さくすることが可能となり、高い光
学異方性を得ることができ、液晶分子の配向性をより高
めることができる。
いては、含まれる超微粒子が、超微粒子表面にポリイミ
ド分子を吸着させることにより、ポリイミド分子のイミ
ド環のカルボニル基に帰属される赤外吸収スペクトルを
ポリイミド単体に比べて10 -1cm低波数側にシフトさ
せることのできる超微粒子であるため、より効果的に上
記ポリイミド系配向膜の複屈折量を高くし、またその遅
相軸方向の偏差を小さくすることが可能となり、高い光
学異方性を得ることができ、液晶分子の配向性をより高
めることができる。
【0086】また、本発明の液晶表示素子用配向膜の製
造方法においては、粒径1000nm以下の超微粒子を
含有するポリアミド酸溶液を、透明電極を有する基板面
にスピンコートし、次いで熱処理することによりポリイ
ミド膜を形成し、そのポリイミド膜に対してラビング処
理を施すため、高い光学異方性を有する液晶表示素子用
配向膜を簡便な方法で得ることができ、その工業的価値
は非常に高い。
造方法においては、粒径1000nm以下の超微粒子を
含有するポリアミド酸溶液を、透明電極を有する基板面
にスピンコートし、次いで熱処理することによりポリイ
ミド膜を形成し、そのポリイミド膜に対してラビング処
理を施すため、高い光学異方性を有する液晶表示素子用
配向膜を簡便な方法で得ることができ、その工業的価値
は非常に高い。
【0087】さらに、本発明の液晶表示素子において
は、上記液晶表示素子用配向膜を有するため、強誘電性
液晶デバイスにおいても連続階調性を得ることが可能と
なり、その工業的価値は非常に高い。
は、上記液晶表示素子用配向膜を有するため、強誘電性
液晶デバイスにおいても連続階調性を得ることが可能と
なり、その工業的価値は非常に高い。
【図1】実施例で作成した、ガラス基板上に形成した配
向膜を示す断面図及び斜視図である。
向膜を示す断面図及び斜視図である。
【図2】ラビング処理装置の概略模式図である。
【図3】テストセルに施した電界処理の波形図である。
【図4】テストセルのコントラスト測定時の駆動波形図
である。
である。
【図5】コンタラスト測定に用いた装置の概略模式図で
ある。
ある。
【図6】実施例のテストセルの印加電圧Vsとコントラ
スト値との関係図である。
スト値との関係図である。
【図7】比較例のテストセルの印加電圧Vsとコントラ
スト値との関係図である。
スト値との関係図である。
【図8】比較例のテストセルの印加電圧Vsとコントラ
スト値との関係図である。
スト値との関係図である。
【図9】比較例のテストセルの印加電圧Vsとコントラ
スト値との関係図である。
スト値との関係図である。
【図10】実施例と比較例のテストセルのラビング回数
と複屈折量との関係図である。
と複屈折量との関係図である。
【図11】実施例と比較例のテストセルのラビング回数
と遅相軸方向の偏差との関係図である。
と遅相軸方向の偏差との関係図である。
【図12】弗化カルシウムのラビング処理方向とれに直
交する方向を示す模式図である。
交する方向を示す模式図である。
【図13】実施例と比較例の各吸収バンドにおける赤外
二色比を示す図である。
二色比を示す図である。
【図14】実施例と比較例の1241cm-1付近の赤外
二色比を示す図である。
二色比を示す図である。
【図15】実施例と比較例の1376cm-1付近の赤外
二色比を示す図である。
二色比を示す図である。
【図16】実施例と比較例の1500cm-1付近の赤外
二色比を示す図である。
二色比を示す図である。
【図17】実施例と比較例の1597cm-1付近の赤外
二色比を示す図である。
二色比を示す図である。
【図18】実施例と比較例の1723cm-1付近の赤外
二色比を示す図である。
二色比を示す図である。
【図19】実施例と比較例の1355cm-1付近の赤外
二色比を示す図である。
二色比を示す図である。
【図20】実施例と比較例の1510cm-1付近の赤外
二色比を示す図である。
二色比を示す図である。
【図21】実施例と比較例の1693cm-1付近の赤外
二色比を示す図である。
二色比を示す図である。
【図22】実施例で用いた各超微粒子の複屈折量と波数
シフトの関係を示す図である。
シフトの関係を示す図である。
【図23】液晶表示素子の断面図である。
1・・・・・・ガラス基板 2・・・・・・ITO 3・・・・・・ポリイミド系薄膜 4・・・・・・ラビング処理の方向 121・・・・ガラス基板 122・・・・透明導電膜 124・・・・液晶 125・・・・スペーサ
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリイミド系薄膜からなる液晶表示素子
用配向膜において、該ポリイミド系配向膜が、粒径10
00nm以下の超微粒子を含むことを特徴とする液晶表
示素子用配向膜。 - 【請求項2】 複屈折量が1nm以上の光学的異方性を
示す請求項1記載の液晶表示素子用配向膜。 - 【請求項3】 超微粒子が、表面にポリイミド分子を吸
着させたときにポリイミド分子のイミド環のカルボニル
基に帰属される赤外吸収ピークをポリイミド単体のそれ
に比べて10-1cm以上低波数側にシフトさせる超微粒
子であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子
用配向膜。 - 【請求項4】 粒径1000nm以下の超微粒子を含有
するポリアミド酸溶液を、透明電極を有する基板面にス
ピンコートし、次いで熱処理することによりポリイミド
膜を形成し、そのポリイミド膜に対してラビング処理を
施すことを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用配
向膜の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の液晶表示素子用配向膜を
有することを特徴とする液晶表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6834893A JPH06180455A (ja) | 1992-10-13 | 1993-03-26 | 液晶表示素子用配向膜及びその製造方法、並びにこれを用いた液晶表示素子 |
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Family Applications (1)
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-
1993
- 1993-03-26 JP JP6834893A patent/JPH06180455A/ja active Pending
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