JPH06180254A - 分光光度計 - Google Patents

分光光度計

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JPH06180254A
JPH06180254A JP33457492A JP33457492A JPH06180254A JP H06180254 A JPH06180254 A JP H06180254A JP 33457492 A JP33457492 A JP 33457492A JP 33457492 A JP33457492 A JP 33457492A JP H06180254 A JPH06180254 A JP H06180254A
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Japan
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light
spectral
dimensional array
image
spectrophotometer
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Application number
JP33457492A
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English (en)
Inventor
Shigeru Matsui
松井  繁
Naomi Iwamura
直美 岩村
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】一次元アレイ形光検出器を用いて所望の波長範
囲のスペクトルを同時に測定する分光光度計において、
波長分解能を損なわずに検出素子の受光面積を有効に利
用してスペクトルを測定することができ、各検出素子間
での感度のバラツキが防止でき、かつ一次元アレイ形検
出器の寿命の向上が図れるようにする。 【構成】円筒レンズ2を絞り1と凹面回折格子3の間ま
たは凹面回折格子3と一次元アレイ形光検出器4の間に
配置し、一次元アレイ形光検出器4の受光面上に、垂直
方向の寸法が水平方向の寸法よりも大きなスペクトル像
を得、各検出素子の受光面の垂直方向側の部分を有効に
利用する。また、円筒レンズの代わりに垂直方向と水平
方向の曲率が異なる曲面反射鏡や、垂直方向の曲率が水
平方向の曲率よりも小さい凹面回折格子を用いたり、振
動平面鏡を利用してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分散素子と一次元アレ
イ形光検出器とを利用して所望の波長範囲のスペクトル
を同時に測定する分光光度計に関する。
【0002】
【従来の技術】分光光度計は、半導体や液晶や生物等の
被検試料に光源より光を当て、その透過光または反射光
または蛍光を、絞りを通して導入し、これを被測定光束
として回折格子やプリズムなどの分散素子を用いてスペ
クトルに分光し、シリコンフォトダイオードなどの半導
体光検出器や光電子増倍管によってそのスペクトルを分
析するものである。このような分光光度計は、例えば
「分光の基礎と方法(オーム社)」(1985年)の第438頁
に記載のように、光源、分光器(単色計)及び検出器と
から構成され、さらに分光器は入射(入口)スリット、
分散素子及び出射(出口)スリットから構成される。
【0003】この構成において、通常、入射スリットを
通過した単色光の像は検出器面上にほぼ等倍で結像す
る。また、分散素子によって分光され波長毎に異なる方
向に進行する光束のうち、出射スリットを通過した波長
成分のみが検出器で検出されるが、この被測定光束の光
量は、入射スリット位置での被測定光束の断面積が十分
大きい場合には、入射スリットの面積に比例する。しか
し、開口面積が十分確保されるように入射スリットにお
ける分光面に平行な方向(以下、水平方向という場合が
ある)の寸法を広げると波長分解能が低下するため、入
射スリットの形は一般に分光面に垂直な方向(以下、垂
直方向という場合がある)の寸法を大きく水平方向の寸
法を小さくした短冊状の開口が採用されることが多い。
【0004】上記構成の分光光度計によれば、ある特定
の波長しか測定することができないため、所望の波長範
囲のスペクトルを得るためには、分散素子を回転させて
出射スリットを通過する波長を変化させる必要があっ
た。これに対し、アプライド・スペクトロスコピー43,1
(1989年)の第27頁から第32頁(Appl. Spectroscopy 43,
1(1989)P27-P32)に記載のように、複数の検出素子を一
次元配列した一次元アレイ形光検出器を利用することに
より、所望の波長範囲のスペクトルを同時に測定するこ
とができる。この場合、前述の分光光度計において出射
スリットが置かれていた位置に一次元アレイ形光検出器
が配置され、検出器の各検出素子の開口が出射スリット
として扱われる。この分光光度計の分光器でも、前述の
分光光度計の分光器と同様に入射スリットを通過した単
色光の像がほぼ等倍で検出器の受光面上に結像し、入射
スリットとしては短冊状の開口が用いられるため、一次
元アレイ形光検出器の各検出素子の形状もこれに合わせ
て同様の短冊状のものが一般に用いられている。また、
入射スリットの垂直方向の寸法を、一次元アレイ形光検
出器の各検出素子の垂直方向の寸法より大きくしても、
その各検出素子の開口の大きさ、従って垂直方向の寸法
に制限されるため、光量は増えない。
【0005】一方、光学顕微鏡を用いて試料の拡大像を
得、その像の微小領域からの被測定光束を測定する場合
(これを顕微分光測定という場合がある)や、フロース
ルー形液体セル装置の流路に微量の液体試料を流し、こ
の液体試料に光を当て、その透過光を測定する場合に
は、一般に試料の拡大像や液体セルの出射側に被測定光
束を取り出すための領域を制限する絞りが用いられる。
この種の絞りとしては、通常、円形や正方形や縦横比率
が1に近い長方形の開口形状を有するものが使用され
る。この種の分光光度計の分光器においては、アナリテ
ィカル・ケミストリー57,9(1985年)の第1057A頁から第1
073A頁(Anal.Chem.57,9(1985)P1057A-1073A)や、特開
昭63−198867号公報に記載のように、上記のよ
うな絞りを入射スリットと兼用させていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように円形や正
方形や縦横比率が1に近い長方形の開口形状を有しかつ
入射スリットと兼用の絞りを備えた分光光度計では、絞
りの寸法が、一次元アレイ形光検出器上に結像されるス
ペクトル像の寸法と同一になっており、前述のように所
望の波長分解能を確保するために、この寸法をむやみに
大きくすることができない。従って、絞りの垂直方向の
寸法も一次元アレイ形光検出器の各検出素子の垂直方向
の寸法に比べると一般に小さくなっており、このため各
検出素子の有効な受光面のうち一部のみが測定に用いら
れていた。このように、各検出素子の受光面の一部のみ
を用いて測定を行うことは、受光面全体を有効に用いて
測定を行う場合に比べて以下のような問題点を有してい
た。
【0007】第1の問題点は、各検出素子の受光面の感
度が場所によって不均一である場合、受光面の一部のみ
を用いて受光すると各検出素子間での感度のバラツキが
大きくなり、測定されるスペクトルの信号対雑音比が劣
化するということである。
【0008】また、第2の問題点は、測定の際には検出
素子の受光面の一部のみに光を集中して当てることにな
り、同一の光量の光を受光面全体に均一にふりわけて受
光させた場合に比べて、検出素子、従って検出器の寿命
が低下するということである。特に、イメージ増強管を
場合のように、受光面上の被測定光束が照射されている
部分の寿命が受光量に応じて短くなる特性を有する機器
を一次元アレイ形光検出器の前段に設置した場合等には
顕著である。
【0009】本発明の目的は、一次元アレイ形光検出器
を用いて所望の波長範囲のスペクトルを同時に測定する
分光光度計において、波長分解能を損なうことなく検出
素子の受光面積を有効に利用してスペクトルを測定する
ことができ、これにより各検出素子間での感度のバラツ
キを防止し、かつ一次元アレイ形光検出器の寿命を向上
することができる分光光度計を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、絞りを通して導入した被測定光束
をスペクトルに分光する分散素子と、この分散素子によ
り分散された光束を受光面で受光し、受光した該スペク
トル像のうち所望の波長範囲のスペクトルを測定する一
次元アレイ形光検出器とを備える分光光度計において、
前記絞りと前記一次元アレイ形光検出器との間の光路上
に配置され、分光面にほぼ垂直な方向の寸法が分光面に
ほぼ平行な方向の寸法よりも大きいスペクトル像を前記
一次元アレイ形光検出器の受光面に形成する光学系を備
えることを特徴とする分光光度計が提供される。
【0011】ここで好ましくは、前記光学系は前記絞り
と前記分散素子との間に配置されており、前記光学系に
よる結像位置は前記光学系と前記分散素子との間にあ
る。
【0012】また、好ましくは、前記光学系は前記分散
素子と前記一次元アレイ形光検出器との間に配置され、
前記一次元アレイ形光検出器の受光面は前記光学系によ
るスペクトル像の結像位置に配置される。
【0013】また、前記光学系は、好ましくは分光面に
平行な方向にのみ曲率を有する円筒レンズ、または分光
面に垂直な方向の曲率と分光面に平行な方向の曲率とが
異なる凹面を有する曲面反射鏡である。
【0014】また、前記分散素子は、好ましくは分光面
に垂直な方向に刻線を有する凹面回折格子である。
【0015】また、好ましくは、上記のような分光光度
計において、前記分散素子は、一次元アレイ形光検出器
上のスペクトル像を分光面に平行な方向には結像状態に
させ、分光面に垂直な方向には非結像状態にさせる凹面
回折格子である。
【0016】また、前記凹面回折格子は、好ましくは分
光面に垂直な方向に刻線を有し、分光面に垂直な方向の
曲率と分光面に平行な方向の曲率とが異なる回折面を備
える。
【0017】また、好ましくは、上記のような分光光度
計において、前記分散素子へ入射する光束または前記分
散素子から出射する光束の光路を分光面に垂直な方向に
振動させる振動手段を有する。
【0018】また、好ましくは、前記絞りは光学顕微鏡
によって形成される拡大像の結像位置に配置され、前記
拡大像または試料に励起光を当てることにより発生した
蛍光の拡大像が被測定光束として導入される。
【0019】また、好ましくは、前記絞りは流路を流れ
る液体試料に光を透過させるフロースルー形液体セル装
置の出射側マスクであり、前記液体試料を透過した光が
被測定光束として導入される。
【0020】
【作用】上記のように構成した本発明においては、絞り
から一次元アレイ形光検出器に至る光路上に配置された
光学系の働きによって、分散素子で分光され一次元アレ
イ形光検出器の結像位置に形成されるスペクトル像は分
光面に垂直な方向の寸法が分光面に平行な方向の寸法よ
りも大きいものとなる。これにより、一次元アレイ形光
検出器の各検出素子の受光面上には垂直方向に拡大され
たスペクトル像が形成され、開口形状が円形や正方形や
縦横比率が1に近い長方形の絞りのように垂直方向の寸
法が一次元アレイ形光検出器の各検出素子の垂直方向の
寸法に比べて小さい場合においても、波長分解能を損な
うことなく各検出素子の受光面の垂直方向側の部分を有
効に利用することができる。従って、各検出素子間での
感度のバラツキが小さくなり、測定されるスペクトルの
信号対雑音比が良好になり、また、検出素子、従って検
出器の寿命も向上する。
【0021】上記光学系は絞りと分散素子との間に配置
されることが好ましく、これによって分光面に垂直な方
向の寸法が分光面に平行な方向の寸法よりも大きな絞り
の像が、光学系と分散素子との間の結像位置に結像され
る。この絞りの像が被測定光束として分散素子に導入さ
れ、分散素子で分光されることにより、一次元アレイ形
光検出器の各検出素子の受光面上には垂直方向に拡大さ
れたスペクトル像が形成される。これにより、上記と同
様に各検出素子の受光面の垂直方向側の部分を有効に利
用することができ、各検出素子間での感度のバラツキが
小さくなり、また、検出素子、従って検出器の寿命も向
上する。
【0022】また、上記光学系は分散素子と一次元アレ
イ形光検出器との間に配置されてもよく、この場合、分
散素子で分光されたスペクトルは、光学系の働きによっ
て、分光面に垂直な方向の寸法が分光面に平行な方向の
寸法よりも大きな像となって一次元アレイ形光検出器の
受光面上に結像する。これにより、上記と同様に各検出
素子の受光面の垂直方向側の部分を有効に利用すること
ができ、各検出素子間での感度のバラツキが小さくな
り、また、検出素子、従って検出器の寿命も向上する。
【0023】また、上記光学系を、分光面に平行な方向
にのみ曲率を有する円筒レンズとすることにより、分散
素子の分光面に垂直な方向の寸法が分光面に平行な方向
の寸法よりも大きなスペクトル像を得ることが可能とな
る。また、上記光学系を、分光面に垂直な方向の曲率と
分光面に平行な方向の曲率とが異なる凹面を有する曲面
反射鏡とするにより、分光面に平行な方向は結像状態
で、分光面に垂直な方向は非結像状態に広がったスペク
トル像を得ることが可能となる。
【0024】また、上記分散素子としては、分光面に垂
直な方向に刻線を有する凹面回折格子であることが好ま
しく、入射した光は刻線と垂直な方向に回折し、スペク
トルに分光される。
【0025】また、上記のような光学系に代えて、一次
元アレイ形光検出器上のスペクトル像を分光面に平行な
方向には結像状態にさせ、分光面に垂直な方向には非結
像状態にさせる凹面回折格子を用いることにより、前述
のような分光面に垂直な方向の寸法が分光面に平行な方
向の寸法よりも大きな像となることと同様の結果とな
り、各検出素子の受光面の垂直方向側の部分を有効に利
用することができる。これにより、各検出素子間での感
度のバラツキが小さくなり、また、検出素子、従って検
出器の寿命も向上する。このような凹面回折格子として
は、分光面に垂直な方向に刻線を有し、分光面に垂直な
方向の曲率と分光面に平行な方向の曲率とが異なるもの
が好ましい。
【0026】また、振動手段により分散素子へ入射する
光束または分散素子から出射する光束の光路を分光面に
垂直な方向に振動させることにより、一次元アレイ形光
検出器の受光面に結像するスペクトル像は水平方向の寸
法はそのままで、垂直方向の像の寸法は時間的に振動
し、結果的には垂直方向に広がる。従って、上記のよう
な光学系や凹面回折格子を用いたのと同様に各検出素子
の受光面の垂直方向側の部分を有効に利用することがで
き、各検出素子間での感度のバラツキが小さくなり、ま
た、検出素子、従って検出器の寿命も向上する。
【0027】
【実施例】本発明の第1の実施例による分光光度計につ
いて、図1から図3を参照しながら説明する。本実施例
は、光学顕微鏡を用いて試料の拡大像を得、その像の微
小領域からの被測定光束を測定する顕微分光測定に用い
る場合の実施例を示す。
【0028】図1に示すように、本実施例の分光光度計
101は、絞り1、円筒レンズ2、凹面回折格子3、一
次元アレイ形光検出器4、及び凹面回折格子4と一次元
アレイ形光検出器4を収容する分光ケース5を備え、光
学顕微鏡201と組み合わせて使用される。絞り1は、
顕微分光測定に一般的に用いられる円形や正方形や縦横
比率が1に近い長方形の開口形状のものである。円筒レ
ンズ2は、分光面に平行な方向にのみ曲率を有し、絞り
1と凹面回折格子3との間に配置されるが、その配置位
置は円筒レンズ2によって結像される絞り1の結像位置
と入射スリット位置6とが一致する位置である。また、
一次元アレイ形光検出器4は検出素子4Aが一次元配列
されることにより構成され、凹面回折格子3によって回
折したスペクトル像がその受光面上に結像する位置に配
置される。一方、光学顕微鏡200は、光源201、集
光レンズ202、対物レンズ203、その他の光学系を
備えた光学顕微鏡本体204を備える。
【0029】図2に示すように、入射光の光軸をX軸と
し、このX軸に直交しかつ分光面内に含まれる軸をY軸
とし、これらX軸とYとの両軸に直交する軸をZ軸とす
ると(以下、X軸及びY軸を含む面を水平方向面、X軸
及びZ軸を含む面を垂直方向面という)、凹面回折格子
3は、水平方向面及び垂直方向面の曲率が同一である回
折面を有し、かつ回折面にはZ軸方向に延びる刻線3A
を有する。刻線3Aの幅は光の波長程度、即ち数100
nm程度である。そして、凹面回折格子3に入射した入
射光は、刻線3Aにより回折して各々の波長のスペクト
ルに分光され、出射光となって一次元アレイ形光検出器
4の各検出素子4Aの受光面に受光される。また、一次
元アレイ形光検出器4の各検出素子4A(図1参照)は
分光面に平行な方向に一次元配列される。
【0030】図1に戻り、上記のような構成において、
光学顕微鏡200の光源201から出た白色光は集光レ
ンズ202により集光され、試料210に照射される。
試料210を透過した光は対物レンズ203で集められ
拡大され、光学顕微鏡本体204内の光学系を経て試料
の拡大像を形成する。分光光度計101の絞り1は、こ
の試料の拡大像の結像位置に設置されており、試料の拡
大像上における測定領域を制限する。例えば100倍の
倍率の対物レンズを用いた時に試料210上で直径1μ
mの円形の領域内におけるスペクトルを測定したい場合
には、直径0.1mmの円形開口の絞りを用いればよ
い。絞り1を通過した光は被測定光束として円筒レンズ
2を経由して凹面回折格子3に入射する。
【0031】図1の紙面に平行な面内、即ち水平方向面
における円筒レンズ2による結像効果を図3に示す。円
筒レンズ2は図3の紙面と平行な面内においてレンズ面
を有していることにより、絞り1の像は入射スリット位
置6に結像する。一方、図1の凹面回折格子3への入射
光の光路を含む紙面に垂直な面内、即ち垂直方向面の結
像効果を示す図4によれば、円筒レンズ2は垂直方向面
においては曲率が0であるのでレンズとしての作用をな
さず、絞り1の像の結像位置である入射スリット位置6
においては水平方向よりも大きな寸法の像が得られる。
このようにして図1の入射スリット位置6には、垂直方
向の寸法が水平方向の寸法よりも大きく拡大された絞り
1の像が得られる。この入射スリット位置6の像は入射
スリット位置6に絞り1を直接置いたのと同様の結果を
与えるが、円筒レンズ2により水平方向よりも大きな寸
法の像が得られるという点で異なっている。
【0032】上記入射スリット位置6における絞り1の
像が被測定光束として分光ケース5に導入され、凹面回
折格子3に入射する。凹面回折格子3は、入射スリット
位置6の像に基づく被測定光束を回折させ、分光したス
ペクトル像を一次元アレイ形光検出器4の受光面上に結
像させる。但し、凹面回折格子3は、水平方向面及び垂
直方向面の曲率が同一であるので、入射スリット位置6
の像の水平方向及び垂直方向の寸法比率を変更すること
なくそのまま一次元アレイ形光検出器4の受光面上に結
像させる。従って、一次元アレイ形光検出器4の受光面
上には、垂直方向の寸法が水平方向の寸法よりも大きく
拡大された絞り1の像に基づくスペクトル像、即ち垂直
方向の寸法が水平方向の寸法よりも大きく拡大されたス
ペクトル像が得られる。これにより、各検出素子の受光
面の垂直方向側の部分を有効に利用することができる。
これは、円筒レンズ2を使用することにより得られた結
果であって、逆に、円筒レンズ7を使用せずに絞り1を
入射スリット位置6に直接置いただけの場合には、一次
元アレイ形光検出器4の受光面上には水平方向の寸法も
垂直方向の寸法も元の絞りの寸法のままのスペクトル像
が得られることになる。
【0033】以上のように本実施例によれば、絞り1と
凹面回折格子3との間に円筒レンズ2を配置したので、
開口形状が円形や正方形や縦横比率が1に近い長方形の
絞りのように、垂直方向の寸法が一次元アレイ形光検出
器の各検出素子の垂直方向の寸法に比べて小さい絞りを
使用した場合においても、垂直方向の寸法が水平方向の
寸法よりも大きな像が入射スリット位置6に結像され
る。そして、スリット位置6からの光束が被測定光束と
して凹面回折格子3で分光され、一次元アレイ形光検出
器4の受光面上に垂直方向に拡大されたスペクトル像が
形成される。これにより、波長分解能を損なうことなく
各検出素子4Aの受光面の垂直方向側の部分を有効に利
用して、各検出素子4A間での感度のバラツキを防止す
ることができる。また、これにより、検出素子4A、従
って一次元アレイ形光検出器4の寿命を向上させること
ができる。
【0034】次に、本発明による分光光度系の第2の実
施例について、図5を参照しながら説明する。本実施例
においては、第1の実施例のように円筒レンズ2が絞り
1と凹面回折格子3との間に設置されるのではなく、図
5に示すように円筒レンズ2aが凹面回折格子3と一次
元アレイ形光検出器4との間に設置される。また、絞り
1は入射スリット位置6に配置され、一次元アレイ形光
検出器4はその受光面が円筒レンズ2aによるスペクト
ル像の結像位置になるように配置される。これ以外の構
成は第1の実施例と同様である。
【0035】上記のような構成において、第1の実施例
と同様にして光学顕微鏡200によって拡大された試料
の拡大像はその結像位置に設置された分光光度計101
aの絞り1で測定領域が制限され、分光ケース5内の凹
面回折格子3に入射する。この絞り1は入射スリット位
置6に配置され入射スリットを兼ねる。凹面回折格子3
で分光されたスペクトルは、円筒レンズ2aに入射し、
その働きによって一次元アレイ形光検出器4の受光面上
には垂直方向の寸法が水平方向の寸法よりも大きく拡大
されたスペクトル像が得られる。これにより、検各検出
素子4Aの受光面の垂直方向側の部分を有効に利用する
ことができる。
【0036】以上のように本実施例によれば、凹面回折
格子3と一次元アレイ形光検出器4との間に円筒レンズ
2aを配置するので、第1の実施例と同様に一次元アレ
イ形光検出器4の受光面上に垂直方向に拡大されたスペ
クトル像が形成される。これにより、波長分解能を損な
うことなく各検出素子4Aの受光面の垂直方向側の部分
を有効に利用して、各検出素子4A間での感度のバラツ
キを防止することができる。また、これにより、検出素
子4A、従って一次元アレイ形光検出器4の寿命を向上
させることができる。
【0037】次に、本発明による分光光度系の第3の実
施例について、図6を参照しながら説明する。本実施例
においては、第1及び第2の実施例のように円筒レンズ
が光路上に設置されるのとは異なり、曲面反射鏡が光路
上に設置される。曲面反射鏡7は垂直方向面の曲率が水
平方向面の曲率よりも小さい凹面を有する反射鏡、つま
りトロイダル鏡である。この曲面反射鏡は、絞り1と凹
面回折格子3との間に配置されるが、その配置位置は円
筒レンズ2によって結像される絞り1の結像位置と入射
スリット位置6とが一致する位置である。また本実施例
では、光学顕微鏡200から発する被測定光束は凹面を
有する曲面反射鏡7で曲げられて凹面回折格子3に入射
するため、光学顕微鏡200bから出射する光路と分光
光度計101bに入射する光路とは方向が異なってい
る。さらに、光学顕微鏡200bにおいて、光源201
からの白色光は集光レンズではなく集光鏡205によっ
て試料210に集光される構成となっている。これ以外
の構成は第1の実施例と同様である。
【0038】上記のような構成において、曲面反射鏡7
は図1の円筒レンズ2と同様の働きをする。即ち、曲面
反射鏡7の曲率は垂直方向が水平方向よりも小さいため
に、入射スリット位置6には、水平方向には結像し垂直
方向にはピント外しの状態になった絞り1の像が得られ
る。そして、第1の実施例と同様に、上記入射スリット
位置6における絞り1の像が、被測定光束として分光ケ
ース5に導入され、凹面回折格子3によって回折され、
一次元アレイ形光検出器4の受光面上に結像される。こ
のスペクトル像は、水平方向は結像状態で垂直方向は非
結像状態(ピント外しの状態)の絞り1の像に基づくス
ペクトル像である。これは、各検出素子4Aの受光面上
の垂直方向の寸法が水平方向の寸法よりも大きい像とな
ったことと同様の結果となり、各検出素子の受光面の垂
直方向側の部分を有効に利用することができる。
【0039】本実施例は、曲面反射鏡7を利用するの
で、ガラス等の光学材料を十分に透過しないような赤外
光領域の光を測定する場合などに特に有効である。ま
た、上記では垂直方向面の曲率が水平方向面の曲率より
も小さい凹面を有する曲面反射鏡を用いたが、水平方向
面の曲率は上記曲面反射鏡7と同一とし、垂直方向面の
曲率が水平方向面の曲率よりも大きい凹面を有する曲面
反射鏡を用いても、水平方向には結像し垂直方向にはピ
ント外しの状態になったスペクトル像を得ることがで
き、同様の結果が得られる。さらに、曲面反射鏡7を上
記のように絞り1と凹面回折格子3との間に配置するの
ではなく、凹面回折格子3と一次元アレイ形光検出器と
の間に配置してもよい。
【0040】以上のように本実施例によれば、絞り1と
凹面回折格子3との間に配置された曲面反射鏡7によっ
て、水平方向は結像状態で垂直方向は非結像状態の絞り
1の像が入射スリット位置6に得られるので、これが第
1の実施例と同様に分光され、一次元アレイ形光検出器
4の受光面上には垂直方向は結像状態で垂直方向は非結
像状態のスペクトル像が形成される。これにより、一次
元アレイ形光検出器4の受光面の垂直方向の側の部分を
有効に利用して、垂直方向に拡大されたスペクトル像が
形成される第1及び第2の実施例と同様の効果が得られ
る。また、ガラス等の光学材料を使用できないような赤
外光領域の光を測定する場合には特に有効である。
【0041】次に、本発明による分光光度系の第4の実
施例について、図7から図10を参照しながら説明す
る。本実施例においては、前述の3つの実施例のように
円筒レンズや曲面反射鏡を用いるのではなく、垂直方向
面の曲率が水平方向面の曲率よりも小さい凹面回折格子
を用いる。図7において、凹面回折格子3cは、前述の
3つの実施例のように、水平方向面及び垂直方向面の曲
率が同一である回折面を有するものとは異なり、垂直方
向面の曲率が水平方向面の曲率よりも小さい回折面を有
する。また、分光光度計101cにおいては、前述の3
つの実施例のような円筒レンズや曲面反射鏡は備えられ
ていない。さらに、絞り1は入射スリット位置6に配置
され、一次元アレイ形光検出器4は凹面回折格子3cで
分光されたスペクトル像の分光面内における結像位置に
配置される。これ以外の構成は第1及び第2の実施例と
同様である。
【0042】図7の紙面に平行な面内、即ち水平方向面
における凹面回折格子3cの結像効果を図8に示す。こ
の面内では絞り1からの被測定光束は凹面回折格子3c
よってスペクトルに分光され、一次元アレイ形光検出器
4の受光面上にスペクトル像として結像する。一方、図
7の凹面回折格子3cで分光されたスペクトルのうちの
1本の光路を含む紙面に垂直な面内、即ち垂直方向面で
見た結像効果を図9に示す。但し、凹面回折格子3cへ
の入射光(被測定光束)は紙面上には表せないので想像
線(2点鎖線)により模式的に描いてある。図9によれ
ば、回折面の垂直方向面の曲率が水平方向面の曲率より
も小さいので、一次元アレイ形光検出器4の受光面上の
垂直方向のスペクトル像は像を結ぶ前の非結像状態、つ
まりピント外しのぼけた状態になり、水平方向の寸法よ
り大きくなる。つまり、各検出素子4Aの受光面上の垂
直方向の光の当たる範囲が水平方向よりも大きくなるの
で、第1から第3の実施例の場合、即ち各検出素子4A
の受光面上の垂直方向の寸法が水平方向の寸法よりも大
きい像となったことと同様の結果となり、検各検出素子
4の受光面の垂直方向側の部分を有効に利用することが
できる。
【0043】尚、上記においては、垂直方向面の曲率が
水平方向面の曲率よりも小さい回折面を有する凹面回折
格子を用いたが、水平方向面の曲率は上記回折格子3c
と同一とし、垂直方向面の曲率が水平方向面の曲率より
も大きい回折面を有する凹面回折格子3zを用い、一次
元アレイ形光検出器上のスペクトル像を分光面に平行な
方向には図8のように結像させ、分光面に垂直な方向に
は図10のように一旦像を結んでからピント外しのぼけ
た状態になるようにしてもよい。
【0044】以上のように本実施例によれば、水平方向
面の曲率と垂直方向面の曲率とが異なる回折面を有する
凹面回折格子3cを用いるので、一次元アレイ形光検出
器4の受光面上の垂直方向のスペクトル像は非結像状態
になり、水平方向の寸法より大きくなる。これにより、
前述の3つの実施例と同様に、波長分解能を損なうこと
なく各検出素子4Aの受光面の垂直方向側の部分を有効
に利用して、各検出素子4A間での感度のバラツキを防
止することができる。また、これにより、検出素子4
A、従って一次元アレイ形光検出器4の寿命を向上させ
ることができる。
【0045】次に、本発明による分光光度系の第5の実
施例について、図11を参照しながら説明する。図11
は、凹面回折格子の刻線に平行でかつ凹面回折格子で分
光されたスペクトルのうちの1本の光路を含む面、つま
り垂直方向面で見た図である。但し、凹面回折格子3d
への入射光(被測定光束)は紙面上には表せないので想
像線(2点鎖線)により模式的に描いてある。本実施例
においては、前述の実施例のように円筒レンズや曲面反
射鏡を用いるのではなく、また、凹面回折格子としては
垂直方向面の曲率が水平方向面の曲率よりも小さい回折
面を有するものではなく、水平方向面及び垂直方向面の
曲率が同一な回折面を有する凹面回折格子3dを用い
る。即ち、本実施例で用いられる光学系及び凹面回折格
子は像そのものの形を変えるものではない。
【0046】本実施例では、凹面回折格子3dで分光さ
れたスペクトルを垂直方向、即ち刻線と平行な方向に振
動させる振動手段としての振動平面鏡8をさらに設け
る。上記構成においては、一次元アレイ形光検出器4は
凹面回折格子3dによって回折したスペクトルが振動平
面鏡8で反射され、その反射したスペクトル像がその受
光面上に結像する位置に配置される。このため、凹面回
折格子3dからのスペクトルの光路は振動平面鏡8によ
って変えられる。これ以外の構成は前述の第1から第4
の実施例と同様である。
【0047】図11に示すように、凹面回折格子3dに
よって分光されたスペクトルは振動平面鏡8によって反
射され、一次元アレイ形光検出器4の受光面上に結像す
る。この時、振動平面鏡8を凹面回折格子3dの刻線に
沿って往復回動、つまり振動させることにより、凹面回
折格子3dで分光された光束の光路がこの方向に振動
し、一次元アレイ形光検出器4の受光面上に結像するス
ペクトル像は水平方向はそのままで、垂直方向には時間
的に振動する。従って、得られるスペクトル像は結果的
に垂直方向に広がったものとなり、検各検出素子の受光
面の垂直方向側の部分を有効に利用することができる。
【0048】以上のように本実施例によれば、凹面回折
格子3dで分光された光束の光路を垂直方向、即ち刻線
と平行な方向に振動させる振動手段としての振動平面鏡
8を用いるので、一次元アレイ形光検出器4の受光面上
のスペクトル像は水平方向はそのままで垂直方向に広が
ったものとなる。これにより、前述の4つの実施例と同
様に、波長分解能を損なうことなく各検出素子4Aの受
光面の垂直方向側の部分を有効に利用して、各検出素子
4A間での感度のバラツキを防止することができる。ま
た、これにより、検出素子4A、従って一次元アレイ形
光検出器4の寿命を向上させることができる。
【0049】次に、本発明による分光光度系の第6の実
施例について、図12を参照しながら説明する。本実施
例は、試料の蛍光スペクトルを顕微分光測定する顕微分
光光度計に応用したものである。顕微鏡下での蛍光分析
においては試料から発生する蛍光量が微弱であるため、
本実施例の分光光度計101eにおいては、これまでの
一次元アレイ形光検出器とは異なり、図12に示すよう
にシリコンフォトダイオードアレイ9Aの前にイメージ
増強管9Bを配置して構成してある。そして、検出すべ
きスペクトル像の強度分布をイメージ増強管9Bで増倍
した後にシリコンフォトダイオードアレイ9Aで検出す
る一次元アレイ形光検出器9を設置する。これ以外の分
光光度計の構成は図1に示した第1の実施例のものと同
様である。
【0050】一方、光学顕微鏡200eは、励起光発生
光源206、半透鏡207、対物レンズ208、半透鏡
207及びその他の光学系を備えた光学顕微鏡本体20
9を備える。
【0051】上記のような構成において、励起光発生光
源206から出た励起光は半透鏡207で反射され、対
物レンズ208を通って試料211に照射される。そし
て試料211が励起されることにより発生した蛍光は再
び対物レンズ208で集められ拡大され、光学顕微鏡本
体209内の半透鏡207を通過して試料の蛍光に基づ
く拡大像を形成する。この後は、第1の実施例と同様に
して、試料の拡大像上における測定領域が分光光度計1
01eの絞り1によって制限され、絞り1を通過した光
が被測定光束として円筒レンズ2を経由して凹面回折格
子3に入射し、凹面回折格子3によって回折し、一次元
アレイ形光検出器9のイメージ増強管9B上に結像す
る。
【0052】従って、一次元アレイ形光検出器9の受光
面上には、垂直方向の寸法が水平方向の寸法よりも大き
く拡大されたスペクトル像が得られる。これにより、各
検出素子の受光面の垂直方向側の部分を有効に利用する
ことができる。
【0053】即ち、同一の光量の光が一次元アレイ形光
検出器9の受光面上のより広い面積に照射されるため、
受光面上での光の当たる場所の照度を下げることができ
る。特に、イメージ増強管は一般に受光面に入射する光
の照度が大きいほど消耗の進行が速まり寿命が低下する
ため、受光面上の狭い面積に光を集中させて照射する従
来の方式に比べ、受光面積の広い範囲の部分を有効に利
用して、一次元アレイ形光検出器9の寿命を向上するこ
とができる。
【0054】また、図12において、上記のように、円
筒レンズ2を絞り1と凹面回折格子3との間に配置する
のではなく、第2の実施例のように凹面回折格子3と一
次元アレイ形光検出器9との間に配置したり、第3の実
施例のように円筒レンズの代わりに曲面反射鏡7を用い
たり、円筒レンズや曲面反射鏡の代わりに第4の実施例
のように特殊な凹面回折格子3cを用いたり、第5の実
施例のように振動平面鏡8を用いてもよい。
【0055】以上のように本実施例によれば、励起光に
より試料から発生する微弱な蛍光のスペクトルを顕微分
光測定する場合にも、前述の5つの実施例と同様の効果
が得られる。また、イメージ増強管の受光面の照度を低
下させ、一次元アレイ形光検出器9の寿命を向上するこ
とができる。
【0056】次に、本発明による分光光度系の第7の実
施例について、図13を参照しながら説明する。本実施
例は、フロースルー形液体セル装置の流路に微量の液体
試料を流し、この液体試料に光を当て、その透過光を測
定する場合に応用したものである。顕微分光光度計に応
用したものである。図13において、分光光度計101
fは第1の実施例と同様の構成を有する。一方、フロー
スルー形液体セル装置300は、光源301、集光レン
ズ302、フロースルー形液体セル303、入射側マス
ク304、出射側マスク305を備える。フロースルー
形液体セル303で囲まれた液体試料が流れる流路30
6の光路に直交する断面は円形をしており、入射側マス
ク304及び出射側マスク305はこの流路306以外
の部分に光が通らないようにその断面形状に合わせたマ
スクとしてフロースルー形液体セル303の光の入射面
307および出射面308に設置される。また、出射側
マスク305は分光光度計101eの絞り1を兼ねてい
る。
【0057】上記のような構成において、光源301か
ら出た光は集光レンズ302により集光され入射側マス
ク304よりフロースルー形液体セル303で囲まれた
流路306内を流れる液体試料に照射される。306内
の液体試料に照射された光はこれを透過し、絞り1を兼
ねた出射側マスク305より出る。この後は、第1の実
施例と同様にして、絞り1を通過した光が被測定光束と
して円筒レンズ2を経由して凹面回折格子3に入射し、
凹面回折格子3によって回折し、一次元アレイ形光検出
器4の受光面上に結像する。
【0058】従って、一次元アレイ形光検出器4の受光
面上には、垂直方向の寸法が水平方向の寸法よりも大き
く拡大された流体試料の透過光に基づくスペクトル像、
が得られる。これにより、各検出素子の受光面の垂直方
向側の部分を有効に利用することができる。
【0059】また、本実施例においても、円筒レンズ2
を絞り1と凹面回折格子3との間に配置するのではな
く、凹面回折格子3と一次元アレイ形光検出器4との間
に配置したり、円筒レンズの代わりに曲面反射鏡7を用
いたり、円筒レンズや曲面反射鏡の代わりに特殊な凹面
回折格子3cを用いたり、振動平面鏡8を用いてもよ
い。
【0060】以上のように本実施例によれば、分光光度
計101fとフロースルー形液体セル装置とを組み合わ
せるので、液体試料の透過光のスペクトルを測定する場
合にも、第1から第5の実施例と同様の効果が得られ
る。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、絞りから一次元アレイ
形光検出器に至る光路上に配置された円筒レンズまたは
曲面反射鏡等の光学系により、分光面に垂直な方向の寸
法が分光面に平行な方向の寸法よりも大きなスペクトル
像を一次元アレイ形光検出器に形成させるので、波長分
解能を損なうことなく各検出素子の受光面の分光面に垂
直な方向の部分を有効に利用することができる。従っ
て、各検出素子間での感度のバラツキを防止し、かつ一
次元アレイ形光検出器の寿命を向上することができる。
【0062】また、例えば分光面に垂直な方向の曲率と
分光面に平行な方向の曲率とが異なる曲面回折格子によ
って、スペクトル像を分光面に平行な方向は結像状態に
させ、分光面に垂直な方向は非結像状態にさせるので、
上記と同様の結果が得られる。
【0063】また、振動手段によって光路を分光面に垂
直な方向に振動させるので、垂直方向に時間的に振動
し、この方向に拡大したスペクトル像が得られ、上記と
同様の結果が得られる。
【0064】また、試料から発生する蛍光のスペクトル
を顕微分光測定する場合にも上記と同様の効果が得ら
れ、さらに、一次元アレイ形光検出器に取り付けられる
イメージ増強管の寿命を向上することができる。
【0065】また、フロースルー形液体セルの流路を流
れる液体試料の透過光のスペクトルを測定する場合にも
上記と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による分光光度計の第1の実施例を示す
図である。
【図2】図1の凹面回折格子の形状を説明する図であ
る。
【図3】図1の紙面に平行な面内における円筒レンズの
結像効果を示す図である。
【図4】図1の凹面回折格子への入射光の光路を含む紙
面に垂直な面内における円筒レンズの結像効果を示す図
である。
【図5】本発明による分光光度計の第2の実施例を示す
図である。
【図6】本発明による分光光度計の第3の実施例を示す
図である。
【図7】本発明による分光光度計の第4の実施例を示す
図である。
【図8】図7の紙面に平行な面内における凹面回折格子
の結像効果を示す図である。
【図9】図7のスペクトルのうちの1本の光路を含む紙
面に垂直な面内における凹面回折格子の結像効果を示す
図である。
【図10】図7から図9の実施例の変形例を示す図であ
って、図9に相当する図である。
【図11】本発明による分光光度計の第5の実施例を示
す図である。
【図12】本発明による分光光度計の第6の実施例を示
す図である。
【図13】本発明による分光光度計の第7の実施例を示
す図である。
【符号の説明】
1 絞り 2,2a 円筒レンズ 3,3c,3d 凹面回折格子 4 一次元アレイ形光検出器 4A 検出素子 7 曲面反射鏡(トロイダル鏡) 8 振動平面鏡 9 一次元アレイ形光検出器 9A シリコンフォトダイオードアレイ 9B イメージ増強管 101,101a,101b,101c,101e,1
01f 分光光度計 200,200b 光学顕微鏡 201 光源 202 集光レンズ 203 対物レンズ 204 光学顕微鏡本体 205 集光鏡 206 励起光発生光源 207 半透鏡 208 対物レンズ 209 光学顕微鏡本体 210,211 試料 300 フロースルー形液体セル装置 301 光源 302 集光レンズ 303 フロースルー形液体セル 304 入射側マスク 305 出射側マスク 306 流路

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絞りを通して導入した被測定光束をスペ
    クトルに分光する分散素子と、この分散素子により分散
    された光束を受光面で受光し、受光した該スペクトル像
    のうち所望の波長範囲のスペクトルを測定する一次元ア
    レイ形光検出器とを備える分光光度計において、前記絞
    りと前記一次元アレイ形光検出器との間の光路上に配置
    され、分光面にほぼ垂直な方向の寸法が分光面にほぼ平
    行な方向の寸法よりも大きいスペクトル像を前記一次元
    アレイ形光検出器の受光面に形成する光学系を備えるこ
    とを特徴とする分光光度計。
  2. 【請求項2】 前記光学系は前記絞りと前記分散素子と
    の間に配置されており、前記光学系による結像位置は前
    記光学系と前記分散素子との間にあることを特徴とする
    請求項1記載の分光光度計。
  3. 【請求項3】 前記光学系は前記分散素子と前記一次元
    アレイ形光検出器との間に配置され、前記一次元アレイ
    形光検出器の受光面は前記光学系によるスペクトル像の
    結像位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の
    分光光度計。
  4. 【請求項4】 前記光学系は、分光面に平行な方向にの
    み曲率を有する円筒レンズであることを特徴とする請求
    項1から3のうちいずれか1項記載の分光光度計。
  5. 【請求項5】 前記光学系は、分光面に垂直な方向の曲
    率と分光面に平行な方向の曲率とが異なる凹面を有する
    曲面反射鏡であることを特徴とする請求項1から3のう
    ちいずれか1項記載の分光光度計。
  6. 【請求項6】 前記分散素子は、分光面に垂直な方向に
    刻線を有する凹面回折格子であることを特徴とする請求
    項1から5のうちいずれか1項記載の分光光度計。
  7. 【請求項7】 絞りを通して導入した被測定光束をスペ
    クトルに分光する分散素子と、この分散素子により分散
    された光束を受光面で受光し、受光した該スペクトル像
    のうち所望の波長範囲のスペクトルを測定する一次元ア
    レイ形光検出器とを備える分光光度計において、前記分
    散素子は、一次元アレイ形光検出器上のスペクトル像を
    分光面にほぼ平行な方向には結像状態にさせ、分光面に
    ほぼ垂直な方向には非結像状態にさせる凹面回折格子で
    あることを特徴とする分光光度計。
  8. 【請求項8】 前記凹面回折格子は、分光面に垂直な方
    向に刻線を有し、分光面に垂直な方向の曲率と分光面に
    平行な方向の曲率とが異なる回折面を備えることを特徴
    とする請求項8記載の分光光度計。
  9. 【請求項9】 絞りを通して導入した被測定光束をスペ
    クトルに分光する分散素子と、この分散素子により分散
    された光束を受光面で受光し、受光した該スペクトル像
    のうち所望の波長範囲のスペクトルを測定する一次元ア
    レイ形光検出器とを備える分光光度計において、前記分
    散素子へ入射する光束または前記分散素子から出射する
    光束の光路を分光面に垂直な方向に振動させる振動手段
    を有することを特徴とする分光光度計。
  10. 【請求項10】 前記絞りは光学顕微鏡によって形成さ
    れる拡大像の結像位置に配置され、前記拡大像が被測定
    光束として導入されることを特徴とする請求項1から9
    のうちいずれか1項記載の分光光度計。
  11. 【請求項11】 前記絞りは光学顕微鏡によって形成さ
    れる拡大像の結像位置に配置され、試料に励起光を当て
    ることにより発生した蛍光の拡大像が被測定光束として
    導入されることを特徴とする請求項1から9のうちいず
    れか1項記載の分光光度計。
  12. 【請求項12】 前記絞りは流路を流れる液体試料に光
    を透過させるフロースルー形液体セル装置の出射側マス
    クであり、前記液体試料を透過した光が被測定光束とし
    て導入されることを特徴とする請求項1から9のうちい
    ずれか1項記載の分光光度計。
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