JPH06179698A - ブタ卵透明帯pzp−3関連ペプチド - Google Patents

ブタ卵透明帯pzp−3関連ペプチド

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JPH06179698A
JPH06179698A JP4353992A JP35399292A JPH06179698A JP H06179698 A JPH06179698 A JP H06179698A JP 4353992 A JP4353992 A JP 4353992A JP 35399292 A JP35399292 A JP 35399292A JP H06179698 A JPH06179698 A JP H06179698A
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pzp
pig
egg
dna
peptide
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JP4353992A
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English (en)
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Yuichi Okazaki
祐一 岡崎
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、ブタ卵透明帯PZP−3関連ペプ
チドに関する。 【効果】 PZP−3関連ペプチドはブタを含む哺乳動
物の避妊又は不妊用のワクチン抗原として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブタ卵透明帯PZP−
3関連ペプチドに関する。
【0002】
【従来の技術】哺乳動物の卵透明帯(zona pellucida)
は、卵母細胞を取り囲む細胞外マトリックスであり、通
常、ZP−1、ZP−2、ZP−3、ZP−4等のZP
糖蛋白質から構成されている。これらのZP糖蛋白質
は、卵母細胞の成長初期段階及び卵胞の細胞分化の初期
段階で形成され、子宮壁に着床するまでの間、卵母細胞
及び胎児を保護する役割をもつ。また、精子が卵透明帯
のZP糖蛋白質に付着し、卵透明帯に侵入する受精過程
においても、これらのZP糖蛋白質は重要な機能を有し
ている。特に、ZP−3蛋白質は、受精過程において最
初に精子と結合することが知られている(Wassarman P.
M. “Z0NA PELLUCIDA GLYCOPROTEINS”Am.Rev. Bioche
m. 1988, 57:415-442)。
【0003】従って、精子が結合し得るZP糖蛋白質を
ブロックすることにより、受精を阻害し、その結果、避
妊又は不妊が可能となる(メルクの特開昭53−263
11号公報;C. A. Mahi-Brownら (1985) Biol. Repro
d. 32, 761〜772; Sacco A.G.ら (1987) Biol. Repro
d. 36: 481-490; Wood, D. M.ら (1981) Biol. Reprod.
25, 439-450 )。もし、ZP糖蛋白質を含む卵透明帯
蛋白質をワクチン抗原として雌の哺乳動物に投与する
と、該抗原に対する抗体がin vivo生成され、そ
れがブロック剤となって受精、または、卵胞の発育が阻
害される(SkinnerS. M. ら、(1984) Endocrinology 11
5:2418-2432; Mahi-Brown C. A.ら (1985)Biol Reprod
32:761-772; Sacco A. G. ら(1987) Biol Reprod 36:48
1-490 )。これらの抗原はいわゆる避妊ワクチンとして
知られ、また、このワクチンによる避妊法は、従来の避
妊法であるピル、IUD、コンドーム、リズム法、不妊
手術等による方法とは異なり免疫学的避妊法として知ら
れる。
【0004】避妊ワクチンとしては、例えば、特開昭5
3−26311号公報(メルク)に記載の可溶化透明
帯、 C. A. Mahi-Brown ら(上掲)に記載の天然ブタZ
P−3、特表平3−502571号公報(ゾナゲン)及
び S. E. Millar ら、Science246, 935〜938 (1989)
に記載の組換え透明帯ポリペプチド、合成ペプチドなど
が開示されている。さらにまた、ZP−3蛋白質をコー
ドするDNAとしては、マウス(M. J. RinguetteJら、
Dev. Biol. 127, 287〜295 (1988))及びヒト(M.E.Ch
amberlinとJ. Dean (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. US
A 87, 6014〜6018)由来のものが報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ワクチン抗原として可
溶化卵透明帯を直接使用する哺乳動物の避妊法において
は、該抗原を得るために大量の卵巣を必要とする欠点が
あり、また、卵透明帯を精製するうえで他の卵巣組織が
混在し、これが副作用の原因となる可能性を有してい
る。
【0006】これに対して、遺伝子工学技術又はペプチ
ド合成技術を用いて得られる透明帯ポリペプチドを使用
する避妊法は、該ポリペプチドを高純度で且つ安価に製
造することができる利点をもつ。しかしながら、ブタに
関しては、卵透明帯ZP−3蛋白質の一次構造は不明で
あり、免疫学的避妊法の応用は知られていない。そのた
め、現在手術による去勢を唯一の手段とする避妊法が採
用されている。
【0007】本発明者らは、先に、ブタ卵透明帯cDN
AライブラリーからZP−3遺伝子を取得し、これをク
ローニングして、該ZP−3遺伝子の塩基配列及び推定
アミノ酸配列を決定したが(本出願人により平成3年1
1月29日に出願された特願平3−342318号)、
これらの配列は完全長PZP−3リーディングフレーム
の50%程度にすぎなかった。このため、完全長のPZ
P−3配列の決定が望まれていた。
【0008】本発明の目的は、避妊ワクチン抗原として
有用なPZP−3関連ペプチドを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】ブタ卵透明帯PZP−3
遺伝子のクローニングは、一般的な組換えDNA技術を
用いて行うことができる。このような技術の中には、細
胞又は組織からの全RNAの抽出、オリゴ−dTによる
mRNAの精製、mRNAのcDNAへの変換、PCR
(Polymerase Chain Reaction )増幅、表現型マーカー
を含むベクター内へのDNAの挿入、コンピテント宿主
細胞の形質転換、コロニーライブラリーからの目的cD
NAクローンのスクリーニング、陽性cDNAクローン
からのベクターDNAの単離、DNAの配列決定などが
含まれる。
【0010】具体的なDNA配列決定手順の例を以下に
示す。
【0011】ブタ卵巣から得た全RNAを、例えばWa
rdら(J. Virol., 9, 61 (1972))の方法に従って抽
出する。即ち、凍結、粉砕した卵巣をホモジナイズし、
遠心した後、細胞を溶解し、遠心により核をペレット化
し、全RNAを含む上清をフェノール/クロロホルム抽
出により精製し、塩化ナトリウムの存在下水相にエタノ
ールを加えて全RNAを沈殿させる。次に、オリゴーd
Tセルロースクロマトグラフィーを用いて、全RNA調
製物からmRNAを精製する(Oppermann ら、Virolog
y, 108, 47 (1981) )。
【0012】ポリ(A)+ mRNAに対してランダムプ
ライマー、オリゴ−dTプライマー等を用いて逆転写酵
素により相補鎖DNAを伸長し、さらにRNAase
HによりRNAを分離し、DNAポリメラーゼIを用い
て二本鎖cDNAを合成する。
【0013】cDNAライブラリーを作るため、得られ
た二本鎖cDNAの両末端にリンカーを連結して、λフ
ァージベクターに導入し、さらにin vitroパッ
ケージングを行い、ファージ粒子を得る。このファージ
粒子を大腸菌株に感染させ、寒天培地上に培養して、λ
ファージの溶菌プラークを形成させる。プラークをニト
ロセルロース膜に移動、固定した後、イムノスクリーニ
ング、または、DNAプローブによるハイブリダイゼー
ションによりPZP−3蛋白質をコードするDNAが組
み込まれたファージプラークを同定する。
【0014】得られたファージDNAを制限酵素消化
し、得られるDNA断片を同様の制限酵素部位をもつプ
ラスミドにサブクローニングする。
【0015】得られたPZP−3蛋白質をコードするD
NAを含むプラスミドを各種の制限酵素により消化し、
各フラグメントをM13ファージベクターにサブクロー
ニングする。
【0016】得られたファージプラークから一本鎖DN
Aを調製し、M13ジデオキシ法により各フラグメント
の塩基配列を決定する。
【0017】この操作段階中λファージベクターに導入
することなく、PZP−3蛋白質をコードする遺伝子を
増幅するために、該遺伝子を含むcDNAをPCR法
(Saiki, R.K. ら(1985) Science 230, 1350-1354; Le
e, C.C.ら(1988) Science 239,1288-1291; Frohman,
M.A. ら(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85, 8998-
9002 )に掛けることができる。使用されるプライマー
は、マウス卵透明帯MZP−3(M. J. Ringuette ら
(1988) Dev. Biol. 127, 287〜295 )又はヒト卵透
明帯HZP−3(M. E. Chamberlinと J. Dean (1990)
Proc. Natl. Acad. Sci USA 87, 6014〜6018)の公知の
遺伝子配列に基づいて推定され、作製し得る。
【0018】上述の手順により、完全長ブタ卵透明帯P
ZP−3蛋白質をコードするDNA配列が決定された。
このDNA配列は、配列番号1に示される1308 bp
のヌクレオチド配列から成り、そのうちPZP−3リー
ディングフレームはヌクレオチド番号33から1292
までの1260 bp で構成される。このDNA配列から
推定されるアミノ酸配列も同様に配列番号1に示されて
おり、Met1 ………Gln420 の420アミノ酸から
構成される。このDNA配列には、アミノ酸の遺伝暗号
の縮重に基づく対応する全ての塩基を含む全ての可能な
塩基配列が含まれる。前記特願平3−342318号に
は、配列番号1に示されるヌクレオチド番号348〜1
121の774 bp ヌクレオチド配列が記載されたが、
今回あらたに、この配列の3’及び5’側領域の配列が
決定された。
【0019】従って、本発明は、配列番号1に示される
アミノ酸配列の全部又は一部を有するブタ卵透明帯PZ
P−3関連ペプチドを提供する。本発明のペプチドは非
天然由来のものすなわち組換え型又は化学合成型であ
る。
【0020】本明細書中、「全部又は一部を有する」と
は、配列番号1に示されるアミノ酸配列の全部又はその
部分配列(すなわち、抗原性を有するペプチド断片配
列)自体からなるペプチド及び少なくともこれらの配列
を含有するペプチドを意味する。また、「組換え型」と
は、遺伝子組換え技術を使用してPZP−3コーディン
グDNA配列を適切な組換え宿主中で発現させて得られ
るPZP−3関連ペプチドを意味し、また、「化学合成
型」とは、一般的なペプチド合成技術を使用して化学的
に合成されたPZP−3関連ペプチドを意味する。
【0021】本発明の組換え型ペプチドの製造方法は、
配列番号1に示されるアミノ酸配列の全部若しくは一部
をコードするヌクレオチド配列から成るDNA又は該ヌ
クレオチド配列を含むDNAを複製可能な適切な発現ベ
クターに組み込む工程、得られた発現ベクターで適切な
宿主を形質転換する工程、得られた形質転換体を適切な
培地中で培養し、前記DNAを発現させる工程、及び得
られた組換え型ペプチドを回収する工程、を包含する。
【0022】形質転換体の例は大腸菌株pMAL−c−
PZP3258 /JM109である。この場合、この形質
転換菌によって産生される組換え型ペプチドは、配列番
号1に示されるVal106 ………Leu363 のアミノ酸
配列を含むペプチド(組換え型PZP3258 と称する)
である。このペプチドも本発明の範囲に含まれる。
【0023】本明細書中「ペプチド」なる用語は、短鎖
及び長鎖ペプチドの両方を意味する。ここで、長鎖ペプ
チドは蛋白質をも包含する。
【0024】PZP−3DNAを発現させるためのベク
ターは、ファージ又はプラスミドであり、通常、複製部
位と選択マーカー配列を含む。複製部位は、形質転換さ
れる宿主細胞に適合するプロモーター、ターミネータ
ー、複製起点、リボソーム結合部位などの配列を適宜含
み得る。特に、プロモーターとしては、原核生物を宿主
とする場合には常用のlacプロモーター、trpプロ
モーター、バクテリオファージλプロモーター等が、酵
母を宿主とする場合にはアルコールデヒドロゲナーゼや
解糖系酵素類に対するプロモーター等が、動物細胞を宿
主とする場合にはSV40ウイルスプロモーターのよう
なウイルスプロモーター等が挙げられる。また、選択マ
ーカー配列としては、アンピシリン、テトラサイクリン
耐性遺伝子等の抗生物質耐性遺伝子が常用される。
【0025】発現すべき外来遺伝子は、プロモーターの
下流に挿入される。
【0026】宿主細胞は、原核及び真核生物の両方を使
用し得る。原核生物には、大腸菌、枯草菌、放線菌等の
細菌類が含まれ、また、真核生物には、酵母、昆虫細
胞、植物細胞、動物細胞等が含まれる。これらの宿主細
胞は、対象とするペプチドの糖鎖構造の有無に応じて適
宜選択され、一般に、糖鎖を含むペプチドを合成したい
場合には、真核生物が利用される。しかし、その糖鎖構
造は、必要な免疫能が達成される限り、対象とする天然
ペプチドと必ずしも一致していなくてもよい。
【0027】あるいは、本発明のペプチドは化学的ペプ
チド合成によっても作り得る。ペプチド合成に関して
は、生化学実験講座1タンパク質の化学IV−化学修飾
とペプチド合成−第 205〜495 頁、1977年(日本生化学
会編)に記載の技術等が適用可能である。
【0028】本発明方法で得られるPZP−3関連ペプ
チドは、避妊ワクチン抗原として対象動物(ブタ、ヒ
ト、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット等)に投与したと
きに、in vivoで対象動物の卵透明帯ZP−3糖
蛋白質に結合して精子の結合、または、卵胞の発育を阻
止することが可能な該ペプチドに対する抗体を生成する
ものであればよい。従って、このような機能を損わない
範囲で置換、欠失、付加、リン酸化や硫酸化のような修
飾等の改変を前記ペプチドに施してもよい。この改変
は、遺伝子レベル、ペプチドレベルの両方で実施し得
る。
【0029】本発明のPZP−3の推定アミノ酸配列
を、M. E. Chamberlinら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA
87, 6014-6018) の報告しているヒト卵透明帯HZP−
3蛋白質の推定アミノ酸配列と本出願人が出願中のイヌ
卵透明帯CZP−3蛋白質の推定アミノ酸配列及びネコ
卵透明帯FZP−3蛋白質の推定アミノ酸配列と比較す
ると、その相同性は高く、それぞれ71.6%、74.
9%及び71.8%であることが判明した(図3,4,
5)。また、S. E. Millar(Science 246, 935〜938
;I. J. Eastら(1985) Dev. Biol. 109, 268 )ら
は、MZP−3アミノ酸配列中Phe336 ………Arg
342 の16アミノ酸から成るペプチドに貝由来の蛋白質
KLH(Keyhole Limpet Hemocyanin )を結合したもの
を雌マウスに免疫することによってその雌マウスを不妊
にすることができることを報告しており、従って、本発
明のPZP−3関連ペプチドも雌ブタに免疫すればマウ
スの場合と同様にブタを避妊又は不妊にすることができ
ると推測される。また、天然のPZP−3を雌イヌ(C.
A.Mahi-Brownら (1985) Biol. Reprod. 32, 761〜772
)又は雌ザル(Sacco, A.G. ら (1987) Biol. Repro
d., 36, 481-490)に免疫することによってイヌ又はサ
ルが不妊となることが報告されている。このように、哺
乳動物間ではアミノ酸レベルで相同性が高く、従って、
本発明のPZP−3関連ペプチドは種々の哺乳動物例え
ばヒト及び、、特にネコ、イヌ、ウサギ、モルモット等
のペット類の避妊又は不妊にも使用できると考えられ
る。
【0030】本発明のPZP−3関連ペプチドを避妊ワ
クチンとして使用する場合、ワクチンは、精製ペプチド
抗原の他に、通常、必要に応じて水酸化アルミニウム、
リン酸カルシウム、ムラミルジペプチド、Freundの完全
又は不完全アジュバント等のアジュバント、油類及び適
切な希釈剤を含み、溶液、乳濁又は懸濁形態で処方され
得る。低アミノ酸数の抗原ペプチドの場合には、免疫能
を高めるためにKLHのような異種蛋白質を結合しても
よい。
【0031】また、別の種類のワクチン抗原としては、
PZP−3関連ペプチド中のPZP−3精子結合領域関
連エピトープ、または、卵胞の発育抑制を招くような抗
体を誘導するエピトープに対するポリクローナル又はモ
ノクローナル抗体の抗イディオタイプ抗体が挙げられ
る。これらの抗体は常法に従って調製し得る。
【0032】
【実施例】本発明を以下の非限定的実施例によりさらに
詳細に説明する。
【0033】実施例1 ブタ卵透明帯cDNAライブラリーの作製 :ブタ卵巣1
gを液体窒素中で凍結した後、ブレンダーを用いて粉末
状に粉砕した。これを、市販のmRNA抽出用キット
(FastTrack mRNA ISOLATION KIT, Invitrogen)の指示
された抽出方法に従って、ブタ卵巣mRNAを調製し
た。具体的には、凍結粉末状の卵巣1gに対しキット中
のLysis溶液10mlを加えDounce Homo
genizerでホモジナイズ(10−12ストロー
ク)する。これをさらに18Gの注射筒を通過させた後
45℃で2時間ゆっくりと振盪させる。インキュベーシ
ョン終了後4000×g,10分間遠心し、沈殿をとら
ないように注意して上清を回収する。この上清に0.5
Mとなるように5MNaCl溶液を加え、混合後生じた
白沈殿を21Gの注射筒に通して切断する。これに、別
途にキット内のBinding溶液で調製してあるオリ
ゴdTセルロース50mgを加え室温で1時間転倒混和し
て反応させる。反応終了後2000×g,10分間遠心
しオリゴdTセルロースを回収する。このセルロースペ
レットを再度20mlのBinding溶液に懸濁させて
洗う。この操作を3回繰り返してオリゴdTセルロース
を洗浄する。こうして洗浄の終了したセルロースをキッ
トについているスピンオカラムにつめる。このスピンオ
カラムにつめた段階でさらにBinding溶液で洗
い、スピンカラムを2000×g,10秒間遠心し回収
溶液のOD280 が0.05以下になるまで繰り返し洗
う。洗浄終了後Binding溶液を遠心除去し、キッ
ト内の溶出溶液0.2mlを加えてセルロースペレットを
十分に懸濁させる。2000×g,10秒間遠心し溶出
液を回収する、再びこのセルロースペレットに0.15
mlの溶出溶液を加え再度懸濁後2000×g,1分間遠
心して完全に溶出液をセルロースペレットより回収す
る。この2回の溶出操作で0.35mlの回収液が得られ
る。これにキットについている2M酢酸ナトリウム溶液
を0.15容加え、さらに100%エタノールを2.5
容追加して混合後、−70℃に凍るまで放置する。凍結
後16000×g,15分間遠心しmRNAを回収す
る。冷70%エタノールで2回mRNAペレットを洗
浄、真空エバポレーターで乾燥させた後、適当量の滅菌
水に溶解する。一部を適当に希釈してOD320-230 間の
スキャンニングを行ないOD260 の吸光度値よりmRN
A量を算出する。こうして1gの卵巣より7.7μgの
mRNAを精製した。取り扱う試薬、器具等はすべてR
Naseによる分解を防ぐための処理を施しておいた。
【0034】次に、得られたmRNAを、Gubler & Hof
fman法に基づいた市販のcDNA合成キット(Promega
Oligo-dT)を用いて、メーカーの指示に従ってcDNA
に変換し、PCR法の鋳型DNAとした。具体的には、
mRNA1μgをdTプライマー0.5μgと混合後7
0℃、5分間インキュベートし、その後室温に戻しこれ
にキットのファーストストランド合成試薬(ファースト
ストランドバッファー,ジチオスレイトール溶液,デオ
キシヌクレオシド三リン酸混液,リボヌクレアーゼイン
ヒビター溶液,ピロリン酸ナトリウム溶液,AMV逆転
写酵素)を加え、42℃,1時間反応した。次にキット
のセカンドストランド合成試薬(セカンドストランドバ
ッファー,ジチオスレイトール,NAD溶液,DNAポ
リメラーゼI,RNaseH,リガーゼ)を追加して1
4℃,2時間反応させた。反応終了後、70℃,10分
間の加温処理をした後、氷冷しさらにこれにT4DNA
ポリメラーゼIを加え37℃,10分間反応させ、0.
2M EDTAで反応を終了させた。こうして作製した
cDNAを次のPCRの鋳型DNAとして使用する。
【0035】得られた鋳型DNAを増幅するために、市
販のPCRキット試薬(GeneAmp DNA Amplification Re
agent Kit, Perkin Elmer Cetus )及びPCR自動化装
置(DNA Thermal Cycler, Perkin Elmer Cetus)を用い
て、メーカーの指示に従ってPCR反応を実施した。反
応条件は次のとおりである。1)熱変性ステップ:94
℃,1分間、2)プライマーのアニーリングステップ:
60℃,2分間、3)プライマーの伸長ステップ:72
℃,3分間から成る3つのステップを1サイクルとして
合計30サイクル行った後、72℃,7分間のプライマ
ーの伸長ステップを1回行って1ラウンドのPCRを終
了した。
【0036】このとき使用したプライマーは、マウス卵
透明帯由来MZP−3(M. J. Chamberlinら(1988) De
v. Biol. 127, 287〜295 )及びヒト卵透明帯由来H
ZP−3(M. E. ChamberlinとJ. Dean (1990) Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 87, 6014〜6018)の遺伝子配列か
ら推定した、
【0037】
【表1】 プライマー1: 5’GATGCCCTGGTGTACAGCACCTTCCT3’ プライマー2: 5’AGGAA[G,T]ATCAG[G,T]GGCCC[C,T]AC [G,A]GTGACATC[T,A]GCTTC3’ (但し、[]はミックスを表わす。)である。
【0038】増幅生成物を、0.8%アガロースゲル電
気泳動に掛け、エチジウムブロマイド染色により約80
0bp程度のDNAが増幅されているのを確認した。こ
のDNAをゲルから市販のDNA抽出キット(GENECLEA
N II, BIO101)を用いて、メーカーの指示に従って精製
し、市販のベクターへサブクローニングを行なった。
【0039】PZP−3258 cDNAの配列決定 得られたcDNAを DNA Blunting Kit (TAKARA)を用
いて、メーカーの指示に従って平滑末端化し、DNAラ
イゲーションキット(TAKARA)を用いてpUC119ベ
クターのSmaI部位に連結した。その後、コンピテン
トセルcoli DH5αに常法に従って形質転換
した。形質転換株を、20μg/mlのXgal,100
μg/mlのアンピシリンを含むLB−プレートに播いて
増えてきた白色のコロニーを拾い上げた後、培養培地
(アンピシリン−LB培地)中で小スケール培養を行っ
た。
【0040】市販のプラスミド調製用キット(QIAGEN H
i Purity Plasmid Kit, QIAGEN)を用いて、メーカーの
指示に従ってプラスミドを回収し、常用の二本鎖DNA
シークエンス法に従ってアルカリ変性処理を行った後、
ジデオキシ鎖終止法のDNAシークエンスキット(SEQU
ENSE VERSION 2.07-deaza-dGTP Kit, USB )を用いてP
ZP−3 cDNAの塩基配列及び推定アミノ酸配列を
決定した。決定されたこれらの配列はともに、配列表中
配列番号1に示した。得られたPZP−3遺伝子は、2
58アミノ酸をコードする774 bp のヌクレオチド配
列(ヌクレオチド番号348〜1121;PZP3258
遺伝子)から成る(本出願人による平成3年11月29
日出願の特願平3−342318号)。
【0041】ブタ卵透明帯−3(PZP−3)全遺伝子
配列の決定 さらにPZP−3のクローニングを進めることによって
全PZP−3の遺伝子配列およびアミノ酸配列を明らか
にした。
【0042】(1)3’側領域のクローニング 次の4個のプライマーとブタ卵巣cDNAを用いてPZ
P−3の残り3’側遺伝子をクローニングし配列を決定
した。
【0043】PZP3258 の配列より次のプライマー
3,4,5を、又mRNAのポリA配列よりプライマー
6を自動DNA合成機を用いて作製した。
【0044】
【表2】 プライマー3:5’TCCAGGAAGCTGTCTATGCCG3’ プライマー4:5’GATGAATTCAAGAGACAGTCTGCTCCC EcoRI CGC3’ プライマー5:5’GATGAATTCAGTCGCAGGCACGTGACA EcoRI GAT3’ プライマー6:5’ACAGTCGACTTTTTTTTTTTT3’ SalI 上述の方法で抽出したmRNAは、マウス卵巣cDNA
合成のときと同様にPharmacia cDNA合成
キットを用い、オリゴdTプライマーを用いてcDNA
へと変換した。このブタ卵巣cDNAを鋳型に使いPC
Rを実施した。PCRは GeneAmp DNA Amplification R
eagent Kit(Perkin Elmer Cetus)およびDNA Thermal
Cycler(Perkin Elmer Cetus)を用いた。
【0045】
【表3】1回目のPCR−プライマー:3および6; 鋳型DNA:ブタ卵巣cDNA; PCR条件:94℃−30秒,45℃−1分,72℃−
2分,30回;72℃−5分,1回 2回目のPCR−プライマー:4および6; 鋳型DNA:1回目PCR産物; PCR条件:94℃−30秒,50℃−1分,72℃−
2分,30回;72℃−5分,1回 3回目のPCR−プライマー:5および6; 鋳型DNA:2回目PCR産物; PCR条件:94℃−30秒,50℃−1分,72℃−
2分,30回;72℃−5分,1回。
【0046】3回のPCR産物の一部を2%アガロース
ゲルにて電気泳動を行ない増幅されたDNAバンドをエ
チジウムブロマイド染色で確認する。その結果3回目の
PCR産物に300 bp 程度のバンドが検出された。こ
の3回目のPCR産物をエタノール沈澱後、EcoR
I,SalI消化した後低融点アガロースゲルにて電気
泳動を行ない、ゲルより目的の300 bp のDNAをG
ENECLEAN II (BIO 101)を用いて精製
した。この精製したDNAをあらかじめ同じEcoR
I,SalIで消化してあるpUC18の大断片にライ
ゲーションキット(宝酒造)をもちいて連結させた。大
腸菌JM109に形質転換を行なった後、アンピシリン
含有LBプレートに播き、生えてきた形質転換株を拾い
上げる。これを5mlアンピシリン含有LB培地で培養
しプラスミドを精製(QIAGENHi Purity
Plasmid Kit)した。精製したプラスミド
はその一部をEcoRI,SalI消化して目的サイズ
のDNAが組み込まれていることを確認した後、残りを
遺伝子配列決定のため通常の2本鎖シークエンスに用い
た。シークエンスはプラスミドをアルカリ処理後ジデオ
キシ終止鎖法のDNAシークエンスキット(SEQUE
NASE VERSION 2.07−deaza−d
GTP Kit,USB)を用いて決定した。その結果
以下の配列が決定された。
【0047】
【表4】 5’AGTCGCAGGCACGTGACAGATGAAGCAGATGTCA CAGTGGGGCCTCTGATCTTCCTGGGCAAGACGAGTG ACCACGGTGTGGAAGGGTCCACCTCCTCCCCCACCT CGGTGATGGTGGGCTTGGGCCTGGCCACCGTGGTGA CCTTGACTCTGGCTACCATTGTCCTGGGTGTCGCCA GGAGGCGTCGGGCTGCTGCCCACCTTGTGTGCCCCG TGTCTGCTTCCCAA TAAAAGAAGAAACATG3’ (下線部は、配列番号1に示されるヌクレオチド112
2〜1292に相当する。) (2)5’側領域のクローニング PZP3の5’側領域はPZP3258 の配列をもとにし
てcDNAを作製し、これを鋳型としてPCRを行ない
クローニングした(Michael A. Frohman, Michael K. D
ush, and Gail R. Martin (1988) Proc. Natl. Acad. S
ci USA 85, 8998-9002. Osamu Ohara, Robert L. Dori
t, and Walter Gilbert (1989) Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 86, 5673-5677) 。
【0048】PZP3258 の配列より次の3個のプライ
マーを合成した。
【0049】
【表5】 プライマー7:5’CCTGGGGTAGTGACACTCGAT3’ プライマー8:5’GACCTCCGCACGGTTCGTCCT3’ プライマー9:5’GATGAATTCCAGGATGGACAGGTTTCC EcoRI TGCA3’ プライマー7をもとにしてブタ卵巣mRNAより一本鎖
cDNAを作製した。1本鎖cDNAの合成は RiboClo
ne cDNA Systhesis System (Promega)を使用した。具体
的には、0.5μgのブタ卵巣mRNAに0.5μgの
プライマー7を加え70℃で5分間保温後室温にゆっく
りと戻す。つづいて10×first strand buffer, 100mM D
DT, 10mM dNTP mix, RNasin ribonuclease inhibitor,
40mM Napyrophosphate, reverse transcriptaseを加え
て42℃で1時間保温して1本鎖cDNAを合成する。
反応終了後1回フェノール/クロロホルム抽出を行ない
その上清をTE(10mM Tris-HCl pH7.5, 1mM EDTA )で
あらかじめ平衡化してあるスパンカラム(Pharma
cia)にかける。回収液はエタ沈メイト(ニッポンジ
ーン)とともにエタノール沈澱させる。次に合成した1
本鎖cDNAの3’側にポリAを付加する反応を行なっ
た。具体的には、沈澱させた1本鎖cDNAを乾燥後、
水に溶解し94℃2分処理後氷上で急冷し、これにdA
TPと5×tailing Buffer, terminal deoxynucleotidy
l-transferase (Bethesda ResearchLaboratories)を
加えて37℃で10分間,65℃、15分間反応させ
る。これにTEを加えて希釈してPCRの鋳型DNA
(5’CZP3−cDNA)とした。
【0050】
【表6】 1回目PCR−プライマー:8および6; 鋳型DNA:5’PZP3cDNA; PCR条件:94℃−30秒,45℃−1分,72℃−
2分,30回;72℃−5分 2回目PCR−プライマー:9および6; 鋳型DNA:1回目PCR産物; PCR条件:94℃−30秒,50℃−1分,72℃−
2分,30回;72℃−5分 2回目のPCR産物の一部を2%アガロースゲルにて電
気泳動を行なった。エチジウムブロマイドでDNAを染
色した。その結果500 bp 程度のDNAバンドが検出
された。この500 bp のDNAをpUC18のEco
RI,SalIにサブクローニングするために、PCR
産物からクロロホルムでミネラルオイルを取り除き、エ
タノール沈澱させた。沈澱は乾燥後水に溶解した後Ec
oRI,SalI消化した。反応終了後2%低融点アガ
ロース電気泳動で分離し目的の500 bp のバンドを切
り出しGENECLEAN II (BIO 101)を用
いてゲルより抽出した。これをあらかじめEcoRI,
SalIで消化してあるpUC18の大断片にライゲー
ションキット(宝酒造)を用いて連結させた。これを大
腸菌JM109に形質転換させ、アンピシリン含有LB
プレートに播き、生えてきたコロニーは拾い上げて5m
lのアンピシリン含有LB培地で培養し、QUIAGE
N,Hi Purity Plasmid Kitを用
いてプラスミドを精製した。精製したプラスミドはその
一部をEcoRI,SalI消化して目的サイズのDN
Aが組み込まれていることを確認した後、残りは通常の
2本鎖シークエンスに用いた。シークエンスはプラスミ
ドをアルカリ処理後ジデオキシ終止鎖法のDNAシーク
エンスキット(SEQUENASE VERSION
2.07−deaza−dGTP Kit, USB)
を用いて決定した。その結果以下の配列が決定された。
【0051】
【表7】 5’CCACTAGGGAGGGGAGTGGCCTTGTGAGTGCCAT GGCGCCGAGCTGGAGGTTCTTCGTCTGCTTTCTGCT CTGGGGAGGTACAGAGCTATGCAGCCCGCAGCCCGT CTGGCAGGACGAAGGCCAGCGCTTGAGGCCCTCAAA GCCACCCACCGTAATGGTGGAGTGTCAGGAGGCCCA GCTGGTGGTCATTGTCAGCAAAGACCTTTTCGGTAC CGGGAAGCTCATCAGGCCTGCAGATCTCAGCCTGGG CCCTGCAAAGTGTGAGCCGCTGGTCTCTCAGGACAC GGACGCAGTGGTCAGGTTTGAGGTTGGGCTGCACGA GTGTGGCAGCTTGCAGGTGACTGAT GTAGCTCTGGT GTACAGCACCTTCCTGCGCCATGACCCCCGCCC3’ (下線部は、配列番号1に示されるヌクレオチド33〜
347に相当する。)以上、特願平3−342318号
に記載のPZP3258 配列と今回あらたに決定したPZ
P−3の3’側および5’側領域の2つの配列から以下
の配列表の配列番号1に示されるブタ卵透明帯−3(P
ZP−3)の全塩基配列(1308 bp )、全アミノ酸
配列(420個)が明らかとなった。
【0052】実施例2 発現ベクターの構築 市販の発現ベクターpMAL−c(New England Biolab
s ,これは目的とする蛋白質をマルトース結合蛋白質と
の融合型で発現させるベクターである。)のEcoRI
サイト、SalIサイトにPZP3258 遺伝子(配列番
号1に示されるヌクレオチド番号348から1121ま
での配列を有する)を挿入して発現ベクターを構築す
る。そのために、PZP3258 遺伝子の5’側にEco
RIサイトを3’側には停止コドン(TAA)とSal
Iサイトを次のように作製した(図1)。
【0053】自動DNA合成機を用いてEcoRIサイ
トおよび停止コドン,SalIサイトを持つ次の2個の
プライマーを合成した。
【0054】
【表8】 EcoRI プライマー1:5’CCTGAATTCGATGCCCTGGTGTAC3’ プライマー2:5’CAGGTCGACTTACAGGAATATCAGTGG SalI Stop 3’ このプライマーと先のPZP3258 遺伝子のシークエン
スに用いたプラスミドを鋳型DNAとして GeneAmp DNA
Amplification Reagent Kit(Perkin Elmer Cetus)お
よびDNA Thermal Cycler(Perkin Elmer Cetus)を用い
てPCR(Polymerase Chain Reaction )を実施した。
反応条件は、94℃−30秒,55℃−1分,72℃−
2分を1サイクルとし、これを40サイクル実施後72
℃−7分を1回追加する。反応終了後、等量のクロロホ
ルムを加えてミネラルオイルを反応溶液より除去し、こ
れに1/10容量の3M酢酸ナトリウム(pH5.2)
と3倍容量の冷エタノールを加えてDNAをエタノール
沈澱させた。沈澱DNAは乾燥後、適量の水に溶解させ
たEcoRIおよびSalIで完全に消化させた。これ
を低融点アガロースゲル電気泳動に流し800 bp 程度
のDNAを切り出した。ゲルからのDNAの抽出はGE
NECLEAN II (BIO 101)を用いた。この
DNAを先にEcoRI,SalIで消化して同様にア
ガロースゲルより精製してあるpMAL−cベクターの
大断片にライゲーションキット(宝酒造)を用いて連結
させ、大腸菌JM109に形質転換させた。これを、ア
ンピシリン含有LBプレートに播き、生えてきたコロニ
ーを2ml培養しQIAGENHi Purity P
lasmid Kit(QIAGEN)でプラスミドを
精製した。精製したプラスミドはEcoRI,SalI
消化して目的のPZP3258 断片が組み込まれているこ
とを確認した。得られた形質転換株はpMAL−c−P
ZP3258 /JM109と命名する。
【0055】組換え型PZP3258 蛋白質の発現確認 組換え型PZP3258 蛋白質の発現確認は抗PZP3血
清を使ったウェスタンブロット法で行なった。
【0056】構築した発現ベクターを含む上記pMAL
−c−PZP3258 /JM109株を2mlLB−アンピ
シリン培地で培養し吸光度が600nm=0.4となっ
たところでIPTG(isopyropyl−β−D−thiogalact
oside )を終濃度0.3mMになるように加え、さらに
3時間培養をつづけた後遠心分離により菌体を集めた。
この菌体を少量の水に懸濁後その一部をLaemmli
法のサンプルバッファー(還元条件)に可溶化しポリア
クリルアミドゲルにて常法どおりにSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動を実施した。泳動終了後、市販の
エレクトロトランスファー装置を使って蛋白質をポリア
クリルアミドゲルよりニトロセルロースフィルターに転
写した。このフィルターを2%スキムミルク−TBST
(10mM Tris-HClpH7.5, 0.14M NaCl, 0.1% Tween20)に
浸しブロッキング後、500倍希釈した抗PZP3血清
(天然のブタ卵透明帯−3画分をマウスに免疫しウェス
タンブロットによってブタ卵透明帯−3画分と特異的に
反応することが確認されている血清。大腸菌に対する抗
体は吸収処理で取り除いてあるもの)と4℃で一晩反応
させた。ネガティブコントロールとして正常マウス血清
を同様に用いる。反応終了後TBSTで3回洗浄した
後、1000倍希釈した市販のアルカリホスファターゼ
標識抗マウスIg(G,M,A)抗体と反応させた。反
応終了後TBSTで3回洗浄、通常どおりNBT(nitr
o blue tetrazolium),BCIP(bromochloroindoly
phosphate )で発色した。図2に示すとおり抗PZP3
血清とは反応するが正常血清とは反応しない発色が認め
られた。これより組換え型PZP3258 蛋白質の発現が
確認された。
【0057】PZP3遺伝子の配列に基づいて遺伝子工
学的にPZP3蛋白を作製することは可能であり、その
作製された組換え型PZP3蛋白質も天然のPZP3蛋
白質と同様に抗原性を有していることが明らかとなっ
た。これより、人工的に合成したPZP3蛋白質が天然
のPZP3蛋白質と同様に避妊ワクチンの抗原として有
望であることが示唆される。
【0058】
【発明の効果】本発明のブタ卵透明帯PZP−3関連ペ
プチドは、ブタ避妊又は不妊用のワクチン抗原として有
用である。また、他の哺乳動物の卵透明帯ZP−3蛋白
質と相同なアミノ酸配列を該ワクチン抗原として用いる
場合には、ブタ以外の哺乳動物の避妊又は不妊も可能と
なろう。
【0059】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1308 bp 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起 源: 生物名:ブタ 組織の種類:卵巣 配列: ccactaggga ggggagtggc cttgtgagtg cc atg gcg ccg agc tgg agg ttc 53 Met Ala Pro Ser Trp Arg Phe 1 5 ttc gtc tgc ttt ctg ctc tgg gga ggt aca gag cta tgc agc ccg cag 101 Phe Val Cys Phe Leu Leu Trp Gly Gly Thr Glu Leu Cys Ser Pro Gln 10 15 20 ccc gtc tgg cag gac gaa ggc cag cgc ttg agg ccc tca aag cca ccc 149 Pro Val Trp Gln Asp Glu Gly Gln Arg Leu Arg Pro Ser Lys Pro Pro 25 30 35 acc gta atg gtg gag tgt cag gag gcc cag ctg gtg gtc att gtc agc 197 Thr Val Met Val Glu Cys Gln Glu Ala Gln Leu Val Val Ile Val Ser 40 45 50 55 aaa gac ctt ttc ggt acc ggg aag ctc atc agg cct gca gat ctc agc 245 Lys Asp Leu Phe Gly Thr Gly Lys Leu Ile Arg Pro Ala Asp Leu Ser 60 65 70 ctg ggc cct gca aag tgt gag ccg ctg gtc tct cag gac acg gac gca 293 Leu Gly Pro Ala Lys Cys Glu Pro Leu Val Ser Gln Asp Thr Asp Ala 75 80 85 gtg gtc agg ttt gag gtt ggg ctg cac gag tgt ggc agc ttg cag gtg 341 Val Val Arg Phe Glu Val Gly Leu His Glu Cys Gly Ser Leu Gln Val 90 95 100 act gat gta gct ctg gtg tac agc acc ttc ctg cgc cat gac ccc cgc 389 Thr Asp Val Ala Leu Val Tyr Ser Thr Phe Leu Arg His Asp Pro Arg 105 110 115 cct gca gga aac ctg tcc atc ctg agg acg aac cgt gcg gag gtc ccc 437 Pro Ala Gly Asn Leu Ser Ile Leu Arg Thr Asn Arg Ala Glu Val Pro 120 125 130 135 atc gag tgt cac tac ccc agg cag ggc aac gtg agc agc tgg gcc atc 485 Ile Glu Cys His Tyr Pro Arg Gln Gly Asn Val Ser Ser Trp Ala Ile 140 145 150 ctg ccc acc tgg gtg ccc ttc agg acc act ggt gtc tcc gag gag aag 533 Leu Pro Thr Trp Val Pro Phe Arg Thr Thr Gly Val Ser Glu Glu Lys 155 160 165 ctg gtg ttc tct ctg cgc ctg atg gag gaa aac tgg agc gcc gag aag 581 Leu Val Phe Ser Leu Arg Leu Met Glu Glu Asn Trp Ser Ala Glu Lys 170 175 180 atg acg ccc acc ttc cag ctg gcg gac aga gcc cac ctc cag gcc caa 629 Met Thr Pro Thr Phe Gln Leu Ala Asp Arg Ala His Leu Gln Ala Gln 185 190 195 gtc cac acc ggc agc cac gtg cca ctg agg ctg ttt gtg gac cac tgt 677 Val His Thr Gly Ser His Val Pro Leu Arg Leu Phe Val Asp His Cys 200 205 210 215 gtg gcc acg ctg acg ccg gac tgg aac acc tcc ccc tct cac acc atc 725 Val Ala Thr Leu Thr Pro Asp Trp Asn Thr Ser Pro Ser His Thr Ile 220 225 230 gtg gac ttc cac ggc tgt ctc gtg gac ggt ctc act gag gcc tca tct 773 Val Asp Phe His Gly Cys Leu Val Asp Gly Leu Thr Glu Ala Ser Ser 235 240 245 gct ttc aaa gca cct aga cct gga cca gag acg ctc cag ttc acc gtg 821 Ala Phe Lys Ala Pro Arg Pro Gly Pro Glu Thr Leu Gln Phe Thr Val 250 255 260 gat gtg ttc cat ttt gct aat gat tcc aga aac acg atc tac atc acc 869 Asp Val Phe His Phe Ala Asn Asp Ser Arg Asn Thr Ile Tyr Ile Thr 265 270 275 tgc cat ctg aag gtc act ccg gct gac cga gtc ccg gac caa ctc aac 917 Cys His Leu Lys Val Thr Pro Ala Asp Arg Val Pro Asp Gln Leu Asn 280 285 290 295 aaa gcc tgt tcc ttc agc aag tcc tcc aac agg tgg tcc ccg gtg gaa 965 Lys Ala Cys Ser Phe Ser Lys Ser Ser Asn Arg Trp Ser Pro Val Glu 300 305 310 ggg cct gct gtt atc tgt cgt tgc tgt cac aag ggg cag tgt ggt acc 1013 Gly Pro Ala Val Ile Cys Arg Cys Cys His Lys Gly Gln Cys Gly Thr 315 320 325 cca agc ctt tcc agg aag ctg tct atg ccg aag aga cag tct gct ccc 1061 Pro Ser Leu Ser Arg Lys Leu Ser Met Pro Lys Arg Gln Ser Ala Pro 330 335 340 cgc agt cgc agg cac gtg aca gat gaa gca gat gtc aca gtg ggg cct 1109 Arg Ser Arg Arg His Val Thr Asp Glu Ala Asp Val Thr Val Gly Pro 345 350 355 ctg atc ttc ctg ggc aag acg agt gac cac ggt gtg gaa ggg tcc acc 1157 Leu Ile Phe Leu Gly Lys Thr Ser Asp His Gly Val Glu Gly Ser Thr 360 365 370 375 tcc tcc ccc acc tcg gtg atg gtg ggc ttg ggc ctg gcc acc gtg gtg 1205 Ser Ser Pro Thr Ser Val Met Val Gly Leu Gly Leu Ala Thr Val Val 380 385 390 acc ttg act ctg gct acc att gtc ctg ggt gtc gcc agg agg cgt cgg 1253 Thr Leu Thr Leu Ala Thr Ile Val Leu Gly Val Ala Arg Arg Arg Arg 395 400 405 gct gct gcc cac ctt gtg tgc ccc gtg tct gct tcc caa taaaagaaga 1302 Ala Ala Ala His Leu Val Cys Pro Val Ser Ala Ser Gln 410 415 420 aacatg 1308
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、発現用ブタ卵透明帯PZP3258
伝子配列をアミノ酸配列と共に示す。
【図2】この図は、組換え型PZP3258 抗原の発現を
確認したウェスタンブロット写真である。レーン1は分
子量マーカー、レーン2と6はpMAL−c−MZP3
107-368 /JM109、レーン3と7はpMAL−c−
PZP3258 /JM109−#4、レーン4と8はpM
AL−c−PZP3258 /JM109−#10、レーン
5と9はpMAL−c/JM109である。
【図3】この図は、遺伝子工学手法により決定されたブ
タ及びヒト卵透明帯ZP−3の推定アミノ酸配列の比較
を示す。
【図4】この図は、遺伝子工学手法により決定されたブ
タ及びイヌ卵透明帯ZP−3の推定アミノ酸配列の比較
を示す。
【図5】この図は、遺伝子工学手法により決定されたブ
タ及びネコ卵透明帯ZP−3の推定アミノ酸配列の比較
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12N 15/12 C12P 21/02 C 8214−4B (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1に示されるアミノ酸配列の全
    部又は一部を有するブタ卵透明帯PZP−3関連ペプチ
    ド。
  2. 【請求項2】 配列番号1に示されるアミノ酸番号10
    6〜363のアミノ酸配列を有する請求項1記載のペプ
    チド。
JP4353992A 1992-12-15 1992-12-15 ブタ卵透明帯pzp−3関連ペプチド Pending JPH06179698A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996006113A1 (en) * 1994-08-22 1996-02-29 Akzo Nobel N.V. New immunocontraceptive peptides

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1996006113A1 (en) * 1994-08-22 1996-02-29 Akzo Nobel N.V. New immunocontraceptive peptides

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