JPH05336974A - イヌ卵透明帯czp−3をコードするdna、該dnaによってコードされるczp−3関連ペプチド、および該ペプチド含有避妊ワクチン - Google Patents

イヌ卵透明帯czp−3をコードするdna、該dnaによってコードされるczp−3関連ペプチド、および該ペプチド含有避妊ワクチン

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JPH05336974A
JPH05336974A JP35399092A JP35399092A JPH05336974A JP H05336974 A JPH05336974 A JP H05336974A JP 35399092 A JP35399092 A JP 35399092A JP 35399092 A JP35399092 A JP 35399092A JP H05336974 A JPH05336974 A JP H05336974A
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czp
peptide
zona pellucida
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Yuichi Okazaki
祐一 岡崎
Hiromi Kawai
ひろみ 川合
Masanobu Sugimoto
正信 杉本
Masanori Suzuki
正則 鈴木
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 イヌ卵透明帯CZP−3蛋白質アミノ酸配列
をコードするDNA、このDNAを発現させて得られる
CZP−3関連組換えペプチドの製造方法、該DNAに
よってコードされるCZP−3関連ペプチド、このペプ
チドを含有するイヌ避妊ワクチン、及び該ワクチンによ
るイヌの避妊方法。 【効果】 CZP−3関連ペプチドはイヌ避妊又は不妊
用のワクチン抗原として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イヌ卵透明帯CZP−
3蛋白質アミノ酸配列をコードするDNA、このDNA
の発現によるCZP−3組換えペプチドの製造方法に関
する。本発明はまた、該DNAによってコード化される
CZP−3関連ペプチドに関する。本発明はさらに、該
ペプチドを含有するイヌの避妊ワクチン及び該ワクチン
によるイヌの避妊方法に関する。
【0002】
【従来の技術】哺乳動物の卵透明帯(zona pellucida)
は、卵母細胞を取り囲む細胞外マトリックスであり、通
常、ZP−1、ZP−2、ZP−3、ZP−4等のZP
糖蛋白質から構成されている。これらのZP糖蛋白質
は、卵母細胞の成長初期段階及び卵胞の細胞分化の初期
段階で形成され、子宮壁に着床するまでの間、卵母細胞
及び胎児を保護する役割をもつ。また、精子が卵透明帯
のZP糖蛋白質に付着し、卵透明帯に侵入する受精過程
においても、これらのZP糖蛋白質は重要な機能を有し
ている。特に、ZP−3蛋白質は、受精過程において最
初に精子と結合することが知られている(Wassarman P.
M. “Z0NA PELLUCIDA GLYCOPROTEINS”Am.Rev. Bioche
m. 1988, 57:415-442)。
【0003】従って、精子が結合し得るZP糖蛋白質を
ブロックすることにより、受精を阻害し、その結果、避
妊又は不妊が可能となる(メルクの特開昭53−263
11号公報)。もし、ZP糖蛋白質を含む卵透明帯蛋白
質をワクチン抗原として雌の哺乳動物に投与すると、該
抗原に対する抗体がin vivo生成され、それがブ
ロック剤となって受精、または、卵胞の発育が阻害され
る(Skinner S. M. ら、(1984) Endocrinology 115:241
8-2432; Mahi-Brown C. A.ら(1985) Biol Reprod 32:76
1-772; Sacco A. G.ら(1987) Biol Reprod 36:481-490
)。これらの抗原はいわゆる避妊ワクチンとして知ら
れ、また、このワクチンによる避妊法は、従来の避妊法
であるピル、IUD、コンドーム、リズム法、不妊手術
等による方法とは異なり免疫学的避妊法として知られ
る。
【0004】避妊ワクチンとしては、例えば、特開昭5
3−26311号公報(メルク)に記載の可溶化透明
帯、特表平3−502571号公報(ゾナゲン)及び
S. E. Millar ら、Science 246, 935〜938 (1989)
に記載の組換え透明帯ポリペプチド、合成ペプチドなど
が開示されている。さらにまた、ZP−3蛋白質をコー
ドするDNAとしては、マウス(M. J. RinguetteJら、
Dev. Biol. 127, 287〜295 (1988))及びヒト(M.E.Ch
amberlinとJ. Dean (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. US
A 87, 6014〜6018)由来のものが報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ワクチン抗原として可
溶化卵透明帯を直接使用する哺乳動物の避妊法において
は、該抗原を得るために大量の卵巣を必要とする欠点が
あり、また、卵透明帯を精製するうえで他の卵巣組織が
混在し、これが副作用の原因となる可能性を有してい
る。
【0006】これに対して、遺伝子工学技術を用いて得
られる組換え透明帯ポリペプチドを使用する避妊法は、
該ポリペプチドを高純度で且つ安価に製造することがで
きる利点をもつ。しかしながら、イヌに関しては、卵透
明帯ZP蛋白質の一次構造は不明であり、免疫学的避妊
法のイヌへの応用は知られていない。そのため、現在手
術による去勢を唯一の手段とする避妊法が採用されてい
る。
【0007】本発明者らは、イヌ卵透明帯cDNAライ
ブラリーからZP−3遺伝子を取得し、これをクローニ
ングして、該ZP−3遺伝子の塩基配列及び推定アミノ
酸配列を決定した。
【0008】従って、本発明の目的は、イヌ卵透明帯C
ZP−3蛋白質又はその断片をコードするDNAを提供
することである。
【0009】本発明の目的はまた、該DNAを適当な発
現系で発現させて、CZP−3関連組換えペプチドを製
造する方法を提供することである。
【0010】本発明の別の目的は、該DNAによってコ
ードされるCZP−3関連ペプチドを提供することであ
る。
【0011】本発明のさらに別の目的は、該ペプチドを
含有するイヌの避妊ワクチン、及び該ワクチンによるイ
ヌの避妊方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、配列番号1で
表わされる、イヌ卵透明帯CZP−3蛋白質のアミノ酸
配列の全部又は一部をコードする塩基配列を含むDNA
を提供する。
【0013】イヌ卵透明帯CZP−3遺伝子のクローニ
ングは、一般的な組換えDNA技術を用いて行うことが
できる。このような技術の中には、細胞又は組織からの
全RNAの抽出、オリゴ−dtによるmRNAの精製、
mRNAのcDNAへの変換、PCR(Polymerase Cha
in Reaction )増幅、表現型マーカーを含むベクター内
へのDNAの挿入、コンピテント宿主細胞の形質転換、
コロニーライブラリーからの目的cDNAクローンのス
クリーニング、陽性cDNAクローンからのベクターD
NAの単離、DNAの配列決定などが含まれる。
【0014】具体的なDNA配列決定手順の例を以下に
示す。
【0015】イヌ卵巣から得た全RNAを、例えばWa
rdら(J. Virol., 9, 61 (1972))の方法に従って抽
出する。即ち、凍結、粉砕した卵巣をホモジナイズし、
遠心した後、細胞を溶解し、遠心により核をペレット化
し、全RNAを含む上清をフェノール/クロロホルム抽
出により精製し、塩化ナトリウムの存在下水相にエタノ
ールを加えて全RNAを沈殿させる。次に、オリゴーd
Tセルロースクロマトグラフィーを用いて、全RNA調
製物からmRNAを精製する(Oppermann ら、Virolog
y, 108, 47 (1981) )。
【0016】ポリ(A)+ mRNAに対してランダムプ
ライマー、オリゴ−dTプライマー等を用いて逆転写酵
素により相補鎖DNAを伸長し、さらにRNAase
HによりRNAを分離し、DNAポリメラーゼIを用い
て二本鎖cDNAを合成する。
【0017】cDNAライブラリーを作るため、得られ
た二本鎖cDNAの両末端にリンカーを連結して、λフ
ァージベクターに導入し、さらにin vitroパッ
ケージングを行い、ファージ粒子を得る。このファージ
粒子を大腸菌株に感染させ、寒天培地上に培養して、λ
ファージの溶菌プラークを形成させる。プラークをニト
ロセルロース膜に移動、固定した後、イムノスクリーニ
ング、または、DNAプローブによるハイブリダイゼー
ションによりCZP−3蛋白質をコードするDNAが組
み込まれたファージプラークを同定する。
【0018】得られたファージDNAを制限酵素消化
し、得られるDNA断片を同様の制限酵素部位をもつプ
ラスミドにサブクローニングする。
【0019】得られたCZP−3蛋白質をコードするD
NAを含むプラスミドを各種の制限酵素により消化し、
各フラグメントをM13ファージベクターにサブクロー
ニングする。
【0020】得られたファージプラークから一本鎖DN
Aを調製し、M13ジデオキシ法により各フラグメント
の塩基配列を決定する。
【0021】この操作段階中λファージベクターに導入
することなく、CZP−3蛋白質をコードする遺伝子を
増幅するために、該遺伝子を含むcDNAをPCR法
(Saiki, R.K. ら(1985) Science 230, 1350-1354; Le
e, C.C.ら(1988) Science 239,1288-1291; Frohman,
M.A. ら(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85, 8998-
9002 )に掛けることができる。使用されるプライマー
は、マウス卵透明帯MZP−3(M. J. Ringuette ら
(1988) Dev. Biol. 127, 287〜295 )又はヒト卵透
明帯HZP−3(M. E. Chamberlinと J. Dean (1990)
Proc. Natl. Acad. Sci USA 87, 6014〜6018)の公知の
遺伝子配列に基づいて推定され、作製し得る。上述の手
順により、全長イヌ卵透明帯CZP−3蛋白質をコード
するDNA配列が決定された。このDNA配列は、配列
番号1に示される1322 bp のヌクレオチド配列から
成り、そのうちCZP−3リーディングフレームはヌク
レオチド番号32から1309までの1278 bp で構
成される。このDNA配列から推定されるアミノ酸配列
も同様に配列番号1に示されており、Met1 ………G
ln426 の426アミノ酸から構成される。
【0022】本発明のDNAの具体例は、配列番号1に
示されるヌクレオチド番号32〜1309の塩基配列の
全部又は一部(例えば、ヌクレオチド347〜113
5)から成るDNAである。その他の例として、配列番
号1の配列中、アミノ酸の遺伝暗号の縮重に基づく対応
する全ての塩基を含む全ての可能なヌクレオチド配列が
挙げられる。これらのヌクレオチドも、本発明の一部を
構成するものである。
【0023】図1に、本発明のイヌ卵透明帯CZP−3
関連ペプチドの推定アミノ酸配列を、M. J. Ringuette
ら(Dev. Biol. 127, 287〜295 )の報告したマウス卵
透明帯MZP−3蛋白質の推定アミノ酸配列と比較して
示しているが、両アミノ酸配列の相同性は64.8%で
あった。
【0024】本発明はまた、配列番号1に示されるアミ
ノ酸配列の全部又は一部を有するイヌ卵透明帯CZP−
3関連ペプチドを提供する。本発明のペプチドは非天然
由来のもの即ち組換え型又は化学合成型である。
【0025】本明細書中、「全部又は一部を有する」と
は、配列番号1に示されるアミノ酸配列の全部又はその
部分配列(すなわち、抗原性を有するペプチド断片配
列)自体からなるペプチド及び少なくともこれらの配列
を含有するペプチドを意味する。また、「組換え型」と
は、遺伝子組換え技術を使用してCZP−3コーディン
グDNA配列を適切な組換え宿主中で発現させて得られ
るCZP−3関連ペプチドを指し、また、「化学合成
型」とは、一般的なペプチド合成技術を使用して化学的
に合成されたCZP−3関連ペプチドを指す。
【0026】本発明の組換え型ペプチドの製造方法は、
配列番号1に示されるアミノ酸配列の全部若しくは一部
をコードするヌクレオチド配列から成るDNA又は該ヌ
クレオチド配列を含むDNAを複製可能な適切な発現ベ
クターに組み込む工程、得られた発現ベクターで適切な
宿主を形質転換する工程、得られた形質転換体を適切な
培地中で培養し、前記DNAを発現させる工程、及び得
られた組換え型ペプチドを回収する工程、を包含する。
【0027】上記方法も本発明の範囲内である。
【0028】本発明の実施態様により、形質転換体の例
としては大腸菌株pMAL−c−CZP3263 /JM1
09があり、この形質転換菌によって産生される組換え
ペプチドは、配列番号1に示されるAsn106 ………L
eu368 のアミノ酸配列を含むペプチド(組換え型CZ
P3263 と称する)である。
【0029】本明細書中「ペプチド」なる用語は、短鎖
及び長鎖ペプチドの両方を意味する。ここで、長鎖ペプ
チドは蛋白質をも包含する。
【0030】本発明のDNAを発現させるためのベクタ
ーは、ファージ又はプラスミドであり、通常、複製部位
と選択マーカー配列を含む。複製部位は、形質転換され
る宿主細胞に適合するプロモーター、ターミネーター、
複製起点、リボソーム結合部位などの配列を適宜含み得
る。特に、プロモーターとしては、原核生物を宿主とす
る場合には常用のlacプロモーター、trpプロモー
ター、バクテリオファージλプロモーター等が、酵母を
宿主とする場合にはアルコールデヒドロゲナーゼや解糖
系酵素類に対するプロモーター等が、動物細胞を宿主と
する場合にはSV40ウイルスプロモーターのようなウ
イルスプロモーター等が挙げられる。また、選択マーカ
ー配列としては、アンピシリン、テトラサイクリン耐性
遺伝子等の抗生物質耐性遺伝子が常用される。
【0031】発現すべき外来遺伝子は、プロモーターの
下流に挿入される。
【0032】宿主細胞は、原核及び真核生物の両方を使
用し得る。原核生物には、大腸菌、枯草菌、放線菌等の
細菌類が含まれ、また、真核生物には、酵母、昆虫細
胞、植物細胞、動物細胞等が含まれる。これらの宿主細
胞は、対象とするペプチドの糖鎖構造の有無に応じて適
宜選択され、一般に、糖鎖を含むペプチドを合成したい
場合には、真核生物が利用される。しかし、その糖鎖構
造は、必要な免疫能が達成される限り、対象とする天然
ペプチドと必ずしも一致していなくてもよい。
【0033】あるいは、本発明のペプチドは化学的ペプ
チド合成によっても作り得る。ペプチド合成に関して
は、生化学実験講座1タンパク質の化学IV−化学修飾
とペプチド合成−第 205〜495 頁、1977年(日本生化学
会編)に記載の技術等が適用可能である。
【0034】本発明方法で得られるCZP−3関連ペプ
チドは、避妊ワクチン抗原として雌イヌに投与したとき
に、in vivoでイヌ卵透明帯CZP−3糖蛋白質
に結合して精子の結合、または、卵胞の発育を阻止する
ことが可能な該ペプチドに対する抗体を生成するもので
あればよい。従って、このような機能を損わない範囲で
置換、欠失、付加、リン酸化や硫酸化のような修飾等の
改変を前記ペプチドに施してもよい。この改変は、遺伝
子レベル、ペプチドレベルの両方で実施し得る。
【0035】CZP−3関連ペプチドは、前述したよう
に、マウス由来のMZP−3と高い相同性をもつことが
判明している。マウスについて、S. E. Millar(Scienc
e 246, 935〜938 ;I. J. Eastら(1985)Dev. Biol.
109, 268 )らは、MZP−3アミノ酸配列中(図3)
Phe336 ………Arg342 の16アミノ酸から成るペ
プチドに貝由来の蛋白質KLH(Keyhole Limpet Hemoc
yanin )を結合したものを雌マウスに免疫することによ
ってその雌マウスを不妊することができることを報告し
ている。本発明者らは、本発明の組換えペプチドの避妊
ワクチン抗原としての有効性の確認のために、シュミレ
ーションとしてMZP−3抗原によるマウスの避妊実験
を利用する方法を取った。具体的には、免疫抗原として
組換え型CZP3263 に対応する組換え型MZP3
107-369 (図1のマウスZP3配列Asp107 ………L
eu369 を含有する発現ペプチド)を遺伝子工学的に作
製し、得られたMZP3107-369 蛋白質を雌マウスに免
疫し、避妊の有効性を調査した。S.E.Millarらと同様
に、免疫感作されたマウスでは、非常に有効な避妊結果
が得られることが判明した(図6)。この結果は、イヌ
においても対応するイヌのZP3抗原(CZP3)をワ
クチン抗原として用いれば、イヌにおいても同様な避妊
のコントロールが可能なことを示している。
【0036】従って、本発明はさらに、本発明に係る前
記定義の組換えペプチドを有効量含有するイヌの避妊ワ
クチンを提供する。
【0037】ワクチンは、精製組換えペプチドの他に、
通常、必要に応じて水酸化アルミニウム、リン酸カルシ
ウム、ムラミルジペプチド、Freundの完全又は不完全ア
ジュバント等のアジュバント、油類及び適切な希釈剤を
含み、溶液、乳濁又は懸濁形態で処方され得る。低アミ
ノ酸数の抗原ペプチドの場合には、免疫能を高めるため
にKLHのような異種蛋白質を結合してもよい。
【0038】また、別の種類のワクチン抗原としては、
CZP−3組換えペプチド中のCZP−3精子結合領域
関連エピトープ、または、卵胞の発育抑制を招くような
抗体を誘導するエピトープに対するポリクローナル又は
モノクローナル抗体の抗イディオタイプ抗体が挙げられ
る。これらの抗体は常法に従って調製し得る。
【0039】本発明はまた、前記ワクチンを雌イヌに投
与し免疫感作することを包含するイヌの避妊方法を提供
する。
【0040】投与量、投与方法等のワクチン接種条件は
特に限定されないが、好適には、投与量は、注射による
場合、数mg〜数十mgCZP3抗原/イヌであり、ま
た投与経路は、非経口投与、特に皮下、皮内、腹腔内又
は筋肉内注射が好ましい。免疫レジメンとしては、一般
に妊娠能力のある雌イヌに有効量のCZP3抗原を含む
ワクチンを接種後、約2週間置きに数回免疫する方法が
とられる。このとき、初回免疫感作の場合には、通常、
ワクチン調製物中にフロインド完全アジュバント等のア
ジュバントを含有させるのがよい。
【0041】
【実施例】本発明を以下の非限定的実施例によりさらに
詳細に説明する。
【0042】実施例1 イヌ卵透明帯cDNAライブラリーの作製 :イヌ卵巣1
gを液体窒素中で凍結した後、ブレンダーを用いて粉末
状に粉砕した。これを、市販のmRNA抽出用キット
(FastTrack mRNA ISOLATION KIT, Invitrogen)の指示
された抽出方法に従って、イヌ卵巣mRNAを調製し
た。具体的には、凍結粉末状の卵巣1gに対しキット中
のLysis溶液10mlを加えDounce Homo
genizerでホモジナイズ(10−12ストロー
ク)する。これをさらに18Gの注射筒を通過させた後
45℃で2時間ゆっくりと振盪させる。インキュベーシ
ョン終了後4000×g,10分間遠心し、沈殿をとら
ないように注意して上清を回収する。この上清に0.5
Mとなるように5MNaCl溶液を加え、混合後生じた
白沈殿を21Gの注射筒に通して切断する。これに、別
途にキット内のBinding溶液で調製してあるオリ
ゴdTセルロース50mgを加え室温で1時間転倒混和し
て反応させる。反応終了後2000×g,10分間遠心
しオリゴdTセルロースを回収する。このセルロースペ
レットを再度20mlのBinding溶液に懸濁させて
洗う。この操作を3回繰り返してオリゴdTセルロース
を洗浄する。こうして洗浄の終了したセルロースをキッ
トについているスピンカラムにつめる。このスピンカラ
ムにつめた段階でさらにBinding溶液で洗い、ス
ピンカラムを2000×g,10秒間遠心し回収溶液の
OD280 が0.05以下になるまで繰り返し洗う。洗浄
終了後Binding溶液を遠心除去し、キット内の溶
出溶液0.2mlを加えてセルロースペレットを十分に懸
濁させる。2000×g,10秒間遠心し溶出液を回収
する、再びこのセルロースペレットに0.15mlの溶出
溶液を加え再度懸濁後2000×g,1分間遠心して完
全に溶出液をセルロースペレットより回収する。この2
回の溶出操作で0.35mlの回収液が得られる。これに
キットについている2M酢酸ナトリウム溶液を0.15
容加え、さらに100%エタノールを2.5容追加して
混合後、−70℃に凍るまで放置する。凍結後1600
0×g,15分間遠心しmRNAを回収する。冷70%
エタノールで2回mRNAペレットを洗浄、真空エバポ
レーターで乾燥させた後、適当量の滅菌水に溶解する。
一部を適当に希釈してOD320-230 間のスキャンニング
を行ないOD260 の吸光度値よりmRNA量を算出す
る。こうして1gの卵巣より7.7μgのmRNAを精
製した。取り扱う試薬、器具等はすべてRNaseによ
る分解を防ぐための処理を施しておいた。
【0043】次に、得られたmRNAを、Gubler & Hof
fman法に基づいた市販のcDNA合成キット(Promega
Oligo-dT)を用いて、メーカーの指示に従ってcDNA
に変換し、PCR法の鋳型DNAとした。具体的には、
mRNA1μgをオリゴdTプライマー0.5μgと混
合後70℃、5分間インキュベートし、その後室温に戻
しこれにキットのファーストストランド合成試薬(ファ
ーストストランドバッファー,ジチオスレイトール溶
液,デオキシヌクレオシド三リン酸混液,リボヌクレア
ーゼインヒビター溶液,ピロリン酸ナトリウム溶液,A
MV逆転写酵素)を加え、42℃,1時間反応した。次
にキットのセカンドストランド合成試薬(セカンドスト
ランドバッファー,ジチオスレイトール,NAD溶液,
DNAポリメラーゼI,RNaseH,リガーゼ)を追
加して14℃,2時間反応させた。反応終了後、70
℃,10分間の加温処理をした後、氷冷しさらにこれに
T4DNAポリメラーゼIを加え37℃,10分間反応
させ、0.2M EDTAで反応を終了させた。こうし
て作製したcDNAを次のPCRの鋳型DNAとして使
用する。
【0044】得られた鋳型DNAを増幅するために、市
販のPCRキット試薬(GeneAmp DNA Amplification Re
agent Kit, Perkin Elmer Cetus )及びPCR自動化装
置(DNA Thermal Cycler, Perkin Elmer Cetus)を用い
て、メーカーの指示に従ってPCR反応を実施した。反
応条件は次のとおりである。1)熱変性ステップ:94
℃,1分間、2)プライマーのアニーリングステップ:
60℃,2分間、3)プライマーの伸長ステップ:72
℃,3分間から成る3つのステップを1サイクルとして
合計30サイクル行った後、72℃,7分間のプライマ
ーの伸長ステップを1回行って1ラウンドのPCRを終
了した。
【0045】このとき使用したプライマーは、マウス卵
透明帯由来MZP−3(M. J. Chamberlinら(1988) De
v. Biol. 127, 287〜295 )及びヒト卵透明帯由来H
ZP−3(M. E. ChamberlinとJ. Dean (1990) Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 87, 6014〜6018)の遺伝子配列か
ら推定した、
【0046】
【表1】 プライマー1: 5’GATGCCCTGGTGTACAGCACCTTCCT3’ プライマー2: 5’AGGAA[G,T]ATCAG[G,T]GGCCC[C,T]AC [G,A]GTGACATC[T,A]GCTTC3’ (但し、[]はミックスを表わす。) である。
【0047】増幅生成物を、0.8%アガロースゲル電
気泳動に掛け、エチジウムブロマイド染色により約80
0bp程度のDNAが増幅されているのを確認した。こ
のDNAをゲルから市販のDNA抽出キット(GENECLEA
N II, BIO101)を用いて、メーカーの指示に従って精製
し、市販のベクターへサブクローニングを行なった。
【0048】CZP−3263 cDNAの配列決定 得られたcDNAを DNA Blunting Kit (TAKARA)を用
いて、メーカーの指示に従って平滑末端化し、DNAラ
イゲーションキット(TAKARA)を用いてpUC119ベ
クターのSmaI部位に連結した。その後、コンピテン
トセルcoli DH5αに常法に従って形質転換
した。形質転換株を、20μg/mlのXgal,100
μg/mlのアンピシリンを含むLB−プレートに播いて
増えてきた白色のコロニーを拾い上げた後、培養培地
(アンピシリン−LB培地)中で小スケール培養を行っ
た。
【0049】市販のプラスミド調製用キット(QIAGEN H
i Purity Plasmid Kit, QIAGEN)を用いて、メーカーの
指示に従ってプラスミドを回収し、常用の二本鎖DNA
シークエンス法に従ってアルカリ変性処理を行った後、
ジデオキシ終止鎖法のDNAシークエンスキット(SEQU
ENSE VERSION 2.07-deaza-dGTP Kit, USB )を用いてC
ZP−3263 cDNAの塩基配列及び推定アミノ酸配列
を決定した。決定されたこれらの配列はともに、配列表
中配列番号1に示した。得られたCZP−3遺伝子は、
263アミノ酸をコードする789 bp のヌクレオチド
配列(ヌクレオチド番号347〜1135;CZP3
263 遺伝子)から成るものであった。
【0050】イヌ卵透明帯−3(CZP3)全遺伝子配
列の決定 さらにCZP3のクローニングを進めることによって全
CZP3の遺伝子配列およびアミノ酸配列を明らかにし
た。
【0051】(1)3’側領域のクローニング 次の4個のプライマーとイヌ卵巣cDNAを用いてCZ
P3の残り3’側遺伝子をクローニングし配列を決定し
た。
【0052】CZP3263 の配列より次のプライマー
3,4,5を、又mRNAのポリA配列よりプライマー
6を自動DNA合成機を用いて作製した。
【0053】
【表2】 上述の方法で抽出したmRNAは、マウス卵巣cDNA
合成のときと同様にPharmacia cDNA合成
キットを用い、オリゴdTプライマーを用いてcDNA
へと変換した。このイヌ卵巣cDNAを鋳型に使いPC
Rを実施した。PCRは GeneAmp DNA Amplification R
eagent Kit(Perkin Elmer Cetus)およびDNA Thermal
Cycler(Perkin Elmer Cetus)を用いた。
【0054】
【表3】 1回目のPCR−プライマー:3および6; 鋳型DNA:イヌ卵巣cDNA; PCR条件:94℃−30秒,45℃−1分,72℃−2分,30回; 72℃−5分,1回 2回目のPCR−プライマー:4および6; 鋳型DNA:1回目PCR産物; PCR条件:94℃−30秒,50℃−1分,72℃−2分,30回; 72℃−5分,1回 3回目のPCR−プライマー:5および6; 鋳型DNA:2回目PCR産物; PCR条件:2回目PCR条件と同じ 3回のPCR産物の一部を2%アガロースゲルにて電気
泳動を行ない増幅されたDNAバンドをエチジウムブロ
マイド染色で確認する。その結果3回目のPCR産物に
300 bp 程度のバンドが検出された。この3回目のP
CR産物をエタノール沈澱後、EcoRI,SalI消
化した後低融点アガロースゲルにて電気泳動を行ない、
ゲルより目的の300 bp のDNAをGENECLEA
N II (BIO 101)を用いて精製した。この精製
したDNAをあらかじめ同じEcoRI,SalIで消
化してあるpUC18の大断片にライゲーションキット
(宝酒造)をもちいて連結させた。大腸菌JM109に
形質転換を行なった後、アンピシリン含有LBプレート
に播き、生えてきた形質転換株を拾い上げる。これを5
mlアンピシリン含有LB培地で培養しプラスミドを精
製(QIAGENHi Purity Plasmid
Kit)した。精製したプラスミドはその一部をEc
oRI,SalI消化して目的サイズのDNAが組み込
まれていることを確認した後、残りを遺伝子配列決定の
ため通常の2本鎖シークエンスに用いた。シークエンス
はプラスミドをアルカリ処理後ジデオキシ終止鎖法のD
NAシークエンスキット(SEQUENASE VER
SION 2.07−deaza−dGTP Kit,
USB)を用いて決定した。その結果以下の配列が決定
された。
【0055】
【表4】 5’GAAGCAGAGATCACCGTGGGGCCTCTGATCTTCC TGGGAAAGGCTAGTGATCATGGTATAGAGGGGTCAA CCTCTCCTCACACCTCTGTGATGTTGGGCTTAGGCC TGGCCACGGTGGTATCCCTGACTCTAGCTACCATTG TCCTGGTCCTTGCCAAGAGGCATCGTACTGCTTCCC ACCCTGTGATATGCCCTGCATCTGTCTCCCAA TAAA AGAATAAGCAAAAAAAAAAAA3’ (下線部は、配列番号1に示されるヌクレオチド1136〜1309に相当する 。) (2)5’側領域のクローニング CZP3の5’側領域は前記のCZP3263 の配列をも
とにしてcDNAを作製し、これを鋳型としてPCRを
行ないクローニングした(Michael A. Frohman, Michae
l K. Dush, and Gail R. Martin (1988) Proc. Natl. A
cad. Sci USA 85, 8998-9002. Osamu Ohara, Robert L.
Dorit, and Walter Gilbert (1989) Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA 86, 5673-5677) 。
【0056】CZP3263 の配列より次の3個のプライ
マーを合成した。
【0057】
【表5】 プライマー7をもとにしてイヌ卵巣mRNAより一本鎖
cDNAを作製した。1本鎖cDNAの合成は RiboClo
ne cDNA Systhesis System (Promega)を使用した。具体
的には、0.5μgのイヌ卵巣mRNAに0.5μgの
プライマー7を加え70℃で5分間保温後室温にゆっく
りと戻す。つづいて10×first strand buffer, 100mM D
DT, 10mM dNTP mix, RNasin ribonuclease inhibitor,
40mM Napyrophosphate, reverse transcriptaseを加え
て42℃で1時間保温して1本鎖cDNAを合成する。
反応終了後1回フェノール/クロロホルム抽出を行ない
その上清をTE(10mM Tris-HCl pH7.5, 1mM EDTA )で
あらかじめ平衡化してあるスパンカラム(Pharma
cia)にかける。回収液はエタ沈メイト(ニッポンジ
ーン)とともにエタノール沈澱させる。次に合成した1
本鎖cDNAの3’側にポリAを付加する反応を行なっ
た。具体的には、沈澱させた1本鎖cDNAを乾燥後、
水に溶解し94℃で2分処理後氷上で急冷し、これにd
ATPと5×tailing Buffer, terminal deoxynucleoti
dyl-transferase (Bethesda Research Laboratories)
を加えて37℃で10分間,65℃、15分間反応させ
る。これにTEを加えて希釈してPCRの鋳型DNA
(5’CZP3−cDNA)とした。
【0058】
【表6】 1回目PCR−プライマー:8および6; 鋳型DNA:5’CZP3cDNA; PCR条件:94℃−30秒,45℃−1分,72℃−2分,30回; 72℃,5分 2回目PCR−プライマー:9および6; 鋳型DNA:1回目PCR産物; PCR条件:94℃−30秒,50℃−1分,72℃−2分,30回; 72℃,5分 2回目のPCR産物の一部を2%アガロースゲルにて電
気泳動を行なった。エチジウムブロマイドでDNAを染
色した。その結果500 bp 程度のDNAバンドが検出
された。この500 bp のDNAをpUC18のEco
RI,SalIにサブクローニングするために、PCR
産物からクロロホルムでミネラルオイルを取り除き、エ
タノール沈澱させた。沈澱は乾燥後水に溶解した後Ec
oRI,SalI消化した。反応終了後2%低融点アガ
ロースゲル電気泳動で分離し目的の500 bp のバンド
を切り出しGENECLEAN II (BIO 101)
を用いてゲルより抽出した。これをあらかじめEcoR
I,SalIで消化してあるpUC18の大断片にライ
ゲーションキット(宝酒造)を用いて連結させた。これ
を大腸菌JM109に形質転換させ、アンピシリン含有
LBプレートに播き、生えてきたコロニーは拾い上げて
5mlのアンピシリン含有LB培地で培養し、QUIA
GEN,Hi Purity Plasmid Kit
を用いてプラスミドを精製した。精製したプラスミドは
その一部をEcoRI,SalI消化して目的サイズの
DNAが組み込まれていることを確認した後、残りは通
常の2本鎖シークエンスに用いた。シークエンスはプラ
スミドをアルカリ処理後ジデオキシ終止鎖法のDNAシ
ークエンスキット(SEQUENASE VERSIO
N 2.07−deaza−dGTP Kit, US
B)を用いて決定した。その結果以下の配列が決定され
た。
【0059】
【表7】 5’TTGGTTACCAGTGGGAGTGACTGGAGGAGCTATG GGGCTGAGCTATGGAATTTTCATCTGTTTTCTGCTC CTGGGAGGCATGGAGCTGTGCTGCCCCCAGACCATC TGGCCAACTGAGACCTACTACCCATTGACATCTAGG CCCCCAGTAATGGTGGACTGTCTGGAGTCCCAGCTG GTGGTCACTGTCAGCAAAGACCTTTTTGGTACTGGG AAGCTCATCAGGCCAGCAGACCTCACCCTGGGTCCA GAGAACTGTGAGCCCCTGGTCTCCATGGACACGGAT GATGTGGTCAGGTTTGAGGTTGGGCTGCACGAGTGT GGCAGCAGGGTGCAGGTGACTGAC AATGCTCTGGTG TACAGCACCTTCCTGATCCACAGCCCC3’ (下線部は、配列番号1に示されるヌクレオチド32〜346に相当する。) 以上、先に示したCZP3263 配列とさらに決定したC
ZP3の3’側および5’側領域の2つの配列から以下
の配列表の配列番号1に示されるイヌ卵透明帯−3(C
ZP3)の全塩基配列(1322 bp )、全アミノ酸配
列(426個)が明らかとなった。
【0060】実施例2 発現ベクターの構築 市販の発現ベクターpMAL−c(New England Biolab
s ,これは目的とする蛋白質をマルトース結合蛋白質と
の融合型で発現させるベクターである。)のEcoRI
サイト、SalIサイトにCZP3263 遺伝子(配列番
号1に示されるヌクレオチド番号347から1135ま
での配列を有する)を挿入して発現ベクターを構築す
る。そのために、CZP3263 遺伝子の5’側にEco
RIサイトを3’側には停止コドン(TAA)とSal
Iサイトを次のように作製した(図2)。
【0061】自動DNA合成機を用いてEcoRIサイ
トおよび停止コドン,SalIサイトを持つ次の2個の
プライマーを合成した。
【0062】
【表8】 このプライマーと先のCZP3263 遺伝子のシークエン
スに用いたプラスミドを鋳型DNAとして GeneAmp DNA
Amplification Reagent Kit(Perkin Elmer Cetus)お
よびDNA Thermal Cycler(Perkin Elmer Cetus)を用い
てPCR(Polymerase Chain Reaction )を実施した。
反応条件は、94℃−30秒,55℃−1分,72℃−
2分を1サイクルとし、これを40サイクル実施後72
℃−7分を1回追加する。反応終了後、当量のクロロホ
ルムを加えてミネラルオイルを反応溶液より除去し、こ
れに1/10容量の3M酢酸ナトリウム(pH5.2)
と3倍容量の冷エタノールを加えてDNAをエタノール
沈澱させた。沈澱DNAは乾燥後、適量の水に溶解させ
たEcoRIおよびSalIで完全に消化させた。これ
を低融点アガロースゲル電気泳動に流し800 bp 程度
のDNAを切り出した。ゲルからのDNAの抽出はGE
NECLEAN II (BIO 101)を用いた。この
DNAを先にEcoRI,SalIで消化して同様にア
ガロースゲルより精製してあるpMAL−cベクターの
大断片にライゲーションキット(宝酒造)を用いて連結
させ、大腸菌JM109に形質転換させた。これを、ア
ンピシリン含有LBプレートに播き、生えてきたコロニ
ーを2ml培養しQIAGENHi Purity P
lasmid Kit(QIAGEN)でプラスミドを
精製した。精製したプラスミドはEcoRI,SalI
消化して目的のCZP3263 断片が組み込まれているこ
とを確認した。得られた形質転換株はpMAL−c−C
ZP3263 /JM109と命名する。
【0063】組換え型CZP3263 蛋白質の発現確認 組換え型CZP3263 蛋白質の発現確認は抗PZP3血
清を使ったウェスタンブロット法で行なった。
【0064】構築した発現ベクターを含む上記pMAL
−c−CZP3263 /JM109株を2mlLB−アンピ
シリン培地で培養し吸光度が600nm=0.4となっ
たところでIPTG( isopropyl−β−D−thiogalact
oside )を終濃度0.3mMになるように加え、さらに
3時間培養をつづけた後遠心分離により菌体を集めた。
この菌体を少量の水に懸濁後その一部をLaemmli
法のサンプルバッファー(還元条件)に可溶化しポリア
クリルアミドゲルにて常法どおりにSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動を実施した。泳動終了後、市販の
エレクトロトランスファー装置を使って蛋白質をポリア
クリルアミドゲルよりニトロセルロースフィルターに転
写した。このフィルターを2%スキムミルク−TBST
(10mM Tris-HClpH7.5, 0.14M NaCl, 0.1% Tween20)に
浸しブロッキング後、500倍希釈した抗PZP3血清
(天然のブタ卵透明帯−3画分をマウスに免疫しウェス
タンブロット法によるブタ卵透明帯−3画分と特異的に
反応することが確認されている血清。大腸菌に対する抗
体は吸収処理で取り除いてあり、イヌ卵透明帯と反応す
ることも凍結切片での間接蛍光抗体法によって確認でき
ているもの)と4℃で一晩反応させた。ネガティブコン
トロールとして正常マウス血清を同様に用いる。反応終
了後TBSTで3回洗浄した後、1000倍希釈した市
販のアルカリホスファターゼ標識抗マウスIg(G+M
+A)抗体と反応させた。反応終了後TBSTで3回洗
浄、通常どおりNBT(nitro blue tetrazolium),B
CIP(bromochloroindoly phosphate )で発色した。
図3に示すとおり抗PZP3血清とは反応するが正常血
清とは反応しない発色が認められた。これより組換え型
CZP3263 蛋白質の発現が確認された。
【0065】実施例3 組換え型CZP3263 抗原の避妊ワクチン効果の検討 遺伝子工学的に作製した組換え型CZP3263 蛋白質の
避妊ワクチン抗原として有効性を確認するためにシュミ
レーションとしてマウスを用いて避妊ワクチン実験を行
ないその効果を確認した。そのために組換え型CZP3
263 と同領域の組換え型MZP3107-369 を作製した。
【0066】(1)MZP3107-369 遺伝子のクローニ
ングおよびその発現 CZP3263 遺伝子に対応するMZP3107-369 遺伝子
は以下のようにしてクローニングした。
【0067】マウス卵巣mRNAは、Invitrog
en社のmRNA抽出キット(FastTrack mRNA ISOLATI
ON KIT)を用いて抽出した。具体的には、凍結したマウ
ス卵巣Igに対してLysis溶液10mlを加えDoun
ce Homogenizerでホモジナイス(10−12ストロー
ク)する。これらをさらに18Gの注射筒を通し細断し
た後45℃で2時間ゆっくりと振盪させる。インキュベ
ーション後4000×g、10分間遠心し、沈澱をとら
ないように注意して上清を回収する。この上清に0.5
Mとなるように5M NaCl溶液を加え、混合後生じ
た白沈澱を21Gの注射筒を通して細断する。これに、
別途にキット中のBinding溶液で調製しておいた
オリゴdTセルロース50mgを加え室温で1時間転倒
混和させる。反応終了後2000×g,10分間遠心し
オリゴdTセルロースを回収する。このセルロースペレ
ットを再度20mlのBinding溶液に懸濁させた
後2000×g,10分間遠心しオリゴdTセルロース
を回収する。この洗浄操作を3回くり返す。こうして洗
浄したオリゴdTセルロースをキットに備え付けのスピ
ンカラムに詰める。このスピンカラムに詰め込んだ段階
のオリゴdTセルロースをさらにBinding溶液で
洗い、スピンカラムを2000×g,10分間遠心し溶
液を回収する。この回収溶液のOD260 が0.05以下
となるまで繰り返し洗浄操作を行なう。洗浄が終了した
らキット中のElution溶液0.2mlを加えオリ
ゴdTセルロースを十分に懸濁させる。そして2000
×g,10秒間遠心して溶出液を回収する。再度0.1
5mlのElution溶液をオリゴdTセルロースペ
レットに加えて懸濁させた後溶出液を回収する。この2
回の操作で得られた0.35mlの回収液にキット内の
2M酢酸ナトリウムを0.15倍容量を加え、100%
エノタールをさらに2.5倍容量混合後−70℃で凍ら
せてmRNAを沈澱させる。16000×g,15分間
遠心して沈澱を回収する。冷70%エノタールで2回沈
澱を洗い、真空エバポレーターで乾燥させた後、適当量
の滅菌水に溶解する。一部を適当に希釈してOD
320-230 間のスキャンニングを行ないOD260 の吸光度
値よりmRNA量を算出する。こうして1gの卵巣より
19.2μgのmRNAを精製した。なお使用する試
薬、器具類はすべてRNaseによる分解を防ぐための
処理を施してある。
【0068】次にこの得られたmRNAをGuler
& Hoffman(Gubler, U. and Hoffman, B., GE
NE 25, 263(1983)法に基づいたPharmacia c
DNA合成キットを用いてcDNAへ変換した。具体的
には5μgのmRNAを20μlを滅菌水に溶かし、7
0℃で10分間インキュベート後氷中で急冷する。これ
にDTT(Dithiothreitol)を1μl加えた後、1st s
trand mix に移してピペットでゆっくり混合、37℃、
1時間反応させる。これをMZP3107-369 遺伝子クロ
ーニングの為の鋳型DNAとした。CZP3263 の発現
ベクター遺伝子の作製に使用したプライマー1,2をこ
のMZP3107-369 発現遺伝子の作製にも使用した。具
体的には、上記1st strand mix 4μlとプライマー
1,2を用いて同条件でPCRを実施した。その結果増
幅させたMZP3107-369 (図4)をCZP3263 の時
と同様に、EcoRI,SalI消化して同じくpMA
L−cベクターのEcoRI,SalIサイトに組み込
んだ。CZP3261 の時と同様にしてJM109に形質
転換して形質転換株(pMAL−c−MZP3107-369
/JM109)を得た。CZP3263 蛋白質の発現確認
のときと同様に候補株を培養し、抗PZP3血清でのウ
ェスタンブロット法でMZP3107-369 の発現を確認し
た。
【0069】(2)発現MZP3107-369 蛋白質の精製 MZP3107-369 発現株を40μg/mlのアンピシリ
ンを含む100mlのLB培地で一夜培養した後、その
20mlを2gのグルコースを含むRich培地1Lに
接種し、600nmにおける吸光度が0.4となるまで
培養したところでIPTGを終濃度0.3mMになるよ
うに加え、さらに3時間培養を継続した後、遠心分離に
より菌体を回収した。集めた菌体はLysis溶液(10
mM Na2HPO4 , 30mM NaCl, 0.25% Tween 20, 10mM β-m
ercaptoethanol, 10mM EDTA pH8.0, 10mM EGTA pH7.0,
1mM PMSF)に5g菌体/Lとなるように懸濁し、1mg
/mlリゾチームを加えて氷中で30分間インキュベー
ト後、超音波処理を行ない菌体を粉砕した。さらに5M
NaClを0.5Mになるように添加し9000×
g,30分間遠心して上清を回収した。この上清をカラ
ム溶液(10mM sodium phosphate pH7.2, 0.5M NaCl, 1m
M sodium azide, 10mM β-mercaptoethanol, 1mM EGTA
pH7.0)+0.25%Tween20で5倍に希釈し、
別途にカラム溶液で平衡化してあるアミロースレジン−
アフィニティーカラムに吸着させた。3倍容量のカラム
容器+0.25%Tween20、続いて5倍容量のカ
ラム溶液でアミロースレジンを洗浄後、溶出溶液(カラ
ム溶液+10mM maltose, 10mMβ-mercaptoethanol, 1mM
EGTA pH7.0)で溶出させOD280 の吸収で蛋白画分を集
めた。集めた蛋白画分は、0.15M NaCl溶液に
透析後、セントリプレップ10(AMICON)を使っ
て濃縮した。図5は、アフィニティ精製したMZP3
107-369 融合蛋白質をSDS−PAGEで流した後CB
B染色したものである。こうして調製したMZP3
107-369 融合蛋白質を以下で述べるマウス避妊ワクチン
実験のワクチン抗原として用い抗原の有効性を確認し
た。
【0070】(3)マウス避妊ワクチン実験 6匹の雌マウス(6週齢)にMZP3107-369 融合蛋白
質50μg/マウスをフロインド完全アジュバントを用
い腹腔に投与し、2週間後にフロインド不完全アジュバ
ントを用いて2回目の免疫を同様に行った。以後2週間
置きに免疫を行ない、免疫後1週間後に眼より採血を行
ない、血液中の抗体産生を調べた。マウス卵透明帯と反
応する抗体の産生の確認には、マウス卵巣の凍結切片を
間接蛍光抗体法を用いて染色した。具体的にはマウス卵
巣の凍結切片を作製、作製した卵巣組織切片は10%馬
血清でブロッキングした後に適当に希釈したマウス血清
と4℃で一晩反応させた。PBSで3回洗浄後FITC
標識抗マウスIg(G,M,A)抗体と反応させた。反
応終了後3回洗浄した後蛍光顕微鏡を用いて卵巣中の卵
透明帯が染まっているかを調べた。その結果、3回目の
免疫血清あたりから蛍光発色が認められ始め抗体の産生
が確認された。総計6回の免疫を実施した。6回目の採
血終了後雄マウスと同居を開始した。その後妊娠が確認
されるまで常時同居を継続させ妊娠するか否かを検討し
た。又、膣プラークによって交尾の確認も行なった。比
較として融合蛋白部分だけを同様に免疫した群(対照
群)を作製した。
【0071】その結果を図6に示した。MZP3
107-369 融合蛋白の免疫によって抗体価の強さには若干
のばらつきが認められるが、免疫した雌マウス6匹すべ
てにおいて自己の卵透明帯と反応する抗体が誘導され
た。対照群では検出されなかった。対照群は雄と同居後
2カ月以内に5匹すべてに子供が生まれた。一方、免疫
群は同居後5カ月経過して初めて一匹のマウスに子供が
生まれただけで残りの5匹のマウスには子供が生まれて
いない。また、対照群の平均産子数は4.8であるのに
対し免疫群のそれは1.0である。これらの結果は組換
え型MZP3107-369 抗原ワクチンが雌マウスの避妊に
関し明らかに有効であることを示しており、またこのワ
クチンによって誘導される不妊は永久的なものではなく
可逆的なものであることも示している。この避妊ワクチ
ンは免疫によって誘導する自己の卵透明帯抗体の量をな
んらかの方法(抗原量、抗原の質、免疫回数、免疫方法
等)でコントロールすることによって不妊(避妊期間、
子供数等)をコントロールすることが可能である。
【0072】この結果はイヌにおいても対応するイヌの
ZP3抗原(CZP3)をワクチン抗原として用いれば
イヌにおいても同様な避妊のコントロールが可能なこと
を立証するものである。
【0073】
【発明の効果】イヌ卵透明帯CZP−3蛋白質アミノ酸
配列をコードするDNA配列を発現させて得られるCZ
P−3関連組換えペプチドは、イヌ避妊又は不妊用のワ
クチン抗原として有用である。
【0074】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:1322 bp 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起 源: 生物名:イヌ 組織の種類:卵巣 配列: GGTTACCAGT GGGAGTGACT GGAGGAGCT ATG GGG CTG AGC TAT GGA ATT 50 Met Gly Leu Ser Tyr Gly Ile 1 5 TTC ATC TGT TTT CTG CTC CTG GGA GGC ATG GAG CTG TGC TGC CCC CAG 98 Phe Ile Cys Phe Leu Leu Leu Gly Gly Met Glu Leu Cys Cys Pro Gln 10 15 20 ACC ATC TGG CCA ACT GAG ACC TAC TAC CCA TTG ACA TCT AGG CCC CCA 146 Thr Ile Trp Pro Thr Glu Thr Tyr Tyr Pro Leu Thr Ser Arg Pro Pro 25 30 35 GTA ATG GTG GAC TGT CTG GAG TCC CAG CTG GTG GTC ACT GTC AGC AAA 194 Val Met Val Asp Cys Leu Glu Ser Gln Leu Val Val Thr Val Ser Lys 40 45 50 55 GAC CTT TTT GGT ACT GGG AAG CTC ATC AGG CCA GCA GAC CTC ACC CTG 242 Asp Leu Phe Gly Thr Gly Lys Leu Ile Arg Pro Ala Asp Leu Thr Leu 60 65 70 GGT CCA GAG AAC TGT GAG CCC CTG GTC TCC ATG GAC ACG GAT GAT GTG 290 Gly Pro Glu Asn Cys Glu Pro Leu Val Ser Met Asp Thr Asp Asp Val 75 80 85 GTC AGG TTT GAG GTT GGG CTG CAC GAG TGT GGC AGC AGG GTG CAG GTG 338 Val Arg Phe Glu Val Gly Leu His Glu Cys Gly Ser Arg Val Gln Val 90 95 100 ACT GAC AAT GCT CTG GTG TAC AGC ACC TTC CTG ATC CAC AGC CCC CGC 386 Thr Asp Asn Ala Leu Val Tyr Ser Thr Phe Leu Ile His Ser Pro Arg 105 110 115 CCT GCG GGC AAC CTG TCC ATC CTG AGA ACT AAT CGT GCC GAG GTT CCC 434 Pro Ala Gly Asn Leu Ser Ile Leu Arg Thr Asn Arg Ala Glu Val Pro 120 125 130 135 ATC GAG TGC CAC TAC CCC AGG CAC AGC AAT GTG AGC AGC CAG GCC ATC 482 Ile Glu Cys His Tyr Pro Arg His Ser Asn Val Ser Ser Gln Ala Ile 140 145 150 CTG CCC ACT TGG GTC GCC TTC AGG ACC ACA ATG CTC TTC GAG GAG AAG 530 Leu Pro Thr Trp Val Ala Phe Arg Thr Thr Met Leu Phe Glu Glu Lys 155 150 165 CTA GTT TTC TCT CTC CGC CTA ATG GAG GAG GAC TGG GGC TCC GAG AAG 578 Leu Val Phe Ser Leu Arg Leu Met Glu Glu Asp Trp Gly Ser Glu Lys 170 175 180 CAA TCC CCC ACA TTC CAG CTG GGA GAC ATA GCC CAC CTC CAG GCT GAA 626 Gln Ser Pro Thr Phe Gln Leu Gly Asp Ile Ala His Leu Gln Ala Glu 185 190 195 GTC CAC ACT GGC AGC CAT ATG CCA CTG CGA CTT TTT GTG GAC CAC TGT 674 Val His Thr Gly Ser His Met Pro Leu Arg Leu Phe Val Asp His Cys 200 205 210 215 GTG GCC ACG CTG ACA CCA GAT CGG AAT GCC TTC CCT CAT CAC AAA ATT 722 Val Ala Thr Leu Thr Pro Asp Arg Asn Ala Phe Pro His His Lys Ile 220 225 230 GTG GAC TTC CAT GGC TGT CTT GTG GAT GGT CTC TAC AAT TCC TCT TCA 770 Val Asp Phe His Gly Cys Leu Val Asp Gly Leu Tyr Asn Ser Ser Ser 235 240 245 GCC TTC AAA GCC CCC AGA CCC AGG CCA GAG ACT CTT CAG TTC ACA GTG 818 Ala Phe Lys Ala Pro Arg Pro Arg Pro Glu Thr Leu Gln Phe Thr Val 250 255 260 GAT GTT TTC CAC TTT GCT AAG GAC TCA AGA AAC ACG ATC TAT ATC ACC 866 Asp Val Phe His Phe Ala Lys Asp Ser Arg Asn Thr Ile Tyr Ile Thr 265 270 275 TGC CAT CTG AAG GTC ACT CCG GCT GAC CGA GTC CCA GAC CAG CTA AAC 914 Cys His Leu Lys Val Thr Pro Ala Asp Arg Val Pro Asp Gln Leu Asn 280 285 290 295 AAA GCT TGT TCC TTC ATC AAG TCT ACC AAG AGG TCC TAC CCT GTA GAA 962 Lys Ala Cys Ser Phe Ile Lys Ser Thr Lys Arg Ser Tyr Pro Val Glu 300 305 310 GGC TCG GCT GAT ATT TGT CGC TGT TGT AAC AAA GGC AGC TGT GGC CTT 1010 Gly Ser Ala Asp Ile Cys Arg Cys Cys Asn Lys Gly Ser Cys Gly Leu 315 320 325 CCA GGC CGG TCC AGG AGG CTG TCC CAC CTA GAG AGA GGG TGG CGC AAG 1058 Pro Gly Arg Ser Arg Arg Leu Ser His Leu Glu Arg Gly Trp Arg Lys 330 335 340 TCT GTT TCC CAC ACT AGA AAT CGC AGG CAC GTG ACT GAA GAA GCA GAT 1106 Ser Val Ser His Thr Arg Asn Arg Arg His Val Thr Glu Glu Ala Asp 345 350 355 ATC ACC GTG GGG CCT CTG ATC TTC CTG GGA AAG GCT AGT GAT CAT GGT 1154 Ile Thr Val Gly Pro Leu Ile Phe Leu Gly Lys Ala Ser Asp His Gly 360 365 370 375 ATA GAG GGG TCA ACC TCT CCT CAC ACC TCT GTG ATG TTG GGC TTA GGC 1202 Ile Glu Gly Ser Thr Ser Pro His Thr Ser Val Met Leu Gly Leu Gly 380 385 390 CTG GCC ACG GTG GTA TCC CTG ACT CTA GCT ACC ATT GTC CTG GTC CTT 1250 Leu Ala Thr Val Val Ser Leu Thr Leu Ala Thr Ile Val Leu Val Leu 395 400 405 GCC AAG AGG CAT CGT ACT GCT TCC CAC CCT GTG ATA TGC CCT GCA TCT 1298 Ala Lys Arg His Arg Thr Ala Ser His Pro Val Ile Cys Pro Ala Ser 410 415 420 GTC TCC CAA TAAAAGAATA AGC 1320 Val Ser Gln 425
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、遺伝子工学手法により決定されたマ
ウス及びイヌ卵透明帯ZP−3の推定アミノ酸配列の比
較を示す。
【図2】この図は、発現用イヌ卵透明帯CZP3263
伝子配列をアミノ酸配列と共に示す。
【図3】この図は、組換え型CZP3263 抗原の発現を
確認したウェスタンブロット写真である。レーン1は分
子量マーカー、レーン2と7はpMAL−c−CZP3
263 /JM109−#2、レーン3と8はpMAL−c
−CZP3263 /JM109−#7、レーン4と9はp
MAL−c−CZP3263 /JM109−#12、レー
ン5と10はpMAL−c−CZP3263 /JM109
−#14、レーン6はpMAL−c/JM109であ
る。
【図4】この図は、発現用マウス卵透明帯MZP3
107-369 遺伝子配列をアミノ酸配列と共に示す。
【図5】この図は、アフィニティー精製した組換え型M
ZP3107-369 融合蛋白質のSDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動結果を示す写真である。レーン1は分子
量マーカー、レーン2は該融合蛋白質を示す。
【図6】この図は、組換え型MZP3107-369 抗原を免
疫した又は免疫しないマウスの不妊期間及び産子数を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12N 1/21 7236−4B (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:19) (72)発明者 鈴木 正則 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1に示されるイヌ卵透明帯CZ
    P−3蛋白質アミノ酸配列の全部又は一部をコードする
    塩基配列を含むDNA。
  2. 【請求項2】 前記塩基配列が、配列番号1に示される
    ヌクレオチド番号32〜1309の塩基配列の全部又は
    一部である請求項1記載のDNA。
  3. 【請求項3】 前記塩基配列が、配列番号1に示される
    ヌクレオチド番号347〜1135の配列から成る請求
    項2記載のDNA。
  4. 【請求項4】 配列番号1に示されるイヌ卵透明帯CZ
    P−3蛋白質アミノ酸配列の全部又は一部を含む組換え
    ペプチドの製造方法であって、請求項1、2又は3記載
    のDNAを複製可能な適切な発現ベクターに組み込み、
    得られた発現ベクターで適切な宿主を形質転換し、得ら
    れた形質転換体を適切な培地中で培養し、前記DNAを
    発現させ、及び得られた組換えペプチドを回収する、こ
    とを包含する方法。
  5. 【請求項5】 前記形質転換体が、大腸菌株pMAL−
    c−CZP3263 /JM109である請求項4記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 配列番号1に示されるアミノ酸配列の全
    部又は一部を有するイヌ卵透明帯CZP−3関連ペプチ
    ド。
  7. 【請求項7】 配列番号1に示されるアミノ酸番号10
    6〜368のアミノ酸配列を有する請求項6記載のペプ
    チド。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7のいずれか一項に記載の
    ペプチドを有効量含有するイヌの避妊ワクチン。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のワクチンを雌イヌに投与
    し免疫感作することを包含するイヌの避妊方法。
JP35399092A 1991-12-26 1992-12-15 イヌ卵透明帯czp−3をコードするdna、該dnaによってコードされるczp−3関連ペプチド、および該ペプチド含有避妊ワクチン Pending JPH05336974A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996006113A1 (en) * 1994-08-22 1996-02-29 Akzo Nobel N.V. New immunocontraceptive peptides

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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