JPH061773U - 燃料噴射装置におけるスロットルボデー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】スロットルバルブより機関側の吸気路内に設け
た小ベンチュリーより燃料を機関に向けて供給するスロ
ットルボデーにおいて、吸気路内に燃料を均一に供給す
る。 【構成】少なくとも小ベンチュリー１４の外周壁１４Ｂ
と吸気路１１の内周壁１１Ｂとの間に、スロットルバル
ブ１３の全開時におけるスロットルバルブ１３の平板面
に略平行し、且つ小ベンチュリー１４の長手軸心方向Ｘ
−Ｘに沿い、吸気路１１を区分する整流壁１を設け、小
ベンチュリーの開口端部の外周部を流れる空気流を小ベ
ンチュリーの長手軸心方向に整流する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はスロットルバルブより機関側の吸気路内に単一のインジェクターより 燃料を噴射する一点噴射式の燃料噴射装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

かかる一点噴射式の燃料噴射装置の従来例は実開昭５９−１６３１７３号公報 に示される。 かかる従来例について図３により説明する。 １０は、機関に連なる吸気路１１が上下方向に貫通して穿設されたスロットルボ デーであり、吸気路１１はスロットルボデー１０に回転自在に支承された軸１２ に取着される平板状のスロットルバルブ１３によって開閉制御される。 一方、スロットルボデー１０のスロットルバルブ１３より機関側の吸気路１１Ａ には、吸気路１１Ａの略中心にあって吸気路１１Ａの軸心方向に沿い、吸気路１ １より小径の小ベンチュリー１４が形成されるものであり、インジェクター１５ より噴射される燃料は、小ベンチュリー１４内に噴射供給される。このように小 ベンチュリー１４内に向けて燃料を噴射したことは、吸気路１１内を機関に向け て流下する燃料を吸気路１１内に均一に分散させる為であり、小ベンチュリー１ ４の機関側の開口端部１４Ａより吸気路１１内へ供給される燃料は小ベンチュリ ー１４の外周壁１４Ｂと吸気路１１の内周壁１１Ｂとの間を流れる空気と混合し て均一化されるものである。 このように小ベンチュリー１４を設けて、機関へ供給される燃料を均一に制御さ せることは、単一のインジェクターより噴射される燃料を機関の多気筒に向けて 供給する一点噴射式の燃料噴射装置において有効なものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

かかる従来の燃料噴射装置によると以下の問題点を有する。まず、小ベンチュ リー１４の開口端部１４Ａからスロットルバルブ１３より機関側の吸気路１１Ａ に供給される燃料について鑑案すると、小ベンチュリー１４が吸気路１１Ａの略 中心に配置されていることから吸気路１１Ａの略中心部分に環状に供給される。 一方、スロットルバルブ１３によって制御される吸気路１１内の空気流れについ て鑑案すると、図３の実線に示されるスロットルバルブ１３の中間開度域におい て、吸気路１１の入口側に対向するスロットルバルブ１３の上面１３Ａに沿って 機関側へ流れ込む空気流はスロットルバルブ１３の端部１３Ｂと吸気路１１の右 側壁１１Ｃとの間の間隙Ｓを通ってスロットルバルブ１３より機関側の吸気路１ １Ａ内に流下するものであるが、この空気流は前記間隙Ｓを通過した後において 吸気路１１の左側壁１１Ｄに向かって偏向されて流れる。 これは、スロットルバルブ１３の下面１３Ｃ近傍の吸気路内に負圧状態の渦流が 発生し、この負圧が空気流を左側壁１１Ｄ側に沿って吸引させる為である。この 空気流の偏向流れ状態は小ベンチュリー１４の開口端部１４Ａに達するもので矢 印Ａに示される。 以上によれば、小ベンチュリー１４の開口端部１４Ａより吸気路１１Ａ内へ送ら れる環状の燃料の流れは吸気路１１Ａの左側壁１１Ｄに向かって指向されるもの で、スロットルバルブ１３より機関側の吸気路１１Ａ内に均一に燃料を供給する ことが困難となるもので、特に一点噴射式の燃料噴射装置において各気筒に対し て均一なる燃料を供給することが不可能となるものであった。 本考案は、前記問題点に鑑み成されたもので、一点噴射式の燃料噴射装置におい て、機関に向けて均一状態にある燃料を供給することのできるスロットルボデー を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決する為の手段】

本考案によれば、前記目的達成の為に、内部を機関側に向かう吸気路が貫通し 、該吸気路には吸気路の開口面積を開閉制御する平板状のスロットルバルブが回 転自在に配置されるとともにスロットルバルブより機関側の吸気路内に小ベンチ ュリーが形成され、該小ベンチュリーに向けてインジェクターより燃料が噴射供 給される燃料噴射装置において、 少なくとも小ベンチュリーの外周壁と吸気路の内周壁との間に、スロットルバル ブの全開時におけるスロットルバルブの平板面に略平行し、且つ小ベンチュリー の長手軸心方向Ｘ−Ｘに沿い、吸気路を区分する整流壁を設けたことを特徴とす る。

【０００５】

【作用】

スロットルバルブの中間開度域において、スロットルバルブの端部と吸気路の 一側壁との間隙よりスロットルバルブより機関側の吸気路に向かって流下する空 気流が吸気路の他側壁に向かって偏向して流下せんとするも、該空気流は整流壁 に沿って吸気路の軸心方向に向かう流れに修正されて整流されるので、小ベンチ ュリーの開口端部より吸気路内に送られる燃料が一側に偏向されることがなくな り、吸気路内に均一に供給される。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案になる燃料噴射装置におけるスロットルボデーの一実施例を図１ ，図２により説明する。 図１は要部縦断面図、図２は図１のＰ−Ｐ線における要部横断面図である。 尚、図３と同一構造部分は同一符号を使用して説明を省略する。本考案は整流壁 １を設けることにあり、整流壁１は以下の要件を満たす。 （１）整流壁１は少なくとも小ベンチュリー１４の外周壁１４Ｂとスロットル バルブ１３より機関側の吸気路１１Ａの内周壁１１Ｂとの間にある。 （２）整流壁１は、スロットルバルブ１３の全開時におけるスロットルバルブ １３の平板面Ｒ（平板状のスロットルバルブそのもの）に略平行し、且つ小ベン チュリー１４の長手軸心方向Ｘ−Ｘに沿って延びる。（小ベンチュリー１４の長 手軸心方向Ｘ−Ｘは吸気路１１の長手軸心方向とほぼ同一軸心をなす） （３）整流壁１は小ベンチュリー１４の外周壁１４Ｂとスロットルバルブ１３ より機関側の吸気路１１Ａの内周壁１１Ｂとにより形成される環状の吸気路を区 分する。

【０００７】 以上によると、特にスロットルバルブ１３の中間開度域において、スロットル バルブ１３の上面１３Ａに沿って流れる空気がスロットルバルブ１３の端部１３ Ｂと吸気路１１の右側壁１１Ｃとの間隙を通ってスロットルバルブ１３より機関 側の吸気路１１Ａ内に流入する際、該空気の流れは、スロットルバルブ１３より 機関側の左側壁の吸気路１１Ｄに向かって偏向せんとするが、この空気流れは整 流壁１によって阻止されるもので、空気の流れは小ベンチュリー１４の長手軸心 方向Ｘ−Ｘの流れに変えられる。 この空気の流れは図１の矢印Ｂ，Ｃに示されるもので、図１によって理解される ように小ベンチュリー１４の開口端部１４Ａにおける空気の流れは小ベンチュリ ー１４の長手軸心方向Ｘ−Ｘ（いいかえると吸気路１１の長手軸心方向である） に沿うものである。 而して、インジェクター１５を介して小ベンチュリー１４の開口端部１４Ａより 吸気路１１内に噴射される燃料は、小ベンチュリー１４の長手軸心方向Ｘ−Ｘに 沿って流れる空気に混入されるので、吸気路１１の一側に燃料が偏向されること がなく、吸気路１１内に均一に燃料を存在させることが可能と成ったもので、こ れによって機関を構成する多気筒に向けて均一なる混合気を供給できたものであ る。

【０００８】

【考案の効果】

以上の如く、本考案によると、特に小ベンチュリーの外周にスロットルバルブ の全開時におけるスロットルバルブに略平行に小ベンチュリーの長手軸心方向に 沿い吸気路を区分する整流壁を設けたので、小ベンチュリーの開口部における空 気流を小ベンチュリーの長手軸心方向（吸気路の長手軸心方向）に沿って整流さ せることができたもので、小ベンチュリーの開口より供給される燃料が偏向され ることなく吸気路内の空気に混入されるものであり、機関を構成する各気筒に対 して均一なる燃料供給を行なうことができ、機関性能の著しい向上を達成できた ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案になる燃料噴射装置におけるスロットル
ボデーの一実施例を示す要部縦断面図である。

【図２】図１のＰ−Ｐ線における要部横断面図である。

【図３】従来の燃料噴射装置を示す要部縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 整流壁 １０ スロットルボデー １１ 吸気路 １３ スロットルバルブ １４ 小ベンチュリー

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ０２Ｍ 35/10 ３０１ Ｄ 9247−3Ｇ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部を機関側に向かう吸気路が貫通し、
   該吸気路には吸気路の開口面積を開閉制御する平板状の
   スロットルバルブが回転自在に配置されるとともにスロ
   ットルバルブより機関側の吸気路内に小ベンチュリーが
   形成され、該小ベンチュリーに向けてインジェクターよ
   り燃料が噴射供給される燃料噴射装置において、 少なくとも小ベンチュリー１４の外周壁１４Ｂと吸気路
   １１の内周壁１１Ｂとの間に、スロットルバルブ１３の
   全開時におけるスロットルバルブ１３の平板面に略平行
   し、且つ小ベンチュリー１４の長手軸心方向Ｘ−Ｘに沿
   い、吸気路１１を区分する整流壁１を設けてなる燃料噴
   射装置におけるスロットルボデー。