JPH06175703A - フィードバック制御系のループゲイン調整装置およびループゲイン調整方法 - Google Patents

フィードバック制御系のループゲイン調整装置およびループゲイン調整方法

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JPH06175703A
JPH06175703A JP5083796A JP8379693A JPH06175703A JP H06175703 A JPH06175703 A JP H06175703A JP 5083796 A JP5083796 A JP 5083796A JP 8379693 A JP8379693 A JP 8379693A JP H06175703 A JPH06175703 A JP H06175703A
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loop gain
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィードバック制御系のループゲインを簡単
かつ小規模な装置を用いて設定値に一致するように調整
する。 【構成】 外乱加算器5の出力信号の定常値、あるいは
補償器2の入力信号または出力信号の定常値に基づい
て、ループゲイン検出器7にフィードバック制御系12
のループゲインを検出させ、このループゲインの検出値
に従ってループゲイン調整用のゲイン可変増幅器4の制
御を行い、また、フィードバック制御系12の閉ループ
伝達関数の逆動特性を持つフィルタ11cに、該フィル
タ11cの相対次数以上の微分可能な信号rcを通過さ
せて外乱信号xcを発生し、検出信号ycと信号rcと
の一致に基づいてループゲインを検出し、制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フィードバック制御
系のループゲインを、所望の設計値に一致するように調
整するフィードバック制御系のゲイン調整装置およびゲ
イン調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図26,27は例えば特開昭61−18
2108号公報に示された従来のゲイン検出器およびゲ
イン自動調整回路を示すブロック図であり、図26にお
いて、101は被測定増幅器で、この出力は外乱加算器
103を介して再び自らの入力に帰り、フィードバック
系を構成している。
【0003】また、104はオシレータで外乱加算器1
03の入力に接続されている。105は信号加算器で、
外乱加算器103の入力信号(被測定増幅器101の出
力)および出力信号を所定の割合で加算するよう結線さ
れている。102は位相比較器で、信号加算器105の
出力信号と外乱信号との位相を比較するように結線され
ている。そして、位相比較器102の出力がゲイン検出
器の出力となっている。
【0004】さらに、図27において、51は固定増幅
器、52はゲイン可変の増幅器で、この固定増幅器51
とゲイン可変の増幅器52を合わせたものが図26の被
測定増幅器101に相当し、また位相比較器102の出
力は減算器53に接続されている。減算器53には基準
電圧源54が接続され、減算器53の出力はゲイン可変
の上記増幅器52に接続されている。
【0005】次に動作について説明する。まず、図26
において、被測定増幅器101のゲインをAとし、外乱
信号をxとすると、簡単な計算により外乱加算器103
の入力信号(被測定増幅器101の出力)y1および出
力信号y2は、各々(1),(2)式のようになる。
【0006】 y1={−A/(1+A)}x ・・・・・・・・・(1)
【0007】 y2={1/(1+A)}x ・・・・・・・・・(2)
【0008】従って、信号加算器105の出力yは
(3)式のようになる。
【0009】 y=y1+y2={(1−A)/(1+A)}x ・・・・・(3)
【0010】図28は、その動作原理を説明する各信号
の位相平面図であり、図において、21はベクトル1、
22はベクトルA、23はベクトル−Aを示し、25は
ベクトル(1+A)、26はベクトル(1−A)を示し
ている。また、27はベクトル(1+A)とベクトル
(1−A)との角度θを表している。
【0011】従って、(3)式よりベクトルyのベクト
ルxに対する位相差はベクトル25およびベクトル26
のなす角度θであることは明らかである。以上の関係に
より、被測定増幅器101のゲインAがA>1のとき、
角度θは θ>90゜、被測定増幅器101のゲインA
がA=1のとき、角度θは θ=90゜、被測定増幅器
101のゲインAがA<1のとき、角度θは θ<90
゜、であることが分かる。
【0012】さらに、位相比較器102は外乱信号xと
信号加算器105の出力信号yの位相を比較することに
より、被測定増幅器101のゲインAの検出を行うよう
に動作する。以上がゲイン検出器の動作原理である。
【0013】一方、図27において、位相比較器102
の出力は減算器53に入力され、基準電圧源54の電圧
と減算され、減算器53の出力が零となるよう、ゲイン
可変の増幅器52のゲインを制御するように動作する。
以上がゲイン自動調整回路の動作である。なお、被測定
増幅器101がフィードバック制御系の制御対象および
補償器より構成されていると考えても、動作,作用,効
果は上記と同じである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来のゲイン検出器お
よびゲイン自動調整回路は以上のように構成されている
ので、ゲインAを求めるためには、外乱信号xと信号加
算器105の出力信号yとの位相差と、ゲインAを関係
づける手段が必要で、その手段が複雑であるほか、位相
比較をする信号を検出するために、3つの信号を必要と
するので、装置の構成が複雑かつ大規模になるなどの問
題点があった。
【0015】請求項1ないし3および5の発明は上記の
ような問題点を解消するためになされたものであり、簡
単な構成で、フィードバック制御系のループゲインを検
出し、さらに所望のループゲインに一致するように調整
するループゲイン調整装置を得ることを目的とする。
【0016】また、請求項4および6の発明は、フィー
ドバック制御系内部の1つの信号を検出するだけでルー
プゲインを求め、これによって簡単にフィードバック制
御系のループゲインを設定値に調整することができるフ
ィードバック制御系のループゲイン調整方法を得ること
を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るフ
ィードバック制御系のループゲイン調整装置は、外乱信
号を、制御対象の伝達関数および該制御対象とともに構
成されるフィードバック制御系を安定化する補償器の伝
達関数の積に等しい伝達関数を持つフィルタを通過させ
たステップ信号とする外乱発生器と、該外乱発生器から
得られた外乱信号を上記補償器の出力に印加する外乱印
加手段と、該外乱印加手段の出力信号を検出し、該出力
信号の定常値から上記フィードバック制御系のループゲ
インを検出するループゲイン検出器とを備えて、ゲイン
調整手段に、上記ループゲイン検出器によって検出され
たループゲインに基づき、上記フィードバック制御系の
ループゲインを調整させるようにしたものである。
【0018】請求項2の発明に係るフィードバック制御
系のループゲイン調整装置は、外乱信号を、制御対象の
伝達関数に等しい伝達関数を持つフィルタを通過させた
ステップ信号とする外乱発生器と、該外乱発生器から得
られた外乱信号を、上記制御対象を含む上記フィードバ
ック制御系を安定化する補償器の入力に印加する外乱印
加手段と、上記補償器の出力信号を検出し、該出力信号
の定常値から上記フィードバック制御系のループゲイン
を検出するループゲイン検出器とを備えて、ゲイン調整
手段に、上記ループゲイン検出器によって検出されたル
ープゲインに基づき、上記フィードバック制御系のルー
プゲインを調整させるようにしたものである。
【0019】請求項3の発明に係るフィードバック制御
系のループゲイン調整装置は、外乱信号を、フィードバ
ック制御系を安定化する補償器の伝達関数に等しい伝達
関数を持つフィルタを通過させたステップ信号とする外
乱発生器と、該外乱発生器から得られたステップ信号
を、制御対象の入力に印加する外乱印加手段と、上記補
償器の入力信号を検出し、該入力信号の定常値から上記
フィードバック制御系のループゲインを検出するループ
ゲイン検出器とを備えて、ゲイン調整手段に、上記ルー
プゲイン検出器によって検出されたループゲインに基づ
き、上記フィードバック制御系のループゲインを調整さ
せるようにしたものである。
【0020】請求項4の発明に係るフィードバック制御
系のループゲイン調整方法は、外乱発生器において外乱
信号をフィードバック制御系のサンプリング周期で離散
化してメモリに記憶させ、該メモリから再生した信号
を、制御対象を含む上記フィードバック制御系を安定化
する補償器の出力信号または入力信号に加える加算ステ
ップと、該加算ステップで得た出力信号の定常値を検出
する定常値検出ステップと、該定常値検出ステップで得
た上記定常値の平均値から演算によってループゲインを
求めるゲイン演算ステップとを設けて、ゲイン調整ステ
ップにて、上記ゲイン演算ステップで求めたループゲイ
ンに従って、上記フィードバック制御系のループゲイン
を調整させるようにしたものである。
【0021】請求項5の発明に係るフィードバック制御
系のループゲイン調整装置は、制御対象を含むフィード
バック制御系の閉ループ伝達関数の逆動特性を持つフィ
ルタ手段と、該フィルタ手段の相対次数以上の微分可能
な信号を、該フィルタ手段に通過させて外乱信号を発生
する外乱発生手段と、該外乱発生器からの信号を上記フ
ィードバック制御系のループ回路内に印加する外乱印加
手段と、該外乱印加手段の入力信号を検出し、該入力信
号から上記フィードバック制御系のループゲインを検出
するループゲイン検出手段とを備えて、該ループゲイン
検出手段によって検出されたループゲインに基づき、上
記フィードバック制御系のループゲインを調整させるよ
うにしたものである。
【0022】請求項6の発明に係るフィードバック制御
系のループゲイン調整方法は、外乱発生手段において外
乱信号を、フィードバック制御系のサンプリング周期で
離散化してメモリに記憶させ、該メモリから再生した信
号を、上記フィードバック制御系の制御対象の入力信号
に印加する外乱印加ステップと、該外乱印加ステップへ
の入力信号を検出して、上記外乱信号の入力時刻から一
定時間経過後の上記入力信号の値を検出する入力信号検
出ステップと、該入力信号検出ステップで得た上記外乱
信号入力時刻から一定時間経過後の上記入力信号の値の
平均値から、演算によって上記フィードバック制御系の
ループゲインを求めるループゲイン演算ステップとを設
け、ゲイン調整ステップにて、上記ループゲイン演算ス
テップで求めたループゲインに従って、上記フィードバ
ック制御系のループゲインを調整させるようにしたもの
である。
【0023】
【作用】請求項1の発明におけるループゲイン検出器
は、外乱印加手段の出力信号の定常値からフィードバッ
ク制御系のループゲインを検出し、この検出値に基づ
き、ゲイン調整手段がループゲインを設定値に自動調整
するように機能する。
【0024】また、請求項2の発明におけるループゲイ
ン検出器は、補償器の出力信号の定常値からフィードバ
ック制御系のループゲインを検出し、この検出値に基づ
き、ゲイン調整手段がループゲインを設定値に自動調整
するように機能する。
【0025】また、請求項3の発明におけるループゲイ
ン検出器は、補償器の入力信号の定常値からフィードバ
ック制御系のループゲインを検出し、この検出値に基づ
き、ゲイン調整手段がループゲインを設定値に自動調整
するように機能する。
【0026】また、請求項4の発明におけるゲイン演算
ステップでは、定常値検出ステップで得た定常値の平均
値に基づきループゲインを演算し、この演算値に従って
フィードバック制御系のループゲインを設定値に調整可
能にする。
【0027】また、請求項5の発明におけるループゲイ
ン検出器は、外乱印加手段の入力信号からフィードバッ
ク制御系のループゲインを検出し、この検出値に基づ
き、ゲイン調整手段がループゲインを設定値に自動調整
するように機能する。
【0028】また、請求項6の発明におけるループゲイ
ン演算ステップでは、フィードバック制御系のループゲ
インを演算し、この演算値に基づき、ゲイン調整ステッ
プがループゲインを設定値に自動調整するように機能す
る。
【0029】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1において、1は制御対象であり、その伝達関
数をP(s)とする。2はフィードバック制御系を安定
化する補償器であり、その伝達関数はC(s)とする。
3は減算器であり、上記制御対象1と補償器2の結合を
行うとともに、後述するフィードバック制御系の指令信
号との比較(減算)を行う。
【0030】4はゲイン調整手段としてのゲイン可変増
幅器(ゲイン調整手段)であり、その出力は制御対象1
に入力され、そのゲインはKaである。6は外乱信号x
を発生する外乱発生器であり、この外乱発生器6は、ス
テップ信号rを発生するステップ信号源10と、制御対
象1の伝達関数P(s)と補償器2の伝達関数C(s)
の積に等しい伝達関数をもつフィルタ11とから構成さ
れており、外乱信号xを発生する。
【0031】また、5は外乱印加手段(外乱印加手段)
としての外乱加算器であり、上記補償器2の出力と外乱
信号xを加算して補償器2の出力に印加する。yは外乱
加算器5の出力信号で、これがゲイン可変増幅器4に入
力される。7はループゲイン検出器で、これが外乱加算
器5の出力信号yを入力し、上記フィードバック制御系
のループゲインを検出する。さらにループゲイン検出器
7の出力は、ゲイン可変増幅器4に入力される。
【0032】そして、これらの制御対象1、補償器2、
減算器3、ゲイン可変増幅器4および外乱加算器5はフ
ィードバック制御系12を構成している。また、上記外
乱発生器6、外乱加算器5、ループゲイン検出器7およ
びゲイン可変増幅器4はループゲイン調整装置13を構
成している。
【0033】次に動作について説明する。初めにループ
ゲインKaを求める動作を説明する。まず、外乱信号x
は、上記のように制御対象1の伝達関数P(s)と補償
器2の伝達関数C(s)の積に等しい伝達関数をもつフ
ィルタ11に通過させたステップ信号rであるから、簡
単な計算により外乱信号xは(4)式のようになる。
【0034】 x(s)=P(s)C(s)r(s) ・・・・・・・(4)
【0035】ここで、sはラプラス演算子を示し、x
(s)およびr(s)はそれぞれ外乱信号xおよびステ
ップ信号rのラプラス変換を示す。また、外乱信号xか
ら外乱加算器5の出力信号yまでの関係は、y(s)を
前記出力信号yのラプラス変換とすると(5)式にな
る。
【0036】 y(s)=[1/{1+KaP(s)C(s)}]x(s)・・・(5)
【0037】従って、ステップ信号rから外乱加算器5
の出力信号yの関係を求めると(6)式になる。
【0038】 y(s)=[P(s)C(s)/{1+KaP(s)C(s)}]r(s) ・・・・・・・(6)
【0039】ここで、rが大きさr0 のステップ信号
(r(s)=r0 /s)とすれば、外乱加算器5の出力
信号yの定常値Yつまりy(t→∞)は、下記に示すよ
うなラプラス変換の最終値定理より、下記のようにな
る。
【0040】
【数1】
【0041】この式(7)において、P(0)C(0)
は、フィードバック制御系12の開ループ伝達関数の直
流ゲインに相当しており、この値が既知であるなら、ゲ
インKaを求めることができる。また、一般にフィード
バック制御系のP(0)C(0)は、P(0)C(0)
>>1となるように設計されるので、Y≒r0 /Kaか
ら、下記のようになる。
【0042】 Ka≒r0 /Y ・・・・・・・(8)
【0043】このように、外乱加算器5の出力信号yの
定常値Yを検出することにより、ループゲインKaを知
ることができる。この式(8)では外乱加算器5の出力
信号yが時間tが無限大になったときの定常値Yを必要
としているが、フィードバック制御系12の応答の速度
に合わせて、出力信号yがほぼ定常になる適当な時間t
=taでの出力信号yの値をYとしても、実用上の問題
は生じない。
【0044】また、ステップ信号の大きさr0 も、フィ
ードバック制御系の応答の速度や、飽和の大きさを考慮
して決めればよく、r0 の大きさによって式(8)の一
般性を失うことはない。そして、図2〜図6は以上に示
したループゲインの検出法を計算機シミュレーションに
より説明したものである。
【0045】このうち、図2は計算機シミュレーション
に与えた制御系の開ループ伝達関数の周波数応答特性
(ボード線図)を表しており、(a),(b)および
(c)は、各々のフィードバック制御系において、Ka
=1/2、Ka=1およびKa=2としたときの、ボー
ド線図を表している。そして、このうち(b)に示す周
波数応答特性が所望の特性であり、(a)のときはゲイ
ンが低く、(c)のときはゲインが高い。
【0046】従って、この発明のゲイン調整装置は、
(a)のときはゲインKaを高めるように動作し、
(c)のときはゲインKaを小さくするように動作し
て、所望のゲイン(Ka=1)になるように動作するも
のである。このときの制御対象1と補償器2の値は下記
のように与えられる。
【0047】 P(s)=fn2 /(s2 +2ξfns+fn2 ) ・・・・・(9)
【0048】 C(s)=g(as+b)(cs+1)/(s+ab)(cs+d) ・・・・・(10)
【0049】ここで、fn=0.377、ξ=0.0
1、a=3.73、b=6.28、c=1.27、d=
0.09、g=226であり、これらの値は、図1に示
すフィードバック制御系12をKa=1として構成した
とき、制御系の交差周波数fc(クロスオーバ周波数)
が1Hz(正規化周波数)、位相余裕が60degにな
るように設計されている。
【0050】さらに、制御対象1の伝達関数P(s)
は、その共振周波数が交差周波数fcの0.06倍のと
ころにあり、伝達関数C(s)は位相遅れ補償と位相進
み補償を組み合わせている。この制御系は、光ディスク
装置などに使用するビックアップレンズのフォーカスサ
ーボ系やトラッキングサーボ系の構成をモデル化したも
のである。
【0051】次にゲイン検出の動作を説明する。図3は
式(9),式(10)の積に等しい伝達関数をもつフィ
ルタ11に、大きさ1(r0 =1)のステップ信号を入
力し、発生させた外乱信号xの時間応答を表している。
図4はKa=1/2としたフィードバック制御系12
に、図3に示した外乱信号xを外乱加算器5に入力し、
そのときの外乱加算器5の出力信号yの時間応答を表し
ており、出力信号yの定常値Yは、ほぼ2となってい
る。
【0052】また、図5はKa=1としたフィードバッ
ク制御系12に、図3に示した外乱信号xを外乱加算器
5に入力し、そのときの外乱加算器5の出力信号yの時
間応答を表しており、出力信号yの定常値Yは、ほぼ1
となっている。
【0053】さらに、図6はKa=2としたフィードバ
ック制御系12に、図3に示した外乱信号xを外乱加算
器5に入力し、そのときの外乱加算器5の出力信号yの
時間応答を表しており、出力信号yの定常値Yは、ほぼ
1/2となっている。ここで、図4〜図6において、各
々の定常値Yは、時間t=4のときのyの値をその値と
した。
【0054】従って、式(8)とr0 =1より、検出さ
れるゲインKaは、それぞれ図4のものはKa≒1/
2、図5のものはKa≒1、図6のものはKa≒2であ
ることが分かり、以上に示した検出法により求められた
ゲインにより、図1に示すループゲイン調整装置13
は、ゲイン可変増幅器4のゲインを変更するように動作
する。
【0055】特に、外乱信号を大きさ1のステップ信号
で発生すれば、検出されるyの定常値ym は、1/Ka
であるので、現状のゲイン可変増幅器4のゲインに、定
常値ym をそのまま乗ずれば、ゲイン調整後のフィード
バック制御系のゲインは1となる。このため、ループゲ
イン調整装置13の構成が非常に簡単なものになる。
【0056】図7は以上に示したゲイン検出法により、
フィードバック制御系12のゲイン調整を実現するソフ
トウェアのフローチャートを示す。この実施例では、外
乱信号xをフィードバック制御系12のサンプリング周
期で離散化し、メモリに記憶させる。このとき、そのサ
ンプリング回数Nを入力する(ステップST21)。
【0057】次に、メモリから外乱信号を読み出し、外
乱加算器5に加える(加算ステップ、ステップST2
2)。こうして出力が安定する時間ta以上待ち(ステ
ップST23)、外乱加算器5の出力信号yの定常値Y
を検出し(ステップST24)、これを記憶する(ステ
ップST25)。
【0058】こうして、定常値Yを求める動作を繰り返
す回数たるサンプリング回数Nを1ずつ減らし(ステッ
プST26)、N=0になると(ステップST27)、
定常値Yの平均値を求め(ステップST28)、これか
ら式(8)に従って、ループゲインKaを求め(ゲイン
演算ステップ、ステップST29)、これに基づき、ゲ
イン可変増幅器4のゲインを調整することになる(ゲイ
ン調整ステップ、ステップST30)。
【0059】また、このとき外乱信号xは、例えば図8
に示すように、一定時間tbの大きさr0 のステップ信
号と一定時間tcの無信号を外乱発生器6にフィルタ1
1に通過させた信号を、フィードバック制御系12のサ
ンプリング周期Δtで離散化したものである。ここで、
時間tbは、図4から図6に示した時間taよりも大き
く選ぶことが必要である。
【0060】実施例2.図9はこの発明の他の実施例を
示し、図1に示したものと同一符号は同一部分を示し、
その重複する説明を省略する。図9において、6aは外
乱信号xaの出力する外乱発生器で、これはステップ信
号源10と制御対象1の伝達関数P(s)に等しい伝達
関数をもつフィルタ11aから構成されている。5aは
外乱加算器であり、減算器3の出力と外乱信号xaを加
算して補償器2の入力に印加する。
【0061】次に動作について説明する。外乱信号xa
は、制御対象1の伝達関数P(s)に等しい伝達関数を
もつフィルタ11aに通過させたステップ信号rである
から、簡単な計算により外乱信号xaは次式のようにな
る。
【0062】 xa(s)=P(s)r(s) ・・・・・・・・(11)
【0063】ここで、xa(s)およびr(s)はそれ
ぞれ外乱信号xaおよびステップ信号rのラプラス変換
値を示す。また、外乱信号xaから外乱加算器(外乱印
加手段)5aの出力信号yまでの関係は、下記の通りと
なる。
【0064】 y(s)=[c(s)/{1+KaP(s)C(s)}]xa(s) ・・・・・・・(12)
【0065】従って、ステップ信号rから外乱加算器5
aの出力信号yの関係を求めると、式(6)と等価なも
のとなる。
【0066】図10〜図13は以上に示したループゲイ
ンの検出法を計算機シミュレーションで示したものであ
り、この計算機シミュレーションにおいて制御対象1と
補償器2の値は、上記実施例の場合と同じものであり、
図10は式(9)に等しい伝達関数をもつフィルタに、
大きさ1(r0 =1)のステップ信号を入力し、発生さ
せた外乱信号xaの時間応答を表している。
【0067】図11はKa=1/2としたフィードバッ
ク制御系12に、図10に示した外乱信号xaを外乱加
算器5aに入力し、そのときの外乱加算器5aの出力信
号yの時間応答を表しており、出力信号yの定常値Y
は、ほぼ2となっている。
【0068】また、図12はKa=1としたフィードバ
ック制御系12に、図10に示した外乱信号xaを外乱
加算器5aに入力し、そのときの外乱加算器5aの出力
信号yの時間応答を表しており、出力信号yの定常値Y
は、ほぼ1となっている。
【0069】さらに、図13はKa=2としたフィード
バック制御系12に、図10に示した外乱信号xaを外
乱加算器5aに入力し、そのときの外乱加算器5aの出
力信号yの時間応答を表しており、出力信号yの定常値
Yは、ほぼ1/2となっている。なお、各々の定常値Y
は、時間t=4のときのyの値をその値とした。
【0070】従って、式(8)とr0 =1より、検出さ
れるゲインKaは、それぞれ図11のものはKa≒1/
2、図12のものはKa≒1、図13のものはKa≒2
であることが分かる。以上に示した検出法により求めら
れたゲインにより、図9に示すループゲイン調整装置1
3はゲイン可変増幅器4のゲインを変更するように動作
する。
【0071】ここで、この実施例2によるゲイン検出法
により、フィードバック制御系12のゲイン調整を実現
するソフトウェアのフローチャートは、外乱信号xをx
a変更すれば、図7に示したものと同じである。
【0072】実施例3.図14はこの発明のさらに別の
実施例を示し、図1に示したものと同一符号は同一部分
を示し、その重複する説明は省略する。図14におい
て、6bは外乱信号xbを出力する外乱信号発生器で、
これはステップ信号源10と補償器2の伝達関数C
(s)に等しい伝達関数を持つフィルタ11bから構成
されている。5bは外乱加算器であり、ゲイン可変増幅
器4の出力と外乱信号xbを加算して制御対象1の入力
に印加する。
【0073】また、ybは減算器3より出力される補償
器2の入力信号である。7はループゲイン検出器で、こ
のループゲイン検出器7が補償器2の入力信号を入力し
て、制御対象1を含んだフィードバック制御系12のル
ープゲインを検出する。さらに、このループゲイン検出
器7の出力信号は、ゲイン可変増幅器4に入力されてそ
のゲインの調整のために用いられる。
【0074】そして、これらの制御対象1、補償器2、
減算器3、ゲイン可変増幅器4はフィードバック制御系
12を構成している。また、上記外乱発生器6b、外乱
加算器(外乱印加手段)5b、ループゲイン検出器7お
よびゲイン可変増幅器4はループゲイン調整装置13を
構成している。
【0075】次に動作について説明する。初めにループ
ゲインKaを求める動作を説明する。まず、外乱信号x
bは、上記のように補償器2の伝達関数C(s)に等し
い伝達関数を持つフィルタ11bに通過させたステップ
信号rであるから、簡単な計算により外乱信号xbは
(13)式のようになる。
【0076】 xb(s)=C(s)r(s) ・・・・・・・(13)
【0077】ここで、xb(s)およびr(s)はそれ
ぞれ外乱信号xbおよびステップ信号rのラプラス変換
を表す。また、外乱信号xbから補償器2の入力信号y
までの関係は、yb(s)をybのラプラス変換とする
と(14)式になる。
【0078】 yb(s)=[−P(s)/{1+KaP(s)C(s)}]xa(s) ・・・・・・・(14)
【0079】従って、ステップ信号rから補償器2の入
力信号ybの関係を求めると(15)式となる。
【0080】 yb(s)=[−P(s)C(s)/{1+KaP(s)C(s)}]r(s) ・・・・・・・(15)
【0081】この(15)式で示される関係は、符号が
マイナスになることを除いて、上記実施例1の(6)式
と同じとなり、入力信号ybの符号がステップ信号rに
対してマイナスになるだけで、以下の動作は実施例1の
場合と同様である。上記入力信号ybの定常値をYbと
すると、ゲインKaは次の(16)式で求められる。
【0082】 Ka≒−r0 /Yb ・・・・・・・・・(16)
【0083】図15〜図18は以上に示したループゲイ
ンの検出法を計算機シミュレーションで示したものであ
り、この計算機シミュレーションにおいて制御対象1と
補償器2の値は、上記実施例1および2の場合と同じで
あり、図15は伝達関数C(s)に等しい伝達関数を持
つフィルタ11bが補償器2に大きさ1(r0 =1)の
ステップ信号を入力し、発生させた外乱信号xbの時間
応答を表している。
【0084】図16はKa=1/2としたフィードバッ
ク制御系12に、図15に示した外乱信号xbを外乱加
算器5に入力し、そのときの補償器2の入力信号ybの
時間応答を表しており、入力信号ybの定常値Ybは、
ほぼ2となっている。
【0085】また、図17は、Ka=1としたフィード
バック制御系12に、図15に示した外乱信号xbを外
乱加算器5に入力し、そのときの補償器2の入力信号y
bの時間応答を表しており、入力信号ybの定常値Yb
は、ほぼ1となっている。
【0086】さらに、図18は、Ka=2としたフィー
ドバック制御系12に、図15に示した外乱信号xbを
外乱加算器5に入力し、そのときの補償器2の入力信号
ybの時間応答を表しており、入力信号ybの定常値Y
bは、ほぼ1/2となっている。
【0087】ここで、図16〜図18において、各々の
定常値Ybは、時間t=4のときの入力信号ybの値を
その値とし、また入力信号ybは、従来との比較を容易
にするためにその絶対値を示した。
【0088】従って、式(15)とr0 =1より、検出
されるゲインKaは、それぞれ図16のものはKa≒1
/2、図17のものはKa≒1、図18のものはKa≒
2であることがわかる。以上に示した検出法により求め
られたゲインにより、図14に示すループゲイン調整装
置13は、ゲイン可変増幅器4のゲインを変更するよう
に動作する。
【0089】なお、外乱信号を、大きさ1のステップ信
号で発生すれば、検出される入力信号ybの定常値Yb
は1/Kaであるので、現状のゲイン可変増幅器4のゲ
インに定常値Ybをそのまま乗ずれば、ゲイン調整後の
フィードバック制御系12のゲインは1となる。このた
め、ループゲイン調整装置13の構成は非常に簡単なも
のとすることができる。
【0090】ここで、この実施例3によるゲイン検出法
により、フィードバック制御系12のゲイン調整を実現
するソフトウェアのフローチャートは、外乱信号xをx
bに変更すれば、図7に示したものと同じである。
【0091】実施例4.図19はこの発明のさらに他の
実施例を示し、図1に示したものと同一符号は同一符号
を示し、その重複する説明を省略する。図19におい
て、6cは外乱信号xcを出力する外乱発生器で、これ
は信号rcを発生する信号源14と、フィードバック制
御系のゲイン可変増幅器4のゲインKaを1としたとき
の、外乱信号xcから後述する外乱印加器の入力信号y
cまでの伝達関数の逆伝達関数と等しい特性を備えるフ
ィルタ11cから構成されている。また、5cは外乱加
算器(外乱印加手段)であり、ゲイン可変増幅器4の出
力ycと外乱信号xcを加算して制御対象1に入力す
る。なお、ループゲイン検出器7には外乱加算器5cの
入力信号ycが入力されている。
【0092】次に動作について説明する。初めにループ
ゲインKaを求める動作を説明する。まず、外乱信号x
cは、上記のようにフィードバック制御系12のゲイン
可変増幅器4のゲインKaをKa=1としたときの、外
乱信号xcから外乱印加器5cの入力信号ycまでの伝
達関数の逆伝達関数と等しい特性を備えるフィルタ11
cに通過させた信号rcであるから、外乱信号xcは簡
単な計算により次式のようになる。
【0093】
【数2】
【0094】ここで、sはラプラス演算子を表し、xc
(s)およびrc(s)はそれぞれ外乱信号xcおよび
信号rcのラプラス変換を表す。なお、xc(s)の実
現性の観点から、フィルタ11cの相対次数(|分子多
項式の次数−分母多項式の次数|)以上の微分連続性
を、信号rc(s)は備えることが必要である。
【0095】また、外乱信号xcから、外乱加算器5c
の入力信号ycまでの関係は、yc(s)をycのラプ
ラス変換とすると次式になる。
【0096】
【数3】
【0097】従って、信号rcから外乱加算器5cの入
力信号ycの関係を求めると、次式となる。
【0098】
【数4】
【0099】この(19)式で示される関係において、
フィードバック制御系12のゲイン可変増幅器4のゲイ
ンKaが1であれば、信号rcと外乱加算器5cの入力
信号ycが一致することは明白である。このように、信
号rcと外乱加算器5cの入力信号ycが一致するよう
に、ループゲイン検出手段とループゲイン調整手段は動
作する。
【0100】ここで、図20〜図23は、以上に示した
ループゲイン検出法とループゲイン調整法を計算機シミ
ュレーションにより説明したものである。この計算機シ
ミュレーションにおいて制御対象1と補償器2の値は、
上記実施例1〜3と同じものである。この例において、
フィルタ11cの相対次数(|分子多項式の次数−分母
多項式の次数|)は、2(|5次−3次|)である。図
20には信号rc、図21にはフィルタ11cに信号r
cを通過させて求めた外乱信号xcの時間応答をそれぞ
れ表している。ここで信号rcは、以下に示す(20)
式〜(28)式の関係により求めたものである。
【0101】0≦t≦l/2にて、 rc=nt4 /12l ・・・・・・・(20)
【0102】l/2≦t≦lにて、 rc=−nt4 /(12l)+nt3 /3−lnt2 /4 +l2 nt/12−l3 n/96 ・・・・・・・(21)
【0103】l≦t≦l+mにて、 rc=lnt2 /4−l2 nt/4+7l3 n/96 ・・・・(22)
【0104】l+m≦t≦3l/2+mにて、 rc=−n(t−l−m)4 /(6l)+lnt2 /4 −l2 nt/4+7l3 n/96 ・・・・・・・(23)
【0105】3l/2+m≦t≦2l+mにて、 rc=n(t−2l−m)4 /(6l)−lnt2 /4−lmnt +5l2 nt/4−103l3 n/96−3l2 mn/2 −lm2 n/2 ・・・・・・・(24)
【0106】2l+m≦t≦2l+2mにて、 rc=−lnt2 /4+lmnt+5l2 nt/4−103l3 n/96 −3l2 mn/2−lm2 n/2 ・・・・・・・(25)
【0107】2l+2m≦t≦5l/2+2mにて、 rc=n(t−2l−2m)4 /(12l)−lnt2 /4 +lmnt+5l2 nt/4−103l3 n/96 −3l2 mn/2−lm2 n/2 ・・・・・・・(26)
【0108】5l/2+2m≦t≦t0にて、 rc=n(t−3l−2m)4 /(12l)+l3 n/2 +lm2 n/2+l2 mn ・・・・・・・(27)
【0109】t0≦tにて、 rc=l3 n/2+lm2 n/2+l2 mn ・・・・・・・(28)
【0110】ただし、t0,l,mおよびnには、次式
で示す関係がある。
【0111】 3l+2m=t0 ・・・・・・・(29)
【0112】 n=2r∞/(l(l+m)2 ) ・・・・・・・(30)
【0113】 l>0 ・・・・・・・(31)
【0114】なお、図22に信号rcの2階微分関数を
示す。このように、信号rcの2階微分関数は連続とな
っており、フィルタ11cの相対次数2以上の微分連続
性を持っている。また、図20に示した信号rcは、t
0=1、r∞=1、l=1/3、およびm=0としたも
のである。なお、r∞は信号rcの定常値を表してい
る。
【0115】図23の(d)には、Ka=1/2とした
とき、図21に示した外乱信号xcを外乱加算器5cに
入力し、そのときの外乱加算器5cの入力信号ycの時
間応答を表している。また、同図(e)には、Ka=1
としたとき、図21に示した外乱信号xcを外乱加算器
5cに入力し、そのときの外乱加算器5cの入力信号y
cの時間応答を表している。同様に、同図(f)には、
Ka=2としたとき、図21に示した外乱信号xcを外
乱加算器5cに入力し、そのときの外乱加算器5cの入
力信号ycの時間応答を表している。この図23より、
Ka=1のとき、外乱加算器5cの入力信号ycの時間
応答波形は、信号rcとほぼ同じ時間波形になることが
分かる。
【0116】ゲイン検出は、例えば図23に示す各々の
波形ycの時間t=0.75のときの大きさzをゲイン
検出の基準とすることで達成できる。この例では、zに
対して(32)式による演算により、(33)式よりゲ
インKaを検出することができる。
【0117】 f(z)=4z2 /15+3z/5+2/15 ・・・・・(32)
【0118】 Ka≒f(z) ・・・・・・・・・(33)
【0119】従って、図23の(d)の波形では、波形
ycの時間t=0.75のときの大きさzが0.5であ
るので、(32)式,(33)式よりKa≒1/2と検
出される。同様に、図23の(e)の波形では、波形y
cの時間t=0.75のときの大きさzが1.0である
ので、(32)式,(33)式よりKa≒1と検出さ
れ、(f)の波形では、波形ycの時間t=0.75の
ときの大きさzが1.75であるので、Ka≒2と検出
される。
【0120】以上に示したゲイン検出法により求められ
たゲインにより、信号rcと外乱加算器5cの入力信号
ycが一致するように、フィードバック制御系12のゲ
イン可変増幅器4のゲインKaが1となるように、ルー
プゲイン検出調整装置13は、ゲイン可変増幅器4のゲ
インを変更するように動作する。
【0121】図24は、以上に示したゲイン検出法によ
り、フィードバック制御系12のゲイン調整を実現する
ソフトウェアのフローチャートを示す。この実施例で
は、外乱信号xcをフィードバック制御系12のサンプ
リング周期で離散化し、メモリに記憶させる。このとき
そのサンプリング回数Nを入力する(ステップST3
1)。
【0122】次に、メモリから外乱信号xcを読み出
し、外乱加算器5cに加える(外乱ステップ、ステップ
ST32)。こうして一定時間tc待って(ステップS
T33)、外乱加算器5cに加わる信号ycの値を検出
し、値zとしてメモリする(入力信号検出ステップ、ス
テップST34)。
【0123】こうして、値zを求める動作を繰り返す回
数たるサンプリング回数Nを1ずつ減らし(ステップS
T35)、N=0になると(ステップST36)、値z
の平均値を求め(ステップST37)、これから前記
(32)式あるいはこの(32)式相当の数表テーブル
に従ってループゲインKaを求め(ゲイン演算ステッ
プ、ステップST38)、これに基づき、ゲイン可変増
幅器4のゲインを調整することになる(ゲイン調整ステ
ップ、ステップST39)。
【0124】また、このとき外乱信号xcは、例えば図
25に示すように、フィルタ11cに信号rcを通過さ
せて求めた外乱信号xc(図21)をフィードバック制
御系12のサンプリング周期Δtで離散化したものであ
る。
【0125】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、外乱信号を、制御対象の伝達関数および該制御対象
とともに構成されるフィードバック制御系を安定化する
補償器の伝達関数の積に等しい伝達関数を持つフィルタ
にを通過させたステップ信号とする外乱発生器と、該外
乱発生器から得られた外乱信号を上記補償器の出力に印
加する外乱印加手段と、該外外乱印加手段の出力信号ま
たは上記補償器の出力信号を検出し、該出力信号の定常
値から上記フィードバック制御系のループゲインを検出
するループゲイン検出器とを備えて、ゲイン調整手段
に、上記ループゲイン検出器によって検出されたループ
ゲインに基づき、上記フィードバック制御系のループゲ
インを調整させるように構成したので、簡単かつ小規模
な回路によってフィードバック制御系のループゲインを
所望のループゲインに一致するように調整できるものが
得られる効果がある。
【0126】また、請求項2の発明によれば、外乱信号
を、制御対象の伝達関数に等しい伝達関数を持つフィル
タを通過させたステップ信号とする外乱発生器と、該外
乱発生器から得られた外乱信号を、上記制御対象を含む
フィードバック制御系を安定化する補償器の入力に印加
する外乱印加手段と、上記補償器の出力信号を検出し、
該出力信号の定常値から上記フィードバック制御系のル
ープゲインを検出するループゲイン検出器とを備えて、
ゲイン調整手段に、上記ループゲイン検出器によって検
出されたループゲインに基づき、上記フィードバック制
御系のループゲインを調整させるように構成したので、
簡単かつ小規模な回路によってフィードバック制御系の
ループゲインを所望のループゲインに一致するように調
整できるものが得られる効果がある。
【0127】また、請求項3の発明によれば、外乱信号
を、フィードバック制御系を安定化する補償器の伝達関
数に等しい伝達関数を持つフィルタを通過させたステッ
プ信号とする外乱発生器と、該外乱発生器から得られた
ステップ信号を、制御対象の入力に印加する外乱印加手
段と、上記補償器の入力信号を検出し、該入力信号の定
常値から上記フィードバック制御系のループゲインを検
出するループゲイン検出器とを備えて、ゲイン調整手段
に、上記ループゲイン検出器によって検出されたループ
ゲインに基づき、上記フィードバック制御系のループゲ
インを調整させるように構成しので、小さな外乱信号
で、ループゲインを精度よく、簡単かつ小規模な回路に
よってフィードバック制御系のループゲインを所望のル
ープゲインに一致するように調整できるものが得られる
効果がある。
【0128】また、請求項4の発明によれば、外乱発生
器において外乱信号をフィードバック制御系のサンプリ
ング周期で離散化してメモリに記憶させ、該メモリから
再生した信号を、制御対象を含む上記フィードバック制
御系を安定化する補償器の出力信号または入力信号に加
える加算ステップと、該加算ステップで得た出力信号の
定常値を検出する定常値検出ステップと、該定常値検出
ステップで得た上記定常値の平均値から演算によってル
ープゲインを求めるゲイン演算ステップとを設けて、ゲ
イン調整ステップにて、上記ゲイン演算ステップで求め
たループゲインに従って、上記フィードバック制御系の
ループゲインを調整させるようにしたので、フィードバ
ック制御系内部の1つの信号を検出し、演算処理するこ
とで、高精度でかつ簡単にフィードバック制御系のルー
プゲインを設定値に調整できるものが得られる効果があ
る。
【0129】また、請求項5の発明によれば、制御対象
を含むフィードバック制御系の閉ループ伝達関数の逆動
特性を持つフィルタに、該フィルタの相対次数以上の微
分可能な信号を通過させて外乱信号を発生する外乱発生
器と、該外乱発生器からの信号を上記フィードバック制
御系のループ回路内に印加する外乱印加手段と、該外乱
印加手段の入力信号を検出し、該入力信号から上記フィ
ードバック制御系のループゲインを検出するループゲイ
ン検出器とを備えて、ゲイン調整手段に、上記フィード
バック制御系のループゲインを調整させるように構成し
たので、簡単かつ小規模な回路によって、上記フィード
バック制御系のループゲインを所望のループゲインに一
致するように調整できるものが得られる効果がある。
【0130】また、請求項6の発明によれば、外乱発生
器において外乱信号を、フィードバック制御系のサンプ
リング周期で離散化してメモリに記憶させ、該メモリか
ら再生した信号を、上記フィードバック制御系の制御対
象の入力信号に加える印加ステップと、該印加ステップ
への入力信号を検出し、該外乱信号入力時刻から一定時
間経過後の該入力信号の値を検出する入力信号検出ステ
ップと、入力信号検出ステップで得た該外乱信号入力時
刻から一定時間経過後の該入力信号の値の平均値から演
算によってループゲインを求めるゲイン演算ステップ
と、該ゲイン演算ステップで求めたループゲインに従っ
て、上記フィードバック制御系のループゲインを調整さ
せるように構成したので、フィードバック制御系内部の
1つの信号を検出し、演算処理することで、フィードバ
ック制御系のループゲインを所望のループゲインに一致
するように調整できるものが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるフィードバック制御
系のループゲイン調整装置を示すブロック図である。
【図2】この発明のフィードバック制御系の開ループ伝
達関数を示す周波数応答特性図である。
【図3】この発明におけるフィルタが出力する外乱信号
を示す時間応答特性図である。
【図4】この発明において、ゲインが1/2における外
乱加算器の出力信号を示す時間応答特性図である。
【図5】この発明において、ゲインが1における外乱加
算器の出力信号を示す時間応答特性図である。
【図6】この発明において、ゲインが2における外乱加
算器の出力信号を示す時間応答特性図である。
【図7】この発明の一実施例によるフィードバック制御
系のループゲイン調整方法を示すフローチャートであ
る。
【図8】外乱信号の発生方法を示す説明図である。
【図9】この発明の他の実施例によるフィードバック制
御系のループゲイン調整装置を示すブロック図である。
【図10】図9におけるフィルタが出力する外乱信号を
示す時間応答特性図である。
【図11】図9において、ゲインが1/2における外乱
加算器の出力信号を示す時間応答特性図である。
【図12】図9において、ゲインが1における外乱加算
器の出力信号を示す時間応答特性図である。
【図13】図9において、ゲインが2における外乱加算
器の出力信号を示す時間応答特性図である。
【図14】この発明のさらに他の実施例によるフィード
バック制御系のループゲイン調整装置を示すブロック図
である。
【図15】図14におけるフィルタが出力する外乱信号
を示す時間応答特性図である。
【図16】図14において、ゲインが1/2における外
乱加算器の出力信号を示す時間応答特性図である。
【図17】図14において、ゲインが1における外乱加
算器の出力信号を示す時間応答特性図である。
【図18】図14において、ゲインが2における外乱加
算器の出力信号を示す時間応答特性図である。
【図19】この発明のさらに他の実施例によるフィード
バック制御系のループゲイン調整装置を示すブロック図
である。
【図20】図19における外乱信号を発生させるために
フィルタに入力される信号を示す時間応答特性図であ
る。
【図21】図19におけるフィルタが出力する外乱信号
を示す時間応答特性図である。
【図22】図20に示した信号の2階微分の時間関数を
示す波形図である。
【図23】図19において、ゲインを1/2,1および
2とした時の外乱加算器の入力信号を示す時間応答特性
図である。
【図24】この発明の他の実施例によるフィードバック
制御系のループゲイン調整方法を示すフローチャートで
ある。
【図25】図24における外乱信号の発生方法の一例を
示す説明図である。
【図26】従来のゲイン検出器を示すブロック図であ
る。
【図27】従来のゲイン自動調整装置を示すブロック図
である。
【図28】従来の信号加算器の各信号を示す位相平面図
である。
【符号の説明】
1 制御対象 2 補償器 4 ゲイン可変増幅器(ゲイン調整手段) 5,5a,5b,5c 外乱加算器(外乱印加手段) 6,6a,6b,6c 外乱発生器 7 ループゲイン検出器 11,11a,11b,11c フィルタ 12 フィードバック制御系

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象の伝達関数および該制御対象と
    ともに構成されるフィードバック制御系を安定化する補
    償器の伝達関数の積に等しい伝達関数を持つフィルタ
    に、ステップ信号を通過させて外乱信号を発生する外乱
    発生器と、該外乱発生器から得られた外乱信号を上記補
    償器の出力に印加する外乱印加手段と、該外乱印加手段
    の出力信号を検出し、該出力信号の定常値から上記フィ
    ードバック制御系のループゲインを検出するループゲイ
    ン検出器と、該ループゲイン検出器によって検出された
    ループゲインにより、上記フィードバック制御系のルー
    プゲインを調整するゲイン調整手段とを備えたフィード
    バック制御系のループゲイン調整装置。
  2. 【請求項2】 制御対象の伝達関数に等しい伝達関数を
    持つフィルタに、ステップ信号を通過させて外乱信号を
    発生する外乱発生器と、該外乱発生器から得られた外乱
    信号を、上記制御対象を含む上記フィードバック制御系
    を安定化する補償器の入力に印加する外乱印加手段と、
    上記補償器の出力信号を検出し、該出力信号の定常値か
    ら上記フィードバック制御系のループゲインを検出する
    ループゲイン検出器と、該ループゲイン検出器によって
    検出されたループゲインにより、上記フィードバック制
    御系のループゲインを調整するゲイン調整手段とを備え
    たフィードバック制御系のループゲイン調整装置。
  3. 【請求項3】 制御対象を含む上記フィードバック制御
    系を安定化する補償器の伝達関数に等しい伝達関数を持
    つフィルタに、ステップ信号を通過させて外乱信号を生
    成する外乱発生器と、該外乱発生器から得られたステッ
    プ信号を、上記制御対象の入力に印加する外乱印加手段
    と、上記補償器の入力信号を検出し、該入力信号の定常
    値から上記フィードバック制御系のループゲインを検出
    するループゲイン検出器と、該ループゲイン検出器によ
    って検出されたループゲインにより、上記フィードバッ
    ク制御系のループゲインを調整するゲイン調整手段とを
    備えたフィードバック制御系のループゲイン調整装置。
  4. 【請求項4】 外乱発生手段において外乱信号をフィー
    ドバック制御系のサンプリング周期で離散化してメモリ
    に記憶させ、該メモリから再生した信号を、制御対象を
    含む上記フィードバック制御系を安定化する補償器の出
    力信号または入力信号に加える加算ステップと、該加算
    ステップで得た出力信号の定常値を検出する定常値検出
    ステップと、該定常値検出ステップで得た上記定常値の
    平均値からループゲインを求めるゲイン演算ステップ
    と、該ゲイン演算ステップで求めたループゲインに従っ
    て、上記フィードバック制御系のループゲインを調整す
    るゲイン調整ステップとを実施するフィードバック制御
    系のループゲイン調整方法。
  5. 【請求項5】 制御対象を含むフィードバック制御系の
    閉ループ伝達関数の逆動特性を持つフィルタに、該フィ
    ルタの相対次数以上の微分可能な信号を通過させて外乱
    信号を発生する外乱信号発生手段と、該外乱信号発生手
    段から得られた外乱信号を上記フィードバック制御系の
    ループ内に印加する外乱印加手段と、該外乱印加手段の
    入力信号を検出し、該入力信号から上記フィードバック
    制御系のループゲインを検出するループゲイン検出手段
    と、該ループゲイン検出手段によって検出されたループ
    ゲインにより、上記フィードバック制御系のループゲイ
    ンを調整するループゲイン調整手段とを備えたフィード
    バック制御系のループゲイン調整装置。
  6. 【請求項6】 外乱発生手段において外乱信号を、フィ
    ードバック制御系のサンプリング周期で離散化してメモ
    リに記憶させ、該メモリから再生した信号を、上記フィ
    ードバック制御系の制御対象の入力信号に印加する外乱
    印加ステップと、該外乱印加ステップへの入力信号を検
    出して、上記外乱信号の入力時刻から一定時間経過後の
    上記入力信号の値を検出する入力信号検出ステップと、
    該入力信号検出ステップで得た上記外乱信号入力時刻か
    ら一定時間経過後の上記入力信号の値の平均値から、演
    算によって上記フィードバック制御系のループゲインを
    求めるループゲイン演算ステップと、該ループゲイン演
    算ステップで求めたループゲインに従って、上記フィー
    ドバック制御系のループゲインを調整するゲイン調整ス
    テップとを実施するフィードバック制御系のループゲイ
    ン調整方法。
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