JP3062606B2 - ニューラルネットワークを用いた適応制御装置 - Google Patents

ニューラルネットワークを用いた適応制御装置

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JP3062606B2
JP3062606B2 JP5176652A JP17665293A JP3062606B2 JP 3062606 B2 JP3062606 B2 JP 3062606B2 JP 5176652 A JP5176652 A JP 5176652A JP 17665293 A JP17665293 A JP 17665293A JP 3062606 B2 JP3062606 B2 JP 3062606B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロボット、工作機械、
XYステージ、ディスク装置などの位置決め制御装置に
おいて、制御対象の非線形性や外乱、環境経時変化に対
応できる高精度な位置決め制御系を実現するニューラル
ネットワークを用いた適応制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】適応制御方式には、モデル規範型適応制
御やセルフチューニングレギュレータなどがある。これ
らの方式では、制御対象の動特性モデルが線形ダイナミ
クスで記述できる場合にのみ効果があるが、制御対象の
非線形性や外乱、環境経時変化に対応することはできな
い。
【0003】一方、ニューラルネットワークは、比較的
単純な構造で、非線形系を含めたダイナミクスモデルを
学習する能力を持つことが知られている。制御対象の非
線形性や外乱、環境経時変化に対応するための一手段と
して、特開平2−54304号公報に、ニューラルネッ
トワークを用いた適応制御方式について記載されてい
る。
【0004】図9に、そこで開示されている適応制御装
置を示す。これは、制御対象55とコントローラ52か
らなるフィードバックループ51内に加算点53を設
け、その加算点53への目標値58からのフィードフォ
ワードループをニューラルネットワーク59で構成する
装置となっている。
【0005】この装置の動作は以下の通りである。ニュ
ーラルネットワーク59が学習を開始する前は、目標値
58(R)は制御サンプリング毎に制御対象55の出力
56(Y)と比較され、その制御偏差Eに基づいてコン
トローラ52の演算が行われ、演算結果Uc が操作量5
4(U)として制御対象に印加される。ニューラルネッ
トワークの学習が開始すると、目標値とその一次微分で
ある速度目標値と二次微分である加速度目標値とをニュ
ーラルネットワーク59へ入力し、ニューラルネットワ
ーク59の出力Un をコントローラ52の出力Uc に加
算して、操作量Uを制御対象55に印加する。
【0006】図中、目標値発生手段57におけるSは微
分演算子である。ニューラルネットワーク59の学習手
段60は、教師信号として操作量Uを用い、J=(U−
Un)2=Uc 2 、を最小にするように学習が進む。すな
わち、学習が進むにつれて、フィードバックコントロー
ラ52の出力Uc が小さくなり、徐々に制御対象55の
逆システムがニューラルネットワーク59に構築され、
獲得された逆モデルによるフィードフォワード制御に移
行していく。ニューラルネットワーク59の学習は、バ
ックプロパゲーション法を用いている。制御を行いなが
ら学習でき、制御対象の特性変動、非線形性に対して適
応的に操作量を演算できるため、特にロボット等に応用
が検討されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
では、フィードバックコントローラの出力Uc を最小に
するようにニューラルネットワークの学習が進む。この
ため、完全に学習が完了したとしても、制御目的である
目標値と制御対象の出力との制御偏差を完全に零にする
ことは保証していない。
【0008】一般にフィードバックコントローラは、遅
れ要素を持つ、特にディジタル制御系においてはコント
ローラの演算に必要とする演算時間分だけコントローラ
の出力が遅れる。このことは、これら遅れ時間分だけ進
めた目標値と制御対象の出力との制御偏差を最小にする
ことに等しく、目標値が一定値ならば問題は生じない
が、目標値が一定値以外の場合は制御サンプリング時に
おいて、目標値と制御対象の出力との制御偏差を零にす
ることができない。
【0009】この欠点を除去するためには、目標値と制
御対象の出力との制御偏差を最小にするようにニューラ
ルネットワークを学習することが考えられるが、従来技
術の方法では、ニューラルネットワークの出力Un と制
御対象の出力Yとの間に非線形なダイナミクスを有する
制御対象が存在するため、一般的な学習アルゴリズムで
あるバックプロパゲーション法が適用できないといった
問題点があった。
【0010】本発明は、上記問題点を解消するためにな
されたもので、目標値と制御対象の出力との制御偏差を
最小にするようにニューラルネットワークを学習するこ
とで、制御対象の非線形性や外乱、環境経時変化に対応
でき、かつ制御サンプリング時において、制御目的であ
る制御偏差を零にすることができる高精度位置決めが可
能なニューラルネットワークを用いた適応制御装置を得
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、制御対象の制御出力を目標値に一致さ
せるように該目標値と該制御出力との制御偏差をフィー
ドバック制御する制御装置に対し、前記目標値と前記制
御出力と前記フィードバック制御の操作量とを入力信号
とするニューラルネットワークモデルと、該ニューラル
ネットワークの出力が前記目標値を補正する手段と、前
記制御偏差と該ニューラルネットワークの出力が等しく
なるように、該ニューラルネットワークの各層間の重み
を適応的に変化させる学習手段とを設けたものである。
【0012】また、前記目標値の未来値を発生可能な目
標値発生手段を有し、前記ニューラルネットワークの入
力信号として、現時点の目標値のほかに目標値の未来値
を入力する手段を設けたものである。
【0013】また、上記目的を達成するための第2の発
明は、目標値と制御対象の制御出力との制御偏差を検出
する偏差検出手段と、該制御偏差を零にするように該制
御偏差をフィードバック制御する制御装置に対し、前
制御偏差と前記フィードバック制御の操作量とを入力信
号とするニューラルネットワークモデルと、該ニューラ
ルネットワークの出力が前記制御偏差を補正する手段
と、前記制御偏差と該ニューラルネットワークの出力が
等しくなるように、該ニューラルネットワークの各層間
の重みを変化させる学習手段とを設けたものである。
【0014】また、前記偏差検出手段で検出した前記制
御偏差の過去の値を記憶する手段と、現時点の制御偏差
と該記憶した過去の制御偏差を、前記ニューラルネット
ワークの入力信号として入力する手段を設けたものであ
る。
【0015】また、上記第2の発明をディスク装置へ適
用した場合は、情報が記録される円板と、該円板との間
で情報の読みだしまたは書き込みを行うヘッドと、該円
板に記録された位置情報と該ヘッドの位置との偏差を検
出して偏差位置信号を出力するヘッド位置検出手段と、
該偏差位置信号を零にするように該偏差位置信号をフィ
ードバック制御する制御手段とを備えたディスク装置に
おいて、前記偏差位置信号と前記フィードバック制御の
操作量とを入力信号とするニューラルネットワークモデ
ルと、該ニューラルネットワークの出力が前記偏差位置
信号を補正する手段と、前記偏差位置信号と該ニューラ
ルネットワークの出力とが等しくなるように、該ニュー
ラルネットワークの各層間の重みを適応的に変化させる
学習手段とを設けたものである。
【0016】また、前記偏差位置信号の過去の値を記憶
する手段と、現時点の偏差位置信号と該記憶した過去の
偏差位置信号とを前記ニューラルネットワークの入力信
号として入力する手段とを設けたものである。
【0017】
【作用】第1の発明においては、特に、目標値へのトラ
ッキング問題に効果を発揮し、ニューラルネットワーク
が目標値や制御対象の特性に基づき、制御偏差を最小に
するように学習を進めるため、制御対象の非線形性やダ
イナミクス変動に応じた予測的な目標値の補正が可能と
なる。また、本発明は、従来のフィードバックコントロ
ーラによる閉ループの構造を変更することなく、目標値
を補正することのみによって特性の改善をおこなうもの
であるため、工業的に容易に実施が可能である。
【0018】第2の発明においては、特に、制御偏差を
零にするレギュレーション問題に効果を発揮し、ニュー
ラルネットワークが制御対象の特性に基づき、制御偏差
を最小にするように学習をすすめるため、制御対象の非
線形性やダイナミクス変動に応じた予測的な制御偏差の
補正が可能となる。
【0019】特に、ディスク装置においては、円板上に
記録された位置信号と、ヘッドの偏差である偏差位置信
号とを零にするトラック追従制御問題に効果を発揮し、
ニューラルネットワークが、ヘッド支持機構系の特性に
基づいて、制御偏差を最小にするように学習をすすめる
ため、ヘッド支持機構系の非線形性や、ダイナミクス変
動に応じた予測的な偏差位置信号の補正が可能となる。
また、本発明は、偏差位置信号に加算点を設けるだけで
特性の改善をおこなうものであるため、工業的に容易に
実施が可能である。
【0020】
【実施例】以下、本発明のいくつかの実施例を、図面を
用いて詳細に説明する。図1は、第1の発明の一実施例
を表す図である。第1の発明は、例えばロボットや工作
機械、XYステージ、ディスク装置などにおいて、目標
値への高精度追従を目的としている。
【0021】図1において、1は制御対象、3は制御対
象の出力Y、6は目標値R、10はニューラルネットワ
ーク7の出力Rn 、11は目標値6にニューラルネット
ワークの出力10を加算した目標値補正値Rc 、14は
この加算点、5は目標値補正値11と制御対象の出力3
の出力偏差Ep 、2は出力偏差5に基づき制御対象を安
定に制御するのに必要なコントローラ、4はコントロー
ラ2の出力で制御対象1へ印加される操作量U、8は目
標値6の数ステップ先の未来値までを算出する目標値発
生手段、9は制御対象の出力3と操作量4の数ステップ
過去の値までを記憶する入出力記憶手段、7は目標値発
生手段8と入出力記憶手段9の出力を入力し演算を行う
ニューラルネットワーク、12は出力偏差5を教師信号
としてニューラルネットワーク7の各層間の結合荷重
を、バックプロパゲーション法などを用いて演算する学
習手段である。ここで、コントローラ2は、目標値6と
制御対象の出力3の制御偏差に基づいて、非線形性や外
乱が加わっても、制御対象1をある動作範囲内で安定に
制御することのできる、例えばPID補償や位相進み補
償などで構成される。
【0022】次に、本実施例の動作について説明する。
ステップK時刻における制御の流れについて説明する。
まず、制御対象の出力Y(K)を読み取る。目標値発生手
段8は、ステップKにおける目標値R(K)、1ステップ
未来の目標値R(K+1)、………、dステップ未来の目
標値R(K+d)、までを作成し、ニューラルネットワー
クの入力層に設定する。
【0023】図中、Zはステップ進み要素である。dの
選定は、目標値や閉ループ系の特性に依存するため、目
標への追従精度と演算量の兼ね合いから決定する必要が
ある。ステップdを増やせばそれだけ予測量が増えるた
め追従精度が向上するが、逆に演算量が増加する。実際
的には10以上からはじめ、満足する性能が得られるま
でdを増やすか、10で性能が満足するならば性能が低
下しない範囲までdを減らすことが望ましい。
【0024】入出力記憶手段9は、制御対象の出力Y
(K)、1ステップ過去の出力Y(K−1)、………、nス
テップ過去の出力Y(K−n)、および1ステップ過去の
操作量U(K−1)、2ステップ過去の操作量U(K−
2)、………、mステップ過去の操作量U(K−m)、を
作成し、ニューラルネットワークの入力層に設定する。
ステップn及びmの選定は、それぞれ制御対象を線形化
したときの分母と分子の次数と同じかそれ以上に設定す
ることが望ましい。
【0025】ニューラルネットワーク7は、目標値関数
と制御対象を獲得する都合上、3層以上が望ましいが、
2層にして線形なニューロンを用いることで演算処理を
低減しても良い。また、中間層の出力を入力層の入力に
フィードバックするリカレント型のニューラルネットワ
ークを用いても良い。この場合は、入出力記憶手段9は
必要なく、目標値発生手段8で得られた出力と制御対象
の出力3と操作量4のみをニューラルネットワークに入
力すればよい。ニューラルネットワークの出力Rn (K)
は、目標値R(K)と加算されて、目標値補正値Rc (K)
として閉ループ系13の目標値となる。出力偏差Ep
(K)が演算され、コントローラ2はKステップ時の操作
量U(K)を決定する。
【0026】以上の演算が終了した後に、ニューラルネ
ットワーク7の学習が行われる。制御目的は、目標値R
(K)と制御対象の出力Y(K)の制御偏差E(K)を零とす
ることである。いま、出力偏差5:Ep (K)が、 Ep (K)=Rn (K)+R(K)−Y(K) …………………………(式1) であることに注意すると、零にしたい制御偏差E(K)
は、 E(K)=R(K)−Y(K) =Ep (K)−Rn (K) ……………………………………(式2) となる。すなわち、制御目的を達成するために、ニュー
ラルネットワークの教師信号として出力偏差5:Ep
(K)を用いる。これより、ニューラルネットワークは学
習が進むにつれて制御偏差E(K)を零にすることができ
る。
【0027】次に、ニューラルネットワーク7の各ニュ
ーロンの特性と学習のアルゴリズムについて説明する。
ニューラルネットワークの構造は、基本的には多層構造
をとり、例えば、3層構造においては、入力層の各ニュ
ーロンは中間層のニューロンの入力となり、中間層のニ
ューロンの出力は出力層の入力となる。以下層数を3層
に限定して説明する。
【0028】ここで、入力層と中間層間の結合荷重を
Wij とし、中間層と出力層間の結合荷重をVj とす
る。各ニューロンの入出力特性は、シグモイド関数によ
ってモデル化される。シグモイド関数F(X)は、Xを入
力とすると、 F(X)=2/(1+exp (−X))−1 …………………………(式3) で表される。
【0029】ここでは、入力層のニューロンはシグモイ
ド変換を施さず、中間層および出力層のニューロンはシ
グモイド変換を施す。入力層への入力信号をXi (i =
1〜d+m+n+3)、中間層の出力信号をHj ( j =
1 〜Q)、出力層の出力信号をRn とする。ただし、中
間層のニューロン数Qは試行錯誤的に決定する必要があ
る。すると、Hj 、Rn は、それぞれ、式(4)、式
(5)のようになる。ただし、ここではオフセット量に
ついては記述しない。
【0030】
【数1】
【0031】
【数2】
【0032】ニューラルネットワーク7の学習手段12
は、ニューロン間の結合荷重を変化させることによって
行われる。ここでは、誤差逆伝播法(バックプロパゲー
ションアルゴリズム)について説明する。学習手段12
は、出力層の出力Rn (K)と教師信号である出力偏差E
p (K)との誤差(制御偏差)E(K)の二乗誤差、すなわ
ち、 Jp =(Ep (K)−Rn (K))2/2 =E2 (K)/2 ………………………………………………(式6) を最小にするように、結合荷重を変えることを行う。こ
の学習処理は、出力層から入力層へ向かって順次行う。
【0033】結合荷重は、以下の式に従って変化させ
る。 △Vj =−η・∂Jp /∂Vj =η・E・(1−Rn 2)/2・Hj ………………………(式7) △Wji=−η・∂Jp /∂Wji =η・E・(1−Rn 2)・Vj ・(1−Hj 2)/2・Xi ……(式8) Vj (K+1)=Vj (K)+△Vj ………………………………(式9) Wji(K+1)=Wji(K)+△Wji ……………………………(式10) ここで、ηは学習定数でニューロンの数や層の数さらに
は入出力値等から経験的に決定される。また、前回の学
習結果を用いて、より安定した結果が得られるようにす
ることもできる(モーメント法)。
【0034】図2は、図1において、ニューラルネット
ワーク7の入力層への入力を、目標値発生手段8の出力
のみで構成したニューラルネットワークを用いた適応制
御装置である。制御対象の特性をニューラルネットワー
クは評価しないため、制御対象の逆システムが不安定の
場合に特に有効である。
【0035】図3は、第1の実施例を用いない場合の目
標値Rと制御対象の出力Yと目標値補正値Rc の応答結
果の一例である。台形状の目標値に対し、制御対象の出
力はオーバーシュートし、位相が遅れているのが確認で
きる。
【0036】一方、図4は、第1の実施例を用いた場合
の目標値Rと制御対象の出力Yと目標値補正値Rc の学
習終了後の応答結果の一例である。台形状の目標値に制
御対象の出力は高精度に追従し、目標値補正値は、予測
的に応答し、目標値に追従するように加工されているの
がわかる。
【0037】図5は、第2の発明の一実施例を表す図で
ある。第2の発明は、例えば走行用ロボットが床面に記
録された目標軌道との偏差を零にする制御問題や、ディ
スク装置などのディスク円板に記録された目標軌道と、
実際のヘッドとの偏差を零にする制御問題など、高精度
なレギュレーションを目的としている。
【0038】図5において、1は制御対象、20はダイ
ナミックに変動する目標値、21は目標値と制御対象の
出力の制御偏差Ye 、10はニューラルネットワーク7
の出力Rn 、22は制御偏差Ye とニューラルネットワ
ークの出力Rn を加算した後の制御偏差補正値Ec 、2
は制御偏差補正値Ec に基づき制御対象を安定に制御す
るのに必要なコントローラ、4はコントローラ2の出力
で制御対象1へ印加される操作量U、9は制御偏差21
と操作量4の数ステップ過去の値までを記憶する入出力
記憶手段、7は入出力記憶手段9の出力を入力し演算を
行うニューラルネットワーク、12は制御偏差補正値2
2を教師信号としてニューラルネットワーク7の各層間
の結合荷重をバックプロパゲーション法などを用いて演
算する学習手段、23は制御偏差21を監視しその値が
設定した値より小さくなる場合は、学習を停止し、その
後制御偏差が大きくなった場合には学習を開始するスイ
ッチである。ここで、コントローラ2は、目標値20と
制御対象の出力3の制御偏差21に基づいて、非線形性
や外乱が加わっても制御対象1をある動作範囲内で安定
に制御することのできる、例えばPID補償や位相進み
補償などで構成される。
【0039】次に、本実施例の動作について説明する。
ステップKに時刻おける制御の流れについて説明する。
まず、制御偏差Ye (K)を読み取る。入出力記憶手段9
は、制御偏差Ye (K)、1ステップ過去の制御偏差Ye
(K−1)、………、nステップ過去の制御偏差Ye (K
−n)、および1ステップ過去の操作量U(K−1)、2
ステップ過去の操作量U(K−2)、………、mステップ
過去の操作量U(K−m)、を作成し、ニューラルネット
ワークの入力層に設定する。ステップn及びmの選定
は、それぞれ制御対象を線形化したときの分母と分子の
次数と同じかそれ以上に設定することが望ましい。
【0040】ニューラルネットワーク7は、制御対象と
ダイナミックな目標軌道を獲得する都合上、3層以上が
好ましいが、2層にして演算処理を低減しても良い。ま
た、中間層の出力を入力層の入力にフィードバックする
リカレント型のニューラルネットワークを用いても良
い。この場合は、入出力記憶手段9は必要なく、制御偏
差21と操作量4のみをニューラルネットワーク7に入
力すればよい。ニューラルネットワークの出力Rn (K)
は、制御偏差Ye (K)と加算されて、制御偏差補正値E
c (K)としてコントローラ2に印加され、コントローラ
2はKステップの操作量U(K)を決定する。
【0041】以上の演算が終了した後に、ニューラルネ
ットワークの学習が行われる。制御目的は制御偏差Ye
(K)を零とすることである。いま、制御偏差補正値Ec
(K)が、 Ec (K)=Ye (K)+Rn (K) ………………………………(式11) であることに注意すると、零にしたい制御偏差Ye (K)
は、 Ye (K)=Ec (K)−Rn (K) ………………………………(式12) となる。すなわち、ニューラルネットワークの教師信号
として制御偏差補正値Ec (K)を用いる。これより、ニ
ューラルネットワークは学習が進むにつれて制御偏差Y
e (K)を零にすることができる。
【0042】ニューラルネットワーク7の学習手段12
は、第一の実施例と同様に実行される。ただし、学習が
進むにつれてニューラルネットワークに入力される制御
偏差や操作量の値が小さくなるため、ある設定値を設
け、制御偏差がその値よりも小さくなったときには学習
をとめ、制御偏差が大きくなった場合には学習を開始す
るスイッチ23が必要となる。
【0043】図6は、本実施例を用いない場合の目標値
20と制御偏差Ye とニューラルネットワークの出力R
n の応答結果の一例である。正弦波状の目標値に対し、
制御対象の出力はゲインをある程度圧縮しているが、位
相が遅れているのが確認できる。
【0044】一方、図7は、本実施例を用いた場合の目
標値20と制御偏差Ye とニューラルネットワークの出
力Rn の学習終了後の応答結果の一例である。正弦波状
の目標値に対し制御対象の出力は完全に追従し、制御偏
差は零になっているのがわかる。このとき、ニューラル
ネットワークの出力Rn は、予測的に応答し、制御偏差
を零にするように加工されているのがわかる。
【0045】図8は、第2の発明の上記実施例をディス
ク装置で実現するハードウエアの構成方法の一例であ
る。図8に示すように、図5における制御対象1はヘッ
ド支持機構系からなる。ヘッド支持機構系は、具体的に
は、ヘッド31を支持する支持機構32、その支持機構
を駆動するボイスコイルモータ33、ボイスコイルモー
タに電流を印加するパワーアンプ34、ディジタル信号
をアナログ信号に変換するDA変換器35、ディスク円
板30に記録されたトラック上の目標軌道36とヘッド
31との偏差位置信号37:Ye を検出するヘッド位置
検出手段38、及びアナログ信号をディジタル信号に変
換するAD変換器39において、DA変換器からAD変
換器までのダイナミクスを表す。
【0046】これらのダイナミクスは、ボイスコイルモ
ータ33の位置によるゲイン変動や、ヘッド位置検出手
段の非線形性、ヘッド支持機構32の温度によるダイナ
ミクス変動などが存在する。また、トラック上に記録さ
れている目標軌道36は、図5における目標軌道20で
あり、目標軌道を記録する際のディスク装置の振動やデ
ィスク円板30の回転振動により、わずかながら真円よ
りうねって記録される。すなわち、ディスク装置の制御
目的は、このダイナミックで周期的な目標軌道36とヘ
ッド31との偏差を零にすることであり、この目的は、
上記第2の発明によって解決される。
【0047】図8における演算処理は、マイクロプロセ
ッサシステム46内で実行される。マイクロプロセッサ
システム46では、マイクロプロセッサ41とニューロ
プロセッサ40がバスライン45を介して、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)42、ROM(読みだし専用メ
モリ)43に接続されている。ROM43は、ニューラ
ルネットワーク7の構造、学習手段12およびコントロ
ーラ2のプログラムを格納する。RAM42は、入出力
記憶手段9の役割をはたす。ニューロプロセッサ40
は、マイクロプロセッサ41で代用してもよいが、AD
変換器39の出力結果を基にニューラルネットワークの
演算(式4、式5)と学習の演算(式9、式10)を高
速に実行する。
【0048】ニューラルネットワークの出力10の結果
は、マイクロプロセッサ41内で処理され、操作量4を
演算し、バスライン45を介してDA変換器35へ印加
される。コマンド発生器44は、AD変換器の出力信号
を監視し、学習手段12のスイッチ23の役割をはた
す。なお、本発明は、目標値の特性を位置に限定するも
のではなく、速度やその他の性質の信号へも適用可能で
ある。
【0049】以上のとおり、第1の発明の実施例によれ
ば、特に、目標値へのトラッキング問題に効果を発揮
し、ニューラルネットワークが目標値や制御対象の特性
に基づき制御偏差を最小にするように学習を進めるた
め、制御対象の非線形性やダイナミクス変動に応じた予
測的な目標値の補正が可能となり、高精度な目標値への
追従に効果がある。
【0050】また、第2の発明の実施例によれば、特
に、制御偏差を零にするレギュレーション問題に効果を
発揮し、ニューラルネットワークが制御対象の特性に基
づいて制御偏差を最小にするように学習をすすめるた
め、制御対象の非線形性やダイナミクス変動に応じた予
測的な制御偏差の補正が可能となり、高精度なレギュレ
ーションが可能となる。
【0051】
【発明の効果】上述のとおり、本発明によれば、目標値
と制御対象の出力との制御偏差を最小にするようにニュ
ーラルネットワークを学習することで、制御対象の非線
形性や外乱、環境経時変化に対応でき、かつ制御サンプ
リング時おいて制御目的である制御偏差を零にすること
ができる高精度位置決めが可能なニューラルネットワー
クを用いた適応制御装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の一実施例を示すブロック線図。
【図2】第1の発明の別の実施例を示すブロック線図。
【図3】第1の発明を用いない場合の応答波形を示す
図。
【図4】第1の発明を用いた場合の応答波形を示す図。
【図5】第2の発明の一実施例を示すブロック線図。
【図6】第2の発明を用いない場合の応答波形を示す
図。
【図7】第2の発明を用いた場合の応答波形を示す図。
【図8】第2の発明のディスク装置への一例を示すハー
ドウエア構成図。
【図9】従来の発明の構成を示すブロック線図。
【符号の説明】
1 制御対象 2 コントローラ 3 制御対象の出力 4 操作量 5 出力偏差 6 目標値 7 ニューラルネットワーク 8 目標値発生手段 9 入出力記憶手段 10 ニューラルネットワークの出力 11 目標値補正値 12 ニューラルネットワークの学習手段 13 閉ループ系 14 加算点 20 目標値 21 制御偏差 22 制御偏差補正値 23 スイッチ 30 ディスク円板 31 ヘッド 32 ヘッド支持機構 33 ボイスコイルモータ 34 パワーアンプ 35 DA変換器 36 目標軌道 37 偏差位置信号 38 ヘッド位置検出手段 39 AD変換器 40 ニューロプロセッサ 41 マイクロプロセッサ 42 RAM 43 ROM 44 コマンド発生器 45 バスライン 46 マイクロプロセッサシステム 51 閉ループ系 52 コントローラ 53 加算点 54 操作量 55 制御対象 56 制御対象出力 57 目標値発生手段 58 目標値 59 ニューラルネットワーク 60 学習手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−54304(JP,A) 特開 平5−53605(JP,A) 実開 平4−336303(JP,U) 西脇宏 他,”ニューラルネットワー クによる磁気ディスク装置追従制御”, 第71期全国大会講演論文集(Vol. E),社団法人日本機械学会,平成5年 9月24日,p.395−397 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 11/00 - 13/04 G11B 21/10 JICSTファイル(JOIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象の制御出力を目標値に一致させ
    るように該目標値と該制御出力との制御偏差をフィード
    バック制御する制御装置に対して、前記目標値と前記制
    御出力と前記フィードバック制御の操作量とを入力信号
    とするニューラルネットワークモデルと、該ニューラル
    ネットワークの出力が前記目標値を補正する手段と、前
    記制御偏差と該ニューラルネットワークの出力が等しく
    なるように、該ニューラルネットワークの各層間の重み
    を変化させる学習手段とを備えたことを特徴とするニュ
    ーラルネットワークを用いた適応制御装置。
  2. 【請求項2】 前記目標値の未来値を発生可能な目標値
    発生手段を有し、前記ニューラルネットワークの入力信
    号として、現時点の目標値のほかに目標値の未来値を入
    力することを特徴とする請求項1記載のニューラルネッ
    トワークを用いた適応制御装置。
  3. 【請求項3】 目標値と制御対象の制御出力との制御偏
    差を検出する偏差検出手段と、該制御偏差を零にするよ
    うに該制御偏差をフィードバック制御する制御装置に対
    して、前記制御偏差と前記フィードバック制御の操作量
    を入力信号とするニューラルネットワークモデルと、
    該ニューラルネットワークの出力が前記制御偏差を補正
    する手段と、前記制御偏差と該ニューラルネットワーク
    の出力が等しくなるように、該ニューラルネットワーク
    の各層間の重みを変化させる学習手段とを備えたことを
    特徴とするニューラルネットワークを用いた適応制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記偏差検出手段で検出した前記制御偏
    差の過去の値を記憶する手段と、該記憶した過去の制御
    偏差と現時点の制御偏差とを、前記ニューラルネットワ
    ークの入力信号として入力することを特徴とする請求項
    3記載のニューラルネットワークを用いた適応制御装
    置。
  5. 【請求項5】 情報が記録される円板と、該円板との間
    で情報の読みだしまたは書き込みを行うヘッドと、該ヘ
    ッドの位置と前記円板に記録された位置情報との偏差を
    検出し、偏差位置信号を出力するヘッド位置検出手段
    と、該偏差位置信号を零にするように該偏差位置信号を
    フィードバック制御する制御手段とを備えたディスク装
    置において 記偏差位置信号と前記フィードバック制御の操作量と
    を入力信号とするニューラルネットワークモデルと、該
    ニューラルネットワークの出力が前記偏差位置信号を補
    正する手段と、前記偏差位置信号と該ニューラルネット
    ワークの出力とが等しくなるように、該ニューラルネッ
    トワークの各層間の重みを適応的に変化させる学習手段
    とを備えたことを特徴とするディスク装置。
  6. 【請求項6】 前記偏差位置信号の過去の値を記憶する
    手段と、該記憶した過去の偏差位置信号と現時点の偏差
    位置信号とを、前記ニューラルネットワークの入力信号
    として入力することを特徴とする請求項5記載のディス
    ク装置。
  7. 【請求項7】 制御対象の制御出力を目標値に一致させ
    るように該目標値と該制御出力との制御偏差をフィード
    バック制御する制御装置に対して、現時点の前記目標値
    と該目標値の未来値とを入力信号とするニューラルネッ
    トワークモデルと、該ニューラルネットワークの出力が
    前記目標値を補正する手段と、前記制御偏差と該ニュー
    ラルネットワークの出力が等しくなるように、該ニュー
    ラルネットワークの各層間の重みを変化させる学習手段
    とを備えたことを特徴とするニューラルネットワークを
    用いた適応制御装置。
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西脇宏 他,"ニューラルネットワークによる磁気ディスク装置追従制御",第71期全国大会講演論文集(Vol.E),社団法人日本機械学会,平成5年9月24日,p.395−397

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