JPH0617548U - 詰め物及びこの詰め物を用いた布団、座蒲団、クッション等の寝具、人形、緩衝材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】相互の滑りを良好にして収容作業の効率向上を
図るとともに、収容された内部で偏在することがなく、
また安全に優れた詰め物と、当該技術思想を発展させて
前記詰め物を用いた布団、座蒲団、クッション等の寝
具、人形、緩衝材等を提供することを目的とする。 【構成】合成樹脂材１にて球状体２となし、該球状体２
を内部中空に作成するとともに、前記球状体２の両側
３、３に開口４、４を設けてなるものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、種々の物品の内部や製品間の間隙に充填する詰め物及びこの詰め物 を用いた布団、座蒲団、クッション等の寝具、人形、緩衝材等に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、両側に開口を設けた合成樹脂製中空球状体の詰め物を芯材として充填し てなる布団等の寝具としては、発泡合成樹脂製のビーズや破断片が用いられたり 、また、コストをかけてもよい物品、例えば枕ではその内部に通気性、防虫性、 洗濯性等の観点から、図10に示す如き小さな合成樹脂製のパイプａが用いられて いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記パイプａを枕や布団の芯材として多数内部に収容したとき 、前記パイプａには角部ｂ、ｂがあるために、使用時において前記角部ｂ、ｂが 身体にあたり、痛みや不快感を与えると同時に、枕や布団等の外袋中で前記パイ プａが偏在しているときに、前記角部ｂ、ｂが使用者の重量または適宜な荷重に よってそれ自体が流動し均一化する阻害要因となっていた。

【０００４】 更に、前記パイプａの角部ｂ、ｂによって枕、布団等の外袋に傷がついたり、 時には破れる等の問題があった。

【０００５】 そこで本考案は以上のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、 相互の滑りを良好にして収容作業の効率向上を図るとともに、収容された内部で 偏在することがなく、また安全に優れた詰め物を提供することにある。

【０００６】 更に、当該技術思想を発展させて前記詰め物を用いた布団、座蒲団、クッショ ン等の寝具、人形、緩衝材等を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記目的を達成するために合成樹脂材にて球状体となし、該球状体 を内部中空に作成するとともに、前記球状体の両側に開口を設けたことを特徴と する詰め物（但し、枕用を除く）を提供せんとするものである。

【０００８】 そして合成樹脂材にて球状体となし、該球状体を内部中空に作成するとともに 、前記球状体の両側に開口を設けた詰め物（但し、枕用を除く）を用いてなるこ とを特徴とする布団、座蒲団、クッション等の寝具、人形、緩衝材として用いる ことも提案される。

【０００９】

【作用】

本考案の構成に基づいて作用を説明すれば、枕、布団、座蒲団、クッション等 の寝具や人形等の種々の物品の内部に多数収容するとともに、製品間の間隙に充 填する緩衝材としても有用である詰め物を使用するものである。

【００１０】

【実施例】

本考案の詳細を図示した実施例に基づいて説明する。

【００１１】 図１に示すものは、本考案の実施例の詰め物Ａであり、図はその全体を示した 状態の斜視図を示している。前記詰め物Ａは、合成樹脂材１にて球状体２となし 、該球状体２を内部中空に作成するとともに、前記球状体２の両側３、３に開口 ４、４を設けたものである。前記合成樹脂材１は、特に合成樹脂材中でも最も比 重が小さく、軽量で剛性、耐衝撃性等に優れたポリプロピレンを使用するのが好 ましい。また、ポリプロピレン以外でもポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチ レンテレフタレート、ＡＢＳ樹脂等の熱可塑性合成樹脂であれば適宜採用可能で ある。更に、合成樹脂以外の材料としてはゴムを用いてもよい。

【００１２】 そして、通気性あるいは清潔性等を考慮して内部を中空にし、前記球状体２の 両側３、３を図２に示す如き切り欠いて開口４、４を２箇所設けているが、前記 開口４、４は２箇所と限っているわけではなく、それ以外であっても差し支えな い。尚、図３に示すものは前記球状体２の開口４、４上から見た上面図であり、 開口４、４は鉛直方向に正確に設けられているが、特に鉛直方向でなければなら ない理由は全くなく、多少の位置ずれがあってもかまわない。

【００１３】 ところで図示した前記詰め物Ａの形状は、収容作業における滑動性、偏在防止 、安全性等を考慮して球状体２としているが、特に限定するものではなく、ここ でいう球状体２とは、球体であることは勿論のこと、全体に丸みをおびて角がな いという概念、又はこれに近似するものという意味である。そこで、図４、図５ に示す球状体２ａ、２ｂも当然採用できるものである。

【００１４】 尚、前記詰め物Ａの内部に芳香剤や吸湿剤等を収容又は装着することができる とともに、前記合成樹脂材１に顔料等を充填して着色することによって、美的外 観を向上させ商品価値を高めることもできる。

【００１５】 次に、図６、図７に示すものは前記詰め物Ａを用いた布団である。敷布団７に 前記詰め物Ａを収容して使用する場合は、特に中央部が膨出しないように区画部 ９を設ける必要がある。そして、前記敷布団７に使用される詰め物Ａは、身体を 支持するための強度が必要となるので、より厚肉である詰め物Ａとすることがよ い。

【００１６】 また、上布団８に前記詰め物Ａを収容して使用する場合には、図示の如き区画 部10を設け、中央部が膨出することがなく一定の厚みとすることができる。そし て図示はしていないが、長手方向に区画部を設ければ長手方向両端がしなるので 身体に密着するものである。また、前記上布団８全体に直径の小さな詰め物Ａを 収容すれば、より密着性が増すものである。更に長手方向両端に充填する詰め物 Ａに比重の大きいものを利用すると外気の侵入を防ぎ、前記上布団８の遊動やま くれを防止する効果もある。

【００１７】 そして夏場は上布団８の上面と敷布団７の下面に通気性のあるシートで覆い、 冬場は断熱シートで覆えば熱が逃げることがなく快適に就寝できるのである。ま た、上述の如き布団を用いれば通気性がよく、且つ家庭内での洗濯が可能となる ので、家ダニ等の害虫の発生がなく特に幼児用、老人用等には適したものとなる とともに、不慮の事故や病等で身体が不自由となり取替えが困難である場合や、 病院等の清潔性が要求される場所には有用な布団となるものである。

【００１８】 加えて、図８に示すものは前記詰め物Ａを用いた座蒲団11である。前記座蒲団 11を構成するためには、図示の如き区画部12を設け、均一に収容するのが望まし いが、中央部よりも外周部を高く設定してなるものも採用できる。そして、特に 座蒲団11は主に中央部に荷重がかかるので、中央部の支持力を強くするために厚 肉の詰め物Ａを充填すればよく、また中央部から周縁部に向けて区画を設けても よい。また、図示はしていないが椅子や車中等に使用するクッションとしても前 記詰め物Ａは有用である。

【００１９】 また、図示はしていないが前記詰め物Ａを用いた人形も提供できる。そして該 人形の内部に使用する前記詰め物Ａは、全体の隅々まで収容できるように小さい 詰め物Ａが適している。

【００２０】 更に、前記詰め物Ａは図９に示す如き緩衝材としても利用できるので、箱体13 に物体14を内装して、該物体14の回りを前記詰め物Ａで収容できるのである。そ うすることにより、物体14は傷がつくことがなく、また、外部から衝撃があった 場合でも、前記詰め物Ａの弾性力で保護できるものである。尚、物体14は野菜、 果物、魚介類等の食品や、宝石等の貴金属類は勿論、いかなる物であってもよい ということは言うまでもない。

【００２１】 尚、上述した詰め物を用いた布団、座蒲団、クッション等は使用時に充填して 用いることができるので、収容場所が狭い所でも収納できる。あるいは、携帯用 として持ち運びができるものとして有用である。

【００２２】

【考案の効果】

上述の如く、合成樹脂材にて球状体となし、該球状体を内部中空に作成すると ともに、前記球状体の両側部に開口部を設けた詰め物は、滑動性に優れるために 、収容された内部で偏在することがないので安定した製品が提供され、且つ、使 用者の重量や適宜な荷重によって流動が阻害されることがなく、均一に収容する ことができるとともに、従来のように角がないために身体を傷つけることや収容 する外袋を破ることがない。

【００２３】 また、本考案の詰め物を使用した布団等の寝具は、通気性がよく、防虫性に優 れているので家ダニ等の発生がなく、特にアトピー性皮膚炎等の患者に適した布 団等の寝具が提供できるものである。更に指圧効果もあり、健康寝具としても実 用価値が大である。

【００２４】 そして、本考案の詰め物を使用した布団、座蒲団、クッション等の寝具は、詰 め物を詰め替えることができるので、使用者の希望に合った固さに調節すること ができる。また、特に座蒲団やクッションを携帯用とすれば、商品価値を高める ことができる。

【００２５】 更に、本考案の詰め物を緩衝材として使用すれば、角がないので製品に傷がつ かず、また両側に開口を設けているので製品の全体を被覆しても通気性がよいの で、なま物を被覆するのに特に適しているものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の代表的実施例の詰め物の全体を示した
斜視図。

【図２】同実施例である詰め物を示した側面図。

【図３】同実施例である詰め物を示した平面図。

【図４】他の実施例である詰め物の全体を示した斜視
図。

【図５】他の実施例である詰め物の全体を示した斜視
図。

【図６】本考案の詰め物を用いてなる敷布団の使用状態
を示した側面断面図。

【図７】本考案の詰め物を用いてなる上布団の使用状態
を示した平面断面図。

【図８】本考案の詰め物を用いてなる座蒲団を示した平
面断面図。

【図９】本考案の詰め物を緩衝材として用いた状態を示
す断面図。

【図10】従来の詰め物の全体を示した斜視図。

【符号の説明】

Ａ 詰め物 １ 合成樹脂材 ２、２ａ、２ｂ 球状体 ３ 両側 ４ 開口 ７ 敷布団 ８ 上布団 ９、10、12 区画部 11 座蒲団 13 箱体 14 物体

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂材にて球状体となし、該球状体
   を内部中空に作成するとともに、前記球状体の両側に開
   口を設けたことを特徴とする詰め物（但し、枕用を除
   く）。
2. 【請求項２】 合成樹脂材にて球状体となし、該球状体
   を内部中空に作成するとともに、前記球状体の両側に開
   口を設けた詰め物（但し、枕用を除く）を用いてなるこ
   とを特徴とする布団、座蒲団、クッション等の寝具。
3. 【請求項３】 合成樹脂材にて球状体となし、該球状体
   を内部中空に作成するとともに、前記球状体の両側に開
   口を設けた詰め物（但し、枕用を除く）を用いてなるこ
   とを特徴とする人形。
4. 【請求項４】 合成樹脂材にて球状体となし、該球状体
   を内部中空に作成するとともに、前記球状体の両側に開
   口を設けた詰め物（但し、枕用を除く）を用いてなるこ
   とを特徴とする緩衝材。