JPH06174810A - 磁気光学磁界測定装置 - Google Patents

磁気光学磁界測定装置

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JPH06174810A
JPH06174810A JP32338492A JP32338492A JPH06174810A JP H06174810 A JPH06174810 A JP H06174810A JP 32338492 A JP32338492 A JP 32338492A JP 32338492 A JP32338492 A JP 32338492A JP H06174810 A JPH06174810 A JP H06174810A
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magneto
magnetic field
light
light beam
optical
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JP32338492A
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Muneaki Kanenobu
宗明 兼信
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TAKAYA Inc
TAKAYA KK
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TAKAYA Inc
TAKAYA KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁界強度を高感度でかつ微小領域の磁束を検
出することが可能であって、しかも電気的ノイズの影響
を受け難く、ドリフトの少ない磁気光学磁界測定装置を
提供する。 【構成】 磁気光学磁界測定装置は、光源10、コリメ
ートレンズ11、集光レンズ12、偏光子13などから
成る光ビーム発生手段と、透明基板20、磁気光学媒質
21および光反射膜22などが一体的に形成された磁気
光学素子23と、偏光ビームスピリッタ24、フォトダ
イオード30,31、演算増幅器32,33、抵抗3
4,35、差動増幅器36などから成る偏光検出手段
と、無偏光ビームスプリッタ14などで構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気光学素子を用いて
磁界の強度を測定するための磁気光学磁界測定装置に関
するものであって、材料に生じた傷から漏洩する磁界を
検出する磁気探傷、磁気材料の特性測定、磁界分布測
定、磁化状態の検査、脱磁効果の測定、環境磁界の測
定、地磁気や岩石磁気の測定、電線やモータ等の漏洩磁
束の測定、磁性体の探知、磁石の温度特性の解析、多極
磁石の製品検査、着磁装置の監視や制御、メッキ製品の
帯磁検査、ジャイロコンパスなどの分野において好適に
利用され得る。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば鉄板等の被検物の表面ま
たは内部に生じた傷を探傷する場合、被検物を磁化した
後に表面近傍の漏洩磁界の有無およびその強度を測定す
ることによって、漏洩磁界の原因となる傷の有無や大き
さを検出している。このような漏洩磁界を検出するため
の磁気検出素子として、電磁誘導を利用したサーチコイ
ルや半導体のホール効果を利用した半導体ホール素子な
どがある。サーチコイルは、被検物の表面に沿って移動
させながら、コイル内を貫く磁束の時間変化に比例して
コイルに発生する起電力を測定するものであり、コイル
の巻数を多くするほど磁界の検出感度も向上するという
利点がある。
【0003】一方、半導体ホール素子は、電流が一定方
向に流れている半導体材料に、垂直に磁界が印加される
と、両者の方向に対して垂直な方向に発生する起電力を
測定するものであり、素子の小形化が可能という利点が
ある。
【0004】さらに、ファラデー回転素子を用いた探傷
装置の一例が特開平2−77643号において提案され
ている。この探傷装置では、光ビームの径が測定エリア
となり、非常に小さな測定エリアを得ることができる。
また、磁気光学素子に反射膜を施しているので、構造
上、被測定物に近接させることができ、通過させる磁力
線の数を増やすことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、サーチ
コイルを用いた方法では、微小な傷では、傷から発生す
る漏洩磁束は観測できる範囲が極めて狭いため、狭い範
囲を検出できるための微小コイルを製造することが困難
であるという課題がある。また、サーチコイルの検出信
号が電気信号であるために、信号伝送の際に周囲の静電
誘導ノイズまたは電磁誘導ノイズの影響を受け易く、検
出感度が不安定であるという課題がある。
【0006】一方、半導体ホール素子を用いる方法で
は、ホール素子を構成する半導体材料が温度変動の影響
を受け易く、その特性が不安定であるという課題があ
る。さらに、サーチコイルと同様に、静電誘導ノイズま
たは電磁誘導ノイズの影響も受け易いという課題があ
る。
【0007】さらに、特開平2−77643号の探傷装
置では、光源の変動等が出力のノイズとして現われるた
め、弱い磁界を測定することが困難である。
【0008】本発明の目的は、前述した課題を解決する
ため、磁界強度を高感度で、かつ微小領域の磁束を検出
することが可能であって、しかも電気的なノイズの影響
を受け難く、ドリフトの少ない磁気光学磁界測定装置を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定の偏光方
向を有する光ビームを発生する光ビーム発生手段と、内
部を進行する光ビームの偏光状態を磁界の強度に応じて
変化させる磁気光学素子と、前記磁気光学素子から射出
される光ビームの偏光状態の変化を検出する偏光検出手
段とを備える磁気光学磁界測定装置において、光ビーム
が前記磁気光学素子を往復して進行するための光反射部
材を備え、かつ前記偏光検出手段が、前記磁気光学素子
から射出される光ビームを、互いに直交する偏光方向を
有する2つの光ビームに分岐するための偏光部材と、前
記偏光部材から射出される2つの光ビームをそれぞれ受
光するための受光素子と、各受光素子の出力の差分を演
算する差分演算回路とを有することを特徴とする磁気光
学磁界測定装置である。
【0010】また本発明は、各受光素子がそれぞれフォ
トダイオードで構成され、かつ、前記差分演算回路が、
各受光素子の一方のアノードと他方のカソードとが直結
し、さらに電流電圧変換器に入力して構成されることを
特徴とする。
【0011】
【作用】本発明に従えば、所定の偏光方向を有する光ビ
ームを発生する光ビーム発生手段と、入射した光ビーム
の偏光状態を磁界の強度に応じて変化させる磁気光学素
子と、前記磁気光学素子から射出される光ビームの偏光
状態の変化量を検出する偏光検出手段とを備えることに
よって、磁界の存在および強度を、磁気光学素子におけ
る光ビームのスポット領域の範囲で光学的に検出するこ
とができる。また、光ビームが磁気光学素子で往復して
進行することによって、光ビームの偏光状態の変化量
が、片道通過の場合と比べて2倍になるため、所定の感
度を得るには通過型に比べて半分の膜厚で足りることに
なる。。さらに、当該偏光検出手段が、互いに直交する
偏光方向を有する2つの光ビームに分岐するための偏光
部材と、この2つの光ビームをそれぞれ受光するための
受光素子と、各受光素子の出力の差分を演算する差分演
算回路とを有することによって、光源の出力変動による
雑音等の同相成分のノイズが相殺するため、光ビームの
偏光状態の変化量を高精度に測定することができる。
【0012】また、各受光素子がそれぞれフォトダイオ
ードで構成され、かつ差分演算回路が、各受光素子の一
方のアノードと他方のカソードが直結され、その入力が
電流電圧変換器に入力される構成になることによって、
後段に接続される増幅器の飽和を防ぐとともに、差分演
算回路が受動素子で構成されるので増幅器の数を減らす
ことができる。こうして、従来技術のように各々の増幅
器のドリフト等が重畳されて大きなドリフト等が発生す
ることがない。したがって、ドリフトが抑制される結
果、測定誤差が抑制される。
【0013】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である磁気光学磁
界測定装置を示す構成図である。この磁気光学磁界測定
装置は、レーザダイオードや発光ダイオードなどの光源
10、コリメートレンズ11、集光レンズ12、偏光プ
リズムや偏光板などの偏光子13などから成る光ビーム
発生手段と、透明基板20、ファラデー効果が生ずる磁
気光学媒質21および光ビームを反射する光反射膜22
などが一体的に形成された磁気光学素子23と、偏光ビ
ームスプリッタ24、フォトダイオード30,31、演
算増幅器32,33、抵抗34,35、差動増幅器36
などから成る偏光検出手段と、磁気光学素子23からの
光ビームを偏光ビームスプリッタ24へ反射するための
無偏光ビームスプリッタ14などで構成されている。
【0014】光源10から射出された光は、コリメータ
レンズ11によって集光されて、ほぼ平行光の光ビーム
2が得られ、集光レンズ12を通過することによって光
ビーム2の直径が徐々に小さくなるように集束し、さら
に偏光子13を通過することによって、所定の偏光方向
を有する直線偏光の光ビーム2になり、さらに無偏光ビ
ームスプリッタ14を通過して磁気光学素子23に入射
する。
【0015】磁気光学素子23は、透明基板20の上
に、磁気光学媒質21が形成され、さらにその上にAl
やAuなどの光反射膜22が形成されて構成されてい
る。磁気光学媒質21として、鉛ガラス、ZnSe、B
GO(Bi12GeO20)、BSO(Bi12SiO20)、
YIG(Y3Fe512)やBi置換磁性ガーネットなど
が用いられる。さらに、Bi置換磁性ガーネットには、
(HoTbBi)3Fe512、(CdBi)3(FeA
lGa)512、(CdBi)3(FeAl)512
(YbTbBi)3Fe512などがある。なお、磁気光
学媒質21として、単位磁気強度あたりの感度が高い強
磁性材料を用いることが好ましい。また、磁気光学媒質
21としてBi置換磁性ガーネットを用いる場合は、単
結晶のGGG(ガドリウム・ガリウム・ガーネット)か
らなる透明基板20の上に形成される。その他の磁気光
学媒質21の場合は、透明基板20を使用しなくても構
わない。
【0016】鉛ガラス等の非磁性材料は、鉛ガラスに直
線偏光を入射すると、印加された磁界の強さに比例して
光の偏光面が回転する。その回転角をθ、比例定数を
V、磁界の強さをH、光路長をLおくと、 θ = V・H・L …(1) の関係が成立する。この回転角θを検光子を用いて、検
光子透過後の光量の変化として観測することによって、
磁界の強さを測定することができる。現状の鉛ガラス等
では、比例定数Vの値が非常に小さいので微弱磁界の測
定に不向きである。
【0017】一方、Bi置換磁性ガーネット等の強磁性
材料は、多磁区構造をなしており、そのうち、光の偏向
方向をたとえば右回りに角度θ回転させる磁区と左回り
に角度θ回転させる磁区とが存在する。回転角θはファ
ラデー回転係数と呼ばれ膜厚に依存した一定の値をと
り、磁界の強度には依存しない、したがって、この素子
は印加された磁界の強度に応じてそれぞれの磁区の大き
さが変化し、磁界が変化すると右回りに角度θ回転した
光量と左回りに角度θ回転した光量の割合が変化するこ
とになる。この現象は見かけ上、光の偏光方向が回転し
たように観測される。
【0018】このように、非磁性材料と強磁性材料とで
は光の挙動が相違するとともに、磁気光学媒質21とし
て強磁性材料を用いると、非磁性材料と比べて、検光子
通過後の光量変化が極めて大きく測定される。
【0019】このような磁気光学素子23は、鉄板など
の被検物5の表面近傍に配置され、予め磁化された被検
物5に傷などの欠陥部40が存在すると、その欠陥部4
0から漏洩磁界が発生して、磁力線6が磁気光学素子2
3の磁気光学媒質21を通過することになる。なお、磁
気光学媒質21および光反射膜22が極めて薄く形成さ
れているため、被検物5に極めて近接させることが可能
となり、通過する磁力線6の数を増加させることができ
る。
【0020】光ビーム発生手段からの光ビーム2が所定
のスポット径で透明基板20を通過し、磁気光学媒質2
1の中を進行すると、磁力線6のうち光ビーム進行方向
に平行な磁界Hの強度に応じて、光ビーム2の偏光状態
が変化して光反射膜22に到達する。そして、光ビーム
2は反射して再び磁気光学媒質21の中を進行して、同
様に、磁界Hの強度に応じて光ビーム2の偏光状態が変
化し、再び透明基板20を通過する。なお、光ビーム2
が磁気光学媒質21の中を往復することによって、所定
の感度を得るには、通過型に比べて半分の厚さで足りる
ため、厚さ方向の空間分解能を向上させることができ
る。
【0021】図2は、磁気光学素子23中の光ビーム2
の集束状態の一例を示す平面図であり、磁気光学素子2
3中の光ビーム2のスポット3は、コリメータレンズ1
1や集光レンズ12を光軸方向に微調整することによっ
て、所望のスポット径およびスポット形状に変化させる
ことが可能である。したがって、スポット3を小さく形
成することによって、測定の空間分解能を上げることが
できる。
【0022】磁気光学素子23から射出された光ビーム
2は無偏光ビームスプリッタ14によって直角方向に反
射して、偏光ビームスプリッタ24に入射し、互いに直
交する偏光方向を有する2つの光ビーム2a,2bに分
岐され、光ビーム2aはフォトダイオード30によっ
て、光ビーム2bはフォトダイオード31によってそれ
ぞれ受光されて、受光量に比例した電流に変換される。
【0023】フォトダイオード30のアノード側は接地
され、カソード側は演算増幅器32の反転入力に接続さ
れるとともに、演算増幅器32の反転入力と出力との間
に抵抗値Rの抵抗34が接続され、さらに演算増幅器3
2の非反転入力が接地され、全体としてフォトダイオー
ド30から出力される光電流Iaを出力電圧Ia×Rに
変換する電流電圧変換回路が形成される。フォトダイオ
ード31から出力される光電流Ibについても同様に、
演算増幅器33から出力電圧Ib×Rが出力される。演
算増幅器32の出力は差動ゲインが1である差動増幅器
36の非反転入力に、演算増幅器33の出力はその反転
入力にそれぞれ接続されることによって、出力電圧V=
(Ia−Ib)×Rの差分演算が行われる。
【0024】以上のように構成される磁気光学磁界測定
装置を用いて、磁界Hの強度を測定する場合、偏光子の
偏光方向を、検光子のそれぞれの直交する偏光方向に対
して45゜に設定された状態に、偏光子、検光子の位置
および向きを設定する。まず磁気光学素子23に印加さ
れる磁界Hを0にした状態で、偏光検出手段の偏光ビー
ムスプリッタの位置および向きを調整して各フォトダイ
オード30,31の光電流Ia,Ibが互いに等しくな
るように、すなわち差動増幅器36の出力電圧Vが0に
なるように設定する。
【0025】次に、装置全体を移動して、磁気光学素子
23を被検物5の表面近傍に近接させて、表面に沿って
走査し、欠陥部40からの漏洩磁界を磁気光学素子23
に導入すると、磁界Hに比例して光ビーム2の偏光状態
が変化して偏光ビームスプリッタ24に入射し、たとえ
ば一方のフォトダイオード30の光電流Iaが増加し演
算増幅器32の出力電圧が増加するとともに、他方のフ
ォトダイオード31の光電流Ibが減少し、演算増幅器
33の出力電圧も減少する。そこで、2つの演算増幅器
32,33の出力電圧の差分を演算することによって、
磁界Hにほぼ比例した出力電圧Vを得ることができる。
このように、2つの受光系の出力を差分演算することに
よって、光源の出力変動等による同等成分のノイズが相
殺するため、高精度に磁界Hの強度を測定することがで
きる。
【0026】図3は、本発明の他の実施例である磁気光
学磁界測定装置を示す構成図である。本実施例の磁気光
学磁界測定装置は、図1に示したものと同様な構成であ
るが、偏光検出手段の中のフォトダイオード30のカソ
ードとフォトダイオード31のアノードが直結されてい
る点が相違する。図1と同様に、磁気光学素子23を往
復することによって偏光状態が変化した光ビーム2は、
無偏光ビームスプリッタ14で反射され、偏光ビームス
プリッタ24に入射し、互いに直交する偏光方向を有す
る2つの光ビーム2a,2bに分岐され、光ビーム2a
はフォトダイオード30によって、光ビーム2bはフォ
トダイオード31によってそれぞれ受光され、受光量に
比例した電流に変換される。
【0027】フォトダイオード30のアノード側および
フォトダイオード31のカソード側が接地され、フォト
ダイオード30のカソード側とフォトダイオード31の
アノード側とが直結して、演算増幅器37の反転入力に
出力されるとともに、演算増幅器37の反転入力と出力
の間に抵抗値Rの抵抗38が接続され、演算増幅器37
の非反転入力が接地され、全体としてフォトダイオード
30から出力される光電流Iaとフォトダイオード31
から出力される光電流Ibとの差分電流Ia−Ibを出
力電圧V=(Ia−Ib)×Rに変換する電流電圧変換
回路が形成される。
【0028】磁界Hの測定手順は、図1と同様に行わ
れ、光ビーム2の偏光状態が変化して偏光ビームスプリ
ッタ24に入射すると、たとえば一方のフォトダイオー
ド30の光電流Iaが増加し、他方のフォトダイオード
31の光電流Ibが減少し、その差分電流Ia−Ibが
演算増幅器37の反転入力に入力され、結果として磁界
Hにほぼ比例した出力電圧Vを得ることができる。
【0029】このように2つのフォトダイオード30,
31の出力電流の差分演算を増幅回路系の前段で行うこ
とによって、光源の出力変動等による同相成分のノイズ
が相殺するとともに、回路構成が簡単になり、かつ差分
演算を受動素子で行うことによって、増幅回路系の特性
変動やドリフトの影響を回避することができるため、極
めて高精度に磁界Hの強度を測定することができる。
【0030】図4(a),(b)は、図1、図3に示す
磁気光学磁界測定装置において、磁気光学素子23の検
出方向を被検物5の表面に平行に配置した例を示す部分
構成図である。図4(a)において、直角プリズム15
の斜辺面にはAlやAuなどから成る光反射膜15aが
形成されており、直角プリズム15の短辺面から順次、
透明基板20、磁気光学媒質21、光反射膜22から成
る磁気光学素子23が一体的に固定される。図1および
図3において所定の偏光方向を有する光ビーム2が無偏
光ビームスプリッタ14を通過すると、図4(a)の直
角プリズム15に入射して光反射膜15aで反射し所定
のスポット径で磁気光学素子23の中を進行する。磁気
光学素子23の磁気光学媒質21には被検物5からの漏
洩磁界による磁力線6が貫いており、磁力線6のうち光
ビーム進行方向に平行な成分の磁界Hの強度に応じて、
光ビーム2の偏光状態が変化して、光反射膜22で反射
された光ビーム2は再び磁気光学素子23を進行して偏
光状態がさらに変化して、光反射膜15aで反射して無
偏光ビームスプリッタ14に戻る。なお、光ビーム2が
磁気光学媒質20を通過する検出領域を被検物5に近接
させて測定感度を向上させるために、直角プリズム15
への光ビーム入射位置を磁気光学素子23にできるだけ
近付けることが好ましい。
【0031】一方、図4(b)は、図4(a)の直角プ
リズム15の代わりに光反射膜16が表面に形成された
反射ミラー16を用いた例であり、光学的原理は図4
(a)のものと同じである。
【0032】こうして、光ビームを水平方向に反射する
反射系を設け、磁気光学素子23を水平方向に配置する
ことによって、被検物5から漏洩する磁界の水平成分を
検出することができる。
【0033】図5は、本発明の他の実施例である磁気光
学磁界測定装置の構成図である。本実施例における磁気
光学磁界測定装置は、図3のものと同様であるが、無偏
光ビームスプリッタ14が省略されている点が相違す
る。光源10、コリメータレンズ11、集光レンズ12
および偏光子13から成る光ビーム発生手段の光軸が、
磁気光学素子23の法線方向に対してわずかに傾いて配
置されており、この正反射方向に偏光ビームスプリッタ
24、フォトダイオード30,31、電流電圧変換回路
39などから成る偏光検出手段が配置されている。この
ような構成を採ることによって、光の透過損失または反
射損失を招く無偏光ビームスプリッタ14を省略するこ
とが可能になり、フォトダイオード30,31での受光
光量が増大して、S/N比の良好な信号を得ることがで
きる。
【0034】次に、磁界の測定例について説明する。図
6は、図3の磁気光学磁界測定装置における磁気光学素
子23を貫く磁界Hと出力電圧Vとの関係を示すグラフ
である。このときの測定条件は、光源10としてのレー
ザダイオードの発生出力が3mW、磁気光学素子23中
の光ビーム2のスポット直径が1mm、フォトダイオー
ド30,31の感度が0.4A/W、磁気光学媒質21
がBi置換磁性ガーネット、抵抗38の抵抗値Rが1M
Ωである。図6のグラフを見ると、磁気光学素子23中
の磁界Hの強さと演算増幅器37の出力電圧とがほぼ比
例関係を示すことが理解される。
【0035】図7は、図1の磁気光学磁界測定装置のド
リフトを測定した結果を示すグラフであり、図8は、図
3の磁気光学磁界測定装置のドリフトを測定した結果を
示すグラフである。両者の測定条件は、光源10として
のレーザダイオードの発光出力が3mW、フォトダイオ
ード30,31の感度が0.4A/W、磁気光学媒質2
1がBi置換磁性ガーネット、演算増幅器32,33,
37がアナログデバイス社製のAD645(商品名)、
抵抗34,35の抵抗値が400kΩ、抵抗38の抵抗
値が1MΩである。図7のグラフを見ると、通電開始か
ら4000秒経過後に直流レベルで約1mVのドリフト
が生じており、その途中で−0.1Gaussの磁界を
磁気光学素子23に印加したところ、約3mVの出力が
得られた。したがって、ドリフト成分比は1mV/3m
V≒33%と計算される。
【0036】一方、図8のグラフを見ると、通電開始か
ら4000秒経過後に、直流レベルで約0.5mVのド
リフトが生じており、その途中で+0.1Gaussの
磁界を磁気光学素子23に印加したところ、約7mVの
出力が得られた。したがって、ドリフト成分比は0.5
mV/7mV≒7%と計算される。
【0037】このように、2つのフォトダイオード3
0,31の一方のカソードと他方のカソードを直結して
差分演算を行うことによって、増幅回路系の影響による
ドリフトが極めて少ない磁気光学磁界測定装置を得るこ
とができる。
【0038】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、微
小領域の測定が可能であって、磁界の検出感度が高く、
かつノイズおよびドリフトが極めて小さい磁気光学磁界
測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である磁気光学磁界測定装置
を示す構成図である。
【図2】磁気光学素子23中の光ビーム2の集束状態を
示す平面図である。
【図3】本発明の他の実施例である磁気光学磁界測定装
置を示す構成図である。
【図4】図4(a)、図4(b)は、それぞれ図1、図
3に示す磁気光学磁界測定装置において、磁気光学素子
23の検出方向を被検物5の表面に平行に配置した例を
示す部分構成図である。
【図5】本発明の他の実施例である磁気光学磁界測定装
置を示す構成図である。
【図6】図3の磁気光学磁界測定装置における磁気光学
素子23を貫く磁界Hと出力電圧Vとの関係を示すグラ
フである。
【図7】図1の磁気光学磁界測定装置のドリフトを測定
した結果を示すグラフである。
【図8】図3の磁気光学磁界測定装置のドリフトを測定
した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
2,2a,2b 光ビーム 3 スポット 5 被検物 6 磁力線 10 光源 11 コリメートレンズ 12 集光レンズ 13 偏光子 14 無偏光ビームスプリッタ 15 直角プリズム 16 反射ミラー 20 透明基板 21 磁気光学媒質 22 光反射膜 23 磁気光学素子 24 偏光ビームスプリッタ 30,31 フォトダイオード 32,33,37 演算増幅器 34,35,38 抵抗 36 差動増幅器 39 電流電圧変換回路 40 欠陥部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の偏光方向を有する光ビームを発生
    する光ビーム発生手段と、 内部を進行する光ビームの偏光状態を磁界の強度に応じ
    て変化させる磁気光学素子と、 前記磁気光学素子から射出される光ビームの偏光状態の
    変化を検出する偏光検出手段とを備える磁気光学磁界測
    定装置において、 光ビームが前記磁気光学素子を往復して進行するための
    光反射部材を備え、 かつ前記偏光検出手段が、前記磁気光学素子から射出さ
    れる光ビームを、互いに直交する偏光方向を有する2つ
    の光ビームに分岐するための偏光部材と、前記偏光部材
    から射出される2つの光ビームをそれぞれ受光するため
    の受光素子と、各受光素子の出力の差分を演算する差分
    演算回路とを有することを特徴とする磁気光学磁界測定
    装置。
  2. 【請求項2】 各受光素子がそれぞれフォトダイオード
    で構成され、かつ、前記差分演算回路が、各受光素子の
    一方のアノードと他方のカソードとが直結し、さらに電
    流電圧変換器に入力して構成されることを特徴とする請
    求項1記載の磁気光学磁界測定装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005315697A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Nec Corp 磁界検出素子とそれを用いた磁界測定装置
US11237224B2 (en) 2019-10-03 2022-02-01 Samsung Electronics Co., Ltd. Magnetic property measuring systems, methods of measuring magnetic property, and methods of fabricating magnetic memory devices using the same

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