JPH06174578A - 気密性検査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 気泡を利用した気密性検査の精度向上と省力
化をはかる。 【構成】 被検査物２浸漬用の液体３を収容した槽体１
と、この槽体の側方に配設され前記液体にレ−ザ−ビ−
ムを照射して液体中の被検査物２の上方において広がる
レ−ザ−ビ−ム帯５を形成させるレ−ザ−ビ−ム発振器
４と、このレ−ザ−ビ−ム帯の上方に配設されレンズ部
をレ−ザ−ビ−ム帯に向けたＣＣＤカメラ６と、このＣ
ＣＤカメラの発する明暗濃度信号をもとにレ−ザ−ビ−
ム帯部における気泡２３の有無を判定する画像処理回路
１０とを具備して成る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、容器やハウジングな
どの各種中空体の気密あるいは油密などの密封性を、該
中空体内に気体を送入して気密性の形で検査する検査装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の気密性の検査方法として
は、各種中空体から成る被検査物を、槽体に収容した水
などの液体中に浸漬し、被検査物内に空気を圧送して、
その空気が溶接部や接着部などの欠陥部から気泡となつ
て漏れるか否かを、検査員が目視によつて観察し、気泡
有りのとき気密性不良と判定していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし上記の方法にお
いては、目視検査によつていたため、検査員は充分な注
意力と緊張を要求され、能率がわるいうえ検査員の疲労
を招き検査ミスをひきおこしやすく、また特にたとえば
直径０．５mm程度のこまかい気泡は肉眼によつては見落
しやすく、検査精度が劣るものであつた。

【０００４】この発明は上記従来の問題点を解決するも
ので、検査精度がすぐれ、検査に要する人手も大巾に低
減化できる気密性検査装置を提供しようとするものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明の気密性検査装
置は、被検査物浸漬用の液体を収容した槽体と、この槽
体の側方に配設され前記液体にレ−ザ−ビ−ムを照射し
て前記液体中の被検査物の上方において広がるレ−ザ−
ビ−ム帯を形成させるレ−ザ−ビ−ム発振器と、前記レ
−ザ−ビ−ム帯の上方に配設されレンズ部を該レ−ザ−
ビ−ム帯に向けたＣＣＤカメラと、このＣＣＤカメラの
発する明暗濃度信号をもとに前記レ−ザ−ビ−ム帯部に
おける気泡の有無を判定する画像処理回路とを具備した
ことを特徴とする。

【０００６】この発明においてＣＣＤカメラのレンズ部
には、レ−ザ−ビ−ムと同色のフイルタを被着すると、
レ−ザ−ビ−ム帯を通過する気泡以外のＣＣＤカメラに
よる撮像明度はレ−ザ−ビ−ム帯を通過する気泡のＣＣ
Ｄカメラによる撮像明度に比して暗くなり、相対的に気
泡を画像として捕え易くなるので、気泡検出精度が向上
し、好ましい。

【０００７】

【作用】この発明の気密性検査装置においては、被検査
物を槽体の液体中に浸漬し、ゴムホ−ス等の手段により
空気を被検査物内に圧送する。被検査物に溶接部や接着
部のピンホ−ルなどの欠陥があるときは、空気が該欠陥
部から漏出して気泡として上昇し、レ−ザ−ビ−ム発振
器により被検査物上方に形成されたレ−ザ−ビ−ム帯を
通過するとき、上記気泡が明るく輝くため、この気泡は
明部としてＣＣＤカメラにより撮像され、画像処理部に
おいてはこの明部の有無により気泡の有無を判定する。

【０００８】

【実施例】以下図１によりこの発明の一実施例を説明す
る。図中、１は槽体で、被検査物２を浸漬するための水
から成る液体３が収容してある。なおこの実施例では、
槽体１として透明なガラス製の水槽を用いている。４は
槽体１の側方に配設されたレ−ザ−ビ−ム発振器（要部
のみを図示）で、液体３の内部において、かつ被検査物
２の上方において、ほぼ水平面状に広がるレ−ザ−ビ−
ム帯５を形成させるレンズ群をそなえている。

【０００９】また６はレ−ザ−ビ−ム帯５の上方に配設
されたＣＣＤカメラで、そのレンズ部をレ−ザ−ビ−ム
帯５に向け、光軸をほぼ鉛直方向にして固定されてい
る。そしてそのレンズ部には、レ−ザ−ビ−ム（赤色）
と同色の赤色フイルタ７を被着してある。

【００１０】１０は画像処理回路で、ＣＣＤカメラ６の
各撮像素子の明暗濃度信号を明信号または暗信号に２値
化する２値化回路１１と、この２値化信号中の明信号、
すなわち明素子（明画素）の数をカウントする画素数カ
ウント回路１２と、一撮像画面中の明素子数が、しきい
値設定器１３の発する設定値より大のときＮＧ信号を、
小のときＯＫ信号を発する判定回路１４とから成る。な
お、しきい値設定器１３は、ノイズ等の外乱信号による
明信号の誤カウントを除外するため、所定の少数の明素
子数をしきい値として設定するものである。

【００１１】１５は前記のＮＧまたはＯＫ信号に応じて
点灯する表示灯である。また１６は撮像画面をそのまま
表示するデイスプレイ装置、１７は各被検査物ごとの判
定結果を記録する記録装置で、必要に応じて設けるもの
である。なお表示灯１５のかわりに、ＮＧ時のみ吹鳴す
る警報ブザ−等を設けてもよい。

【００１２】上記構成の気密性検査装置２０を用いるに
は、被検査物２にゴムホ−ス２１を接続し、被検査物２
の開口部をプラグ２２等により密栓して液体３中に浸漬
し、ゴムホ−ス２１を介して圧縮空気を被検査物２内に
送入する。この被検査物２に溶接部などのピンホ−ルや
亀裂等の欠陥があると、この欠陥部から空気が漏れて気
泡となつて上昇し、レ−ザ−ビ−ム帯５を通過する気泡
２３が明るく輝くので、ＣＣＤカメラ６の気泡撮像部の
各素子は高明度信号を発する。この高明度信号は２値化
回路１１により明信号（デイジタル信号）に変換され、
画素数カウント回路１２によりカウントされた明素子
（明画素）数がしきい値以上に達すると、判定回路１４
はＮＧ信号を発して表示灯１５のＮＧ灯が点灯し、不良
発生を表示する。

【００１３】このように気泡の発生状況はＣＣＤカメラ
６により撮像され画像処理回路１０により判定されるの
で、気泡発生状態観察のための人手は不要となり、画素
数の多いＣＣＤカメラ６を用いることにより、小直径の
気泡の発生も精度よく迅速確実に検出することができる
のである。

【００１４】この発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、たとえば槽体１としては、レ−ザ−ビ−ム入射
部のみが透明となつたものを用いてもよいし、画像処理
回路１０の具体的構成は上記以外のものとしてもよい。
また被検査物２が長尺や大型の場合は、ＣＣＤカメラ６
を複数台設置したり、、レ−ザ−ビ−ム発振器４を複数
台設置してもよく、さらにＣＣＤカメラ６を被検査物２
に沿つて移動させてレ−ザ−ビ−ム帯５を走査するよう
にしてもよい。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
レ−ザ−ビ−ム帯による気泡の高明度化と、ＣＣＤカメ
ラおよび画像処理回路による気泡の検出と判定の自動化
とにより、気密性の検査を高精度で、かつ多くの人手を
要することなく迅速におこなうことができ、気密性検査
の精度向上および省力化に寄与するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す気密性検査装置の機
器系統図である。

【符号の説明】

１…槽体、２…被検査物、３…液体、４…レ−ザ−ビ−
ム発振器、５…レ−ザ−ビ−ム帯、６…ＣＣＤカメラ、
７…赤色フイルタ、１０…画像処理回路、１１…２値化
回路、１２…画素数カウント回路、１３…しきい値設定
器、１４…判定回路、１５…表示灯、２０…気密性検査
装置、２３…気泡。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被検査物浸漬用の液体を収容した槽体
   と、この槽体の側方に配設され前記液体にレ−ザ−ビ−
   ムを照射して前記液体中の被検査物の上方において広が
   るレ−ザ−ビ−ム帯を形成させるレ−ザ−ビ−ム発振器
   と、前記レ−ザ−ビ−ム帯の上方に配設されレンズ部を
   該レ−ザ−ビ−ム帯に向けたＣＣＤカメラと、このＣＣ
   Ｄカメラの発する明暗濃度信号をもとに前記レ−ザ−ビ
   −ム帯部における気泡の有無を判定する画像処理回路と
   を具備したことを特徴とする気密性検査装置。
2. 【請求項２】 ＣＣＤカメラのレンズ部に、レ−ザ−ビ
   −ムと同色のフイルタを被着した請求項１記載の気密性
   検査装置。