JPH0617431U - バリカン形刈払機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造簡単、かつ、取付方向変換容易にして、
分離形刈刃の利用度を高めることのできる経済的なバリ
カン形刈払機を提供することである。 【構成】 刈刃を往復動させるようにしたバリカン形刈
払機において、前記刈刃を動力伝達部と刃部とに分割す
るとともに、前記刃部の長手方向両端部に嵌合部を形成
し、前記動力伝達部に設けられた嵌合部に着脱自在の構
成とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、バリカン形刈払機に関し、特に、偏心カム等の動力伝達手段を介し て上下一対の刈刃を往復運動させるようにしたバリカン形刈払機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、畦畔や用水路等での雑草類の刈取り、芝生の刈込み、生垣の刈込み等 の草木の刈払作業を行うバリカン形刈払機においては、通常、操作桿の一端に設 置された内燃エンジン等の動力源からの出力を、動力伝達装置を介して刈刃装置 に伝え、上下一対の細長状の刈刃を互いに長手方向へ相対的に往復運動させて草 木を切断するようになっている。

【０００３】 このような２枚のバリカン刃を往復運動させて作業を行う場合、刈刃に刃こぼ れや折損等を生じて、刈刃の交換や研磨を行なうためには、動力伝達装置の分解 が必要となり、厄介な取り外し、分解、並びに組立作業を行わなければならなか った。 そこで、刈刃の取り外し、交換等の作業を容易ならしめるべく、刈刃部のみを 分離形とすることは、例えば、実開平４一６００１８号公報や実開平２一６４２ ２号公報、並びに本考案の出願人の出願に係わる実願平３一１０６４２７号明細 書にも記載されているように、従来より知られている。図５は、そのような従来 の分離形刈刃の要部を示す平面図である。

【０００４】 図５において、回転運動を直線往復動運動に変換するクランク桿６０には、図 示しないカムが嵌合する横長の長孔６１が設けられ、この長孔６１の中でカムが 回転することでカムの回転運動が直線往復動運動に変換されるようになっている 。クランク桿６０の他端には連結片６２が形成されており、刈刃７０の一端に形 成された切欠７１に着脱自在に嵌合されるようになっている。このように、両者 は嵌合された状態で一体化され直線往復動運動可能とされる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このように、前記従来のバリカン形刈払機においては、例えば、刈刃の先端だ けを使用する作業、例えば、畦草刈等の作業に多用すると、刈刃の先端（前部） のみに刃こぼれや折損等を生じることが多く、稼働の割に刈刃の交換や研磨を頻 繁に行わなければならないという問題があった。

【０００６】 本考案は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、特に 、構造簡単、かつ、取付方向変換容易にして、分離形刈刃自体の寿命を長く保持 することのできる経済的なバリカン形刈払機を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成すべく、本考案に係わるバリカン形刈払機は、回転運動を直 線往復動運動に変換する動力伝達装置に駆動上連結され長手方向へ摺動自在に往 復動せしめられる動力伝達部と刃部とに分割するとともに、それぞれに嵌合部を 形成して互いに着脱自在にした分離形刈刃を備えたバリカン形刈払機において、 前記刃部の長手方向の両端部に前記動力伝達部に係合可能な嵌合部を形成したこ とを特徴としている。

【０００８】

【作用】

前述の如く構成された本考案に係わるバリカン形刈払機においては、刃部の先 端が刃こぼれや折損等により，刈刃の交換や研磨が必要となったときには、刃部 のみを動力伝達部から取り外して向きを変え、刃部の長手方向他端に形成された 嵌合部を動力伝達部の嵌合部に係合することにより再び鋭利な刃部が刈刃の先端 に位置される。

【０００９】

【実施例】

以下、図面により本考案の一実施例を説明する。 図１は本考案に係わるバリカン形刈払機の縦断面図、図２は図１のII-II 矢視 断面図である。また、図３は刈刃と動力伝達部とを示す一部切り欠き平面図（図 １のIII-III 矢視図）、図４は刃部の平面図である。

【００１０】 バリカン形刈払機１は、刈払機の操作桿２の先端に連結される歯車減速装置３ の先端に角度可変に取付けられたケース４を有し、該ケース４は複数個のボルト によって一体に結合された上下の半体５及び６からなる。前記ケース４は、前記 操作桿２の伝動軸（図示せず）により駆動される主軸７を軸受８及び９を介して 回転自在に垂直に支持しており、前記主軸７は前記歯車減速装置３の出力歯車１ ０へ一体に連結されている。前記主軸７には、互いに軸線方向へ上下に離間した 一対の円形の偏心カム１２及び１３が配設されており、これ等の偏心カム１２、 １３は、互いに１８０度ずれた角度位相をもって配置されている。

【００１１】 さらに、上下一対の細長い板状をなす分離形刈刃１４及び１５が前記ケース４ 内からその前方外部へ突出するように配置され、前記刈刃１４、１５の前方部の 刃部１６、１７は前記ケース４の側方端部にある上部案内部材２０と下部案内部 材２１とによってそれぞれ支持されている。

【００１２】 前記動力伝達部１８、１９の前記ケース４から突出した外方端にはＴ字状の連 結片３２、３３が一体に形成されるとともに、前記刃部１６、１７の内方端には 前記連結片３２、３３と互いに着脱自在に係合できるＴ字状の切欠５１、５２が 形成されている。前記連結片３２、３３と前記切欠５１、５２とが係合された状 態においては、一体の刈刃１４、１５として前後方向へ互いに摺動可能な構成と なる。

【００１３】 そして、図４に示すように、前記刃部１６（１７）の長手方向の両端には、前 記動力伝達部１８（１９）のＴ字状の連結片３２（３３）と係合するＴ字状の切 欠５１、５３（５２、５４）が形成されている。 前記動力伝達部１８、１９は、その前記ケース４内の中間部分に横方向湾曲部 分３４、３５が両側に膨出して形成されており、かつ、その長手方向中央部に長 孔３６、３７が穿設されている。重ね合わされた前記長孔３６、３７の上下両表 面に前記上下二つの偏心カム１２、１３を配置し、前記主軸７を上下に貫通させ ることにより、前記主軸７と前記偏心カム１２、１３は一体化され、かつ、前記 上下の偏心カム１２、１３は互いに１８０度ずれた角度位相を有して配設される 。

【００１４】 重ね合わされた前記刈刃の上下の動力伝達部１８、１９の上下表面に接し、か つ、前記偏心カム１２及び１３と同一平面には、カム運動の従動節としての従動 部材４１、４２が刈刃の前後方向（長手方向）に沿って設けられている。前記下 側の従動部材４１は、連接棒部２３と、その両端に大小の円形リング部２５及び ２７を一体に形成した板状部材からなる。前記上側の従動部材４２もこれと同一 形状となる。

【００１５】 前記偏心カム１２、１３は、それぞれ前記従動部材４１、４２の大端リング部 ２５、２６に枢動可能に嵌着されている。また、前記従動部材４１、４２の小端 リング部２７及び２８は、前記刈刃１４及び１５にそれぞれピン２９及び３０で 枢着されている。 なお、前記案内部材２０及び２１の前端部には刈刃先端保護部５０が設けられ ている。

【００１６】 次に、このように構成された本考案一実施例のバリカン形刈払機の作用につい て説明する。

【００１７】 前記主軸７が前記歯車減速装置３からの減速回転力で駆動されて回転すると、 前記偏心カム１２及び１３が回転する。それにより、前記上下の従動部材４１、 ４２はそれぞれ互いに逆位相で前後方向に往復動され、さらに、これに同期して 、前記刈刃１４及び１５の動力伝達部１８、１９並びにこれらと一体化された刃 部１６、１７も前後方向に往復動され、草木等を切断することができる。

【００１８】 そして、畦草刈等の刈刃の先端だけを使用する作業により、刈刃の先端（前部 ）のみに刃こぼれや折損等を生じ、刈刃の交換を必要とする場合には、前記上部 案内部材２０と下部案内部材２１とを取り外した後、前記刃部１６（１７）の切 欠５１（５２）と前記動力伝達部の連結片３２（３３）との係合を解いて両者を 分離し、そして、前記刃部１６をその平面上で１８０度回転させ、その長手方向 他端に形成された前記切欠５３（５４）と前記連結片３２（３３）とを係合させ て分離形刈刃１５（１４）を一体化する。

【００１９】 このようにして、比較的刃の損傷度合いの低い前記ケース４の根元（後方）付 近の部分を、刈刃先端に簡単に位置変換させることができ、したがって、他の新 しい刈刃と交換したり、あるいは、その都度刃を研磨したりする場合と比較して 、資源としての刈刃の有効活用が可能となり、また、時間的かつ経済的節約にも 資することができる。さらに、刃部を自由に交換可能な構成としているので、様 々な作業条件に応じて刃部の材料及び形状等を選択することができ、バリカン形 刈払機の性能及び耐久性を向上させることができる。

【００２０】 なお、刃部を図示例の如く両刃式のものとすれば、一枚につき、４回向きを変 えて使用でき、好適である。

【００２１】 以上、本考案の実施例を詳述したが、本考案は、前記実施例に限定されるもの ではなく、実用新案登録請求の範囲に記載された本考案を逸脱することなく種々 の設計変更を行うことが可能である。 たとえば、図示例では上下両方の刈刃が往復動せしめられているが、一方は固 定刃でも良く、また、嵌合部の形状はＴ字状に限らず、材料取りや応力集中防止 を配慮して適宜の形状とすることができる。

【００２２】

【考案の効果】

以上の説明から理解されるように、本考案によれば、刈刃を動力伝達部と刃 部とに分離し、しかも刃部の両端が動力伝達部に着脱自在な構成となっているの で、構造簡単にして、分解並びに組立が容易になり、また、一枚の刃部の利用度 を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係わるバリカン形刈払機の縦断面
図。

【図２】 図１のII-II 矢視断面図。

【図３】 刈刃と動力伝達部とを示す一部切り欠き平面
図。

【図４】 刃部の平面図。

【図５】 従来の実施例における刈払機の要部平面図。

【符号の説明】

４ ケース ７ 主軸 １２ 偏心カム １３ 偏心カム １４ 刈刃 １５ 刈刃 １６ 刃部 １７ 刃部 １８ 動力伝達部材 １９ 動力伝達部材 ５１ 嵌合部 ５２ 嵌合部 ５３ 嵌合部 ５４ 嵌合部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転運動を直線往復動運動に変換する動
   力伝達装置（１２、１３、４１、４２）に駆動上連結さ
   れ長手方向へ摺動自在に往復動せしめられる動力伝達部
   （１８、１９）と刃部（１６、１７）とに分割するとと
   もに、それぞれに嵌合部（３２、３３、５１、５２）を
   形成して互いに着脱自在にした分離形刈刃（１４、１
   ５）を備えたバリカン形刈払機において、前記刃部（１
   ６、１７）の長手方向の両端部に前記動力伝達部に係合
   可能な嵌合部（５１、５３、５２、５４）を形成したこ
   とを特徴とするバリカン形刈払機。