JP2540466Y2 - 揺動刈刃式刈機 - Google Patents

揺動刈刃式刈機

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JP2540466Y2
JP2540466Y2 JP7541692U JP7541692U JP2540466Y2 JP 2540466 Y2 JP2540466 Y2 JP 2540466Y2 JP 7541692 U JP7541692 U JP 7541692U JP 7541692 U JP7541692 U JP 7541692U JP 2540466 Y2 JP2540466 Y2 JP 2540466Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、2枚の刈刃を相対揺
動させて草刈り作業等を行う刈払機や縁刈機等の揺動刈
刃式刈機に係り、詳しくは刈るべき草等の太さに応じて
能率良く刈り作業を行うことができる揺動刈刃式刈機に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】揺動刈刃式の刈払機や縁刈機等は、小石
や刈られた草等が作業者の方へ飛散しない利点があり、
それら従来の揺動刈刃式刈機では、刈刃は周縁部に沿っ
て複数個の刃部を等ピッチで備えている。(例:実開平
3−126430号公報)
【0003】一方、実開昭64−41222号公報は、
鋸歯のピッチが異なっている第1及び第2の周縁領域を
交互に備える丸鋸を開示する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】刃部のピッチが大きい
刈刃では、草より少し太い位で刈らずに残す木(枝)が
草と共に混在する場所では、そのような木を草と一緒に
刈ってしまう弊害がある。また、刃部のピッチが小さい
刈刃では、細い木等も刈る必要がある場合には、それら
を刈ることができないとともに、被刈取物しかなくすべ
てを刈るような場所では、作業能率が低下してしまう。
【0005】実開昭64−41222号公報の丸鋸は、
一方向に連続的に回転する回転式であり、被刈取物の状
況に応じて木等を残したり、木等も含めて刈ったりする
ことができない。
【0006】この考案の目的は、刈刃を交換することな
く、刈り作業の状況に応じて被刈取物を能率的に刈るこ
とができる揺動刈刃式刈機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この考案を、実施例に対
応する図面の符号を使用して説明する。この考案の前提
となる揺動刈刃式刈機(10)では、2枚の刈刃(50,52)
は、周縁部に沿って複数個の刃部(86,88)を備え、相対
的に往復揺動する。そして、この考案の揺動刈刃式刈機
(10)では、2枚の刈刃(50,52)は、第1の周縁領域(90)
では刃部(86,88)を第1のピッチ(P1)で備え、第1の
周縁領域(90)とは別の第2の周縁領域(92)では刃部(86,
88)を第1のピッチ(P1)より小さい第2のピッチ(P
2)で備えている。
【0008】
【作用】刈るべきものだけが存在する作業場所、刈って
はならないものがあってもそれらが十分に太い作業場
所、又は細い木(枝)等も含めて刈っても構わない作業
場所等では、刈刃(50,52)の第1の周縁領域(90)を被刈
取物側に向けて刈り作業を行う。被刈取物は、大きい第
1のピッチ(P1)の刃部(86,88)の間に入って、挟み切
られる。
【0009】草等の被刈取物よりは太いが、刈るべきで
はない細い木等が存在する場合、第2の周縁領域(92)を
被刈取物側に向けて刈り作業を行う。刈るべきでない木
等は、小さい第2のピッチ(P2)の刃部(86,88)の間に
入らず、刈るべき被刈取物のみが、刃部(86,88)の間に
入って、挟み切られる。
【0010】
【実施例】以下、この考案を図面の実施例について説明
する。図2は歯車装置16を含む範囲の縦断面図である。
操作桿12は、後端側においてエンジンを含む動力部(図
示せず)を取り付けられている。伝動軸14は、操作桿12
内を貫通し、動力部の回転動力を後端部から前端部へ伝
達する。歯車装置16は、操作桿12の前端部に装着される
ケース18を備えている。接続軸20は、ケース18の上端側
(説明の便宜上、図2の上下方向を上下方向として説明
する。)の通孔内部にボールベアリング22を介して回転
自在に軸支され、伝動軸14の前端部を一体回転的に嵌入
されている。ボルト孔21は、ケース18の上端部のスリッ
トを挟むケース18の対峙部分に穿設され、グリース補給
孔23は、ケース18のテーパ部に取り付けられて、ボール
ベアリング22より下側のケース18の内部空間へグリース
を注入する際に使用される。遊星歯車装置24はボールベ
アリング22より下側のケース18の内部空間に配設され、
サンギヤ26は、継ぎ手28を介して接続軸20の下端部へ一
体回転的に結合し、1対のキャリヤ板30は、対峙して、
連結ピン32により相互に連結され、ローラ34は、連結ピ
ン32に回転自在に嵌装され、プラネタリギヤ36は、ロー
ラ34に一体回転的に嵌装されて、サンギヤ26にかみ合
い、リングギヤ38は、サンギヤ26に対して同心的に配置
され、プラネタリギヤ36にかみ合っている。ベアリング
ケース40は、遊星歯車装置24の下側を閉鎖するように、
ケース18に嵌挿され、ボルト42は、ベアリングケース40
及びリングギヤ38を挿通して、ケース18に螺着し、ベア
リングケース40及びリングギヤ38をケース18に固定して
いる。Oリング44は、ケース18とベアリングケース40と
の接合部に介在して、挟圧され、接合部をシールしてい
る。出力軸46は、上端部において下側のキャリヤ板30の
中心部に一体回転的に嵌入、結合し、ベアリングケース
40を貫通して、その貫通部においてボールベアリング47
により回転自在にベアリングケース40に軸支されてい
る。偏心軸48は、ベアリングケース40の外面側において
出力軸46の下端部に一体的に形成され、出力軸46の中心
線に対して偏倚している。
【0011】可動刃50及び固定刃52は、中心線を揃え
て、可動刃50がケース18側となるように重ね合わされて
いる。連結ピン54は、可動刃50及び固定刃52の中心に位
置し、固定刃52の外面側から固定刃52及び可動刃50を貫
通して、先端部にスナップリング56を嵌着され、可動刃
50及び固定刃52を相互に連結している。複数個の凸部60
は、下方へ少し突出するように、ケース18の下面側に形
成され、可動刃50の透孔62を貫通している。ボルト58
は、固定刃52の下面側から固定刃52に挿通され、各凸部
60に螺合して、固定刃52を凸部60に固定する。
【0012】環状フェルトパッキン64は、ケース18の下
端部の周縁部66の下面に形成されている環状溝に上端側
を嵌着され、下端面において可動刃50に摺接する。スリ
ーブ枠68は、中心が出力軸46の中心線上となるように、
可動刃50に取り付けられ、内側にスリーブ70を嵌挿され
ている。スリーブ70は、内周側に小判形長孔72を画定す
るとともに、固定刃52側のフランジ部を、可動刃50と固
定刃52との間に介在させるように、嵌入させている。ボ
ールベアリング74は、内輪の内周側を偏心軸48の周部に
固着され、小判形長孔72内へ偏心軸48と共に嵌入してい
る。
【0013】図3は偏心軸48の軸方向からスリーブ70等
を示した図である。82,84は、それぞれ出力軸46(図
2)及び連結ピン54(図2)の中心線の位置であり、中
心線80は、中心84を通る直線、すなわち可動刃50の直径
に一致する。小判形長孔72は、中心線80に対して対称な
形状であり、中心線80の方向へ長くなっている。ボール
ベアリング74は、小判形長孔72の幅と等しい外径を有
し、ボールベアリング74の外輪の外周は小判形長孔72の
幅方向へ小判形長孔72の周面に接触している。偏心軸48
は、出力軸46の回転に伴って中心82の周りを公転し、こ
れにより、スリーブ70は、中心84を中心とする円周方向
へ往復揺動する。
【0014】図4は各透孔62の形状を示している。各透
孔62は、中心84を通る直線に対して対称形状となってお
り、中心84を中心とする円周方向へ長い小判形状となっ
ている。透孔62のこのような長円形状は、中心84を中心
とする円周方向の可動刃50の往復揺動に対して、凸部60
が透孔62の周縁に衝突するのを回避させる。
【0015】図1は歯車装置16の部位を上方から見た図
である。可動刃50及び固定刃52は周縁に沿って複数個の
等脚台形形の刃部86,88をそれぞれ有し、可動刃50は固
定刃52より少し小径であり、固定刃52の刃部88は可動刃
50の刃部86より幅広である。刃部86,88は、操作桿12の
中心線を通る可動刃50及び固定刃52の垂直面を対称面と
して一方の半円部としての大ピッチ領域90では第1のピ
ッチP1となっているのに対し、他方の半円部としての
小ピッチ領域92では第2のピッチP2(第2のピッチP
2<第1のピッチP1)となっている。Pmは固定刃52
に対する可動刃50の往復揺動角度を示し、第2のピッチ
P2の約2倍となっている。
【0016】固定刃52に対する可動刃50の往復揺動の作
用等について最初に説明する。偏心軸48は、可動刃50の
直径に対して、すなわち連結ピン54の中心を通る可動刃
50の面上の直線に対して対称のスリーブ70内に挿入され
るので、偏心軸48への可動刃50の組付け性は良好であ
る。
【0017】操作桿12の後端部の動力部からの回転動力
は、伝動軸14を介して接続軸20へ伝達され、さらに、継
ぎ手28を介して遊星歯車装置24のサンギヤ26へ伝達され
る。遊星歯車装置24では、サンギヤ26の回転速度が減速
されて、キャリヤ板30へ伝達され、出力軸46は伝動軸14
より小さい回転速度で回転する。偏心軸48は、出力軸46
の回転に伴って、出力軸46の中心線を中心として所定半
径で公転する。スリーブ70は、偏心軸48及びそれに嵌装
されたボールベアリング74を小判形長孔72内へ嵌入され
ており、偏心軸48の公転に伴って、小判形長孔72の短径
方向へ連行され、これにより、連結ピン54を中心とする
円周方向へ往復揺動する。一方、ボルト58は、可動刃50
の透孔62を通過して固定刃52及びケース18を相互に固定
しているので、可動刃50は固定刃52に対して円周方向へ
往復揺動する。こうして、被刈取物としての草等は固定
刃52及び可動刃50の刃部86,88の間に挟まれて、刈られ
る。
【0018】スリーブ70のフランジ部は、出力軸46の部
位において可動刃50及び固定刃52の間に介在し、また、
可動刃50は、スリーブ70のフランジ部より周辺側の凸部
60の部位において固定刃52の方へ押圧されているので、
刃部86,88の相互の押圧力が増大し、刃部86,88におけ
る剪断性が向上する。
【0019】環状フェルトパッキン64は、下面において
透孔62の上面に摺接し、放射方向外側から内側へケース
18の内部へ異物が進入するのを阻止する。
【0020】木等に刈刃を当てて、刈り作業を行なう場
合は、大径でかつ固定側の固定刃52の下面側が木等に当
てられて、固定刃52及び可動刃50の刃部86,88の間に挟
まれた草や蔓等の被刈取物が刈られる。
【0021】可動刃50及び固定刃52を交換するとき、ボ
ルト58がケース18の凸部60から取り外される。これによ
り、固定刃52は、ケース18への止着を解除されるととも
に、可動刃50は、その透孔62からボルト58を抜かれ、ま
た、スリーブ70から偏心軸48を抜かれて、取り外され
る。
【0022】次に、可動刃50及び固定刃52の大ピッチ領
域90及び小ピッチ領域92の作用について説明する。刈る
べき草等だけが存在する作業場所、刈るべきでない木が
あってもそれら木が十分に太い作業場所、又は細い木
(枝)等も草と共に刈っても構わない作業場所等では、
大ピッチ領域90を草側に向けて刈り作業を行う。木枝等
は、草等と共に大きい第1のピッチP1の刃部86,88の
間に入って、挟み切られる。
【0023】草等よりは太いけれど、刈るべきでない細
い木等が存在する場合、小ピッチ領域92を草側に向けて
刈り作業を行う。木等は、小さい第2のピッチP2の刃
部86,88の間に入らず、草等のみが、刃部86,88の間に
入って、挟み切られる。
【0024】実施例は揺動式刈払機10であるが、この考
案は縁刈機等、他の揺動刈刃式刈機にも適用可能であ
る。
【0025】
【考案の効果】この考案では、小石等の飛散の少ない揺
動刈刃式刈機において、2枚の刈刃は、刃部が第1のピ
ッチ及びそれより小さい第2のピッチで形成されている
第1の周縁領域及び第2の周縁領域を有し、刈り作業場
所の被刈取物の状況に応じて第1の周縁領域及び第2の
周縁領域の刃部を使い分けることができる。したがっ
て、刈刃を交換することなく、作業状況に応じて、異な
るピッチの刃部を使い分けて、被刈取物を能率的に刈る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】歯車装置の部位を上方から見た図である。
【図2】歯車装置を含む範囲の縦断面図である。
【図3】偏心軸の軸方向からスリーブ等を示した図であ
る。
【図4】各透孔の形状を示す図である。
【符号の説明】
10 揺動式刈払機(揺動式刈機) 50 可動刃(刈刃) 52 固定刃(刈刃) 86,88 刃部 90 大ピッチ領域(第1の周縁領域) 92 小ピッチ領域(第2の周縁領域) P1 第1のピッチ P2 第2のピッチ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周縁部に沿って複数個の刃部(86,88)を
    備える2枚の刈刃(50,52)が相対的に往復揺動する揺動
    刈刃式刈機(10)において、前記2枚の刈刃(50,52)は、
    第1の周縁領域(90)では前記刃部(86,88)を第1のピッ
    チ(P1)で備え、前記第1の周縁領域(90)とは別の第2
    の周縁領域(92)では前記刃部(86,88)を前記第1のピッ
    チ(P1)より小さい第2のピッチ(P2)で備えているこ
    とを特徴とする揺動刈刃式刈機。
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KR101136292B1 (ko) * 2010-12-01 2012-04-19 김동현 상하부 보조날이 각각 구비되는 예초기 칼날
AT523011B1 (de) * 2019-10-08 2023-05-15 Gebrueder Busatis Ges M B H Messeranordnung für landwirtschaftliche Maschinen
CN115918390B (zh) * 2022-12-02 2023-08-01 南京信息工程大学 一种太阳能光伏板防蔓生植物设备

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