JPH06173788A - 内燃エンジンの蒸発燃料処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料タンク内の圧力を正確に検出する。 【構成】 燃料タンク１の上壁部にカットオフ弁２が設
けられ、カットオフ弁２の接続通路２１ａは蒸発燃料を
吸着貯蔵するキャニスタに連通する燃料蒸気通路に接続
されている。カットオフ弁２のフロート弁２３ａは燃料
タンク１が所定角度以上傾斜すると燃料（液体）により
押し上げられ、突部２３ａが弁孔２１ｂを塞ぐように構
成されている。カットオフ弁２の弁ケーシング室２２に
は通路３ａを介して燃料タンク内圧センサ３が装着され
ており、このセンサ３により燃料タンク内の圧力が検出
される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、内燃エンジンの蒸発燃
料処理装置に関し、特に燃料タンク内の圧力を検出する
センサを有する装置における該センサの取付け位置の改
良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、燃料タンクで発生する蒸発燃
料をキャニスタに一時的に貯蔵し、その貯蔵した蒸発燃
料を適宜エンジンの吸気系にパージしうるように構成し
た蒸発燃料処理装置は広く用いられている。

【０００３】本願出願人は、この蒸発燃料処理装置にお
いて、燃料タンクにタンク内圧力を検出するタンク内圧
センサを設け、このセンサの検出値に基づいて装置の異
常を検出する手法を既に提案している（特願平３−３６
０６３０号）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置においては、タンク内圧センサを燃料タンク上
部に取付けているため、以下のような不具合がある。即
ち燃料タンク内には液体相（液体の燃料）が存在し、燃
料タンクが搭載された車輌の旋回や加減速により、タン
ク内の液体相が動き回るため、タンク内の気相は押し縮
められたり、広げられたりする。その結果、タンク内圧
センサによる圧力測定を正確に行うことが困難であっ
た。

【０００５】本発明はこの点に着目してなされたもので
あり、燃料タンク内の圧力をより正確に検出しうるよう
にした蒸発燃料制御装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、燃料タンクと、該燃料タンク内に発生する蒸
発燃料を吸着する活性炭を有するキャニスタと、該キャ
ニスタと前記燃料タンクとを接続する燃料蒸気通路と、
少なくとも弁ケーシングとフロート弁からなり前記燃料
タンクの上部の燃料蒸気通路と前記燃料タンクの接続部
に設けられたカットオフ弁とを有し、前記燃料タンク内
の液体の燃料が前記燃料蒸気通路に侵入することを防止
するように構成した内燃エンジンの蒸発燃料処理装置に
おいて、前記カットオフ弁の弁ケーシングに弁ケーシン
グ室内に常時開口する開口部を有する連通路を設け、該
連通路に圧力検出手段を接続するようにしたことを特徴
とするものである。

【０００７】

【作用】燃料タンク内の液体相の変動の影響を受けるこ
となく、燃料タンク内の圧力検出が可能となる。

【０００８】

【実施例】以下本発明の実施例を添付図面を参照して説
明する。

【０００９】図１は本発明の一実施例に係る蒸発燃料処
理装置の全体構成を示す図である。同図において燃料タ
ンク１にはカットオフ弁２を介して燃料蒸気通路４が接
続されており、カットオフ弁２の上部には、通路３ａを
介して燃料タンク内圧センサ（圧力検出手段）３が装着
されている。タンク内圧センサ３はタンク内圧力を検出
し、その検出信号は電子コントロールユニット（以下
「ＥＣＵ」という）１３に供給される。

【００１０】燃料蒸気通路４は、活性炭７を有するキャ
ニスタ６に接続され、燃料蒸気通路４の途中には、２方
向弁５が設けられてる。２方向弁５は、通路４の燃料タ
ンク側の圧力とキャニスタ側の圧力との差が所定以上の
とき開弁するものであり、またＥＣＵ１３からの指令信
号により強制的に開弁させることができるように構成さ
れている。

【００１１】キャニスタ６には大気に連通する通路８が
接続されており、通路８の途中には、ドレンシャット弁
９が設けられている。ドレンシャット弁９はＥＣＵ１３
に電気的に接続されており、その指令信号に従って開閉
作動する。ドレンシャット弁９の開弁時は、キャニスタ
６は大気と連通し、閉弁時は遮断される。

【００１２】キャニスタ６はパージ通路１０を介して内
燃エンジンの吸気管１２に接続されており、パージ通路
１０の途中にはパージ制御弁１１が設けられている。パ
ージ制御弁１１はＥＣＵ１３に電気的に接続されてお
り、その指令信号に従って開閉作動する。パージ制御弁
１１の開弁時は、キャニスタ６は吸気管１２に連通し、
閉弁時は遮断される。

【００１３】通常は、２方向弁５、ドレンシャット弁９
及びパージ制御弁１１をすべて開弁状態とし、燃料タン
ク１で発生する蒸発燃料をキャニスタ６に一時的に貯蔵
すると共に、通路８を介して導入される大気と蒸発燃料
の混合気を吸気管１２に供給する。また、燃料タンク
１、キャニスタ６、燃料蒸気通路４、パージ通路１０等
から成る蒸発燃料排出抑止系（以下「排出抑止系」とい
う）から蒸発燃料のもれがあるか否かをチェックする場
合は、ドレンシャット弁９及びパージ制御弁１１を操作
して排出抑止系内を所定の負圧状態とし、その後の燃料
タンク内圧の変化に基づいてもれの有無が判定される。

【００１４】タンク内圧センサ３は、上記もれチェック
の際のタンク内圧の検出等に使用される。

【００１５】図２は、カットオフ弁２の構造を示す断面
図であり、カットオフ弁２は、弁ケーシング室２２を画
成する弁ケーシング２１と、フロート弁２３と、スプリ
ング２４から成る。弁ケーシング２１は、燃料蒸気通路
４に接続される接続通路２１ａ、フランジ２１ｃ及び底
壁２１ｄを有し、底壁２１ｄには複数の貫通孔２１ｅが
形成されている。

【００１６】弁ケーシング２１のフランジ２１ｃは、プ
レート２６により燃料タンク１の上壁部に固定されてお
り、燃料タンク１の上壁部とフランジ２１ｃとの間に
は、シールラバー２５が介装されている。

【００１７】また、弁ケーシング室２２は、弁孔２１ｂ
を介して接続通路２１ａに連通するとともに、連通路３
ａを介して燃料タンク内圧センサ３が装着されている。

【００１８】このカットオフ弁２は、燃料タンク１の傾
斜角が所定角度以内のときは燃料（液体）に浸ることが
ないような位置（０Ｂポイント）に装着され、弁ケーシ
ング室２２内の圧力は燃料タンク内の燃料（液体）の動
きの影響を受けにくいようになっている。

【００１９】燃料タンク１が前記所定角度を越えて傾斜
したときは、フロート弁２３が燃料（液体）により押し
上げられ、フロート弁２３の突部２３ａが弁孔２１ｂを
塞ぎ閉弁状態となって燃料（液体）が接続通路２１ａ内
に侵入するのを防止する。

【００２０】従って、燃料タンク内圧センサ３の検出圧
力は、燃料タンク１の上部に直接装着された場合に比べ
て、タンク内の燃料（液体）の影響を受けにくく、より
正確なタンク内圧力の検出が可能となる。

【００２１】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、燃
料タンク内の液体相の変動の影響を受けることなく、燃
料タンク内の圧力を検出することができ、より正確なタ
ンク内圧力を得ることができる。その結果、タンク内圧
力に基づく燃料タンクやキャニスタからのもれの有無の
チェックをより正確に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る蒸発燃料処理装置の全
体構成を示す図である。

【図２】カットオフ弁の断面図である。

【符号の説明】

１ 燃料タンク ２ カットオフ弁 ３ 燃料タンク内圧センサ ４ 燃料蒸気通路 ６ キャニスタ １０ パージ通路 １２ 吸気管

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料タンクと、該燃料タンク内に発生す
   る蒸発燃料を吸着する活性炭を有するキャニスタと、該
   キャニスタと前記燃料タンクとを接続する燃料蒸気通路
   と、少なくとも弁ケーシングとフロート弁からなり前記
   燃料タンクの上部の燃料蒸気通路と前記燃料タンクの接
   続部に設けられたカットオフ弁とを有し、前記燃料タン
   ク内の液体の燃料が前記燃料蒸気通路に侵入することを
   防止するように構成した内燃エンジンの蒸発燃料処理装
   置において、前記カットオフ弁の弁ケーシングに弁ケー
   シング室内に常時開口する開口部を有する連通路を設
   け、該連通路に圧力検出手段を接続したことを特徴とす
   る内燃エンジンの蒸発燃料処理装置。