JPH06173267A - コケ類による岩盤緑化方法及びコケ群落シート - Google Patents

コケ類による岩盤緑化方法及びコケ群落シート

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JPH06173267A
JPH06173267A JP32706992A JP32706992A JPH06173267A JP H06173267 A JPH06173267 A JP H06173267A JP 32706992 A JP32706992 A JP 32706992A JP 32706992 A JP32706992 A JP 32706992A JP H06173267 A JPH06173267 A JP H06173267A
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豊 鬼鞍
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晴夫 高山
Mitsuhiro Shibazaki
光弘 柴崎
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Kajima Corp
Chemical Grouting Co Ltd
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 衰退することなく且つ周囲の自然植生と調和
するコケ類による岩盤緑化方法及びコケ群落シートを提
供する。 【構成】 コケ類1を所定の大きさの繊維シート3上で
培養してコケ群落シート5を形成し、コケ群落シート5
を岩盤9表面上に張り付ける。好ましくはコケ類1をコ
ケ植物亜門に属する綱である蘚類とし、更に好ましくは
シッポゴケ科のカモジゴケ、同じくシッポゴケ科のフデ
ゴケ、ギボウシゴケ科のスナゴケ、ハイゴケ科のハイゴ
ケの少なくとも1種からなる蘚類とする。繊維シート3
としては、例えば寒冷紗を用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コケ類による岩盤緑化
方法及びコケ群落シートに関し、特にダム建設等の土工
事に伴い露出した岩盤をコケ類により緑化する岩盤緑化
方法及びコケ群落シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ダム・ゴルフ場・大規模公園等の
建設又は造成に際し、その土工事によって露出した岩盤
を緑化する方法としては、岩盤の浸食及び風化を防止す
るため、草本類の種子を混ぜた植物生育基盤材を岩盤に
吹き付ける厚層基材吹付け工が行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の厚層
基材吹付け工には、以下の問題点があった。 (1)常用されるケンタッキー31フェスク、ケンタッキ
ーブルーグラス、クリーピングレッドフェスクなどの外
来種イネ科草本類は、岩盤に吹き付けた植物育成基盤材
に含まれていた肥料成分が消費されると衰退し始めるた
め、植生の永続性が保障し難く、人為的な管理が必要と
なる。更に、衰退してしまうと景観上大きな問題とな
る。 (2)岩盤緑化を目的とした人為植生の場合には、木本類
の導入を図っても定着しにくく混播した外来種のイネ科
の草本類が優勢となるため、その人為植生と周辺の自然
植生とが必ずしも調和しない。
【0004】そこで本発明の目的は、衰退することなく
且つ周囲の自然植生と調和するコケ類による岩盤緑化方
法及びコケ群落シートを提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するため、岩盤上でも衰退せずしかも山地や平地の自
然植生と調和するコケ植物亜門に属するコケ類に注目
し、コケ類を直接岩盤に定着させて岩盤を緑化すること
に成功した。
【0006】図1の実施例を参照して説明するに、本発
明のコケ類による岩盤緑化方法は、コケ類1を所定の大
きさの繊維シート3上で培養してコケ群落シート5を形
成し、コケ群落シート5を岩盤9表面上に張り付ける。
コケ群落シート5におけるコケ類1の群落は、仮根が繊
維シート3に絡み付いているので、繊維シート3と共に
岩盤9表面上に直接定着される。好ましくは上記コケ類
1をコケ植物亜門の綱である蘚類に属するコケ類1と
し、更に好ましくはシッポゴケ科のカモジゴケ、同じく
シッポゴケ科のフデゴケ、ギボウシゴケ科のスナゴケ、
ハイゴケ科のハイゴケの少なくとも1種からなる蘚類と
する。繊維シート3は緑化する岩盤9の大きさに合わせ
た所定の大きさとし、また複数枚の上記コケ群落シート
5を用いて岩盤9表面を覆ってもよい。
【0007】本発明のコケ群落シート5は、コケ類1の
群落が固定された所定の大きさの繊維シート3から構成
される。好ましくは前記コケ類1の群落を、シッポゴケ
科のカモジゴケ、同じくシッポゴケ科のフデゴケ、ギボ
ウシゴケ科のスナゴケ、ハイゴケ科のハイゴケの少なく
とも1種からなる蘚類の群落とする。
【0008】
【作用】本発明が岩盤緑化に用いるコケ類1は、本来山
地や平地に群生するコケ植物であり、周辺の自然植生の
中にあっても岩盤9上の植生が違和感を与えることがな
い。また強健で乾燥に耐える能力が高い特性を備えてい
るので、植物生育のための特別な基盤を必要とせず自然
条件下で生育して群落を広げる。特にカモジゴケ、フデ
ゴケ、スナゴケ、ハイゴケ等の蘚類は、群落の面積が増
加するほど生育強度が増し、且つ群落形成による自己保
全能力、すなわち群落に他の植物の種子が飛来して混入
してもその発芽を抑制する分泌物を産出する特性がある
ので、他の植物種が混在せず、目的とする植生を広範囲
にわたるコケ群落6として岩盤9上に作り出すことがで
きる。
【0009】更にコケ類1は人工的な繁殖が可能であ
り、所定の生育条件下で培養して繊維シート3上に群落
を形成させ、コケ群落シート5を作ることができる。ま
た地下茎を持たないので、岩盤9上でも生育することが
可能である。
【0010】年月の経過と共にコケ群落6は成長して自
然の状態に近付き、周囲の自然植生と調和して景観の修
復に寄与する。こうして、本発明の目的である「衰退す
ることなく且つ周囲の自然植生と調和するコケ類による
岩盤緑化方法及びコケ群落シートの提供」が達成され
る。
【0011】
【実施例】図2(A)を参照して、コケ類1を蘚類とした
本発明のコケ群落シート5を製造する方法の一実施例を
説明する。コケ類1を培養するために縦40cm、横40cm、
深さ5cm程度の育成箱7へ粒径組成が砂質壌土の山土8
を入れ、山土8の表面を平にならして40cm×40cm程度の
繊維シート3を敷き、更に上から板で押し付ける。繊維
シート3としては、例えば綿糸を粗く平織にして固くの
り付けした綿織物である寒冷紗とすることができる。ま
たコケ類1の仮根を繊維シート3に絡み付かせるため、
上から押し付けて繊維シート3と山土8とを密着させ
る。但し、本発明の繊維シート3の材質及び大きさは図
示例に限定されるものではなく、緑化する岩盤に適した
材質及び大きさの適当な繊維シート3を用いることがで
きる。
【0012】山土8の上に敷かれた繊維シート3上に、
コケ類1として蘚類の種苗を1本ずつばらして播きゴケ
を行い、上から板で押し付ける。更に、この上から山土
8を一面に薄く敷き、再度上から板で押し付ける。播き
ゴケの終った育成箱7に例えば霧吹きによって水をか
け、コケ類1の生育条件に適した温度、湿度、光等の環
境条件を備えた培養装置に入れてコケ類が群落を形成す
るまで培養する。培養されたコケ類1は仮根が繊維シー
ト3に絡み付いて群落として生育するので、図2(B)に
示すようにコケ群落シート5が形成される。
【0013】図1(A)に、本発明の岩盤緑化方法の一実
施例を示す。複数枚のコケ群落シート5を適宜間隔で岩
盤9の表面上に置き、例えば小さなピン等でコケ群落シ
ート5が動かないように岩盤9表面に張り付ける。コケ
類1は、乾燥に強くまた岩盤9上でも自然条件下で人為
的管理を要さずに生育できるので、広範囲にわたるコケ
群落6を形成し、衰退することなく成長・拡大して図1
(B)に示すように岩盤9表面全体を自然に近い状態で覆
い、周辺の自然景観にとけこみ、岩盤9上に目的とする
植生を作り出すことができる。
【0014】
【発明の効果】本発明の岩盤緑化方法及びコケ群落シー
トは、コケ群落が固定された繊維シートを岩盤表面上に
張り付ける構成を用いるので、次の顕著な効果を奏す
る。 (1)岩盤に定着したコケ群落は衰退することがほとんど
なく、持続性に優れている。更にコケ群落の形成が進ん
で岩盤を広く覆うことにより、風化・浸食から岩盤を防
ぐ能力も高まる。 (2)岩盤に定着したコケ類は、周年、緑ないし淡緑黄色
を呈して周囲の自然植生とよく調和し、景観を修復・維
持する。 (3)植物育成のための特別な基盤を用いず自然条件下で
緑化植物を定着させて岩盤を緑化することができるの
で、人為的な管理を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の一実施例の説明図である。
【図2】は、本発明のコケ群落シートの製造を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 コケ類 3 繊維シート 5
コケ群落シート 6 コケ群落 7 育成箱 8
山土 9 岩盤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴崎 光弘 東京都港区元赤坂1丁目6番4号 ケミカ ルグラウト株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コケ類を所定の大きさの繊維シート上で
    培養してコケ群落シートを形成し、前記コケ群落シート
    を岩盤表面上に張り付けてなるコケ類による岩盤緑化方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1の岩盤緑化方法において、前記
    コケ類をカモジゴケ、フデゴケ、スナゴケ、ハイゴケの
    少なくとも1種からなる蘚類としてなるコケ類による岩
    盤緑化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の岩盤緑化方法におい
    て、前記繊維シートを寒冷紗としてなるコケ類による岩
    盤緑化方法。
  4. 【請求項4】 コケ群落が固定された所定の大きさの繊
    維シートからなるコケ群落シート。
  5. 【請求項5】 請求項4のコケ群落シートにおいて、前
    記コケ群落をカモジゴケ、フデゴケ、スナゴケ、ハイゴ
    ケの少なくとも1種からなる蘚類群落としてなるコケ群
    落シート。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5のコケ群落シートにおい
    て、前記繊維シートを寒冷紗としてなるコケ群落シー
    ト。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001089291A1 (en) * 2000-05-23 2001-11-29 Wayne Robert Keown A method of cultivation of bryophytes
JP2006122006A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Takashi Shinpo コケの栽培方法
CN107278890A (zh) * 2017-06-22 2017-10-24 中国科学院昆明植物研究所 一种苔藓石质墙体绿化方法
CN109526654A (zh) * 2017-08-04 2019-03-29 美丽国土(北京)生态环境工程技术研究院有限公司 一种苔藓植生装置及其制备方法

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