JPH0617311B2 - 正常組織生物活性亢進剤 - Google Patents

正常組織生物活性亢進剤

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JPH0617311B2
JPH0617311B2 JP60011903A JP1190385A JPH0617311B2 JP H0617311 B2 JPH0617311 B2 JP H0617311B2 JP 60011903 A JP60011903 A JP 60011903A JP 1190385 A JP1190385 A JP 1190385A JP H0617311 B2 JPH0617311 B2 JP H0617311B2
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liver
cancer
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fibrinogen
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昭世 重松
靖夫 間渕
裕子 遠藤
恵美子 羽山
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Seitai Kagaku Kenkyusho KK
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Seitai Kagaku Kenkyusho KK
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、正常組織の生物活性を亢進させるために用
いる薬剤に関するものである。ここにいう生物活性とし
ては、例えば食菌活性、解毒活性、免疫活性および分裂
芽生成活性等が含まれる。このような生物活性の亢進
は、例えば身体の被損傷または被傷害器官もしくは組織
の治瘉または再生を促進する。
〔従来の技術〕
従来、組織に適用する薬剤としては、例えばα−シアノ
アクリレートモノマーが市販されている。これは、切断
された組織(例えば骨)の接着を目的とするもの(すな
わち、組織接着剤)である。しかし、α−シアノアクリ
レートモノマーは合成物質であるから、組織にに対する
親和性が悪く、壊死を起すという欠点があつた。また、
止血のために血液凝固物質を用いることは知られてい
る。しかし、例えば失なわれた組織の再生を目的とする
薬剤は実用されるに至つていない。
〔発明の記載〕
この発明者は、少なくともフイブリノーゲン、トロンビ
ンおよびカルシウムイオンに、所望により生体微量成分
を配合してなる薬剤が、驚くべきことに、疾患または切
除により失なわれた組織の再生を促進することを見出
し、この発明を完成したのである。
すなわち、この発明は、少なくともフイブリノーゲン、
トロンビンおよびカルシウムイオンを含有することを特
徴とする、正常組織生物活性亢進剤を提供するものであ
る。これらは、フイブリノーゲン70−110mg:トロ
ンビン4−1000IU:カルシウムイオン10−80
ミリモルの割合で存在することが望ましい。
この発明の正常組織生物活性亢進剤には、上に述べたフ
イブリノーゲン、トロンビンおよびカルシウムイオンの
ほか、例えばフイブロネクチン、第XIII因子、プラスミ
ノーゲン、アプロチニン、アルブミン、抗プラスミン性
グロブリン、糖、有機酸(例えばくえん酸)等を含ませ
ることができ、さらに、一般に使用される抗腫瘍剤、抗
生物質、抗菌剤、生物学的製剤、駆虫剤、消炎剤等、お
よび腫瘍(例えば、がんのような悪性腫瘍)または結核
性乾酪巣等の病巣部を無毒化または死細胞化したものを
配合することができる。
上記フイブリノーゲン、トロンビンおよびその他の生体
由来物質としては、ひとに由来するものが最も好ましい
が、工業的見地から、ひと以外の哺乳類(例えば、う
し)に由来するものが繁用される。カルシウムイオンと
しては、塩化カルシウムが最も好ましい。酸はpH調整の
ために用いられる。
上記の成分のうち、少なくともフイブリノーゲンおよび
トロンビンは別個の容器または1個の容器における別個
の収容部(以下、これらを合わせて収容室という)に含
ませ、使用時に合わせて混合する。好ましくは、4個の
収容室を使用し、そのうち第1の室にはフイブリノーゲ
ンを、第2の室にはフイブリノーゲンの溶剤を、第3の
室にはトロンビンを、第4の室にはトロンビンの溶剤と
カルシウムイオンを、それぞれ含ませるのが適当であ
る。好適な成分の配合および含量範囲を例示すると、第
1の室に、フイブリノーゲン70−110mg、血漿フイ
ブロネクチン2−9mg、第XIII因子10−50U、およ
びプラスミノーゲン20−80μgを入れ、第2の室
に、うしアプロチニン溶液(1−4000KIU/ml)
または注射用蒸留水1mlを入れ、第3の室に、うしトロ
ンビン凍結乾燥物4−1000IUを入れ、第4の室
に、塩化カルシウム溶液(10−80ミリモル/リツト
ル)1mlを入れる。収容室としては、独立のアンプルも
しくはバイアル、または多室容器が用いられる。使用に
際しては、第1の室に入れた成分を第2の室に入れた液
体に溶かし、別に第3の室に入れた成分を第4の室に入
れた液体に溶かし、これらを混合して、適用部位(患
部)に注入もしくは塗布することにより密接させる。
〔効果〕
この発明の正常組織生物活性亢進剤は、例えばマクロフ
アージ等による食菌活性、解毒活性、免疫活性および分
裂芽生成活性等を亢進する。すなわち、哺乳類(ひとを
含む)の身体の損傷もしくは傷害を受けた器官、組織の
治瘉および再生の促進、各種感染症、がん等の疾患部位
の限局および閉塞、患部の繊維化、血管内皮形成の促
進、繊維芽細胞、白血球等の出生および集会促進等、並
びにそれによる食菌作用の活性化、解毒の促進は勿論の
こと、傷害器官もしくは組織の原形に復せしめるに著効
を有する。
例えば、肝硬変、慢性肝炎、肝がん等の各種肝疾患によ
つて肝葉の小部分または大部分を切除する必要が起るこ
とがあるが、このような場合に切除した部位にこの発明
の薬剤を塗布すると、上記部位における肝組織の再生お
よび機能回復が、復原が不可能である従来法に比較して
飛躍的に改善されることが判明した(後記試験例1参
照)。
〔実施例〕
以下、この発明を実施例によりさらに詳細に説明し、試
験例によりこの発明の効果を明らかにする。
実施例1(製剤例) (A)フイブリノーゲン 100mg 血漿フイブロネクチン 7mg 第XIII因子 40U プラスミノーゲン 50μg (B)うしアプロチニン液(3000KIU/ml) 1ml (C)うしトロンビン凍結乾燥物 500IU (D)塩化カルシウム水溶液(40ミリモル/リツトル)
1ml 使用に際して、(A)を(B)に溶解し、別途(C)を(D)に溶解
し、用時両溶液を混合してこの発明の薬剤とする。
試験例1 再生肝の迅速形成と正常機能復帰 (方法) 雄性ウイスター系ラツト(5週令)を用い、まず、バル
ビタール系の麻酔薬(ソムノペンチル)0.04ml/体重
100gを尾静脈から注射し、麻酔後開腹して、最も大
きな外側左肝葉を少し引き出し、肝葉の4分の3ないし
10分の1に相当する任意の容量を逆V字形の切断面に
沿つて切除摘出した。この間、肝葉の根元を圧迫して止
血した。切除後直ちに実施例1の製剤(混合したもの)
を切断面に塗布した。切断面は約3分後に止血が完了し
た。腹部を縫合し、覚醒後普通食を与えた。
対照としては、公知の縫合糸を用いる止血法、およびα
−シアノアクリレートモノマー(商品名アロンアルフア
ー)の塗布を、別個に行なつた。
(結果) 上記手術後経日的に動物を屠殺し、肝の再生状況を観察
した。その結果、実施例1の製剤を用いた場合には、手
術後24時間から肝葉の再生が始まり、168時間(7
日)後に完全に元の容量を回復することが認められた。
手術後6時間、72時間、および168時間における肝
の状態(拡大率2.5倍の写真)をそれぞれ第1、2およ
び3図に示す。なお、第3図においてV字形の線は切断
面の位置を示し、V字の内部が再生した部分である。こ
れらの写真から、実施例1の製剤を用いた場合にすぐれ
た再生促進効果が得られることがわかる。
これに対して、縫合糸を用いた場合には、肝の再生は認
められたが、再生部分は塊状で正常なものではなかつ
た。またα−シアノアクリレートを用いた場合には、再
生は認められず、切断面が他組織に瘉着し、壊死を伴つ
ていた。
また、上記切断面の近傍を含む標本を病理顕微鏡で検査
したところ、実施例1の製剤を用いた場合には、手術後
72時間で切断面に血管と肝管が新生し、再生肝の先端
部では極めて旺盛な肝細胞の再生が行なわれていること
が認められ、168時間後には切断面の痕跡を残すのみ
であつた。第4図は、手術後72時間のヘマトキシリン
・エオシン2重染色標本の顕微鏡写真であり、ほゞ中央
のやや傾斜した線が切断面、その左側が元の肝、右側が
再生部を示す。この写真から、再生肝が元の肝と同質で
一体的に瘉合していることがわかる。
これに対して、縫合糸を用いた場合には肝細胞の形成が
認められたが、α−シアノアクリレートモノマを用いた
場合には肝細胞の形成が認められず、何れも塊状であ
り、胆管や血管の再生も極めて劣り、肝の機能回復は1
68時間を大幅に過ぎた2週間後でも適切でなかつた。
試験例2 がん病巣部のがん細胞増殖停止 (方法および結果) C57BL/6系黒色マウスを用い、まずB−16メラ
ノーマ皮ふがん細胞約1×10個を皮下移殖した。1
0日後に、がんの塊は半径約7mmに成長した。マウスを
バルビタール系麻酔薬(ソムノペンチル)で麻酔し、が
ん塊を摘出した。がん塊は摘出前にH−チミジン5μ
Ci/0.1ml液を尾静脈注射することにより標識してお
いた。摘出後、直ちに元の所にもどして縫合した。2日
後に、尾静脈から14C−チミジン5μCi/0.1ml液
を注射し、再びがん塊を摘出し、オートラジオグラフを
作成した。この場合、Hのがん病巣内分布は手術前の
がん細胞増殖を示し、14Cの分布は手術後の増殖を示
す。上記の条件ではH、14Cとも同様で、盛ながん
細胞の増殖を示した。
最初の摘出の際に実施例1の製剤でうすく被覆しておく
と、14Cのオートラジオグラフ像は全く得られなかつ
た。また、この場合、手術後1か月で再びがん病巣部表
面に増殖が認められたが、実施例1の製剤に熱変性死さ
せたがん細胞を混入しておくと、数か月後でもがん細胞
の増殖を示す14Cチミジンの取込みが認められなかつ
た。これらの結果から、実施例1の製剤によりがん細胞
の増殖が停止すること、および死亡がん細胞の併用によ
り増殖の停止が永続化することがわかつた。
【図面の簡単な説明】
第1、2および3図は、それぞれ、ラツトの肝葉を一部
切除しこの発明の薬剤塗布後、6、72および168時
間後の状態として、生物の形態を示す写真である。第4
図は、同じく72時間後のヘマトキシリン・エオジン2
重染色標本として、生物の形態を示す顕微鏡写真であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともフィブリノーゲン、トロンビン
    およびカルシウムイオンを含み、腫瘍または結核性乾酪
    巣の病巣部を無毒化または死細胞化したものが配合され
    ている、がん病巣部のがん細胞増殖停止のための器官ま
    たは組織の治療または再生促進剤。
  2. 【請求項2】抗腫瘍剤、抗生物質、抗菌剤、生物学的製
    剤、駆虫剤または消炎剤を配合したものである、特許請
    求の範囲第1項記載の剤。
JP60011903A 1985-01-24 1985-01-24 正常組織生物活性亢進剤 Expired - Lifetime JPH0617311B2 (ja)

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