JPH06172684A - 抗菌性架橋粒子含有塗料 - Google Patents

抗菌性架橋粒子含有塗料

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JPH06172684A
JPH06172684A JP35176692A JP35176692A JPH06172684A JP H06172684 A JPH06172684 A JP H06172684A JP 35176692 A JP35176692 A JP 35176692A JP 35176692 A JP35176692 A JP 35176692A JP H06172684 A JPH06172684 A JP H06172684A
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copper
pts
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JP35176692A
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Tomoji Honda
智士 本田
Isao Kaetsu
勲 嘉悦
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TOKYO KEIKAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 〔目的〕 成型体を金属イオン処理して抗菌性を持たせ
る方法ではなく、種々の成型体に簡単に抗菌性を付与出
来る方法で、且つその抗菌特性が優れ、しかも安定で、
長時間持続する優れた抗菌性付与可能な有用な抗菌材を
開発する。 〔構成〕 有機酸銅、もしくは、有機酸銀0.5〜10
重量部、アクリル酸または、メタクリル酸3〜20重量
部、下記化1(構造式1)で示される二官能性アクリル
酸(メタクリル酸)エステル3〜60重量部、これらと
共重合可能な単量体10〜93.5重量部の混合物を懸
濁重合して得られた粒子径0.1〜300ミクロンの球
状粒子を塗料固形分100重量部当り10〜300重量
部含有する組成からなる抗菌性を有する架橋粒子含有塗
料 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性に富んだアクリ
ル系架橋粒子を含有する樹脂塗料に関するものである。
更に詳しく述べると、有機酸銅、もしくは、有機酸銀を
特定の構造の2官能アクリレートモノマーを主成分とす
る特定されたモノマーに混合された抗菌性に富んだアク
リル系架橋粒子を含有する樹脂塗料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】銅イオン、銀イオンが優れた抗菌性を示
すことは、公知のことである。これら金属イオンは塩の
形で殺菌剤または、消毒剤として、各分野で用いられて
いる。一方、高分子に金属イオンを結合させ、抗菌性材
料を得ようとの研究もなされている。例えば、特公昭6
0ー45643号等がそれである。これは、スルフォン
酸基含有のアクリル酸アルキルエステルを重合すること
によって得られた重合体を成型後、硝酸銀水溶液で処理
して銀イオンを結合させようとの提案である。しかし、
塩の形で殺菌剤または、消毒剤として、用いる場合は、
溶液状でしか存在し得ないため用途が限定されるのが現
状である。又、特公昭60ー45643号等において
は、成型物を成型した後、金属溶液処理を行ってはじめ
て金属イオンを結合させるものであるため、成型体全体
の抗菌性はなく、表面の抗菌性も脱落による効果の低下
を招くという問題点がある。更に、一般にスルフォン酸
基は耐熱性に乏しく、樹脂の成型にあたって多くのスル
フォン酸基を含有することが困難で、結果的に、金属イ
オンを多く結合することは困難であった。即ち、種々の
成型体に簡単に抗菌性を付与出来る方法で、且つその抗
菌特性が優れ、しかも安定で、長時間持続する材料が求
められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、成型体を金属イオン処理して抗菌性を持たせる方
法ではなく、種々の成型体に簡単に抗菌性を付与出来る
方法で、且つその抗菌特性が優れ、しかも安定で、長時
間持続する優れた抗菌性付与可能な有用な抗菌材を開発
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、この解決策
として、成型体を金属イオン処理して抗菌性を持たせる
方法ではなく、特定の組成からなる三次限に架橋された
アクリル系架橋微粒子内に菌抗性を有する金属イオンを
固定させることにより、又、スルフォン酸基でなくカル
ボキシル基に金属イオンを結合させる事により、種々の
材料からなる塗料に簡単に混合してなる抗菌性に富んだ
アクリル系架橋粒子を含有する樹脂塗料を提供するもの
である。
【0005】以下に本発明の詳細を述べる。本発明は、
抗菌性が求められている種々の塗料に抗菌性を付与させ
るにあたり、有機酸銅、もしくは、有機酸銀を後述する
特定の組成のモノマーに溶解させた混合物を懸濁重合
し、三次限に架橋されたアクリル系架橋微粒子内に抗菌
性を有する金属イオンを有する微粒子を混合させること
により、抗菌性を有する塗料を得る方法を採用してい
る。即ち、本発明の抗菌性を与える基本の樹脂は、アク
リル系架橋微粒子である。一般に、抗菌性を示す銅イオ
ンや、銀イオンを含むこれら金属化合物は、アクリル系
樹脂に容易に混合せず、加温下にロ−ル等により長時間
混練りしても均一な材料となりにくい。
【0006】先ず本発明では、後述する特定のアクリル
系モノマ−混合物に、有機酸銅、もしくは、有機酸銀を
溶解させ、それをラジカル懸濁重合することにより抗菌
性を示す微粒子を作製する。本発明で用いられる特定の
アクリル系モノマ−とは、アクリル酸、または、メタク
リル酸、下記化2(構造式1)で示される2官能アクリ
レート、及びこれらと共重合可能な単量体から構成され
る。アクリル基を官能基とするアクリル酸エステルモノ
マ−は、比較的容易にラジカル重合し、良好な樹脂とし
て知られる。しかし、アクリル酸エステルを主成分とす
るモノマ−には、銅イオンや銀イオンを多量に溶解させ
る事は出来ない。この為、本発明では、銅イオンや銀イ
オンを多量に溶解させる為に、特定量のアクリル酸、ま
たは、メタクリル酸を用い、且つ、これら混合モノマ−
に溶解し易い銅及び銀化合物として、有機酸銅、もしく
は、有機酸銀を本発明では、使用する。
【0007】本発明で使用される有機酸銅、もしくは、
有機酸銀の具体例を示すと、例えば次のような化合物を
挙げることが出来る。ギ酸銅、酢酸銅、酪酸銅、シュウ
酸銅、クエン酸銅、アクリル酸銅、安息香酸銅、シクロ
ヘキサン酪酸銅、オレイン酸銅、酒石酸銅、ナフテン酸
銅、ステアリン酸銅、トルエンスルフォン酸銅、等の有
機カルボン酸の銅化合物、更に、酢酸銀、安息香酸銀、
クエン酸銀、シクロヘキサン酪酸銀、デカン酸銀、トリ
フロロ酢酸銀、等の有機カルボン酸の銀化合物等を挙げ
ることが出来る。本発明では、これらの他、有機酸銅、
もしくは、有機酸銀の水和物も用いることが出来る。し
かし、本発明は、これらのみに限定されない。
【0008】これら該有機酸銅ないし、有機酸銀の使用
量は、その目的とするコート材の抗菌性の程度にもよる
が、本発明では、固形分総量100重量部当り、該有機
酸銅ないし、有機酸銀の使用量は、0.5〜10重量部
が好ましい範囲として用いられる。0.5重量部より少
ないと、顕著な抗菌性は、認められないし、10重量部
を超えると、溶解しない場合も有り、本発明では、固形
分総量100重量部当り、0.5〜10重量部が好まし
い範囲として用いられる。
【0009】次に、本発明で用いられる特定のアクリル
系モノマ−について述べる。本発明で用いられる特定の
アクリル系モノマ−とは、アクリル酸、または、メタク
リル酸、下記構造式1で示される2官能アクリレート
(メタクリレート)、及びこれ等と共重合可能な単量体
から構成される。本発明で用いられる構造式1で示され
る2官能アクリレートは、重合官能基がアクリル基(メ
タクリル基)であり、ラジカル重合開始剤により容易に
重合される。又、2官能性であるので、高度の架橋構造
を作ることを可能にし、この架橋構造の中に有機酸銅な
いし、有機酸銀を閉じ込める事が出来、樹脂の抗菌性を
長期間保つ事が出来極めて有用である。更に、構造式1
で示される2官能アクリレートは、この様な優れた架橋
効果と種々の塗料材料に対する親和性を与えるが、これ
だけでは、架橋が強すぎ、樹脂粒子は、脆いものとな
る。この為本発明では、これらと共重合可能な単量体も
本発明の必須成分として用いられる。
【0010】
【化2】
【0011】ここで、構造式1においてR1 が炭素数1
0未満のアルキル基または、( C2H4OC2 4 )n基
または、下記化3の構造の基が用いられる理由は、炭素
数10を超える大きなアルキル基やm、nがそれぞれ5
を超える大きな基では、架橋効果が弱く、樹脂粒子の耐
熱性が低く、又、該金属イオンを多量に、安定して長期
間含有することが出来ない為である。
【0012】
【化3】
【0013】本発明で用いられる構造式1で示される二
官能性アクリル酸エステルの具体例を述べると、エチレ
ングリコールジアクリレート(メタクリレート)、プロ
ピレングリコールジアクリレート(メタクリレート)、
1、4ー ブタンジオールジアクリレート(メタクリレ
ート)、 1、6ヘキサンジオールジアクリレート(メ
タクリレート)、 ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート(メタクリレート)、 1、9ー ノナンジオールジ
アクリレート(メタクリレート)、 1、10ー デカン
ジオールジアクリレート(メタクリレート)、ジエチレ
ングリコールジアクリレート(メタクリレート)、トリ
エチレングリコールジアクリレート(メタクリレー
ト)、テトラエチレングリコールジアクリレート(メタ
クリレート)、ビスフェノールAジアクリレート(メタ
クリレート)、 2、2ビス(4ー アクリロキシエトキ
シフェニル)プロパン、 2、2ビス(4ー アクリロキ
シジエトキシフェニル)プロパン、2、2ビス(4ー ア
クリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2、2ビ
ス(4ー アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパ
ン、2、2ビス(4ー メタクリロキシエトキシフェニ
ル)プロパン、2、2ビス(4ー メタクリロキシジエト
キシフェニル)プロパン、2、2ビス(4ー メタクリロ
キシトリエトキシフェニル)プロパン、等を挙げること
が出来るが、これらは一例であり、本発明は、これらの
みに限定されない。
【0014】しかし、本発明で用いられるこれら構造式
1で示される2官能アクリレート、だけでは、該金属イ
オンは溶解しない。この為、本発明では、溶解力を高め
るために、特定量のアクリル酸または、メタクリル酸が
必須成分として用いられる。ラジカルにより重合可能な
アクリル酸をまたは、メタクリル酸を添加使用すること
により、該有機酸銅、もしくは有機酸銀は構造式1で示
される2官能アクリレート(メタクリレート)に容易に
可溶となる。
【0015】これら構造式1で示される2官能アクリレ
ート(メタクリレート)、とアクリル酸との比は用いら
れる該有機酸銅、もしくは有機酸銀の種類、及び量によ
って異なるが、本発明では、通常、アクリル酸または、
メタクリル酸3〜20重量部、該構造式1で示される2
官能アクリレート(メタクリレート)3〜60重量部か
らなる組成の混合物が使用される。アクリル酸が3重量
部未満であると該有機酸金属を簡単に溶解することは出
来ない。又、20重量部を超えると、該有機酸金属の溶
解性は向上するが、共重合が起こり難く、また重合され
た樹脂粒子の硬度が極端に低下する為である。又、二官
能性アクリル酸(メタクリル酸)エステルは、3重量部
未満であると相対的に架橋密度が低下し、架橋効果が弱
く、樹脂粒子の耐熱性が低く、又、該金属イオンを多量
に、安定して長期間含有することが出来ない。又、60
重量部を超える逆に、架橋が強すぎ、樹脂粒子は、脆い
ものとなる。この意味から、本発明では、通常、アクリ
ル酸3〜20重量部、該構造式1で示される二官能性ア
クリル酸(メタクリル酸)エステル3〜60重量部から
なる組成の混合物が多用される。
【0016】本発明では、これらアクリル酸、該構造式
1で示される二官能性アクリル酸(メタクリル酸)エス
テルの他に、本発明の主旨を損なわない限りに於て、こ
れらモノマーとラジカルによる共重合可能な単量体を目
的に応じて10〜93.5重量部迄の範囲において本発
明の成分として用いることが出来る。この第三成分のモ
ノマーが用いられる理由は、共重合体粒子の特性を、改
良するためである。具体的には、共重合性を向上させる
ため、屈折率を調節するため、他の塗料樹脂との密着相
溶性を高めるため、耐熱性を更に向上させるため、塗料
コート塗布性を、向上させるため、より染色性を高めた
り、表面の艶を向上させたり、溶媒に対する溶解性を向
上させたり、紫外線による硬化速度を調節したりするた
めであり、種々の目的にあったモノマーが使用される、
等である。
【0017】これら目的の為に用いられるモノマーの具
体例を示すと、エチルアクリレート、nー ブチルアクリ
レート、2 ー エチルヘキシルアクリレート、2 ー ヒドロ
キシエチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェ
ノキシエチルアクリレート、グリセリントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラアクリレート等の種々の単官能、
多官能アクリレート(メタクリレート)を挙げることが
出来る。更に、スチレン、αメチルスチレン、クロルス
チレン、ジビニルベンゼン等のビニル基を有する単量体
も効果的に、使用することが出来る。これらは、ほんの
一例であり、本発明は、これらのみに限定されない。
【0018】次に、本発明では、各種の塗料と混合しや
すい微粒子とするために、これら特定組成の有機酸金属
化合物、アクリル酸または、メタクリル酸、該構造式1
で示される2官能アクリレート(メタクリレート)、更
に必要に応じてこれらモノマーと共重合可能なモノマー
組成物が混合されて、ラジカル懸濁共重合される。懸濁
重合方法は、通常用いられる方法と何等変わりはない。
ポリビニルアルコ−ル、メチルセルロ−ス、ポリエチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、ポリビニルピロ
リドンなどの水溶性高分子懸濁剤を適量水に溶解させ、
この中に、適量のラジカル重合開始剤を含む該モノマ−
混合物を入れ、系内を窒素置換後、攪はんしながら、加
温下に重合を進めればよい。加温は、通常40℃〜80
℃程度で行われる。
【0019】本発明で出来る懸濁共重合粒子の適当な大
きさは、0.1〜300ミクロン程度が用いられるの
で、懸濁剤の種類と量、モノマ−と水の割合、攪はん速
度、重合速度等を適当に選ぶことにより容易に、達成さ
れる。本発明で、懸濁共重合粒子の適当な大きさが0.
1〜300ミクロン程度が好ましいとする理由は、各種
の塗料にこの粒子を混合した時に、均一に混合され易
く、塗料の表面に極端な凹凸がないためである。0.1
ミクロン以下には、懸濁重合で粒径を揃えることが困難
であるし、重合後の濾過や乾燥時の取り扱いが難しく、
又、300ミクロン以上であると各種塗料と混合した
際、不均一になり、抗菌性塗料として好ましいものでは
ない。この為、本発明で用いられる懸濁共重合粒子の適
当な大きさは、0.1〜300ミクロン程度が良好であ
る。
【0020】このようにして得られた本発明の有機酸金
属化合物を含む懸濁共重合微粒子は、種々の塗料に簡単
に混合されコートされ、加熱や紫外線により硬化され、
塗膜に抗菌性を付与出来る。本発明では、通常、該有機
酸金属化合物を含む懸濁共重合微粒子は、塗料固形分1
00重量部当り10〜300重量部含有する組成が好ま
しい範囲として使用される。10重量部未満であると、
塗膜に好ましい有効な抗菌性を付与出来ないし、300
重量部を超えて含有する場合には、塗料の塗膜性が悪く
なり、好ましくない。この意味から、本発明では、通
常、該有機酸金属化合物を含む懸濁共重合微粒子は、塗
料固形分100重量部当り10〜300重量部含有する
組成が好ましい範囲として使用される。
【0021】
【発明の効果】以上の方法で得られたコート塗膜は、基
材との密着性、その抗菌特性が優れ、しかも安定で、長
時間持続する優れた抗菌性付与可能な有用な抗菌材を提
供するものである。以下、本発明を、実施例で説明す
る。
【0022】
【実施例】
実施例(1) 1、4ー ブタンジオールジメタクリレート20重量部、
アクリル酸12重量部、メチルメタクリレート60重量
部、酢酸銅(3水和物)8重量部を加え、50℃で溶解
させ塗料モノマー混合液とした。更に、重合開始剤とし
て、ベンゾイルパーオキサイド0.8重量部を加えた。
このモノマー溶液を均一に混合された懸濁剤としての
0.12%のポリビニルアルコ−ル水溶液420重量部
中に入れ、系内を窒素置換した後、強く攪伴しながら温
度を50℃とし、26時間重合させた。濾過水で洗浄後
の共重合体は、淡青色透明な平均粒子径、約20ミクロ
ンの球状を呈していた。次に、この共重合体微粒子を乾
燥した。次に、本発明のこの微粒子を市販のUV硬化型
のアクリル系塗料固形分100重量部当り、40重量部
混合し、厚さ約1.2mmのアクリル板にコートし、約
10分間風乾させた。これに照射距離10cmで80W
の高圧水銀灯を12秒間照射したところ、完全に固化し
た。コート膜表面は均一で良好な艶消し状を示してい
た。 次に、アクリル板上の塗膜の JIS K540
0(鉛筆引っかき試験)に準じる鉛筆硬度を求めたとこ
ろ、3Hを示し、強い硬度を示した。又、JIS K5
400(碁盤目試験)に準じる密着テストを行ったとこ
ろ、全く剥離は認められず、強い密着性を示した。更
に、この板の表面を蛍光エックス線分析により銅含有率
を求めたところ、0.59%含有していることが確認さ
れた。次に、この板から試験片を作製し、抗菌テストを
行った。上記試験片(100mmディスク)及び、通常
のPMMA100mmディスクを用いて、細菌(Esc
herichia coli.Staphylococ
cus aureus)及び、かび(Aspergil
lus niger)に対する抗菌効果を調べた。細菌
については、35℃で24時間培養した培養液を測定用
寒天培地に添加してその上にディスクをのせ、35℃で
24時間、かびについては、25℃で7日間培養後、胞
子を0.05%ポリソルベート水溶液に約106 〜10
7 /mlとなるように遊離したものを測定用寒天加ブド
ウ糖ペプトン培地に添加してその上にディスクをのせ、
25℃で5日間培養した後、ディスクの周りの阻止帯形
成の有無を観察した結果、本発明によるディスクの周り
には、阻止帯が形成されていたが、通常のPMMAの周
りには、阻止帯が全く形成されて居らず、本発明による
抗菌材は優れた効果が確認出来た。
【0023】実施例(2) ジエチレングリコールジアクリレート、25重量部、メ
タクリル酸10重量部、nブチルメタクリレート62重
量部をよく混合し、これにラク酸銀3重量部、を50℃
で溶解させ、更に、ラジカル重合開始剤として、アゾビ
スイソブチロニトリル1.0重量部を添加し、モノマー
溶液とした。この混合物を実施例(1)と同じ方法で懸
濁重合を行い、淡黄色透明な平均粒子径、約27ミクロ
ンの球状微粒子を得た。次に、この共重合体微粒子を乾
燥した。次に、本発明のこの微粒子を市販の熱硬化型の
ウレタン系塗料に固形分100重量部当り、40重量部
混合し、実施例(1)と同様に厚さ約1.2mmのアク
リル板にコートし、約10分間風乾させた。これを更
に、60℃で5時間乾燥硬化させた。コート膜表面は均
一で良好な艶消し状を示していた。これを実施例(1)
と同様の評価を行った。 結果 鉛筆引っかき試験 3H 碁盤目試験 剥離なし コート面は、比較的硬度があり、密着性の良好な塗膜が
形成されていることが確認できた。更に、この塗膜を蛍
光エックス線分析により銀含有率を求めたところ、0.
45%含有していることが確認された。この試験片を用
いて実施例(1)に準ずる方法で抗菌テストを行った。
実施例(1)と同等または、それ以上に優れた効果があ
ることが確認された。
【0024】実施例(3) 2、2ビス(4ー アクリロキシジエトキシフェニル)プ
ロパン、35重量部、アクリル酸15重量部、スチレン
15重量部、メチルメタクリレート32重量部をよく混
合し、これに酢酸銅(3水和物)3重量部を50℃で溶
解させ、更に、ラジカル重合開始剤として、ベンゾイル
パーオキサイド1.0重量部を添加し、モノマー溶液と
した。この混合物を実施例(1)と同じ方法で懸濁重合
を行い、淡青色透明な平均粒子径、約16ミクロンの球
状微粒子を得た。次に、この共重合体微粒子を乾燥し
た。次に、本発明のこの微粒子を市販の熱硬化型のウレ
タン系塗料に固形分100重量部当り、40重量部混合
し、実施例(1)と同様に厚さ約1.2mmのアクリル
板にコートし、約10分間風乾させた。これを更に、6
0℃で5時間乾燥硬化させた。コート膜表面は均一で良
好な艶消し状を示していた。これを実施例(1)と同様
の評価を行った。 結果 鉛筆引っかき試験 2H 碁盤目試験 剥離なし コート面は、比較的硬度があり、密着性の良好な塗膜が
形成されていることが確認できた。更に、この塗膜を蛍
光エックス線分析により銅含有率を求めたところ、0.
21%含有していることが確認された。この試験片を用
いて実施例(1)に準ずる方法で抗菌テストを行った。
実施例(1)と同等または、それ以上に優れた効果があ
ることが確認された。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機酸銅、もしくは、有機酸銀0.5〜
    10重量部、アクリル酸または、メタクリル酸3〜20
    重量部、下記化1(構造式1)で示される二官能性アク
    リル酸(メタクリル酸)エステル3〜60重量部、これ
    らと共重合可能な単量体10〜93.5重量部の混合物
    を懸濁重合して得られた粒子径0.1〜300ミクロン
    の球状粒子を塗料固形分100重量部当り10〜300
    重量部含有する組成からなる抗菌性を有する架橋粒子含
    有塗料 【化1】
JP35176692A 1992-12-08 1992-12-08 抗菌性架橋粒子含有塗料 Pending JPH06172684A (ja)

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