JPH06172166A - 白内障治療剤 - Google Patents

白内障治療剤

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JPH06172166A
JPH06172166A JP32824592A JP32824592A JPH06172166A JP H06172166 A JPH06172166 A JP H06172166A JP 32824592 A JP32824592 A JP 32824592A JP 32824592 A JP32824592 A JP 32824592A JP H06172166 A JPH06172166 A JP H06172166A
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JP
Japan
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conduritol
cataract
present
agent
therapeutic agent
Prior art date
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Pending
Application number
JP32824592A
Other languages
English (en)
Inventor
Osahisa Nakano
長久 中野
Kazutaka Miyatake
和孝 宮武
Eriko Noguchi
江理子 野口
Goro Kenmasa
五郎 堅正
Toshikazu Nagai
利和 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainippon Seito KK
Original Assignee
Dainippon Seito KK
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 糖尿病に合併する白内障の有効な治療方法の
確立、さらに詳細にはかかる白内障に対して有効な治療
剤の提供。 【構成】 コンズリトールAを有効成分とする白内障治
療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の単糖類を有効成
分とする白内障治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病は、種々の合併症を伴う厄介な疾
患である。かかる合併症の一つとして、白内障の惹起が
ある。糖尿病状態では、インシュリン非依存性のグルコ
ース取り込みを行う水晶体において、細胞内のグルコー
ス濃度が上昇し、これによる過剰なグルコースはアルド
ースリダクターゼによってソルビトールに変換される。
そして、かかる糖アルコールが細胞膜が本来有する電荷
のために細胞外に排出されにくいこと、さらにフルクト
ースに変換される速度が遅いことから、当該糖アルコー
ルが細胞内に蓄積されて、細胞内浸透圧が上昇し、細胞
の膨化や細胞膜自体の変性をきたすことにより上記白内
障が糖尿病の進行に伴い発症するものとされている。
【0003】上記糖尿病に合併する白内障は一般に難治
性であり有効な治療方法の確立が待たれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の解決す
べき課題は、上記糖尿病に合併する白内障の有効な治療
方法の確立、さらに詳細にはかかる白内障に対して有効
な治療剤の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決を目的として鋭意検討した結果、コンズリトールA
が上記白内障治療剤の有効成分として有用であることを
見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、コンズ
リトールAを有効成分とする白内障治療剤を提供するも
のである。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明白内障治療剤の有効成分としてのコンズリトールA
は、以下の性質を有する単糖類である。コンズリトール
(Conduritol)には、コンズリトールA、B、C、D、
E、Fの6種類の異性体が存在する。これらのうち、コ
ンズリトールAは、次式(1)
【0007】
【化1】
【0008】で示される単糖である。かかるコンズリト
ールAは、ギムネマ・シルベスタ乾燥葉又はコンズラン
ゴ樹皮乾燥粉末から抽出・精製することにより、あるい
は公知の化学合成法(R.C.Cambie et al., Synthetic Co
mmunications, 19(3, 4), 537(1989);Y.Sutbeyaz eta
l., J.Chem.Soc., Chem.Commun., 1330(1988)) に従っ
て製造することができ、本発明ではそのいずれを用いて
もよい。
【0009】また、コンズリトールAは以下の理化学的
性質を有する。 (1)H1-NMR 3.85(d,J=4.5,2H,H2,3) 4.22(d,J=4.5,2H,H1,4) 5.80(s,2H,H5,6) R.C.Cambie, et al., Synthetic Communications, 19
(3, 4), 537(1989) (2)FT-IR 3038(C-H),1635(C=C),1317,1290cm-1 (3) 融点 147℃ (4) 元素分析 C6H10O4 とすると 理論値(%):C …49.32 H … 6.85 O …43.82 測定値(%):C …49.13 H … 6.87 O …44.00 (5) 比旋光度 〔α〕20=0.00°(H2O中) (6) 結晶形状 針状結晶( エタノール・n-ヘキサン結出) (7)GC-MS(TMS化) m/z =434,332,230,204 なお、上記コンズリトールAは、コンズランゴの樹皮に
存在することが知られている。このコンズランゴは南米
の西北部原産のカガイモ科に属するつる性植物である。
かかるコンズランゴの樹皮の粉末又は流エキスは、芳香
苦味健胃薬として、それぞれ第11改正日本薬局方D-332
及びD-334 に収載されている。
【0010】さらに特願平2-230500号公報には、コンズ
リトールAの生理作用として血糖値上昇抑制作用につい
て開示されている。しかしながら、コンズリトールAの
他の生理作用は知られていない。本発明者は、かかるコ
ンズリトールAの他の生理活性について検討した結果、
驚くべきことに上記糖尿病に合併する白内障の治療にコ
ンズリトールAが有効であることを見出した。
【0011】すなわち本発明者は、コンズリトールAが
グルコースからソルビトールに変換する酵素であるアル
ドースリダクターゼの活性を阻害する効果があり、糖尿
病ラットに対する経口投与により糖尿病に合併する白内
障の発症を顕著に抑制することを見出した。従って糖尿
病に合併する白内障治療剤の有効成分として、コンズリ
トールAを用いることができる。
【0012】本発明の白内障治療剤を臨床に適用するに
際しては、有効成分として、コンズリトールAを、固体
又は液体の医薬用担体又は希釈剤、すなわち賦形剤、安
定剤等の添加剤とともに含む製剤とすることが好まし
い。当該医薬製剤においては、前記有効成分の担体成分
に対する割合は、1〜90重量%の間で変動させうる。剤
形及び投与形態としては、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプ
セル剤、丸剤、液剤、若しくは点眼剤等の剤形にして、
又は経口、非経口、若しくは点眼投与され、又は原末の
まま経口投与することも可能である。
【0013】また、経口・経腸若しくは点眼投与に適し
た医薬用の有機若しくは無機の、固体又は液体の担体若
しくは希釈剤を、本発明白内障治療剤を調製するために
用いることができる。水、ゼラチン、乳糖、デンプン、
ステアリン酸マグネシウム、タルク、動植物油脂、ベン
ジルアルコール、ガム、ポリアルキレングリコール、石
油油脂、ベンジルアルコール、ガム、ポリアルキレング
リコール、石油樹脂、やし油、ラノリン、又は医薬に用
いられる他のキャリアー(担体)は全て、本発明の白内
障治療剤の担体として用いることができる。また、安定
剤、湿潤剤、乳化剤を添加したり、浸透圧やpHを調整す
るために塩類を補助薬剤として適宜用いることができ
る。
【0014】さらに、本発明の白内障治療剤は、糖尿病
の治療において、当該白内障治療剤と共に適切に投与す
ることができる他の有効成分を含有させることもでき
る。顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、又はカプセル剤の場
合には、本発明白内障治療剤は、コンズリトールAを5
〜80重量%含有しているのが好ましく、液剤若しくは点
眼剤の場合には、コンズリトールAを1〜30重量%含有
させるのが好ましい。
【0015】経口投与量は、成人に対してコンズリトー
ルAとして、1日量10〜3000mgを内服するのが好ましい
が、年齢、症状により当該内服量を適宜増減することも
可能である。前記1日量の本発明白内障治療剤は、1日
に1回、又は適当な間隔をおいて、1日2回若しくは3
回に分けて投与することが好ましい。
【0016】
【実施例】以下に実施例、試験例により本発明を更に詳
細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら限定する
ものではない。 〔実施例1〕ギムネマ・シルベスタ乾燥葉を30%エタノ
ールにて抽出し、当該抽出液を蒸留・濃縮するとともに
エタノール分を除去し、約10%の水溶液に塩酸を添加し
て、pHを1.5に調整して、生成した沈澱を遠心分離によ
って除去した。得られた酸析上清液を苛性ソーダで中和
し、イオン交換樹脂(アニオン・カチオン混床)カラム
に通液し、脱塩した。当該脱塩液を活性炭カラムに通液
し、水で溶出させた後、減圧蒸発を行い濃縮し乾固させ
た。さらに、当該乾固物をn-プロパノールで溶出させ、
溶出液を減圧蒸発で飽和状態まで濃縮し、10倍量の無水
エタノールをこれに加えて結晶化させた。そして、当該
結晶を真空乾燥し、純品であるコンズリトールAの白色
粉末を得た。 〔実施例2〕コンズランゴ樹皮を粉末化し、n-ヘキサン
に浸漬した後、これをろ過してこのn-ヘキサンを除去し
て残渣を乾燥し、完全にn-ヘキサンを除去した。当該乾
燥物を試料として、以下上記実施例1と同様に処理して
コンズリトールAの白色粉末を得た。 〔試験例1〕コンズリトールAのアルドース還元酵素阻
害活性の測定 アルドース還元酵素は、ラットより摘出したレンズから
水晶体のみを取り出し、ジチオスレイトール含むリン酸
緩衝液(pH7.0)100mMを加え、ポリトロンホモゲナイザー
で水晶体の組織を破壊し、超遠心(100000×g)を施しそ
の上清を分離した。次にこの上清に、ポリエチレングリ
コール-6000(和光純薬社製) を20%(v/w) になるよう
に添加してこれを遠心し、その上清をさらにRed-Sepahr
oseカラムにて、酸化型β−ニコチンアミドジヌクレオ
チドフォスフェート(NADP+)1mMを含む0.4Mの食塩水で溶
出し、870倍に精製した酵素(324U/mgタンパク質) を使
用し、その活性は分光光学的(日本分光 460)にて測定
した。還元型β−ニコチンアミドジヌクレオチドフォス
フェート(NADPH)0.2mMを加えて、反応を開始し、その減
少を40℃・340nm で測定した。反応液は、50mM K−リン
酸緩衝液(pH 7.0)、0.2mM NADPH 、酵素(0.05U) 及び5m
M のD-グルクロノラクトンを含み、全量を1.00mlとし
た。対照は、基質のD-グルクロノラクトン以外に、グル
コース、メチルグリオキサール、グリセルアルデヒド等
も用いた。表1は、ラットのアルドースリダクターゼの
種々の基質とその相対速度とKm値を示したものである。
【0017】
【表1】
【0018】酵素活性に対する阻害剤(ここではコンズ
リトールA) の効果は、反応液中にコンズリトールAの
濃度を、0,1,3,7,10mM添加し、基質0.5及び1.0mMのD-gl
ucuronolactone存在下で測定し、その初速度から阻害形
式を求めた。かかるデータの解析は、パラメーターとし
て阻害剤の濃度と酵素の反応速度の逆数を用いることを
特徴とするDixonプロット(M.Dixon, Biochem.J., 55, 1
70(1953))に従った。
【0019】また、NADPHの非酵素的な減少及び試験す
る化合物への影響を除くために、ブラインドテストを行
った。表2にコンズリトールAの濃度に対応する反応速
度の逆数を示し、図1に当該Dixonプロットの結果を示
すグラフを示す。そしてさらに表3にコンズリトールA
の、生体内における代謝に重要な役割を演じているNADP
H に対する阻害作用を検討した。
【0020】
【表2】
【0021】添加基質濃度(1):D-グルクロノラクトン
1.0mM 添加基質濃度(2):D-グルクロノラクトン 0.5mM 1/v:(μmol/分/mg 蛋白) -1
【0022】
【表3】
【0023】基質:0.1mMグリセルアルデヒド この表2と図1に示した結果より、阻害は拮抗型を示し
た(Ki=3.2mM)。また、表3に示した結果よりNADPH に
は全く影響を与えなかった。これは、他のアルドース還
元酵素がNADPH と拮抗型若しくは非拮抗型阻害を示すこ
と、すなわち他のNADPH を必要とする生体にとって重要
な酵素をも阻害することを考慮すれば非常に特異なこと
である。
【0024】すなわち、現在公知のアルドース還元酵素
阻害剤の多くは、基質及びNADPH に対しても阻害作用を
有し、他のNADPH を必要とする酵素にも影響を与え、そ
の結果として、生体に白内障治療薬として投与すると副
作用を惹起する懸念があるのに対し、コンズリトールA
は基質に対してのみ拮抗阻害を示しNADPH に対しては拮
抗しないものであるから、白内障治療薬の有効成分とし
て使用してもかかる副作用の問題はないと考えられる。 〔試験例2〕白内障発症抑制効果の検討 日本クレア社より購入した4週令Wistar系ラットを1週
間飼育後、ラット体重kg当たり55mgのSTZを0.9%NaClを
含む0.1mMクエン酸緩衝液(pH4.5)に溶解し、腹腔内に投
与し、作成した糖尿病ラット30頭を用い、15頭ずつ2群
に分け、1群には市販の日本クレア社製固形飼料CE-2を
与え、他の群には1日体重Kg当り1mg のコンズリトール
Aを摂取可能なように調製した飼料を与え、20週間長期
飼育を行った。なお、正常ラットをコントロール群とし
て用いた。18週目で各群における白内障の発症率を調べ
た。
【0025】結果を表4に示す。
【0026】
【表4】
【0027】なお、白内障が発症したか否かの評価は、
眼鏡計にてレンズの濁りを測定することによって行っ
た。表3からわかるように、コンズリトールAを投与し
ていない糖尿病ラットに対し、コンズリトールAを投与
した群は、白内障発症率が著減した。 〔試験例3〕急性毒性試験 コンズリトールAについて、ラット(雄5頭、雌5頭)
を用いた急性毒性試験を経口投与で行ったところ、OECD
(Organization for Economic Coorprration and Develo
pment)のガイドラインの最高投与量2000mg/kg体重で正
常であったことから、ラットに対するコンズリトールA
の経口投与のLD50は2000mg/kg体重以上と推考され、本
発明白内障治療剤は安全性の高い医薬であることが判明
した。
【0028】
【発明の効果】本発明によって、コンズリトールAを有
効成分とする新規な白内障治療剤を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンズリトールAのアルドースリダクターゼ
阻害作用を表すDixon プロットの結果を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 利和 東京都千代田区丸の内1丁目5番1号 大 日本製糖株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンズリトールAを有効成分とする白内
    障治療剤
JP32824592A 1992-12-08 1992-12-08 白内障治療剤 Pending JPH06172166A (ja)

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JP32824592A JPH06172166A (ja) 1992-12-08 1992-12-08 白内障治療剤

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