JPH06171909A - イオウ精製法 - Google Patents

イオウ精製法

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JPH06171909A
JPH06171909A JP35619892A JP35619892A JPH06171909A JP H06171909 A JPH06171909 A JP H06171909A JP 35619892 A JP35619892 A JP 35619892A JP 35619892 A JP35619892 A JP 35619892A JP H06171909 A JPH06171909 A JP H06171909A
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秀樹 永田
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周志 倉持
Norihito Ishimori
則人 石森
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B17/00Sulfur; Compounds thereof
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 亜鉛精鉱の直接加圧浸出製錬法等から回収さ
れる回収イオウ中に微量に含有される水銀,銅,鉛,亜
鉛,鉄,カドミウム等の金属不純物を除去し、該イオウ
中の金属不純物の含有量を合計で50ppm以下とする
と共に水銀含有量を1ppm以下とし、硫酸製造および
その他産業用の原材料として好適な純度99.99%以
上の高純度イオウをコスト安に製造するイオウ精製法を
提供する。 【構成】 水銀,銅,鉛,亜鉛,鉄,カドミウム等の金
属不純物を微量に含有する亜鉛製錬法等から回収される
回収イオウから金属不純物を除去するに際し、該イオウ
を融点以上の溶融イオウ状態で活性アルミナ充填層方
式,活性アルミナコーティングフィルター方式,活性ア
ルミナ混合方式および活性アルミナ流動層方式のいずれ
かの方式で活性アルミナと接触させて該イオウ中の金属
不純物を高度に除去するイオウ精製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオウ精製法に関し、
さらに詳しくは亜鉛精鉱の直接加圧浸出法等の湿式亜鉛
製錬法から回収される単体イオウ中の水銀,銅,鉛,亜
鉛,鉄およびカドミウム等の微量の金属不純物を除去す
ることによりイオウの高純度化を計るイオウ精製法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、イオウ中の不純物除去法として
は、灰分等の固形不純物については沈降方法や濾過助剤
を用いた濾過方式が適用され、また炭化水素やタール等
については硅藻土,シリカゲル,活性炭等を用いた吸着
方式が適用されて来た。
【0003】しかしながら、イオウ中に微量(数百pp
m程度以下)に含有された水銀,銅,鉛,亜鉛,鉄およ
びカドミウム等の金属不純物の除去に関しては、上記の
方式は有効ではなく、蒸留方式等の高度な除去方法が必
要となる。
【0004】また、イオウを硫酸製造の原料とする場合
には、イオウ中の水銀含有量を少なくとも1ppm以下
とする必要があり、更に有効な水銀除去方法が要求され
る。
【0005】特に近年、亜鉛精鉱の新たな湿式製錬法と
して、亜鉛精鉱の直接加圧浸出製錬法が注目されてい
る。この方法は、加圧浸出後の残渣を浮遊選鉱し、単体
イオウ及び未反応硫化物を浮鉱として回収し、該浮鉱を
温度130〜150℃で溶融し濾過することにより、単
体イオウを濾液として回収する方法である。該方法で回
収されるイオウは、水銀,銅,鉛,亜鉛,鉄およびカド
ミウム等の金属不純物をそれぞれ数十〜数百ppm含有
しており、金属不純物を除いた純度として99.99%
未満であり、硫酸製造やその他産業用の原材料としては
市場性に乏しく、該回収イオウについてはより有効な金
属不純物の除去方法の開発が望まれているのである。
【0006】上記蒸留方式等の除去方法は、設備投資お
よびエネルギーコスト等の観点から、イオウを硫酸製
造,工業薬品,化学薬品の製造およびその他産業の原材
料として扱う場合には有効な方法とはいえない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、イオウ中に
微量に含有される水銀,銅,鉛,亜鉛,鉄およびカドミ
ウム等の金属不純物,特に亜鉛精鉱の直接加圧浸出製錬
法から回収されるイオウ中の金属不純物を除去し、該イ
オウ中の金属不純物の含有量の合計を50ppm以下と
すると共に、特に水銀含有量を1ppm以下とし、硫酸
製造およびその他産業用の原材料として好適な純度9
9.99%以上のイオウとすることができ、しかも単純
な設備でコスト安なイオウ精製法を提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、亜鉛精鉱の直
接加圧浸出製錬法等から回収されるイオウ中に微量に含
有されている水銀,銅,鉛,亜鉛,鉄およびカドミウム
等の金属不純物をアルミニウムの酸化物である活性アル
ミナを用いて除去する方法であって、上記イオウをイオ
ウの融点(119℃)以上、好ましくは融点以上159
℃以下の温度に保持して、該活性アルミナと接触させる
ことにより、金属不純物を効率よく除去する精製法を提
供するものである。
【0009】即ち、第1の発明は、「溶融イオウを活性
アルミナと接触させることにより、該イオウ中の金属不
純物を除去することを特徴とするイオウ精製法」であ
り、
【0010】第2の発明は「溶融イオウを活性アルミナ
充填層を通過させ、該活性アルミナと接触させることに
より該イオウ中の金属不純物を除去することを特徴とす
るイオウ精製法」であり、
【0011】第3の発明は「溶融イオウを活性アルミナ
をコーティングしたフィルターを通過させ、該活性アル
ミナと接触させることにより該イオウ中の金属不純物を
除去することを特徴とするイオウ精製法」であり、
【0012】第4の発明は「溶融イオウを活性アルミナ
と混合・攪拌し、該活性アルミナと接触させることによ
り該イオウ中の金属不純物を除去することを特徴とする
イオウ精製法」であり、
【0013】第5の発明は、「溶融イオウを活性アルミ
ナ流動層を通過させ、該活性アルミナと接触させること
により該イオウ中の金属不純物を除去することを特徴と
するイオウ精製法」である。
【0014】上記溶融イオウはイオウの融点(119
℃)以上、好ましくは融点以上で159℃以下、より好
ましくは120〜150℃(λイオウ)の温度範囲に保
持するのがよく、使用する活性アルミナは比表面積10
0〜400m/gを有し、γ型あるいはχ,ρ又はη
型アルミナであり、粒径が2mm以下、好ましくは10
0μm以下〜10μm以上の粒径範囲の吸着能力の強い
ものが好ましい。
【0015】特に金属不純物中の水銀を1ppm以下の
含有量まで除去するためには、粒径100μm以下の活
性アルミナが好ましいのである。
【0016】活性アルミナはアルミニウム酸化物で吸着
能力が強く、ガス中から湿気又は油蒸気を吸着除去し、
その飽和したものは180〜320℃に熱してこれを放
出させ再び活性化できることは公知であるが、活性アル
ミナが溶融イオウ中の金属不純物(水銀,銅,鉛,亜
鉛,鉄,カドミウム等)を吸着除去し得る能力があるこ
とは本願発明者等が鋭意研究の結果発見したものであ
り、この知見に基づいて本発明をなすに至ったのであ
る。
【0017】金属不純物を微量に含有する溶融イオウを
上記活性アルミナに接触させ、吸着反応を起こさせる方
法としては、次の4つの方法がある。 (1)溶融イオウを活性アルミナ充填層を通過させる方
法。(第2発明) (2)溶融イオウを活性アルミナをコーティングしたフ
ィルターを通過させる方法。(第3発明) (3)溶融イオウを活性アルミナと混合・攪拌させる方
法。(第4発明) (4)溶融イオウを活性アルミナ流動層を通過させる方
法。(第5発明)
【0018】次に、上記各方法(1)〜(4)につき、
図を参照して説明する。 (1) 図1は、本発明に係る溶融イオウ1を活性アル
ミナ充填層を通過させる方式の概略説明図であり、該図
1に示すように、粒径が2mm以下、好ましくは100
μm以下10μm以上の活性アルミナ2を温度を120
〜150℃に保温したカラム4に高さ50〜1000m
mになるように目の粗さ250メッシュ以下のフィルタ
ー表面上に充填し、温度を融点以上、好ましくは融点以
上159℃以下、更に好ましくは120〜150℃に保
持した溶融イオウ1を空間速度(Space Velo
city、以下「SV」という)15Hr−1以下、好
ましくは10Hr−1以下で1Hr−1以上で通過させ
ることにより、該イオウ1中の水銀,銅,鉛,亜鉛,鉄
およびカドミウム等の金属不純物を該活性アルミナ2に
吸着させて除去する方法である。
【0019】上記溶融イオウの融点以上、好ましくは融
点以上で159℃以下(溶体イオウの粘度の低下域の上
限温度)、更に好ましくは120〜150℃に保持する
のは、溶融イオウ1の粘性が装置設計上又は溜融イオウ
1の取扱い上、可能となる温度範囲であるためである。
上記の温度範囲外では粘性が高くて流動性が悪くなり、
活性アルミナ2との接触が不充分となる。従って、除去
反応率が低下する。
【0020】使用する活性アルミナ2の粒径としては、
2mm以下、好ましくは100μm以下10以上の粒径
の活性アルミナ2がよいことは後記の実施例2からも分
るように、イオウ中の水銀を1ppm以下まで除去する
ためには、80〜100μm以下のものが好ましいので
ある。
【0021】カラム4の材質としては、耐熱性かつ耐酸
性で、ある程度以上の強度を有するものであればよく
(例えば、SUS316L等)、カラム4内の活性アル
ミナ層の高さを50〜1000mmとしたのは、50m
m未満では所定の除去効率を得るのに、SVとの相関性
もあるが、カラムの断面積が膨大なものとなって装置的
に不利となり、一方1000mmを超えると通液抵抗が
大きくなり、所定のSVが得られず、除去効率が低下す
る。
【0022】次に、SVを15Hr−1以下、好ましく
は10Hr−1以下1Hr−1以上としたのは、後記の
実施例3から分るように、15Hr−1を超えると金属
不純物の除去が不充分であり、特に水銀の残留量を1p
pm以下にできない。一方、SVが小さ過ぎると処理時
間が長くなり、装置的に不利となるので、SVは10H
−1以下、1Hr−1以上が好ましいのである。
【0023】従って、活性アルミナ充填層方式(第2発
明)では、溶融イオウ1の温度を120〜150℃に保
持し、活性アルミナ2は粒径100μm以下のものを使
用し、カラム4内の層高50〜1000mmとし、SV
15Hr−1以下で行なうことにより、目的とする除去
率を達成できる。
【0024】(2) 図2は、本発明に係る溶融イオウ
を活性アルミナをコーティングしたフィルター中に通過
させる方式の概略説明図であり、該図2に示すように、
上記活性アルミナ2を濾過装置10の濾板(フィルタ
ー)9表面に装置上又は溶融イオウ取扱い上可能な厚さ
にコーティングし、そのコーティング層8を上記温度範
囲に保持した溶融イオウ1を通過させることにより、該
溶融イオウ1中の水銀,銅,鉛,亜鉛,鉄およびカドミ
ウム等の金属不純物を活性アルミナコーティング層に吸
着させて除去する方法である。
【0025】この場合、溶融イオウ1としては、上記と
同様に融点以上159℃以下、好ましくは120〜15
0℃の温度範囲に保持し、活性アルミナ2も上記同様に
粒径100μm以下のものを使用する。フィルター(濾
板)9は目の粗さ250メッシュ以下のものを使用し、
上記活性アルミナ2を厚さ20〜30mmにコーティン
グし、該フィルター9上に活性アルミナコーティング層
を形成させ、該活性アルミナコーティング層中を上記の
溶融イオウ1を通過させる。
【0026】この場合における溶融イオウ1の活性アル
ミナコーティング層の通過速度は、コーティング層8を
充填層とみなし、上記(1)に記したと同様にSV:1
5Hr−1以下、好ましくは10Hr−1〜1Hr−1
で通過させる。溶融イオウ1の活性アルミナコーティン
グ層内の滞留時間は4〜60分間となる。
【0027】即ち、粒径100μm以下の活性アルミナ
2をフィルター9上に20〜30mm厚にコーティング
し、活性アルミナ・コーティング層を形成させた図2に
示すような濾過装置内を120〜150℃の温度範囲に
保持した溶融イオウ1をSV:15Hr−1以下1Hr
−1以上で(活性アルミナ・コーティング層内滞留時間
4〜60分間)通過させることにより、目的とする除去
効果が得られる。上記滞留時間が4分未満では除去効果
が不充分であり、60分間以上では効果が飽和する。
【0028】(3) 図3は、本発明に係る溶融イオウ
を活性アルミナと混合・攪拌させる方式の概略説明図で
あり、該図3に示すように、上記の活性アルミナ2を上
記温度の溶融イオウ1に加え、反応槽11内で混合攪拌
することにより、該イオウ中の水銀,銅,鉛,亜鉛,
鉄,カドミウム等の金属不純物を除去する方法である。
【0029】この場合、溶融イオウ1としては上記と同
様に融点以上159℃以下、好ましくは120〜150
℃の温度範囲に保持し、活性アルミナ2も上記同様に粒
径100μm以下のものを使用し、反応槽11内の温度
も上記温度に維持させる。
【0030】該反応槽11内の溶融イオウ1と活性アル
ミナ2の混合・攪拌時のスラリー濃度(wt%)および
攪拌時間は、後記実施例4に示すように、スラリー濃度
については例えばイオウ中の水銀含有量を1ppm以下
にするためには、スラリー濃度を10wt%以上30w
t%以下が好ましく、一方攪拌時間については4分間以
上60分間以下が好ましいのである。
【0031】スラリー濃度10wt%未満では金属不純
物の除去が不充分であり、30wt%を超えると流動性
が悪くなり混合・攪拌効果が低下する。また、攪拌時間
4分未満では目的とする金属不純物の除去率が得られ
ず、一方60分以上では除去効率が飽和する。
【0032】従って、混合・攪拌方式では、粒径100
μm以下の活性アルミナ2を120〜150℃の溶融イ
オウ1中にスラリー濃度が10〜30wt%となるよう
に装入し、反応槽11内温度を120〜150℃に維持
して4〜60分間混合・攪拌することにより目的とする
除去効果が得られるのである。
【0033】(4) 図4は、本発明に係る溶融イオウ
を活性アルミナ流動層を通過させる方式の概略説明図で
あり、該図4に示すように、上記活性アルミナ2に上記
温度範囲に保持した溶融イオウ1を該温度の溶融イオウ
1中での該活性アルミナ2の沈降速度と同程度の流速で
上向きに通過させることで(流動状態を維持する流
速)、活性アルミナ2の流動層13を形成させ、溶融イ
オウ1と活性アルミナ2と流動状態で接触させることに
より、該イオウ中の水銀,銅,鉛,亜鉛,鉄,カドミウ
ム等の金属不純物を除去する方法である。
【0034】上記の場合、流動層13内の溶融イオウ1
と活性アルミナ2のスラリー濃度(wt%)および流動
層13内での溶融イオウ1の滞留時間は、流動状態を攪
拌状態とみなし、上記(3)に記したようにスラリー濃
度10wt%以上、好ましくは10〜30wt%で滞留
時間(接触時間)4分以上好ましくは6〜60分間がよ
いのである。
【0035】即ち、図4に例示した流動反応装置16内
へ粒径100μm以下の活性アルミナ(真比重:3.
2)を装填しておき、温度120〜150℃の溶融イオ
ウ1を供給ノズル14から流速0.2〜2m/Hrで上
向きに装入し、該アルミナ2の溶融イオウ1中のスラリ
ー濃度が10〜30wt%となるような流動層を形成さ
せ、溶融イオウ1と活性アルミナ2とを4分間以上接触
させることにより、該溶融イオウ1中の金属不純物を所
期の目的通りに除去することができる。
【0036】上記の場合、溶融イオウ1の装入流速を
0.2〜2m/Hrとしたのは、0.2m/Hr未満で
は充分な流動状態が得られず、2m/Hrを超えると流
動状態がこわされ、活性アルミナ2がキャリーオーバー
してしまうからである。なお、スラリー濃度を10〜3
0wt%としたのは、上記(3)に記載した理由によ
る。次に、本発明の実施例を説明する。
【0037】
【実施例】
実施例1 本発明に使用する活性アルミナとその他吸着剤の溶融イ
オウ中の金属不純物の除去能力の比較試験を行なった。
【0038】溶融イオウは亜鉛精鉱の直接加圧浸出製錬
法から回収したものでり、活性アルミナは粒径100μ
m以下のものを使用し、その他の吸着剤として市販の硅
藻土および活性炭を供試した。
【0039】上記活性アルミナ,硅藻土および活性炭を
それぞれカラムに充填し、SV:10Hr−1の空間速
度で温度を135℃に保持した溶融イオウを通過させ
た。得られた結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1から分るように、SV:10Hr−1
で通過させた場合、水銀を1ppm以下まで除去できる
のは活性アルミナのみである。他の硅藻土や活性炭では
全く除去できない。
【0042】実施例2 次に、本発明で使用する活性アルミナの粒径と水銀除去
能力との関係について試験した。
【0043】粒径が12μm,40〜50μm,80〜
100μm,1〜2mm,2〜4mmの5種類の活性ア
ルミナを準備し、各粒径毎の活性アルミナをそれぞれ5
0mmの高さでカラム4に充填し、SV:1Hr−1
空間速度で水銀含有量11ppmの溶融イオウ(亜鉛精
鉱の直接加圧浸出製錬法から回収したイオウ)を135
℃の温度に保持してそれぞれ通過させた。通過処理後の
溶融イオウ中の水銀含有量を分析した。得られた結果を
表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2から、溶融イオウ中の水銀を1ppm
以下まで除去するためには、粒径80〜100μm以下
の活性アルミナを使用する必要があることが分る。しか
しながら、活性アルミナの粒径が余り小さ過ぎると、除
去反応後の活性アルミナと溶融イオウとの分離が難しく
なる等の問題があるため、活性アルミナの粒径としては
100μm以下、10μm以上の範囲が好ましいのであ
る。
【0046】実施例3 次に、上記(1)に記載した溶融イオウを活性アルミナ
充填層を通過させるカラム方式の場合の空間速度(S
V)と金属不純物除去能力との関係について試験した。
【0047】溶融イオウは亜鉛精鉱の直接加圧浸出法か
ら回収したものであり、活性アルミナは粒径100μm
以下のものを使用した。
【0048】活性アルミナをカラム内に50mm高さで
充填し、空間速度(SV)をSV:1Hr−1,3Hr
−1,5Hr−1,10Hr−1および15Hr−1
変化させて、135℃の温度に保持した溶融イオウをそ
れぞれの条件で活性アルミナ層を通過させた。各条件で
通過させた溶融イオウをサンプリングして、各通過後の
溶融イオウ中の金属不純物を分祈した。得られた結果を
表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】表3から、溶融イオウ中の水銀を確実に1
ppm以下まで除去できるのは、粒径100μm以下の
活性アルミナを使用した場合、SV:10Hr−1以下
の空間速度が好ましいことがわかる。
【0051】実施例4 次に、混合方式による反応槽を使用する場合の反応時間
と活性アルミナ・スラリー濃度と脱水銀能力との関係に
ついて試験した。
【0052】溶融イオウは亜鉛精鉱の直接加圧浸出製錬
法から回収したもので、水銀含有量が9ppmの溶融イ
オウを使用した。
【0053】活性アルミナは粒径が40〜50μmのも
のを使用し、スラリー濃度を0.1wt%,10wt
%,30wt%に変化させ、各攪拌反応時間を6分,1
2分,20分,60分に変化させて、各条件での攪拌反
応後の溶融イオウ中の水銀含有量を分析した。上記反応
は温度135℃で行った。その結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】表4の結果から、溶融イオウ中の水銀除去
効率は反応時間よりスラリー濃度に著しく影響され、該
スラリー濃度が余り低いと水銀除去率が悪く、少なくと
もスラリー濃度10wt%以上が好ましい。しかしなが
ら、30wt%を超えると粘性等により攪拌効率が低下
し、除去効率が低下する傾向がある。従って、活性アル
ミナのスラリー濃度は10wt%以上が好ましく、より
好ましいくは10wt%〜30wt%の範囲であり、反
応時間としては4分間以上が必要であり、好ましくは6
〜60分間である。4分間未満では除去効率が不充分で
あり、60分間以上では除去効率が飽和する。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、イオウ中に微量に含有
される水銀,銅,鉛,亜鉛,鉄,カドミウム等の金属不
純物,特に亜鉛精鉱の直接加圧浸出製錬法から回収され
る回収イオウ中の金属不純物を溶融イオウ状態で活性ア
ルミナと接触させ、吸着反応を起こさせることにより除
去し、該イオウ中の金属不純物を合計量で50ppm以
下とすると共に、特に水銀含有量を1ppm以下とし
て、硫酸製造およびその他産業用の原材料として好適な
純度99.99%以上の高純度イオウに精製することが
できるのである。しかも、本発明によれば、比較的簡単
な設備でコスト安に回収イオウを高純度イオウに精製す
ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶融イオウを活性アルミナ充填層
を通過させる方式の概略説明図である。
【図2】本発明に係る溶融イオウを活性アルミナをコー
ティングしたフィルターを通過させる方式の概略説明図
である。
【図3】本発明に係る溶融イオウを活性アルミナと混合
させる方式の概略説明図である。
【図4】本発明に係る溶融イオウを活性アルミナ流動層
を通過させる方式の概略説明図である。
【符号の説明】
1−溶融イオウ 2−活性アルミナ 3−充填層 4−カラム 5−フィルター 6−供給ノズル 7−排出ノズル 8−活性アルミナコーティング層 9−フィルター 10−容器 11−反応槽 12−攪拌機 13−活性アルミナ流動層 14−供給ノズル 15−排出ノズル 16−流動反応器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月3日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】 使用する活性アルミナ2の粒径として
は、2mm以下、好ましくは100μm以下10μm
上の粒径の活性アルミナ2がよいことは後記の実施例2
からも分るように、イオウ中の水銀を1ppm以下まで
除去するためには、80〜100μm以下のものが好ま
しいのである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】 溶融イオウは亜鉛精鉱の直接加圧浸
出製錬法から回収したものであり、活性アルミナは粒径
100μm以下のものを使用し、その他の吸着剤として
市販の硅藻土および活性炭を供試した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】 表4の結果から、溶融イオウ中の水
銀除去効率は反応時間よりスラリー濃度に著しく影響さ
れ、該スラリー濃度が余り低いと水銀除去率が悪く、少
なくともスラリー濃度10wt%以上が好ましい。しか
しながら、30wt%を超えると粘性等により攪拌効率
が低下し、除去効率が低下する傾向がある。従って、活
性アルミナのスラリー濃度は10wt%以上が好まし
く、より好ましくは10wt%〜30wt%の範囲であ
り、反応時間としては4分間以上が必要であり、好まし
くは6〜60分間である。4分間未満では除去効率が不
充分であり、60分間以上では除去効率が飽和する。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融イオウを活性アルミナと接触させる
    ことにより該イオウ中の金属不純物を除去することを特
    徴とするイオウ精製法。
  2. 【請求項2】 溶融イオウを活性アルミナ充填層を通過
    させ、該活性アルミナと接触させることにより該イオウ
    中の金属不純物を除去することを特徴とするイオウ精製
    法。
  3. 【請求項3】 前記溶融イオウを活性アルミナ充填層を
    通過させる速度が空間速度15Hr−1以下であること
    を特徴とする請求項2記載のイオウ精製法。
  4. 【請求項4】 溶融イオウを活性アルミナをコーティン
    グしたフィルターを通過させ、該活性アルミナと接触さ
    せることにより該イオウ中の金属不純物を除去すること
    を特徴とするイオウ精製法。
  5. 【請求項5】 前記溶融イオウを活性アルミナコーティ
    ングの層を通過させる速度が空間速度15Hr−1以下
    であることを特徴とする請求項4記載のイオウ精製法。
  6. 【請求項6】 溶融イオウを活性アルミナと混合して該
    活性アルミナと接触させることにより該イオウ中の金属
    不純物を除去することを特徴とするイオウ精製法。
  7. 【請求項7】 前記溶融イオウと活性アルミナとの混合
    スラリー濃度が10〜30wt%であり、接触時間が4
    分以上であることを特徴とする請求項6記載のイオウ精
    製法。
  8. 【請求項8】 前記溶融イオウを活性アルミナ流動層を
    通過させ、該活性アルミナと接触させることにより該イ
    オウ中の金属不純物を除去することを特徴とするイオウ
    精製法。
  9. 【請求項9】 前記活性アルミナ流動層のスラリー濃度
    が10〜30wt%であり、活性アルミナ流動層の通過
    速度が空間速度15Hr−1以下であることを特徴とす
    る請求項8記載のイオウ精製法。
  10. 【請求項10】 前記溶融イオウが亜鉛精鉱の直接加圧
    浸出製錬法からの回収イオウであり、該溶融イオウ中の
    金属不純物が水銀,銅,鉛,亜鉛,鉄,カドミウムのう
    ち少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1
    〜9記載のイオウ精製法。
  11. 【請求項11】 前記溶融イオウが融点以上、好ましく
    は融点以上で159℃以下であることを特徴とする請求
    項1〜10記載のイオウ精製法。
  12. 【請求項12】 前記活性アルミナの粒径が2mm以
    下、好ましくは100μm以下10μm以上であること
    を特徴とする請求項1〜11記載のイオウ精製法。
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