JPH0617129A - 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH0617129A JPH0617129A JP8765093A JP8765093A JPH0617129A JP H0617129 A JPH0617129 A JP H0617129A JP 8765093 A JP8765093 A JP 8765093A JP 8765093 A JP8765093 A JP 8765093A JP H0617129 A JPH0617129 A JP H0617129A
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Abstract
性電磁鋼板の磁気特性の向上を目的とする。 【構成】 C、Si、酸可溶性Al、N、S+0.40
5Se、Mnを含有する珪素鋼スラブを1280℃未満
の温度で加熱し、熱延を行い、次いで通常の工程を経て
最終仕上焼鈍を施す一方向性電磁鋼板の製造方法におい
て、脱炭焼鈍完了後、最終仕上焼鈍開始までの一次再結
晶粒径を制御し、熱延後、最終仕上焼鈍の二次再結晶開
始までの間に鋼板に所定量の窒化処理を施し、最終仕上
焼鈍の昇温過程の焼鈍雰囲気の窒素分圧をSi量に応じ
て決る所定の範囲に制御することを特徴とし、さらには
鋼中にSnを添加することを特徴とする。
Description
て使用される磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造
方法に関する。
他の電気機器の鉄心材料として使用されており、励磁特
性、鉄損特性等の磁気特性に優れていることが要求され
る。励磁特性を表す数値としては、磁場の強さ800A
/mにおける磁束密度B8 が通常使用される。また、鉄
損特性を表す数値としては、周波数50Hzで1.7テ
スラー(T)まで磁化したときの1kg当りの鉄損W
17/50 を使用している。磁束密度は、鉄損特性の最大支
配因子であり、一般的にいって磁束密度が高いほど鉄損
特性が良好になる。なお、一般的に磁束密度を高くする
と二次再結晶粒が大きくなり、鉄損特性が不良となる場
合がある。これに対しては、磁区制御により、二次再結
晶粒の粒径に拘らず、鉄損特性を改善することができ
る。
程で二次再結晶を起こさせ、鋼板面に{110}、圧延
方向に<001>軸を持った、いわゆるゴス組織を発達
させることにより製造されている。良好な磁気特性を得
るためには、磁化容易軸である<001>を圧延方向に
高度に揃えることが必要である。このような高磁束密度
一方向性電磁鋼板の製造技術として代表的なものに田口
悟等による特公昭40−15644号公報及び今中拓一
等による特公昭51−13469号公報記載の方法があ
る。前者においてはMnS及びAlNを、後者ではMn
S、MnSe、Sb等を主なインヒビターとして用いて
いる。従って現在の技術においてはこれらインヒビター
として機能する析出物の大きさ、形態及び分散状態を適
正に制御することが不可欠である。MnSに関して言え
ば、現在の工程では熱延前のスラブ加熱時にMnSを一
旦完全固溶させた後、熱延時に析出させる方法がとられ
ている。二次再結晶に必要な量のMnSを完全に固溶さ
せるためには1400℃程度の温度が必要である。これ
は普通鋼のスラブ加熱温度に比べて200℃以上も高
く、この高温スラブ加熱処理には以下に述べるような不
利な点がある。
にみられるように操業上の悪影響が大きい。 このような問題点を回避するためにはスラブ加熱温度を
普通鋼並みに下げればよいわけであるが、このことは同
時にインヒビターとして有効なMnSの量を少なくする
か、あるいはまったく用いないことを意味し、必然的に
二次再結晶の不安定化をもたらす。このため低温スラブ
加熱化を実現するためには何らかの形でMnS以外の析
出物などによりインヒビターを強化し、仕上焼鈍時の正
常粒成長の抑制を充分にする必要がある。このようなイ
ンヒビターとしては硫化物の他、窒化物、酸化物及び粒
界析出元素等が考えられ、公知の技術として、例えば次
のようなものがあげられる。
s、Bi、Sn、Sb等の粒界偏析元素を鋼中に含有さ
せることによりスラブ加熱温度を1050〜1350℃
の範囲にする方法が開示され、特開昭52−24116
号公報には、Alの他、Zr、Ti、B、Nb、Ta、
V、Cr、Mo等の窒化物生成元素を含有させることに
よりスラブ加熱温度を1100〜1260℃の範囲にす
る方法が開示され、また特開昭57−158322号公
報には、Mn含有量を下げ、Mn/Sの比率を2.5以
下にすることにより低温スラブ加熱化を行い、さらにC
uの添加により二次再結晶を安定化する技術が開示され
ている。一方、これらインヒビターの補強と組み合わせ
て金属組織の側から改良を加えた技術も開示されてい
る。すなわち、特開昭57−89433号公報では、M
nに加え、S、Se、Sb、Bi、Pb、Sn、B等の
元素を加え、これにスラブの柱状晶率と二次冷延圧下率
を組み合わせることにより1100〜1250℃の低温
スラブ加熱化を実現している。さらに特開昭59−19
0324号公報では、SあるいはSeに加え、Al及び
Bと窒素を主体としてインヒビターを構成し、これに冷
延後の一次再結晶焼鈍時にパルス焼鈍を施すことによ
り、二次再結晶を安定化する技術が開示されている。こ
のように方向性電磁鋼板製造における低温スラブ加熱化
実現のためには、これまでに多大な努力が続けられてき
ている。
は、Mnを0.08〜0.45%、Sを0.007%以
下にすることにより低温スラブ加熱化を可能にする技術
が開示されているが、この技術により高温スラブ加熱時
のスラブ結晶粒粗大化に起因する製品の線状二次再結晶
不良発生の問題が解消された。
方法は元来、製造コストの低減を目的としておるもの
の、当然のことながら、良好な磁気特性を安定して得る
技術でなければ、工業化はできない。そこで、本発明者
らは、Si量を増加させることにより、鉄損特性を向上
させるべく研究を進めてきたが、二次再結晶方位制御が
困難で、目標特性が得られなかった。
究した結果、二次再結晶時の析出物制御が重要であると
いう認識に達した。
ろは下記のとおりである。 (1) 重量でC:0.025〜0.075%、Si:
2.2〜5.0%、酸可溶性Al:0.015〜0.0
80%、N:0.0030〜0.0130%、S+0.
405Se:0.014%以下、Mn:0.05〜0.
8%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなるス
ラブを1280℃未満の温度で加熱し、熱延を行い、引
き続き必要に応じて熱延板焼鈍を行い、次いで圧下率8
0%以上の最終冷延を含み必要に応じて中間焼鈍をはさ
む1回以上の冷延を行い、次いで脱炭焼鈍、最終仕上焼
鈍を施して一方向性電磁鋼板を製造する方法において、
脱炭焼鈍完了後、最終仕上焼鈍開始までの一次再結晶粒
の平均粒径を18〜35μmとし、熱延後、最終仕上焼
鈍の二次再結晶開始までの間に鋼板に0.0010重量
%以上の窒素吸収を行わせる窒化処理を施し、最終仕上
焼鈍の昇温過程における鋼板の温度が900〜1150
℃の範囲において、焼鈍雰囲気の窒素分圧をPN2(%)
とし、Siの含有量を重量%を単位としてSi(%)と
した時、このPN2(%)を下記の範囲に制御することを
特徴とする磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方
法。
含有することを特徴とする前項1記載の磁気特性の優れ
た一方向性電磁鋼板の製造方法。
従来用いられている製鋼法で得られた溶鋼を連続鋳造法
或いは造塊法で鋳造し、必要に応じて分塊工程を挟んで
スラブとし、引き続き熱間圧延して熱延板とし、次いで
この熱延板に必要に応じて焼鈍を施し、次いで圧下率8
0%以上の最終冷延を含み、必要に応じて中間焼鈍をは
さむ1回以上の冷延、脱炭焼鈍、最終仕上焼鈍を順次行
うことによって製造される。
次再結晶方位制御について種々の観点から広範にわたっ
て研究したところ、Si量に応じて、最終仕上焼鈍の焼
鈍雰囲気を制御する必要があるという新知見を得た。以
下実験結果を基に詳細に説明する。図1に、Si量、最
終仕上焼鈍の昇温過程の900〜1150℃の間の焼鈍
雰囲気の窒素分圧(PN2(%))と磁気特性の関係を示
す。この場合、C:0.055重量%、Si:2.2〜
4.7重量%、酸可溶性Al:0.032重量%、N:
0.0083重量%、Mn:0.13重量%、S:0.
007重量%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物か
らなる珪素鋼の40mm厚スラブを1150℃で1時間
加熱後1.8mm厚まで熱延した。得られた熱延板に、
1100℃に30秒保持に引き続き900℃に30秒保
持して急冷する熱延板焼鈍を施した後、0.170mm
まで冷延し、次いで835℃に90秒保持する脱炭焼鈍
(焼鈍雰囲気 N2 :25%、H2 :75%、D.P.
=62℃)を施した後、750℃に30秒保持する焼鈍
(焼鈍雰囲気 N2 :25%、H2 :75%、D.P.
<0℃)中に焼鈍雰囲気中にNH3 ガスを混入し、鋼板
に窒素吸収を生ぜしめた。この場合窒化量(増窒素量)
は0.0128重量%であり、この窒化処理後の鋼板の
平均結晶粒径は22〜26μm(円相当直径)であっ
た。この鋼板にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布
し、1200℃まで15℃/hrで昇温し、1200℃
に20時間H2 中で保持する最終仕上焼鈍を施した。こ
の最終仕上焼鈍の昇温過程の900℃まではN2 :25
%、H2 :75%の焼鈍雰囲気中で処理し、900℃か
ら1200℃まではN2 とH2 の分圧比を種々に変えた
各条件下で処理した。図1から明らかなように、900
〜1200℃の間のPN2(%)がPN2(%)≧15×S
i(%)−25の場合に、B8 /BS ≧0.95
(BS:飽和磁束密度)なる良好な磁気特性が得られ
た。
ズムについては必ずしも明らかではないが、本発明者ら
は以下のように推察している。本発明の材料の場合、二
次再結晶を生ぜしめるための主インヒビターはAlNで
あるが、鋼中のSi量が増すとAlNが不安定化し、
(Al、Si)NやSi3 N4 が安定化してくることが
考えられる。本発明のように、熱延後最終仕上焼鈍の二
次再結晶開始までの間に鋼板に窒化処理を施す場合、窒
化後に鋼板表面近傍に窒素が濃化し、その部分にSi3
N4 等Si基の窒化物が析出する。そして、最終仕上焼
鈍の昇温中に、このSi3 N4 等の窒化物が分解し、板
厚全厚での窒素量が均一化するのと並行して、安定なA
lNの析出が生じる。本発明の如く、Si量を増加させ
ると、このような窒化物の変化に影響が生じる。つま
り、Si量の増加に伴いSi3 N4 等Si基窒化物が安
定化し、上記の如き板厚方向の窒素量の均一化、窒化物
の均一化が生じにくくなり、AlNの析出も生じにくく
なる。このように板厚方向に不均一な析出物で、かつS
i3 N4 等の窒化物の割合が多い状態で二次再結晶が開
始すると、Si3 N4 等Si基窒化物は高温で分解し
やすい、板厚中心部では窒化物が不足する、等の理由
で、インヒビター強度が低い状態で二次再結晶が進行す
ることとなる。インヒビター強度が低い状態では、粒界
移動の粒界性格依存性が低く、Σ9対応粒界密度の低い
Goss方位から分散した方位粒も二次再結晶しやすく
なる。その結果、二次再結晶方位のGoss集積度が低
下し、磁束密度が低くなってしまう。この現象は、窒化
物に対するSi量の影響に起因するものであり、Si量
が高い程その傾向は顕著となる。従ってこの高Si化に
伴う二次再結晶方位制御の課題を解決するのに、Si量
増加に伴って二次再結晶が生じる温度域での焼鈍雰囲気
の窒素分圧を高め、窒化物の分解を抑制することが有効
だったものと考えられる。
述べる。先ず、スラブの成分とスラブ加熱温度に関して
限定理由を詳細に説明する。Cは0.025重量%(以
下単に%と略述)未満になると二次再結晶が不安定にな
り、かつ二次再結晶した場合でもB8 >1.80(T)
が得がたいので0.025%以上とした。一方、Cが多
くなり過ぎると脱炭焼鈍時間が長くなり経済的でないの
で0.075%以下とした。
著しくなるので5.0%以下とした。また、2.2%未
満では素材の固有抵抗が低すぎ、本発明の目的であるト
ランス鉄心材料として必要な低鉄損が得られないので
2.2%以上とした。Alは二次再結晶の安定化に必要
なAlNを確保するため、酸可溶性Alとして0.01
5%以上が必要である。酸可溶性Alが0.080%を
超えると熱延板のAlNが不適切となり、二次再結晶が
不安定になるので0.080%以下とした。
30%未満にすることが困難であり、かつ経済的に好ま
しくないので0.0030%以上とし、一方、0.01
30%を超えるとブリスターと呼ばれる“鋼板表面のふ
くれ”が発生するので0.0130%以下とした。Mn
S、MnSeが鋼中に存在しても、製造工程の条件を適
正に選ぶことによって磁気特性を良好にすることが可能
である。しかしながら、SやSeが高いと線状細粒と呼
ばれる二次再結晶不良部が発生する傾向があり、この二
次再結晶不良部の発生を予防するためには(S+0.4
05Se)≦0.014%であることが望ましい。Sあ
るいはSeが上記値を超える場合には製造条件をいかに
変更しても二次再結晶不良部が発生する確率が高くなり
好ましくない。また最終仕上焼鈍で純化するのに要する
時間が長くなりすぎて好ましくなく、このような観点か
らSあるいはSeを不必要に増すことは意味がない。
5%未満では、熱間圧延によって得られる熱延板の形状
(平坦さ)、就中ストリップの側縁部は波形状となり、
歩留りを低下させるので、Mnは0.05%以上と規定
した。一方、Mn量が0.8%を超えると製品の磁束密
度を低下せしめるので好ましくない。従って、Mn量の
上限値を0.8%とした。
は、二次再結晶でのインヒビター強度を高めることによ
り磁気特性を高位安定化する上でさらに好ましい。0.
01%未満では、この効果が十分でなく、0.15%超
では、窒化処理が困難となり好ましくない。この他、イ
ンヒビター構成元素として公知なSb、Ti、Zr、B
i、Nb等を添加することはさしつかえない。
ダウンを行うという目的から1280℃未満と限定し
た。好ましくは1200℃以下である。加熱されたスラ
ブは、引き続き熱延されて熱延板となる。この熱延板
に、必要に応じて熱延板焼鈍を施し、次いで圧下率80
%以上の最終冷延を含みかつ必要に応じて中間焼鈍をは
さむ1回以上の冷延を施す。最終冷延の圧下率を80%
以上としたのは、圧下率を上記範囲とすることによっ
て、脱炭板において尖鋭な{110}<001>方位粒
と、これに蚕食され易い対応方位粒({111}<11
2>方位粒等)を適正量得ることができ、磁束密度を高
める上で好ましいためである。
離剤塗布、仕上焼鈍が施されて最終製品となる。ここで
脱炭焼鈍完了後、最終仕上焼鈍開始までの間の一次再結
晶粒の平均粒径を18〜35μmに制御することが良好
な磁気特性を得るために必要である。平均粒径が18μ
m未満では二次再結晶方位制御が困難となり、35μm
超では二次再結晶が不安定となり、好ましくない。
晶開始までの間に鋼板に窒化処理を施すと規定したの
は、本発明の如き低温スラブ加熱を前提とするプロセス
では、二次再結晶に必要なインヒビター強度が不足がち
になるからである。窒化の方法としては特に限定するも
のではなく、脱炭焼鈍後引き続き焼鈍雰囲気にNH3 ガ
スを混入させ窒化する方法、プラズマを用いる方法、焼
鈍分離剤に窒化物を添加し、最終仕上焼鈍の昇温中に窒
化物が分解してできた窒素を鋼板に吸収させる方法、最
終仕上焼鈍の雰囲気のN2 分圧を高めとし、鋼板を窒化
する方法等いずれの方法でもよい。窒化量については、
10ppm以上は必要である。
上焼鈍の昇温過程における鋼板の温度が900〜115
0℃の範囲において、焼鈍雰囲気の窒素分圧PN2(%)
をP N2(%)≧15×Si(%)−25の範囲にするこ
とは、優れた磁気特性を得る上で必要である。900℃
未満の温度範囲の焼鈍雰囲気は特に規定しない。二次再
結晶は通常900〜1150℃で生じるので、この温度
範囲での焼鈍雰囲気を制御すれば十分である。昇温は通
常1100〜1250℃まで行われ、昇温中に通常二次
再結晶が完了し、純化のための恒温保持に入る。この昇
温に引き続く恒温保持は、通常5〜50時間行われる
が、この恒温保持は、通常H2 ガスまたはH2 ガスが主
な焼鈍雰囲気中で行われる。二次再結晶のために、例え
ば1000〜1100℃で恒温保持し、その後さらに昇
温して純化のための恒温保持に入る場合は、純化に入る
までの温度範囲が昇温過程と解される。上記900〜1
150℃の昇温過程でのPN2の上限は特に規定するもの
ではなく、100%まで許容される。
0.14重量%、S:0.005重量%、酸可溶性A
l:0.0301重量%、N:0.0081重量%を含
有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる40mm厚
のスラブを1150℃の温度で加熱した後、熱延して
1.8mm厚の熱延板とした。
し、900℃に30秒保持して急冷する熱延板焼鈍を施
し、次いで圧下率約90.6%で0.170mm厚の冷
延板とし、840℃で90秒保持する脱炭焼鈍を行い、
しかる後、750℃に30秒保持する焼鈍中にNH3 ガ
スを焼鈍雰囲気に混入させ、鋼板に窒化処理を施した。
この場合、窒化量(増窒素量)は0.0131重量%で
あり、この窒化処理後の鋼板の平均結晶粒径(円相当直
径)は24μmであった。この窒化処理後の鋼板にMg
Oを主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、1200℃まで
15℃/hrで昇温し、H2 中で1200℃に20時間
保持する最終仕上焼鈍を施した。この最終仕上焼鈍の昇
温過程の900℃までは、N2 :20%、H2 :80%
の焼鈍雰囲気中で処理し、900℃から1200℃まで
は、(a)N2 :20%、H2 :80%、(b)N2 :
50%、H2 :50%、(c)N2 :75%、H2 :2
5%なる3水準の条件で処理した。
表1から明らかなように、本発明の条件である(b)、
(c)の場合B8 ≧1.93Tなる良好な磁気特性が得
られている。
0.15重量%、S:0.006重量%、酸可溶性A
l:0.0303重量%、N:0.0082重量%、S
n:0.002重量%、0.07重量%、0.3
0重量%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からな
る3種類の40mm厚のスラブを1150℃の温度で加
熱した後、熱延して1.8mm厚の熱延板とした。
し、900℃に30秒保持して急冷する熱延板焼鈍を施
し、次いで圧下率約90.6%で0.170mm厚の冷
延板とし、835℃で70秒保持する脱炭焼鈍を行い、
しかる後、750℃に30秒保持する焼鈍中にNH3 ガ
スを焼鈍雰囲気に混入させ、鋼板に窒化処理を施した。
この場合、窒化量(増窒素量)は0.0132重量%で
あり、この窒化処理後の鋼板の平均結晶粒径(円相当直
径)は23〜25μmであった。この窒化処理後の鋼板
にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、1200
℃まで15℃/hrで昇温し、H2 中で1200℃に2
0時間保持する最終仕上焼鈍を施した。この最終仕上焼
鈍の昇温過程の880℃までは、N2 :25%、H2 :
75%の焼鈍雰囲気中で処理し、880℃から1200
℃までは、N2 :75%、H2 :25%の条件で処理し
た。
表2から明らかなように、本実験の条件はすべて本発明
の条件となっており、B8 ≧1.92Tなる良好な磁気
特性が得られている。とりわけSnの含有量が本発明の
条件を満すの条件の場合、B8 ≧1.94Tなる極め
て良好な磁気特性が得られている。
0.14重量%、S:0.006重量%、酸可溶性A
l:0.039重量%、N:0.0088重量%、S
n:0.001重量%、0.05重量%を含有し、
残部Fe及び不可避的不純物からなる2種類の40mm
厚のスラブを1150℃の温度で加熱した後熱延して
1.8mm厚の熱延板とした。
1120℃に30秒保持し、900℃に30秒保持して
急冷する焼鈍を施し、次いで圧下率約89.6%で0.
145mm厚の冷延板とし、830℃で70秒保持する
脱炭焼鈍を行い、しかる後、750℃に30秒保持する
焼鈍中にNH3 ガスを焼鈍雰囲気に混入させ、鋼板に窒
化処理を施した。この場合、窒化量(増窒素量)は0.
0131〜0.0142重量%であり、この窒化処理後
の鋼板の平均結晶粒径(円相当直径)は24〜25μm
であった。この窒化処理後の鋼板にMgOを主成分とす
る焼鈍分離剤を塗布し、1200℃まで10℃/hrで
昇温し、H2 中で1200℃に20時間保持する最終仕
上焼鈍を施した。この最終仕上焼鈍の昇温過程の900
℃までは、N2 :20%、H2 :80%の焼鈍雰囲気中
で処理し、900℃から1200℃までは、N2 :75
%、H2 :25%なる条件で処理した。
本実験条件はすべて本発明の条件に入っており、B8 ≧
1.92Tなる良好な磁気特性が得られた。さらに本発
明のSnの条件となるの場合、B8 ≧1.94Tなる
さらに良好な磁気特性が得られた。
0.16重量%、S:0.007重量%、酸可溶性A
l:0.0281重量%、N:0.0077重量%を含
有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる40mm厚
のスラブを1150℃の温度で加熱した後、熱延して
2.3mm厚の熱延板とした。
し、900℃に30秒保持して急冷する熱延板焼鈍を施
し、次いで圧下率約87.6%で0.2850mm厚の
冷延板とし、835℃で90秒保持する脱炭焼鈍を行
い、しかる後、750℃に30秒保持する焼鈍中にNH
3 ガスを焼鈍雰囲気に混入させ、鋼板に窒化処理を施し
た。この場合、窒化量(増窒素量)は0.0144重量
%であり、この窒化処理後の鋼板の平均結晶粒径(円相
当直径)は23μmであった。この窒化処理後の鋼板に
MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、1200℃
まで15℃/hrで昇温し、H2 中で1200℃に20
時間保持する最終仕上焼鈍を施した。この最終仕上焼鈍
の昇温過程の900℃までは、N2 :5%、H2 :95
%の焼鈍雰囲気中で処理し、900℃から1200℃ま
では、(a)N2 :5%、H2 :95%、(b)N2 :
50%、H2 :50%、(c)N2 :75%、H2 :2
5%なる3水準の条件で処理した。
表4から明らかなように、本発明の条件である(b)、
(c)の場合B8 ≧1.94Tなる良好な磁気特性が得
られている。
0.14重量%、S:0.006重量%、酸可溶性A
l:0.029重量%、N:0.0082重量%、S
n:0.001重量%、0.06重量%を含有し、
残部Fe及び不可避的不純物からなる2種類の40mm
厚のスラブを1150℃の温度で加熱した後熱延して
1.8mm厚の熱延板とした。
1120℃に30秒保持し、900℃に30秒保持して
急冷する焼鈍を施し、次いで圧下率約89.6%で0.
145mm厚の冷延板とし、830℃で90秒保持する
脱炭焼鈍を行い、しかる後、750℃に30秒保持する
焼鈍中にNH3 ガスを焼鈍雰囲気に混入させ、鋼板に窒
化処理を施した。この場合、窒化量(増窒素量)は0.
0134〜0.0148重量%であり、この窒化処理後
の鋼板の平均結晶粒径(円相当直径)は23〜24μm
であった。この窒化処理後の鋼板にMgOを主成分とす
る焼鈍分離剤を塗布し、1200℃まで7.5℃/hr
で昇温し、H2 中で1200℃に20時間保持する最終
仕上焼鈍を施した。この最終仕上焼鈍の昇温過程の90
0℃までは、N2 :20%、H2 :80%の焼鈍雰囲気
中で処理し、900℃から1200℃までは、N2 :7
5%、H2 :25%なる条件で処理した。
本実験条件はすべて本発明の条件に入っており、B8 ≧
1.93Tなる良好な磁気特性が得られた。さらに本発
明のSnの条件となるの場合、B8 ≧1.95Tなる
さらに良好な磁気特性が得られた。
脱炭焼鈍完了後、最終仕上焼鈍開始までの間での一次再
結晶粒の平均粒径の制御、熱延後、最終仕上焼鈍の二次
再結晶開始までの間の窒化処理、最終仕上焼鈍の昇温過
程でのSi量に応じた焼鈍雰囲気の窒素分圧制御を行う
ことにより、磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板を安定
して製造することができ、さらにSnを添加することに
より、いっそう優れた磁気特性を有する一方向性電磁鋼
板を安定して製造できるので、これらの技術の工業的意
義は極めて大である。
i量と磁気特性の関係を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量でC:0.025〜0.075%、
Si:2.2〜5.0%、酸可溶性Al:0.015〜
0.080%、N:0.0030〜0.0130%、S
+0.405Se:0.014%以下、Mn:0.05
〜0.8%を含有し、残部がFe及び不可避不純物から
なるスラブを1280℃未満の温度で加熱し、熱延を行
い、引き続き必要に応じて熱延板焼鈍を行い、次いで圧
下率80%以上の最終冷延を含み必要に応じて中間焼鈍
をはさむ1回以上の冷延を行い、次いで脱炭焼鈍、最終
仕上焼鈍を施して一方向性電磁鋼板を製造する方法にお
いて、脱炭焼鈍完了後、最終仕上焼鈍開始までの一次再
結晶粒の平均粒径を18〜35μmとし、熱延後、最終
仕上焼鈍の二次再結晶開始までの間に鋼板に0.001
0重量%以上の窒素吸収を行わせる窒化処理を施し、最
終仕上焼鈍の昇温過程における鋼板の温度が900〜1
150℃の範囲において、焼鈍雰囲気の窒素分圧をPN2
(%)とし、Siの含有量を重量%を単位としてSi
(%)とした時、このPN2(%)を下記の範囲に制御す
ることを特徴とする磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板
の製造方法。 PN2(%)≧15×Si(%)−25 - 【請求項2】 重量で0.01〜0.15%のSnをス
ラブに含有することを特徴とする請求項1記載の磁気特
性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法。
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