JPH061695A - ダイヤモンドの合成方法 - Google Patents
ダイヤモンドの合成方法Info
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- JPH061695A JPH061695A JP16716492A JP16716492A JPH061695A JP H061695 A JPH061695 A JP H061695A JP 16716492 A JP16716492 A JP 16716492A JP 16716492 A JP16716492 A JP 16716492A JP H061695 A JPH061695 A JP H061695A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は、電子材料や光学材料として
も好適な高純度のダイヤモンドの合成方法を提供するこ
とである。 【構成】 本発明のダイヤモンドの合成方法は、原料ガ
スが、一酸化炭素ガスと水素ガスとからなる基本原料ガ
スと二酸化炭素ガスとからなり、前記基本原料ガス中の
一酸化炭素ガスの含有割合が1〜8容量%であると共
に、一酸化炭素ガスに対する二酸化炭素ガスの容量比が
0.1を超え、かつ0.4以下であり、前記原料ガスを
励起して基材に接触させることを特徴とする。 【効果】 本発明で提供されたダイヤモンドの製造方法
によって、電子材料や光学材料としても好適な高純度の
ダイヤモンドを合成することができる。
も好適な高純度のダイヤモンドの合成方法を提供するこ
とである。 【構成】 本発明のダイヤモンドの合成方法は、原料ガ
スが、一酸化炭素ガスと水素ガスとからなる基本原料ガ
スと二酸化炭素ガスとからなり、前記基本原料ガス中の
一酸化炭素ガスの含有割合が1〜8容量%であると共
に、一酸化炭素ガスに対する二酸化炭素ガスの容量比が
0.1を超え、かつ0.4以下であり、前記原料ガスを
励起して基材に接触させることを特徴とする。 【効果】 本発明で提供されたダイヤモンドの製造方法
によって、電子材料や光学材料としても好適な高純度の
ダイヤモンドを合成することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイヤモンドの合成方
法に関し、さらに詳しくは、電子材料や光学材料として
特に好適に使用することのできる高純度のダイヤモンド
の合成方法に関する。
法に関し、さらに詳しくは、電子材料や光学材料として
特に好適に使用することのできる高純度のダイヤモンド
の合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】ダイヤモ
ンドは硬度が高いので、従来から工具類として多用され
てきた。近年、半導体の製造分野でも新しい素材として
期待されている。ダイヤモンドを好適な半導体デバイス
として使用するためには、グラファイトなどの不純物を
極力含まない純度の高いダイヤモンドであることが要求
される。
ンドは硬度が高いので、従来から工具類として多用され
てきた。近年、半導体の製造分野でも新しい素材として
期待されている。ダイヤモンドを好適な半導体デバイス
として使用するためには、グラファイトなどの不純物を
極力含まない純度の高いダイヤモンドであることが要求
される。
【0003】ダイヤモンドの合成は、一般に、気相法で
行なわれ、プラズマCVD法、ECR法、化学輸送法な
ど様々な手段が用いられている。また、これらに用いら
れる炭素源ガスも種々様々である。しかし、高純度のダ
イヤモンドを合成する方法は、未だ十分には確立されて
はいない。
行なわれ、プラズマCVD法、ECR法、化学輸送法な
ど様々な手段が用いられている。また、これらに用いら
れる炭素源ガスも種々様々である。しかし、高純度のダ
イヤモンドを合成する方法は、未だ十分には確立されて
はいない。
【0004】気相法でダイヤモンドを合成すると、炭素
源ガスの熱分解により生じる炭素からダイヤモンドおよ
びグラファイト等の非ダイヤモンド成分が生成する。こ
こで生成した非ダイヤモンド成分の一部は活性な水素お
よび酸素により除去される。しかし、ダイヤモンド中に
存在するものは、除去することができない。気相法によ
る合成で得られるダイヤモンドの純度は、反応原料の選
定や反応条件の適否によって大きく左右される。
源ガスの熱分解により生じる炭素からダイヤモンドおよ
びグラファイト等の非ダイヤモンド成分が生成する。こ
こで生成した非ダイヤモンド成分の一部は活性な水素お
よび酸素により除去される。しかし、ダイヤモンド中に
存在するものは、除去することができない。気相法によ
る合成で得られるダイヤモンドの純度は、反応原料の選
定や反応条件の適否によって大きく左右される。
【0005】気相法によるダイヤモンドの合成は、特開
昭58−91100号公報などに見られるように、炭素
源ガスとしてメタンを用いる方法がある。しかし、この
方法では十分に高い純度のダイヤモンドは得られない。
昭58−91100号公報などに見られるように、炭素
源ガスとしてメタンを用いる方法がある。しかし、この
方法では十分に高い純度のダイヤモンドは得られない。
【0006】また、Journal of Crystal Growth 112 (1
991) 808〜818 や特開平3−165074号公報には、
炭素源ガスとしてCOやCO2 を用いる方法が示されて
いる。これらを用いることでダイヤモンドの成長速度が
向上し、品質的にも改良されたものが得られているが、
炭素源ガスの濃度やCOとCO2 との組成についての最
適化が十分でないため、電子材料などで要求される高純
度品を得るには至っていない。
991) 808〜818 や特開平3−165074号公報には、
炭素源ガスとしてCOやCO2 を用いる方法が示されて
いる。これらを用いることでダイヤモンドの成長速度が
向上し、品質的にも改良されたものが得られているが、
炭素源ガスの濃度やCOとCO2 との組成についての最
適化が十分でないため、電子材料などで要求される高純
度品を得るには至っていない。
【0007】本発明は、上記事情を鑑みてなされたもの
である。即ち、本発明の目的は、ダイヤモンド合成の原
料として、COガス濃度およびCOガスとCO2 ガスと
の組成の最適条件を選択することにより、電子材料や光
学材料としても好適な高純度のダイヤモンドの合成方法
を提供することである。
である。即ち、本発明の目的は、ダイヤモンド合成の原
料として、COガス濃度およびCOガスとCO2 ガスと
の組成の最適条件を選択することにより、電子材料や光
学材料としても好適な高純度のダイヤモンドの合成方法
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、前記課題を解
決するためのこの発明は、原料ガスが、一酸化炭素ガス
と水素ガスとを含む基本原料ガスと二酸化炭素ガスとを
含み、前記基本原料ガス中の一酸化炭素ガスの含有割合
が1〜8容量%であると共に、一酸化炭素ガスに対する
二酸化炭素ガスの容量比が0.1を超え、かつ0.4以
下であり、前記原料ガスを励起して基材に接触させるこ
とを特徴とするダイヤモンドの合成方法である。
決するためのこの発明は、原料ガスが、一酸化炭素ガス
と水素ガスとを含む基本原料ガスと二酸化炭素ガスとを
含み、前記基本原料ガス中の一酸化炭素ガスの含有割合
が1〜8容量%であると共に、一酸化炭素ガスに対する
二酸化炭素ガスの容量比が0.1を超え、かつ0.4以
下であり、前記原料ガスを励起して基材に接触させるこ
とを特徴とするダイヤモンドの合成方法である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】前記基本原料ガスの一成分である一酸化炭
素ガスとしては特に制限がなく、たとえば石炭、コーク
スなどと空気または水蒸気を熱時反応させて得られる発
生炉ガスや水性ガスを充分に精製したものを用いること
ができる。
素ガスとしては特に制限がなく、たとえば石炭、コーク
スなどと空気または水蒸気を熱時反応させて得られる発
生炉ガスや水性ガスを充分に精製したものを用いること
ができる。
【0011】基本原料ガスのもう一つの成分である前記
水素ガスについても特に制限がなく、たとえば石油類の
ガス化、天然ガス、水性ガスなどの変成、水の電解、鉄
と水蒸気との反応、石炭の完全ガス化などにより得られ
るものを充分に精製して用いることができる。
水素ガスについても特に制限がなく、たとえば石油類の
ガス化、天然ガス、水性ガスなどの変成、水の電解、鉄
と水蒸気との反応、石炭の完全ガス化などにより得られ
るものを充分に精製して用いることができる。
【0012】前記二酸化炭素ガスとしては特に制限がな
く、例えば石灰石を強熱するかまたは石炭などを燃焼さ
せ、生じるガスを炭酸塩溶液に吸収させて炭酸水素塩を
作り、これを加熱して精製したものを用いることができ
る。市販のガスを使用してもよい。
く、例えば石灰石を強熱するかまたは石炭などを燃焼さ
せ、生じるガスを炭酸塩溶液に吸収させて炭酸水素塩を
作り、これを加熱して精製したものを用いることができ
る。市販のガスを使用してもよい。
【0013】本発明においては、基本原料ガス中の一酸
化炭素ガスの含有割合が1〜8容量%であると共に、一
酸化炭素ガスに対する二酸化炭素ガスの容量比が0.1
を超え、かつ0.4以下であることが重要である。
化炭素ガスの含有割合が1〜8容量%であると共に、一
酸化炭素ガスに対する二酸化炭素ガスの容量比が0.1
を超え、かつ0.4以下であることが重要である。
【0014】一酸化炭素ガスおよび二酸化炭素ガスが前
記した範囲で基本原料ガス中に含まれていると、高純度
のダイヤモンドを高速度で製造することができる。逆
に、基本原料ガス中の一酸化炭素の含有割合が1容量%
より少なく、しかも一酸化炭素ガスに対する二酸化炭素
ガスの容量比が0.4を超えるとダイヤモンド膜が全く
形成されず(後述する比較例を参照)、また基本原料ガ
ス中の一酸化炭素ガスの含有割合が8容量%を越え、し
かも一酸化炭素ガスに対する二酸化炭素ガスの容量比が
0.4を超えるとダイヤモンド膜の生成速度が低下する
と共に高純度のダイヤモンド膜を製造するのが困難にな
り、しかも光線透過率の劣るダイヤモンド膜しか生成し
ない(後述する比較例を参照)。一酸化炭素ガスに対す
る二酸化炭素ガスの容量比が0.1以下であると非ダイ
ヤモンド成分の生成を十分に抑制することができなくな
る。このように、一酸化炭素ガスおよび二酸化炭素ガス
の含有割合が前記範囲を外れると、この発明の目的を達
成することができなくなる。
記した範囲で基本原料ガス中に含まれていると、高純度
のダイヤモンドを高速度で製造することができる。逆
に、基本原料ガス中の一酸化炭素の含有割合が1容量%
より少なく、しかも一酸化炭素ガスに対する二酸化炭素
ガスの容量比が0.4を超えるとダイヤモンド膜が全く
形成されず(後述する比較例を参照)、また基本原料ガ
ス中の一酸化炭素ガスの含有割合が8容量%を越え、し
かも一酸化炭素ガスに対する二酸化炭素ガスの容量比が
0.4を超えるとダイヤモンド膜の生成速度が低下する
と共に高純度のダイヤモンド膜を製造するのが困難にな
り、しかも光線透過率の劣るダイヤモンド膜しか生成し
ない(後述する比較例を参照)。一酸化炭素ガスに対す
る二酸化炭素ガスの容量比が0.1以下であると非ダイ
ヤモンド成分の生成を十分に抑制することができなくな
る。このように、一酸化炭素ガスおよび二酸化炭素ガス
の含有割合が前記範囲を外れると、この発明の目的を達
成することができなくなる。
【0015】本発明においては、上記水素ガスの一部を
置換するという方式により、原料ガスに半導体用ドーピ
ングガスを加えることもできる。なお、水素ガスの一部
を半導体用ドーピングガスで置換した場合の、前述した
基本原料ガス中の一酸化炭素ガスの含有量は、一酸化炭
素ガス、水素ガスおよび半導体用ドーピングガスからな
る基本原料ガス全体に対する一酸化炭素ガスの含有割合
を言う。
置換するという方式により、原料ガスに半導体用ドーピ
ングガスを加えることもできる。なお、水素ガスの一部
を半導体用ドーピングガスで置換した場合の、前述した
基本原料ガス中の一酸化炭素ガスの含有量は、一酸化炭
素ガス、水素ガスおよび半導体用ドーピングガスからな
る基本原料ガス全体に対する一酸化炭素ガスの含有割合
を言う。
【0016】この半導体用ド−ピングガスとしては、公
知の各種の化合物等を使用することができる。たとえ
ば、n型多結晶ダイヤモンド薄膜を得るには、たとえ
ば、リン化合物(好ましくはP2 O5 、リン酸、PH
3 、特に好ましくはP2 O5 、PH3 )などが好適に使
用され、一方、p型多結晶ダイヤモンド薄膜を得るに
は、たとえば、ホウ素化合物(好ましくはB2 O3 、ホ
ウ酸、B2 H6 、特に好ましくはB2 O3 、B2 H6 )
などを好適に使用することができる。
知の各種の化合物等を使用することができる。たとえ
ば、n型多結晶ダイヤモンド薄膜を得るには、たとえ
ば、リン化合物(好ましくはP2 O5 、リン酸、PH
3 、特に好ましくはP2 O5 、PH3 )などが好適に使
用され、一方、p型多結晶ダイヤモンド薄膜を得るに
は、たとえば、ホウ素化合物(好ましくはB2 O3 、ホ
ウ酸、B2 H6 、特に好ましくはB2 O3 、B2 H6 )
などを好適に使用することができる。
【0017】ここで、n型多結晶ダイヤモンド薄膜を得
る際に使用するP2 O5 やH3 PO4 、PH3 等のリン
化合物の添加量は、使用するリン化合物やケトンの種類
や原料ガスの組成、ダイヤモンドの合成条件等の他の条
件に依存するので一律に定めることができないが、通常
は、原料ガスにおける炭素原子に対するP2 O5 やH3
PO4 、PH3 等のリン化合物中のリン原子の割合が、
モル比で、10〜104 ppm程度の範囲になるように
調整される。
る際に使用するP2 O5 やH3 PO4 、PH3 等のリン
化合物の添加量は、使用するリン化合物やケトンの種類
や原料ガスの組成、ダイヤモンドの合成条件等の他の条
件に依存するので一律に定めることができないが、通常
は、原料ガスにおける炭素原子に対するP2 O5 やH3
PO4 、PH3 等のリン化合物中のリン原子の割合が、
モル比で、10〜104 ppm程度の範囲になるように
調整される。
【0018】また、p型多結晶ダイヤモンド薄膜を得る
際に使用するB2 O3 、B2 H6 等のホウ素化合物の添
加量は、使用するホウ素化合物や使用する原料ガスの組
成、ダイヤモンド薄膜の合成条件等の他の条件に依存す
るので一律に定めることができないが、通常は、原料ガ
スにおける炭素原子に対するB2 O3 、B2 H6 等のホ
ウ素化合物中のホウ素原子の割合が、モル比で、10〜
104 ppmの範囲になるように調整される。
際に使用するB2 O3 、B2 H6 等のホウ素化合物の添
加量は、使用するホウ素化合物や使用する原料ガスの組
成、ダイヤモンド薄膜の合成条件等の他の条件に依存す
るので一律に定めることができないが、通常は、原料ガ
スにおける炭素原子に対するB2 O3 、B2 H6 等のホ
ウ素化合物中のホウ素原子の割合が、モル比で、10〜
104 ppmの範囲になるように調整される。
【0019】また、上記水素ガスの一部をヘリウムガ
ス、ネオンガス、アルゴンガスおよびキセノンガスなど
の稀ガスまたは窒素ガスで置換してもよい。稀ガスを加
えた場合には、放電の際の安定性が良好になる。
ス、ネオンガス、アルゴンガスおよびキセノンガスなど
の稀ガスまたは窒素ガスで置換してもよい。稀ガスを加
えた場合には、放電の際の安定性が良好になる。
【0020】前記原料ガスを励起して得られるプラズマ
ガスを接触させる前記基材の材質としては、特に制限は
なく、公知の気相合成法によるダイヤモンドの合成用に
常用されるもの、例えば、各種の金属、合金、超硬合金
類、セラミックスと金属とからなるサーメット、半導体
類、セラミックス、ガラス等を適宜に選択して使用する
ことができる。具体例としては、例えば、WC−Co系
等のWC系超硬合金、Si3 N4 、TiN等の窒化物系
セラミックス、SiC、TiC等の炭化物系セラミック
ス、アルミナ類、ガラス等の酸化物類、シリコン等の半
金属や半導体、またはこれらの混合物、複合体等の多種
多様のものを挙げることができる。
ガスを接触させる前記基材の材質としては、特に制限は
なく、公知の気相合成法によるダイヤモンドの合成用に
常用されるもの、例えば、各種の金属、合金、超硬合金
類、セラミックスと金属とからなるサーメット、半導体
類、セラミックス、ガラス等を適宜に選択して使用する
ことができる。具体例としては、例えば、WC−Co系
等のWC系超硬合金、Si3 N4 、TiN等の窒化物系
セラミックス、SiC、TiC等の炭化物系セラミック
ス、アルミナ類、ガラス等の酸化物類、シリコン等の半
金属や半導体、またはこれらの混合物、複合体等の多種
多様のものを挙げることができる。
【0021】本発明の方法では、原料ガスを励起して得
られるガスを基材に接触させてダイヤモンド膜を成長さ
せる気相法でダイヤモンドの合成を行なう。原料ガスを
励起したガスを得る手段としては、公知の各種の方法を
採用することができる。具体的には、マイクロ波プラズ
マCVD法、高周波プラズマCVD法、熱フィラメント
法、化学輸送法、DCアークプラズマ法、ACアークプ
ラズマ法、イオン化蒸着法、イオンビーム法等の多種多
様の方法が知られている。本発明の方法においては、こ
れらのいずれの方法も使用することができるのである
が、中でも、特に、マイクロ波プラズマCVD法、高周
波プラズマCVD法や熱フィラメントCVD法などが好
適である。
られるガスを基材に接触させてダイヤモンド膜を成長さ
せる気相法でダイヤモンドの合成を行なう。原料ガスを
励起したガスを得る手段としては、公知の各種の方法を
採用することができる。具体的には、マイクロ波プラズ
マCVD法、高周波プラズマCVD法、熱フィラメント
法、化学輸送法、DCアークプラズマ法、ACアークプ
ラズマ法、イオン化蒸着法、イオンビーム法等の多種多
様の方法が知られている。本発明の方法においては、こ
れらのいずれの方法も使用することができるのである
が、中でも、特に、マイクロ波プラズマCVD法、高周
波プラズマCVD法や熱フィラメントCVD法などが好
適である。
【0022】マイクロ波プラズマCVD法、高周波プラ
ズマCVD法、熱フィラメント法、化学輸送法等を採用
すると、原料ガス中の水素源や酸素源から原子状水素や
原子状酸素が形成される。これらの活性な水素および酸
素により、ダイヤモンドの析出と同時に析出するグラフ
ァイトなどのうち、遊離状態のものは除去される。
ズマCVD法、熱フィラメント法、化学輸送法等を採用
すると、原料ガス中の水素源や酸素源から原子状水素や
原子状酸素が形成される。これらの活性な水素および酸
素により、ダイヤモンドの析出と同時に析出するグラフ
ァイトなどのうち、遊離状態のものは除去される。
【0023】これらの気相法を採用する場合に、前記原
料ガスのキャリヤーとして、不活性ガスを用いることも
できる。不活性ガスの具体例としては、アルゴンガス、
ネオンガス、ヘリウムガス、キセノンガス、窒素ガスな
どが挙げられる。これらは、一種単独で用いてもよい
し、二種以上を組合わせて用いてもよい。
料ガスのキャリヤーとして、不活性ガスを用いることも
できる。不活性ガスの具体例としては、アルゴンガス、
ネオンガス、ヘリウムガス、キセノンガス、窒素ガスな
どが挙げられる。これらは、一種単独で用いてもよい
し、二種以上を組合わせて用いてもよい。
【0024】気相法によりダイヤモンドを合成する場
合、基材の表面の温度は、前記原料ガスの励起手段によ
って異なるので、一概に決定することはできないが、た
とえばプラズマCVD法を用いる場合には、通常、室温
〜1,200℃、好ましくは450℃〜1,100℃で
ある。この温度が室温より低い場合には、ダイヤモンド
の堆積速度が遅くなったり、励起状態の炭素が生成しな
いことがある。一方、1,200℃より高い場合には、
基材上に堆積したダイヤモンドがエッチングにより削ら
れてしまい、堆積速度の向上が見られないことがある。
反応圧力は、通常、10-6〜103 torr、好ましく
は1〜800torrである。反応圧力が10-6tor
rよりも低い場合には、ダイヤモンドの堆積速度が遅く
なったり、ダイヤモンドが析出しなくなったりする。一
方、103 torrより高くしてもそれに相当する効果
は得られない。
合、基材の表面の温度は、前記原料ガスの励起手段によ
って異なるので、一概に決定することはできないが、た
とえばプラズマCVD法を用いる場合には、通常、室温
〜1,200℃、好ましくは450℃〜1,100℃で
ある。この温度が室温より低い場合には、ダイヤモンド
の堆積速度が遅くなったり、励起状態の炭素が生成しな
いことがある。一方、1,200℃より高い場合には、
基材上に堆積したダイヤモンドがエッチングにより削ら
れてしまい、堆積速度の向上が見られないことがある。
反応圧力は、通常、10-6〜103 torr、好ましく
は1〜800torrである。反応圧力が10-6tor
rよりも低い場合には、ダイヤモンドの堆積速度が遅く
なったり、ダイヤモンドが析出しなくなったりする。一
方、103 torrより高くしてもそれに相当する効果
は得られない。
【0025】形成させる前記ダイヤモンド膜の膜厚は、
使用目的等に応じて適宜に適当な膜厚にすればよく、こ
の意味で特に制限はないが、通常は、1〜100μmの
範囲に選定するのがよい。この膜厚が、あまり薄すぎる
と、ダイヤモンド膜による被覆効果が十分に得られない
ことがあり、一方、あまり厚すぎると、使用条件によっ
ては、ダイヤモンド膜の剥離等の離脱が生じることがあ
る。
使用目的等に応じて適宜に適当な膜厚にすればよく、こ
の意味で特に制限はないが、通常は、1〜100μmの
範囲に選定するのがよい。この膜厚が、あまり薄すぎる
と、ダイヤモンド膜による被覆効果が十分に得られない
ことがあり、一方、あまり厚すぎると、使用条件によっ
ては、ダイヤモンド膜の剥離等の離脱が生じることがあ
る。
【0026】以上のようにして、単層あるいは複数層の
ダイヤモンド膜を所定の基材上に形成すればよい。な
お、本発明では、高純度のダイヤモンドであるというこ
とを以下のように定義する。即ち、得られたダイヤモン
ド薄膜についてラマン分光分析を行なったときに、ダイ
ヤモンドに起因する1,333cm-1のピークの半値幅
が7cm-1以下であるものを高純度のダイヤモンドとす
る。
ダイヤモンド膜を所定の基材上に形成すればよい。な
お、本発明では、高純度のダイヤモンドであるというこ
とを以下のように定義する。即ち、得られたダイヤモン
ド薄膜についてラマン分光分析を行なったときに、ダイ
ヤモンドに起因する1,333cm-1のピークの半値幅
が7cm-1以下であるものを高純度のダイヤモンドとす
る。
【0027】
【実施例】次に、実施例を示して本発明の態様をさらに
詳しく説明する。本発明は、以下の実施例によって何等
制限されるものではない。
詳しく説明する。本発明は、以下の実施例によって何等
制限されるものではない。
【0028】(実施例1)ダイヤモンドの気相合成装置
として、マイクロ波プラズマCVD法によるものを用
い、基材にはシリコン板を用いた。反応器内圧力は40
Torr、基材温度900℃とした。原料ガスとして、
水素ガス90.5sccm、一酸化炭素ガス7sccm
(含有割合:7.2vol%)からなる基本原料ガスに
二酸化炭素ガス2.5sccm(CO2 /CO比:0.
36)を加えた混合ガスを用いた。上記条件下でダイヤ
モンドの合成を8時間行ない、膜厚3.2μmのダイヤ
モンド薄膜を得た。
として、マイクロ波プラズマCVD法によるものを用
い、基材にはシリコン板を用いた。反応器内圧力は40
Torr、基材温度900℃とした。原料ガスとして、
水素ガス90.5sccm、一酸化炭素ガス7sccm
(含有割合:7.2vol%)からなる基本原料ガスに
二酸化炭素ガス2.5sccm(CO2 /CO比:0.
36)を加えた混合ガスを用いた。上記条件下でダイヤ
モンドの合成を8時間行ない、膜厚3.2μmのダイヤ
モンド薄膜を得た。
【0029】ここで得られたダイヤモンド薄膜につき、
ラマン分光分析をおこなったところ、ダイヤモンドに起
因する1333cm-1のピークの半値幅が5.5cm-1
であり、純度の高いダイヤモンド薄膜であることを確認
した。また、得られた薄膜に直径1mmのオーミック電
極(Ti)を蒸着し、膜厚方向で測定した比抵抗は1x
1014Ωcm以上(1x1014Ωcmが測定限界)であ
った。
ラマン分光分析をおこなったところ、ダイヤモンドに起
因する1333cm-1のピークの半値幅が5.5cm-1
であり、純度の高いダイヤモンド薄膜であることを確認
した。また、得られた薄膜に直径1mmのオーミック電
極(Ti)を蒸着し、膜厚方向で測定した比抵抗は1x
1014Ωcm以上(1x1014Ωcmが測定限界)であ
った。
【0030】さらに、得られた薄膜の基材であるシリコ
ン板をフッ酸により溶解除去した後、これに波長250
nmの紫外光を透過させたときの透過率を測定したとこ
ろ、90%以上であり、透光性に優れていることが確認
された。これらの結果を表1に示す。
ン板をフッ酸により溶解除去した後、これに波長250
nmの紫外光を透過させたときの透過率を測定したとこ
ろ、90%以上であり、透光性に優れていることが確認
された。これらの結果を表1に示す。
【0031】(実施例2)実施例1における水素ガスの
うち50ppmをドーピング原料ガスであるB2H6 で
置換したほかは、実施例1と同様に行なった。この結
果、得られたダイヤモンドの薄膜の比抵抗が5x102
Ωcmで導電性にも優れたものであることが確認され
た。他の性質は表1に示したとおりであった。
うち50ppmをドーピング原料ガスであるB2H6 で
置換したほかは、実施例1と同様に行なった。この結
果、得られたダイヤモンドの薄膜の比抵抗が5x102
Ωcmで導電性にも優れたものであることが確認され
た。他の性質は表1に示したとおりであった。
【0032】(実施例3)実施例1における水素ガスに
代えて、水素ガスとアルゴンガスの容積比が1:1の混
合ガスを使用したほかは、実施例1と同様に行なった。
結果を表1に示す。
代えて、水素ガスとアルゴンガスの容積比が1:1の混
合ガスを使用したほかは、実施例1と同様に行なった。
結果を表1に示す。
【0033】(実施例4)基本原料ガスに添加する二酸
化炭素ガスの量を0.75sccm(CO2 /CO比:
0.11)に変更したほかは、実施例1と同様に行なっ
た。結果を表1に示す。
化炭素ガスの量を0.75sccm(CO2 /CO比:
0.11)に変更したほかは、実施例1と同様に行なっ
た。結果を表1に示す。
【0034】(実施例5)基本原料ガスとして水素ガス
97.4sccmと一酸化炭素ガス2sccm(含有割
合:2.0vol%)とからなる混合ガスを用い、これ
に二酸化炭素ガス0.6sccm(CO2 /CO比:
0.3)を加えて原料ガスとしたほかは、実施例1と同
様に行なった。結果を表1に示す。
97.4sccmと一酸化炭素ガス2sccm(含有割
合:2.0vol%)とからなる混合ガスを用い、これ
に二酸化炭素ガス0.6sccm(CO2 /CO比:
0.3)を加えて原料ガスとしたほかは、実施例1と同
様に行なった。結果を表1に示す。
【0035】(比較例1)基本原料ガスとして水素ガス
88.5sccmと一酸化炭素ガス8.5sccm(含
有割合:8.8vol%)とからなる混合ガスを用い、
これに二酸化炭素ガス3sccm(CO2 /CO比:
0.38)を加えて原料ガスとしたほかは、実施例1と
同様に行なった。結果を表1に示す。
88.5sccmと一酸化炭素ガス8.5sccm(含
有割合:8.8vol%)とからなる混合ガスを用い、
これに二酸化炭素ガス3sccm(CO2 /CO比:
0.38)を加えて原料ガスとしたほかは、実施例1と
同様に行なった。結果を表1に示す。
【0036】(比較例2)基本原料ガスに添加する二酸
化炭素ガスの量を3.5sccm(CO2 /CO比:
0.5)としたほかは、実施例1と同様に行なった。こ
の場合、ダイヤモンド薄膜は得られなかった。
化炭素ガスの量を3.5sccm(CO2 /CO比:
0.5)としたほかは、実施例1と同様に行なった。こ
の場合、ダイヤモンド薄膜は得られなかった。
【0037】(比較例3)基本原料ガスに添加する二酸
化炭素ガスの量を0.2sccm(CO2 /CO比:
0.03)としたほかは、実施例1と同様に行なった。
結果を表1に示す。
化炭素ガスの量を0.2sccm(CO2 /CO比:
0.03)としたほかは、実施例1と同様に行なった。
結果を表1に示す。
【0038】(比較例4)基本原料ガスとして水素ガス
99.4sccmと一酸化炭素ガス0.5sccm(含
有割合:0.5vol%)とからなる混合ガスを用い、
これに二酸化炭素ガス0.1sccm(CO2 /CO
比:0.2)を加えて原料ガスとしたほかは、実施例1
と同様に行なった。結果を表1に示す。
99.4sccmと一酸化炭素ガス0.5sccm(含
有割合:0.5vol%)とからなる混合ガスを用い、
これに二酸化炭素ガス0.1sccm(CO2 /CO
比:0.2)を加えて原料ガスとしたほかは、実施例1
と同様に行なった。結果を表1に示す。
【0039】(比較例5)基本原料ガス中の一酸化炭素
ガスの含有割合を60vol%とし、CO2 /CO比を
0.02としたほかは、実施例1と同様に行なった。結
果を表1に示す。
ガスの含有割合を60vol%とし、CO2 /CO比を
0.02としたほかは、実施例1と同様に行なった。結
果を表1に示す。
【0040】(比較例6)二酸化炭素を全く添加しなか
ったほかは、実施例1と同様に行なった。結果を表1に
示す。
ったほかは、実施例1と同様に行なった。結果を表1に
示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【効果】本発明の方法によると、ラマン分光分析による
ピークの半値幅が7cm-1以下である高純度のダイヤモ
ンドの合成方法を提供することができる。本発明の方法
により合成されたダイヤモンドは光学材料として好適に
使用することができ、さらに、半導体用ドーピングガス
を併用する態様においては、導電性が得られるので、電
子材料としても期待することができる。
ピークの半値幅が7cm-1以下である高純度のダイヤモ
ンドの合成方法を提供することができる。本発明の方法
により合成されたダイヤモンドは光学材料として好適に
使用することができ、さらに、半導体用ドーピングガス
を併用する態様においては、導電性が得られるので、電
子材料としても期待することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 原料ガスが、一酸化炭素ガスと水素ガス
とを含む基本原料ガスと二酸化炭素ガスとを含み、前記
基本原料ガス中の一酸化炭素ガスの含有割合が1〜8容
量%であると共に、一酸化炭素ガスに対する二酸化炭素
ガスの容量比が0.1を超え、かつ0.4以下であり、
前記原料ガスを励起して基材に接触させることを特徴と
するダイヤモンドの合成方法。 - 【請求項2】 前記水素ガスガその一部を半導体用ドー
ピングガスに置換されてなる前記請求項1に記載のダイ
ヤモンドの合成方法。 - 【請求項3】 前記水素ガスがその一部を稀ガスまたは
窒素ガスで置換されてなる前記請求項1に記載のダイヤ
モンドの合成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16716492A JPH061695A (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | ダイヤモンドの合成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16716492A JPH061695A (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | ダイヤモンドの合成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH061695A true JPH061695A (ja) | 1994-01-11 |
Family
ID=15844606
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16716492A Pending JPH061695A (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | ダイヤモンドの合成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH061695A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006009147A (ja) * | 2004-05-21 | 2006-01-12 | National Institute For Materials Science | 超電導性を有するホウ素ドープダイヤモンド薄膜 |
-
1992
- 1992-06-25 JP JP16716492A patent/JPH061695A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006009147A (ja) * | 2004-05-21 | 2006-01-12 | National Institute For Materials Science | 超電導性を有するホウ素ドープダイヤモンド薄膜 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20010806 |