JPH06169427A - テレビジョンカメラのオートアイリス制御システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 逆光状態や過度の順光状態のように高輝度レ
ベルと低輝度レベルの差が極端に大きい条件でも撮像す
べき主要な被写体の露出が適正になるようにアイリスを
制御することでモニタ等で見やすい映像にすることを目
的とする。 【構成】 アイリス制御用映像信号を主要な被写体の画
面内に占める大きさに応じて、あらかじめ分割してある
中央から徐々に外側に広がる複数の区域の中の小さい区
域から順番に外側に向かって平均輝度レベルを比較し、
コントラスト比が最も大きい区域間を選択して主要な被
写体と背景とを分類し、逆光状態では背景信号の重み付
け量を減少させ、ガンマ補正値を小さくし、過度の順光
状態では、主要な被写体を含む区域の信号の重み付け量
を減少させ、ガンマ補正値を大きくすることにより、常
に主要な被写体の最適な露出が得られるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はテレビジョンカメラのオ
ートアイリス装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３に従来技術のブロック図を示す。オ
ートアイリスレンズ１より入射した光は撮像素子２で光
電変換され、前置増幅器３で増幅される。この信号は各
種補正補償回路４でＡＧＣなどの補正を行ない、ガンマ
補正回路５で入力信号のレベルに応じて利得を変える非
線形処理を行ない、出力増幅器６でモニタ等に出力する
のに十分なレベルの信号に増幅して、映像信号とアイリ
ス制御用映像信号に分岐する。アイリス制御用映像信号
は、オートアイリスレンズ１に帰還され、アイリスを制
御する。このアイリス制御用映像信号は、画面全体の輝
度信号の平均値または最高値でアイリスを制御している
ため、主要な被写体とその背景の輝度レベルの差が極端
に大きいとき、背景の影響を受けて主要な被写体は露出
不足または露出過多となり、主要な被写体にとって適切
な露出が得られないことがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術では、
画面全体の輝度信号の平均値レベル等でアイリスを制御
しているため、逆光や過度の順光のように高輝度レベル
と低輝度レベルの差が極端に大きい状態では、撮像すべ
き主要な被写体の露出が必ずしも適切になるとは限らな
い。本発明はこれらの欠点を除去し、従来技術では適切
な露出が得られなかった条件においても最適なアイリス
制御を可能にし、さらにシーンによってガンマ補正値を
変化させることで見やすい映像にすることを目的とす
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、アイリス制御用映像信号を、主要な被写体
の撮像画面内に占める大きさに応じてあらかじめ分割し
てある中央から徐々に外側に広がる複数の区域の中の小
さい区域から順番に外側に向かって各区域間における平
均輝度レベルを比較し、コントラスト比が最も大きい区
域を自動的に選択して主要な被写体と背景を区分し、主
要な被写体が常に最適な露出になるように、逆光状態で
は背景の重み付け量とガンマ補正量を減少させてアイリ
スを開き気味にし、低輝度信号のコントラストを大きく
する。過度の順光状態では、主要な被写体を含む区域の
重み付け量を減少させ、アイリスを閉じ気味にし、ガン
マ補正値を増加させて高輝度信号のコントラストを大き
くするよう構成したものである。

【０００５】

【作用】その結果、主要な被写体は背景の影響を受けず
に逆光状態においても、過度の順光状態においても、画
面内に占める大きさが変化しても、常に最適な露出が得
られ、モニタ等でも見やすくなる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明によるテレビジョンカメラのオ
ートアイリス装置の一実施例を図１に基づき説明する。
図１において図３と同一符号は同一の回路ブロックであ
るため説明を省略する。図２に分割する各区域を示す。
出力増幅器６で分岐されたアイリス制御用映像信号は、
画面分割パルス発生回路８のパルスによって画面分割回
路７で図２に示す画面の中央から徐々に広くなる４つの
区域に分割される。このそれぞれの区域の平均輝度レベ
ルを積分器９〜１２で求める。検出回路１３で区域１の
平均輝度レベルと区域２の平均輝度レベルを比較し、輝
度レベルの差がある値より大きければ区域１を主要な被
写体を含む区域とみなし、区分する。小さければ区域１
と区域２の平均輝度レベルを求め区域３の平均輝度レベ
ルと比較する。このように中央から区域の小さい順に外
側に向かって平均輝度レベルを比較して行き、各撮像シ
ーンによって分割の区域を自動的に選択し、コントラス
ト比が最も大きい区域を検出し、主要な被写体と背景を
区分する。この区分した区域とその平均輝度レベルの差
を基に、重み付け係数発生回路１５でアイリスを制御す
るための係数とガンマ補正用の係数を算出する。主要な
被写体が最適な露出になるようにアイリスを制御する係
数は、逆光状態では背景の区域、過度の順光状態では主
要な被写体を含む区域の平均輝度レベルに反比例した係
数とする。

【０００７】また、ガンマ補正用の係数は、背景の区域
の平均輝度レベルに比例した係数とする。アイリスを制
御する係数は、重み付け回路１４で重み付けする区域の
信号に乗算する。この信号は検波回路１８で検波され、
差動増幅器１７でアイリス制御用映像信号との差分を増
幅し、この信号に応じてアイリス駆動回路１６でアイリ
スを開閉させる。一方、ガンマ補正用係数は、検波回路
２０で検波され、増幅器１９でガンマ補正に適する大き
さにしてガンマ補正回路５に入力し、補正を行なう。ガ
ンマ補正値はテレビジョンカメラでは通常０．４５であ
るが、逆光状態ではこの値より小さくなり、低輝度信号
のコントラストが大きくなり、過度の順光状態ではこの
値より大きくなり、高輝度信号のコントラストが大きく
なる。

【０００８】

【発明の効果】本発明によれば、画面の輝度分布によっ
て逆光状態や過度の順光状態を判断することができるた
め、主要な被写体とその背景との重み付け量とガンマ補
正値を最適化することで、背景の影響を受けずに主要な
被写体の輝度レベルに応じたアイリス制御が可能にな
る。さらに、主要な被写体の大きさに合わせて分割する
区域の面積を自動的に切換えることで、常に主要な被写
体の露出が適正となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すブロック図。

【図２】本発明の一実施例を示す画面分割状態を示す
図。

【図３】従来技術を示すブロック図。

【符号の説明】

１：オートアイリスレンズ、２：撮像素子、５：ガンマ
補正回路、６：出力増幅器、７：画面分割回路、８：画
面分割パルス発生回路、９〜１２：積分回路、１３：検
出回路、１４：重み付け回路、１５：重み付け係数発生
回路、１６：アイリス駆動回路、１７：差動増幅器、１
８，２０：検波回路、１９：増幅器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 オートアイリスレンズを使用したテレビ
   ジョンカメラにおいて、アイリス制御用の映像信号を、
   主要な被写体の撮像画面内に占める大きさに応じてあら
   かじめ分割してある中央から徐々に外側に広がる複数の
   区域の中の小さい区域から順番に外側に向かって各区域
   間における平均輝度レベルを比較し、コントラスト比が
   最も大きい区域を選択して主要な被写体と背景を区分す
   る手段と、当該区分した区域の輝度レベルの差に応じて
   それぞれの区域の信号に対し、重み付けを行なう重み付
   け手段を有し、その結果に従ってアイリスを制御すると
   ともに、上記選択した主要な被写体を含む区域の信号を
   用いてガンマ補正回路の入出力特性を変化させることを
   特徴とするテレビジョンカメラのオートアイリス制御シ
   ステム。