JPH061691U - 窓 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 昼間のみならず夜間においても、外部からの
視線を遮り、しかも室内側からの視界を妨げることのな
い窓を提供する。 【構成】 ハーフミラー３を嵌め込んだ窓枠２の室外側
に、室外の窓枠周辺部を室内より明るく照明する照明装
置４とともに光の反射体としてハーフミラー５を設け
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、建物の開口部に設置されて室内側からの視界を確保しつつ外部か らの視線を遮るのに利用される窓に係わり、特に夜間においても上記機能を失う ことのない照明付窓に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

室内側からの視界を確保しながら外部から室内を覗かれないないようにするた めに、窓ガラスにハーフミラーや熱線反射ガラスなどを使用することが従来から 実用されている。

【０００３】 すなわち、このようなハーフミラーや熱線反射ガラスは、ガラスの光の透過率 を抑え、反射光の割合を高めたものであって、明るい側では暗い側からの透過光 よりも明るい側からの反射光の方が強くなるので、暗い側が見えず、暗い側では 暗い側からの反射光よりも明るい側からの透過光の方が強くなるので、明るい側 が見えるという特性を有している。

【０００４】 したがって、このようなガラスを窓ガラスに使用することにより、昼間におい ては、暗い室内側からは明るい室外が見えるにもかかわらず、室外からは室内が 覗かれなくてすむという都合のよい効果を期待することができる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような窓ガラスを使用した従来の窓においては、前述のよ うに、昼間には外部からの視線を遮ることができるものの、夜間においては室内 外の明暗が逆になることがあるので、そのようなときには室内側からは明るい室 内側の反射光の方が暗い室外からの透過光を上回って室外が見えず、室外側から は明るい室内側からの透過光によって室内の様子が見えてしまうということにな る。 したがって、夜間において外部からの視線を遮るにはカーテンやブライン ドなどを使用することになるが、カーテンやブラインドなどでは、いずれにして も室外を見ることができなくなることとなるため、昼間のみならず夜間において も、室外からは室内側を見ることができず、しかも室内側からの視界が妨げられ ることのない窓の開発が課題となっていた。

【０００６】

【考案の目的】

この考案は、ハーフミラーや熱線反射ガラスなどを窓ガラスに使用した従来の 窓の上記課題に着目してなされたものであって、昼間はもとより、夜間において も外部からの視線を遮り、しかも室内側からの視界を妨げることのない窓を提供 することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案に係わる窓は、窓枠に嵌め込んだ透明板状体の室外側中央部に、前記 透明板状体を室内側から室外側へ透過する光量よりも、前記透明板状体によって 室外側へ反射される光量を多くする照明装置を前記窓枠の上下ないし左右にわた って設けると共に、前記照明装置からの光を反射し、照明を均一なものにする反 射体を室外側に傾斜させて備えた構成としたことを特徴としており、このような 窓の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。

【０００８】 なお、この考案において透明板状体とは、人間の目がそれを通して物体を明瞭 にみることができるものを意味し、ハーフミラーや着色ガラスなどをも包含し、 必ずしも無色透明のもののみを意味しない。

【０００９】

【考案の作用】

この考案に係わる窓においては、ハーフミラーなどの透明板状体を嵌め込んだ 窓枠の室外側に照明装置と該照明装置の光を反射し、照明を均一なものにする反 射体を備えており、夜間に室外側を室内側より明るく照明することによって、室 内側から室外側へ透明板状体を透過する光量よりも前記透明板状体によって室外 側へ反射される光量の方が多くなるようにしている。 したがって、室外側から 室内を見た場合には、室内側から透明板状体を透過してくる室内光よりも、照明 によって生ずる前記透明板状体からの反射光の方が強くなるため室内が見えるこ とはない。 また、室内側から外部を見た場合には、室外側に設けた照明装置と 反射体によって室外の様子が明るく照らし出されており、前記透明板状体から反 射される室内照明の反射光よりも室外側から室内側へ透明板状体を透過してくる 照明による室外光の方が強くなるので、夜間においても室内から室外の様子が見 えることになる。

【００１０】

【実施例】

以下、この考案を図面に基づいて具体的に説明する。

【００１１】 実施例１ 図１（ａ）および（ｂ）は、この考案に係わる窓の一実施例を示す正面図およ び水平断面図であって、図に示す窓１は、上枠２ａ，下枠２ｂおよび竪枠２ｃ， ２ｃからなる窓枠２の図１（ｂ）中上方側端部（室内側）に嵌め込まれたハーフ ミラー３，３（透明板状体）を備えると共に、当該窓枠２の中央部の前記ハーフ ミラー３，３の外側には、シェード４ａによりカバーされた照明装置４が該窓枠 ２の縦方向にわたって前記上下枠２ａ，２ｂの間に設置してある。

【００１２】 さらに、前記照明装置４の両側には、前記窓枠２の竪枠２ｃ，２ｃに沿うとと もに図１（ｂ）の下方側（室外側）に向けて傾けた別のハーフミラー５，５が反 射体として設けてあり、当該ハーフミラー５，５によって光を反射させ、前記照 明装置４による室外の照明を均一なものとすると共に、当該窓１の周辺部を明る く照らし出すようにしている。

【００１３】 そして、前記照明装置４の明るさは、室内照明が点灯された時に、室内側から 前記ハーフミラー３，３を透過してくる透過光の光量よりも、ハーフミラー３， ３によって室外側に反射される前記照明装置４からの反射光の光量の方が多くな るように設定されている。

【００１４】 このような構造を有する窓１においては、昼間には、前記照明装置４に点灯し なくても室外側の方が室内側より明るいため、室内側からハーフミラー３，３を 透過して室外側に到達する室内光よりも前記ハーフミラー３，３によって室外側 に反射する室外光の方が強いので室外側から室内側を見ることはできない。 一 方、室内側においては、室内側からの反射光よりも、明るい室外から前記ハーフ ミラー３，３を透過してくる室外光の方が強いので室内から室外の様子を眺める ことができる。

【００１５】 また、夜間においては、照明装置４によって、当該窓１の室外側周辺部が明る く照明されるので、ハーフミラー３，３を透過して来る室内光よりも、前記ハー フミラー３，３によって反射される照明装置４からの反射光が強くなって、室内 が外部から覗かれることはない。 そして、室内側においては、ハーフミラー３ ，３による室内照明の反射光よりも、前記ハーフミラー３，３を透過して来る室 外光の方が強くなるので、室内から外部の様子を見ることができる。

【００１６】 実施例２ 図２（ａ）および（ｂ）は、この考案に係わる窓の他の実施例を示す正面図お よび水平断面図であって、この実施例においては、透明板状体および反射体とし て灰色に着色された湾曲形状の透明アクリル板を使用している。

【００１７】 すなわち、図に示す窓１１は、前記実施例１と同様に、上枠１２ａ，下枠１２ ｂおよび竪枠１２ｃ，１２ｃからなる窓枠１２を備えており、該窓枠１２には、 室外側、すなわち図２（ｂ）の下方側に凹面が向くように湾曲させた着色アクリ ル板１３を嵌め込むと共に、当該窓枠１２の中央部である前記アクリル板１３の 外側には、シェード１４ａを備えた照明装置１４が当該窓枠１２の縦方向にわた って前記上下枠１２ａ，１２ｂの間に設けてある。 なお、前記着色アクリル板 １３を湾曲させてあるのは、当該アクリル板１３を同時に反射体としても利用し 、照明装置１４からの光を反射させることによって照明範囲を拡げると共に、明 るさを均一なものにするためにほかならない。

【００１８】 そして、前記窓枠１２の室外側には、パンチングメタル１５が取り付けてあっ て、室内照明が点灯されたときに、室内側から前記アクリル板１３を透過して来 る室内光の光量よりも、アクリル板１３によって室外側に反射される反射光の光 量の方が多くなるように前記照明装置１４の明るさが設定されている。

【００１９】 このような構造を有する窓１１においても、前記実施例１と同様の機能が得ら れるほか、パンチングメタル１５によって視界が分断されるため、室内から室外 が見にくくなるが室外から室内も見にくいものとなり、昼間はもちろん、照明装 置１４が窓１１の室外側周辺部を照明することによって、夜間においても、外部 から室内が覗かれることなく室外の視界を確保することができる。

【００２０】 なお、前記両実施例においては、透明板状体としてハーフミラーおよび着色ア クリル板を用いた例を示したが、この考案に係わる照明付窓における透明板状体 としては、上記の他に、通常の透明ガラスやプラスチック、着色ガラスや熱線反 射ガラス、さらにはガラスやプラスチックに熱線反射フィルムや着色フィルムを 貼着したもの等を用いることができ、これら透明板状体の光の透過率については 特に限定されず、当該照明付窓のサイズ，形状，設置場所などに応じて適宜選択 することができる。

【００２１】 すなわち、透過率の低いハーフミラーや着色ガラスを用いた場合には、外部か ら室内側が見えにくくなる反面、室内側からの視界が暗くなり、逆に光の透過率 の高い透明ガラスや淡い色の着色ガラスを用いた場合には、室内側からの視界が 明るくなる反面、雨天や夕暮れ時など室内外の明暗の差が小さくなると外部から 室内が見えてしまうことになって、暗くなり始めたら早めに照明装置に点灯する ようにしなければならなくなるので、これらを勘案して目的に沿った透明板状体 を選定することになる。

【００２２】 また、この考案に係わる窓においては、照明装置が室外側に設けてある関係上 、照明装置の点灯や消灯を失念しがちであり、特に夜間に照明装置の点灯を忘れ た場合には、外部から室内が見えているのに気付かないことになるので、前記照 明装置のスイッチを室内照明のスイッチと連動させたり、光センサを用いること によって屋外の明るさに応じて自動的に点灯および消灯するようになすことが望 ましい。

【００２３】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案に係わる窓は、上記構成を有するものであるか ら、昼間はもとより、夜間においても照明装置を点灯することによって、室内側 からの視界を確保すると同時に外部からの視線を遮ることができるという非常に 優れた効果をもたらすものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ） この考案に係わる窓の第１の実施例を
説明する正面図である。 （ｂ） 図１（ａ）に示した窓の水平断面説明図であ
る。

【図２】（ａ） この考案に係わる窓の第２の実施例を
説明する正面図である。 （ｂ） 図２（ａ）に示した窓の水平断面説明図であ
る。

【符号の説明】

１，１１ 窓 ２，１２ 窓枠 ３ ハーフミラー（透明板状体） ５ ハーフミラー（反射体） ４，１４ 照明装置 １３ 着色アクリル板（透明板状体，反射体）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 釣 谷 隆 文 富山県高岡市早川70番地 三協アルミニウ ム工業株式会社内 (72)考案者 藪 修 富山県高岡市早川70番地 三協アルミニウ ム工業株式会社内

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 窓枠に嵌め込んだ透明板状体の室外側中
   央部に、前記透明板状体を室内側から室外側へ透過する
   光量よりも、前記透明板状体によって室外側へ反射され
   る光量を多くする照明装置を前記窓枠の上下ないし左右
   にわたって設けると共に、前記照明装置からの光を反射
   し、照明を均一なものにする反射体を室外側に傾斜させ
   て備えたことを特徴とする窓。
2. 【請求項２】 前記反射体は前記透明板状体と同一素材
   からなるものであることを特徴とする請求項１記載の
   窓。
3. 【請求項３】 前記反射体は前記透明板状体と一体であ
   ることを特徴とする請求項２記載の窓。