JPH06168923A - ドライエッチング装置 - Google Patents

ドライエッチング装置

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JPH06168923A
JPH06168923A JP32087092A JP32087092A JPH06168923A JP H06168923 A JPH06168923 A JP H06168923A JP 32087092 A JP32087092 A JP 32087092A JP 32087092 A JP32087092 A JP 32087092A JP H06168923 A JPH06168923 A JP H06168923A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 側壁が外広がりでなだらかな形状を持ち、そ
の形状を任意に制御できるトレンチホールを形成する。 【構成】 電子サイクロトロン共鳴放電ドライエッチン
グ装置のエッチング室2にエキシマレーザ光源18のレ
ーザ光を照射することにより、反応気体をイオン化し、
また被エッチング基板を囲むように設置した平行平板電
極19より被エッチング基板表面と水平方向に電界を誘
起して、イオン化した反応気体を加速する。水平方向に
加速されたイオンでトレンチ側壁をサイドエッチングす
ることにより、側壁がテーパー形状となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サイドエッチング量を
制御可能としたドライエッチング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体装置には、単結晶シリコン
基板内に溝掘りしたトレンチホールに2酸化シリコン
(以下SiO2と記載する)や、ホウリンケイ酸ガラス
(以下BPSGと記載する)、あるいは多結晶シリコン
(以下Poly Siと記載する)等の絶縁物を埋設し
た素子分離領域やトレンチキャパシタなどを形成したも
のがある。単結晶シリコン基板内にトレンチホールを溝
掘りする手段としては、フォトレジストやSiO2膜を
マスク材料としたドライエッチングが使用されている。
トレンチ溝掘りに使用される高いエッチング速度と高い
垂直異方性を持つ最新のドライエッチング手段として
は、臭化水素気体(以下HBrと記載する)を反応気体
として使用する電子サイクロトロン共鳴放電ドライエッ
チング(以下ECRドライエッチングと記載する)方法
が上げられる。以下ではECRドライエッチング装置の
構造とそのエッチング原理について説明する。
【0003】図2に示すように、従来のECRドライエ
ッチング装置はプラズマ生成室1とエッチング室2で構
成され、プラズマ生成室1には、マイクロ波発振器3と
マイクロ波導波管4が取り付けられている。プラズマ生
成室1内とエッチング室2内の圧力は、真空排気ポンプ
5によって真空排気され、0.1Paの圧力に保たれて
いる。プラズマ生成室1内には、HBrボンベ6よりマ
スフローコントローラ7で5cm3/分に流量制御した
HBr気体を導入する。プラズマ生成室1内では、マイ
クロ波発振器3で発振されたマイクロ波とマグネットコ
イル8で励起された磁界が干渉し、電子サイクロトロン
共鳴現象を生じて導入されたHBr気体を効率良くプラ
ズマ化する。工業周波数である2.45GHzのマイク
ロ波を使用した場合、磁束密度875Gaussの磁界
を発生させれば電子サイクロトロン共鳴条件が満足され
る。プラズマ中で発生した電子は電子サイクロトロン共
鳴条件下では円運動するが、マグネットコイル8より得
られる磁束がプラズマ生成室1の上部で最大強度を持
ち、プラズマ生成室1下部、すなわちイオン引き出し電
極9の方向に向かって弱くなる発散磁界内では、円運動
電子は反磁性を示すために磁界発散方向であるイオン引
き出し電極9の方向に加速され、らせん運動を行う。ら
せん運動しながらイオン引き出し電極9の方向に移動す
る電子は、電気的中性条件を満足するためにプラズマ中
の陽イオンをイオン引き出し電極9の方向に加速し、電
子自身を減速させるような両極性電界を発生して平衡状
態となる。
【0004】反応気体としてHBr気体を使用した場
合、両極性電界によって加速される陽イオンは陽子(H
+)と臭素イオン(Br+)である。両極性電界により鉛
直下向きに加速された陽イオンは、イオン引き出し電極
9を通過してエッチング室2に導入される。エッチング
室2内には、フォトレジストあるいはSiO2でマスク
パターニングされたシリコン基板10が設置されてお
り、垂直下方向に加速された陽イオンの直進性によるス
パッタリング効果でシリコン基板がエッチングされ、ト
レンチ溝掘りが達成される。加速された陽イオンの中で
陽子(H+)は質量が小さいために、スパッタリングエ
ッチングには寄与しないが、臭素イオン(Br+)がシ
リコン基板をスパッタリングする。さらに臭素イオン
(Br+)はシリコン基板をスパッタリングする最中
に、エッチング表面に吸着してシリコン原子と以下の化
学反応を生じる。
【0005】 Si+4Br+ →SiBr4↑ 式(1) この化学反応の結果、シリコン基板よりシリコン原子が
脱離して、さらにエッチング速度は大きくなる。
【0006】上述したようにECRドライエッチング方
法は、他のドライエッチング方法より、微細でアスペク
ト比の大きなトレンチホールの形成に適している。その
理由を以下にまとめると、 高いプラズマ密度が得られるために、エッチング速度
が大きい。 プラズマの均一性が良いために、エッチング均一性が
良好で、被エッチング基板の大口径化が図れる、 両極性電界で加速された陽イオンのイオンビームエッ
チングが主体であるので、トレンチホールの垂直加工性
に優れている、 といったことが上げられる。
【0007】最近の研究ではECRドライエッチングと
は別に、トレンチエッチングの手段が検討されており、
どれも高いプラズマ密度を得ることに主眼が置かれてい
る。例えば特開昭63−305516号公報に開示され
ているように、エッチング室とは別の部分でマイクロ波
発振のグロー放電で発生させたプラズマを、エッチング
室内のシリコン基板近傍にプラズマ集束帯として分布さ
せることを特徴としているものがある。この方法では、
プラズマ集束帯を得るために、プラズマ輸送口を充分小
さくし、またプラズマ集束帯中のプラズマ密度を増加さ
せるためにエキシマレーザ光などを照射し、光励起を起
こしている。
【0008】他の例では、特開平3−44923号公報
に開示されているように、平行平板電極構造を持つ反応
性イオンエッチング(以下RIEと表記する)装置に補
助電極を設け、その回りに回転磁界を有することを特徴
とするものがある。この例では、平行平板電極間のグロ
ー放電で発生したプラズマ中で、被エッチング基板表面
上に発生している電界と回転磁界を直交させることによ
り電子をドリフト運動させる。プラズマ中でドリフト運
動している電子はプラズマを構成している粒子と衝突し
てプラズマ密度を上昇させる。
【0009】さらに他のドライエッチングの例として
は、特開平3−30424号公報に開示されているよう
に、回転電界を有するものが上げられる。この例では、
平行平板電極構造を持つRIE装置の一方の電極に回転
電界発生用電極部を設け、チャンバー内の電界分布を回
転電界とすることにより、被エッチング基板に対するエ
ッチング作用を均一化させ、再現性の良いエッチングを
実現させるようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図3(a)〜(d)は
従来の半導体装置のトレンチホール形成と絶縁物埋設の
方法を説明するための断面図である。図3(a)に示す
ように、シリコン基板10上にトレンチホールを形成す
るためのエッチングマスクとして、フォトレジストある
いはSiO2などのマスク材料11を通常のリソグラフ
ィー技術を使用してパターニングする。この後、マスク
材料11をマスクとして開孔部(シリコン露出部)を前
述のECRドライエッチング法等で異方性エッチングす
る。
【0011】図3(b)のように側壁が垂直形状を持つ
トレンチホール12が形成される。通常のトレンチホー
ルは、開孔幅が0.5〜2μm,深さ3〜10μm程度
の溝である。トレンチホールの形成が終了したら、図3
(c)のようにマスク材料11を除去する。次に図3
(d)に示すように、トレンチホール12内にSiO2
またはPoly Siといった絶縁物13を埋設してト
レンチ素子分離領域あるいはトレンチキャパシタセル等
の形成工程は終了する。絶縁物13の形成方法は一般
に、化学気相成長法が使用される。
【0012】このような従来の半導体装置の製造方法の
欠点として、トレンチホール12の開孔部に鋭角の角部
14が発生することが上げられる。トレンチホール12
を化学気相成長法を使用して絶縁物13で埋設する場
合、トレンチホール12の開孔部が0.5〜2μmと極
めて狭く、また深さが3〜10μmと非常に深いため反
応気体分子の回り込みが悪くなり、トレンチホール12
の底部まで反応分子が届きにくくなる結果、絶縁物13
の成長速度は鋭角の角部5の部分で最も大きく、トレン
チホール12の底部に向かって深さ方向に従い徐々に小
さくなる傾向を示す。
【0013】そのためトレンチホール12の底部で充分
に絶縁物13が形成される前に鋭角の角部14の回りに
成長した絶縁物13同士が接合してしまい、トレンチホ
ール12内に反応気体分子が侵入できなくなってトレン
チホール12内にボイド(空胴)15が発生する。トレ
ンチホール12内に発生したボイド15は汚染物質のト
ラップとなり易く、また絶縁物13内に発生するクラッ
クの原因となって半導体装置の歩留りや信頼性を低下さ
せる恐れがある。
【0014】上述の不具合は、ドライエッチング法で形
成したトレンチホールの側壁が垂直であることに起因し
ている。ドライエッチング法ではトレンチホール側壁を
所望の形状に制御することが技術的課題となっている。
【0015】本発明の目的は、側壁が外広がりでなだら
かな形状をもち、その形状を任意に制御できるトレンチ
ホールを形成可能なドライエッチング装置を提供するこ
とにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係るドライエッチング装置は、エッチング
室とエキシマレーザ光源とを有するドライエッチング装
置であって、エッチング室は、内部で被エッチング物質
に電子サイクロトロン共鳴放電ドライエッチング処理が
行われるものであり、エキシマレーザ光源は、エッチン
グ室内にレーザ光を照射するものである。
【0017】また、被エッチング物質を囲むように平行
平板電極を設置し、被エッチング物質表面と平行方向に
電界を誘起しながらエッチングを実行するものである。
【0018】また、前記平行平板電極を被エッチング物
質の回りで回転させるものである。
【0019】また、前記平行平板電極に印加する電圧を
エッチング時間の関数として制御するものである。
【0020】
【作用】電子サイクロトロン共鳴放電ドライエッチング
装置のエッチング室にエキシマレーザ光を照射しなが
ら、被エッチング基板を囲むように設置した平行平板電
極より被エッチング基板表面と水平方向に電界を誘起す
る方法を採用することにある。すなわち、エッチング室
に導入した3フッ化塩素気体にエキシマレーザ光を照射
することでイオン化し、発生した陰イオンを水平方向の
回転電界で加速してシリコン表面に吸着させ、サイドエ
ッチングする現象を利用している。
【0021】
【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。図1は、本発明をECRドライエッチング装置に適
用した一例を示す図である。
【0022】図において、本発明の装置は、プラズマ生
成室1とエッチング室2より構成されており、プラズマ
生成室1上部にはマイクロ波発振器3とマイクロ波導波
管4が取り付けられている。
【0023】プラズマ生成室1内とエッチング室2内の
圧力は、真空排気ポンプ5より真空排気され、0.1P
aの圧力に保たれている。プラズマ生成室1内には、H
Brボンベ6よりHBr気体を導入する。HBr気体の
流量は、マスフローコントローラ7で5cm3/分に制
御する。プラズマ生成室1の周囲を囲むように設置した
マグネットコイル8は、プラズマ生成室1の上部で最大
強度を持ち、プラズマ生成室1下部すなわちイオン引き
出し電極9の方向に向かって弱くなる発散磁界を形成し
ている。
【0024】マイクロ波発振器3より周波数2.45G
Hz,出力250Wのマイクロ波を発生し、マグネット
コイル8より磁束密度875Gaussの磁界を励起す
れば、電子サイクロトロン共鳴条件が満足され、HBr
気体が効率良くプラズマ化される。発生した高密度プラ
ズマ中の陽イオン(Br+)は電子サイクロトロン共鳴
条件下で反磁性化した電子と発散磁界の相互作用により
発生した両極性電界により垂直下向きに加速される。加
速された陽イオンはイオン引き出し電極9を通過してエ
ッチング室2に導入される。ここまでの技術は公知のも
のである。
【0025】以下では本発明におけるECRドライエッ
チング装置の構成及びそれによって得られる特異的効果
について説明を行う。
【0026】本発明では、3フッ化塩素(以下ClF3
と記述する)ボンベ16よりClF3 気体をエッチング
室2内に導入する。ClF3気体の流量はマスフローコ
ントローラ7により1cm3/分に制御してある。エッ
チング室2内には、エッチング室2の側壁に設けられた
石英窓17を通して、XeClエキシマレーザ光源18
よりエキシマレーザ光を照射する。
【0027】エキシマレーザ光は、シリコン基板10の
表面を覆うように照射するものとする。導入されたCl
3気体は、エキシマレーザ光照射により電子励起ある
いは振動励起されてついには光分解する。光分解したC
lF3気体中には、イオン,ラジカル,中性原子等の粒
子が多数存在しているが、ここでは荷電粒子であるイオ
ンに注目する。イオン化したClF3気体中には、塩素
イオン(Cl-),フッ素イオン(F-)が多数存在す
る。
【0028】本発明では、シリコン基板10を囲むよう
に平行平板電極19が設けてあり、直流電源20より直
流電圧を平行平板電極19に印加すれば、シリコン基板
10表面と平行方向に電界が誘起される。プラズマ生成
室1より導入されたBr+イオンの垂直異方性エッチン
グにより、シリコン基板10上にトレンチホールを形成
している途中で上述のようにシリコン基板10の表面方
向に電界を誘起すると、光分解で発生したCl-,F-
水平方向の加速度を得た結果、トレンチホール側壁に衝
突することになる。
【0029】トレンチホール側壁に衝突したCl-やF-
は正電荷を有するシリコン格子中に引き込まれる。トレ
ンチホール側壁を構成しているシリコン格子中に引き込
まれたCl-,F-は次式に従って蒸気圧の高い4塩化ケ
イ素(SiCl4),4フッ化ケイ素(SiF4)を形
成,脱離させてシリコン格子をエッチングする。
【0030】 Si+4Cl- → SiCl4 式(2) Si+4F- → SiF4 式(3)
【0031】このように水平方向の電界で加速されたC
-,F-は、トレンチホール側壁を攻撃して、サイドエ
ッチングを発生させる効果がある。平行平板電極19を
シリコン基板10の周囲で、10rpmの速度で機械的
に回転させることにより、サイドエッチング量の面内均
一性を向上させていることも本発明の特徴の一つであ
る。
【0032】なお、プラズマ室1より導入されるBr+
イオンも回転電界により水平方向の加速度を受けること
になるが、電子サイクロトロン共鳴現象によって発生し
た両極性電界による垂直方向への加速度の方が100倍
以上大きいために、その影響はほとんどない。従って、
Br+イオンはシリコン基板をスパッタエッチングし
て、垂直異方性のエッチング形状を残すだけで、回転電
界のイオン加速によるサイドエッチングとは全く独立の
成分と考えて差し支えない。
【0033】回転電界によるサイドエッチングのエッチ
ング速度は、トレンチホール側壁へのイオンの衝突効率
によって決定される。衝突効率は回転電界の電界強度に
影響を受けると考えられるので、結局サイドエッチング
速度は平行平板電極19への電圧印加量で決定される。
実際には、本発明のドライエッチング装置で直流電源2
0の電圧印加量とトレンチホールのサイドエッチング速
度の関係は図4のようになる。図4より明らかなよう
に、電圧印加量が500V以下の領域では、サイドエッ
チング速度が電圧に比例して直線的に増加する直線領域
である。
【0034】電圧印加量が500Vを超えるとトレンチ
ホール側壁を攻撃するイオン数が飽和して、サイドエッ
チング速度も直線的な増加を示さなくなる。なお、直線
領域の傾きγは平行平板電極19の間隔に依存する。本
発明の場合、平行平板電極19の間隔は250mmにし
ている。直線領域でのサイドエッチング速度f[オング
ストローム・min-1]と電圧印加量V[v]の間に
は、 f=γv (v≦500v) 式(4) という関係がある。γは定数で、本発明の場合はγ=
0.6オングストローム・min-1・v-1である。
【0035】本発明のECRドライエッチング装置を用
いて、単結晶シリコン基板上にトレンチホールを形成し
た場合の、トレンチホール側壁の形状について考察す
る。図5はトレンチホール側壁の形状を導出するための
断面図である。シリコン基板10上にトレンチホールを
形成するためのマスク材料11(フォトレジスト又はS
iO2膜)がパターニングされている。
【0036】シリコン基板10上にトレンチホール12
を開孔した場合のトレンチホール側壁の形状をマスク材
料11の下部より垂直下向きに測定した距離xの関数F
(x)とする。トレンチホール12の深さをTとすれば、
(x)は0≦x≦Tの範囲で定義されるxの関数であ
る。0≦x≦Tの範囲内のある垂直深さxでのサイドエ
ッチング量F(x)は、深さxを垂直にエッチングするの
に要した時間をtxとすると、
【0037】
【式1】
【0038】である。fはサイドエッチングのエッチン
グ速度,ttotalはエッチングを開始してから終了する
までの全エッチング時間である。今、fは時間によらず
一定、すなわち平行平板電極19への電圧印加量を一定
にしてエッチングを行うとすると、F(x)は、 F(x)=f{ttotal−tx} 式(6) となる。プラズマ室1より導入されたBr+イオンによ
る異方性エッチングのエッチング速度をβとすると、 ttotal=T/β , tx =x/β 式(7) になり、式(3),式(7),を式(6)に代入してF
(x)を求めると、 F(x)=(γv/β)(T−x) 式(8) となる。式(8)より、トレンチホール側壁は直線的な
テーパー形状となっていることがわかる。側壁の傾斜角
をθとすると、θは次式で与えられる。
【0039】 θ=tan-1(β/γv) 式(9)
【0040】プラズマ室1より導入されたBr+イオン
による異方性エッチングのエッチング速度βは本発明の
場合、5000オングストローム・min-1であり、γ
=0.6オングストローム・min-1・v-1であるの
で、トレンチホール側壁のテーパー角θは電圧印加量v
のみに依存する量であることがわかる。すなわち本発明
では、トレンチホールの側壁テーパー角を平行平板電極
19への電圧印加量vによって自在に制御可能となって
いる。図6は本発明における電圧印加量vと側壁テーパ
ー角θの関係を表わしている。図6より理解されるよう
に、本発明では電圧印加量vによって側壁テーパー角を
86.5°〜90°の間で任意に制御できる。この結
果、外広がりなテーパー形状の側壁を持ち、開口部の角
部が鈍角である従来の方法では得られなかった形状のト
レンチホールを得ることが可能となる。
【0041】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。図1の直流電源20の電圧をエッチング時間の関数
として制御する。平行平板電極19の電圧印加量vをエ
ッチング時間tの指数関数として制御しようとすると、 V(t)=V0 exp(−αt) (α>0,V0≦500v) 式(10) という式でVを記述することができる。V(t)はエッチ
ング時間とともに緩やかに減衰する量であり、t=0で
の初期電圧V0を500v以下と定義すれば、V(t)
常に図4の直線領域内の値をとる。そのため、サイドエ
ッチング速度fと電圧印加量V(t)の間には式(4)の
関係が成立し、サイドエッチング速度fも次式で関係づ
けられるエッチング時間の関数となる。
【0042】 f(t)=γV0 exp(−αt) 式(11)
【0043】式(5)に式(4)及び式(11)を代入
して積分をとけば、トレンチホール側壁の形状F(x)
次式のようなxの関数となる。
【0044】
【式2】
【0045】式(12)より、本実施例ではトレンチホ
ールの側壁は指数関数の曲率を持つ外広がりでなだらか
な形状となっていることが理解できる。本実施例の場
合、側壁の曲率は初期電圧V0(≦500v)と減衰率
α(≧0)を選択することで任意に制御できる。すなわ
ち、側壁の形状,曲率は垂直深さ方向の距離xの関数と
して任意にデザイン可能である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、電子サイ
クロトロン共鳴放電エッチング装置のエッチング室にエ
キシマレーザ光を照射しながら、被エッチング基板を囲
むように設置した平行平板電極より被エッチング基板表
面と水平方向に電界を誘起してサイドエッチングを促進
させることにより、エッチングしたトレンチホールの側
壁をテーパー形状にすることができるという効果があ
る。
【0047】また、平行平板電極への電圧印加量をエッ
チング時間の関数として制御すれば、外広がりでなだら
かな曲率を持つ側壁を形成することも可能である。さら
にトレンチホール側壁のテーパー角,曲率等の形状は垂
直深さ方向の関数として任意にデザインできるという利
点もある。
【0048】本発明で得られる特異的な効果のため、ト
レンチホール開口部の角部は鈍角となり、また側壁が外
広がりでなだらかなテーパー形状となっているために、
後工程の絶縁膜形成で、反応気体分子がトレンチホール
の奥深くまで回り込んで成長可能となり、絶縁膜の段差
被覆性が良好となる。そのためボイドの発生がなくな
り、絶縁物内のクラック等の不具合発生もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す断面図である。
【図2】従来のECRドライエッチング装置を示す断面
図である。
【図3】従来の半導体装置の製造方法の一部を示す断面
図である。
【図4】平行平板電極の電圧印加量とサイドエッチング
速度の関係を表わすプロット図である。
【図5】トレンチホールの側壁形状を示す断面図であ
る。
【図6】平行平板電極の電圧印加量と側壁テーパー角の
関係を表わすプロット図である。
【符号の説明】
1 プラズマ生成室 2 エッチング室 3 マイクロ波発振器 4 マイクロ波導波管 5 真空排気ポンプ 6 HBrボンベ 7 マスフローコントローラ 8 マグネットコイル 9 イオン引き出し電極 10 シリコン基板 11 マスク材料 12 トレンチホール 13 絶縁物 14 鋭角の角部 15 ボイド(空胴) 16 ClF3ボンベ 17 石英窓 18 XeClエキシマレーザ光源 19 平行平板電極 20 直流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G01N 24/14 G01R 33/64

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エッチング室とエキシマレーザ光源とを
    有するドライエッチング装置であって、 エッチング室は、内部で被エッチング物質に電子サイク
    ロトロン共鳴放電ドライエッチング処理が行われるもの
    であり、 エキシマレーザ光源は、エッチング室内にレーザ光を照
    射するものであることを特徴とするドライエッチング装
    置。
  2. 【請求項2】 被エッチング物質を囲むように平行平板
    電極を設置し、被エッチング物質表面と平行方向に電界
    を誘起しながらエッチングを実行することを特徴とする
    請求項1に記載のドライエッチング装置。
  3. 【請求項3】 前記平行平板電極を被エッチング物質の
    回りで回転させることを特徴とする請求項2に記載のド
    ライエッチング装置。
  4. 【請求項4】 前記平行平板電極に印加する電圧をエッ
    チング時間の関数として制御することを特徴とする請求
    項2に記載のドライエッチング装置。
JP4320870A 1992-11-30 1992-11-30 ドライエッチング装置 Expired - Fee Related JPH07123116B2 (ja)

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JP2014527257A (ja) * 2011-06-28 2014-10-09 エムティーアイエックス リミテッド 複数の結合されたエネルギー源を用いた材料の表面処理方法及び装置。
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