JPH06168632A - 難燃性絶縁電線 - Google Patents

難燃性絶縁電線

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JPH06168632A
JPH06168632A JP4320690A JP32069092A JPH06168632A JP H06168632 A JPH06168632 A JP H06168632A JP 4320690 A JP4320690 A JP 4320690A JP 32069092 A JP32069092 A JP 32069092A JP H06168632 A JPH06168632 A JP H06168632A
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JP4320690A
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Shigeru Kashiwazaki
茂 柏崎
Norio Takahata
紀雄 高畑
Yasuo Ota
康夫 太田
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Hitachi Cable Ltd
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は良好な難燃性を維持しつつ、
電線外観を良好に保つことができると共に絶縁抵抗の低
下を著しく低減した新規な難燃性絶縁電線を提供するも
のである。 【構成】 本発明は導体周囲に内層絶縁体を被覆すると
共に、該内層絶縁体の周囲に外層絶縁体を被覆した2層
絶縁体構造の難燃性絶縁電線において、上記内層絶縁体
を、ポリオレフィン中に少なくともハロゲン系難燃剤と
アンチモン化合物を混和したポリオレフィン難燃組成物
で形成すると共に、上記外層絶縁体を、ポリマ中に、少
なくともアンチモン化合物を混和しハロゲン系難燃剤を
混和しないポリマ組成物で形成することを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導体周囲に2層構造の絶
縁体を被覆した難燃性絶縁電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、エチレン共重合体等のポ
リオレフィンは電気絶縁性に優れているため、電線用絶
縁体として広く用いられているが、反面、熱に弱く、溶
融流動すること、燃えやすい、といった欠点も有してい
る。
【0003】従来、この溶融流動は有機過酸化物、放射
線等による架橋処理で防止でき、また、可燃性は難燃剤
の添加により、燃焼防止することが知られている。
【0004】また、この難燃剤としては有機ハロゲン系
難燃剤と酸化アンチモンを組み合わせた難燃システムが
広く利用されており、目的に応じて種々のハロゲン系難
燃システムが製品化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したハ
ロゲン系難燃剤とアンチモン化合物は燃焼防止に極めて
有効であるが、所望の難燃性を得るために、一般にポリ
オレフィン中に10〜150重量部と多重混和する必要
がある。このため、電線製品においては押出表面が荒れ
る外観不良、微少荒れによる表面印刷文字の乱れ及び長
期保管時のブリードアウトやブルーミングを生じ、製品
価値を低下させてしまう欠点を有していた。特にパーオ
キサイドや放射線による架橋処理を施した電線において
はブリードアウト、ブルーミングが一層生じやすい欠点
を有していた。
【0006】そこで、本発明は上述した問題点を有効に
解決するために案出されたものであり、その目的は良好
な難燃性を維持しつつ、電線外観を良好に保つことがで
きると共に絶縁抵抗の低下を著しく低減した新規な難燃
性絶縁電線を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第一の発明は導体周囲に内層絶縁体を被覆すると共
に、該内層絶縁体の周囲に外層絶縁体を被覆した2層絶
縁体構造の難燃性絶縁電線において、上記内層絶縁体
を、ポリオレフィン中に少なくともハロゲン系難燃剤と
アンチモン化合物を混和したポリオレフィン難燃組成物
で形成すると共に、上記外層絶縁体を、ポリマ中に、少
なくともアンチモン化合物を混和しハロゲン系難燃剤を
混和しないポリマ組成物で形成するものである。
【0008】る。
【0009】すなわち、本発明者らは電線の表面外観荒
れ、あるいはブリードアウト、ブルーミングの欠点を解
消するために鋭意検討した結果、ハロゲン系難燃剤とア
ンチモン化合物を同時に含む組成物においては、程度の
差はあれ、上記欠点が解消できないこと、また、アンチ
モン化合物を含みかつハロゲン系難燃剤を含まない組成
物は上記問題を全く生じないことを見出した。これは、
加工中にハロゲンとアンチモンの反応してハロゲン系難
燃剤表面をハロゲン化アンチモンが覆う形になりハロゲ
ン系難燃剤のブルーミング、ブルームを促進して電線外
観上の問題を引き起こす原因の一つとなっていると思わ
れる。
【0010】そして、この対策を進めた結果、絶縁体外
層にハロゲン系難燃剤を存在させなくともアンチモン化
合物を多く添加した2層絶縁構造とすることで充分に燃
焼防止ができること、また、絶縁体外層にハロゲン化ポ
リマ等のポリマとアンチモン化合物の組み合わせにおい
ては、ブリードアウト、ブルーミングを生じないこと、
絶縁体内層に適度な難燃性を付与すればハロゲン化ポリ
マ等のポリマにアンチモン化合物を添加しただけの外層
でも高度の難燃性を付与できることを突き止めた。これ
はハロゲン化アンチモンをポリマ間に生じても低分子の
難燃剤と異なり、ブリードやブルーミングせず、また、
アンチモン化合物自身は非常に重くブリードやブルーミ
ングが生じにくいからと考えられる。また、さらに、内
層断面積を外層断面積の3倍以上とすることで実質的に
ハロゲン系難燃剤とアンチモン化合物の1層絶縁電線と
同等の難燃性を付与することを見出だした。
【0011】そこで、以上に基づき絶縁体内層を、有機
ハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモンで難燃化したポリ
オレフィン難燃組成物で形成し、問題となる絶縁体外層
を、この有機ハロゲン系難燃剤を含めずに、ハロゲン系
ポリマ等のポリマと三酸化アンチモンからなるポリマ組
成物で形成した2層絶縁体電線を製作したところ、電気
特性、難燃性及び数年に及ぶ保管後も全くブリード、ブ
ルームを生ずることなく良好な電線を得られること、ま
た、内層断面積が外層断面積の3倍以上であれば、実質
的に内層絶縁体の難燃性が得られること、外層絶縁体の
酸素指数は好ましくは23以上であれば垂直難燃試験レ
ベルの難燃試験に合格可能であること等を確認し、本発
明に至った。尚、ハロゲン化ポリマとアンチモン化合物
からなる単層絶縁電線は電気特性が大きく低下するので
使用が限定される。
【0012】また、これらハロゲン系難燃剤、アンチモ
ン化合物、ハロゲン化ポリマを具体的に挙げると、先
ず、ハロゲン系難燃剤としては臭化アンモニウム、塩化
アンモニウム、2−クロルテトラブロモブタン、2,2
−ビス [p−(クロロホルミルオキシ)フェニル−3]
プロパン、1,2−ジブロモ−3−クロロプロパン、
1,2,3−トリブロモプロパン、1,1,2,2−テ
トラブロモエタン、テトラブロモブタン、ヘキサブロモ
シクロドデカン、ヘキサブロモオクタン、ヘキサブロモ
ブタン、ペンタブロモシクロヘキサン、トリブロモトリ
クロロヘキサン、ペンタブロモクロロシクロヘキサン、
1,2−ジブロモ−1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−
ジブロモフェニル)プロパン、ビニルクロロアセテー
ト、2,4,6−トリブロモフェニルメタクリレート、
2,3,3′−トリブロモアリルホーメート、2,2−
ジブロモプロピルメタクリレート、ビス(2,3−ジブ
ロモプロピル)−2,3−ジブロモフマレート、トリブ
ロモフェニルアクリレート、クロロエンド酸、クロロエ
ンド酸ジアリル、無水クロロエンド酸、ブロモスチレ
ン、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタ
ル酸、クロロプロパンジオール、3−ブロモ−2,2−
ビス(ブロモメチル)プロパノール、2,2−ジブロモ
ブテン1,4−ジオール、トリブロモフエノール、ジブ
ロモネオペンチルグリコール、トリブロモネオペンチル
アルコール、2,3−ジブロモプロパノール、2,3,
3′−トリブロモアリルアルコール、クロロペンタブロ
モフェニルアリルエーテル、ペンタクロロフェノキシグ
リセリンエーテル、ブロモフェニルアリルエーテル、ト
リブロモフェノールアリルエーテル、ペンタブロモフェ
ノールアリルエーテル、ペンタブロモフェニルアリルエ
ーテル、ブロモアルケニルエーテル、ソルビトール−
1,6−ビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテル、
デカブロモジフェニルエーテル、1,2−ビス(2,
3,4,5,6−ペンタブロモフェノキシ)エタン、ヘ
キサブロモジフェニルエーテル、ジブロモクレジルグリ
シジルエーテル、ペンタブロモアリルエーテル、1,2
−ジブロモプロピル−トリブロモフェニルエーテル、デ
カクロロジフェニルカーボネート、デカブロモフェニル
カーボネート、2,3,3−トリブロモアリルカルボキ
シレート、2,3,5,6,2′,2′,5′,6′−
オクタクロロ−4,4′−ジオキシジフェニル、テトラ
ブロモベンゼン、α,β−ジブロモエチルベンゼン、2
−ブロモ−α,β−ジブロモエチルベンゼン,ヘキサブ
ロモベンゼン、パーックロロペンタシクロデカン、ドデ
カクロロドデカヒドロジメタノジベンゾシクロオクテ
ン、ドデカクロロオクタヒドロメタノジベンゾフラン、
テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェ
ノールAジエトキシレート、ビス(2−ヒドロキシエチ
ルエーテル)テトラブロモビスフェノールA、テトラブ
ロモビスフェノールA、ビス(2,3−ジ−ブロモプロ
ピルエーテル)、テトラブロモジフェニルスルフォン、
テトラブロモジフェニルスルフォンビス(2,3−ジ−
ブロモプロピルエーテル)、デカブロモジフェニルオキ
シド、ペンタブロモトルエン、トリブロモアニリン、ア
セチレンテトラブロミド、1−(p−トシル)−3−
(2−ブロモ−4,4,4−トリクロロブチル)尿素、
2,3−ジブロモプロパノールエステル、塩素化パラフ
ィン等が挙げられ、また、アンチモン化合物としては三
酸化アンチモン、四酸化アンチモン、三硫化アンチモ
ン、五酸化アンチモン、アンチモン酸カリウム、アンチ
モン酸ナトリウム等が挙げられ、さらに、ハロゲン化ポ
リマとしては塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポ
リエチレン、塩素化ポリプロピレン等を挙げることがで
きる。
【0013】
【作用】本発明は上述したような構成であるため、高度
の難燃性を保持ししつ、良好な外観及び絶縁抵抗を発揮
することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を詳述する。
【0015】図1は本発明に係る難燃性絶縁電線1を示
す拡大断面図であり、導体2の周囲に内層絶縁体3を被
覆し、さらに、この内層絶縁体3の周囲に外層絶縁体4
を被覆して形成されている。
【0016】この難燃性絶縁電線1は図2に示す押出被
覆装置5によって製作される。この押出し被覆装置5
は、ポリオレフィン難燃組成物aを供給する内層供給路
6と、ポリオレフィン組成物bを供給する外層供給路7
が形成された押出しダイ8中に、電線(導体2)を通過
させる押出しニップル10を一体的に形成したものであ
り、図示するように、押出しニップル10を通過した電
線は先ず、その周囲に、内層供給路6から供給されるポ
リオレフィン難燃組成物aによって被覆されて内槽絶縁
体3が形成された後、その周囲に、外層供給路7から供
給されるポリマ組成物bによって被覆されて外層絶縁体
4が形成されることになる。
【0017】尚、ポリオレフィン中への難燃剤の添加は
ミキシングロール、バンバリミキサ、加圧ニーダ等によ
る溶融混練で容易に達成できる。
【0018】以下、本発明を表1に示す実施例及び比較
例により詳しく説明する。
【0019】
【表1】
【0020】(実施例1)ポリオレフィンのうち、低密
度ポリエチレンとしてUBEC450(密度0.92
2、メルトインデックス1.0g/10min,宇部興
産)100重量部に、ハロゲン系難燃剤としてデカモジ
フェニルエーテルを50重量部と三酸化アンチモン30
重量部、酸化防止剤としてイルガノックス1010(チ
バカイギ社)0.3重量部を混和し、内層絶縁体となる
ポリオレフィン難燃組成物を形成した。同じくUBEC
450 100重量部に、三酸化アンチモン30重量部
と酸化防止剤を0.3重量部、混和し、外層絶縁体とな
るポリオレフィン組成物を形成した。これを用いて図2
に示す押出被覆装置5に40mm押出機と30mm押出
機(外層用)を配置して170℃で引取速度200m/
minで外径φ1.2mmの導体上に内層絶縁厚0.4
mm、外層絶縁厚0.1mmで被覆し、次いで、加速電
圧0.8MVの電子線で15Mrad照射して架橋させ
て2層絶縁電線を得た。この時、内層絶縁体の断面積は
外層絶縁体の3倍に設定した。
【0021】そして、電線の外観、荒れ、目視及び微少
荒れを60倍の光学顕微鏡で観察した結果、非常に平滑
な表面であった。また、電線を加速電圧100万ボルト
の電子線により20Mradの線量で架橋した。架橋電
線を70℃湿度90%の条件で14日、放置後表面状態
の変化を観察した結果、ブリード、ブルームは認められ
なかった。また、難燃性の評価はアメリカUL規格、U
L−44記載のVW−1(垂直燃焼)に準じて行い、6
0秒以内で消炎するかどうかで判定した結果、着火終了
後数秒以内で消炎し、合格した。
【0022】(実施例2)実施例1の内層絶縁体を用
い、外層絶縁体の三酸化アンチモン量を15重量部に減
量した以外は全て実施例1と同様にして2層絶縁電線を
得た。その結果、電線表面は平滑でブリード、ブルーム
も生じなかった。難燃剤はJIS−C3005の水平難
燃試験法で30秒以内に消炎するかどうかで評価した結
果、5秒で消炎し、合格した。
【0023】(実施例3)ポリオレフィンとしてエチレ
ン酢酸ビニルコポリマ(VA量15%、密度0.93、
メルトインデックス1.5g/10min、住友化学社
エバネートH2020)100重量部に、デクロランプ
ラス25(アメリカ、フッカーケミカル社、パークロロ
シクロペンタデカン)40重量部、三酸化アンチモン3
0重量部、イルガノックス1010 0.5重量部、ス
テアリン酸0.5重量部を均一に混合し、内層絶縁体と
した。外層絶縁体は低密度ポリエチレン100重量部
に、三酸化アンチモン30重量部、イルガノックス10
10 0.5重量部、ステアリン酸0.5重量部とし
た。他は実施例1と同様にして電線を製造し、2層絶縁
電線を得た。そして、実施例1と同様にして試験したと
ころ、外観も良好でブリードブルームも無く、垂直難燃
試験にも合格した。
【0024】(実施例4)ポリオレフィンとしてミラソ
ン3530(密度0.924,メルトインデックス0.
3g/10min、三井,デュポンポリケミカル社)1
00重量部に、デクロランプラス25 20重量部、デ
カブロモジフェニルエーテル30重量部、三酸化アンチ
モン50重量部と、イルガノックス1010 0.3重
量部、DSTP(吉富製薬)0.5重量部と、三塩基性
硫酸鉛(水沢化学社)3重量部、エピコート828(チ
バガイギー社)2重量部を3L加圧ニーダ170℃で均
一に混合し、内層絶縁体とした。一方、ポリオレフィン
として酸素指数が23以上の塩化ポリウレタンエラスレ
ン202B(塩素量23%,比重1.13,メルトフロ
ーレート7g/10min,180℃,21,6Kg)
100重量部に、三酸化アンチモン10重量部とイルガ
ノックス1010 0.2重量部、DSTP0.3重量
部、三塩基性硫酸鉛2重量部、エピコート828 1重
量部、ステアリン酸カルシウム0.5重量部を添加して
同じく3L加圧ニーダで均一に170℃で混合し、外層
絶縁体とし、実施例1と同様な方法で、外径1.5mm
のスズメッキ銅線上に170℃で内層絶縁体を厚さ0.
85mm外層絶縁体を厚さ0.19mmで被覆した。次
いで、加速電圧0.8MVの電子線で15Mrad照射
して架橋させ、2層絶縁電線を得た。
【0025】そして、この電線を25〜30℃の室内に
6ケ月間放置後、表面のブリード、ブルームの状況を目
視で調べた結果、ブリード、ブルームは全く生じなかっ
た。また、難燃性について垂直燃焼試験を行ったとこ
ろ、数秒で消炎し、合格した。また、この時の内層絶縁
体と外層絶縁体の断面積比率は3:1であった。また、
電線の絶縁抵抗を測定したところ室温で8×1015Ω・
cmであった。
【0026】(実施例5)実施例4の内層絶縁体を用
い、外層絶縁体の三酸化アンチモン10重量部を25重
量部に増量した外層材料を用いて内層絶縁厚0.8m
m、外層絶縁厚0.24mmとして外径1.5mmのス
ズメッキ銅線上に被覆して15Mradの電子線照射を
行い2層絶縁電線を得た。その結果6ケ月後も全くブリ
ード、ブルームを生ぜず、垂直燃焼試験にも合格した。
また、絶縁抵抗は5×1015Ω・cmであり、内層及び
外層の断面積比は3:2である。
【0027】(実施例6)実施例4の外層絶縁体を、エ
ラスレン202Bの代りにエラスレン303B70重量
部とエバフレックス30重量部の併用とした以外は実施
例4と全く同様にして2層絶縁電線を製造した。その結
果、内外層の接着に優れ、6ケ月後も全くブリードブル
ームを生ぜず、垂直燃焼試験にも合格した。絶縁抵抗は
8.1×1015Ω・cmであった。
【0028】(比較例1)実施例1において、内層絶縁
体、外層絶縁体の断面積比を2:1とした以外は全て同
様にして2層絶縁電線を得た。その結果、外観も平滑で
ブリードブルームも全く生じなかった。難燃性は、水平
及び垂直難燃試験で評価した結果、水平難燃試験には合
格したが、実施例1と異なり、垂直難燃試験には合格し
なかった。しかしながら、水平難燃も目的には十分対応
できる。また、実施例1との比較から明らかなように、
内層絶縁体断面積を外層絶縁体断面積の3倍以上とする
ことが好ましいのはいうまでもない。
【0029】(比較例2)実施例1の内層絶縁体材料単
独と外径φ1.2mmの導体を用い、実施例1と同様に
して絶縁体厚0.5mmの1層絶縁電線を製造した。そ
の結果、難燃性は良好だが電線外観が荒れたばかりでな
くブルームも生じた。
【0030】(比較例3)実施例2の内層絶縁体材料単
独と外径φ1.2mmの導体を用い、実施例2と同様に
して絶縁体厚0.5mmの1層絶縁電線を製造した。そ
の結果、比較例1と同様に難燃性は良好だが電線外観が
荒れたばかりでなくブルームが生じた。
【0031】(比較例4)実施例1の外層絶縁体に、ポ
リエチレン単独組成を用いた以外は実施例1と全く同様
にして2層絶縁電線を製造した結果、電線外観は極めて
平滑でブリードやブルームは全く生じなかった。しかし
難燃試験において不合格となった。
【0032】(比較例5)実施例3の外層絶縁体のテク
ロランプラス25、30重量部を15重量部に減らすと
共に、三酸化アンチモンを15重量部とした以外は全て
同様にして2層絶縁電線を製造した。
【0033】その結果、垂直難燃試験には合格したもの
の外観の乱れとブリードブルームが多く発生した。
【0034】(比較例6)実施例4の外層絶縁体の三酸
化アンチモンを40重量とし、内層絶縁厚を0.8m
m、外層絶縁厚を0.24mmとした以外は全く同様に
して2層絶縁電線を製造した。その結果、ブリード、ブ
ルームは全く生ぜず、垂直燃焼試験にも合格した。内層
及び外層の断面積比は3:2である。尚、実施例4の外
層及び内層絶縁体を用いて実施例4の構造寸法の2層絶
縁電線の難燃性を調べた結果、垂直燃焼試験に不合格と
なった。
【0035】(比較例7)実施例4の内層材料を外径
1.5mmのスズメッキ銅線上に絶縁厚1.04mmで
被覆し、15Mradの電子線照射を行い、1層絶縁電
線を得た。その結果、垂直燃焼試験には合格したが、6
ケ月放置したところ、表面に著しいブルームを生じ、手
で触れると指が白くなるほどであった。また、絶縁抵抗
は8.3×1015Ω・cmであった。
【0036】(比較例8)実施例4の外層材料を絶縁厚
1.04mmに被覆押出した以外は実施例4と全く同様
にして2層絶縁電線を得た。ブルームブリードは全く生
じなかったが垂直燃焼試験では不合格となった。また、
絶縁抵抗は3.2×1011Ω・cmと著しく低い値とな
り、電線としての使用が不可能である。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、高
度の難燃性を保持ししつ、良好な外観及び絶縁抵抗を発
揮することができる等といった優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す拡大断面図である。
【図2】本発明に用いる押出被服装置の一実施例を示す
概略図である。
【符号の説明】
1 難燃性絶縁電線 2 導体 3 内層絶縁体 4 外層絶縁体 a ポリオレフィン難燃組成物 b ポリオレフィン組成物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体周囲に内層絶縁体を被覆すると共
    に、該内層絶縁体の周囲に外層絶縁体を被覆した2層絶
    縁体構造の難燃性絶縁電線において、上記内層絶縁体
    を、ポリオレフィン中に少なくともハロゲン系難燃剤と
    アンチモン化合物を混和したポリオレフィン難燃組成物
    で形成すると共に、上記外層絶縁体を、ポリマ中に、少
    なくともアンチモン化合物を混和しハロゲン系難燃剤を
    混和しないポリマ組成物で形成することを特徴とする難
    燃性絶縁電線。
  2. 【請求項2】 上記外層絶縁体を、ハロゲン化ポリマ中
    に、少なくともアンチモン化合物を混和しハロゲン系難
    燃剤を混和しない組成物で形成することを特徴とする請
    求項1記載の難燃性絶縁電線。
  3. 【請求項3】 上記ハロゲン化ポリマが塩素化ポリエチ
    レンまたは塩素化ポリエチレンとポリエチレン、エチレ
    ン共重合体のうち、少なくとも1種類以上の混合物であ
    ることを特徴とする請求項2記載の難燃性絶縁電線。
  4. 【請求項4】 上記内層絶縁体の断面積を、上記外層絶
    縁体の断面積の3倍以上に形成することを特徴とする請
    求項1〜3いずれか記載の難燃性絶縁電線。
  5. 【請求項5】 上記外層絶縁体を酸素指数が23以上の
    組成物で形成することを特徴とする請求項1〜4いずれ
    か記載の難燃性絶縁電線。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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