JPH06166767A - ポリオレフィン系樹脂発泡体 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂発泡体

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JPH06166767A
JPH06166767A JP32168092A JP32168092A JPH06166767A JP H06166767 A JPH06166767 A JP H06166767A JP 32168092 A JP32168092 A JP 32168092A JP 32168092 A JP32168092 A JP 32168092A JP H06166767 A JPH06166767 A JP H06166767A
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JP
Japan
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foam
crosslinking
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extraction
value
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JP32168092A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Arai
俊弘 新井
Eiichi Takahashi
栄一 高橋
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐圧、耐熱性に優れ、気泡保持特性の良好な
ポリオレフィン系樹脂発泡体を提供する。 【構成】 ポリオレフィン系樹脂に発泡剤及び架橋剤そ
の他の添加剤を配合して溶融混練し、シート状に押出し
て得た発泡性シートに放射線を照射して架橋させ、さら
にこれを加熱発泡させてなるポリオレフィン系樹脂発泡
体において、発泡体を120℃に加熱したキシレン中で
24時間抽出した後の架橋度(前記抽出後の不溶部分の
重量%の値)Aの値が20〜70の範囲であり、且つ同
様の操作で72時間抽出後の架橋度Bの値と架橋度Aの
値とが0.75A<B≦Aなる関係を有する。また、発
泡体全体の架橋度Cの値が30〜70の範囲であり、且
つ該発泡体の一主面から厚さ0.5mm毎にスライスし
た場合の各領域毎の架橋度D1,D2,D3,・・・のう
ちの任意の値Dkと前記架橋度Cの値とが0.8C≦Dk
≦1.2Cなる関係を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィン系樹脂
発泡体に関する。より詳しくは、表皮強度、耐熱性、成
形性に優れたポリオレフィン系樹脂発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン樹脂発泡体やポリプロピレ
ン樹脂発泡体等のポリオレフィン系樹脂発泡体は、土
木、建築、車輌工業等の各種の分野で断熱材、防水剤、
保温剤、パッキン材等の基本素材として使用され、また
真空成形、スタンピング成形等の各種の成形法により成
形されて特に車輌の天井材やドア材等として使用され
る。
【0003】上記のようなポリオレフィン系樹脂発泡体
は、主原材料となる樹脂に分解型発泡剤をその分解温度
以下で溶融混練し、この組成物をシート状に押出加工し
て発泡性シートとし、さらにその発泡性シートに電子線
又は放射線を照射して架橋せしめ、次いで前記発泡性シ
ートを加熱炉内に通して加熱発泡させて製造される。
【0004】このようなポリオレフィン系樹脂発泡体
は、成形性が良く、特に車輌の天井材やドア材等の内装
材として使用されていることは上述した通りである。し
かし、このような発泡体は単独で使用される場合は少な
く、PVC(ポリ塩化ビニル)やTPO(熱可塑性ポリ
オレフィン)やポリオレフィンエラストマー等からなる
表皮材を発泡剤の表面に貼り合わせて用いられることが
多い。
【0005】よって、技術は例えば特開昭62−149
431号公報、特開昭62−18437号公報、特開平
1−163225号公報に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ポリオレフィン系樹脂
発泡体は、近年の成形技術の進歩やより複雑な形状成形
化あるいは工数削減により、成形時に従来より大きな剪
断力が加えられたり高温に加熱されることが多くなって
いる。しかし、このような大きな剪断力が加えられたり
高温加熱されると、気泡破壊が生じて膨れやアバタ、ヘ
タリ等の不具合が発生するという問題点が生じていた。
【0007】また、最近のリサイクル問題の高まり等に
より、使用される表皮材もPVCからよりリサイクル性
の高いTPOに変わりつつある。このTPOと発泡体と
を貼り合わせる際にも熱ラミ気泡破壊やヘタリが生じる
という問題があった。特にTPO等の押出しラミ、マッ
チドダイ成形、スタンピン成形等においての不具合が問
題になっていた。
【0008】そこで本発明は、耐圧、耐熱性に優れ、気
泡保持特性の良好なポリオレフィン系樹脂発泡体を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討を重ねた結果、発泡体の架橋度
の経時的変化が小さければ良いことを見出し、特許請求
の範囲の請求項1に記載した発明に至った。
【0010】すなわち特許請求の範囲の請求項1に記載
した発明は、ポリオレフィン系樹脂に発泡剤及び架橋剤
その他の添加剤を配合して溶融混練し、シート状に押出
して得た発泡性シートに放射線を照射して架橋させ、さ
らにこれを加熱発泡させてなるポリオレフィン系樹脂発
泡体において、前記発泡体を120℃に加熱したキシレ
ン中で24時間抽出した後の架橋度(前記抽出後の不溶
部分の重量%の値)Aの値が20〜70の範囲であり、
且つ同様の操作で72時間抽出後の架橋度Bの値と架橋
度Aの値とが、 0.75A<B≦A なる関係を有することを特徴とするポリオレフィン系樹
脂発泡体を提供する。
【0011】発泡体を120℃中に加熱したキシレン中
で24時間抽出した後の不溶物を80℃、6時間で乾燥
させたものを元の発泡体の重さで割ったものに100を
掛けた値が架橋度Aである。同様に、72時間抽出した
場合の値が架橋度Bである。そして、0.75A<B≦
Aなる関係を満たすように発泡体の架橋度を調整する。
発泡体の架橋度を調整する方法としては、架橋剤を変更
したり、照射する電子線等の照射量を変更したり、ある
いは樹脂の種類の変更、異種樹脂の配合割合の変更等の
方法がある。
【0012】このように24時間抽出後と72時間抽出
後とで架橋度の変化が小さいということは、発泡体の架
橋構造がしっかりした化学架橋構造であり、疑似架橋で
はないということが推定され、これが良好な特性に寄与
しているものと考えられる。上記のような架橋度特性を
有する発泡体の気泡及び気泡壁は非常にしっかりしお
り、TPOの熱ラミ、押出しラミ、各種成形方法の中で
特に上下金型で重ね合わせるマッチドダイ法、スタンピ
ング成形にも安定した気泡形状を保持できる。
【0013】次に本発明者らは、発泡体の厚さ方向の架
橋度差が表皮強度、耐熱性に影響を与えることを見出
し、特許請求の範囲の請求項2に記載した発明に至っ
た。
【0014】すなわち特許請求の範囲の請求項2に記載
した発明は、ポリオレフィン系樹脂に発泡剤及び架橋剤
その他の添加剤を配合して溶融混練し、シート状に押出
して得た発泡性シートに放射線を照射して架橋させ、さ
らにこれを加熱発泡させてなるポリオレフィン系樹脂発
泡体において、前記発泡体全体の架橋度Cの値が30〜
70の範囲であり、且つ該発泡体の一主面から厚さ0.
5mm毎にスライスした場合の各領域毎の架橋度D1
2,D 3,・・・のうちの任意の値Dkと前記架橋度C
の値とが、 0.8C≦Dk≦1.2C なる関係を有することを特徴とするポリオレフィン系樹
脂発泡体を提供する。
【0015】上記各発明のポリオレフィン系樹脂発泡体
の具体的な製造方法としては、ポリプロピレン樹脂(ラ
ンダム、ブロック、ホモのいずれでも良い。M・P=1
40〜165℃、MI=0.5〜20程度が望まし
い。)50〜90重量部に対して、ポリエチレン樹脂
(LDPE(低密度ポリエチレン)、MDPE(中密度
ポリエチレン、HDPE(高密度ポリエチレン)、L−
LDPE(線状低密度ポリエチレン)、EVA(エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体)、V−LDPE((超)低密
度ポリエチレン)のいずれでも良い。M・P=100〜
130℃、MI=0.5〜25であるのが望ましい。中
でもL−LDPEが望ましい。)10〜50重量部を加
え、さらに、分解型発泡剤(ADCA(アゾジカルボン
ミド)等)を適量(2〜30重量部)、架橋剤(TMP
T(トリメチルプロパントリメタクリレート、DVB
(ジビニルベンゼン)、NOD(1,9ノナンジオール
ジメタクリレート)等)を適量(1.0〜10重量
部)、及び必要に応じて抗酸化剤、顔料、老化防止剤等
を加え、発泡剤の分解する温度以下でシート状に成形す
る。
【0016】成形方法はどのような方式でも良く、単軸
押出、2軸押出、ニーダーミキサー等による方法を用い
ることができる。これに放射線(α,β,γ線、電子
線)を照射して架橋反応させた後、熱風・ヒーター・塩
浴等で発泡剤の分解温度以上にエネルギーを与えて発泡
させ、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体を得ること
ができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。 [実施例1〜6]ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹
脂及び架橋剤について、架橋度A(発泡体を120℃に
加熱したキシレン中で24時間抽出した後の不溶部分を
80℃で6時間乾燥させたものの元の発泡体に対する重
量%の値)と架橋度B(前記と同様の操作で72時間抽
出後における値)とが0.75A<B≦Aを満たすよう
な表1に示す種々の材料及び配合割合を選択して組成物
を作成し、これに適量の発泡剤を添加し、これを発泡剤
の分解温度以下でシート状に成形する。これに放射線を
照射して架橋させた後、加熱発泡させて実施例1〜6の
発泡体を得た。
【0018】[比較例1〜4]架橋度A及び架橋度Bが
0.75A<B≦Aを満たさない値となるような表1に
示す種々の材料及び配合割合を選択し、実施例1〜6と
同様の方法で比較例1〜4の発泡体を得た。
【0019】上記各実施例及び比較例の発泡体をTPO
加工する場合の熱ラミネート時及び押出ラミネート時の
不具合の発生状況及び各種成形(マッチドダイ、圧空、
スタンピング)時の不具合の発生状況を観察した。評価
の方法は以下の通りである。
【0020】TPO ○:TPO間での膨れ、気泡破壊、へたりのいずれも発
生せず ×:TPO間での膨れ、気泡破壊、へたりのいずれかが
(部分的にでも)発生成形方法 ○:膨れ、気泡破壊、へたりのいずれも発生せず ×:膨れ、気泡破壊、へたりのいずれかが(部分的にで
も)発生
【0021】
【表1】
【0022】[実施例7〜11]総厚が3.0mmの発
泡体の0.5mm毎のスライス領域の架橋度(発泡シー
ト試料50mgを25mlのキシレン中に120℃で2
4時間浸漬した際の不溶部分の重量%)D1、D2
3、D4、D5、D6のうちの任意の値Dkと発泡体全体
の架橋度Cの値とが、 0.8C≦Dk≦1.2C なる関係式を満たすように、表2に示すように低密度ポ
リエチレン(LDPE:MFR=3.0、密度ρ=0.
925)、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE:M
FR=6.0、密度ρ=0.920)、エチレン−プロ
ピレンランダム共重合体(PP:MFR=2.0、MP
=148℃)のポリオレフィン樹脂を種々の組合せ及び
配合割合とし、これに発泡剤、架橋促進剤及び熱安定剤
を表2に示すような配合割合で添加して種々の組成物を
作成し、これに放射線を照射して架橋させた後、加熱発
泡させて得た発泡体をスタンピング成形した。
【0023】[比較例5〜8]総厚が3.0mmの発泡
体の0.5mm毎のスライス領域の架橋度D1、D2、D
3、D4、D5、D6のうちの任意の値Dkと発泡体全体の
架橋度Cの値とが、 0.8C≦Dk≦1.2C なる関係式を満たさない組合せとなるような樹脂及びそ
の他の添加剤の配合を表2に示すような種々の組合せと
し、実施例7〜11と同様の方法で発泡体を作成し、ス
タンピング成形した。
【0024】
【表2】
【0025】各実施例及び比較例の成形品のスタンピン
グ成形後の発泡体表面のアバタ(発泡体の部分的溶融)
の有無を観察した。その評価は以下のようにして行っ
た。
【0026】アバタ量の評価 ◎:発泡体表面に全く変化なし ○:発泡体表面に若干の凸凹有り ×:発泡体表面に凸凹有り ××:発泡体表面が溶融 PVC剥離強度 常温(20℃)で180°展開したときの縦/横の剥離
強度の平均
【0027】上記の結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、表
皮強度が強く耐熱性、高温成形性に顕著に優れたポリオ
レフィン系樹脂発泡体を得ることができ、TPOの押出
しラミネ−ト熱ラミネ−トにも耐えられ、成形方法のな
かでの耐圧性の要求されるマッチドダイ成形・圧空成形
・スタンピング成形等にも気泡安定性の良いヘタリのな
いポリオレフィン系樹脂発泡体を供給できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂に発泡剤及び架橋
    剤その他の添加剤を配合して溶融混練し、シート状に押
    出して得た発泡性シートに放射線を照射して架橋させ、
    さらにこれを加熱発泡させてなるポリオレフィン系樹脂
    発泡体において、 前記発泡体を120℃に加熱したキシレン中で24時間
    抽出した後の架橋度(前記抽出後の不溶部分の重量%の
    値)Aの値が20〜70の範囲であり、且つ同様の操作
    で72時間抽出後の架橋度Bの値と架橋度Aの値とが、 0.75A<B≦A なる関係を有することを特徴とするポリオレフィン系樹
    脂発泡体。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂に発泡剤及び架橋
    剤その他の添加剤を配合して溶融混練し、シート状に押
    出して得た発泡性シートに放射線を照射して架橋させ、
    さらにこれを加熱発泡させてなるポリオレフィン系樹脂
    発泡体において、 前記発泡体全体の架橋度Cの値が30〜70の範囲であ
    り、且つ該発泡体の一主面から厚さ0.5mm毎にスラ
    イスした場合の各領域毎の架橋度D1,D2,D 3,・・
    ・のうちの任意の値Dkと前記架橋度Cの値とが、 0.8C≦Dk≦1.2C なる関係を有することを特徴とするポリオレフィン系樹
    脂発泡体。
JP32168092A 1992-12-01 1992-12-01 ポリオレフィン系樹脂発泡体 Pending JPH06166767A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006036870A (ja) * 2004-07-26 2006-02-09 Nitto Denko Corp 粘着テープ又はシートの製造方法及び製造装置
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EP3202832A4 (en) * 2014-09-30 2018-06-06 Sekisui Chemical Co., Ltd. Crosslinked polyolefin foam

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US10301447B2 (en) 2009-07-14 2019-05-28 Toray Plastics (America), Inc. Crosslinked polyolefin foam sheet with exceptional softness, haptics, moldability, thermal stability and shear strength
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