JPH0616619A - ジスルフィド化合物、およびそれを用いたチオール測定材料、ならびにチオール定量方法 - Google Patents
ジスルフィド化合物、およびそれを用いたチオール測定材料、ならびにチオール定量方法Info
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- JPH0616619A JPH0616619A JP15999891A JP15999891A JPH0616619A JP H0616619 A JPH0616619 A JP H0616619A JP 15999891 A JP15999891 A JP 15999891A JP 15999891 A JP15999891 A JP 15999891A JP H0616619 A JPH0616619 A JP H0616619A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【構成】 ジスルフィド化合物。および、前記ジスルフ
ィド化合物と金属塩または金属イオンを用いる、チオー
ル定量測定法、測定材料、ならびに前記測定材料を用い
たチオール測定器具。 【効果】 本発明に係わるジスルフィド化合物は、容易
な操作で迅速に、高価な機器や有毒な試薬を用いること
無く、しかも高感度、高精度でチオールを検出するため
の試薬、方法、材料、器具を提供する。
ィド化合物と金属塩または金属イオンを用いる、チオー
ル定量測定法、測定材料、ならびに前記測定材料を用い
たチオール測定器具。 【効果】 本発明に係わるジスルフィド化合物は、容易
な操作で迅速に、高価な機器や有毒な試薬を用いること
無く、しかも高感度、高精度でチオールを検出するため
の試薬、方法、材料、器具を提供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なジスルフィド化
合物、該ジスルフィド化合物および金属塩を有効成分と
するチオールの測定材料、およびそれを用いた定量方
法、測定器具に関する。
合物、該ジスルフィド化合物および金属塩を有効成分と
するチオールの測定材料、およびそれを用いた定量方
法、測定器具に関する。
【0002】
【従来の技術】チオールはSH基を持つ化合物の総称で
あり、生体成分中に広く存在する。チオールの測定は、
タンパク中の硫黄含量の測定や酵素活性の間接的測定等
の生化学的分野や、悪臭測定等の環境及び衛生化学的分
野において重要である。
あり、生体成分中に広く存在する。チオールの測定は、
タンパク中の硫黄含量の測定や酵素活性の間接的測定等
の生化学的分野や、悪臭測定等の環境及び衛生化学的分
野において重要である。
【0003】従来一般的なチオールの定性検出法として
は、ヨウ素-アジドの分解反応による検出、銅塩の沈殿
による検出、加水分解後の硫化水素としての検出等が行
われて来た。
は、ヨウ素-アジドの分解反応による検出、銅塩の沈殿
による検出、加水分解後の硫化水素としての検出等が行
われて来た。
【0004】またチオール定量法としては、電流滴定に
よる方法、水銀メルカプチドの生成による方法、ヨウ素
や銅による酸化滴定、臭素滴定、テトラヒドロホウ酸ナ
トリウム法、マーキュリーオレンジ法等がある。
よる方法、水銀メルカプチドの生成による方法、ヨウ素
や銅による酸化滴定、臭素滴定、テトラヒドロホウ酸ナ
トリウム法、マーキュリーオレンジ法等がある。
【0005】ところが、これらの定性定量反応のほとん
どは複数の試薬を要し、操作が繁雑である、反応時間を
要する、感度が悪い等の問題点がある。
どは複数の試薬を要し、操作が繁雑である、反応時間を
要する、感度が悪い等の問題点がある。
【0006】その後、高感度で容易な操作でしかも定量
精度の良いチオール検出剤として、チオールと直接特異
的に反応して呈色変化をきたすジスルフィド型化合物や
ベンツヒドロール型化合物が用いられるようになってき
た。
精度の良いチオール検出剤として、チオールと直接特異
的に反応して呈色変化をきたすジスルフィド型化合物や
ベンツヒドロール型化合物が用いられるようになってき
た。
【0007】ジスルフィド型検出剤の反応原理を、5,
5−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)を例に説明する
と、測定対象のチオール(R−SH)が検出試薬のジス
ルフィド結合を攻撃し、チオール量に応じて5−メルカ
プト−2−ニトロ安息香酸が生成され、その吸光度を測
定することによって定量を行う。
5−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)を例に説明する
と、測定対象のチオール(R−SH)が検出試薬のジス
ルフィド結合を攻撃し、チオール量に応じて5−メルカ
プト−2−ニトロ安息香酸が生成され、その吸光度を測
定することによって定量を行う。
【0008】しかし、この方法は呈色が黄色の為、例え
ば目視で半定量を行う場合には読み取りにくく、検体溶
液中の着色物の影響をも受け易い。また、より良い感度
も要求されている。
ば目視で半定量を行う場合には読み取りにくく、検体溶
液中の着色物の影響をも受け易い。また、より良い感度
も要求されている。
【0009】ベンツヒドロール型検出剤の反応原理を、
4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンツヒドロール
(以下、BDC−OHと略す)を例に説明すると、BD
C−OHが測定系に存在する酸によって極大吸収波長6
06nmの青色のカチオンとなり、測定対象のチオール
はこれと反応し、無色の複合体を生じる。すなわち、6
06nmの吸光度の減少を測定することによって、チオ
ールを定量する。
4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンツヒドロール
(以下、BDC−OHと略す)を例に説明すると、BD
C−OHが測定系に存在する酸によって極大吸収波長6
06nmの青色のカチオンとなり、測定対象のチオール
はこれと反応し、無色の複合体を生じる。すなわち、6
06nmの吸光度の減少を測定することによって、チオ
ールを定量する。
【0010】この方法は、感度的には前述のジスルフィ
ド型よりやや優れており、呈色も青色である為目視でも
判別し易い。
ド型よりやや優れており、呈色も青色である為目視でも
判別し易い。
【0011】しかし、チオールが出現することにより退
色する反応である為、陰性で呈色、陽性で無色となり概
念的に捕らえにくい。また、チオール基がカチオン中心
に求核攻撃するメカニズムである為、チオール以外に求
核性官能基を有する化学種は反応速度の差はあれ、妨害
物質となる可能性がある。
色する反応である為、陰性で呈色、陽性で無色となり概
念的に捕らえにくい。また、チオール基がカチオン中心
に求核攻撃するメカニズムである為、チオール以外に求
核性官能基を有する化学種は反応速度の差はあれ、妨害
物質となる可能性がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、容易な操作
で迅速に、高価な機器や有毒な試薬を用いること無く、
しかも高感度、高精度でチオールを検出する為の試薬、
方法、材料、器具を提供するものである。
で迅速に、高価な機器や有毒な試薬を用いること無く、
しかも高感度、高精度でチオールを検出する為の試薬、
方法、材料、器具を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により達成される。
明により達成される。
【0014】 下記の化2で示されるジスルフィド化
合物。
合物。
【0015】
【化2】 (式中、R1〜R4は、各々独立して、水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、ニ
トロ基、スルホン酸基、カルボキシル基及びアミノ基か
ら選ばれる基を示す。R1〜R4のうち隣接する基は縮合
環を形成していても良い。) 化2に示されるジスルフィド化合物及び金属塩を有
効成分とするチオール測定材料。
ン原子、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、ニ
トロ基、スルホン酸基、カルボキシル基及びアミノ基か
ら選ばれる基を示す。R1〜R4のうち隣接する基は縮合
環を形成していても良い。) 化2に示されるジスルフィド化合物及び金属塩を有
効成分とするチオール測定材料。
【0016】 チオールとに記載のジスルフィド化
合物とを反応させ、生成されたオルトニトロソチオフェ
ノールを、金属イオンによりキレートを形成させ呈色さ
せることによりチオールを定量する方法。
合物とを反応させ、生成されたオルトニトロソチオフェ
ノールを、金属イオンによりキレートを形成させ呈色さ
せることによりチオールを定量する方法。
【0017】 に記載のチオール測定材料を備えた
測定器具。
測定器具。
【0018】
【発明の構成】本発明のジスルフィド化合物は以下の方
法で合成される。
法で合成される。
【0019】すなわち、該当するオルトハロニトロベン
ゼン誘導体を出発物質とし、Na2S2と反応させてハロ
ゲン位置のジスルフィド化を行った後、ニトロ基を亜
鉛等の金属でヒドロキシルアミンに還元し、さらに重ク
ロム酸等でニトロソ基へ酸化する。
ゼン誘導体を出発物質とし、Na2S2と反応させてハロ
ゲン位置のジスルフィド化を行った後、ニトロ基を亜
鉛等の金属でヒドロキシルアミンに還元し、さらに重ク
ロム酸等でニトロソ基へ酸化する。
【0020】本発明によるチオール定量方法で用い得る
金属は、オルトニトロソチオフェノール誘導体とキレー
トを形成し呈色するものであれば何れでも良いが、好ま
しくは銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、鉄が用いられ、
単一で使用してもあるいは2種以上を組み合わせて使用
しても良い。また、測定材料、測定器具とする場合、こ
れらの金属イオンは塩の形で与える。解離性の塩であれ
ばどのようなものでも良いが、特に金属ハロゲン化物が
好ましい。これらの金属化合物は好ましくはジスルフィ
ド化合物の0.3〜1の比率で用いられる。
金属は、オルトニトロソチオフェノール誘導体とキレー
トを形成し呈色するものであれば何れでも良いが、好ま
しくは銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、鉄が用いられ、
単一で使用してもあるいは2種以上を組み合わせて使用
しても良い。また、測定材料、測定器具とする場合、こ
れらの金属イオンは塩の形で与える。解離性の塩であれ
ばどのようなものでも良いが、特に金属ハロゲン化物が
好ましい。これらの金属化合物は好ましくはジスルフィ
ド化合物の0.3〜1の比率で用いられる。
【0021】実際のチオールの測定は、検体、ジスルフ
ィド化合物及び金属イオンを適当な溶媒中で反応させた
後、溶液の色調変化を目視ないし透過吸光度の測定によ
って読み取る。反応溶媒としては検体と全ての成分を溶
解せしめる物であれば何れでも用いうるが、水、アルコ
ール、アセトン及びこれらの混合溶媒等が用いられる。
場合によっては、緩衝剤、界面活性剤等の反応補助剤を
添加することにより、より高い感度や正確な測定結果が
得られる場合がある。例えば、反応系に緩衝剤を添加し
たり、反応溶媒に緩衝液を使用することによって、検体
のpHの影響を受けにくく、より精度の高い測定値が得ら
れる。また、検体成分やジスルフィド化合物が反応溶液
に溶解しにくい場合、界面活性化剤の添加により反応が
よりスムーズに進行する。
ィド化合物及び金属イオンを適当な溶媒中で反応させた
後、溶液の色調変化を目視ないし透過吸光度の測定によ
って読み取る。反応溶媒としては検体と全ての成分を溶
解せしめる物であれば何れでも用いうるが、水、アルコ
ール、アセトン及びこれらの混合溶媒等が用いられる。
場合によっては、緩衝剤、界面活性剤等の反応補助剤を
添加することにより、より高い感度や正確な測定結果が
得られる場合がある。例えば、反応系に緩衝剤を添加し
たり、反応溶媒に緩衝液を使用することによって、検体
のpHの影響を受けにくく、より精度の高い測定値が得ら
れる。また、検体成分やジスルフィド化合物が反応溶液
に溶解しにくい場合、界面活性化剤の添加により反応が
よりスムーズに進行する。
【0022】反応は溶液中で行う他、反応に必要な成分
を担体に吸着させた試験具を用いることによって、測定
に要する操作がより簡便となる。この場合、検体溶液中
に試験具を含浸させた後、試験具の色調変化を目視ない
しは表面の反射吸光度の測定によって読み取る。この方
法は尿検体等のルーチン検査に有効である。吸着性担体
としては、濾紙、布帛や有機又は無機の多孔質素材が用
いられ、反応に必要な成分を適当な溶媒に溶解せしめ担
体に含浸後、乾燥によって溶媒を除去することによって
製造される。
を担体に吸着させた試験具を用いることによって、測定
に要する操作がより簡便となる。この場合、検体溶液中
に試験具を含浸させた後、試験具の色調変化を目視ない
しは表面の反射吸光度の測定によって読み取る。この方
法は尿検体等のルーチン検査に有効である。吸着性担体
としては、濾紙、布帛や有機又は無機の多孔質素材が用
いられ、反応に必要な成分を適当な溶媒に溶解せしめ担
体に含浸後、乾燥によって溶媒を除去することによって
製造される。
【0023】
【作 用】本発明に係わる化2に示されるジスルフィド
化合物は下記化3に示すように、測定対象であるチオー
ルによってそのジスルフィド結合が選択的に切断され、
オルトニトロソチオフェノールを生成する。
化合物は下記化3に示すように、測定対象であるチオー
ルによってそのジスルフィド結合が選択的に切断され、
オルトニトロソチオフェノールを生成する。
【0024】この化合物自身は無色あるいは黄色しか持
たないが、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、鉄等のオル
トニトロソチオフェノール誘導体とキレートを形成する
金属とキレートを形成し赤〜青色に呈色する。このキレ
ート化合物の吸光度を測定、あるいは目視で読み取るこ
とによってチオール量を知る事ができる。
たないが、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、鉄等のオル
トニトロソチオフェノール誘導体とキレートを形成する
金属とキレートを形成し赤〜青色に呈色する。このキレ
ート化合物の吸光度を測定、あるいは目視で読み取るこ
とによってチオール量を知る事ができる。
【0025】
【化3】 本発明に係わる化2に示されるジスルフィド化合物にお
いて、R1〜R4で示される置換基の違いによって、呈色
波長、及びジスルフィド結合の切断され易さ、すなわち
呈色感度に影響する。水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アルコキシル基、アリール基、ニトロ基、スルホ
ン酸基、カルボキシル基及びアミノ基のどの置換基を有
していてもチオールを検出することが可能であるが、以
下の置換基導入により各々の性質を付与することが可能
である。
いて、R1〜R4で示される置換基の違いによって、呈色
波長、及びジスルフィド結合の切断され易さ、すなわち
呈色感度に影響する。水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アルコキシル基、アリール基、ニトロ基、スルホ
ン酸基、カルボキシル基及びアミノ基のどの置換基を有
していてもチオールを検出することが可能であるが、以
下の置換基導入により各々の性質を付与することが可能
である。
【0026】例えばニトロ基等の電子吸引性基の導入
は、生成するオルトニトロソチオフェノールのチオール
アニオンを安定化する為、ジスルフィド結合の切断性を
向上させる。また、呈色波長を高波長へシフトしたり、
吸光係数を向上させる働きもある。スルホン酸基、カル
ボキシル基、アミノ基等イオン性基の導入はジスルフィ
ド化合物を水溶性化する効果が有り、生体成分の測定系
に特に有効である。
は、生成するオルトニトロソチオフェノールのチオール
アニオンを安定化する為、ジスルフィド結合の切断性を
向上させる。また、呈色波長を高波長へシフトしたり、
吸光係数を向上させる働きもある。スルホン酸基、カル
ボキシル基、アミノ基等イオン性基の導入はジスルフィ
ド化合物を水溶性化する効果が有り、生体成分の測定系
に特に有効である。
【0027】さらに縮合環を用いた場合も呈色波長の高
波長化や吸光係数の向上につながる。ニトロソナフタレ
ンジスルフィド化合物は単環化合物より良い呈色を示す
ことが明らかとなっている。
波長化や吸光係数の向上につながる。ニトロソナフタレ
ンジスルフィド化合物は単環化合物より良い呈色を示す
ことが明らかとなっている。
【0028】以下に実施例を示して本発明をさらに具体
的に説明する。
的に説明する。
【0029】
【実施例1】 ジスルフィド化合物の合成 2,2’−ジニトロベンゼンジスルフィド Na2S・9H2O 60.1g(250mmol)と硫
黄粉末8.02g(250mmol)をエタノール15
00mlに溶解し、10分加熱還流した。それに、o−
ブロモニトロベンゼン100g(495mmol)を加
えさらに1時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷
却後、水100mlを加え、析出する沈殿を濾過し、さ
らに沈殿を冷エタノール、水で洗浄した。この固体を減
圧乾燥し、生成物70.1gを得た。
黄粉末8.02g(250mmol)をエタノール15
00mlに溶解し、10分加熱還流した。それに、o−
ブロモニトロベンゼン100g(495mmol)を加
えさらに1時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷
却後、水100mlを加え、析出する沈殿を濾過し、さ
らに沈殿を冷エタノール、水で洗浄した。この固体を減
圧乾燥し、生成物70.1gを得た。
【0030】 2,2’−ジニトロソベンゼンジスル
フィド 2,2’−ジニトロベンゼンジスルフィド50g(16
2mmol)を80%エタノール1000mlに溶解し
亜鉛末45g(688mmol)を加え、激しく撹拌す
る。撹拌を続けながら、10%塩化アンモニウム水溶液
400mlを滴下漏斗よりゆっくり加える。反応混合物
を45℃に保ち、そのまま2時間撹拌を続ける。反応混
合物を濾過し、残渣をさらに500mlの熱水で洗浄す
る。ろ液と洗液を合わせたものに氷1kgを加え、反応
容器を氷浴にて冷却する。良く撹拌しながら濃硫酸20
mlを添加し、さらに重クロム酸ナトリウム50g(1
67mmol)を水100mlに溶解した溶液を素早く
加える。混合物を3分間激しく撹拌した後、ろ液にエー
テル1500mlを加え抽出を行う。エーテル層は、3
0%重炭酸ナトリウム、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄
した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、粗
生成物23gを得た。これを、塩化メチレンを溶離液と
するシリカゲルカラムクロマトで精製し、20gの目的
物を得た。構造はMS、NMR、IRにて確認した。
フィド 2,2’−ジニトロベンゼンジスルフィド50g(16
2mmol)を80%エタノール1000mlに溶解し
亜鉛末45g(688mmol)を加え、激しく撹拌す
る。撹拌を続けながら、10%塩化アンモニウム水溶液
400mlを滴下漏斗よりゆっくり加える。反応混合物
を45℃に保ち、そのまま2時間撹拌を続ける。反応混
合物を濾過し、残渣をさらに500mlの熱水で洗浄す
る。ろ液と洗液を合わせたものに氷1kgを加え、反応
容器を氷浴にて冷却する。良く撹拌しながら濃硫酸20
mlを添加し、さらに重クロム酸ナトリウム50g(1
67mmol)を水100mlに溶解した溶液を素早く
加える。混合物を3分間激しく撹拌した後、ろ液にエー
テル1500mlを加え抽出を行う。エーテル層は、3
0%重炭酸ナトリウム、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄
した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、粗
生成物23gを得た。これを、塩化メチレンを溶離液と
するシリカゲルカラムクロマトで精製し、20gの目的
物を得た。構造はMS、NMR、IRにて確認した。
【0031】[スペクトルデータ] MS[M/z]:276(M+),216(M+−2N
O),138(M+/2)、 NMR[ppm]:7.80−8.80(aromat
ic)、 IR [cm-1]:1505(NO)。
O),138(M+/2)、 NMR[ppm]:7.80−8.80(aromat
ic)、 IR [cm-1]:1505(NO)。
【0032】他のニトロソベンゼンジスルフィド誘導体
も、出発物質に該当する置換ハロニトロベンゼンを使用
することによって全く同様の方法で合成される。
も、出発物質に該当する置換ハロニトロベンゼンを使用
することによって全く同様の方法で合成される。
【0033】試みたジスルフィド化合物と収率、スペク
トルデータを下記に示す。
トルデータを下記に示す。
【0034】 ジチオビス(4−メトキシ−2−ニト
ロソベンゼン) 収率:42%、 MS[M/z]:336(M+),276(M+−2N
O),168(M+/2)、 NMR[ppm]:3.70(OCH3),7.30−
8.20(aromatic)、 IR [cm-1]:1505(NO)。
ロソベンゼン) 収率:42%、 MS[M/z]:336(M+),276(M+−2N
O),168(M+/2)、 NMR[ppm]:3.70(OCH3),7.30−
8.20(aromatic)、 IR [cm-1]:1505(NO)。
【0035】 ジチオビス(4−アセチル−2−ニト
ロソベンゼン) 収率:38%、 MS[M/z]:360(M+),300(M+−2N
O),180(M+/2)、 NMR[ppm]:2.40(COCH3),7.50
−8.20(aromatic)、 IR [cm-1]:1505(NO),1730(C=
O)。
ロソベンゼン) 収率:38%、 MS[M/z]:360(M+),300(M+−2N
O),180(M+/2)、 NMR[ppm]:2.40(COCH3),7.50
−8.20(aromatic)、 IR [cm-1]:1505(NO),1730(C=
O)。
【0036】 2,2’−ジチオビス(4−メトキシ
−2−ニトロソナフタレン) 収率:53% MS[M/z]:376(M+),316(M+−2N
O),188(M+/2)、 NMR[ppm]:7.70−8.50(aromat
ic)、 IR [cm-1]:1505(NO)。
−2−ニトロソナフタレン) 収率:53% MS[M/z]:376(M+),316(M+−2N
O),188(M+/2)、 NMR[ppm]:7.70−8.50(aromat
ic)、 IR [cm-1]:1505(NO)。
【0037】
【実施例2】チオールの検出 200mMボラックス−塩酸緩衝液(pH=6.0)1
00ml中に本発明に関わる15mMジスルフィド化合
物のエタノール溶液10ml、10mMNiCl2水溶
液10mlを加えた試薬溶液を調整した。この試薬溶液
1mlに1mMチオフェノール溶液0.1mlを加え、
室温で2分間撹拌反応させた後、透過吸光度の測定を行
った。測定は分光光度計U−2000(日立製作所製)
を用いて行った。コントロールとして、チオールを含有
しないエタノールを用いて同様の実験を行った。また、
対照実験として検出試薬に5,5’−ジチオビス(2−
ニトロ安息香酸)を用いて同様の実験を行った。結果を
表1に示す。
00ml中に本発明に関わる15mMジスルフィド化合
物のエタノール溶液10ml、10mMNiCl2水溶
液10mlを加えた試薬溶液を調整した。この試薬溶液
1mlに1mMチオフェノール溶液0.1mlを加え、
室温で2分間撹拌反応させた後、透過吸光度の測定を行
った。測定は分光光度計U−2000(日立製作所製)
を用いて行った。コントロールとして、チオールを含有
しないエタノールを用いて同様の実験を行った。また、
対照実験として検出試薬に5,5’−ジチオビス(2−
ニトロ安息香酸)を用いて同様の実験を行った。結果を
表1に示す。
【0038】
【表1】 表1から明らかなように、対照と比較して明らかに高い
感度が得られており、色調も赤色〜青色〜緑色と目視判
別し易い可視領域に極大吸収波長があった。
感度が得られており、色調も赤色〜青色〜緑色と目視判
別し易い可視領域に極大吸収波長があった。
【0039】
【実施例3】チオール定量実験 200mMボラックス−塩酸緩衝液(pH=6.0)1
00ml中に15mM2,2’−ジチオビス(1−ニト
ロソナフタレン)のエタノール溶液10ml、10mM
NiCl2水溶液10mlを加えた試薬溶液を調整し
た。この試薬溶液1mlに種々の濃度のチオフェノール
溶液0.1mlを加え、室温で2分間撹拌反応させた
後、721nm透過吸光度の測定を行った。 測定は分
光光度計U−2000(日立製作所製)を用いて行っ
た。チオフェノール濃度と得らえた透過吸光度の値を表
2に示す。
00ml中に15mM2,2’−ジチオビス(1−ニト
ロソナフタレン)のエタノール溶液10ml、10mM
NiCl2水溶液10mlを加えた試薬溶液を調整し
た。この試薬溶液1mlに種々の濃度のチオフェノール
溶液0.1mlを加え、室温で2分間撹拌反応させた
後、721nm透過吸光度の測定を行った。 測定は分
光光度計U−2000(日立製作所製)を用いて行っ
た。チオフェノール濃度と得らえた透過吸光度の値を表
2に示す。
【0040】
【表2】 表2から明らかなように、チオールの定量性が確認され
た。
た。
【0041】
【実施例4】チオール測定器具による定量 濾紙(アドバンテックNo.514A)を、1mMNi
Cl2を含有する200mMボラックス−塩酸緩衝液
(pH=6.0)に含浸し、60℃で50分通風乾燥し
た。更にこの濾紙を、本発明に係わるジスルフィド化合
物0.4mM、1%エチレングリコールモノヘキシルエ
ーテルを含有するアセトン溶液に含浸し、40℃で20
分通風乾燥した。これを、5×5mm角に切断し、両面
テープを用いて厚さ0.2mmのポリスチレン製のシー
トに固定した。得られたチオール測定試験具に、0.0
1mMチオフェノールエタノール溶液を滴下して1分後
の呈色変化を試験紙表面の反射吸光度を測定することに
より観察した。測定は大塚電子製のMCPD−200を
用いて測定した。コントロールとして、チオールを含有
しないエタノールを用いて同様の実験を行った。また、
対照実験として検出試薬に5,5’−ジチオビス(2−
ニトロ安息香酸)を用いて同様の実験を行った。結果を
表3に示す。
Cl2を含有する200mMボラックス−塩酸緩衝液
(pH=6.0)に含浸し、60℃で50分通風乾燥し
た。更にこの濾紙を、本発明に係わるジスルフィド化合
物0.4mM、1%エチレングリコールモノヘキシルエ
ーテルを含有するアセトン溶液に含浸し、40℃で20
分通風乾燥した。これを、5×5mm角に切断し、両面
テープを用いて厚さ0.2mmのポリスチレン製のシー
トに固定した。得られたチオール測定試験具に、0.0
1mMチオフェノールエタノール溶液を滴下して1分後
の呈色変化を試験紙表面の反射吸光度を測定することに
より観察した。測定は大塚電子製のMCPD−200を
用いて測定した。コントロールとして、チオールを含有
しないエタノールを用いて同様の実験を行った。また、
対照実験として検出試薬に5,5’−ジチオビス(2−
ニトロ安息香酸)を用いて同様の実験を行った。結果を
表3に示す。
【0042】
【表3】 表3に示すように、容易な操作でチオールが定量できる
試験具が得られた。呈色波長は可視領域にある為、目視
でも非常に判定が容易である。
試験具が得られた。呈色波長は可視領域にある為、目視
でも非常に判定が容易である。
【0043】
【発明の効果】実施例2〜4で示されるように、本発明
に係わるジスルフィド化合物は、チオールと反応し、金
属塩または金属イオンとキレートを形成し呈色されるこ
とから、チオールの定量測定に有効であり、また、それ
を用いた測定器具は容易な操作でチオールが定量ができ
る。
に係わるジスルフィド化合物は、チオールと反応し、金
属塩または金属イオンとキレートを形成し呈色されるこ
とから、チオールの定量測定に有効であり、また、それ
を用いた測定器具は容易な操作でチオールが定量ができ
る。
【0044】したがって本発明に係わるジスルフィド化
合物は、容易な操作で迅速に、高価な機器や有毒な試薬
を用いること無く、しかも高感度、高精度でチオールを
検出する為の試薬、方法、材料、器具を提供するもので
ある。
合物は、容易な操作で迅速に、高価な機器や有毒な試薬
を用いること無く、しかも高感度、高精度でチオールを
検出する為の試薬、方法、材料、器具を提供するもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 31/22 122 7906−2J
Claims (6)
- 【請求項1】 下記の化1に示されるジスルフィド化合
物。 【化1】 (式中、R1〜R4は、各々独立して、水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、ニ
トロ基、スルホン酸基、カルボキシル基及びアミノ基か
ら選ばれる基を示し、R1〜R4のうち隣接する基は縮合
環を形成していても良い。) - 【請求項2】 請求項1に記載のジスルフィド化合物、
金属塩を有効成分とするチオール測定材料。 - 【請求項3】 金属塩が、銅、亜鉛、ニッケル、コバル
ト、鉄の塩である請求項2に記載のチオール測定材料。 - 【請求項4】 チオールと請求項1に記載のジスルフィ
ド化合物とを反応させ、生成されたオルトニトロソチオ
フェノールを、金属イオンによりキレートを形成させ呈
色させることによりチオールを定量する方法。 - 【請求項5】 金属イオンが、銅、亜鉛、ニッケル、コ
バルト、鉄のイオンである請求項5に記載のチオールを
定量する方法。 - 【請求項6】 請求項2および3に記載のチオール測定
材料を備えた測定器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15999891A JPH0616619A (ja) | 1991-06-03 | 1991-06-03 | ジスルフィド化合物、およびそれを用いたチオール測定材料、ならびにチオール定量方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15999891A JPH0616619A (ja) | 1991-06-03 | 1991-06-03 | ジスルフィド化合物、およびそれを用いたチオール測定材料、ならびにチオール定量方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0616619A true JPH0616619A (ja) | 1994-01-25 |
Family
ID=15705768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15999891A Pending JPH0616619A (ja) | 1991-06-03 | 1991-06-03 | ジスルフィド化合物、およびそれを用いたチオール測定材料、ならびにチオール定量方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0616619A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000016094A1 (fr) * | 1998-09-10 | 2000-03-23 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Procede de detection d'un compose contenant du thiol |
CN102898339A (zh) * | 2012-10-29 | 2013-01-30 | 苏州二叶制药有限公司 | 一种硫普罗宁的制备方法 |
-
1991
- 1991-06-03 JP JP15999891A patent/JPH0616619A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000016094A1 (fr) * | 1998-09-10 | 2000-03-23 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Procede de detection d'un compose contenant du thiol |
EP1120648A1 (en) * | 1998-09-10 | 2001-08-01 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Method of detecting thiol-containing compound |
EP1120648A4 (en) * | 1998-09-10 | 2002-10-16 | Fuji Photo Film Co Ltd | METHOD FOR DETECTING A THIOL-CONTAINING COMPOUND |
US6790609B1 (en) * | 1998-09-10 | 2004-09-14 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Thin membrane for detecting thiol-containing compounds |
CN102898339A (zh) * | 2012-10-29 | 2013-01-30 | 苏州二叶制药有限公司 | 一种硫普罗宁的制备方法 |
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