JPH061656A - 圧電磁器 - Google Patents
圧電磁器Info
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Abstract
性に優れた圧電磁器であって、特に、群遅延時間特性が
平坦で位相歪が小さく、かつ、表面実装に対応すること
が可能なフィルタ素子用の圧電磁器を得る。 【構成】 PbZr1-XTiXO3(但し、X=0.45
〜0.54)で表されるチタン酸ジルコン酸鉛のPb原
子の8モル%までを、Ca,Sr,及びBaからなる群
より選ばれる少なくとも1種で置換し、さらに、Sb,
Nb,W,及びTaの中からなる群より選ばれる少なく
とも1種をそれぞれSb2O3,Nb2O5,WO3,及び
Ta2O5に換算して0.1〜2.9重量%添加してなる
圧電磁器に、MnをMnO2に換算して0.005〜
0.9重量%含有させる。
Description
セラミックフィルタ、セラミックディスクリミネータな
どの圧電素子、特に、耐熱性が要求される表面実装型の
圧電部品に使用される圧電磁器に関する。
電磁器として、従来より、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb
(TiXZr1-X)O3)を主成分とする圧電磁器が広く
用いられており、その圧電特性を改善するために種々の
微量添加物を添加した圧電磁器が用いられている。
平坦で、位相歪が小さいセラミックフィルタ(圧電フィ
ルタ)用の圧電磁器としては、機械的品質係数Qm値の
小さいことが要求される。そして、この機械的品質係数
Qm値の小さい圧電磁器としては、チタン酸ジルコン酸
鉛(Pb(TiXZr1-X)O3)に添加物として、酸化
ニオブ、酸化アンチモン、酸化タンタルなどを添加した
圧電磁器や、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(TiXZr
1-X)O3)のPb原子の一部を希土類元素で置換した圧
電磁器などが知られている。
に微量成分を拡散させた材料として、Pb(Zr0.52T
i0.48)O3にMnを拡散させた材料が報告されている
(M.Takahashi and S.takahashi ; Japan. J. Appl. ph
ys. Vol.9, No8, pp.1006 (1970) )。
械的品質係数Qm値の小さい圧電磁器は、アクチュエー
タ用として圧電d定数を増大させたものや、広帯域フィ
ルタ用として電気機械結合係数Kを増大させることを主
たる目的とするものが多く、キュリー温度が低く、耐熱
性が不十分なものが多い。
小さい圧電磁器は、キュリー温度が高いものであって
も、半田付け工程などで温度上昇を伴う場合において
は、圧電磁器の両端に形成した電極間を短絡させたとき
はよいが、開放したときには、電気機械結合係数Kが低
下し、共振・反共振周波数が大きくずれてしまうという
問題点がある。
磁器は、表面実装型のフィルタ素子として使用した場
合、リフロー半田付けの工程で高温(約250℃)にさ
らされると、フィルタ特性が大きく劣化するという問題
点がある。
nを拡散させた材料(M.Takahashi and S.takahashi ;
Japan. J. Appl. phys. Vol.9, No8, pp.1006 (1970)
)では、共振・反共振周波数の温度特性が悪いという
問題点があり、フィルタ素子用の材料として用いるには
不適当である。
であり、機械的品質係数Qm値が小さく、かつ、耐熱性
に優れた圧電磁器であって、特に、群遅延時間特性が平
坦で位相歪が小さく、かつ、表面実装に対応することが
可能なフィルタ素子用の圧電磁器を提供することを目的
とする。
めに、この発明の圧電磁器は、PbZr1-XTiXO
3(但し、X=0.45〜0.54)で表されるチタン
酸ジルコン酸鉛のPb原子の8モル%までを、Ca,S
r,及びBaからなる群より選ばれる少なくとも1種で
置換し、さらに、Sb,Nb,W,及びTaの中からな
る群より選ばれる少なくとも1種をそれぞれSb2O3,
Nb2O5,WO3,及びTa2O5に換算して0.1〜
2.9重量%添加してなる圧電磁器に、MnをMnO2
に換算して0.005〜0.9重量%含有させたことを
特徴とする。
が、拡散により含有せしめたものであることを特徴とす
る。
が、圧電磁器の粒内部より、粒界層に高濃度で存在して
いることを特徴とする。
械的品質係数Qm値が小さく、キュリー温度が高い圧電
磁器に対して、Mnを含有させることにより、抵抗率を
低下させることを特徴とするものであり、特に、Mnを
(例えば900〜1100℃の温度で)圧電磁器中に拡
散させ、Mnを粒内部よりも粒界層で高濃度になるよう
に偏在させることにより、その抵抗率を低下させるよう
にしたものである。
れを室温に戻したときには焦電電荷が発生する。この焦
電電荷による電場は、圧電磁器の分極方向と反対方向に
発生し、圧電磁器の分極の大きさを減少させる。
せ、圧電磁器の分極の大きさが低下することを防止する
ために、圧電磁器にMnを含有させるものであり、特
に、Mnを、例えば900〜1100℃の温度で拡散さ
せて含有させることにより、圧電磁器の抵抗率を低下さ
せ、焦電電荷を速やかに放電させ、分極方向と反対方向
の電場が長時間印加されることを防止する。そして、こ
れにより、残留分極の大きさが減少することを抑制し、
共振・反共振周波数の変化量を減少させる。
らに具体的に説明する。まず、圧電磁器の構成材料であ
るPbO,SrCO3,TiO2,ZrO2,Sb2O3,
Nb2O5,WO3,Ta2O5,の各原料を表1に示すよ
うな組成となるように秤取し、これに水を加え、ボール
ミルを用いて湿式混合する。そして、湿式混合により得
られた混合物を乾燥した後、800〜900℃で2時間
仮焼し、この仮焼材料をボールミルを用いて湿式粉砕す
ることにより調整粉末を得た。
ルアルコールなどの粘結材を添加し、プレス成型を行な
った後、1150〜1250℃の温度で2時間焼成を行
ない、直径10mm、厚さ1mmの円板状の磁器を得た。こ
の磁器の表面に、MnCO3をワニスで練って作製した
ペーストを筆で塗布し、乾燥させた後、これを900〜
1100℃の温度で2時間加熱して拡散処理を施した。
その後、この磁器を厚さ0.5mmに研磨し、両端面(両
主面)に銀電極を焼き付けした後、80℃の絶縁オイル
中で30分間、2〜3kV/mmの電界で分極処理を行な
い圧電磁器(振動子試料)を得た。なお、比較のため、
上記実施例と同様の方法でこの発明の範囲外の圧電磁器
(振動子試料)を作製した。
ρ,径方向の振動における電気機械結合係数Kp,機械
的品質係数Qmp,及び−20℃〜80℃における共振
周波数Frの温度変化率(Fr−TC(温度係数)と表
記)を測定した。
分間入れて加熱処理を施し、両端電極間を開放させたま
ま取り出した後、約1時間放置し、共振周波数Fr及び
反共振周波数Faの変化量ΔFr,ΔFaを測定した。
電気機械結合係数Kp,機械的品質係数Qmp,共振周
波数Frの温度変化率(Fr−TC),共振周波数及び
反共振周波数の変化量ΔFr,ΔFa)についての測定
結果を表1に示す。
α,βはそれぞれ、下記の式(1): Pb1-XAXZr1-ZTiZO3 + β(wt%)B + a(wt%)MnO2 ……(1) における各成分とその添加割合を示している。すなわ
ち、AはPbと置換した元素(Ba,Sr,及びCaの
少なくとも1種)の種類,xはその割合(モル%)を示
しており、Bは添加物(Sb2O3,Nb2O5,WO3,
Ta2O5の少なくとも1種)の種類,βはその割合(重
量%)を示している。また、zはTiの割合(モル%)
を示しており、αはMnO2の含有割合(重量%)を示
している。
明の範囲外の圧電磁器(比較例)を示している。
ない他の試料についての測定結果より、A(Sr,B
a,Ca)の置換量が合計8モル%を越えるとキュリー
温度が低下するとともに、加熱後の共振・反共振周波数
の変化量ΔFr,ΔFaが大きくなり、耐熱性が悪化す
ることがわかった。
Ta2O5)の添加量βが0.1重量%未満の場合、Fr
の温度変化率Fr−TCが大きくなるなどの問題があ
り、また、添加量βが2.9重量%を越えるとキュリー
温度が低下し、耐熱性が悪化することがわかった。
ると電気機械結合係数Kpが低下し、また、zが45モ
ル%未満になるとキュリー温度が低下し、耐熱性が悪化
することがわかった。
(試料No.1)とこの発明の実施例の試料(例えば、試
料No.2)を比較すると、実施例の圧電磁器(試料No.
2)は、Mnを含有していない試料(試料No.1)に比
べて、比抵抗(抵抗率)ρが1桁以上小さくなっている
ことがわかる。
を用いて粒内部と粒界層に存在する元素を特性X線のス
ペクトルにより分析した。その結果をそれぞれ、図1及
び図2に示す。
Mnは、圧電磁器(セラミックス)の粒内部よりも粒界
層において高濃度で分布していることがわかる。すなわ
ち、Mnが圧電磁器の粒界層に偏在することにより、圧
電磁器の比抵抗(抵抗率)ρが低下したことがわかる。
示すように、加熱後の共振周波数及び反共振周波数の周
波数変化量ΔFr,ΔFaが大幅に小さくなっているこ
とがわかる。しかもこの場合、機械的品質係数Qmpは
Mnを含有しない試料No.1とほとんど変らず、Kpの
値は、試料No.1よりもかなり大きくなっており、この
点においても、実施例の圧電磁器はその特性が向上して
いることがわかる。
0.005重量%未満の場合、比抵抗(抵抗率)ρや周
波数変化量ΔFr,ΔFaなどの特性改善の効果が不十
分であり、また、0.9重量%を越えると機械的品質係
数Qmpが大きくなったり、周波数変化量ΔFr,ΔF
aが大きくなったりするという問題が生じるため、Mn
の添加量は、MnO2に換算して0.005〜0.9重
量%の範囲にあることが好ましい。
PbZr1-XTiXO3(但し、X=0.45〜0.5
4)で表されるチタン酸ジルコン酸鉛のPb原子の8モ
ル%までを、Ca,Sr,及びBaからなる群より選ば
れる少なくとも1種で置換し、さらに、Sb,Nb,
W,及びTaの中からなる群より選ばれる少なくとも1
種をそれぞれSb2O3,Nb2O5,WO3,及びTa2O
5に換算して0.1〜2.9重量%添加してなる圧電磁
器に、MnをMnO2に換算して0.005〜0.9重
量%含有させるようにしているので、電気機械結合係数
Kが大きく、かつ、共振周波数及び反共振周波数の温度
変化率、及び機械的品質係数Qmの値が小さい(例えば
Qm=100以下)圧電磁器を得ることができる。
フィルタ(圧電フィルタ)素子に用いた場合、広い周波
数帯域において、群遅延時間(GDT)特性が平坦で、
しかも位相歪が小さいという優れた特性を発揮させるこ
とが可能になり、デジタル信号に対してビット誤りを生
じにくくすることが可能になる。したがって、この発明
の圧電磁器は、デジタル対応の圧電フィルタ素子用の材
料として特に有意義である。
熱後の冷却に対する共振周波数及び反共振周波数の変化
量が小さいという特徴を有している。したがって、この
発明にかかる圧電磁器は、リフロー半田などにより表面
実装されるフィルタ素子材料として用いられた場合に
も、高温(〜250℃)による特性劣化、特にフィルタ
の通過帯域のずれ、及び通過帯域幅の減少割合が小さ
く、表面実装に十分に対応することができる。
内部の特性X線スペクトルを示す図である。
界層の特性X線スペクトルを示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 PbZr1-XTiXO3(但し、X=0.
45〜0.54)で表されるチタン酸ジルコン酸鉛のP
b原子の8モル%までを、Ca,Sr,及びBaからな
る群より選ばれる少なくとも1種で置換し、さらに、S
b,Nb,W,及びTaの中からなる群より選ばれる少
なくとも1種をそれぞれSb2O3,Nb2O5,WO3,
及びTa2O5に換算して0.1〜2.9重量%添加して
なる圧電磁器に、MnをMnO2に換算して0.005
〜0.9重量%含有させたことを特徴とする圧電磁器。 - 【請求項2】 前記Mnが、拡散により含有せしめたも
のであることを特徴とする請求項1記載の圧電磁器。 - 【請求項3】 前記Mnが、圧電磁器の粒内部より、粒
界層に高濃度で存在していることを特徴とする請求項1
記載の圧電磁器。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18996292A JP3257047B2 (ja) | 1992-06-23 | 1992-06-23 | 圧電磁器 |
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SG1996003179A SG50515A1 (en) | 1992-06-23 | 1993-06-22 | Piezoelectric ceramic |
US08/081,480 US5419844A (en) | 1992-06-23 | 1993-06-23 | Piezoelectric ceramics |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH061656A true JPH061656A (ja) | 1994-01-11 |
JP3257047B2 JP3257047B2 (ja) | 2002-02-18 |
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ID=16250107
Family Applications (1)
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JP18996292A Expired - Fee Related JP3257047B2 (ja) | 1992-06-23 | 1992-06-23 | 圧電磁器 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0773594A1 (en) | 1995-11-08 | 1997-05-14 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Piezoelectric ceramic |
KR100696140B1 (ko) * | 2001-04-17 | 2007-03-21 | 주식회사 진성피에조텍 | 세라믹 진동자를 이용한 액체연료분무용 초음파 분무기 |
-
1992
- 1992-06-23 JP JP18996292A patent/JP3257047B2/ja not_active Expired - Fee Related
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EP0773594A1 (en) | 1995-11-08 | 1997-05-14 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Piezoelectric ceramic |
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JP3257047B2 (ja) | 2002-02-18 |
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