JPH0616420A - 金属酸化物材料及びその製造方法、超伝導膜の形成方法及び形成装置、及び酸化物超伝導体構造体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

金属酸化物材料及びその製造方法、超伝導膜の形成方法及び形成装置、及び酸化物超伝導体構造体の製造方法及び製造装置

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JPH0616420A
JPH0616420A JP4191287A JP19128792A JPH0616420A JP H0616420 A JPH0616420 A JP H0616420A JP 4191287 A JP4191287 A JP 4191287A JP 19128792 A JP19128792 A JP 19128792A JP H0616420 A JPH0616420 A JP H0616420A
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文夫 岸
Toru Den
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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超伝導体に関する各種の従来技術の問題点を
解決することを。例えば、超伝導転移温度が高く、しか
も水の影響の少ない、超伝導材料として臨界電流密度が
高く、且つ比重の軽い超伝導材料を得ること。 【構成】 組成が一般式ASr2Cu3-Xxy で表わ
され、AがCa、Y元素及びランタノイド元素の元素群
から選ばれた1種類以上の元素又は原子団であり、且つ
MがTi、V、Ga、Co、Fe、Ge、Mo、W及び
Reの元素群から選ばれた1種類以上の元素又は原子団
であり、且つ0.05≦x≦0.7及び6≦y≦9であ
る超伝導体に、超伝導化合物の一部の元素よりなる非超
伝導体と、Pt、Rh及びAgの元素群から選ばれた1
種類以上の元素のどちらか又は両方が重量比において
0.1〜30%分散されていることを特徴とする金属酸
化物材料などである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
(第一の発明)本発明の第一の発明は、超伝導を応用し
たマグネット、送伝線、エネルギー器機、医療器機等、
各種分野で利用可能な超伝導特性を有する金属酸化物材
料及びその製造方法に関する。 (第二の発明)本発明の第二の発明は、酸化物等の非金
属元素を含む超伝導体の薄膜の形成方法及びその形成装
置に関する。 (第三の発明)本発明の第三の発明は、酸化物超伝導体
の焼結体を用いた構造体の製造方法及び製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】
(第一の発明)近年、相次いで発見された銅を含む酸化
物超伝導体は、従来知られていたニオブ系等の超伝導臨
界温度(Tc)を大きく上回るTcを持つ為、多くの分
野で応用研究が進められている。この様な銅を含む酸化
物超伝導体の中で、Sr、Ln(Y、Ca又はランタノ
イド元素)、Cu及び酸素からなる超伝導体としては、
Japanese Journal Applied Physics Vol.26 L
804(1987)、Solid State communications
Vol.63 535(1987)、日本物理学会1990
年秋の分科会講演予稿集第3分冊243頁2P−PS−
30にある様に、YSr2Cu3y 超伝導体が知られて
いる。又、Chemistry of Materials Vol.1 33
1(1989)では、一般式YSr2Cu3-Xxy
MがAl、Fe、Co及びPbのいずれかであり、0.
4≦x≦1.0の組成のものが知られている。一方、超
伝導材料の実用特性に大きな影響を与える臨界電流密度
(Jc)を向上させる目的で超伝導体に非超伝導体を分
散させることは、その手法として超伝導体YBa2Cu3
y 系において、微細な非超伝導体Y2BaCuO5
分散させるQMG法及びMPMG法が、夫々、Japanese
Journal Appliedphysics Vol.28 L1189
(1989)、及びProc. 2nd ISS、Tsukuba、198
9L285(Spring-Verlag.1990)に記載されてお
り、既に知られている。又、この場合に非超伝導体とし
てPt及びRhを用いる手法についても、上記と同様、
YBa2Cu3y 系においてPt及びRhを適用するP
DMG法が、Physica C Vol.177 L101(19
91)に記載されており、既に公知である。又、Agを
添加する手法は、従来よりセラミックプロセスにおいて
知られている。
【0003】しかしながら、上記の従来例のうち、Japa
n Journal Applied Physics Vol.26 L804
(1987)、及びSolid State Communications Vo
l.63535(1987)に記載されている組成では、
YSr2Cu3y で表される単相の良質な試料は合成で
きず、SrCuO2 、Sr2CuO3 、Y2SrO4 、Y
2CuO5 、SrCu22 、Sr1.75Cu35.13等が
不純物として多く折出し、使用に耐えられるものではな
かった。又、上記の従来例のうち、日本物理学会199
0年秋の分科会講演予稿集第3分冊243頁に記載され
ている試料は、一般的には得られない特殊な装置を必要
とする、70Kbar、1380℃という条件下で合成
されており、応用するには適さないものであった。又、
この様な特殊な装置により合成したとしても、該試料の
低効率がゼロになる温度(ゼロ抵抗温度)は20K程度
であった。又、Chemistry of Materials Vol.1 3
31(1989)に記載の材料は、M=Co及びFeで
超伝導を示すものの、ゼロ抵抗温度が10K程度と低
く、超伝導体積分率も2%程度であり、超伝導材料とし
ては、使用に適さないものであった。又、上記の従来例
のうち、超伝導体に非超伝導体を分散させてJcを向上
させるJapanese Journal Applied Physics Vol.2
8 L1189(1989)、及びProc. 2nd ISS.Ts
ukuba.1989 L285(Spring-Verlag 199
0)に記載されているQMG法及びMPMG法は、共に
超伝導体をYBa2Cu3y に限り、分散させる非超伝
導体は微細なY2BaCuO5 であった。更に、Physica
C Vol.177 L101(1991)に記載されて
いるPDMG法も、超伝導体をYBa2Cu3y に限
り、Pt、Rhを分散させているが、その手法は、微細
なY2 BaCuO5 にPt、Rhを添加することにより
分散させてJcを向上させるものであった。しかしなが
ら、上記した超伝導体YBa2Cu3y は本質的に水に
弱く、上述した製造方法を用いても、霜等の水分が付着
することにより、劣化してしまい適用する場所を制約す
るものであった。
【0004】(第二の発明)次に、本発明の第二の発明
の超伝導膜の形成方法及びその形成装置についての従来
の技術について述べる。従来、超伝導薄膜の形成方法と
しては、蒸着法、スパッタ法、CVD法等が広く知られ
ている。これらの中では、スパッタ法が最も多く使用さ
れており、結晶性の優れた薄膜が得られている。しか
し、スパッタ法では、例えば、液体窒素の沸点より高い
臨界温度を持つ酸化物超伝導体の薄膜を形成する為に
は、薄膜形成時に基板温度を600℃程度以上にする
か、成膜後に900℃程度で熱処理をする必要がある。
又、蒸着法、CVD法ではこの様なスパッタ法と比較し
て、より高い基板温度が必要である。又、簡便な方法と
してスクリーン印刷法は、10μm程度以上の厚膜を形
成する際に使用されるが、この方法では酸化物超伝導体
の薄膜を形成する場合には、高温での熱処理が不可欠で
ある。
【0005】しかしながら、スパッタ法やCVD法等で
は、基板温度が高くないと超伝導性を示す薄膜が得られ
ない為、SIS型ジョセフソン素子等を作成する場合
に、極めて薄い絶縁体の上に超伝導膜を作成することが
出来ないという問題がある。即ち、酸化物超伝導体等の
化合物を500℃程度以上の高温で作成すると、絶縁体
との反応や拡散により素子の作成ができなくなってしま
う。更に、従来の方法では、優れた超伝導特性を持つ薄
膜を作成する為には、基板材料がMgOやSrTiO3
単結晶等に制限されてしまうという問題がある。このこ
とは、SIS型ジョセフソン素子では、トンネル絶縁層
の材料が、その他の応用でも、組み合せられる材料が極
めて限定されてしまうことを意味する。又、スクリーン
印刷法等の簡便法では、高温での熱処理が必要であり、
また高密度な薄膜を作成する為にはポリビニルアルコー
ル等のバインダーが必要であったり、膜厚の精密制御が
できない等の問題がある。
【0006】以上の様に、優れた超伝導特性を持つ化合
物超伝導薄膜、特にその中でも高い臨界温度を持つ酸化
物超伝導体を、エレクトロニクス、エネルギー分野、M
RI等の医療機器、リニアモーターカー等の交通手段等
の、予想される超伝導応用分野で実用化する為には、い
かに低い温度で超伝導膜を作成することが出来るかが極
めて重要な問題である。しかし、現在までのところ約5
00℃以下の温度で再現性よく、優れた特性を持つ超伝
導膜の生成、高温超伝導体だけのSIS素子やマグネッ
ト等を作成することは実現していない。
【0007】(第三の発明)次に、本発明の第三の発明
の酸化物超伝導体構造体の製造方法及び製造装置につい
ての従来の技術について述べる。1986年のベドノル
ツ及びミューラーによる、酸化物超伝導体La2-xBax
CuO4 の発見(Z.Phys.B64(1986)1
89−193)以降、多くの研究機関によって様々な研
究が行われた結果、現在までに多数の新しい超伝導体が
発見されている。その内で液体窒素の沸点(77K)以
上で超伝導状態となる物質としては、Y系、Bi系、T
l系の3種に大別される。Tl系は、組成式TlmBa2
CanCun+1y (m=1,2、n=0,1,2…)で
表される物質、及びその類縁の物質群であり、120K
以上の最も高い臨界温度(Tc)の物質を含む。しかし
ながら、必須元素であるTlは強い毒性を有する為、実
用化に際して障害となることが懸念される。Bi系は、
組成式Bi2Sr2CanCun+1y (n=0,1,2
…)で表される物質、及びその類縁の物質である。Bi
系は、Tc>100KとTl系に次ぐ高いTcの物質を
含み、又、圧延加工等による焼結体に対する加工性も優
れていることから、線材やシールド容器等として実用化
する為の検討が進行している。しかしながら、Bi系の
物質では、超伝導体内に浸入する磁束を固定するピン止
め中心の作成方法が確立していない為、77Kにおいて
臨界電流密度(Jc)を測定してみると、外部から印加
する磁場の増大に伴って、Jcが急激に低下することが
わかっている。従って、液体窒素を冷媒として使用する
場合には、使用出来る環境が限定される。
【0008】Y系は、組成式YBa2Cu3y とその同
形構造、及び類縁の物質群であり、Tcは最高で92K
程度とBi、Tl系に比べて低いが、77KにおいてJ
cの磁場による低下がBi系と比べて格段に小さいこと
が、単結晶や薄膜に対する測定から知られている。尚、
Yが他のランタノイドに置換されたものも、ほぼ同様の
性質を示すことが知られており、本明細書で以下でY系
という場合、これら他のランタノイドに置換された系も
便宜上含むものとする。しかし、焼結体の場合には、結
晶粒界に大きなポテンシアルバリアが発生し弱結合とな
る為、十分なJcが得られず、初期にはY系の利用は薄
膜に限定されるという見方が有力であった。しかしなが
ら、その後の研究の結果、溶融処理等のプロセスが改良
され、焼結体においてもJcを向上させることが可能と
なった。更に、Y2BaCuO5を微細に析出させ、ピン
止め中心を作製する方法が確立されたことにより、ディ
スクマグネットや、非接触軸受けとして利用される展望
が開かれ、今後の利用が期待されている。
【0009】しかしながら、Y系焼結体の結晶粒界にお
ける弱結合を解消する方法としてはいくつかの報告があ
るが、いずれも一担部分溶融状態とした後、徐冷するプ
ロセスを含んでいる。尚、部分溶融状態とは、1100
℃程度に加熱することによりYBa2Cu3y がY2
aCuO5 と液相に分解した状態であり、その後の徐冷
により、再びYBa2Cu3y を形成するものである。
この為、部分溶融状態で生成される液相は、Y2BaC
uOy の粒間に表面張力で保持され直ちに流出するとい
うことはないが、焼結体が大きくなると若干の流出は免
れ得ない。液相が流出すると焼結体内に空孔が多生し、
超伝導特性を低下させるという問題がある。これに対
し、ディスクマグネットとして用いる円盤状ペレット等
の単純な形状の場合には、空孔の発生した部分を削り取
る等して使用することが出来るが、形状が少しでも複雑
になるとそのような方法も使えない為、従来の方法の適
用は小型で単純な形状のものに限られていた。
【0010】
【発明が解決しようとしている課題】従って、本発明の
目的は上記した超伝導体に関する各種の従来技術の問題
点を解決することにある。 (第一の発明)即ち、本発明の第一の発明の目的は、超
伝導転移温度が高く、しかも水の影響の少ない、超伝導
材料として臨界電流密度の高い超伝導材料を得ることに
ある。本発明の他の目的は、超高圧の合成装置を用いる
ことなく、超伝導材料として特性のよい超伝導材料を得
ることにある。又、本発明の第一の発明の他の目的は、
前記したYBa2Cu3y をはじめ、現在安定に得られ
る銅酸化物超伝導材料としては、Bi系、Tl系、Pb
系等が知られているが、いずれの材料も比重が7〜8g/
cm3 の範囲であり、バルク材料としての応用例であるシ
ールド材に利用した場合には、かなりの重量になってし
まっている為、これらの既存の銅酸化物超伝導体よりも
比重の軽い超伝導材料を提供することにある。
【0011】(第二の発明)本発明の第二の発明の目的
は、従来、形成していたよりも低い温度で超伝導膜を作
成することが出来、且つ優れた特性の超電導膜を形成し
得る新規な超伝導膜の形成方法及びその形成装置を提供
することにある。
【0012】(第三の発明)又、本発明の第三の発明の
目的は、超伝導特性を低下させることなく、且つ、大き
な構造体や複雑な形状のものも形成し得る、Y系の超伝
導体構造体の製造方法を及びこれを適用した製造装置を
提供することにある。
【0013】
【問題点を解決する為の手段】上記の目的は以下の本発
明によって達成される。 (第一の発明)即ち、本発明の第一の発明は、組成が一
般式ASr2Cu3-Xxy で表わされ、AがCa、Y
元素及びランタノイド元素の元素群から選ばれた1種類
以上の元素又は原子団であり、且つMがTi、V、G
a、Co、Fe、Ge、Mo、W及びReの元素群から
選ばれた1種類以上の元素又は原子団であり、且つ0.
05≦x≦0.7及び6≦y≦9である超伝導体に、超
伝導化合物の一部の元素よりなる非超伝導体と、Pt、
Rh及びAgの元素群から選ばれた1種類以上の元素の
どちらか又は両方が重量比において0.1〜30%分散
されていることを特徴とする金属酸化物材料及びその製
造方法である。
【0014】(第二の発明)又、本発明の第二の発明
は、蒸発源から発生する原子及び/又は分子をイオン化
・加速させて基板上に超伝導体を形成する超伝導膜の形
成方法において、少なくとも一部が平均粒径1000Å
程度以下の微粒子からなる超伝導膜を基板上に形成し、
あるいは形成しながら、該微粒子膜に、加熱された反応
性ガス及び/又はイオン化・加速された反応性ガスを照
射して超伝導薄膜を形成することを特徴とする超伝導膜
の形成方法及び形成装置である。
【0015】(第三の発明)本発明の第三の発明は、酸
化物超伝導体を用いて構造体を製造する方法において、
水平方向の軸を回転軸として構造体を回転させながら部
分溶融する工程を含むことを特徴とする酸化物超伝導体
構造体の製造方法、及びかかる製造方法を適用した製造
装置である。
【0016】
【作用】
(第一の発明)本発明の第一の発明の金属酸化物材料
は、一般的には超高圧下の条件でしか合成できなかった
YSr2Cu3y と同様の構造の超伝導体に、非超伝導
体を分散させることにより、超伝導体としての特性を向
上させたものである。又、超高圧を用いることなく合成
することを可能にしたものである。即ち、本発明者らは
鋭意研究の結果、超伝導体ASr2Cu3-Xxy に分
散させる非超伝導体として、超伝導体を構成している一
部の構成元素よりなる化合物、もしくはPt、Rh及び
Agから選択した元素を、分散量を最適化して分散させ
れば、超伝導体としての特性を向上させることが出来、
且つ超高圧を用いることなく金属酸化物材料を合成する
ことが可能であることを知見して本発明を完成した。
【0017】(第二の発明)本発明の第二の発明である
超伝導膜の形成方法及びその形成装置は、500℃程度
以下でも優れた特性を有する超電導膜を形成する超電導
膜の形成方法及び形成装置を提供するものである。本発
明の特徴は、単独または複数の蒸発源から発生する原子
または分子を、各々独立にまたは同じ条件でイオン化
し、それらを同一または別々の加速電極で加速して基板
上に薄膜を形成することである。又、この際に、少なく
とも超伝導体の一部が平均1000Å程度以下の粒径を
持つようにし、更に、超伝導体を構成する非金属元素を
含む物質を加熱して、その後必要によりイオン化・加速
して、これを基板上に照射することにより、従来の薄膜
形成方法では実現できなかった低い温度での超伝導膜の
作成を可能とする。
【0018】(第三の発明)本発明によれば、部分溶融
処理中に、試料に対し水平方向の軸を中心とした回転運
動を与えることにより、液相の流出が防止され、空孔の
ない特性に優れた超伝導体構造体の製造が可能となる。
【0019】
【好ましい実施態様】以下、好ましい実施態様を挙げて
本発明を詳細に説明する。 (第一の発明)先ず、本発明の第一の発明である金属酸
化物材料は、一般式ASr2Cu3-Xxy で表わされ
る特定の組成を有する超伝導体に、超伝導化合物の一部
の元素よりなる非超伝導体と、Pt、Rh及びAgの元
素群から選ばれた1種類以上の元素のどちらか又は両方
が重量比において0.1〜30%分散されていることを
特徴とする優れた超伝導特性を有するものである。本発
明の第一の発明である金属酸化物材料は、上記の構成を
有する限りいずれのものでもよいが、本発明の好適な態
様の一つは、分散させる非超伝導体が、一般式SrLn
24 で表され、且つLn=Y、Ho、Dy及びGdの
いずれかであり、その分散量が重量化で10〜30%で
ある超伝導特性を有する金属酸化物材料である。又、本
発明の他の好適な態様としては、分散させる非超伝導体
が、一般式SrLn24 で表され、且つLnがY、H
o、Dy及びGdのいずれかである酸化物材料とAgと
により構成され、これらの分散量が重量比で、SrLn
24 が10〜30%、Agが5〜20%である超伝導
特性を有する金属酸化物材料である。又、本発明の他の
好適な態様は、非超伝導体が一般式SrLn24 で表
され、LnがY、Ho、Dy及びGdのいずれかである
酸化物材料と、Pt及びRhのいずれかとにより構成さ
れ、分散量が重量比でSrLn24 が10〜30%で
あり、Pt及びRhのいずれかが0.1〜5%である超
伝導特性を有する金属酸化物材料である。
【0020】又、本発明の第一の発明の上記の様な金属
酸化物材料の好適な製造方法は、焼成及び熱処理条件
が、酸素を5%以上含む酸化雰囲気中で950〜110
0℃の温度で仮焼き後、1100〜1400℃で半溶融
させた後、徐冷する。更に、HIP等2000気圧程度
の容易に達成し得る圧力下でアニールしてもよい。
【0021】上記の本発明の銅酸化物材料を作成する具
体的な方法としては、所謂セラミック材料で一般に使わ
れている様な、原料粉末からの加熱による反応及び焼結
法を適用することが可能である。この様な方法の例とし
ては、Material Research Bulletin 第8巻777頁
(1973年)、Solid State Communication 第1
7巻27頁(1975年)、Zeitschift fur Physik
B 第64巻189頁(1986年)、及びPhysical
Review Letters 第58巻第9号908頁(198
7年)等に記載されており、これらの方法は現在では定
性的には極めて一般的な方法として知られている。又、
上記の本発明の銅酸化物材料を作成する具体的な方法と
しては、超伝導体YBa2Cu3y で使われている様
な、半溶融状態に加熱して非超伝導体を分散させる方法
を適用することが可能である。この様な方法の例として
は、Japanese Jourual Applied Physics Vol.28L
1189(1989)、及び Proc. 2nd ISS. Tsukub
a、1989 L285(Spring-Verlag 1990)、
Physica C Vol.177 L101(1991)等に記
載されており、現在では定性的には極めて一般的な方法
として知られてる。
【0022】この様にして得られた本発明の銅酸化物材
料は、焼成条件や組成により超伝導転移温度、臨界電流
密度が変化するが、超伝導体のMを、Mo、W及びRe
の元素群から選ばれた1種類以上の元素又は原子団と
し、超伝導体に分散させる非超伝導体をAgにした場合
に、超伝導転移温度及び臨界電流密度が高い。この時の
超伝導転移温度及び臨界電流密度は、超伝導体のMの元
素とその元素数x、及び分散させる非超伝導体の重量比
によって違うが、超伝導転移温度は十数〜70Kにま
で、臨界電流密度は、5Kにおいて数百〜1×104
/cm2までになる。従って、本発明の第一の発明であ
る金属酸化物材料は、液体ヘリウム温度での利用は勿
論、簡単な冷却器によっても超伝導体として利用するこ
とが可能となる。又、本発明の第一の発明である金属酸
化物材料は、水に対して安定で劣化も少なく、更に、原
料として重金属等の毒性を有するものを使用してないの
で安全性が高い。又、本発明の第一の発明である金属酸
化物材料の比重は、5〜6g/cm3 の範囲内にあり、
既存の銅酸化物超伝導体と比較しても、約2〜3割も軽
くなっている。このことは、特に本発明の材料をシール
ドや磁気浮上用のバルク材として利用する場合に有効で
ある。
【0023】(第二の発明)次に、本発明の第二の発明
の概念を図面に従って詳細に説明する。図3は、本発明
の第二の発明の薄膜形成装置の構成概念図である。ここ
では、代表的な高温酸化物超伝導体であるY−Ba−C
u−O薄膜の作成を例に採って説明する。図中1は真空
容器であり、その内部は不図示の排気装置により10-6
Toor程度以下に減圧されている。2は、超伝導体を
構成する金属元素を含む物質を蒸発させ、イオン化・加
速するための蒸発源であり、図3では蒸発源を3式使用
したが、これは、Y、Ba及びCuを含む物質を独立に
蒸発させる場合を考えている為であり、この数は必要に
より変化させることが出来る。4は、超伝導体の構成元
素の中の非金属元素である酸素を導入するためのステン
レス製パイプであり、3はこのパイプに取り付けられて
いるヒーターであり、不図示の電源により酸素ガスを約
1000℃まで加熱することが出来る。5は、基板ホル
ダーであり、内蔵されたヒーターにより650℃以下の
任意の温度に加熱することが出来る。6は、形成される
超伝導膜、7は基板ホルダーを回転させるための回転装
置である。
【0024】以上の様な薄膜形成装置により、以下の様
にして超伝導膜を作成する。先ず、Y金属、BaO、C
uOを蒸発源2で夫々加熱し、タングステンフィラメン
トに電流を流すことにより電子を放出させ、この電子を
各蒸発蒸気に照射してイオン化させる。その後、基板を
アース電位とした加速電極により加速して各金属成分を
基板上で反応させる。酸素ガスは、ボンベよりステンレ
ス製パイプ4を通じて供給され、ヒーター3により加熱
されて基板方向に噴出され、基板上で、あるいは基板に
到達する過程で金属と反応する。この際、各金属成分の
蒸発速度を所定の組成になる様に制御して、超伝導膜を
作成する。金属成分のイオン化・加速条件は、基板温度
により異なるが、一般に、基板温度が低くなると共にイ
オン化・加速条件を大きくする。これは、一般に化学反
応が進行する為には、反応の活性化エネルギーと同等の
エネルギーを反応物質が持っていなければならないから
である。Y−Ba−Cu−O膜の場合、この必要なエネ
ルギーは、通常、600〜850℃に設定される基板の
熱エネルギーで供給される。
【0025】本発明の第二の発明の基本思想は、上記の
場合に基板温度を下げるかわりに、蒸発蒸気に大きなエ
ネルギーを持たせることにより、反応に必要なエネルギ
ーを得ようとするものである。しかし、金属成分をイオ
ン化・加速しても、金属の中にはイオン等の荷電粒子に
対して極めてエッチングされ易いものや、特性が大きく
変化するものもある為、基板温度の低下にも限界があ
る。この為、金属成分を活性化しても基板温度が400
℃程度では優れた超伝導特性を示す薄膜を得ることは難
しい。逆に、酸素のみを活性化しても低温での薄膜形成
を達成することが出来ない。この問題を解決する為に、
本発明では、金属元素をイオン化・加速により活性化
し、結晶粒径の小さな超伝導微粒子を含む薄膜を形成
し、同時に、あるいは交互に、またはその後、外部から
エネルギーを与えられた酸素により微粒子を結晶成長の
中心として結晶成長させる。この際、酸素に高いエネル
ギーを与える方法とは加熱することであり、又、必要に
より加熱した酸素をイオン化・加速してもよい。この様
にして、超伝導物質を構成するすべての構成元素を活性
化させることにより、基板温度を低くしたことによる反
応のエネルギー不足を補うことが出来る。
【0026】又、Y−Ba−Cu−O超伝導体は、結晶
中の酸素量により超伝導特性が変化することが知られて
いるが、特性の一定な薄膜を作成する為には、金属成分
の蒸着速度と酸素の供給量が適正に制御されていること
が重要である。Y−Ba−Cu−Oの場合には、酸素量
が多い方が臨界温度の高い超伝導体となる為、結晶中の
酸素量を一定にすることが極めて重要である。この為、
大きな結晶粒が形成されると、結晶の内部まで酸素が浸
入できなくなる。高いエネルギーを持った非金属元素と
結晶微粒子の反応性は、材料により微粒子の大きさが異
なるが、一般的には、結晶粒径が平均1000Å程度以
下であることが望ましい。これ以上大きな結晶粒の場合
でも、超伝導性を示す薄膜を得ることは出来るが、表面
と内部で酸素量の分布が生じる為と思われるが、フォト
リソグラフィー技術等を使い各種電子デバイス、例え
ば、粒界ジョセフソン素子を作成すると、同じ基板上に
作成した薄膜でも場所により特性が大きく変動してしま
う。又、微粒子の大きさの下限は、数10Å以下では電
子顕微鏡でも観測ができなくなる為はっきりとは特定で
きないが、単位格子1個分の大きさがあればよいと考え
られる。更に、反応性ガスは、超伝導体の構成元素の中
の非金属元素であれば、酸素に限定されるものではな
く、酸素を含んでいる物質、例えば、オゾン、N2O、
NO2 の様なものでも同じ効果が得られる。作成する薄
膜がNbNの様な酸化物でない場合には、窒素ガス等を
反応性ガスとして使用すればよいことは言うまでもな
い。
【0027】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。実施例1〜実施例17及び比較例1
〜比較例13は、本発明の第一の発明である金属酸化物
材料及びその製造方法に関するものであり、実施例18
〜実施例21は、本発明の第二の発明に関するものであ
る。又、実施例22〜実施例23は、本発明の第三の発
明に関するものである。
【0028】(第一の発明) 実施例1〜実施例9 先ず、本発明の第一の発明の金属酸化物材料の原料とし
て、Y23 、CaCO3 、CuO、TiO2 、V2
5 、Ga23 、Co23 、Fe23 、GeO2 、M
oO3 、WO3 及びReO3 を用い、これらを重量比に
おいて、超伝導体ASr2Cu3-Xxy に対し、分散
させる非超伝導体Sr2YO4 の割合が20%になる様
に適当な組成比に秤量して、乾式混合した。この際の夫
々の実施例における組成比を表1に示した。次に、これ
らの混合物を、950〜1100℃で酸素を5%以上含
む酸化雰囲気中で反応させて仮焼きし、降温後、粉砕及
び混合し、これを夫々φ10mm、厚み2mmのペレッ
ト状に加圧形成した。このペレットを白金ルツボ内で、
1100〜1400℃の温度で20分間半溶融後、98
0〜1150℃まで速やかに降温し、その後900〜1
100℃まで毎時1〜3℃の割合で徐冷して、本発明の
銅酸化物材料を合成した。
【0029】比較例1〜比較例9 実施例と同様の原料を用い、非超伝導体を含有しない様
に適当な組成比に秤量して乾式混合した後、実施例と同
様の仮焼き処理後、950〜1100℃で、実施例と同
じ雰囲気中で反応、及び焼結させて比較例の銅酸化物材
料を調製した。この際の夫々の比較例における組成比を
表1に示した。
【0030】評価1 これらの実施例1〜実施例9及び比較例1〜比較例9の
銅酸化物材料のサンプルに関して、室温から液体ヘリウ
ム温度の範囲で、4端子法による電気抵抗測定、及びS
QUIDによる磁化率の測定を行った。表1に夫々の例
における組成比と、夫々の臨界電流密度(A/cm2
を示した。ここで臨界電流密度は、磁化ヒステリシスよ
りBeanモデルを仮定して求めた、ゼロ磁場下、5K
での値を示してある。又、組成比は、EPMAで測定し
たので、酸素の量に関しては、20%程度の誤差があり
得る。表1から、実施例1〜実施例9の銅酸化物材料が
全て臨界電流密度が1000A/cm2 以上の超伝導材
料であることがわかる。表2に示した比較例の結果か
ら、非超伝導体が分散されていない、本発明の構成と異
なる組成、及び製造方法の銅酸化物材料では、臨界電流
密度が1000A/cm2 未満であり、本発明の実施例
の材料に比べ1/10程度と小さいことがわかる。又、
例えば、実施例1の銅酸化物材料の比重は5.5(g/
cm3 )であり、既存の酸化物超伝導体、例えば、YB
2Cu37 と比較して3割程度も軽くなっている。
尚、他の実施例2〜実施例9の材料の比重も、いずれも
6(g/cm3 )以下であり、やはり十分軽いものであ
った。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】次に別の実施例を挙げて本発明の第一の発
明を具体的に説明する。 実施例10、実施例11及び比較例10、比較例11 先ず、金属酸化物材料の原料として、Y23 、SrC
3 、WO3 及びCuOを用い、分散させる非超伝導体
SrY24 の重量比を変化させる様に適当な組成比に
秤量して、混合した。この際の夫々の実施例及び比較例
における組成比を表3に示した。次に、これらの混合物
を上記の実施例1と同様に本発明の製造方法により、実
施例及び比較例の銅酸化物材料を調製した後、臨界電流
密度を測定した。以下の表3に実施例及び比較例の組成
比と、その夫々の臨界電流密度(A/cm2 )を記し
た。ここで臨界電流密度は、磁化ヒステリシスよりBe
anモデルを仮定して求めた、ゼロ磁場下、5Kでの値
を示してある。又、組成比は、EPMAで測定したの
で、酸素の量に関しては、20%程度の誤差があり得
る。表3から本発明の第一の発明の金属酸化物材料の構
成の組成比内の材料が、全て臨界電流密度が1000A
/cm2 以上の超伝導材料であることがわかる。又、本
発明の組成比以外の比較例の銅酸化物材料は、臨界電流
密度が1000A/cm2 未満であった。以上の結果か
ら、分散させる非超伝導体にSrY24 を用いた場合
における最適な重量比が決まる。即ち、超伝導体ASr
2Cu3-Xxy に対し、重量比で10〜30%のSr
24 を分散させた超伝導材料及び製造方法が好適で
ある。
【0034】
【表3】
【0035】次に別の実施例を挙げて本発明を具体的に
説明する。 実施例12〜実施例14及び比較例12、比較例13 先ず、金属酸化物材料の原料として、Y23、SrCO
3 、WO3 、CuO、Ag2Oを用い、分散させる非超
伝導体SrY24 とAgのうち、Agの重量比を変化
させて秤量、混合した。次に、これらの混合物を上記の
実施例1と同様に本発明の製造方法により、実施例及び
比較例の銅酸化物材料を調製した後、臨界電流密度を測
定した。以下の表4に実施例12〜実施例14及び比較
例12、比較例13の組成比と、その夫々の臨界電流密
度(A/cm2 )を記した。ここで、臨界電流密度は、
磁化ヒステリシスよりBeanモデルを仮定して求め
た、ゼロ磁場下5Kでの値を示してある。又、組成比は
EPMAで測定したので、酸素の量に関しては20%程
度の誤差があり得る。表4から本発明の第一の発明の金
属酸化物材料の構成の組成比内の材料が、全て臨界電流
密度が8000A/cm2 以上の超伝導材料であること
がわかる。又、本発明の組成比以外の比較例の銅酸化物
材料は、臨界電流密度が1000A/cm2 未満であっ
た。以上の結果から、分散させる非超伝導体としてSr
24 とAgとを用いた場合の最適な重量比が決ま
る。即ち、超伝導体ASr2Cu3-Xxy に対し、重
量比でSrY24 を10〜30%、Agを5〜20%
分散させた超伝導材料、及び製造方法が好適である。
【0036】図1に、本発明の実施例13で示された銅
酸化物の臨界電流密度を求めた際の磁化ヒステリシスを
示す。又、図1より求めた臨界電流密度を図2に示す。
図2より本発明の実施例13で示された銅酸化物は、5
K、ゼロ磁場下で10000(A/cm2)の臨界電流密
度を有することがわかる。尚、他の実施例においても、
図1及び図2と同様の結果が得られた。又、実施例13
で示された銅酸化物の耐水性の試験を行った結果、40
℃飽和水蒸気圧下で、従来の代表的な超伝導体であるY
Ba2Cu3y は一週間で原料に分解してしまうのに対
し、これと同様の条件下で3か月間放置した後も、実施
例13で示された銅酸化物の超伝導特性にほとんど変化
は見られなかった。このことから、本発明の第一の発明
の金属酸化物材料が非常に耐水性に優れていることがわ
かる。
【0037】
【表4】
【0038】次に別の実施例を挙げて本発明を具体的に
説明する。 実施例15〜実施例17及び比較例14、比較例15 先ず、金属酸化物材料の原料として、Y23 、SrC
3 、WO3 、CuO、Ptを用い、分散させる非超伝
導体SrY24 とPtのうち、Ptの重量比を変化さ
せて秤量、混合した。次に、これらの混合物を上記の実
施例1と同様の本発明の製造方法により、実施例及び比
較例の銅酸化物材料を調製した後、臨界電流密度を測定
した。以下の表5に実施例15〜実施例17及び比較例
14、比較例15の組成比と、その夫々の臨界電流密度
(A/cm2 )を記した。ここで、臨界電流密度は、磁
化ヒステリシスよりBeanモデルを仮定して求めた、
ゼロ磁場下5Kでの値を示してある。又、組成比はEP
MAで測定したので、酸素の量に関しては20%程度の
誤差があり得る。表5から本発明の第一の発明の金属酸
化物材料の構成の組成比内の材料が、全て臨界電流密度
が3000A/cm2 以上の超伝導材料であることがわ
かる。又、本発明の組成比以外の比較例の銅酸化物材料
は、臨界電流密度が1000A/cm2 未満であった。
以上の結果から、分散させる非超伝導体にSrY24
とPtとを用いた場合の最適な重量比が決まる。即ち、
超伝導体ASr2Cu3-Xxy に対し、重量比でSr
24 が10〜30%、Ptが0.1〜5%分散させ
た超伝導材料及び製造方法が好適である。又、Ptの代
わりにRhを用いても、同様の結果が得られた。
【0039】
【表5】
【0040】(第二の発明)次に、本発明の第二の発明
の超伝導膜の形成方法および形成装置についての実施例
を挙げて、本発明をより詳細に説明する。 実施例18 図3に、本発明の薄膜形成装置の概念図を示す。1は真
空容器であり、不図示のクライオポンプにより、2×1
-6Torr以下の真空度に減圧してある。2は、金属
構成元素を蒸発させるための蒸発源である。本実施例で
は、Y1Ba2Cu37-X (X<0.5)膜を作成する
ため、図3に示す様に、3式の蒸発源を用いており、夫
々にY金属、BaO、Cu金属が入れてある。この様な
蒸発源2から放出された蒸発蒸気は基板ホルダー5に取
り付けられた基板6上に堆積する。7は、基板を回転さ
せるための回転装置である。又、酸素は、不図示のボン
ベよりステンレスパイプ4の先端の酸素放出口から基板
6方向へと放出されるが、放出前にヒーター3により加
熱される。酸素の温度は、流量によっても変化するが、
15SCCMで導入した時、パイプの酸素放出口から2
cmの位置で熱電対で測定したところ最大1000℃で
あり、これよりも低い任意の温度で温度制御することが
出来る。
【0041】この際に使用した蒸発源の詳細な原理図を
図4に示した。図中、15は金属源を入れたルツボであ
り、ヒーター3により加熱される。16は、必要により
取り付けられるノズルである。11は電子放出フィラメ
ントであり、ここではタングステン線を使用した。10
は電子を引き出す為のグリッド、13は加速電極であ
る。ヒーター3により加熱された金属成分は、ルツボ1
5に取り付けられたノズル16を通過することにより、
102 〜103 個の原子からクラスターを形成し、その
後、タングステン線11に電流を流すことにより放出さ
れる電子により、その一部がイオン化される。イオン化
されたクラスターイオンは、加速電極13により加速さ
れて、大きな運動エネルギーを持つことになる。基板
6、ルツボ15及び加速電極13の夫々の電位は、特に
制限はないが、本実施例では3式の蒸発源に独立の条件
を設定できる様にする為に、基板6がアース電位であ
り、ルツボ15は最大+10KVまで印加することが出
来、又、加速電極13は、0〜+10KVの範囲で任意
の値に設定することが出来るものとするのが好ましい。
【0042】以上、説明した様な薄膜形成装置により、
以下の様にして超伝導薄膜を作成した。先ず、基板6付
近に設けられた3式の水晶振動子を用いた薄厚モニター
(不図示)により、蒸発源2からの蒸発速度を設定す
る。Y成分は、平均1Å/sec、Ba成分は2Å/s
ec、Cu成分は3Å/sec、である。又、イオン化
・加速する為のイオン化電流と加速電圧は、夫々Y成分
が1mA、1V、Ba成分が10mA、100V、Cu
成分が5mA、20Vである。基板はMgO単結晶であ
り、400℃に加熱されている。酸素は、15SCCM
でマスフローコントローラーにより、流量を制御してあ
り、ヒーターで600℃に加熱した。この時、真空容器
2の内部は、クライオポンプで減圧してあるが、酸素導
入前は2×10-6Torrであるが、酸素を導入するこ
とにより3×10-4Torrとなった。各金属成分の蒸
発速度、酸素の導入量、温度を設定した後、基板周辺の
シャッター(不図示)を開けて成膜を開始する。約20
00Åの厚さに作成した薄膜の電気抵抗の温度依存性は
図7の様であり、電気抵抗がゼロになる臨界温度は75
Kであった。酸素を加熱しても、成膜中の基板温度に変
化はなかった。尚、酸素を加熱しないで作成した薄膜の
透過型電子顕微鏡写真を図8に示したが、アモルファス
状態の中に平均100Å程度の結晶粒が認められる。こ
の状態でも超伝導性を示したが、臨界温度は35Kであ
った。
【0043】実施例19 図5に示した酸素の活性化方法を用いた実施例について
説明する。本実施例では、図5に示したヒーター9によ
り加熱された酸素が、イットリウムで安定化されたタン
グステン線11より放出し、引き出しグリッド10によ
り引き出された電子によりイオン化され、更に、加速電
極13で加速される。図1に示した装置を用い、基板温
度を350℃に設定し、Ho、Ba及びCu金属を蒸発
源2に夫々独立に入れ、蒸発速度比がHo:Ba:Cu
=1:2:3になる様に制御し、イオン化電流、加速電
圧を夫々、Hoは20mA、0.5kV、Baは100
mA、2kV、Cuは50mA、1kVとした。又、酸
素は図5に示した方法で、800℃に加熱し、イオン化
電流30mA、加速電圧0.5kVで活性化させた。こ
の時、酸素の導入方法としては図9に示した様に、ガス
配管の途中に絶縁材料18(本実施例ではテフロンチュ
ーブ)を使用し、真空容器内で1kVまで電圧がかけら
れるが、ここでは、0.6kVに設定した。この様にし
て作成した約5000Åの膜厚のHo1Ba2Cu37-X
薄膜は、91Kで電気抵抗がゼロとなった。尚、酸素
を活性化しないで同様の操作を行った場合には、平均粒
径は300Å程度の結晶性の薄膜を得ることが出来る
が、このものは超伝導性を示さない。これは、温度が下
がると電気抵抗が半導体的に大きくなることから、酸素
を活性化していない為、反応性が低下し、この為に結晶
中の酸素量が少なくなったことによると考えられる。
【0044】実施例20 実施例18と同様にして超電導膜を形成したが、図6に
示す方法で酸素の活性化を行った。ここで11は格子状
に配列したLaB6線であり、ここに電流を流して電子
を放出させる。酸素導入パイプ8はアース電位である
が、加速電極13がLaB6線の極近傍に設置される
為、引き出しグリッドは不要である。加速電極13は、
必要により1kVまで印加できるが、本実施例では1V
とした。酸素を900℃に加熱して、イオン化電流を1
0mAとした以外は、実施例18と同様にして、Y−B
a−Cu−O膜を作成した。得られた薄膜は、臨界温度
が90Kであった。
【0045】実施例21 基板6にSiを使用し、実施例18と同じ装置によりY
−Ba−Cu−O膜を作成した。但し、酸素は加熱しな
いで成膜を行った。得られた薄膜は約2000Åの厚さ
であり、図8に示した様に100Å程度の粒径の結晶と
アモルファス部分からなる薄膜が得られた。この薄膜
を、基板温度400℃のまま、真空容器内で酸素を10
00℃に加熱して酸素アニールを行った。真空度、酸素
流量は成膜中と同じである。60分間加熱した酸素をこ
の薄膜にあてた。この結果、得られた薄膜は、実施例1
8とほぼ同じ超伝導特性を示した。尚、酸素の導入パイ
プと基板との距離が約10cm以上はなれていると、酸
素を加熱しても基板温度は変化しない。
【0046】(第三の発明)本発明の好ましい実施例を
挙げて本発明を詳細に説明する。 実施例22 超伝導体構造体に前処理を行う。この前処理の典型的な
手順は次のようなものである。先ず、Y23、BaCO
3、CuOの夫々の粉末を、金属元素の比率がY:B
a:Cu=1:2:3になるように混合し、900℃の
大気中で10時間程度反応させる。この反応物を粉砕し
た後、再度900℃の大気中で反応させる。この工程を
数回くり返した後、反応物を粉砕し、重量比で5%のA
2O粉末を加えて混ぜ、よく混合する。これを棒状に
プレス加工し、950℃の大気中で20時間程度かけて
焼結する。次に、この様にして形成した焼結体に通常の
セラミックス用加工装置を用いて孔をあけ、パイプ状の
構造体とする。この構造体を図10に示す炉を用いて部
分溶融処理を行う。1は炉体、2は炉芯管、3はフラン
ジである。4は処理すべきパイプ状の焼結体であり、試
料支持部5によって支持される。左側の試料支持部5は
スプリングジョイント6によって右側に押しつけられて
おり、焼結体4を挟み固定する様になっている。又、7
は減速器であり、8はモーターであり、両方のモーター
は同調して動く様になっている。以上の様な炉を用い、
焼結体4を毎分1〜10回転程度で回転させながら部分
溶融処理する。この際の典型的な温度プロセスとして
は、1080℃で20分間保持した後、10℃/min
の速度で1000℃まで降温し、更に、1000℃から
950℃までを5℃/hourの速度で降温し、その後
徐冷する。この様にした焼結体4を別の炉に移した後、
500℃の酸素中で100時間程度アニールする。以上
の様にして得られる構造体の空孔率は、密度から見積っ
て約5%であり、図10の本発明の製造装置を用いない
場合の空孔率約30%と比べて大幅に改善される。
【0047】実施例23 全体のプロセスは実施例1と同様であるが、部分溶融処
理に図11に示す装置を用いることにより、より大きな
構造体を作製することが出来る。図中、9は実施例1で
説明した前処理をし施した焼結体であり、10は試料支
持部であり、不図示のスプリングジョイントにより焼結
体9を押しつけて固定している。11は透明石英の炉芯
管、12は炉体であり、炉体9の左端は赤外線集光型で
炉の長さ方向に1cmの集光部13を有している。図1
1に示した様にそれに続いてカンタル炉がある。巻線1
4の密度は左端が密で右に行くと徐々に粗くなってお
り、左端より30cmのところまで巻線14があり、そ
の右に20cmの巻線14のない部分がある。この炉体
12はレール15の上に乗っており、左右に移動するこ
とが出来る。以上の様な本発明の製造装置を用い、焼結
体9を毎分2回転の速度で回転させながら炉体12を右
から左へ移動させることにより、部分溶融と徐冷を行
う。炉体12の温度条件を、赤外線集光部13で108
0℃、巻線部14の左端で1000℃、右端で950℃
となる様に調整する。又、炉体12の移動速度は毎時3
cmで右から左へ移動させる。この様な構成とすること
により、大きな構造体でも部分溶融している領域は小さ
いので処理がし易く、より大きな構造体を作製すること
が出来る。その後、酸素中で500℃、100時間のア
ニールを行い本発明のプロセスが完了する。
【0048】
【発明の効果】
(第一の発明)以上説明した様に本発明の第一の発明の
金属酸化物材料及びその製造方法によれば、以下の優れ
た効果が得られる。 (1)本発明により特殊な装置を必要とする超高圧下で
しか合成できなかった超伝導材料を、大気圧中で安定に
合成することが可能となる。 (2)本発明の金属酸化物材料は、臨界電流密度が通常
の焼結体と比べてはるかに高く、また超伝導転移温度も
液体ヘリウム温度をはるかに超えている特性のよい超伝
導材料である。従って、安易な冷却装置によっても、本
発明の材料を利用することが出来る。 (3)本発明の金属酸化物材料は、現在までに知られて
いる安定に得られる銅酸化物超伝導体の中ではもっとも
比重が軽く、バルク材料として利用される場合に特に効
果が大きい。 (4)本発明の金属酸化物材料は、合成する際に使用す
る原料が、他の銅酸化物超伝導体と比較して、重金属や
炭酸バリウム等の毒性の強いものを使用しない為、安全
で安価である。 (5)本発明の金属酸化物材料は、他の銅酸化物超伝導
体と比較して、耐水性に優れている。
【0049】(第二の発明)以上説明した様に、本発明
の第二の発明の超電導膜の形成方法によれば、基板温度
を従来の600〜850℃から、200℃以上低くし
て、優れた特性の超電導膜を形成することが可能とな
る。又、本発明の第二の発明の超電導膜の形成方法によ
れば、基板温度を低くすることが出来る為、従来はバッ
ファー層を形成しないと使用することが出来なかったS
i等も基板材料として使用することが出来る。尚、本発
明の実施例で使用した超伝導体としては、代表的な酸化
物超伝導体のY系化合物を採り上げたが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。即ち、Y系以外の酸素物
超伝導体、あるいはNbN等の窒化物超伝導体等の化合
物超伝導体であっても同じ効果が得られることは言うま
でもない。また、真空容器は、ロードロック機能を有す
るものであってもよく、真空度も10-10 Torrより
さらに低い真空である超高真空条件においても本発明は
極めて有効である。
【0050】(第三の発明)以上述べた様に、本発明の
第三の発明の酸化物超伝導体構造体の製造方法及び製造
装置によれば、Y系超伝導体で、粒界弱結合を含まず、
Tcが77Kと高く、磁場印加の下で実用に供すること
の出来る特性に優れた焼結体の構造体を製造することが
可能となる。又、本発明方法によれば、大きな構造体や
複雑な形状のものも同様に形成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
(第一の発明)
【図1】図1は、YSr2Cu2.80.27.1 (80w
t%)+SrY24 (10%)+Ag(5wt%)の
組成を有する本発明の第一の発明の実施例13の銅酸化
物材料の磁化ヒステリシスのグラフである。
【図2】実施例13の磁化ヒステリシスにより求めた臨
界電流密度を示すグラフ。 (第二の発明)
【図3】図3は、本発明の第二の発明の薄膜形成装置の
構成原理図である。
【図4】図4は本発明の第二の発明で使用する蒸発源の
詳細原理図である。
【図5】図5は、本発明の第二の発明における酸素活性
化の原理図である。
【図6】図6は、本発明の第二の発明における酸素活性
化の原理図である。
【図7】図7は、本発明で作成した超伝導膜の電気抵抗
の温度依存性である。
【図8】図8は、酸素を活性化しない場合のY−Ba−
Cu−O薄膜の透過型電子顕微鏡写真である。
【図9】図9は、酸素ガスの導入原理図である。 (第三の発明)
【図10】部分溶融処理を行う為の本発明の第三の発明
の製造装置の一例を示す構成図である。
【図11】部分溶融処理を行う為の本発明の第三の発明
の製造装置の別の例を示す構成図である。
【符号の説明】
(第二の発明) 1:真空容器 2:蒸発源 3、9:ヒーター 4、8:パイプ 5:基板ホルダー 6:基板 7:回転装置 10:グリッド 11:電子放出フィラメント 12:電子シャワー 13:加速電極 14、17:イオンビーム 15:ルツボ 16:ノズル 18:絶縁体 19:電圧印加線 (第三の発明) 1、12:炉体 2、11:炉芯管 3:フランジ 4、9:焼結体 5、10:支持部 6:スプリングジョイント 7:減速機 8:モーター 13:赤外線集光部 14:巻線 15:レール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 39/24 ZAA B 8728−4M (72)発明者 岸 文夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田 透 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成が一般式ASr2Cu3-Xxy
    表わされ、AがCa、Y元素及びランタノイド元素の元
    素群から選ばれた1種類以上の元素又は原子団であり、
    且つMがTi、V、Ga、Co、Fe、Ge、Mo、W
    及びReの元素群から選ばれた1種類以上の元素又は原
    子団であり、且つ0.05≦x≦0.7及び6≦y≦9
    である超伝導体に、超伝導化合物の一部の元素よりなる
    非超伝導体と、Pt、Rh及びAgの元素群から選ばれ
    た1種類以上の元素のどちらか又は両方が重量比におい
    て0.1〜30%分散されていることを特徴とする金属
    酸化物材料。
  2. 【請求項2】 非超伝導体の組成が一般式SrLn24
    で表わされ、LnがY、Ho、Dy及びGdのいずれ
    かであり、組成が一般式ASr2Cu3-Xxy で表わ
    される超伝導体に対し、重量比で10〜30%分散され
    ている請求項1に記載の金属酸化物材料。
  3. 【請求項3】 非超伝導体の組成が一般式SrLn24
    と表され、Lnが、Y、Ho、Dy及びGdのいずれ
    かである酸化物材料とAgとにより構成され、且つ一般
    式ASr2Cu3-Xxyで表わされる超伝導体に対し、
    重量比でSrLn24 が10〜30%及びAgが5〜
    20%夫々分散されている請求項1に記載の金属酸化物
    材料。
  4. 【請求項4】 非超伝導体の組成が一般式SrLn24
    と表わされ、LnがY、Ho、Dy及びGdのいずれ
    かである酸化物材料と、Pt及びRhのいずれかにより
    構成され、且つ、ASr2Cu3-Xxy で表わされる
    超伝導体に対し、重量比でSrLn24 を10〜30
    %と、Pt及びRhのいずれかを0.1〜5%分散させ
    たことを特徴とする請求項1に記載の金属酸化物材料。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の金属酸化物材料を製造
    する際の焼成及び熱処理条件が、酸素を5%以上含む酸
    化雰囲気中で950〜1100℃で仮焼き後、1100
    〜1400℃で半溶融させた後、徐冷することを特徴と
    する金属酸化物材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 蒸発源から発生する原子及び/又は分子
    をイオン化・加速させて基板上に超伝導体を形成する超
    伝導膜の形成方法において、少なくとも一部が平均粒径
    1000Å程度以下の微粒子からなる超伝導膜を基板上
    に形成し、あるいは形成しながら、該微粒子膜に、加熱
    された反応性ガス及び/又はイオン化・加速された反応
    性ガスを照射して超伝導薄膜を形成することを特徴とす
    る超伝導膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 反応性ガスが金属元素以外の超伝導体の
    必須構成元素を含む物質である請求項6に記載の超伝導
    膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 反応性ガスを加熱する手段が、ガス導入
    管のガス噴出口近くに設置されたヒーターである請求項
    6に記載の超伝導膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 反応性ガスが加熱された後に、イオン化
    ・加速されて基板に照射される請求項6に記載の超伝導
    膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 蒸発源から発生する原子及び/又は分
    子をイオン化・加速させて基板上に超伝導体を形成する
    超伝導膜の形成装置において、少なくとも一部が平均粒
    径1000Å程度以下の微粒子からなる超伝導膜が基板
    上に形成され、あるいは形成されながら、該微粒子膜
    に、加熱された反応性ガス及び/又はイオン化・加速さ
    れた反応性ガスが照射されて超伝導薄膜が形成されるこ
    とを特徴とする超伝導膜の形成装置。
  11. 【請求項11】 反応性ガスが金属元素以外の超伝導体
    の必須構成元素を含む物質である請求項10に記載の超
    伝導膜の形成装置。
  12. 【請求項12】 反応性ガスを加熱する手段が、ガス導
    入管のガス噴出口近くに設置されたヒーターである請求
    項10に記載の超伝導膜の形成装置。
  13. 【請求項13】 反応性ガスが電子源から放出された電
    子によりイオン化され、加速電極によりイオン化された
    反応性ガスが加速されてイオンビームとして基板に照射
    される請求項10に記載の超伝導膜の形成装置。
  14. 【請求項14】 酸化物超伝導体を用いて構造体を製造
    する方法において、水平方向の軸を回転軸として構造体
    を回転させながら部分溶融する工程を含むことを特徴と
    する酸化物超伝導体構造体の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14の製造方法を適用した製造
    装置において、水平軸方向に沿って構造体を保持する支
    持部と、水平軸を回転軸として構造体を回転させる機構
    と、構造体を所望の温度に加熱する機構とを具備するこ
    とを特徴とする酸化物超伝導体構造体の製造装置。
  16. 【請求項16】 構造体を所望の温度に加熱する機構
    が、構造体の温度分布が回転軸に対し軸対称となるよう
    に制御されるものであり、且つ構造体を相対的に軸方向
    に移動する機構を備えている請求項15に記載の酸化物
    超伝導体構造体の製造装置。
  17. 【請求項17】 構造体を所望の温度に加熱する機構
    が、端部に構造体の一部を部分溶融させる為の第1の加
    熱部と、該第1の加熱部に隣接して設けられ、且つ第1
    の加熱部の近くでは高温であり、遠ざかるにつれて温度
    が低下する様な温度勾配を持つ第2の加熱部を有するも
    のである請求項16に記載の酸化物超伝導体構造体の製
    造方法
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