JPH06162920A - 誘電体保護層の形成方法 - Google Patents
誘電体保護層の形成方法Info
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- JPH06162920A JPH06162920A JP4308525A JP30852592A JPH06162920A JP H06162920 A JPH06162920 A JP H06162920A JP 4308525 A JP4308525 A JP 4308525A JP 30852592 A JP30852592 A JP 30852592A JP H06162920 A JPH06162920 A JP H06162920A
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- magnesium
- dielectric
- alkaline earth
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 一般式M(OR)2で示されるアルカリ土類金
属含有有機化合物を誘電体の表面に塗布する工程と、つ
いでこれを300〜700℃に焼成して、金属酸化物か
らなる保護層を形成する工程を含むことを特徴とする誘
電体保護層の形成方法。 【効果】 スパッタリングによる保護層と同等の均一な
誘電体保護層が、より簡単な設備と方法で得られ、大画
面のガス放電パネルを容易に作成できる。
属含有有機化合物を誘電体の表面に塗布する工程と、つ
いでこれを300〜700℃に焼成して、金属酸化物か
らなる保護層を形成する工程を含むことを特徴とする誘
電体保護層の形成方法。 【効果】 スパッタリングによる保護層と同等の均一な
誘電体保護層が、より簡単な設備と方法で得られ、大画
面のガス放電パネルを容易に作成できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘電体層の表面にアル
カリ土類金属酸化物を含む保護層を形成する方法に関
し、さらに詳細には、アルカリ土類金属含有有機化合物
を誘導体に塗布して、焼成することを特徴とする誘電体
保護層の形成方法に関する。本発明によって得られる誘
電体保護層は、ガス放電パネルに用いられる。
カリ土類金属酸化物を含む保護層を形成する方法に関
し、さらに詳細には、アルカリ土類金属含有有機化合物
を誘導体に塗布して、焼成することを特徴とする誘電体
保護層の形成方法に関する。本発明によって得られる誘
電体保護層は、ガス放電パネルに用いられる。
【0002】
【従来の技術】ガス放電パネルは、薄型で大画面化が容
易な自己発光性パネルであり、広い視野角と高いコント
ラストが可能なことから、OA機器の表示からハイビジ
ョン型や薄型のテレビジョンに至る、広範囲の応用が期
待されている。
易な自己発光性パネルであり、広い視野角と高いコント
ラストが可能なことから、OA機器の表示からハイビジ
ョン型や薄型のテレビジョンに至る、広範囲の応用が期
待されている。
【0003】AC型またはAC・DC型のガス放電パネ
ルは、放電のための電極をガラスのような誘電体で覆っ
ているため、その表面で放電を行うと、コロナによる誘
電体の損傷が生ずる。そこで、誘電体の表面に保護層を
設けることが行われ、それによって放電寿命は10万時
間を越えるに至っている。このような誘電体保護層とし
ては酸化マグネシウムなどが用いられ、該保護層の形成
にはスパッタリングが用いられている。
ルは、放電のための電極をガラスのような誘電体で覆っ
ているため、その表面で放電を行うと、コロナによる誘
電体の損傷が生ずる。そこで、誘電体の表面に保護層を
設けることが行われ、それによって放電寿命は10万時
間を越えるに至っている。このような誘電体保護層とし
ては酸化マグネシウムなどが用いられ、該保護層の形成
にはスパッタリングが用いられている。
【0004】しかしながら、ハイビジョン型テレビジョ
ン用などの大画面のガス放電パネルを作製する場合に
は、スパッタリングを用いる方法では、大がかりなスパ
ッタ装置と、それに伴って大規模な真空度維持設備など
が必要となり、実際的ではない。
ン用などの大画面のガス放電パネルを作製する場合に
は、スパッタリングを用いる方法では、大がかりなスパ
ッタ装置と、それに伴って大規模な真空度維持設備など
が必要となり、実際的ではない。
【0005】そこで、印刷と焼成によって誘導体の表面
に保護層を形成することが試みられている。たとえば、
内池らは、酸化マグネシウム粉末または水酸化マグネシ
ウム粉末を含むペーストを用いる厚膜技術により、AC
プラズマディスプレイを試作し、評価している(テレビ
ジョン学会年会(1991)資料4−3、P71;テレ
ビジョン学会年会(1992)資料5−1、p10
1)。しかし、放電開始電圧が上昇するなどのために、
十分な機能を発揮するに至っていない。
に保護層を形成することが試みられている。たとえば、
内池らは、酸化マグネシウム粉末または水酸化マグネシ
ウム粉末を含むペーストを用いる厚膜技術により、AC
プラズマディスプレイを試作し、評価している(テレビ
ジョン学会年会(1991)資料4−3、P71;テレ
ビジョン学会年会(1992)資料5−1、p10
1)。しかし、放電開始電圧が上昇するなどのために、
十分な機能を発揮するに至っていない。
【0006】このような誘電体保護層は、膜厚に不均一
があると発光強度のむらを生ずるため、膜厚が均一なこ
とが必要である。さらに、ピンホールやクラックがある
と、誘電体として用いるガラスから鉛などの析出を生ず
るので、このような欠陥のないことが必要である。
があると発光強度のむらを生ずるため、膜厚が均一なこ
とが必要である。さらに、ピンホールやクラックがある
と、誘電体として用いるガラスから鉛などの析出を生ず
るので、このような欠陥のないことが必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
カリ土類金属酸化物からなる均一で欠陥のない誘電体保
護層を形成する、簡単で、大型の装置を必要とせず、大
画面のガス放電パネルの製造に使用可能な方法を提供す
ることである。
カリ土類金属酸化物からなる均一で欠陥のない誘電体保
護層を形成する、簡単で、大型の装置を必要とせず、大
画面のガス放電パネルの製造に使用可能な方法を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために研究を重ねた結果、誘電体層の表面
に、アルカリ土類金属含有有機化合物を塗布し、焼成す
ることにより、この課題を解決しうることを見出して、
本発明を完成するに至った。
題を解決するために研究を重ねた結果、誘電体層の表面
に、アルカリ土類金属含有有機化合物を塗布し、焼成す
ることにより、この課題を解決しうることを見出して、
本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の誘電体保護層の形成方
法は、一般式M(OR)2(式中、Mはアルカリ土類金属
原子を表し、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、
1価の炭化水素基、またはヒドロキシル基で置換されて
いてもよい1価のアシル基を表し、アシル基の場合、2
個のRが連結して2価のアシル基を形成していてもよ
い)で示される1種または2種以上のアルカリ土類金属
含有有機化合物を誘電体の表面に塗布する工程と、つい
でこれを300〜700℃に焼成して、アルカリ土類金
属酸化物からなる保護層を形成する工程を含むことを特
徴とする。
法は、一般式M(OR)2(式中、Mはアルカリ土類金属
原子を表し、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、
1価の炭化水素基、またはヒドロキシル基で置換されて
いてもよい1価のアシル基を表し、アシル基の場合、2
個のRが連結して2価のアシル基を形成していてもよ
い)で示される1種または2種以上のアルカリ土類金属
含有有機化合物を誘電体の表面に塗布する工程と、つい
でこれを300〜700℃に焼成して、アルカリ土類金
属酸化物からなる保護層を形成する工程を含むことを特
徴とする。
【0010】本発明に用いられるアルカリ土類金属含有
有機化合物において、Mはアルカリ土類金属原子であ
り、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロン
チウムおよびバリウムが例示され、1種でも2種以上を
併用しても差支えない。安定性の良好な酸化マグネシウ
ム保護層を誘電体の表面に形成しうることから、マグネ
シウムが好ましい。
有機化合物において、Mはアルカリ土類金属原子であ
り、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロン
チウムおよびバリウムが例示され、1種でも2種以上を
併用しても差支えない。安定性の良好な酸化マグネシウ
ム保護層を誘電体の表面に形成しうることから、マグネ
シウムが好ましい。
【0011】アルカリ土類金属原子Mに結合した2個の
ORは、互いに同一であっても異なっていてもよい。R
は1価の炭化水素基またはアシル基であり、その炭素鎖
は、直鎖状でも分岐状でもよく、全体または部分が環状
になっていてもよい。1価の炭化水素基としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、
ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシルなどのアルキル
基;シクロペンチル、シクロヘキシルなどのシクロアル
キル基;フェニルなどのアリール基などが例示される。
1価のアシル基およびヒドロキシル基で置換された1価
のアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニ
ル、ブチリル、バレリル、ヘキサノイル、オクタノイ
ル、デカノイル、ドデカノイル、ステアロイルなどの飽
和脂肪族アシル基;アクリロイル、メタクリロイル、ソ
ルビノイル、オレイルなどの不飽和脂肪族アシル基;シ
クロペンタノイル、シクロペンチルエタノイルなどの脂
環式アシル基;ベンゾイル、トルオイル、エチルベンゾ
イル、プロピルベンゾイル、ブチルベンゾイル、フェニ
ルエタノイルなどの芳香族アシル基;α−オキシプロパ
ノイルなどのオキシ酸残基が例示される。
ORは、互いに同一であっても異なっていてもよい。R
は1価の炭化水素基またはアシル基であり、その炭素鎖
は、直鎖状でも分岐状でもよく、全体または部分が環状
になっていてもよい。1価の炭化水素基としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、
ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシルなどのアルキル
基;シクロペンチル、シクロヘキシルなどのシクロアル
キル基;フェニルなどのアリール基などが例示される。
1価のアシル基およびヒドロキシル基で置換された1価
のアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニ
ル、ブチリル、バレリル、ヘキサノイル、オクタノイ
ル、デカノイル、ドデカノイル、ステアロイルなどの飽
和脂肪族アシル基;アクリロイル、メタクリロイル、ソ
ルビノイル、オレイルなどの不飽和脂肪族アシル基;シ
クロペンタノイル、シクロペンチルエタノイルなどの脂
環式アシル基;ベンゾイル、トルオイル、エチルベンゾ
イル、プロピルベンゾイル、ブチルベンゾイル、フェニ
ルエタノイルなどの芳香族アシル基;α−オキシプロパ
ノイルなどのオキシ酸残基が例示される。
【0012】さらに、Rが式(1)のように連結して、
2価のアシル基を形成してもよく
2価のアシル基を形成してもよく
【化1】 (式中、Mは前述のとおり、R′は2個のRが連結した
2価のアシル基を表す)、その場合、R′としてはオキ
サリル、マロニル、スクシニル、アジポイルなどの2価
のアシル基が例示される。
2価のアシル基を表す)、その場合、R′としてはオキ
サリル、マロニル、スクシニル、アジポイルなどの2価
のアシル基が例示される。
【0013】このようなRのうち、化合物の合成がしや
すく、均一で欠陥のない誘電体保護層が得られることか
ら、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜12の脂肪
族アシル基および炭素数7〜12の芳香族アシル基が好
ましく、アルキル基ではメチル、エチル、プロピル、ブ
チルなど;アシル基ではヘプタノイル、オクタノイル、
ベンゾイル、ブチルベンゾイルなどがさらに好ましい。
すく、均一で欠陥のない誘電体保護層が得られることか
ら、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜12の脂肪
族アシル基および炭素数7〜12の芳香族アシル基が好
ましく、アルキル基ではメチル、エチル、プロピル、ブ
チルなど;アシル基ではヘプタノイル、オクタノイル、
ベンゾイル、ブチルベンゾイルなどがさらに好ましい。
【0014】アルカリ土類金属含有有機化合物の代表例
としては、マグネシウムジメトキシド、マグネシウムジ
エトキシド、マグネシウムジイソプロポキシド、マグネ
シウムジブトキシドなどのマグネシウムアルコキシド;
およびギ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、プロピオ
ン酸マグネシウム、酪酸マグネシウム、カプロン酸マグ
ネシウム、カプリル酸マグネシウム、2−エチルヘキサ
ン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸マグネシウム、メタクリル酸マグネシウム、オレイ
ン酸マグネシウム、ナフテン酸マグネシウム、安息香酸
マグネシウム、p−ブチル安息香酸マグネシウム、乳酸
マグネシウム、アジピン酸マグネシウムなどの有機酸マ
グネシウム塩;ならびにそれらに対応するベリリウム化
合物、カルシウム化合物、ストロンチウム化合物および
バリウム化合物が挙げられる。
としては、マグネシウムジメトキシド、マグネシウムジ
エトキシド、マグネシウムジイソプロポキシド、マグネ
シウムジブトキシドなどのマグネシウムアルコキシド;
およびギ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、プロピオ
ン酸マグネシウム、酪酸マグネシウム、カプロン酸マグ
ネシウム、カプリル酸マグネシウム、2−エチルヘキサ
ン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸マグネシウム、メタクリル酸マグネシウム、オレイ
ン酸マグネシウム、ナフテン酸マグネシウム、安息香酸
マグネシウム、p−ブチル安息香酸マグネシウム、乳酸
マグネシウム、アジピン酸マグネシウムなどの有機酸マ
グネシウム塩;ならびにそれらに対応するベリリウム化
合物、カルシウム化合物、ストロンチウム化合物および
バリウム化合物が挙げられる。
【0015】このようなアルカリ土類金属含有有機化合
物は、たとえば金属アルコキシドの場合、該金属または
その水酸化物とアルコールを高温で加熱することによっ
て得られ、空気中の水分を遮断した状態で保有される。
また有機酸アルカリ土類金属塩は、該金属の酸化物また
は水酸化物と有機酸との反応によって得られる。このよ
うな反応を、後述の塗布の際に使用する溶媒または分散
媒の存在下に行って、該金属含有有機化合物の溶液ない
し分散液を得ることもできる。
物は、たとえば金属アルコキシドの場合、該金属または
その水酸化物とアルコールを高温で加熱することによっ
て得られ、空気中の水分を遮断した状態で保有される。
また有機酸アルカリ土類金属塩は、該金属の酸化物また
は水酸化物と有機酸との反応によって得られる。このよ
うな反応を、後述の塗布の際に使用する溶媒または分散
媒の存在下に行って、該金属含有有機化合物の溶液ない
し分散液を得ることもできる。
【0016】良好な誘電体保護層を得るには、アルカリ
土類金属含有有機化合物中に、アルカリ土類以外の金属
を含有する化合物を含有することは好ましくない。すな
わち、用いられる該金属含有有機化合物は、金属として
の純度が好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは
99重量%以上である。また、該金属含有有機化合物が
有機酸塩である場合、しばしば水和物の形で得られる
が、それらは脱水して、無水塩の形で用いることが好ま
しい。
土類金属含有有機化合物中に、アルカリ土類以外の金属
を含有する化合物を含有することは好ましくない。すな
わち、用いられる該金属含有有機化合物は、金属として
の純度が好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは
99重量%以上である。また、該金属含有有機化合物が
有機酸塩である場合、しばしば水和物の形で得られる
が、それらは脱水して、無水塩の形で用いることが好ま
しい。
【0017】これらのアルカリ土類金属含有有機化合物
を、必要に応じて溶媒または分散媒に溶解ないし分散さ
せて、誘電体の表面に塗布する。誘電体としては、ガラ
ス板、たとえばガラス粒子を500〜600℃で焼結し
て得られるガラス板などが用いられる。
を、必要に応じて溶媒または分散媒に溶解ないし分散さ
せて、誘電体の表面に塗布する。誘電体としては、ガラ
ス板、たとえばガラス粒子を500〜600℃で焼結し
て得られるガラス板などが用いられる。
【0018】溶媒または分散媒としては、該金属含有有
機化合物の有機基Rの種類によっても異なるが、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イ
ソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、p−シメン、テ
トラリンおよび石油系芳香族炭化水素混合物などの芳香
族炭化水素;2−エトキシエタノール、2−ブトキシエ
タノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコ−ルモノブチルエーテルなどのエーテ
ルアルコール;メチルイソブチルケトンなどのケトン;
ならびにエチレングリコールモノメチルエーテル酢酸エ
ステルなどのエステルが例示され、単独でも、2種以上
の混合物でもよい。系の粘度は、塗布をスプレー、浸漬
またはハケ塗りなどの方法によるときは10dPa・s 以
下、ロール、ドクターブレードなどを用いる方法による
ときは500dPa・s 以下、印刷によるときは50〜1,
000dPa・s の範囲が好適である。必要に応じて、印刷
に適する粘度の溶液ないし分散液を得るために、エチル
セルロース、ニトロセルロース、アクリル樹脂のような
増粘剤を併用してもよい。また、レベリング剤や消泡剤
などを添加してもよい。
機化合物の有機基Rの種類によっても異なるが、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イ
ソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、p−シメン、テ
トラリンおよび石油系芳香族炭化水素混合物などの芳香
族炭化水素;2−エトキシエタノール、2−ブトキシエ
タノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコ−ルモノブチルエーテルなどのエーテ
ルアルコール;メチルイソブチルケトンなどのケトン;
ならびにエチレングリコールモノメチルエーテル酢酸エ
ステルなどのエステルが例示され、単独でも、2種以上
の混合物でもよい。系の粘度は、塗布をスプレー、浸漬
またはハケ塗りなどの方法によるときは10dPa・s 以
下、ロール、ドクターブレードなどを用いる方法による
ときは500dPa・s 以下、印刷によるときは50〜1,
000dPa・s の範囲が好適である。必要に応じて、印刷
に適する粘度の溶液ないし分散液を得るために、エチル
セルロース、ニトロセルロース、アクリル樹脂のような
増粘剤を併用してもよい。また、レベリング剤や消泡剤
などを添加してもよい。
【0019】該金属含有有機化合物を塗布した後、焼成
によって、アルカリ土類金属酸化物層からなる保護層
を、誘電体の表面に形成する。すなわち、300〜70
0℃、好ましくは400〜550℃で、10〜30分の
焼成を行い、誘電体の表面に、0.05〜0.5μm 、
好ましくは0.1〜0.2μm のアルカリ土類金属酸化
層を形成する。
によって、アルカリ土類金属酸化物層からなる保護層
を、誘電体の表面に形成する。すなわち、300〜70
0℃、好ましくは400〜550℃で、10〜30分の
焼成を行い、誘電体の表面に、0.05〜0.5μm 、
好ましくは0.1〜0.2μm のアルカリ土類金属酸化
層を形成する。
【0020】
【発明の効果】本発明によって、従来のスパッタリング
による保護層と同等の、均一で、ピンホールやクラック
のような欠陥のない誘電体保護層を、より簡単な設備と
方法を用いて得ることができる。したがって、大型で高
価な設備を使用することなく、大画面のガス放電パネル
を作成できる。
による保護層と同等の、均一で、ピンホールやクラック
のような欠陥のない誘電体保護層を、より簡単な設備と
方法を用いて得ることができる。したがって、大型で高
価な設備を使用することなく、大画面のガス放電パネル
を作成できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を、実施例および比較例を用い
て具体的に説明する。本発明は、これらの実施例によっ
て限定されるものではない。また、これらの実施例や比
較例において、部は重量部を表し、金属純度は、含有す
る全金属に対する重量%で表す。
て具体的に説明する。本発明は、これらの実施例によっ
て限定されるものではない。また、これらの実施例や比
較例において、部は重量部を表し、金属純度は、含有す
る全金属に対する重量%で表す。
【0022】実施例1 湿気を遮断した容器中で、マグネシウムジエトキシド
(Mg純度99%以上)10部とエチルセルロース5部
を、沸点180〜230℃の芳香族混合炭化水素に加え
て撹拌することにより、該炭化水素にエチルセルロース
が溶解し、マグネシウムエトキシドが分散した分散液を
調製した。
(Mg純度99%以上)10部とエチルセルロース5部
を、沸点180〜230℃の芳香族混合炭化水素に加え
て撹拌することにより、該炭化水素にエチルセルロース
が溶解し、マグネシウムエトキシドが分散した分散液を
調製した。
【0023】この分散液を、厚さ1mmのスライドガラス
の片面に印刷し、風乾して溶媒を除去した後、580℃
で10分間焼成した。透明で、クラック、ピンホール、
凹凸のない均一な酸化マグネシウム被膜を得た。
の片面に印刷し、風乾して溶媒を除去した後、580℃
で10分間焼成した。透明で、クラック、ピンホール、
凹凸のない均一な酸化マグネシウム被膜を得た。
【0024】このようにして得られた酸化マグネシウム
被膜を保護層として外側に向け、電極をスライドガラス
で覆った。このようにして誘電体であるスライドガラス
と誘電体保護層を設けた電極の一対を対向させて放電管
にセットし、真空アニール処理を行い、NeとXeの混
合ガスを圧力500Torrに封入して、AC型ガス放電パ
ネルを作製した。
被膜を保護層として外側に向け、電極をスライドガラス
で覆った。このようにして誘電体であるスライドガラス
と誘電体保護層を設けた電極の一対を対向させて放電管
にセットし、真空アニール処理を行い、NeとXeの混
合ガスを圧力500Torrに封入して、AC型ガス放電パ
ネルを作製した。
【0025】電極間にAC250V の電圧を与えて、ガ
ス放電パネルの発光輝度を測定し、酸化マグネシウムの
スパッタリングによって誘電体保護層を形成して得られ
たガス放電パネル(比較例1)の、同一条件による発光
輝度を100%としたときの相対輝度を求めて、発光効
率(%)とした。このようにして得られた発光効率は、
95%であった。
ス放電パネルの発光輝度を測定し、酸化マグネシウムの
スパッタリングによって誘電体保護層を形成して得られ
たガス放電パネル(比較例1)の、同一条件による発光
輝度を100%としたときの相対輝度を求めて、発光効
率(%)とした。このようにして得られた発光効率は、
95%であった。
【0026】実施例2〜4 表1に示す配合比で、窒素気流中でアルカリ土類金属酸
化物粉末、有機酸およびエーテルアルコール溶媒を撹拌
しつつ150℃に昇温して、該金属酸化物の粉末が消失
するまで反応を続け、アルカリ土類金属塩のエーテルア
ルコール溶液を調製した。反応終了後、溶液を冷却し
て、実施例2および実施例4では、2−ブトキシエタノ
ールで希釈して系の粘度を1dPa・s とし、実施例1で用
いたのと同様のスライドガラスにスプレーコートした。
実施例3では、溶媒の一部を留去することにより、系の
粘度を100dPa・s として、同様のスライドガラスに印
刷した。いずれの場合も、風乾して溶媒を除去した後、
550℃で10分間焼成して、透明で均一な、欠陥のな
いアルカリ土類金属酸化物の被膜を得た。
化物粉末、有機酸およびエーテルアルコール溶媒を撹拌
しつつ150℃に昇温して、該金属酸化物の粉末が消失
するまで反応を続け、アルカリ土類金属塩のエーテルア
ルコール溶液を調製した。反応終了後、溶液を冷却し
て、実施例2および実施例4では、2−ブトキシエタノ
ールで希釈して系の粘度を1dPa・s とし、実施例1で用
いたのと同様のスライドガラスにスプレーコートした。
実施例3では、溶媒の一部を留去することにより、系の
粘度を100dPa・s として、同様のスライドガラスに印
刷した。いずれの場合も、風乾して溶媒を除去した後、
550℃で10分間焼成して、透明で均一な、欠陥のな
いアルカリ土類金属酸化物の被膜を得た。
【0027】このようにして得られた、アルカリ土類金
属酸化物からなる誘電体保護層を備えたスライドガラス
を用いて、実施例1と同様にしてガス放電パネルを作製
し、実施例1と同様にして発光効率を求めた。その結果
を、実施例1の発光効率とともに表2にまとめた。
属酸化物からなる誘電体保護層を備えたスライドガラス
を用いて、実施例1と同様にしてガス放電パネルを作製
し、実施例1と同様にして発光効率を求めた。その結果
を、実施例1の発光効率とともに表2にまとめた。
【0028】
【表1】
【0029】比較例1 酸化マグネシウムのスパッタリングにより、同様のスラ
イドガラスに、酸化マグネシウムの均一な被膜が得られ
た。これより実施例1と同様にして得られた発光輝度
を、前述の発光効率の標準として用いた。
イドガラスに、酸化マグネシウムの均一な被膜が得られ
た。これより実施例1と同様にして得られた発光輝度
を、前述の発光効率の標準として用いた。
【0030】比較例2 エチルセルロース2部をジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル30部に溶解した。これに、酸化マグネシウ
ム粉末(Mg純度99.9%以上)40部およびホウケ
イ酸鉛ガラス粉末(作業温度500℃用)1部を混合
し、撹拌して均一に分散させた。系の粘度を200dPa・
s に調整し、スライドガラスに印刷した。これを風乾し
た後、580℃で10分間焼成したところ、くすんだ半
透明の被膜が得られた。
ルエーテル30部に溶解した。これに、酸化マグネシウ
ム粉末(Mg純度99.9%以上)40部およびホウケ
イ酸鉛ガラス粉末(作業温度500℃用)1部を混合
し、撹拌して均一に分散させた。系の粘度を200dPa・
s に調整し、スライドガラスに印刷した。これを風乾し
た後、580℃で10分間焼成したところ、くすんだ半
透明の被膜が得られた。
【0031】これを用いて、実施例1と同様にしてガス
放電パネルを作製し、実施例1と同様にして発電効率を
求めた。その結果を表2に示す。
放電パネルを作製し、実施例1と同様にして発電効率を
求めた。その結果を表2に示す。
【0032】比較例3 酸化マグネシウム粉末として、Mg純度が92%のもの
を用いた。この酸化マグネシウム粉末4部を用い、2−
エチルヘキサン酸28部および2−ブトキシエタノール
300部とともに、実施例2と同様に加熱して、他の金
属塩を不純物として含む2−エチルヘキサン酸マグネシ
ウムの均一な溶液を得た。これを粘度が5dPa・s になる
ように2−ブトキシエタノールで希釈し、スライドガラ
スにスプレーコートし、風乾した後、580℃で10分
間焼成したところ、くすんだ半透明の被膜を得た。
を用いた。この酸化マグネシウム粉末4部を用い、2−
エチルヘキサン酸28部および2−ブトキシエタノール
300部とともに、実施例2と同様に加熱して、他の金
属塩を不純物として含む2−エチルヘキサン酸マグネシ
ウムの均一な溶液を得た。これを粘度が5dPa・s になる
ように2−ブトキシエタノールで希釈し、スライドガラ
スにスプレーコートし、風乾した後、580℃で10分
間焼成したところ、くすんだ半透明の被膜を得た。
【0033】これを用いて、実施例1と同様にしてガス
放電パネルを作製し、実施例1と同様にして発電効率を
求めた。その結果を表2に示す。
放電パネルを作製し、実施例1と同様にして発電効率を
求めた。その結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
Claims (1)
- 【請求項1】 一般式 M(OR)2 (式中、Mはアルカリ土類金属原子を表し、Rは互いに
同一でも異なっていてもよく、1価の炭化水素基、また
はヒドロキシル基で置換されていてもよい1価のアシル
基を表し、アシル基の場合、2個のRが連結して2価の
アシル基を形成していてもよい)で示される1種または
2種以上のアルカリ土類金属含有有機化合物を誘電体の
表面に塗布する工程と、ついでこれを300〜700℃
に焼成して、アルカリ土類金属酸化物からなる保護層を
形成する工程を含むことを特徴とする誘電体保護層の形
成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4308525A JPH06162920A (ja) | 1992-11-18 | 1992-11-18 | 誘電体保護層の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4308525A JPH06162920A (ja) | 1992-11-18 | 1992-11-18 | 誘電体保護層の形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06162920A true JPH06162920A (ja) | 1994-06-10 |
Family
ID=17982085
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4308525A Pending JPH06162920A (ja) | 1992-11-18 | 1992-11-18 | 誘電体保護層の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06162920A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR19990008979A (ko) * | 1997-07-05 | 1999-02-05 | 엄길용 | 교류형 플라즈마 표시소자의 보호층 형성방법 |
JPH11315041A (ja) * | 1998-02-12 | 1999-11-16 | Samsung Display Devices Co Ltd | 金属酸化物前駆体組成物及びその製造方法 |
US7018462B2 (en) | 2002-10-28 | 2006-03-28 | Nof Corporation | Organic acid metal salt and coating liquid containing the same for forming a metal oxide film |
US7264528B2 (en) | 2002-07-23 | 2007-09-04 | Hitachi, Ltd. | Substrate assembly for gas discharge panel, process for manufacturing the same, and gas discharge panel |
JP2007280691A (ja) * | 2006-04-04 | 2007-10-25 | Ube Material Industries Ltd | 酸化マグネシウム薄膜製造用液体組成物 |
WO2007139183A1 (ja) * | 2006-05-31 | 2007-12-06 | Panasonic Corporation | プラズマディスプレイパネルとその製造方法 |
-
1992
- 1992-11-18 JP JP4308525A patent/JPH06162920A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR19990008979A (ko) * | 1997-07-05 | 1999-02-05 | 엄길용 | 교류형 플라즈마 표시소자의 보호층 형성방법 |
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US7327082B2 (en) | 2002-07-23 | 2008-02-05 | Hitachi, Ltd. | Substrate assembly for gas discharge panel having dielectric layer comprising laminate of organic dielectric layer and inorganic dielectric layer, and gas discharge panel |
US7018462B2 (en) | 2002-10-28 | 2006-03-28 | Nof Corporation | Organic acid metal salt and coating liquid containing the same for forming a metal oxide film |
JP2007280691A (ja) * | 2006-04-04 | 2007-10-25 | Ube Material Industries Ltd | 酸化マグネシウム薄膜製造用液体組成物 |
WO2007139183A1 (ja) * | 2006-05-31 | 2007-12-06 | Panasonic Corporation | プラズマディスプレイパネルとその製造方法 |
WO2007139184A1 (ja) * | 2006-05-31 | 2007-12-06 | Panasonic Corporation | プラズマディスプレイパネルとその製造方法 |
US8089211B2 (en) | 2006-05-31 | 2012-01-03 | Panasonic Corporation | Plasma display panel and method for manufacturing the same |
US8183775B2 (en) | 2006-05-31 | 2012-05-22 | Panasonic Corporation | Plasma display panel and method for manufacturing the same |
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