JPH0616034B2 - 水棲動物画像監視装置及びその方法 - Google Patents

水棲動物画像監視装置及びその方法

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JPH0616034B2
JPH0616034B2 JP28884986A JP28884986A JPH0616034B2 JP H0616034 B2 JPH0616034 B2 JP H0616034B2 JP 28884986 A JP28884986 A JP 28884986A JP 28884986 A JP28884986 A JP 28884986A JP H0616034 B2 JPH0616034 B2 JP H0616034B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は浄水場や下水処理場の流入水中及び処理水中、
並びに河川水において水棲動物を画像認識して被検水中
の毒物の有無を精度良く検出できるようにした水棲動物
画像監視装置並びに監視方法に関する。
〔従来技術〕
浄水場などでは原水中に毒物が混入したか否かを判定す
るために、原水の一部を水槽に導きこの水槽でフナ、コ
イ、ウグイ、タナゴ、ハヤ及びオイカワなどの水棲動物
を飼育している。すなわち、原水中に毒物が混入した場
合には、前記魚類が異常に行動したり死んだりしたりす
る現象を利用して原水中の毒物流入を監視している。ま
た、下水処理場では法律で禁止された毒物が流入下水中
に流入したか否かを知る必要があり、人手による間欠的
な水質分析を行っている。同様に、浄水場や下水処理場
の処理水や放流水及び河川水並びに湖沼について水中の
毒物の有無を監視する必要がある。
このように、水中の毒物監視は現状では人間の目視や繁
雑な手分析に依存している。このため連続監視と早期検
出が出来ない欠点があった。
そこで、特開昭61-46294号公報に記載されているよう
に、ビデオ装置で観察した複数の微小生物の行動パター
ンと、水質センサなどで検出した水質を考慮して異常を
判定する方式が提案された。
〔発明が解決しようとする問題点〕
発明者らは、魚の行動を画像により監視する方法を特願
昭60-223583号、及び特願昭60-220098号において既に発
明しているが、これらの発明並びに従来技術を実用化す
るための研究を重ねて毒物混入を効果的に検出する装置
を発明するに至った。
従来技術の問題点を以下に説明する。水棲動物の運動パ
ターンは水温や溶存酸素濃度やpHなどの影響を強く受
けるので、水棲動物の運動パターンやその統計的分布か
ら水中の毒物混入を判定する際には、これらの影響を予
め把握しておかなければならず、そうしないと水棲動物
の行動異常が毒物混入によるものなのか、または水温や
溶存酸素濃度等の異常によるものなのかを判定すること
は困難である。このため従来の方式は、水温や溶存酸素
濃度、pH等を検知してこれらの影響を補正しなければ
ならず、これらの特性を検出するセンサ装置を具備して
この検出値に基づいて水棲動物の運動パターンを予測並
びに判定していた。したがって、水温や溶存酸素濃度、
pH等が水棲動物の運動パターンやその統計的分布に及
ぼす影響を予め十分に調べて定量化しておかなければな
らなかった。この具体的方法は特開昭61-46294号公報に
は記載されていないが、水温や溶存酸素濃度、pH等の
各々の影響、並びにそれらの因子が相互にからみあった
場合の影響など全ての影響を予め数式モデル化しておく
必要があり、この作業には多大の時間と労力を要してい
た。また、これらの因子が水棲動物に及ぼす影響は複雑
であるために、運動パターンの統計的分布に異常があっ
た場合に、それがこれらの因子の異常によるものなの
か、または毒物の混入によるものなのかを年間を通じて
安定に精度良く判定することは難しく、状況に応じてモ
デルを修正しなければならなかった。
また、毒物が流入していなくても、水温や溶存酸素濃
度、pH等が適正な状態に保たれていない場合には魚の
動きが鈍化する為、行動パターンから毒物流入を検知す
ることが困難になる場合がある。例えば、水温が低い場
合には毒物が流入しても反応が鈍かったり、また反応に
時間を要することを発明者らは見い出した。このような
場合には、毒物が流入してもこれを検知するのが遅れた
り、毒物がないものと誤認識することになる。
すなわち、水温や溶存酸素濃度、pHなどの影響を予め
モデル化しておく方法では、毒物流入を迅速かつ高精度
で検知できない問題点がある。
本発明の目的は、水温や溶存酸素濃度、pHなどの変化
にかかわらず、常に安定してしかも精度良く毒物の有無
を判定できる水棲動物監視装置及び監視方法を提供する
ことにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、水温、溶存酸素濃度、pH、塩素濃度、濁
度、アルカリ度及びアンモニア濃度などのように水棲動
物の行動に影響を与える因子を一定条件に維持した上
で、水棲動物を撮像し、撮像画像を画像処理して水棲動
物の水深方向の位置分布と速度分布を分析し、これらの
位置分布ならびに速度分布とを用いて毒物流入を精度良
く判定できるようにしたことに特徴がある。
〔作用〕
本発明では、被検水の水温、溶存酸素濃度、pH、塩素
濃度、濁度、アルカリ度或はアンモニア濃度を予め一定
に維持たとえば水棲動物の活動に好適なように維持して
あるので、水棲動物の水深方向の位置分布と速度分布と
を画像処理により求め、これらを用いて毒物の有無を早
期に精度良く検出することができる。
〔発明の実施例〕
以下に図面を用いて実施例を説明する。
第1図を用いて実施例の構成を説明する。この実施例で
は水温を、魚の活動が活発なように調節した上で、魚の
水深方向の位置分布と速度分布とを用いて毒物流入を判
定する例を説明する。温度調節槽1Aへは、配水管2A
とポンプ2Bによつて被検水(図示しない)を供給す
る。余分な水は排水管2Cによつて排水する。攪拌機3
Aは被検水を攪拌翼3AAで攪拌する。サーミスタなど
の温度計4Aは被検水の温度を検出する。検出した温度
は、温度調節装置5Aに入力されヒータ出力装置6Aを
調節して放熱器6AAからの放熱量を制御する。
10は飼育水槽で給水管11と給水ポンプ12によつて
温度が一定になつた被検水が供給される。飼育水槽10
内に導かれた水は排水管13によつて排水される。水槽
10内には金網や多孔板などの仕切板18A及び18B
によつて仕切られた飼育空間19があり、ここで魚14
を飼育する。照明装置15は飼育水槽10内の魚14を
照らす。照明装置15と飼育水槽10との間にはスリガ
ラスや紙などの半透明で光を散乱させる物質を材質とす
る半透明散乱板16を設ける。
照明装置15からみて飼育水槽10の反対側に工業用テ
レビカメラ(ITV)などの撮像装置20を配置する。
すなわち、撮像装置20は照明装置15から半透明散乱
板16を通して得た光を撮像する。ここで、撮像装置2
0は20Aで示す領域の内側の魚14を撮像する。
撮像装置20の信号は画像処理装置30に導かれて魚を
画像認識すると共に、魚の重心や速度を計算する。重心
や速度の信号は監視装置40に入力されて重心の位置や
速度の統計的なパターンを計算して魚14の行動を監視
する。警報装置50は監視装置40で得られた監視結果
に基づいて異常の場合には警報を発する。モニターテレ
ビ60は画像処理装置30,監視装置40及び警報装置
50の信号を受けて、撮像画像や画像認識結果並びに魚
の移動速度の評価結果を表示する。キーボード70は画
像処理装置40や監視装置50の計算条件、並びにモニ
タテレビ60の表示を制御するための情報を入力する。
続いて、本実施例の構成の詳細並びに動作を以下に説明
する。
配水管2Aとポンプ2Bは被検水を温度調節槽1Aへ供
給する。被検水は図示しないが、浄水場では河川や沼及
び浄水場内で浄化されている水などであり、下水処理場
では流入下水や処理水であり、また、河川の毒物を監視
する場合では河川水である。余分な水は配水管2Cによ
つてオーバーフローして排水する。供給された被検水を
充分攪拌して均一にするために攪拌機3Aと攪拌翼3AA
で被検水を攪拌する。サーミスタなどの温度計4Aは被
検水の温度を検出して温度の信号を温度調節装置5Aに
入力する。温度調節装置5Aは温度調節槽1Aの中の温
度を一定に維持するためのもので、ヒータ出力装置6A
を調節して放熱器6AAからの放熱量を制御する。温度
調節方法は、オン/オフ調節法やPID調節法など公知
の技術を容易に利用できる。調節する温度の目標値は、
飼育水槽10で飼育する魚14が活動するのに適した一
定の温度に設定する。このようにすることで毒物流入に
よる魚の異常な行動を精度良く監視することができる。
コイやフナやタナゴなどの設定温度は15ないし25
度、マスやオイカワなどでは10ないし20度程度であ
る。これら設定温度は被検水の温度や魚の活動状態を参
考にして決める。年間の最高水温が25℃であれば、こ
の温度に設定しておけば水を冷却する必要はないが、必
要に応じて冷却装置を設置することは勿論である。ま
た、設定温度は魚が活発に活動できる一定の温度に設定
する。
給水ポンプ12は温度調節槽1Aの水を給水管11によ
つて飼育水槽10に供給する。飼育水槽10内の水は排
水管13によつて排水される。飼育水槽10内には仕切
板18A及び18Bを設置する。仕切板18A及び18
Bは金網や多孔板などで、水を通過させるが魚を通過さ
せないような構造である。照明装置15と撮像装置20
とは飼育水槽10をはさんで各々反対方向に配置する。
照明装置15と飼育水槽10との間にはスリガラスや紙
などの半透明散乱物質を材質とする半透明散乱板16を
設ける。半透明散乱板16全体から発する光は飼育水槽
10を照射し、20Aで示す領域を撮像装置20で検出
する。工業用テレビカメラ(ITV)などの撮像装置2
0で撮像した信号は画像処理装置30に送信される。
画像処理装置30は撮像装置20から受けた画像信号
を、予め設定された時間間隔h毎に取り込んで魚14を
画像認識する。次に、画像処理装置30は画像認識され
た魚の位置(重心)と速度を計算して、これらの信号を
監視装置40に入力する。また、画像認識された魚14
の画像信号はモニタテレビ60に表示される。監視装置
40では時間間隔h毎に魚の重心と速度の信号を受けて
これらを記憶し、予め設定した計測時間間隔Tの間にお
ける魚の統計的な重心や行動のパターンを演算する。計
測されたこれらのパターンはモニタテレビ60に表示す
る。監視装置40には毒物が流入していない正常時の魚
の重心や行動のパターンが予め記憶されており、このパ
ターンと計測したパターンとを比較する。また、正常時
のパターンを予め記憶することが困難である場合や、こ
のパターンの作成を省力化したい場合には、学習により
正常時のパターンを作成しても良い。
監視装置40では次に、正常時のパターンと計測された
パターンとの偏差を計算する。そして、予め設定した偏
差異常の大きな偏差が生じた場合には魚の行動が異常で
あるとみなす。すなわち毒物が流入したと判定して、こ
の信号を警報装置50に入力する。警報装置50は、信
号の内容に応じて音声警報を発生したり、水質監視者に
水質検査を促すためのメツセージなどを出力したりす
る。キーボード70は画像処理装置40や監視装置50
の計算条件、並びにモニタテレビ60の表示を制御する
情報を入力する。
次に、画像処理装置30の構成を第2図を用いて説明す
る。タイマ30TはA/D変換器31にトリガ信号を出
力する。A/D変換器31はこのトリガ信号に同期して
撮像装置20からの濃淡画像信号をアナログ値からデジ
タル値に変換し、これを濃淡画像メモリ31Mに記憶す
る。2値化回路32では濃淡画像メモリ31Mの信号を
受けて魚14の画像を抽出し、2値化メモリ32Mに記
憶する。重心座標演算回路33は2値化メモリ32Mの
信号を受けて魚14の重心座標を計算する。
次に、画像処理装置30の動作を第2図を用いて詳細に
説明する。
タイマ30Tはキーボード70によつて入力されて初期
設定された時間間隔h毎に、A/D変換器31にA/D
変換のトリガ信号を出力する。このhは0.1秒ないし
2秒程度であり、この時間間隔で後述する画像処理を実
行する。また、タイマ30Tでは計測時間T(1回の画
像処理時間がhであるからn回の画像処理を繰り返すと
T=nhとなる)を設定して、この間の魚の統計的なパ
ターンを演算できるようにする。計測時間Tは10秒な
いし1時間程度である。
A/D変換器31はこのトリガ信号に同期して撮像装置
20からの濃淡画像信号をアナログ値からデジタル値に
変換し、デジタルの濃淡画像信号を濃淡画像メモリ31
Mに記憶する。濃淡画像メモリ31Mには縦が256
個、横が256個の記憶場所があり、各々の記憶場所に
対応する画素の輝度信号がデジタル値で格納される。時
刻tにおけるこの記憶場所のi行j列(i=1〜25
6,j=1〜256)目の信号(輝度)をG(i,j,
t)と表すものとする。A/D変換器31がアナログ値
を7ビツトのデジタル値に変換するものであればG
(i,j,t)は128段階のデジタル値をもつ。濃淡
画像メモリ31Mに格納された濃淡画像の例を第3図に
示す。
2値化回路32では濃淡画像メモリ31Mの輝度G
(i,j,t)を受けて閾値Lよりも明るい画素を全
て”0”レベルとし、逆に閾値Lよりも暗い画素を全
て”1”レベルとして、この信号を2値化メモリ32M
に格納する。この2値化された信号の集合をB(i,
j,t)とすると、2値化の計算は次式で表される。
G(i,j,t)≧Lならば、B(i,j,t)=0
(1) G(i,j,t)<Lならば、B(i,j,t)=1
(2) (1)(2)式を各画素について全て計算することによつて、
背景を”0”レベル、魚14を”1”レベルとすること
ができる。第3図のA−A線上の輝度を第4図に示
し、これを閾値Lで2値化した結果を第5図に示し、得
られた2値化画像を第6図に示す。第6図の画像が2値
化メモリ32Mに格納される。
重心座標演算回路33は2値化メモリ32Mの信号を受
けて魚14の重心座標を計算する。2値化メモリ32M
において”1”レベルの画素の個数をN、各々の座標を
(Xi(t),Yj(t))とすると、魚14の重心座
標(Xg(t),Yg(t))は次式で計算する。
Xg(t)=ΣXi(t)/N (4) Yg(t)=ΣYi(t)/N (5) 計算された重心座標(Xg(t),Yg(t))は監視
装置40に送信される。
第7図を用いて監視装置40の構成を説明する。
重心記憶回路41Mは重心座標演算回路33の演算した
重心座標を記憶する。重心分布演算回路42は重心記憶
回路41Mの重心座標を受けて重心分布を演算するとと
もに、同時に重心記憶回路41Mのメモリをクリアーす
る。重心分布の演算結果は重心分布比較回路43に入力
される。重心分布比較回路43には正常分布設定回路4
3Sから正常時の重心分布が入力され、この正常分布
と、重心分布演算回路42から入力された重心分布とが
比較される。異常と判定されたら信号を警報装置50に
入力する。
速度演算回路44は、重心記憶回路41Mの重心座標を
受けて魚の速度V(t)を演算して速度メモリ44Mに
記憶する。速度分布演算回路45は、速度メモリ44M
の速度を受けて速度分布を演算し、同時に速度メモリ4
4Mのメモリをクリアーする。速度分布の演算結果を速
度分布比較回路46に入力する。速度分布比較回路46
には正常分布設定回路46Sから正常時の速度分布が入
力され、この正常分布と、速度分布演算回路45から入
力された速度分布とが比較される。速度が異常と判定さ
れたら信号を警報装置50に入力する。
次に、監視装置40の動作を詳細に説明する。
重心記憶回路41Mは、重心座標演算回路33の演算し
た重心座標(Xg(t),Yg(t))を時間間隔h毎
(t,t+h,t+2h,t+3h,…,t+nh)に
次々に記憶していく。すなわち、重心記憶回路41Mに
記憶される重心座標は(Xg(t),Yg(t)),
(Xg(t+h),Yg(t+h)),(Xg(t+2
h),Yg(t+2h)),…,(Xg(t+nh),
Yg(t+nh))である。重心分布演算回路42はこ
れらの重心座標を受けて水深方向の重心分布を演算する
とともに、重心記憶回路41Mのメモリをクリアーす
る。つまり、時刻tからt+nhまでが一回の計測時間
Tであり、この時間T毎に同じ演算を繰り返す。ここ
で、水深方向の重心分布とは第8図に示すように、縦軸
が水深で横軸が相対頻度を表す。重心分布演算回路42
で演算された重心分布は重心分布比較回路43に入力さ
れる。重心分布比較回路43には正常分布設定回路 43S
から正常時の重心分布が入力され、この正常分布と、重
心分布演算回路42から入力された重心分布とが比較さ
れる。異常と判定されたら信号を警報装置50に入力す
る。第8図においてNで示す曲線は正常時の重心分布パ
ターンを表し、Aは異常時を表す。発明者らは、このよ
うに重心分布に差があることを見い出した。このこと
は、正常時には魚14は飼育水槽10の底にいる頻度が
大きいが、異常時には水面近くに上がることを表してい
る。重心分布比較回路43ではこれらの差を、例えばN
とAとの偏差で比較する。分布パターンの比較は偏差で
比較する方法以外にも公知の技術が利用できる。
速度演算回路44は、重心記憶回路41Mの重心座標を
受けて魚の速度V(t)を次式で演算して、結果を速度
メモリ54Mに記憶する。
同様にして、時間h毎に速度V(t),V(t+h),
V(t+2h),…,V(t+nh)が速度メモリ54
Mに記憶される。速度分布演算回路45は、速度メモリ
44Mの速度を受けて速度分布を演算するとともに、速
度メモリ44Mのメモリをクリアーする。ここで、速度
分布とはある速度で泳いでいた頻度がどれくらいあつた
かを表すもので、第9図に示すように横軸が速度V,縦
軸が相対頻度を表す。速度分布の演算結果を速度分布比
較回路46に入力する。速度分布比較回路46には正常
分布設定回路46Sから正常時の速度分布が入力され、
この正常分布と、速度分布演算回路45から入力された
速度分布とが比較される。速度が異常と判定されたら信
号を警報装置50に入力する。第9図においてNで示す
曲線は正常時の速度分布パターンを表し、Aは異常時を
表す。発明者らは、正常時には魚14はあまり急激には
動かないので、速度が小さいところにピークがあるが、
異常時には急激に動く頻度が増加するので、速度分布は
右にシフトすることを見い出している。速度分布比較回
路46ではこれらの差を、例えばNとAとの偏差で比較
する。分布パターンの比較は重心分布の比較同様に他の
公知の技術が利用できる。
警報装置50は時間T毎に重心分布比較回路43と速度
分布比較回路46とから信号を受ける。いずれか一方に
異常があれば、各種の警報や音声メツセージを出力す
る。キーボード70からの指令に基づいて、モニタテレ
ビ60は撮像装置20の画像を随時表示したり、2値化
メモリ32Mの画像を時間h毎に表示したり、第8図に
示す重心分布や第9図の速度分布などを時間T毎に表示
する。
以上、第1図の実施例を詳細に説明したが、この実施例
では水温を一定に維持しているので、季節変化などに伴
う水温変化が魚の動きやパターンに及ぼす影響を考慮し
なくてよい。このように、季節を問わず、魚の行動を活
発にした一定の水質条件下で画像監視できるので、毒物
が被検水に流入した時の魚の異常行動を精度良く検知し
て警報を出すことができる。
このことをさらに具体的に説明する。浄水場では冬期の
水温が10℃以下になるが、このような水温では魚の活
動は極端に鈍くなる。この時の速度分布を第10図の
N′に、重心の水深方向の分布を第11図のN′に示
す。第10図と第11図には水温20℃の例をNで示し
てある。発明者らは、毒物が混入した異常状態になつて
も、N′で示したパターンに変化がすぐには表れず、し
ばらく経つて僅かな差が出ることを見い出している。す
なわち、水温が低くなると毒物に対する応答が鈍くな
り、毒物流入の早期検知を行動パターンで行うことは困
難である。一方、魚が活発に活動する水温で検知すれ
ば、第8図と第9図で説明したように、魚の水深方向の
分布と速度分布とに速かに差が表れるので、これらを計
測することにより、毒物流入をより早くしかも精度良く
検知できる効果が生じる。
以下に本発明の他の実施例を第12図を用いて説明す
る。この実施例では溶存酸素濃度(DO:Dissolved Ox
ygen)、pH,塩素濃度、並びに濁度を調節する例を説
明する。
DO調節槽1Bへは、配水管2Aとポンプ2Bによつて
被検水(図示しない)を供給する。被検水は第1図の実
施例で説明した温度調節槽1Aからの水でもよいことは
いうまでもない。DO計4Bは被検水のDOを検出して
DO調節装置5Bに入力する。DO調節装置5BはDO
調節槽1Bの中のDOを一定に維持するためのもので、
エアポンプ6Bを調節して散気装置6BBからの酸素供
給量を制御する。DOの調節方法は、オン/オフ調節法
やPID調節法など公知の技術を容易に利用できる。調
節するDOの目標値は、飼育水槽10で飼育する魚14
が活動するのに適した一定のDOに設定する。設定DO
は飽和酸素濃度近くがよく5mg/以上が好ましい。
DOが一定になつた水は、管2BCによりpH調節槽1
Cへ送る。このようにしてDOを一定にすることで魚の
行動が活発になるので、被検水のDO変化にかかわら
ず、毒物流入による魚の異常な行動を早期に精度良く監
視することができる。
pH調節槽1CではpH計4Cが被検水のpHを検出し
てpH調節装置5Cに入力する。pH調節装置5Cはp
H調節槽1Cの中のpHを一定に維持するためのもの
で、酸供給ポンプ6C1並びにアルカリ供給ポンプ6C
2を調節して酸液タンク6C1T並びにアルカリタンク
6C2Tからの薬品供給量を制御する。攪拌機3Cは被
検水を攪拌翼3CCで攪拌してpHを均一にする。pH
調節方法は公知の技術を容易に利用できる。調節するp
Hの目標値は、飼育水槽10で飼育する魚14が活動す
るのに適した一定のpHに設定する。設定pHは6ない
し8が好ましい。pHが一定になつた水は、管2CDに
より塩素濃度調節槽1Dへ送る。このようにしてpHを
一定に維持することで魚の行動を活発にして、被検水の
pH変化の影響を受けずに、毒物流入による魚の異常な
行動を早期に精度良く監視することができる。
塩素濃度調節槽1Dでは被検水がサンプリング管4DD
によりサンプリングされ、塩素濃度計4Dで塩素濃度検
出して塩素濃度調節装置5Dに入力する。塩素濃度計4
Dとしては市販の残留塩素濃度計が利用できる。塩素濃
度調節装置5Dは塩素濃度調節槽1Dの中の塩素濃度を
一定に維持するためのもので、脱塩素剤供給ポンプ6D
を調節して脱塩素剤タンク6DTからの薬品供給量を制
御する。脱塩素剤としてはチオ硫酸ナトリウムが利用で
きる。攪拌機3Dは被検水を攪拌翼3DDで攪拌して塩素
濃度を均一にする。塩素濃度調節方法は公知の技術を容
易に利用できる。調節する塩素濃度の目標値は、飼育水
槽10で飼育する魚14が活動するのに適した所定値以
下の塩素濃度に設定する。塩素は殺菌のために注入され
るが、生物に悪影響を与える(魚が死ぬ)のでなるべく
塩素濃度は低いほうがよい。塩素濃度計4Dの精度にも
よるが、塩素濃度は検出されない位に調節したほうが良
い。塩素濃度が所定値以下になつた水は、給水管11と
給水ポンプ12によつて飼育水槽10に被検水を供給す
る。このようにして塩素濃度を所定値以下に維持するこ
とで魚の行動を活発にして、被検水の塩素濃度変化の影
響を受けずに、毒物流入による魚の異常な行動を早期に
精度良く監視することができる。浄水場で処理されてい
る水には塩素が予め注入されているので、この水を被検
水にするときにはこの塩素調節が必要である。
このように、第12図の実施例では、DO,pH及び塩
素濃度の影響を受けずに魚が活発に行動できるようにし
た上で魚を画像監視できるので、魚が毒物流入のために
異常行動するのを早期に精度よく検出することができ
る。第12図の実施例は、第1図に比べて温度以外の水
質を一定に調節する例であるが、両者を同時に行なつ
て、さらに精度良い毒物検知を行なうことも出来る。
第12図ではDO,pH及び塩素濃度を独立した調節槽
で調節する例を説明したが、1つの調節槽で行なつてよ
いこと、並びに、1つの水質のみを調節してよいことは
勿論である。すなわち、被検水において変動の激しい水
質のみを一定にする調節槽を設置することで、経済的な
装置にすることができる。また、DO,pH及び塩素濃
度以外にも濁度やアルカリ度などを同様にして調節でき
ることは言うまでもない。
第13図は濁度を所定値以下に調節する実施例である。
濁度は魚の行動に大きく影響しないので、魚に及ぼす影
響を排除する目的で調節を厳密に行なわなくてもよい。
しかし、魚を画像認識する際には濁度の影響があるの
で、濁度を所定値以下に調節する。特に濁度の変化が大
きな場合には第12図の実施例の前段に濁度調節槽を設
置すると効果的である。濁度調節槽1Eへは、配水管2
Aとポンプ2Bによつて被検水(図示しない)を供給す
る。濁度調節槽1Eには砂などのろ過フイルタ3Eが設
置されており、ここで濁質が除去される。濁度が所定値
以下になつた水は、給水管11と給水ポンプ12によつ
て飼育水槽10に被検水を供給する。
第14図は、アンモニア濃度を一定に調節する実施例で
ある。アンモニア濃度計は信頼性の高い計器が現状では
ないが、これが開発されればアンモニア濃度を所定値以
下に調節する。アンモニア濃度調節槽1Fでは被検水が
サンプリング管4FFによりサンプリングされ、アンモニ
ア濃度計4Fでアンモニア濃度検出してアンモニア濃度
調節装置5Fに入力する。アンモニア濃度調節装置5F
はアンモニア濃度調節槽1Fの中のアンモニア濃度を一
定に維持するためのもので、脱アンモニア剤供給ポンプ
6Fを調節して脱アンモニア剤タンク6FTからの薬品
供給量を制御する。攪拌機3Fは被検水を攪拌翼3FF
で攪拌してアンモニア濃度を均一にする。調節するアン
モニア濃度の目標値は所定値以下にして、飼育水槽10
で飼育する魚14が活動するようにする。アンモニア濃
度が所定値以下になつた水は、給水管11と給水ポンプ
12によつて飼育水槽10に被検水を供給する。このよ
うにしてアンモニア濃度を所定値以下に維持することで
被検水のアンモニア濃度変化の影響を受けずに、毒物流
入による魚の異常な行動を早期に精度良く監視すること
ができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、水温,DO,pH,塩素濃度,濁度、
及びアンモニア濃度などに影響を与える因子を一定条件
に維持した上で、魚の水深方向の分布と速度分布とによ
り行動パターンの異常を検知している。このため、これ
ら因子の影響を予め調べて数式モデル化する労力と時間
とを省略できるだけでなく、毒物流入に起因する魚の異
常行動を早期かつ高精度に画像監視して毒物流入を検知
することができる効果がある。このように、毒物流入を
精度良く検知できることは、警報をだしたり異常時に取
水停止するなど緊急措置を速やかにとることが可能であ
り、水質安全性を安定して確保できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を説明する図、第2図は画像処
理装置の構成を説明する図、第3図から第6図までは画
像処理経過を表す図、第7図は監視装置の構成を説明す
る図、第8図〜第11図は重心分布又は速度分布の特性
図、第12図,第13図及び第14図は本発明の他の実
施例を説明する図である。 1A……水温調節槽、4A……水温計、5A……水温調
節装置、6A……ヒータ出力装置、10……飼育水槽、
14……魚、20……撮像装置、30……画像処理装
置、40……監視装置、50……警報装置、60……モ
ニタテレビ、70……キーボード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 昭二 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 石田 昌彦 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 原 直樹 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 依田 幹雄 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 飯田 高士 茨城県日立市幸町3丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検水の温度、溶存酸素濃度、pH、塩素
    濃度、濁度、アルカリ度及びアンモニア濃度の少なくと
    も1つを一定条件に維持する装置と、水棲動物を収容飼
    育しかつ前記装置から導いた水を通過させる水槽と、該
    水棲動物の画像情報を電気信号に変換する撮像装置と、
    該撮像装置で得られた画像から該水棲動物を認識する画
    像処理装置と、該画像処理装置で得られた画像から該水
    棲動物の水深方向の位置分布と速度分布を分析する判定
    装置とを具備することを特徴とする水棲動物画像監視装
    置。
  2. 【請求項2】被検水の温度、溶存酸素濃度、pH、塩素
    濃度、濁度、アルカリ度及びアンモニア濃度の少なくと
    も1つを一定条件に維持した水槽内で水棲動物を収容飼
    育し、該水棲動物を撮像して画像情報を電気信号に変換
    し、得られた電気信号を画像処理して該水棲動物を認識
    し、得られた画像から該水棲動物の水深方向の位置分布
    と速度分布を分析して被検水中の毒物の有無を検出する
    ことを特徴とする水棲動物画像監視方法。
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KR101186494B1 (ko) 2009-12-18 2012-10-11 부산대학교 산학협력단 휘발성 독성물질 누출차단장치를 구비한 제브라물고기 또는 유사종에 대한 반응행동 자동검출장치 및 이를 이용하여 행동반응을 연산하도록 하는 행동반응연산방법
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JP6489994B2 (ja) * 2014-10-31 2019-03-27 鹿島建設株式会社 水質監視システム及び水質監視方法

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